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偶然のペッツバール

Derogy 15cmF4
ニエプスとダゲールの写真術の発明以降、レンズの発展は多くの必然によってもたらされていると言えます。
反射率や屈折率の違う何種類ものガラスの使用、コーティングの導入、ヘリコイドによる焦点合わせの採用、虹彩絞りによる露出のコントロール、コンピュータによるレンズ設計などは、レンズ性能と使いやすさを進歩させ続けました。
それ以外にもカメラの発展やフィルムの性能アップ、カメラマンの技術向上なども間接的にレンズの進歩に寄与しています。
一方でまったくの偶然と言うか、意図したこととは関係なくレンズが大きく進歩したと思われることも存在します。
映画が撮影されるようになってそのためのレンズを設計するとか、引退したルドルフ博士が第一次大戦の敗北によるインフレで一文無し同然になって復職してプラズマートを設計したとか、数えればいくつもの出来事に指を折ることができるはずです。

偶然がもたらしたレンズ発展の最初期の2大出来事は、フランス政府がダゲレオタイプの特許を買い取って誰でも使用可能としたことと、ペッツバールがオーストリアでしか特許取得していなかったためフォクトレンダーと喧嘩別れした以降、ヨーロッパ各国やアメリカでペッツバールレンズとそのバリエーションが盛んに製造されたことと言えると思います。
前者では、仏政府の特許買い上げが無ければ、カメラとレンズもダゲールの独占になり、しばらくの間はジルーカメラとしシングルエレメントあるいはアポクロマートのレンズのみしか存在しなかったでしょう。
ダゲレオタイプの写真術が広まったことが、フランスの国民産業振興協会の優れたレンズに対する懸賞金となり、それがウィーンに伝わってペッツバールがレンズを発明したというのは実に偶然が連鎖しているように思えます。

そのペッツバールのレンズはウィーンのフォクトレンダーによりカメラとともに製造されましたが、報酬額の問題から両者は喧嘩別れしたものの、ペッツバールの特許がオーストリア国内でしか有効でなかったため、フォクトレンダーはドイツで製造を継続し、他の欧米のレンズメーカーも追随しました。
有名な話ですが、もしふたりがケンカしなければペッツバールレンズはフォクトレンダーの独占で他のメーカーのものが存在しなくなり、もしペッツバールが欧米各国で特許申請してからケンカしていればウィーンのディーツラーというメーカーがその後のペッツバールレンズを独占製造していたでしょう。
いずれにしても、わたしがペッツバールのレンズを手にすることなどできなかったに違いありません。

歴史上のもしもは不毛なのでこの辺で止めておきます。
ただ、ペッツバールレンズは、写真史の中の必然と偶然の中で幸運にも生まれたレンズだということを再認識したことでますます愛情を感じられる存在になりました。
フィルムからデジタルに変わり写真術の世界は未だ全身を続けていますが、レンズもそれは同様でしょう。
しかし、サインのデジタルカメラに装着してもまったく違和感なく使用でき、撮影結果についてもとても150年も前のレンズで撮ったものとは思えないというのは、いつも書くことですがすごいことだと思います。
ただ、それだけ完成されたレンズがありながら、レンズ史の中ではさらに優れたレンズが設計されたことの方がよりすごいことだとも言えるかも知れません。


さて、鎌倉駅についてアメ横のようになってしまって品を失った小町通りの混雑を抜けて、いつものように鶴岡八幡宮に到着しました。
参道を歩いていると早々に着物の美女が目に留まります。
しかも、それはひとりだけではなく3人もいて、その3人が3人とも美人なので驚いて思わず撮影させていただきました。
混んでいる参道内なので、下がり方が甘く、両側が大きく切れてしまったのは残念ですし、また太陽光が眩しそうな表情なのももったいないことをしました。
冬の撮影では、低い太陽に対して順光では被写体が眩しく、逆光ではレンズが眩しく、どちらも撮影には好ろしくありません。

鎌倉にも京都のような時間貸しの着物レンタルがあって、寺社を記念撮影しながら観光できると若い女性や外国人に好評だそうで、そういうところを撮影できればと思っていたところ、彼女たちは明らかに自前の着物です。
時期的には初詣だからと言う意味もあっての着物だったかも知れませんが、最近若い女性が着物を楽しんでいる姿を目にする機会が着実に増えています。
観光客、中でも外国人の誘致に必死になっている自治体は少なくないと思いますが、例えば、鎌倉へ行けばなんちゃってレンタルでない本物の着物の女性がいっぱい歩いているとなれば、それだけで行きたいと思う外国人は少なくないということを考えれば、着物を着ようと呼びかけることから初めてみればと思います。
どこかの遊園地でゆかたで来ると半額などとやっていましたが、同じことを鎌倉市でもぜひ検討いただきたいものです。
【Alpha7/Derogy 15cmF4 F4】
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thema:ペッツバール genre:写真
Derogy 15cmF4 | trackback(0) | comment(2) | 2015/01/30 Fri
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Comment

このレンズに限らず、ペッツバールは一般にこのような順光が得意のようですね。
2015/01/31 Sat| URL | ksmt [ 編集 ]
ksmtさん、こんばんは。
おっしゃる通りで、ペッツバールは光線状態に対して、とてもセンシティヴですね。
この光線だと影響は少ないですが、それでも右側の美女の顔に影を付けて魅力を奪っているので、よろしくないとわたしは思います。
室外では簡単ではないレンズだと痛感します。
2015/02/01 Sun| URL | 中将姫光学研究所 [ 編集 ]

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