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虫が植物に

Raptar 50mmF1.5
わたしは旅行してもあまり観光のようなことはしません、そう常々言っていますが、一方で古い街並みが好きなのでよく行くとも言っています。
これは明らかに矛盾で、わたしは、古い街並みの観光はしますが、それ以外はあまりしませんと訂正すべきでした。
何度も書いているように中国には古い街並みが残っているエリアを古鎮と呼びます。
広大な中国では、山間の寒村や水郷の村など交通手段が遮断されているために、100年前の村がそのままに残っていると言うところがけっこうあったりします。
水道や電気などの最低限のインフラのみ整備して、食事やライフスタイルなども伝統的なものが継承されているケースが多く、昔の村に突然やって来たかのように錯覚を覚えることがあるくらいです。

しかし、開放政策以降中国が豊かになると、古鎮にも大きな変化が起こります。
訪れる人がどっと増え、何もないこんな村に観光客が来ると気付くと入場料を取るようになり、収入で観光客の便宜を図ろうと素朴な道がコンクリートになったり、ごみ箱や街灯が設置されたり、古さが売りだった村に新しい設備が導入されていきます。
中国人はある意味おおらかなので、そのように手が加わっても便利になれば、いいことだと訪れる人はさらに増加していきます。
こうなると立地の良い家の住民やもともと小銭を貯めていた住人などが食堂や土産物屋の商売を商売を始めたりします。
もちろん、オリジナルの村の状態こそベストですが、このくらいの段階ならまだまだ許容できます。
作例は、河北省石家荘郊外にある石頭村ですが、これを見た中国人以外の誰もが、ひらひらしている旗(?)は外すべきと考えるでしょう。

しかし、さらに観光客が増えると困った現象が起きてきます。
ここは商売なると考える外部の人が、次々やって来ては地元の人を追い出す形で村に入り込んで商売を始めてしまいます。
それでも古い建築を補修して、外観が損なわれない程度にリノベーションした商売ならよいのですが、人生掛けてこで商売やると決めてやって来た人たちは村で目立とうと建物の外観をおかしなことにしてしまうのです。
元の住人も、家賃収入で不便な村を捨てて町に引っ越してしまい、現地人不在のおかしな村へと変貌していきます。
良識ある中国人はそこまでなってしまう村の現状を嘆きますが、ほとんどの中国人には現地人空洞化の村よりもより活気づく村を評価して、より訪れるようになるという構図が出来上がります。
冬の間に地中に生まれた幼虫の成分を吸って育つ冬虫夏草を思わせるものがありますね。

虫の形なのに植物になってしまった町をわたしはいくつか知っています。
湖南省の鳳凰、広西壮族自治区の陽朔、雲南省の麗江・大理などです。
鳳凰は苗族、陽朔は壮族と瑶族、麗江は納西族、大理は白族がそれぞれ住んでいた町でした。
もちろん今でも彼らが主要な民族です。
しかし、それぞれ町があまりにすばらしかったため観光客が訪れ、よそからやって来た漢族が商売を始めて家賃が上昇して、地道に暮らすより彼らに家を貸して、自分たちは都会に家を借りたり買ったりして引っ越ししてしまいます。
民族の伝統が一気に薄まってしまい、先に書いた冬虫夏草の町に変貌していました。

残念ながら、外部から来る中国人の多くは、もともとの文化や伝統を尊重することはありませんし、商売もむしろその土地になかった本格コーヒーのカフェだったり、大音量の音楽の酒場だったりします。
土地の名物を売るみせもありますが、恐らくそれを製造している工場はやはり外から来た漢族の経営でしょう。
そんな中を貧しい現地民族の老女が伝統的なお菓子や手作り細工をとぼとぼ売り歩いている姿に胸が痛みます。
何もなかった古い街に人がいっぱい訪れて豪勢な食事に買い物、宿泊をするのですから町はうるおうでしょうし、出て行ってしまった地元民族も生活向上しているし、観光客はみんなご機嫌で何が悪いんだと言われそうですが。

前にも書きましたが、アジアインフラ投資銀行がどういうことをするか、これによって見えてこないでしょうか。
アジア開発と言って自国の企業丸々進出させて、自然破壊も辞さずに開発終了して、やって来た企業は地元の産業を吸収して居残り続ける。
あるいは中国人観光客が日本にどっと押し寄せて爆買いしているというニュースです。
買い物するのは中国資本の元日本の電気店で、働いているのも中国人、売っているのは欧米ブランドのバッグや腕時計。
中国経済が破たんすれば元に戻ると考えているのか、何か日本に対応策はあるのでしょうか。
【Alpha7/Raptar50mmF1.5】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wollensak Raptar 50mmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2015/04/05 Sun
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