Leica Virgin 中将姫光学

湘南のはずれ、目久尻川のほとりでひっそりガラス玉と遊んでいます。

水郷同里λ慢划

M8/Macro Switar 75mmF1.9
この舟の連なりを見ると、シーズン中はそうとうな人が繰り出すことが想像されます。
春風のころがよさそうですし、赤い提灯に灯りがともる黄昏時もロマンティックで、舟に揺られるのに最高です。
昔ながらの櫂で漕ぐのがまたいいです。
佐原を歩いた時、静かな町にモーター音が響いていたことを思い出しました。
蒸気タイプのぽんぽんぽんという音なら味があるともいえますが、狭い水路に船外機の音はあまりに無粋です。

無粋な音といえば、ぱこーん、ぽこーんというシャッター音のこのカメラも負けていません。
こっそりスナップするときなど緊張を強いられます。
ライカAGでは、M8の静音シャッターへのアップグレードを受け付けています。
しかしこれが、アップグレードだけで142,800円(2月から値上げされる価格)するそうです。
わたしが最初に買ったM型ライカてあるM6の中古が150,000円でしたから、これはかなり抵抗ある価格設定です。
ずっと、この騒音シャッターと付き合っていくしかなさそうです。

M型ライカの最大のウリは、なんと言ってもファインダーでしょう。
中空に浮かぶ白いフレームと中央の二重像合致式部分が、クリアな視野の中で覗いている撮影者をスナイパーの気分にしてくれます。
これがあるから、一眼レフはもとより、他のレンジファインダーではなくライカがいいんだという人が多いのだと思っていました。
しかし、M8ではこのフレームがかなりあいまいに設置されているのだそうです。
その理由がフレームは大雑把でも、デジタルはトリミングが自在だからとなっていました。
それはそのとおりなのかも知れませんが、少なくともフィルム時代のライカを使ってきたユーザーにとっては、ライカの思想変更のように感じられるでしょうし、これは受け入れがたいものでしょう。
そんなクレームが多かったのでしょうか、このブライトフレームのアップグレードも同時に受け付けていて、これは119,070円だそうです。
ハイ、これでまた状態良好なM3かスレの多い8枚玉ズミクロンが買えてしまいます…。

不満ばかりのようですが、実をいうと、M8のファインダーにはまったく不満を感じていません。
特にR-D1と並行して使うと、M8のファインダーの見やすさ、正確さはライカへの信頼感を復活させるにあまりあるものです。
フレームの精度については、もともときっちりしたフレーミングをしてきた訳ではないので、これも全然気になりません。

むしろ75mm、90mm、135mmのブライトフレームが加わっていることに、よりフレーミングの安心感が増す結果になりました。
まずは、このマクロ・スヴィター75mmF1.9でそのメリットを享受します。
ライカとしては望遠といえるこの焦点距離で、水路の華やぎが圧縮された平面によく表現されています。 【M8/Macro Switar 75mmF1.9 F1.9】

追伸です。
宮崎さんが、50/1.3 に続く第2弾の新しいレンズを、1月から発売するそうです。
Apoqualia 50/3.5、ヘリアー型の軽量沈胴レンズです。
地味で廉価なレンズと思われるかもしれませんが、さにあらず。
お話をうかがえば、発想の逆転が生んだ究極のヘリアーと分かります。

ヘリアーは、2-1-2 とレンズ群が並んでいて、一見するとテッサーと同様に見えます。
しかし、レンズ自体は、凸-凹-凹-凹-凸の並びで、世にも珍妙な凹レンズの方が多い構成なのです。
実はここがポイントで、前後の凸レンズに使われる高屈折低分散ガラスにマッチする特軽フリントの使用が可能となって、諸収差を極限まで抑えることができたのだそうです(エルマーと比較して、色収差は1/10以下、球面収差も半分以下)。

さらに宮崎さんらしいアイディアとして、前玉の調整によって球面収差を過剰補正〜完全補正〜補正不足と設定できるようになるそうです。
やわらかめからシャープまで4種類があるので、購入時にお好みの味わいのタイプを選択することが可能といいます。

まだ試用する前の決して安価とは言えないレンズを宣伝するつもりはありません。
しかし、小型カメラ黎明の時代から続くレンズ設計者の思想を継承するほとんど稀な試みとして高く評価することは許されるでしょう。
今回も、1個1個が宮崎さん自身の手で調整されながら組まれていくとのことで、200本程度の小ロットであることも考え合わせて、1本57,000円はけっして高いレンズとは思えません。
描写に関してなど、詳しくは、ぜひ宮崎さんに質問してみてください。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2009/01/10(土) 09:23:19|
  2. Kern Macro Switar75mmF1.9
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
<<水郷同里Ь歙胡 | ホーム | 水郷同里ゼ夸孫>>

コメント

イタリアのベネチアで言うゴンドラかなぁー(笑)
格好が東洋っぽいのが良いかもしれませんね。
75mmのマクロスイータも欲しいレンズの1つですが、他に欲しい物がありすぎてたどり着けない逸品です。
初買いのレンズは新しい物ではなく、ライカ旧レンズでズマのF1.5です。(新型はあまり欲しいとは思いません)
なかなか良い物が無く、写りも最悪で、ほとんど再コーティングされていたり触られていたりしている物が多いのでオリジナルで触られていない物を前から探していました。
レンズの状態も新品に近く,フードも未使用品が安く手に入り少し満足でした。
いまHPでうちの兄がライカの特集を製作中です、ここでお見せする事になると思います。
  1. 2009/01/10(土) 20:28:02 |
  2. URL |
  3. ジオグラフィック #JalddpaA
  4. [ 編集]

こんばんは。
こうして中将姫さんのM8に関するお話、ご意見を伺えると、とても参考になります。今まで何も考えずに使っていたものですから。

当初不平、不満を口にしていたM8が、2年使用しているうちに、日ごとお気に入りになってきているのです。

宮崎さんの新レンズ、私は未だに決心がつかず悩んでいるのですが、中将姫さんはもうお持ちなのでしょうね!!
  1. 2009/01/10(土) 23:56:10 |
  2. URL |
  3. gato #-
  4. [ 編集]

ジオグラフィック さん、こんばんは。
無理はありますが、東洋のヴェネチアにゴンドラの風情です。
でも、タイやでガードしているのがいけません。

ジオさんにして、初モノがズマとは。
あらためてライツレンズの奥深さを感じます。
このレンズ数は多いのですが、状態がいいものは少ないのですね。
では、本物の写りはサイトを楽しみにしています。
T-REX さんの雪の景色が素晴らしかったので、同様の絵を期待しています。
  1. 2009/01/11(日) 00:07:54 |
  2. URL |
  3. 中将姫光学 #sKWz4NQw
  4. [ 編集]

gato さん、こんばんは。
いえいえいえ。
M3に行かれると、もう気に入りかけたM8は放棄されるのではと心配しています。
苦戦の露出もネガでしたら露出計は買う必要なかったってくらいすぐ慣れるのではと思います。
とはいっても、わたしもいつかM3に回帰するつもりですので、その刺激になるようなブログをお願いいたします。

宮崎さんのレンズは、すぐくださいとお願いしたのですが、2月頭くらいになるようです。
写り自体は gato さんの好みではないかもしれませんが、いずれあちこちで作例が登場するでしょうから、その時あらためて検討されてはと思います。
すばらしいレンズであることだけは間違いなさそうです。
  1. 2009/01/11(日) 00:15:16 |
  2. URL |
  3. 中将姫光学 #sKWz4NQw
  4. [ 編集]

宮崎さんのレンズですが
57000円というのは
微妙な値段設定ですね・・・・・(^_^;)

たぶん
みんな完全補正か補正不足タイプに行くのでしょうから
自分なら無謀なくらい過剰補正にして
ボケをすごいレンズにしてもらうってのもアリかもしれません。

だって、F3.5だと
レンズの味を表現するのは
難しいと思うんです。
F3.5]で、プラズマートのような
渦巻きボケが出るレンズだと面白いんでしょうけどね・・・笑
  1. 2009/01/12(月) 18:22:36 |
  2. URL |
  3. 山形 #-
  4. [ 編集]

山形さん、こんばんは。
たしかもともと65,000円程度で売りたかったのですが、景気動向を配慮して、だいぶ価格を落としたとのことです。
全部売り切ってももうけはあまりないようです。

50/3.5 というのはスペック的に地味なので、テイスト付けに好みのタイプを選ぶのは面白いと思います。

わたしは、チャーリーさんが深大寺で披露した引き伸ばしエルマーのような端正な写りであれば、完全補正タイプ選択で、自分の教科書レンズにしようかと考えています。
  1. 2009/01/12(月) 21:54:30 |
  2. URL |
  3. 中将姫光学 #sKWz4NQw
  4. [ 編集]

川越撮影会ではありがとうございました。
宮崎さんの新レンズ、せっかくヘリアー型で新種ガラス使うのでしたらもうちょっと高くても良いので35mmでf2,8とかだったら面白いと思うのですが・・なんかもったいないような。ヘリアー型で50mmならf3,5もf2もコシナレンダーから既出ですし。
  1. 2009/01/14(水) 03:03:11 |
  2. URL |
  3. 情報の庭師 #-
  4. [ 編集]

情報の庭師さん、こんばんは。
川越では楽しむことができました。ありがとうございました。
さっそく、宮崎さんに確認してみました。
広角のへリアー型は珍しく、唯一のそれがヘクトール2,8cmだそうです。
これで分かるようにこの型で明るいレンズは無理があること、また今回はApoレンズになっていますが、35mmではApoにする意味が希薄なのが決定的な理由だそうです。
そして、もうひとつ。
実は、この次に発表するレンズは35mmにするつもりでおおむね設計はできているそうです。
近年中には、発売する予定のようですので、35mmレンズが欲しいという場合、そちらを待ってほしいとも言っていました。
こんな感じでよろしいでしょうか。
とりあえず、このレンズの作例をお待ちあれ。
  1. 2009/01/15(木) 00:11:33 |
  2. URL |
  3. 中将姫光学 #sKWz4NQw
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://zunow.blog51.fc2.com/tb.php/999-cab1964f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

zunow

Author:zunow
奈良時代、湘南の北のはずれに、継母の嫉妬を恐れた伝説の美姫が、ひっそりと暮らしていたといいます。中将姫の伝説です。
それから1200年あまり、同じ土地で、やはり人目を避けるように細々とレンズ蒐集を続けています。
ライカのレンズ、各国のノン・ライツ・レンズ、アダプターで無理やりライカ・マウントにしたレンズ…。気が付いたらたまってしまったこれらガラスのかたまり達を整理するため、日記風に綴ってゆきます。
歓迎看看。這是我的還没進歩的博客。

カレンダー

06 | 2009/07 | 08
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

最近の記事

カテゴリー

最近のコメント

月別アーカイブ

最近のトラックバック

FC2チャット

FC2カウンター

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

Powered By FC2ブログ

Powered By FC2ブログ
ブログやるならFC2ブログ

天気予報


-天気予報コム- -FC2-