Leica Virgin 中将姫光学

湘南のはずれ、目久尻川のほとりでひっそりガラス玉と遊んでいます。

快車的回憶

R-D1/Ross Xpres 2inF2
通称"BJA"と呼ばれる書籍があります。
正式には"The British Journal Photographic Almanac"といって、そのまま訳せば、"英国写真年鑑"です。
その名の通り、毎年刊行されていた書籍で、わたしの家にも数冊取り寄せたものが転がっています。
だいたい毎年400ページくらいはある厚手のハードカバーで、深緑色の表紙はまるで聖書のような崇高さを感じさせるものです。

内容はと言えば、引伸ばしやら、ネガのマウントやら、どちらかといえば、当時の最新技術書の体裁が主流のようで、あまり読みたいと思うようなものは、少なくともわたしの所有する年度のものに関してありません。
なぜ、ここで紹介したかと言えば、比較的多くの割合を占める広告ページに資料的価値のありそうなものが散見されるからです。
あくまで、散見という表現を使ったのはその程度しか価値を見出せそうなものがないということで、例えば、1942年版には戦時中だからでしょう、最新カメラたるライカやコンタックスの広告は見かけません。
それに Dallmeyer, Cooke, Wray あたりの広告も具体的なものはなく、資料としてはあまり歓迎できるものでありません。

ところが、唯一 Ross だけが、レンズのカタログを広告いっぱいに並べていて、これはレンズファンを大いに刺激するものになっています。
Xpres では F1.9, F2.9, F3.5 F4.5 が、他にも Wide Angle Xpres F4, Teleros F5.5, F6.3, 他が一覧になっていて、例えば距離計連動のライカマウントに改造しやすい焦点距離 2 inch のものはどれかなどということがよく分かります。

当然ですが、Xpres 2inF1.9 はちゃんと載っていますが、これが1952年版になると姿を消します。
かわりに、Xtralux Leica Lens 5cmF2 が掲載されています。
1942年から10年の間に前者はカタログから消え、恐らくはよりシャープで高性能の後者が誇らしげにカタログに登場してきています。
その間の経緯は分かるはずもありませんが、恐らくは戦前の Xpres F1.9 は時代遅れになり、あるいは新種ガラスの力も手伝ってハイスペックになった Xtralux F2 にとって代わられたということでしょう。

じっくり読み込むことで、新たな発見があるのかもしれませんが、現時点で1942年版BJAからわたしが見出した資料的要素はこのくらいなものです。
しかし、これが実はわたしにとってとても重要な意味を持つことなのです。

"BJA"を紹介してくださったのは実は Kinoplasmat さんのホームページだったのですが、それを拝見したときわたしは、めざとく広告中に Xpres 2inF1.9 のを見つけて、このレンズが欲しいと書き込んでいたのです。
そして、そんなことも忘れてしまい、自身、件の"BJA"を入手してからも思い出すことはなかったというのに、ある日まったくの偶然からその Xpres 2inF1.9 を手に入れてしまったというわけです。
欲しいと書いたことで、レンズが向こうから勝手にやって来た?
意識するせざると関係なく、わたしが Kinoplasmat さんの影響を受け続けていたことを分からしめた、不思議な縁を感じさせるレンズになったのでした。

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  1. 2008/08/30(土) 23:59:44|
  2. Ross Xpres 2inF1.9
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在避雨的二个人

R-D1/Ross Xpres 2inF2
そうでした。すっかり忘れてしまっていましたが、この日はイギリスからの来賓をお迎えするのに同行させていただいていたのでした。
英国の風土によるものなのでしょう、紳士としての振る舞いとやわらかなユーモアが同居していて、話には引き込まさせる力を持った方です。
思いやりある語り口は、小心者のわたしもリラックスさせるには十分で、楽しい時間を満喫できました。

しかし、残念だったのは雨降りで、楽しみにしていた銀座の散歩が中途半端になってしまったことでしょう。
この英国製の Ross Xpres の結果を見ていただくべく、日本的なスナップを撮りたかったのですが。
これは、恐らく雨宿りする男女ですが、これだけでは時間を持て余してそれぞれに携帯チェックしているカップルか、あるいは雨で身動きできなくなって仕方なく携帯をチェックしているたまたま近くに居合わせた面識のない若者ふたりなのか、識別不能です。
したがって、わたしにとっては、この日唯一のいかにも今風な日本をスナップしたということになります。

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  1. 2008/08/29(金) 23:35:10|
  2. Ross Xpres 2inF1.9
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懐念往昔

R-D1/Ross Xpres 2inF2
有楽町の駅に近いガード下に、レトロな酒場を再現した店が連なっていました。
扉の先では、この店にはこんな親父が呑んでなければならない、という男性が上機嫌で雰囲気を盛り上げています。
頭髪の具合、背筋のぴんとした美しい姿勢、饒舌だが聞き上手というお人好し的な笑い…。
惜しむらくは、白いポロシャツがランニングだったら最高ですが、そこまで贅沢は言えません。

しかし、です。
雰囲気を伝えてくれると思っていた Xpres は、ここでは不発。
モチーフたるこの男性をより鮮明にしたかったですが、背景に溶け込んでしまいました。
露出に工夫が足りなかったか。
次回、訪れる機会があれば、店の中からこの親父さんを捕らえるべく、暖簾をくぐることにしましょう。

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  1. 2008/08/28(木) 23:59:53|
  2. Ross Xpres 2inF1.9
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婦女紅礼服

R-D1/Ross Xpres 2inF2
都会と無縁なわたしにとって、やれ日比谷と言っても土地勘がないという悲しい現実があります。
日比谷公園の出口を出た目の前に皇居のお堀があるので、まずは驚きました。

さらに進むと、帝国劇場と表示があります。
帝國光学なら知っていますが、帝国劇場って?
その劇場の舞台にそのまま上がっても違和感のないような、背中の開いた真っ赤なドレスの女性が闊歩(?)しています。

金髪を追跡するように真っ直ぐ進むと、あっという間に集合場所の銀座に着いてしまいました。
日比谷から銀座はこんなに近かったのですね。
いつの間にか雑踏に取り巻かれるような、人通りにびっくりです。

まさに、パリのアメリカ人、ニューヨークの不法入国者状態です。

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  1. 2008/08/27(水) 23:59:34|
  2. Ross Xpres 2inF1.9
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1903年開業的餐庁

R-D1/Ross Xpres 2inF2
人出の少ない公園は、わたしにとってあまり面白いものではありません。
早々に立ち去り、銀座方面へ出てみようかと思案します。
いえ、すでに営業しているレストランやカフェには、けっこう人影があったりしました。
天気が悪いので、屋根のあるところに集まっていたわけですね。
夏の終わりの少し涼しいお昼、オープンエアの歴史あるレストランで食事なんて、すばらしい家族なんだろうなあと羨望を感じます。

さて、ある程度のシャープネスがあるし暗部も見事に再現されていますが、これはほとんどソフトフォーカスといえる描写です。
さらには、美しい前ボケのやわらか効果もあって、少しだけ秋の空気を感じてしまいます。

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  1. 2008/08/26(火) 23:45:02|
  2. Ross Xpres 2inF1.9
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快画草図

R-D1/Ross Xpres 2inF2
予報が悪かったせいでしょう。
公園にはほとんど人出がありません。
まばらに見かける人の中では、スケッチをしている人が多かったのが印象に残りました。

この男性もそんなひとりで、ちょっと見ていただけでも筆さばきが抜群に早かったのが圧倒的です。
にわか日曜画家ではなく、年季の入ったベテランの風情です。
スナップが好きなのに一向に上手くならないわたしは、こういう方に声をかけて話を聞けば、少しは上達しそうなものなのに、そういつも思います。

ピントが合っているはずなのに、ハイライトが爆発的に滲んでいるのは、本当にレンズに起因するものなのでしょうか。
彼こそが、神宮寺老人では…?

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  1. 2008/08/25(月) 22:59:12|
  2. Ross Xpres 2inF1.9
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英格蘭的花

R-D1/Ross Xpres 2inF2
ksmt さんから嬉しい知らせが届きました。
イギリスから著名な方が来日して会う機会があるのですが、ごいっしょにいかがですかとのお誘いです。
こけはまたとないチャンスです。
ふたつ返事でOKして、この日、待ち合わせの銀座へ向いました。
いえ、緊張のせいでしょうか、日曜なのにずいぶんと早く目覚めてしまい、約束の時間よりもだいぶ早く着いたので、日比谷公園を散歩してみました。

予報はあいにくの大雨でしたが、ちょうど到着時はピタッと止んでいて、のんびりした散歩には涼しくちょうどいい環境です。
雨露をいっぱいに湛えた赤と白のが美しく、有名な日比谷公会堂をバックにひとり撮影開始します。
レンズも英国の誇る戦前の高速レンズ、Ross Xpres 2inF1.9 を持ち出しています。
モチーフも撮影結果も、なんとなく英国的な雰囲気いっぱいと言えそうです。
ロンドンからの紳士を迎えるのにふさわしい、この1枚からスタートすることにしてみました。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2008/08/24(日) 23:59:53|
  2. Ross Xpres 2inF1.9
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初次登台

R-D1/Hugo Meyer Kino-Plasmat 3,5cmF1.5
まるっきり子供のようですが、金曜日は5時ピタで職場を抜け出し、自転車ショップに直行したのでした。
閉店間際に買いに来られて、ショップの方は迷惑だったでしょう。
しかし、今手に入れておけば、土曜は朝から自転車を乗り回すことができます。
日曜は用事があるので、土曜朝一からというのは、週末サイクリスト(?)のわたしにとって時間的にたいへん重要なことなのです。ご理解を。

あまりに慌てて、ライトを付けてもらうのも忘れて、真っ暗な中、家路を目指します。
うん、やはり、いいです。
思っていたとおり、滑らかな走りですね。
スピードは出せませんが、慣らし運転のようなものです。
海岸をめざす明日こそが、事実上のデビューということになるでしょう。

さて。
わたしは稀代の雨男だということを忘れていたようです。
朝いちばん、目久尻川沿いにのんびり走行していたところで、早くもぽつぽつと来て、今日の走行は中止と相成りました。
涼しくて快適だっただけに残念です。

サイクリストとして行動範囲が飛躍的に広がったのを見せつけるべく、今日から1週間自動車では見落としていた景色を紹介するつもりでした。
しかし、撮影どころではありません。
結局、走り出しで撮ったこの1枚のみになります。
絞りを確認せずに撮った1枚は約F4、だいぶ鮮明に自転車が浮かび上がっていますが、開放だとかなりボケボケで、背景も嵐のように流れます。
逆にF4でも緑がこれだけ流れるのが強烈です。
悪天候でサイクリングを中止したといってこれを見せれば、多くの人は納得してしまうでしょう。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2008/08/23(土) 23:59:19|
  2. Meyer Kino-Plasmat 3,5cmF1.5
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Author:zunow
ライカのレンズ、各国のノン・ライツ・レンズ、アダプターで無理やりライカ・マウントにしたレンズ…。気が付いたらたまってしまったこれらガラスのかたまり達を整理するため、日記風に綴ってゆきます。しかし、技術の向上はなく、カメラも汚れて距離計が狂いはじめました。看一下、没進歩的博客。

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