スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 | --/--/-- --

海のジプシーの島

Jamin et Darlot 15.5cmF4
リペ島のバンガローは快適で、デッキでは犬がうたた寝し、部屋には1匹の蚊すらいません。
ダッシュすれば10秒で海に飛び込むことができ、泳いで砂まみれになっても部屋のシャワーですぐきれいになれます。
こんな条件で宿泊料が安い理由は、シャワーに温水がなく、エアコンがなく扇風機が2台まわっているだけ、バルセロナが優勝を決めた試合もテレビがないために見ることができないからのようです。
リゾートは繁忙期と閑散期で極端に料金差があるものですが、閑散期料金をさらにクローズド割引してくれたと解釈することにしました。

中国語の文字を多く見かけて絶望したのはわたしの早とちりでした。
大陸中国人が来るわけではなく、マレーシアとタイの華人が訪れるために書かれていると分かりました。
なるほど見かけた中国人風の人たちはみな礼儀正しく、大声で話をしていることもありません。
レストランはバンコクよりも高かったのですが、岸まで2時間もかかる離島では水1本だって内地より高いのは当たり前で、野菜やコメを船で運んでいることを考えれば仕方ないと納得できます。
島の人やルカと話をすればするほど、リペ島に対する失望感はなくなり、予想とは違ったもののなかなかいいところである、今度はもっといい季節に来てみたいと思うようになりました。
何しろバルセロナ戦はどこかバーで見ようと思ったのに12時にはどこも閉まってしまうという健全な島なのですから。

島はたぶん数時間で1周できるくらいの大きさのようです。
朝からダイビングやスノーケリング、フィッシングなどのツアーがあって多くのツーリストは島外に出掛けますが、1週間以上滞在している人も多いので、そんな人たちは砂浜で泳いだりのんびりビーチの木陰で本を読んだりしている姿が目につきました。
島には小さな村があって子どもたちもけっこういるなと思えば、ちゃんと小学校もあるとのことでした。
ルカのように西洋人が経営するホテルやレストランがあり、バンコクなどから来たタイ人によるものも多く、恐らくローカルが直接経営しているのはほとんどない、そういう事情は中国の古鎮と似たところがありそうです。

ルカによれば、現地の人はシージプシーと呼称される海洋少数民族で、フィリピン、インドネシア、タイ、マレーシアに散在する海上で暮らす人々が100年以上前にこの島に定住するようになったのだそうです。
タイの南部はイスラム圏で、多くの島はイスラム教徒が住民ですが、この島のみそういう事情があったので、海をよく知る彼らと西洋人・タイ人が協力して自然を残す形でリゾート開発に成功したとのことでした。
実は、ルカは大学で民族学を学んでいて日本のアイヌも知っているくらいなので、ここに来る前からシージプシーについて強い関心を持っていました。
さらにイタリア国内で条件の良い仕事を見つけることが簡単ではなかったことから、15年近く前に休暇で訪れたこの島を気に入って地主や地方政府と交渉して20年契約でリゾートホテルの経営に挑戦する権利を得たのだそうです。

夕食から戻って聞いた彼の話はとても興味深いものでした。
まず、この島で営業を始めた数日後にスマトラ地震があって、津波がこの辺まで押し寄せたのだそうであわや開業早々にして失業するかもと思ったそうですが大事に至らず、映像で見た周辺地域の津波の惨状に胸を痛めることになった、しかし、それ以上にその後の日本の津波は見ていて耐え難かったと真顔で言います。
それから、専門だと言うアフリカにはどれだけの民族がいるか知っているかと、訪れた国でのいろいろな体験談をしだしました。
将来はモーリシャスに移って、またホテル経営をしたいとも。
また、アジアとタイがいかに経済力を付けて来たかを語りだしました。
彼がタイに来ていたころは、ヨーロッパ発バンコク行きのタイ国際航空の90%はヨーロッパ人でタイ人はわずかしか乗っていなかったが、いまはそれが逆転してヨーロッパ人はみな安いカタール航空などでタイを訪れている、などなど

ヨーロッパの経済危機の話をしていた時でした。
イタリアはなぜドイツやイギリス、フランスを追い抜けないのかと言う話になり、わたしはイタリア人の性格に起因するのではと自説を述べたのですが、あっさり一笑に付されてしまいました。
すべてはマフィアのせいだと言います。
せっかく政府や自治体がすばらしい政策を打ち出しても、それが軌道に乗ったところで、そこから収入を得ようとするマフィアが市民や労働者をコントロールしてストライキ状態にして、もとに戻したければマフィアにお金が流れるシステムを増設しろとやるので、折れて従うか政策がうやむやになるかでそれが繰り返されるばかりだからだということでした。
確かにその通りかも知れません。
しかし、やはりこれだけのインテリの彼が、たくさんのお客があることを知りながらホテルを長期間閉めてしまう発想の方にも、ドイツに追いつけない根本原因があるのは間違いないような気がしてしまいます。
【Alpha7/Jamin et Darlot 13.5cmF4.5 F4.5】
スポンサーサイト
thema:ペッツバール genre:写真
Jamin et Darlot 15.5cmF4 | trackback(0) | comment(0) | 2015/05/18 Mon
<< 木の上に眠る | home | 誰もいない宿 >>

Comment


Comment form


管理者にだけ表示

Trackback

この記事のトラックバックURL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

| home |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。