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日本人が教えたまえしもの

Summicron 5cmF2
ニャウンウーの小さな町は、表通りと裏通りではっきりと性格が別れていることが分かりました。
表通りはほとんど観光客のための町で、そこから1歩内側に入ると完全にローカルの人たちの生活領域です。
表通りを外れてしまうとゲストハウスなど見つからないばかりか、外国人を意識した何かというものすら見出すことはできません。
まるで、ニャウンウーは線の町で、わたしには奥行き感がまったく掴めませんでした。

宿はまた通りに出てから適当にあたりましたが、少し引っ込んだところに新館がオープンして間もないゲストハウスがあったのでそこに決めました。
旧館は1泊2000円で何十年と泊り続けてきたバックパッカーたちの汗の臭いが染みついたような部屋でしたが、新館の方は500円プラスするだけで清潔と快適が確保されているような大きな違いが感じられます。
にも関わらず、旧館は満室で新館はいくつか空きがあるというので、若いバックパッカーは多少の条件には目を瞑って500円拙訳しているのだと分かりました。

早速、ニャウンウーに来た目的遂行の行動に移らなければなりません。
レンタサイクル屋の夫婦は知らないと言っていましたが、宿の従業員に聞いてみると、それならここから歩いて2分だよと教えてくれました。
その従業員とは日本語堪能のジョジョという名前で、向かいにある奥さんの家に住んでいるそうで、わたしは婿養子なのでと日本語で照れながら言う、性格も日本的なところのある男性でした。

お礼もそこそこに向かったのが、作例の写真館です(暗くて分かりにくいのはご容赦ください)。
ある本で読んだのですが、この小さな写真館は、戦前ヤンゴン(当時の名称はラングーン)にいた日本人の写真師に写真撮影を習い、1940年にニャウンウーでこの小さな店を始めたのだそうです。
詳しいいきさつは分かりませんが、開店時に手に入れたのは日本製のAstoriaという恐らく8x10の木製のカメラで、作例の真ん中に写っているのがまさにそのカメラです。
左横にいるのは開店時の店主の娘さんだそうで、当時の設備のまま写真館を続けてきていました。
ジョジョによれば、この写真館はミャンマー中で知られていて、ここで撮影された写真のカレンダーは特に有名なのだそうです。

戦前のミャンマーはイギリスの植民地から脱したいと願い、逆に開放するという名目でアジアの国々に侵出していた日本と共同戦線を張っていたのが、日本人写真師がヤンゴンにいた頃と符合します。
アウンサン将軍も日本陸軍の軍事訓練を受けていたりしたと聞きますが、最終的には隣のインドでのインパールの敗戦を受けて当時のビルマはイギリス側に寝返り、その時点で日本との関係は失ってしまったはずですが、一部の民間人の間にはこの写真館のようにその繋がりから日本を崇拝し続けているケースもあったようです。
この女性はまさに父親から日本人のことを聞いて育っていたのでしょう、戦後ずっと使いやすくなったカメラになびくことをせずに日本人が教えた日本製大判カメラを現在でも使い続けているというのです。
これを知ったわたしは、ミャンマーを訪れた暁にはここを訪れたいと考えて、ついにそれを成し遂げることができたのでした。

わたしはここまで来たいきさつを話し、持参したペッツバールを見せて、このレンズで撮影してもらえないでしょうかとお願いしてみたのですが、カメラへの固定が難しく断念せざるを得ませんでした。
いつも使用しているという210mmだったかのノンコートのフジノンを使用します。
また、カメラは8x10ですが、このサイズのフィルムが入手困難なために35mm用フイルムを使っていたのがとても残念に感じられました。
2枚400円で名刺サイズほどのプリントをしてもらえるとのことで撮影してもらいましたが、強いライティングが影響しているのか、あるいは古いフジノンレンズの特性か、ややソフトな感じながらスタジオで丁寧に撮影されたと分かる(被写体以外)美しいポートレイトに仕上がっていました。
ビルマが最貧国に堕していて、かつ写真館の主に伝統を守るのだという気概があったからでしょう、まるで1940年当時のまま時間が止まってしまったかのような写真館で撮影してまらえるというまたとない機会を得ることができました。
わたしの場合は、日本人が日本のカメラでミャンマー人を撮っていたということですが、このケースは、ミャンマー人が日本のカメラ゛日本人を撮ったということになるわけです。
【Alpha7/Summicron 5cmF2 F2】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 50mmF2 Rigid | trackback(0) | comment(0) | 2015/01/10 Sat
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