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K

C.C.Harrison 14cmF4
ザミンウードからウランバートルの車は日本留学歴があって日本語のペラペラのチンジュルク君が道連れになってくれる幸運に恵まれましたが、さすがにそう言うことはそうそうないだろう、英語、中国語ができる人がコンパートメントの同室になる確率は低いだろう、そう考えて列車に乗り込んだのですが、またしても自分の運の好さに驚かされることになりました。
車掌に案内されたコンパートメントには三十代と思われる夫婦がすでに乗り込んでいましたが、なんと、ふたりとも英語も中国語もOKとのことです。
せっかくふたりのところを割り込むようで済まないとあいさつすると、日本人なら大歓迎と最初から打ち解けた雰囲気です。

仕事の話になった時さらに驚かされることになりました。
彼は映画監督で、カフカの「城」を内モンゴルにて撮影して、ベルリン国際映画祭に出品したのだそうです。
そのときのカードがあってプレゼントしてくれたので、サインもお願いするとモンゴルの文字で書いてくれました。
かなりの達筆です。
モンゴル国内ではロシアの文字で表記することは前に書きましたが、本来は彼ら独自の文字があります。
縦書きで書道の草書体にも似ているので美しい文字ですが、これを読んだり書いたりは簡単ではなさそうです。
一時期モンゴル文字は教育の場から姿を消してしまい、分かる人がかな減少したようですが、今では民族がひとつになるための手段として熱心に教育されているとの説明でした。

その彼は中国籍ですが、内モンゴル出身の蒙古人であって中国人とは思っていないようでした。
中国人とは中国語で会話しますが、しばしば中国語がお上手ですねと言われるんだと笑っていました。
奥さんはウランバートル出身のモンゴル人で、ふたりは同じ民族だというのに国際結婚ということになります。
彼女はウランバートルのホテルで働いていたことがあるので英語が堪能でしたが、中国語はまだパーフェクトではないと言うものの、もちろんわたしよりはずっと上でした。
振る舞いや笑顔など、やはりモンゴルであったどの人とも違う、打ち解けた国際人的なオープンさを感じます。

その奥さんが「ARRI」と書かれたトレーナーを着ていたのでこれってまさかと聞くと、数年前にフィルムを使い切ってしまったが、愛用していたアリフレックスのトレーナーを見つけたので妻にプレゼントしたのだと自慢げに話してくれました。
他にもボレックス16mmで撮影中の勇士も見せてくれて、そのカメラ名を言い当てるわたしに信頼を置いてくれたようです。
今度はわたしが自慢する順番で、アリもボレックスもかつて中古市場では当然高かったものの、レンズだけだとタダ同然で売られていることがあってそういうのを何本か集めた、35mmをカバーしないものもあったが、もともとプロ用のシネレンズなので高性能だった。
その後、同じことをする人が増え、中国人も参入して来たのでレンズは価格高騰して入手困難になってしまった、それで、いまはペッツバールを集めていると説明しました。
この話はとても好評で、ハッセルブラッドやマミヤを愛用もしているという旦那さんはもちろん、カメラを一切知らない奥さんも熱心に聞いていました。

彼らによれば、集寧は烏蘭礼布市という北京方面と呼和浩特方面に分岐する地点の駅ということです。
彼らは終点の呼和浩特の実家に帰るところで、わたしは数時間手前の集寧で降りますが、それでも夜の9時に乗車してほぼ1日がかりになります。
距離が800キロなので時速100キロ平均で走れば8時間で着いてしまいそうなものを、モンゴル内ではばかにゆっくり走りますし、出入国のパスポートコントロールと荷物検査に時間がかかり、さらに中国は世界基準広軌なのに、モンゴルがロシア式の広軌が採用されているため、国境で台車の取り換えという作業に3時間ほどを有することが時間短縮を妨げています。
しかし、この3時間のおかげで、わたしたちは駅からタクシーに乗って町に出てちょっとしたショッピングをしてから内モンゴルレストランで食事まで楽しみました。
まさか列車の停車時間中にタクシーで出掛けるなんて、銀河鉄道999の乗客にでもなった気分でした。

さて、作例にはぜひこの芸術家夫婦をお見せしたかったのですが、さすがに失礼かと思い、レンズが向けられませんでした。
しかし、列車を降りる際に互いに携帯で写真を撮り合ったので、ペッツバールでポートレイトを撮らせてもらえばよかったかとも思います。
代わりに出させていただくのは、街角の女性を適当に撮ったものですが、あるいはわたしがモンゴルで見かけたいちばんの美女になるかも知れません。
ボア付きのダウンジャケットに毛の帽子、スカーフを巻いて、両手はポケットの中というのがモンゴル式です。
この恰好ができない旅行者はただちに中国に去るしかありません。
【Alpha7/C.C.Harrison 14cmF4】
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thema:ペッツバール genre:写真
C.C.Harisson 14cmF4 | trackback(0) | comment(2) | 2015/03/10 Tue
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Comment

おかえりなさい。あまりにアップが激しいので、どこでコメントしてよいのかわかりませんね(笑)。やはり美女の項にしましょう。大変な通信環境のなかたっぷりと書き溜めたものと思われ、いつも以上に筆の乗りが良い感じですね。モンゴル美女は着ているものも高級そうで、しかもバッグはワニ?でしょうか。笑っていない表情もよいですね。
2015/03/29 Sun| URL | kinoplasmat [ 編集 ]
kinoplasmatさん、こんにちは。
逃げるように戻りました。
文章は書いていたり、メモしたりもしていましたし、写真の撮影枚数がかなり少ないので、数日に分けて一気にアップさせていただくことにしました。
適当にお流しいただければ。

知り合った青年によればウランバートルはかなりの好況だそうで、車や高級衣料品が飛ぶように売れているとのことでした。
ワニ革(?)もこれ見よがしですね。
厳しい表情は寒さのせいかも知れません。
アジアで一番、笑うことの少ない、その分怒ることの多い民族のような気がしました。
2015/03/29 Sun| URL | 中将姫光学研究所 [ 編集 ]

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