スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 | --/--/-- --

地下鉄を閉鎖された

R-Serenar 5cmF1.5
宿を経営しているのはシンシアさんという女性でした。
ご主人のアントニオさんは公務員、写真でしか見られなかったのですがダンサーのひとり娘は美人でした。
宿は自慢の朝食が食べられるB&Bとして2ヶ月前にスタートしたばかりで、わたしは初めての外国人ゲストとのことで、記念すべき宿帳の最初の執筆者になりました。
シンシアさんと娘さんとでデザインしたという部屋は中年オヤジがひとりで泊まるにはロマンチック過ぎですが、イタリア人の色使いのセンスに敬意を表することで許しを得る ことにしましょう。
バルコニーからは城や海も見ることができ、下の道路の交通量が多いのが気になるものの、椅子に掛けてのんびりもできました。
朝食に出てきたのはパルマ産の各種ハムとフィレンツェのチーズ、それに地元サレルノのパンで、3人前くらいの量があってこんなの美味しいのに完食できないことが悔やまれました。
ポットのコーヒーとミルクを注いだだけなのに、カフェラテがとても旨くて、朝からこんなに贅沢していいものなのかと不安になるくらいです。
もっと安い宿を探して移ることも考えていましたが、ここがすっかり気に入ってもう1泊することにしました。

この日、ナポリではフィオレンテイーナを迎えるサッカーの試合があって見に行きたいと言うと、時間を確認してくれ、スタジアムへの行き方をメモしてくれます。
午前中は時間があるだろうからと、アントニオさんがチュニス行きのフェリーのチケットを買いに連れてってくれると言います。
彼らはすぐ近くのアパートに住んでいて、わたしに自慢の書斎やベッドルームを見せてくれました。
チケット買いに行くのはバイクでいいかと聞くので同意すると、ベスパを想像したのに、駐車場にあったのは中型のトライアンフでした。
人の好いおじさんだったアントニオさんは革ジャンを身にまとってチョイ悪オヤジに変身しています。
海岸沿いの道を風を切って走るのは気持ちよく、トライアンフの加速感も最高です。
思わず後部座席からヒャッホーと声を上げてしまいます。
港で聞くとチケットは明日の出港前に買えばいいとのことでした。

チョイ悪オヤジコンビはまだ時間があるからと旧市街に行くことにしました。
イタリアのチョイ悪は日曜で暇だということもあったのでしょうが、同世代でイタリア語と英語のチャンポンに理解を示し、観光名所よりも街角の人々ばかり撮影している風変わりな日本のチョイ悪に親しみを感じたのでしょう、かなり気合を入れて路地という路地までも案内してくれました。
お礼にと駅前のカフェでコーヒーをと誘いましたが、これすら払わせてもらえません。
ふたりでエスプレッソを飲んだのですが、イタリアでは普通なのか、チョイ悪式か、彼は一口で飲み干していました。
わたしはいままでエスプレッソをちびちび飲んでいたのですが、それは正しい飲み方ではないのでしょうか。
エスプレッソという名は淹れ方ではなく、飲み方からとられた名前なのかのと考えてしまいました。

乗車した列車は各駅停車で、ナポリまで新幹線で30分かからないのに、こちらは1時間20分だと言います。
しかし、料金は3分の1ですし、ナポリ中央駅の先のスタジアムがある駅まで直行するというのでよほど便利でした。
チョイ悪さんは、列車内まで送ってくれたうえ、近くの乗客にこの日本人はサッカーのナポリの試合を見にいくので、降りる駅になったら教えてやってくれと伝えていました。
その乗客は悪さの微塵も感じられない紳士で、なぜかたまたま持っていたナポリ地図をわたしにくれ、発車後も時折沿線の解説をしてくれます。
海岸に沿ってアマルフィという美しい海があり、ちょっといった先に見える山はヴェスヴィオ火山だと言いました。
そしてその先にはポンペイの駅があり、有名な遺跡には歩いて行けると教えてくれます。
しばらくして今度は反対を向けと言います。
海岸からさほど遠くない沖合に見える島を指差して、カプリ島だとつぶやきました。
カプリ島はよく聞く名前ですが何だったか思い出せません。
ナポレオンが流された島じゃないよななどと考えながら、ヨーロッパ通の才女に用事のついでにたずねると、青の洞窟があるとこじゃなかったかしらと即答でした。
あらゆる面でチョイ悪オヤジはこの淑女殿にかないません。

紳士は、ナポリの途中の駅で降りてしまいましたが、そのひと駅前で乗ってきたもうひとりの紳士がサッカーを見に行くというので、わたしをスタジアムへ連れて行くよう引き継いでくれました。
駅に着けばいかにもなサポーター連中がどっと降りてスタジアムまで連なっているはずですので案内不要ですが、こういう地元の人の親切はありがたく受け入れないといけません。
紳士はスタジアムまで案内したうえで、チケット売り場を教えてくれた上で立ち去りました。
チケットは売り切れてましたが、売り場のショップ前には、ダフ屋が多く次々と声を掛けられます。
40ユーロ定価のものが売値80ユーロと高いのでネゴすると、あっさり50ユーロまで下がり、されでも渋っているとやり取りを見ていた別の男が同じ席種のチケットを40でいいと言ってきました。
40のを40で売ってどこから利益が出るのかどうにも胡散臭いですが、ニセモノでもなさそうだし買ってしまいました。
お昼がまだだったので屋台でサンドイッチを買って入場の列に加わります。
驚いたのは、指定席券を持っているにもかかわらず、その席種は自由席化していたことで、もたもた入場したので空席が全然ありません。
しばらくうろうろしていたら見るからにナポリサポーター歴何十年というおじさんがわたしに声を掛けて隣に座らせてくれました。
彼の英語は片言ですが、サッカーというスポーツではコミュニケーションが簡単に取れるのがありがたいんですね。
首位を走っていた好調フィオレンテイーナでしたが、インシーネとイグアインのゴールでナポリが快勝しました。
陸上トラックのある見づらい競技場でしたが、盛り上がりがすごく、雰囲気最高でした。
数万人規模がひとつになって応援する臨場感は、大規模な革命を起こしている民衆の中にいるのと同じ迫力を感じられるようで、ある意味貴重な体験だと思います。

さて、作例は、試合終了後、最寄り駅に向かう人々の流れを思わず撮ったものです
見てのとおりものすごい人で、推定45000人くらい入っていたのではと聞きました。
少し遅れて駅に戻ると凄いことになっていました。
駅の入り口を群衆が取り囲んでいるのですが、なんと警察がドアを閉じてホームに行けないように入り口を閉鎖していました。
試合に勝利したサポーターたちは歌うものあり、早く入れろと罵声を浴びせるものありで、独特の緊張感に包まれています。
例えが悪すぎますが、難民の流入を閉鎖したハンガリーの国境なども同じような状況だったでしょうか。
わたしはすっかり途方に暮れてしまいましたが、来るときに紳士から地図をもらったことを思い出し、それを頼りに別の路線の駅まで歩いて無事サレルノに戻ることができました。
今日は、1日ナポリの俄かサポーターになったつもりのわたしでしたが、何人かのナポリの人たちにサポートされていたのでした。
【Alpha7/R-Serenar 5cmF1.5 F1.5】
スポンサーサイト
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2015/10/18 Sun
<< ティエンポ・イタリアーノ | home | 町にひとつだけのはず >>

Comment


Comment form


管理者にだけ表示

Trackback

この記事のトラックバックURL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

| home |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。