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イギリス光学聖地の快挙

Speed Panchro 50mmF2
レンズではなくカメラ関連の本を読むと、ときどき「ライカ・ズマールのコピーレンズ」という表現を目にします。
そう指摘されるレンズは、ほぼ例外なくカメラ自体がライカコピーと言われるそっくりさんで、それに付いた4群6枚構成のダブルガウス・タイプのレンズはズマールのコピーだと言われる運命のようです。
パッと思いつくところでは、キャノンの50mmF2とかF1.9、フェドの50mmF2、マイナーところの富士クリスター50mmF2などですが、この手のレンズは多いのでまだまだあるはずです。

ボディがライカそっくりという理由でレンズもズマールのコピーとみなされるということのようですが、実際にズマールの設計をコピーしたレンズというものはあったのでしょうか。
そもそもズマール自身は、コピーといっては言い過ぎでしょうが、テイラー・ホブスンのオピックやスピードパンクロに範を取っているはずです。
ダブルガウスのレンズにズマールのコピーだなんて言い方をする人は、きっとライカ愛好家で、それもかなり信奉しているような人なんじゃないかと想像します。
そんな人たちに向かって、オピックのコピーのとかスピードパンクロをパクったズマールはと言ってみたいですが、ズマールを設計したベレクがそうしたという証拠を掴んでないので止めておきましょう。

しかし、そのズマールは、登場した戦前の時代はコンタックスのゾナーと比較されて劣ると評価され、戦後は遅れて開発されたズミクロンのために影が薄く、現代ではキズ玉やくもり玉が多くてそれらの作例からボケ玉とバカにされるなど、いつの時代にも正当な扱いを受けているとは言い難い不遇のレンズです。
わたしはキズのひどかったズマールを山崎光学さんに磨いてもらって、その濃厚でときに絵画のように表現する描写に惚れ込みましたので、性格がだいぶ違うスピードパンクロのコピーだとは思いませんが、もし、コピーだと言ったとしたらズマールを見下すライカファンからは、そんな古いレンズからのコピーだからズマールはボケ玉なんだなとダメ出しされるだけでしょう。
オールドレンズ愛好家としては、古いレンズほどいいと思うことがしばしばあるのですが、世間一般ではそうではなく、例えばスピードパンクロならわたしの持っている第一世代より、改良されてコントラストが高く先鋭度の増したシリーズⅡの方がずっと人気が高いのが現実のようです。

ズマール以前には、クセノンやビオターも4群6枚のオピック、スピードパンクロのコピーと言えなくもないですが、これらもそんな呼び方はされません。
残念なのは、クセノンを設計したシュナイダーのトロニエやビオターを設計したツアイスのメルテの方が、本家オピック、スピードパンクロを設計したリーより有名だったり名声を得ていることです。
クセノンとビオターはともに多くの写真用カメラに採用されて多くの人々に愛用されてきましたが、オピック、スピードパンクロはシネ用レンズだったため一般にはなじみのない、歴史上のレンズというような位置づけになっていることが原因でしょうか。
イギリスでライカやレチナのような人気カメラが造られていれば、状況は大きくちがっていただろうにと想像してため息が出ます。
リーの地位を再認識するためにも、スピードパンクロ50mmF2は35mmフォーマットをカバーしていると確認しなければなりませんが、それはしばらく先のことになりそうです。

ところで、最近、サッカーのイングランド・プレミアムリーグでノーマークだったレスターが優勝したことが奇跡だといって、日本のマスコミでもしきりに取り上げられています。
日本人選手が所属していることも日本で話題になった要因なのでしょうが、では、その日本のJリーグの昨年のチャンピオンはどこだと聞かれても日本人の多くは知らないのではないでしょうか(そう書くわたしがすでに知らない)。
これだけニュースなどで取り上げられると、日本人は外国ならサッカーの優勝チームのことをよく知っているのに、自国のことはどこが優勝したかも知らないと不思議がられるでしょう。
レスターは、クックの工場がある場所で、現在のクック・オプティックスの所在地でもあり、ナショナル・オプティックのレンズにLeiceterの刻印もあったことからも、イギリスの光学の町だったと思われます。
わたしのスピードパンクロを製造した職工たちも、当時、週末にはレンズのことを忘れてレスターを応援しては悔し涙を流したりしていたに違いありません。
80年後に悲願の初優勝をするなんて彼らが知る由もなかったでしょう。
【Alpha7/Speed Panchro 50mmF2 F2】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Speed Panchro 50mmF2 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/03 Tue
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