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双孔匹兹伐

Abraham 10cmF3.6
今日の作例は、数日前の敬礼の美少女とは別の軍隊研究家の皆さんと思われる方たちの整列した姿です。
ペッツバールレンズを多用していると、特にイベントなどの時には、人物撮影用レンズだということで、同じような作例ばかりを撮影しがちです。
レンズの研究と言うことでは、その姿勢こそが正しいのですが、同工異曲を避けるということで、少し趣向を変えて、露出も思い切ってアンダーにしてみました。
緊張感と言うか、軍隊的起立感が漲っているような雰囲気を意図していますが、そのように見えますでしょうか。

エイブラハムのペッツバールは、期待を裏切るほどに高性能だったわけですが、そこで思い当たったことがあります。
このレンズは残念ながらラックアンドピニオン機構のピニオンギアが消失してしまっているのですが、そのピニオンギアを固定する金具があるべきところのネジ穴が2つなのです。
通常このネジは4つあり、2つというのはかなり少数派です。
ところが、何故かフォクトレンダーのペッツバールは2つ穴のものが多く、わたしの持っている3本の同社のペッツバール中2本が2つ穴で、4つ穴のものはかなり大きいので、2つ穴では支えなれないので4つ穴にしたと解釈することが可能です。

と、これだけの理由で決めつけることはできませんが、エイブラハムの製造元がフォクトレンダーなのではとの可能性が浮かび上がりました。
このレンズがイギリス製ではない可能性が高いですし、フランスのルルブールやダルローではコバにサインが入っているものが多いので、それ以外ではと推測していました。
また、1839年に同社がダゲレオタイプの展示会と同時に機材の販売もして、恐らくロスやダルマイヤーが台頭してくるまではペッツバールレンズも販売していた可能性が高く、それは1850年くらいまでではないかとの仮説を立てましたが、その頃はまだペッツバールの初期で、弱小メーカーが参入する前の話だと考えられます。

わたしのフォクトレンダーの20.5cmは、1862年製造の比較的新しいペッツバールですが、このレンズのエイジング具合とエイブラハムのそれが妙に似ているのも、フォクトレンダー製造説を裏付けています。
初期のペッツバールはブラスの上に金ニスと呼ばれるラッカーが掛けられているのですが、これがきれいに残っているのが理想的なものの、大概は一部、または全体が剥がれ落ちています。
その剥がれ方が、部分的になってしまうのがやや汚らしく今一つの外観になってしまうのですが、フォクトレンダー20.5cmとエイブラハムは全体に金ニスが落ちた上に若干の真鍮の腐食のような茶変という共通点があるのです。

写りについては、シャープであることにやはり共通点があるのですが、ペッツバールは多くがシャープなので似ているのは当然と言うことになります。
ところが、逆光の撮影と言うことになると、フォクトレンダーが比較的強いと感じるのに対して、エイブラハムはまったく奮いません。
ペッツバールの典型はコントラストの低下が見られるという逆光に弱いことなので、それが普通のことですが、稀に逆光に強いものがあって、そういうレンズはとても優秀だなと感心します。

それにしても、新しくオールドレンズを入手すると、それについていろいろと調べて、さらに実写してと知ることはたくさん出てきます。
それを順番に書いて行くだけで1週間のブログを満たしてしまうのがオールドレンズの懐の深さであり、素晴らしいところです。
特に年代がとても古いペッツバールは情報を得るのがなかなか難しいのですが、わずかの情報から想像が大きく膨らんでいくと言う愉しみがあって、これはペッツバール・コレクター、ペッツバール愛好家冥利に尽きることです。
そろそろペッツバールの購入を控えているのですが、まだ我がレンズ庫には未使用のそれが若干残っているので、愉しみはしばらく続けられます。
ペッツバール博士のみならず、ニエプス、ダゲール、タルボット…、写真術の黎明期の偉人たちに感謝して止まない所以です。
【Alpha7 with Sanderson/Abraham 10cmF3.6 F3.6】
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thema:ペッツバール genre:写真
Abraham 10cmF3.6 | trackback(0) | comment(0) | 2014/10/19 Sun
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