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写真はLAWでなければダメなんだ

Holmes Booth & Haydens 20.5cmF5
ブラショフは美しい町でしたが、金曜の夜に着いたのはタイミングが悪すぎでした。
町中は地元の人と観光客で溢れていて、アジアからの貧乏旅行者が入り込む隙間が見出せません。
町が魅力的に見えたのでもう1泊しようかとも考えたのですが、土曜の夜が昨夜より静かとも考えられず、撤退するようにここを去ることにします。
むかし本で読んだドラキュラ伯爵の住処がこの近くのお城だったはずですし、ハンガリーと奪い合ったトランシルバニア地方の中心として独自の文化が数多く残るとも聞いています。
せめてもと思い午前中を散策にあててから、駅方向に戻りシギショアラ行きのバスを待ちました。
近くのレストランがトランシルバニア伝統のバイを民族衣装の女性が給仕してくれる写真を掲げていたので入ってみました。
パイの具の種類が多くて悩みましたが、牛のミルクのチーズにしてみると確かに美味しいものの量が多すぎて途中で飽きてしまいます。
日本のピザのようにクォーターにしてもらえるといろいろ楽しめて旅行者としてはありがたいのだがと思いました。

1時発だと言われたバスは時間になってもやって来ません。
インフォメーションに行って聞くと、1時が来ないなら次は2時だと悠長な返事でした。
1時がなぜ来なかったのか分かりませんし、2時が来るという保証もなしで、鉄道駅の方に行ってみました。
20分後に始発列車があるとのことで、バスは見限って、2両編成の鈍行列車で向かいます。
車両はすべてコンパートメントで、6人掛けにひとりでどっかりと座っていました。
すると、妹を連れた女の子がやってきて、何やら言っていますが理解できず、それならと写真を撮らせてもらいました。
それが実は大失敗で、彼女たちはベガーだったのです。
ベガーという表現で正しいのか、彼女たちは乞食という悲惨なものては無く、物乞いと呼ぶか悩みましたが、もうちょっと軽い感じで、乞食も物乞いも総称しそうなベガーという言葉を使うことにします。
彼女がカバンを物色しては、あれくれこれくれと来て、断り続けると母親が来て止めてくれるのかと思えば、彼女も娘たちに食べさせるものが無くてとジェスチャーして加勢するのでした。
カバンのポケットに飴を入れていたので、それを出してあげたのがさらにまずく、それで退散すると思えば脈ありと感じたのでしょう、しつこさが増すばかりでした。
ベガーには毅然として断るに限るようです。
カバンのポケットから航空機内で配られるウェットティッシュを見つけ出して、勝手に開けて顔を拭くや、その香りが気に入ったようで、突然わたしに向かってウィンクしながら投げキッスしました。
母親がそういう手も使えと教えるのでしょうか、彼女たちは切符を買って列車に乗っているのですから、まったく困窮し切ってということではないと思うのですが、とにかくダメもとでもらえるものはもらえというポリシーなのだとしか考えられません。

100キロ少々を2時間半かかってシギショアラに到着しました。
出口に向かって歩いていると男性から声をかけられました。
中心部まで行くならタクシーをシェアしようということのようで、わたしにはありがたい申し出です。
彼が交渉して6レイが5レイになり、彼が3レイ、わたしは2レイ払ったので下がった1レイはわたしのもうけになりました。
彼の名はアルプ、山好きと言っていたのでアルプスにちなんだニックネームか本名かはよく分かりません。
イスタンブールで歯医者さんをしているそうですが、以前はアンカラで総理大臣の奥さんの専属をしていたものの、総理から電話1本で他の患者をキャンセルしてわがまま夫人を看るのが嫌になって、イスタンブールで開業したとのこと。
趣味は写真で、彼はブラショフ駅で奇妙なレンズを付けた国籍不明の男が、さらには古いカバンで旅しているのに興味を惹かれ、写真の話もできるぞと声を掛けたのだと説明しました。
ペッツバールレンズとトランクがいちばん役に立った瞬間です。

彼は25ユーロですばらしい宿を予約したので、空いていればいっしょの宿はどうかと提案してくれました。
しかし、部屋に空きは無く、その宿の紹介で近くに同値段で泊まることになりました。
あとでアルプと話しましたが、どうも宿が高すぎでボラレている雰囲気です。
宿はペンションで空き部屋を貸しているだけなので、25ユーロはいかにも高すぎ、わたしの感覚なら半額で泊まれそうなところです。
彼とは夕食の約束をしていったん別れました。
シギショアラは保存状態の好い、中世がそのまま現在に残ったような小さな町です。
たぶん平日に来ていたら町のすばらしさに興奮しまくっていただろうと思われますが、今日は観光客でごった返していて印象はよくありません。
せっかくの中世の雰囲気が、車が自由に出入りできることなどでぶち壊しです。
むしろここでよかったのは、町はずれで蜂蜜のマーケットを2日限定でやっているのに出くわし、トランシルバニアの森の木の蜂蜜という、栄養価が特別に高い珍しいものを味わえたことです。
さらにこの地方の伝統的な生菓子の販売があったので食べてみると、食感の好いチーズケーキのような味わいは、日本に持ち込んだら絶対に売れるだろうものでした。

夕食は宿のそばが混雑していて、先のマーケットの近くに見つけたレストランにアルプを案内しました。
ここはホテルそばより安くて味の満足度が高く、アルプからわたしの嗅覚の鋭さを褒められました。
続いて、彼の写真にわたしが驚愕する番でした。
彼は前日ドラキュラ城に宿泊して、車で少し走り山道を1時間近く歩いたところで撮影したそうですが、完全に隔離されたような高原の村での人々の伝統的かつ牧歌的な朝の生活が写っていました。
山の写真と聞いたので退屈な山々の自然な姿を撮影しているのかと思っていたのですが、彼の写真は人間の営みが主題で、わたしが撮りたいと考えて果たせないでいるているそんな写真ばかりでした。
どうやってこんなところへと聞くと、昨年、モロッコを旅したときにルーマニアの写真家と知り合って意気投合し、今回、招待されてその写真家でなければ知り得ない場所に案内してもらったそうです。
彼には土日は結婚写真の撮影の仕事があるので、アルプはひとりでシギショアラに来てわたしと出合ったということでした。
わたしも自分の旅について紹介し、イスタンブールは飛ばしてしまったというと、今度また来ればわたししか知らない場所に案内するのでいっしょに撮影しようと言ってくれます。

彼の写真に対するこだわりは尋常ではなく、わたしがJPEGで撮影していると言うと怒りを露わにして、それでは好い写真ができないと自分の写真を使って説明しました。
おもにホワイトバランスや明暗の露出の調整ですが、確かに見せるための写真としてそのような手続きが重要なことは理解できます。
しかし、私は反論します。
個人で楽しむための写真を考えた場合、よい比喩とは言えないかも知れませんが、自分の奥さんが整形美人でも美人ならいいのかと考えてしまいます。
徹底した整形でも美人の方が好いという人はいるでしょうし、必要最小限の整形なら何の問題もないという人もいるはずです。
いや整形はダメだが化粧ならいくらしても構わないという人は多そうですが、わたしの現時点での意見は、素顔がきれいなら整形はもちろん化粧だっていらない、です。
じゃあ、お前は化粧を必要としないような写真が撮れているかと言えば、申し訳ないと詫びるばかりですが、それでも1年に若干枚程度はすっぴんで通用する写真があると思っていると心苦しくも自負しているので、それでわたしには十分ですと逃げることにします。
作例は、シギショアラで見かけた結婚写真の現場です。
モデルが美男美女なのでこれで全然構いませんが、さすがにこれは年若干枚と自負できる写真にはなり得ないのが残念なところです。
【Alpha7/Holmes Booth & Haydens 20.5cmF5 F5】
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thema:ペッツバール genre:写真
Holmes, Booth & Haydens 20.5cmF5 | trackback(0) | comment(2) | 2015/08/29 Sat
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Comment

長旅というものをしたことのない僕としては羨ましい限りです、、ウエディングを撮影しながら世界を旅できたら楽しいと思いますが、言葉の壁が!ちなみにコシナビオゴン25mmとゾナー50mmを揃えて、ちょっと新しい試みを進めています。なんとか形になればよいですが!
2015/09/02 Wed| URL | すみもむ [ 編集 ]
すみもむさん、コメントありがとうございます。
何かの機会を得て、若いうちに長旅に挑戦することを強くお勧めします。
留学経験があるのですから鬼に金棒ですよ。
毎日しゃべっていれば、何となく会話できるようになるものです。
フランス旅と新しい試みと今度会って話聞かせてください。
わたしもスピグラを相談したいと思っています。
2015/09/02 Wed| URL | zunow [ 編集 ]

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