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世界初を生んだ本陣

Serenar 50mmF1.5
不満の残るラーメンでお腹を満たした後、和歌山駅から単線の和歌山線に揺られて名手にやってきました。
名手は”めいしゅ”ではなく”なて”と読む紀の川市内の集落で、江戸時代には本陣が置かれ、明治に入ってからは鉄道が敷かれて柑橘類の集積地として栄えたそうです。
作例の建物は、大火で一度焼けた後、1718年になって建造された名手本陣の外観です。
本陣は大名や付き人の専用宿泊所ですが、宿場町の中心地にあったためか現存するものが全国で20軒あまりと少なく、それらも門だけが残っていて母屋は再現されたものなどあり、名手のように状態よく残っているのは珍しいと思われます。

本陣と言うと東海道五十三次のような主要街道の宿場町にあるようなイメージですが、名手は和歌山から奈良へ抜ける大和街道が通っていて、参勤交代に向かう紀州藩ご一行が和歌山を出て歩き続け1日かかって到着する地として本陣が設けられたのだそうで、もともとの宿場ということではないようです。
本陣の邸を提供したのは大庄屋の妹尾家という名家でしたが、1804年に世界初の全身麻酔手術を成功させた華岡青洲の妻・加恵はその妹尾家出身で、有吉佐和子により” 華岡青洲の妻”というタイトルで小説になり、のちに映画化、舞台化もされてよく知られるところになっているそうです。
トリカブトなどで作った麻酔の効果をみるための人体実験を買って出て、失明したとも言われています。

さて、再び和歌山線の王子行きに乗って奈良への帰途を目指します。
王子で関西線に乗り換えれば奈良に戻りますが、JR奈良駅から奈良町の宿は少し離れているので、高田で乗り換えて桜井線で京終に戻ることにし、高田の乗り換え時間40分でも近隣の古い町並みを見て歩こうと画策しました。
天気は好く、車窓から緑いっぱいの田園風景が広がっています。
ローカル単線らしく線路のすぐ両脇で稲穂が揺れていたり、武家屋敷のような立派な家や少し前までは茅葺だったと屋根の形で分かる農家など、ぼんやり見ていて飽きない風景が続きました。

列車が奈良県に入り五条駅を過ぎたあたりから、列車の進行がおかしな具合になってきました。
さっきまでこのあたりで豪雨があったそうで、この先徐行運転になるとのアナウンスです。
たまたま隣が日本語が聞き取れずきょとんとしている外国人ファミリーだったので、英語に訳して説明しました。
パリ郊外から日本旅行に来て、昨日は熊野神社に行き、今日は奈良を目指しているとのこと。
徐行運転ながらも進んでいたのにあと1駅で高田というところで止まってしまい、今度のアナウンスでは高田駅に下り列車が詰まっていて単線のためしばらく動けそうになく、1キロ先に近鉄新庄という駅があるのでそこまで歩いて近鉄に乗り換えてほしいと言われます。
高田の町並みを見る時間にヤキモキしていましたが、もうそれどころではありません。
ことの成り行き上、以上のことをフランス人ファミリーに説明したうえで、彼らを奈良まで無事送り届ける義務が発生しました。
彼らに何かあれば日本の評価を下げてしまい、日仏外交問題にもなりかねない重要なミッションです。

1日携帯を酷使したのでバッテリー切れで地図が見られず、近鉄新庄駅までの道順すら分からない状態でしたが、わたしはとても幸運でした。
列車を降りるときに声をかけた若者は鉄道関係の学校に通っていて、来春、近江鉄道に就職内定していた鉄ちゃんだったのです。
京都在住で和歌山線には初めて乗ったというのに関西の鉄道網は頭に入っていて、近鉄新庄-尺度-橿原神宮前-大和西大寺-近鉄奈良というルートをやさしく教えてくれながら、近鉄新庄駅に案内してくれました。
また、その長い道のりの間、やはり同じ和歌山線の列車に乗っていて、奈良を目指すという男性が横浜出身ということもあって、ずっと車内で話相手になってくれたうえ、本来、振替乗車が効かない青春18きっぷでも乗車できるよう駅員と交渉してくれました。
列車を突然降ろされるという危機に直面した我々が助け合いながらどうにか奈良に着いてフランス人ファミリーに感謝されたことが、東日本大地震のとき国民が冷静になって協力し合い困難を克服したと外国から賞賛されたことと少し似ているような気になりました。
【Alpha7II/Serenar 50mmF1.5 F1.5】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon Serenar 50mmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/08/31 Wed
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