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ここでは暮らせない

Xenon 5cmF1.5
温暖な海辺の町でのんびりしたのが少しは効いたようで、朝目覚めると風邪っぽさはだいぶ収まっていました。
デミトリー君とアルゼンチンから旅しているという30歳くらいの女性とともに朝食を摂ります。
パン、ジャム、バター、紅茶、ゆで卵がテーブルに大量に置かれていて、宿泊者は自由に食べていいことになっています。
ただし、食器はセルフで洗ってから片付けなくてはいけません。
パンとコーヒーの朝食をコンチネンタルブレックファストと言い、これに卵が加わるとブリティッシュブレックファストになり、さらにハムかベーコンが加わるとアメリカンブレックファストと呼ばれます。
それぞれ大陸ヨーロッパ人、イギリス人、アメリカ人はそういう朝食なのでしょうか。
コンチネンタルブレックファストでは寂しいと思われるかも知れませんが、大陸のパンは美味しく、土地によってバリエーションがあったり、コーヒーも温められたミルクを入れてカフェオレにすると抜群に美味しくなったりけっしてバカにしたものではありません。
わたしが卒業旅行でヨーロッパを周遊したときは、安宿を泊まり歩いたので毎日コンチネンタルでしたが、スーパーでチーズやハム、パテなどを買っておいて自分たちでパンにはさんだりして食べたので、さらに朝食を楽しむことができたのを思い出しました。

できれば今日は北上してモンテネグロまで出たかったのですが、サランダからは直通のバスが無いので、まずは首都のティラナに出ることにしました。
デミトリー君は、モンテネグロではコトルと言う町がおすすめだと言い、ティラナからの行き方を説明してくれましたが、バスを3回も乗り換えねばならず覚えられません。
ティラナから直通のバスが1日1本か2本あるだろうから、それがあれば乗ったらいいとアドバイスしてくれました。
昨夜、日本への帰国の航空券を予約していました。
価格やマイル関連のことを比較してミラノからキャセイ航空で帰国することにしました。
7日午後にミラノ出発のスケジュールですが、それだと今日はティラナ宿泊になったとしてもどうにか7日までにミラノに着けそうです。

ティラナ行きのバスに乗ろうとするときれいな英語であなたは日本人か中国人かと声を掛けてくる青年がいました。
日本人だと答えると嬉しそうに日本が大好きだと言い、さらに車掌がチケットの確認をすると彼とは座席が隣だと分かり、5時間の道中をともに過ごすことになりました。
彼はサランダに生まれたアルバニア人で、今は仕事の関係でティラナに住んでいます。
奥さんと4歳の娘との3人暮らしと言うと一般的な家族のようですが、彼の場合は少し違うようでした。
彼はアルバニアと言う国を見限っていて、ロンドンに留学して電気工学を学び、アテネで8年近く働いてきたそうです。
ギリシャのパスポートを取るのが目的で、EU加盟国のギリシャ国籍になれば他国で自由に働けるからということでした。
彼はキャリアと言える実績がありますが、それでもアルバニアでの現在の月収は300ユーロに過ぎません。
アルバニア人全体では平均するとそれよりさらに月収が落ち、地方の労働者などでは月に100ユーロと言うのが珍しくないそうです。

給料が安いからアルバニアを捨てるのかといえばそうではなく、この国の腐敗し切った体質に怒りを感じるからだと説明してくれました。
アルバニアは1990年に他の東欧諸国同様に社会主義から民主主義に切り替わりましたが、変わったのは表面だけで、税金だのなんだのとお金を吸い上げてポケットにしまい込む社会主義的な体質は改善されていないと言います。
政治家はまったく口ばかりで行動をいっさいしないと嘆いています。
ティラナ近くに来た時に工場地帯がありましたが、あれもそうこっちもそうと指さしながらアルバニアの主力企業の多くは未だ国営で、賃金は完全にコントロールされていると話してくれました。
しかし、ジロカステルやサランダなど見かけるのはベンツばかりで人々の暮らしはとても月収300ユーロとは思えないと言うと、みんな副業を持っていて細かいところで副収入を得ているというので、昨日、カフェの女性がホステルを紹介したことを思い出し、あれでいくらかのキックバックをもらっているのだと想像できました。
さらに恐るべきことにベンツの多くは正規品ではなく、窃盗団がドイツで盗んできてアルバニアで転売しているのだそうです。
当然正規販売店もあるそうですが、そこで買えるのは家族が海外で成功したか、政治家とその家族くらいなもので、ベンツでも同じ車種ばかりが走っているのはパーツの共有とか正規品でないゆえの理由からだとのことでした。

彼は物価のことにも言及しましたが、答えは想像していた通りでした。
ヨーロッパ最貧国のアルバニアですが、食べ物や飲み物などは日本よりずっと安いものの、セルビア、コソボ、マケドニアと比べて安いということはなく、むしろ若干高いような気がしていました。
彼はその通りだと言い、税金が高く、その税金もすべて政治家たちの懐に入ってしまう、賃金は安いのに物価が高くてどうやって生活すればいいんだと自嘲気味に話を続けました。
ルーマニアでは大型のトラックが野菜や果物を満載してドイツやイタリアに行き、工業製品を積んで戻ってくるという話を聞いていましたが、EUに信頼されていないアルバニアはルーマニア同様の農業国だが野菜の輸出は現状では難しいとのこと。
ギリシャが経済危機になったときEUから緊縮財政を求められ、そのプランを作ることで経済援助を得ましたが、アルバニアも同様に対応してもらえればよいのではないかと思ったのですが、ことはそんなに単純なものではないようですし、政治的腐敗がひどすぎてEU加盟の前の段階にすら進めないのが現状だと言います。
素朴な温かい人たちの国と皮相なところだけ見てアルバニアを評価していましたが、現実がまったく見えていなかったのはとても情けないことでした。

日本人やドイツ人、イギリス人の勤勉さ、社会システムの素晴らしさに敬意を抱くという彼は、ティラナに到着するとわたしをリーズナブルなホテルまで案内してくれました。
外観は立派なホテルながら1泊35ユーロと言うので安かったのですが、予算オーバーなので30ユーロにして欲しいとレセプションと交渉するとあっさりOKしてくれました。
しかし、外見は立派でもまだエレベーターが設置されていなくて、そのスペースがからんどうになっていたり、トイレの電気が点かなくても直せず暗い中で用足ししなくてはなりませんでした。
アルバニアの民間ホテルは建設費が行き詰まると工事をストップさせて、とりあえず使える部屋で営業開始して、宿泊料を建設費にあてたりなど完成前から自転車操業的に経営開始してしまうそうです。
彼からいろいろと聞いていたので、エレベーターやトイレの電気、その他細かいことでクレームを入れるべきところがたくさんありましたが、黙っていることにしました。
20年前、アルバニアに行こうとして入れなかったことを考えれば、真っ暗なトイレがどうしたとそんなつまらないことはどうだってよくなります。
作例は、ホテルのならびにあったタバコ屋というか喫煙具屋さんで、ショーウインドーにラギオールのナイフが並んでいたので買い求めて、ついでに撮影させてもらったものです。
ラギオールには外国のものもあるのでフランス製か聞いたり、謎の黒棒付きのナイフがあったのでどう使うのかとか聞きましたが、回答はすべて分からないでした。
ただ、喫煙具屋で働いているのだからたばこは吸うんでしょうという質問にはイエスと即答します。
旧ユーゴエリアもそうでしたが、アルバニアでも喫煙する女性が多かったのがとても残念なことでした。
【α7/Schneider Xenon 5cmF1.5 F1.5】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Schneider Xenon 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2015/09/30 Wed
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