スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 | --/--/-- --

大きくて小さいフォーマット

Voigtlander 12cmF3.6
旅の話から少し外れますが、先日、大判に初挑戦したので、今日はそのことを書き残しておきたいと思います。
ペッツバールで遊び出してからすぐに思ったのが、レンズ本来のフォーマットのカメラでの撮影でした。
像面湾曲がペッツバール最大の収差なので、それが現れる周辺部分を使わないフォーマットの撮影ではレンズの特徴が分からないと考えるのは当然のことです。
最初に入手したダルマイヤーのペッツバールの焦点距離が12cm弱で、この5inch前後のものはその後も何本か入手しましたが、これらは4×5用のレンズだということでしたので、ピッタリのカメラがありました。
スピードグラフィックです。

スピードグラフィック(以下スピグラと略す)は製造期間が長くバリエーションが多いのでどのタイプと言わなくてはいけませんが、旅先でその辺が調べられないことをご容赦ください。
ペッツバールを使用するうえで重要だったのはカメラ本体にフォーカルプレーンシャッターの付いたタイプでした。
使いたいレンズは何本も持っていますが、その都度シャッターを付けるよりレンズボードに付ける手間だけでシャッターはカメラにあればずっと楽に撮影できます。
製造数の多いスピグラを探すのは簡単ですので、せっかくだからと米軍仕様のオリーブ色で三脚やストロボガンその他がケースにセットになったものを購入しました。
送料だけで1万円かかってしまいましたが、さらにシャッターが壊れていて修理に出さなくてはならず、中国の順平さんのところに持って行ったので時間がかかったもののようやく修理完了し、半ばあきらめていた連動距離計はやはり直せないとのことでした。

三脚付と書きましたが、わたしがやりたいのは大口径のペッツバールでカメラにシャッターも付いているのですから手持ち撮影です。
Ksmtさんは、8×10をものともせず、三脚にレンズキャップで1秒シャッターを切る豪快な撮影法を駆使していて、なるほど大判では大仰なほど好いのかと気付かせてくれました。
しかし、報道カメラマンがストロボも使いながら手持ちで撮っていたスピグラでは同様の撮影法で頑張ってみたいと考えました。
あいにくカメラが修理から帰って来た時には旅が始まっていて、フィルムや現像システムの準備かできなかったのですが、すでに初心者の域を抜けて順調に撮影活動していたksmtさんがそれらを用意してくれました。
ちょうどknpmさんも時間がとれるというので、3人で古典レンズを楽しむ会的な撮影に繰り出しました。

knpmさんは最近入手したという幻のゴーダンのペッツバールをペンタックス6×7で、ksmtさんはジャマンのコーン型ペッツバールをディアドルフ8×10で、わたしはフォクトレンダーのペッツバールをスピグラ4×5でと、このメンバーで初めて全員がフィルム撮影するという記念すべき日になりました。
3人とも人物撮影ですので、バラバラに行動するより一緒に撮影する方が効率的です。
大判や中判はかなりの手間がかかりますし、撮影後に同一被写体をそれぞれのレンズやフォーマットで比較する楽しみもあります。
こんな奇妙なカメラ集団がいたので、人が集まったり、撮影の仕方を理解してもらえずで苦労しましたが、さすがに被写体選びは楽勝で、みなさん喜んで協力してもらえ、フィルムがアッと言う間になくなってしまいました。

スピグラの撮影法ですが、自分への備忘録も兼ねて以下に書き出しておきます。
レンズやフィルムはセット済みの状態です。
① シャッターを開けてピントグラス越しに肉眼でピント合わせ
② ピントが決まったと思ったら念のためルーペで確認
③ カメラを動かさないままでシャッターを巻き上げ
④ フィルムホルダーをカメラにセット
⑤ ホルダーの引き蓋を抜く
⑥ ピントグラスのフード部分を畳む
⑦ 縦位置で撮る場合カメラを寝かせる
⑧ ボディのファインダーで最終フレーミング
⑨ (被写体に声をかけてから)シャッターを切る
ただでさえ物覚えの悪いわたしはこの行程をやりきる自信がなかったのでそれなりに練習していました。
おかげで1枚を除いて何かを飛ばしてしまうような失敗はなかったのですが…。

今日の作例は、その中のいちばんよく撮れた1枚です。
マニラから留学に来ていると言う女の子で、名前を聞き忘れましたがロリータという文字の入ったネックレスをしていたのでロリータちゃんと呼ぶことにいたしましょう。
これはどうにか見られますが、とにかくピントが外れていたので、③以下の行程でカメラを動かしてしまうようです。
三脚がイヤなら一脚で軽量のものが出ているのでどうかとのアドバイスをもらったので、次回は一脚使用を検討します。
新しい挑戦は6打数0安打1エラー出塁という程度の結果で、現像してもらっているのに申し訳なかったのですが、逆にこの結果が闘志に火を付けました。
また旅から戻ったら再挑戦したいですし、いずれは旅にスピグラを持って行けたらとも考えています。
デジタルがどれだけ高性能になっても、未だ古い大判を愛好する人の気持ちが少しだけ理解できたような気になれた1日でした。
【Sped Graphic/Voigtlander 12.5cmF3.6 F3.6】
スポンサーサイト
thema:ペッツバール genre:写真
Voigtlander 12.5cmF3.6 | trackback(0) | comment(10) | 2015/05/13 Wed
<< 恭喜卒業 | home | 重荷を背負って >>

Comment

ペッツヴァールの実像
ああ、本当はこんな風に写っていたんだなあ!
よく納得できる、すばらしい作品です。
主題がくりぬかれたように浮き出しています。
ふんわりと完全にボケるのも素敵ですが、
ペッツヴァールの周辺は少女の心のざわめきを写し出すようで、
まさにポートレートレンズの極致ですね。
2015/05/29 Fri| URL | sha-sindbad [ 編集 ]
スピグラの距離計は150mm前後のレンズしか使えませんし.カム調整もかなり難しいのでやめられた方が良いと思います。
しかし簡単に手持ちで撮影は出来ます。
まずは、シャッターを開きピントグラスでピントを合わせてシャッターを閉め(任意のシャッター速度に合わせる)そしてフィルムホルダーをセットして引きぶたを開けて後はシャッターを切るだけです。
ここで注意するのはピントグラスで合わしただいたいの距離と同じ距離で写す事です。私はこの方法でちゃんと撮れています。後はなれの問題だと思います。大判て結構アバウトなんですよ。
2015/05/29 Fri| URL | T-REX [ 編集 ]
しばらく更新がなかったので、心配しておりました。体調の不具合ではなく機器の不具合でよかったです。
思ったとおりの像面湾曲がきれいに出ていますね。私のペンタ67の同じ画像はやはりこれほどの周辺収差は出ておらず、きわめて端正な仕上がりになっています。早速先日鶏卵紙に焼付けしましたが、ネガフィルムからの8x10ネガ作成ですと、思ったとおりかなりコントラストが不足するようです。次回はトーンカーブをさらに持ち上げて再挑戦します。一方で硝酸銀の塗りの方は、無理をして小林刷毛を購入した効果でほぼ完璧になりました。
引き続きお気をつけて。
2015/05/30 Sat| URL | kinoplasmat [ 編集 ]
そうそう、一部でサイケデリックと評判が悪かったので、滲みレンズHPのポータルのデザインを変更しました。紋章の作成に思ったより手間がかかってしまいました。両側の動物は一応中央のキノプラズマートに敬意を表してのものですが、お分かりになりますでしょうか?中身のページはまだいじってませんが。
2015/05/30 Sat| URL | kinoplasmat [ 編集 ]
現像に関するコメント:
Fuji film across 100 4x5
Developer SPD 1:1
Fixer Fujifix
Digitize Canon EOS 5D mk2+DPP linear tone curve

左側の上下がけられてるのは、レンズがシフトしているためだと思います。通常レンズボードの穴は中心にはなく、フォールしています。
2015/05/30 Sat| URL | ksmt [ 編集 ]
Re: ペッツヴァールの実像
sha-sindbadさん、こんばんは。
コメントありがとうございました。
ペッツバールの当時は、背景は絵を使っていたので、こんなボケ方の写真はあまりないと思います。
ただ、この表現は面白く、なんとかもうちょっとマシモデルさんに喜んでもらえるような写真を撮りたいです。
周辺は少女の心のざわめきより、撮影者の邪念が映し出されていると考えてください。
返信がトラブルのためたいへん遅れてしまい、申し訳ありませんでした。
2015/08/28 Fri| URL | 中将姫光学研究所 [ 編集 ]
Re: タイトルなし
T-REXさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
大判の儀式のような手順がたいへん気に入っています。
スピグラでのポイントは書いていただいたホルダーのセットでこれがすっといけば問題ないのですが、うまく入れられず、このときにカメラの向きが微妙にズレたり、ピントも狂わしてしまうようで、失敗が多いです。
慣れの問題というのはその通りだと思いますが、枚数を何十枚とこなせる訳ではないので、時間がかかりそうです。
大判は実はアバウトというのが名言だと思います。
ついつい構えてしまいますが、ホントにアバウトだったと報告できる日を待っていてください。
諸事情で返信遅れましたことをお詫びいたします。
2015/08/28 Fri| URL | zunow [ 編集 ]
Re: タイトルなし
kinoplasmatさん、こんばんは。
ご心配おかけしてしまい、失礼しました。
収差のことはレンズ本来のフォーマットで撮影しないとなかなか分からないものですね。
それが分かったのが唯一、この写真の意味でしょうか。
鶏卵紙は試行錯誤でかなり完成度を上げているとイメージしています。
写真展が楽しみです。
スペースがあるようなら初期の失敗作も展示できると、いかに作業が厳しいか伝わってよいのではないかと思いました。
返信がたいへん遅くなってしまい、深くお詫びいたします。
2015/08/28 Fri| URL | zunow [ 編集 ]
Re: タイトルなし
kinoplasmatさん、こんばんは。
ホームページ刷新のニュースありがとうございます。
ずいぶんと凝った紋章をつくられましたが、双頭の鷲とライオンの意味が分かりかねます。
解説をお願いできればと思います。
ページの更新も思った以上の頻度であって楽しませていただいています。
サイケデリックの意味が分かりかねますが、色遣いなどすっきりしましたし、レンズ名は囲った方が見やすいのですね。
事情により、返信が大きく遅れましたことをお許しください。
2015/08/28 Fri| URL | zunow [ 編集 ]
Re: タイトルなし
ksmtさん、こんばんは。
データをありがとうございました。
本来、自分でやるべき面倒をすべてやっていただいていることに感謝いたします。
時間があるときに、周辺部がどうなっているかなどチェックしたいと思っています。
小さなことに惑わされずに失敗率を下げないといけませんね。
ご返信が極端に遅れましたことをお詫びいたします。
2015/08/28 Fri| URL | zunow [ 編集 ]

Comment form


管理者にだけ表示

Trackback

この記事のトラックバックURL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

| home |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。