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3度目のお別れ

Jamin et Darlot 15.5cmF4
レイチェルは今の仕事環境にたいへん満足していますし、毎日、山の中にいても退屈することはないと言いきります。
しかし、あまりに理解のない客が来ることが辛いそうです。
電気は何時間も使えないので懐中電灯を用意してくださいね、バスタオルはないので自分で準備してと注意喚起しているのに、充電できない、体を拭くものがない、真っ暗で怖い、虫が出た、料理に肉がないのか、ビールがないのか…等々不平不満を言う客が結構いるのだそうです。
こんな山の中で熱いシャワーと水洗トイレが使えるだけで奇跡のようなものだと思うのだけどと言うと、現代人は快適な生活に慣れ過ぎてしまって、どんなところでも自宅の生活と同じものを求めるようだということでした。

ストレス社会から逃れてせっかく大自然の中に生活していると言うのに、お客さんのクレーム処理でストレスが貯まってしまうというのは皮肉です。
とはいえ、静かに環境を楽しんでくれるゲストは少なくなく、そんな人たちがまたここに来るからねと言ってくれることに何よりも救われるそうです。
そんな話をしていると、出発前日に奈良でゲストハウスを経営する友人に会ったときに宿泊者からいろいろと注文があったり、メールの問い合わせに対応するだけで何時間もかかってとても疲れるのだと言っていたことを思い出しました。
またリペ島で、イタリア人のルカが毎日の仕事に疲れて、シーズンオフにホテルを閉めてバカンスに出ると言っていたことも。
なんだかホテル経営者がたいへんだということを知るための旅のようになってきました。

ギョンとはふたりで旅の話をずっとしていました。
クアラルンプール郊外の出身ですが、祖父母は海南島出身の華人だということで、クアラルンプールで仕事をした後、マカオのカジノで働いていたこともあると言います。
ディーラーかと聞くとマーケティングだとのことで、わたしはトランプもできないと笑っていました。
その時にフェリーで沖縄までクルージングしたことがあり、それが唯一の日本体験なので今度は東京に行きたいと言います。
彼女の携帯には旅した先のアジア各地の写真があって、その説明を聞いているだけでもわたしの興味は尽きません。
ギョンというのは不思議な名前ですが、これはマレー語で、中国語名ももちろんあります。
静かな彼女はみんなで話しているときも積極的に話すことはありませんでしたが、性格や考え方などはわたしに似ているような気がして、妹のような存在でした。

ホテルの農場は小さいですが、部屋の目の前に段々畑のように開けています。
ここで働いているのはミャンマーから来た労働者とのことです。
ミャンマーのこんにちはは何て言うんだっけと思いだし「ミンガラーバ」とあいさつすると嬉しそうに「ミンガラーバ」と返って来たので間違いなさそうです。
安い労働力としてミャンマーの難民とネパールの労働者が以前から多くキャメロンハイランドの農場で働いているそうです。
レイチェルにイスラム系のロヒンギャではないかと聞くと、彼らは山岳の方の民族だそうでクリスチャンだとのことです。
難民ですが、政府の労働許可証を持っているのでイリーガルではないですし、長い人は8年も働いていて、ここで知り合って結婚したカップルまでいて、奥さんの手には数ヶ月前に生まれたばかりの赤ちゃんが抱かれていました。

さて、朝食を食べた後もいつものようにまったりした時間を過ごしますが、11時になると出発しないといけません。
事態を理解していなかったモハンメドはどこか掃除にでも出掛けてしまいわたしを見送ってくれません。
別れが辛くて陰で泣いていたのだと解釈します。
昨日は彼が町に行ったので、今日はオードリーがレイチェルとギョンに付き添って、わたしを送りがてら買出しにいっしょの車で向かいました。
来た時は大雨であまり気付きませんでしたが、確かにこれは四駆ではないと走破できないようなアップダウンが半端でないダートロードでした。
待ち合わせしたブリンチャンを通り過ぎてキャメロンハイランドの中心の町タナメラまで着くとバスターミナルがあります。
クアラルンプール行は複数社で運行していて本数は豊富なので、お昼を食べる想定で1時間半後のチケットを買いました。

ここで3人ともお別れです。
個々に写真を撮って、ハグして別れました。
旅をしていると必ず訪れる瞬間ですが、このときはいつも以上に胸に強い締め付けを感じるものがありました。
すぐ前をバスが通り過ぎようとしていましたが、見るとスクールバスです。
バスがBUSではなくBASになっていて、SEKALAHというのはSCHOOLERということでしょうか。
マレーシアでは英語からの借用単語が多いのですが、スペルまでマレー語化しているのが面白くてタクシーはTEKSIとなっていました。
感心しながらレストランを見つけて入ると、いま別れたばかりの3人がいて、こっちでいっしょに食べようと手招きしています。
昨日の朝は、オードリーがお別れのハートのクレープを焼いてくれ、いまさっきハグしたばかりだと言うのに。
彼女たちには3度もお別れを言うことになってしまったのでした。
【Alpha7/Jamin et Darlot 13.5cmF4.5 F4.5】
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thema:ペッツバール genre:写真
Jamin et Darlot 15.5cmF4 | trackback(0) | comment(0) | 2015/05/22 Fri
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