太陽改鏡頭

M8/Fluro Ektar 52mmF1.5
今日も、レンズ話の続きになります。

手もとに宮崎さんによるレンズ改造移植カルテがあります。
レンズとともにknpmさんが手渡してくれたものですが、依頼先欄にはいつもあるわたしの名前ではなくknpmさんのフルネームが手書きされていて、カルテそのものに少しの重みを感じます。
レンズともども大切にしたいと思います。

宮崎さんの測定によれば、球面収差はやや過剰補正されています。
曲線がややマイナスに膨らんでおりますが、このパターンは、開放でフレアが出てコントラスト低め、解像力も膨らみ分高いとは言えないということになると思います。
もっぱら開放でレンズを使うわたしにとっては重要な情報です。

開放での評価は、コントラスト、解像力とも"good-"(グッドマイナス)とあまり芳しくなく、F2で"good+"、F2.8でようやく"very good"と改善しますが、球面収差からみればあきらかに高性能レンズとは言えません。
実際、作例を見れば、全体にフレアっぽくコントラストが低めなことがよく分かります。
また、ピントが外れたハイライトはかなり滲みがでて、全体にフワッとした画像を作ります。
柔らかさが原因か、わたしはこのレンズの立体感には物足りないものを感じました。

そのぶん、深度はF1.5としてはかなり深いように見えます。
ボケもおとなしいと言えます。
というより思い切って、ボケのきれいなレンズと評したいと思います。
中間距離のピントで後ろががさつくようですが、全般にやわらかく芯を残すケースが多いです。
周辺を見る限りでは、非点収差はあまり大きくないようです。

ところで、このレンズはやや黄色味がかっています。
コーティングではなく、いわゆるレアアースが原料の硝材が使われているようです。
放射線がわずかに出ているようですが、例えば同様のレンズであるスピードバンクロ75mmに比べると、画像がほとんど黄色くなっておらず、影響は小さいものと想像されます。

肝心のレンズ構成ですが、譲っていただく前はガウスタイプの変形だと信じていました。
エクター名の50mmクラスレンズのほとんどは、ガウス族ばかりだからです。
しかし、これ以上根拠のない思い込みもありません。
knpmさんは独自に調査されていて、これがガウスではなくゾナーであることを掴んでいました。
ただ、通常の3群7枚ではありません。
では、どんな構成だったでしょうか。

実は、それが思い出せないのです。
ゾナーの構成から、2群目を2枚1枚に分離したゾナーの変形、もしくは前群エルノスター後群ゾナーとも言える構成だったような気がするのですが、確信が持てません。
他に類例のない構成だったことは間違いないと思います。
唯一覚えているのは、ゾナーをもとにしたために焦点距離が若干延びて52mmになったのかも知れないなあと思ったということだけです。
そういえば、F1.5ゾナータイプの球面収差補正はどれも過剰補正型で、みなよく似ていますね。
【M8/Fluro Ektar 52mmF1.5 F1.5】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Kodak Fluro Ektar 52mmF1.5 | trackback(7) | comment(0) | 2012/08/31 Fri
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