スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 | --/--/-- --

望遠レンズを見直すときかも

Jamin et Darlot 13.5cmF4.5
ベトナムの旅に持ち出したもう1本のレンズは、ジャマン・エ・ダルローのペッツバールレンズでした。
このレンズは、コーン・サントラリザチュールという下部が円錐形をした独特のシェイプで、シャープなペッツバールタイプのレンズの中でも特にシャープなことで評価が高いようです。
一般的なペッツバールは中心部のみがシャープで周辺に向かうにつれ像面湾曲や非点収差などの影響で像が乱れるのに対して、このレンズは135mmとペッツバールとしては短い焦点距離ながら画面全体で画質があまり落ちず、だいぶ使いやすくなります。

イメージサークルが広くなっているということだと思われますが、そうだとすれば広角のレンズということになりますし、F値が暗くなるのも納得できます。
ペッツバールの改良型といえるでしょう。
以前はそのことが気に入っていたのですが、ペッツバールらしさということでは物足りない気がするようになってきました。
一般的なライカマウントの望遠レンズを使うのと差がなくなってしまうからです。

とはいえ、このレンズはペッツバールとしては細身かつ軽量で、旅に持ち出すには好都合です。
およそ150年前のレンズなので、そう説明しながら撮影させてもらったりもしました。
逆にベトナム人ツーリストからわたしの撮影しているところを撮らせてと言われたこともありました。
レンズのことを聞かれたので、ベトナムは1887年にフランスの植民地になったのですが、その少し前にフランスで作られたものだよと自慢しました。

しかし、13.5cmF4.5というスペックは、戦前のライカのエルマーやヘクトールと同じで、描写に優位性があるとも思えません。
他のものも含めてペッツバールは相当使っているのに、エルマー、ヘクトールというライツの名レンズはほとんど防湿庫に眠ったままです。
かつて135mmはライカで使いにくい焦点距離でしたが、ミラーレス一眼レフになって使用感も変わっているでしょう。
方針転換の時が来たかなあとの思いを強くしました。

さて、本日の作例ですが、ホイアンの中心からはずれた路地でみつけた家内制工場です。
春巻き用のいわゆるライスペーパーを製造していました。
ライスペーパーは、フエのスーパーで何種類も売られていましたが、それらはもっと大規模な工場で作るのでしょう。
ホテルでスタッフと食べる夕食というサービスがあり、前菜でライスペーパーを使った生春巻きをおいしくいただきました。
作例の手作りライスペーパーは、レストランやこういうホテルなどに卸されているのではないか、だから特においしかったのではと思いました。
【Alpha7II/Jamin et Darlot 13.5cmF4.5 F4.5】
スポンサーサイト
thema:ペッツバール genre:写真
Jamin et Darlot 13.5cmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/30 Thu

海と雲の峠

Accurar 35mmF2.8
旅行中何度か言及したベトナムを南北に分かつハイヴァン峠が今日の作例です。
峠は海岸に面していて、車を降りて高台に上がると左右両側に海が広がる絶景が見られます。
南側は作例にも写っているダナンの長いビーチ、北側はこのあたりでいちばん美しいと言われるランコー村の緑の海と白い浜のビーチです。
そのため、作例のように左右双方にカメラを向ける人がいて、その様子がユニークでした。

しかし、この作例をよく見ると左下が激しく流れています。
この不自然さは偏ボケでしょう。
もともとガラスの質が悪くて偏ボケしてしまったか、オーバーホールか何かのおりにきちんとレンズを組めなくて偏芯してしまったかのどちらかだと考えられます。
前者なら製造元が自社品ではないからと製品管理の手を抜いたか、自社の製品に使えないとB級品を安く処分したのではと心配になります。
後者では鏡胴のほうが手抜きで1度ばらすと元通りにならないような粗悪品だったのかも知れません。
メーカーの素性のわからないディストリビューター製品にありがちな問題ではないかと思われます。

作例の道路が濡れているのは、直前まで雨が降っていたからで、ハイヴァン峠と周辺の山は常に雲がかかっていて、平地が晴れていても周囲は雨がちなようです。
ハイヴァンは漢字で海雲と書くようで、この土地の位置と気象を示すような地名が付けられたことが分かります。
海雲関と書かれた古い建物は、昨年の旅行で訪れた中国山西省の娘子関の万里の長城の遺構を思い出させました。
まさか万里の長城ってベトナムまで延びていたということはないですよね。

海雲関はベトナム語でハイヴァンクアンと読むようです。
中国語の読み方だとハイユィンクアンなのでよく似ています。
警察は公安でコンアン、注意はチュウイーとやはり中国語にそっくりですが、わたしはむかし中国語とベトナム語は似ていると思って、ベトナム語を勉強しようとテキストを買ったことがあります。
しかし、似ている言葉、つまりは中国語起源の単語はごくごくわずかだと巻末の単語索引で分かって、学習することなくベトナム語挫折という苦い思い出になりました。
日本語でも海雲関はかいうんかんと読むので中国語と少し似てますが、それぞれはうみ、くも、せきと日本起源の言葉があるように、ベトナム語で海はハイでなく、雲もヴァンでないということだと理解したのです。

ホーチミンは胡志明、ハノイは河内と書くように、人名や地名には中国語の影響はそのまま残っています。
ベトナムではもともと漢字が使用されていましたが、フランスの植民地になった時に漢字の使用が禁じられてアルファベット表記に改められました。
今では、一般に漢字が書けるベトナム人は皆無ですしフランス語もほとんど通用しないそうですが、第二次大戦まで植民地支配を受けていた影響で高齢者の中には流ちょうなフランス語を話す人がいます。
ベトナム戦争下では英語が一般化しましたが、教育には取り入れられているものの、未だ多くの人がベトナム語以外さっぱり通じないというのが現状です。
そういえば、行きに奈良からバスに乗って関西空港に向かうときに河内の地名表記があり、河内から河内を旅するのだなと妙な感じがし、奈良へ来るときも東名大和バス停から乗車しているので大和から大和へだと言っていたことを思い出しました。
【Alpha7II/Accurar 35mmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Accura Accurar 35mmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/29 Wed

きちんとした男の労作を入手

R-Serenar 5cmF1.5
オーストラリアの著名コレクター、ピーター・キッチンマン氏に”CANON M39 RANGEFINDER LENSES”という、レンジファインダー・キヤノンのレンズ・データブックのような本があると分かり購入してみました。
本体は5500円ほどと高かったのですが、送料も4000円と冗談のように高く、かなり無理をした買い物です。
ベトナム旅行前にオーダーして、帰国してみると本は届いていました。
1ページ目を見ると、本が高価な理由が分かりました。
著者の署名と1000冊発行された中の何冊目だということが手書きされていたのです。


内容は期待通りでした
レンジファインダー・キヤノンのレンズが焦点距離順に網羅されていて、各レンズは刻印や鏡筒の違いをタイプ別に振り分けて、それぞれの特徴、製造本数、製造年月、希少性を一覧にしています。
例えばわたしの50mmF1.8レンズNo.58192であれば、そのページを開いて表の製造番号が適応するところを見ると、8タイプある中で最初のタイプ1で1951年11~12月製造、R3というR1からR6の希少度スケールの中でなかなか希少な個体であることが分かります。

わたしは、こういう本が大好きで、ぺらぺらと見ているだけでこれに基づいてキヤノンのレンズを集めたくなってしまいます。
全レンズ制覇は行きすぎですし、60年代以降の洗練され過ぎたレンズにはあまり興味がないので、40年代製造レンズ、セレナー銘のレンズ、クローム鏡胴のレンズのいずれかでレンジファインダー・キヤノンのレンズを蒐集してみようかと考えています。

この本は”M39”とあるように、ハンザキヤノンなどのバヨネット・マウントのレンズは扱われていませんし、試作レンズなども記載していないのですが、なぜかRーセレナー5cmF1.5は掲載されています。
このレンズの説明の中でR-セレナーは後年にキヤノンのJSカメラ用にコンバートされたとあり、そのことから同書に一項が与えられたようです。
R-セレナーの製造番号は3001から6983まで、製造期間は1942年から1945年で、希少度はR2+と各プロトタイプのレンズに次ぐ珍しさです。
たいへん希少なのに製造数3982本もあるのかと意外でした。

しかし、解説文の中には、製造番号の3xxx、4xxx、6xxxはそれぞれ1943、1944、1946年の製造を示しているのではないかと推測し、5xxxはレントゲンカメラや兵器の光学部品の製造に忙しく、もしくは引き伸ばしレンズの番号に当てたことで、R-セレナーのこの番号帯は見つかっていないそうです。
No.4451のわたしのレンズは1944年製造ということになります。
R-セレナー全体の製造数はかなり少なく見積もられるでしょう。
陸海軍に納入されたレントゲンカメラと同数程度が製造されたはずですが(当初は5cmF2だった)、残念ながらその数は推定すらされていません。
なお、調べた限りでは7xxxのR-セレナーも存在するようですし、6xxx以降のR-セレナーはSeiki KogakuではなくCanon Camera Co.に変更しています。
【Alpha7II/RSerenar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(2) | 2016/06/28 Tue

大きな仕事をする船大工

R-Serenar 5cmF1.5
すでに帰国してしまいましたが、今週は撮影の機会もなかったので、しばらくベトナムのスナップと旅行記を続けます。

今年の4月、フエから400キロほど北のハティン近辺の海岸で、大量の魚が死亡するという事件が発生しました。
現地紙などがハティンで操業する台湾系企業の排水が原因と報じたため、ベトナム各地でこの企業の責任を問うデモが展開されたようです。
台湾企業関係者からベトナムはわれわれを取るか漁民の生活を取るかだと不遜な発言があったことや、ベトナム人の中国嫌いもあってデモが大規模化し、政権批判も飛び出すに至って政府によって沈静化された模様です。

無数の魚が打ち上げられた海岸の写真を見たり、そんな魚をすべて買い付けるとした企業が現れて物議を醸したというニュースを見たりして、もう2ヶ月も経っているとはいえ、わたしは旅行中に魚を食べることがためらわれました。
大量死はトゥアティエン・フエ省まで及んだとの記事もあったので、宿泊したリゾートホテルへも影響があったのでしょうか。
その後の報道で赤潮の影響かとも言われましたが、結局、台湾企業が劇薬を廃棄したことが原因だったと結論付けられ、5億ドルの賠償金を払うことで決着させようとしているようです。

リゾート周辺では、主に日本向けにエビを養殖する施設を多く見ましたが、このあたりの影響が気になりましたし、大量死被害があったエリアには同様の施設があったのか、あったとして日本に輸出されてないのかなどたいへん気になります。
にも関わらず、これらニュースはほとんど日本では報道されなかったようです。
わたしは、フェイスブックのベトナム人の友人たちの書き込みにあった写真で知り、検索したところ、インターネットのニュースで概要把握できただけでした。
メジャーのニュースで取り上げたところはあったのか、舛添騒動のときにはまるで鬼の首を取ったかのように連日事細かにどんなことをしていたなど時間を割いていましたが、どうも報道の偏重ということを考えざるを得ません。

さて、作例ですが、リゾートからおよそ7キロ、自転車を海沿いに走らせていたら、船を建造しているところがありました。
小さな野天の造船所です。
写真を撮っていると、そうぞ中を見て行ってと甲板まで乗せてもらったのですが、地面からの高さに目がくらみそうになりました。
リゾートに戻りコテージのベランダでくつろいでいると、あの造船所が見えると友人が声をあげました。
7キロ先の建造中の木造船が、目の悪いわたしにも見えるなんて驚きです。
はるか先には幹線道路の大きな橋が目立ってましたが、それ以外には民家が点在するだけなので、建造中の船は周囲で橋の次に大きな建造物だったことに気付きました。
【Alpha7II/RSerenar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/27 Mon

タニさんやるじゃん

Hektor 7.3cmF1.9
今日は帰国の日で、航空機のスケジュールのため6時半にホテルを出ます。
前日の朝食がおいしかったのですが、残念ながら7時スタートなので今朝は食べることができません。
仕方ないので空港のラウンジの朝食で済まそうと思っていたのですが、チェックアウトのとき、マネージャーのタニさんがさりげなく包みを差し出しながら、朝食用意できなくて申し訳ないと詫びます。
中身はお弁当で、どうやらスタッフが少し早めに起きてわたしたちのために準備してくれたようです。
なんだか最後にきて胸が熱くなってしまいました。

古民家の宿というか、古い商館を改装した6部屋しかない小さなホテルでしたが、ここを選択してよかったと実感できました。
歩くとぎしぎし床が軋む木造の古い建物ですが、内装を極力古いままにして、風呂桶も木で作るなどこだわりが感じられました。
小さな食事つきクルーズやスタッフと食べる夕食、マッサージまで無料で、昨日の作例のバルコニーからの眺めと合わせて、飽きさせない工夫に満ちています。
たまたま出会った日本人のカップルが、このホテルに泊まってることをうらやましがり、予約がなかなか取れない人気ホテルだと教えてくれたのも納得でした。

前夜、旅行代理店で予約したタクシーで空港を目指しますが、支払い済みのバウチャーを見つめながら、6時半にちゃんと来てくれるのかが気になります。
タクシーを待っていた通りの少し先がにぎやかだったので、早朝からどうしたのだろうと見に行くと、なんとお葬式が行われていました。
仏式だったようでお坊さんの乗った車があり、葬送曲を演奏する楽隊の車、いかにも町の重鎮というべき方々の車、棺と号泣する親族を乗せた車などが次々と通っていきました。
そして最後は、少なからず故人と関係あった人たちでしょう、いかにもベトナムらしいことにかなりの数のバイクが花を手に手に最後尾からついて行くのでした。
そういえば、2日前ホイアンに向かうときに、道々、墓地があり、土葬なのでしょう、いわゆる土饅頭になっているのを見たことを思い出しました。
昨日のやじろべえさんのように、後世まで人が訪れるようなら故人としても幸せでしょう。

そんなことを考えていたら、タクシーは時間ぴったりにやってきました。
時間厳守かどうかは個人差があるのでしょうが、ベトナム人はしっかり時間を守るという印象が強まります。
空港までは40分ほどの道のりですが、少し早めに出ていて余裕があったので、車が海岸に出た時、昨日も見たのですが、あまりに遠くて写真では点になってしまったそれを再度撮るために停車してもらいました。
それとは一寸法師…、ではなくそう見えなくもないこの地方独特のお椀のような形の船に乗った漁師さんです。
早朝から海水浴する中国人ツーリストが邪魔でしたが、浜辺を歩く人をあえて入れて船を一寸法師に見せようとしてみました。

タクシーはダナン空港へ予定通りに着き、タニさんの用意してくれたサンドイッチにぱくつきました。
チェックイン、出国審査と済ましてラウンジに向かいましたが、なぜか空いていません。
どうしたんだろうと思っていると、しばらくして女性職員が現れて施錠を解き、ようやくラウンジ内に落ち着くことができました。
もしかしたら、さきほどのお葬式に出ていて遅れてしまったとか…。
地方空港にしては大きなラウンジでしたが、入り口の開閉から、軽食と飲み物の準備、利用者のラウンジ招待状のチェックまで若い女性ひとりでこなしているのが驚きでした。
東南アジアらしくなさを見せつけてくれていた今回の旅のベトナムでしたが、最後に来て、やっぱりここは東南アジアだと再認識させてもらった朝のできごとでした。
【Alpha7II/Hektor 7.3cmF1.9 F1.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 7,3cmF1.9 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/26 Sun

やじろべえさんの雨

R-Serenar 5cmF1.5
ホイアンにはもう1泊して明日の朝の便で帰国の途につくので、今日は実質的に旅の最終日です。
ベトナムでやり残したことはないかとか、人の少ない早朝のうちにホイアンを散策しようとか真面目な旅人なら発想しそうなところですが、わたしたちは何も考えずに1日過ごしました。
ホテルで1日200円で自転車を貸してくれるというので。海まで行ってみようと計画しました。
まず市場に寄って、南国フルーツを仕入れて海辺で食べようと見て回ると、濃厚なオレンジ色をした見るからに完熟のマンゴーを手に入れて上々の滑り出しでした。

海までは一本道ですが、交通量が多い通りで車やバイクが追い越していく中を自転車で行くのは少々危険ですし、田園地帯の農道のような道の方がいかにもベトナムらしい風景が見られて楽しいだろうと地図を見ながら裏道を進みます。
進路を川に遮られたり、大きなホテルの敷地に入りそうになって警備員に追い立てられたりしながらようやく待望の海に出ました。

掘っ立て小屋のレストランがあったので、ちょっとしたシーフードとビールで乾杯しました。
日本の海の家のような施設でしたが、メインの海水浴場からだいぶ離れてしまっていて、重機が入った護岸工事まで行われていて泳ぐ人もありません。
ボゴタですっかりお気に入りになったモヒートをおかわりで飲みましたが、いま考えるとミントの代わりにパクチーが入っていたかも。
市場で手に入れたマンゴーとパパイヤは、さすがにここでは広げられないので、少し歩いて波打ち際近くに腰掛けてぱっくぱくと食べまくりました。
完熟マンゴーは期待通りの美味で、この国の大地の恵みに感謝せずにいられません。

帰りもまた道に迷いまくりながら、それでもかまわず田植え風景を眺めながら適当な道を漕いでいると。道端に古びた碑を見つけました。
何やら英仏日の3ヶ国語で記してあって、薄れた日本語は読めないので、英語の方をみると400年前の日本人の墓が田んぼの真ん中にあるようです。
江戸幕府の鎖国令にしたがって帰国しかけたものの、残してきたホイアンの恋人のことが忘れられずに舞い戻ってこの地に骨をうずめた谷弥次郎兵衛という貿易商の墓だそうです。
この碑を読んでええっ?と思ったのは、ホテルの髭のマネージャーがタニという名前だったからです。
今朝、あいさつに来たとき、タニと自己紹介するので冗談で日本人かと聞いたのですが、笑いながら近くの町で生まれたベトナム人と言っていました。
本人も知らないけど、実はやじろべえさんの祖先なのかも知れません。

ホテルへ戻って落ち着く間もなく、激しいスコールがやってきました。
隣室のアメリカ人とすごい雨に興奮して、バルコニーから繁華な通りを観察しました。
10分もしないうちに道は川になって気温が下がり、ほとんどの人は軒先に立ち尽くしながら雨宿りしています。
するとどこからともなくかっぱ売りが何人もやって来ると、雨がっぱは次から次へと飛ぶように売れていきました。
人々はかっぱを着るや一目散にそれぞれの宿へ戻っていくのですが、赤青黄色とカラフルなかっぱの行きかうさまは、まるでもうひとつのランタン祭りです。
タニさんによれば、今は乾期で雨が降ることは珍しいそうで、こんな大雨が降るなんてねえと驚いていました。
偶然墓前に現れて手を合わせていったわたしたちを喜ばせようと、やじろべえさんが降らせた雨なのかもとわたしはぼんやり考えました。
【Alpha7II/Accurar 35mmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Accura Accurar 35mmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/25 Sat

超人口密度体験

Jamin et Darlot 13.5cmF4.5
楽園での日々はあっという間に過ぎ、ラグーンのホテルを発つ日が早くもやってきました。
事前のやり取りからずっと面倒を見てくれていたアンちゃんともお別れです。
華奢で笑顔のまぶしい20代前半のベトナム娘アンちゃんにはいろいろとわがままを聞いてもらいながら、リゾートのウリだったスパは利用せず、最終日には夕食まで外で食べてしまって売り上げに貢献せず申し訳なさいっぱいです。
フエ大学で英語を学んだにもかかわらず、勉強中だという日本語を積極的にしゃべっていた努力家の彼女に、せめてもの罪滅ぼしで移動の車を頼みました。

目指すはもうひとつの歴史の町、ホイアンです。
ホテルからホイアンまでは、来た道を戻って国道を南下し、ダナンを過ぎた少々先にあります。
先日触れたベトナムの南北を分かつハイヴァン峠ですが、来たときには日本が最近竣工させたことを示す日の丸プレートが貼られたトンネルを通ったので、見ることができませんでした。
今度は20~30分の時間のロスはあるそうですが、旧道を使って峠越えするようお願いしました。
風光明媚なのは好いのですが、ハイヴァン峠は観光地化が進んでいて、駐車場に停めるや否やカフェの客取り合戦でコーヒーを飲むよう勧められ、中国人の団体ツアーも押し寄せたりでいい気持ちがしません。
本来ならここでホイアンがどんなところか気付くべきなのに、わたしのカンはリゾート暮らしで鈍っていたと反省します。

その後通り抜けたダナンのビーチ付近には道路沿いにシーフードレストランがずらっと並んでいるのですが、そのすべての店の看板が中国繁体文字表記になっているのが驚きでした。
さらに到着直前にはマーブルマウンテンというのがあり、文字通り大理石の産地で切り出した石で彫刻作品を販売する店に立ち寄ることになります。
売り上げればドライバーのキックバックになるのでしょうが、わたしたちはもともとあまり買い物する方ではないし、旅行者にとって石でできたものほど重くて買い物に適さないものはないんじゃないかとも考えます。
それでも、連れてきただけでなにがしかの見返りがあるかも知れない運転手を気遣って、店内を案内に連れられ1周しました。
彫りが雑で興味すら惹かないばかりか、全部手作りだと説明して、石をノミで削っているフェイク老彫刻家を配置する稚拙な演出まであって苦笑させられました。
ホーチミンのツアーに参加するとキャラメル工場に連れていかれるというのが有名ですが、わたいたちもキャラメルだったら義理で買ったかもしれませんが、荒い機械加工の石の像はタダだと手渡されても置いて帰っていたでしょう。

そのような分かりやすい場所を経由してもまだ何もピンとこなかったわたしは、歴史地区は車で入れないとドライバーに町の入り口から歩いて中心にある古民家の宿に連れてきてもらって初めてそれに気付きました。
ホイアンは完全に中国人に占拠された町だと。
そもそも中国人商人を中心に自由貿易港のようにして栄えた町なので、今も昔もそれはど変わってないという見方もあるかも知れませんが、それにしても中国人旅行者の数は尋常ではありません。
あまりの人の多さに道を歩いていてもなかなか前に進めないほどの大混雑です。

宿の人に何かイベントでもあってこんなに人がいるのかと聞きましたが、いつもこんなものだ、ランターンフェスティバルの夜はこんなものじゃないと自嘲気味に説明してくれました。
ホテルの無料オプションで、軽食を取りながら川をガイド付きでクルージングして歴史を学ぶというようなものがあって参加申し込みしましたが、わたしのみドタキャンして歴史地区を外して散歩しました。
思ったとおり中国人グループがいっしょで、英語が通じないからかガイドの説明聞かずに騒いでいたので、コースがかなり省略されたとひとり参加した友人が憤っていました。
町のど真ん中の宿では、10時頃まで喧騒が響き渡って落ち着かない夜を過ごすことになりました。
中国政府の強引な政治手法は国際的に非難され続けていますが、そうでもしなけりゃこれだけの人民は治められないかもなあなどと寝床で考えてしまうのでした。
【Alpha7II/Jamin et Darlot 13.5cmF4.5 F4.5】
thema:ペッツバール genre:写真
Jamin et Darlot 13.5cmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/24 Fri

みなかみではありません

Accurar 35mmF2.8
貧乏性ツーリストを自称するわたしが、水上コテージに泊まったと言っても信じてもらえない可能性があると思い、宿の作例写真を証拠にすることにしました。
超高級リゾートではありませんが、わたしがよく利用する目の前が砂浜のバンガローとはあきらかにランクの上な水上コテージです。
ジャングルのような木々の中からオレンジ色の屋根が見えていますが、あちらは同じリゾートの見晴らしのいいヴィラです。
残念ながら水上コテージ周りの水は濁っていて泳ぐ気になりませんが、ヴィラの方はプライベートプール付きなので欧米人にはそちらの方が人気があるそうです。

ホテルの名前にラグーンという文字が冠されています。
かつてGTフィッシングに行ったモルディブではラグーンと言えば、サンゴ礁に囲まれた環礁のことを意味していて、そのドロップオフに大物が潜むなどと船を走らせた記憶から外洋に面した海を想像したのですが、ラグーンにはもうひとつ外海から砂州で隔てられて湖沼化した地形という意味もあるのだそうで、秋田の八郎潟などと同様、このホテルも後者の意のラグーンの
前がロケーションだということでした。
湖沼化といってもわずかの部分で海とつながっていて、水を舐めると塩辛いので淡水化はしてないようです。
水がきれいとは言えないのは、漁村の排水が流れ込むからでしょうし、一体でエビの養殖をしていることと関係がありそうです。

おもしろく感じるのは、ホテルはできて数年で、その頃はすでにラグーンの水は今と変わらずきれいに澄んではいなかっただろうということです。
床の一部がガラス張りになっていて四六時中透明度の高い海の中が見渡せるとか、朝食のパンを窓からぱらぱら撒くと魚がわっと集まってくるとかいうのが水上コテージだと思ってましたが、そればかりじゃないということなんですね。
去年、マレーシアでツリーハウスという木の上の建物に寝泊まりする体験をしましたが、あそこだって特別な森ということではなかったですし。
ツリーハウスでは自然と共生する人や森の生き物たちに思いを馳せたりしたように、水上コテージでも漁村の暮らしや海をいかにきれいに保つかなど、誰でも自然に考えるようになるとかリゾートでは考えたのでしょうか。

ホテルのスタッフの多くは近くの漁村で採用されたようです。
掃除やメンテナンスのスタッフなど英語はあまり得意でないと言いつつ、出身を聞くと近くの村だなどとみな笑顔で答えて、地方に生まれ育ちながらインターナショナルな仕事をしている自負が伝わってきました。
もちろんレセプションやウェイトレスなど会話の機会の多いスタッフは、大学で英語を専攻したなどわたしよりよほど語学力があるくらいです。
そんな彼らが、常に笑顔で丁寧だけどへりくだらずに接してくれているところが、ベトナム的なようで気持ちよく感じました。
例えば、ヨーロッパで高価なホテルだとドアマンからベルボーイ、レセプションと冷淡にも見えるような人たちが慇懃に接するので疲れてしまうところ、家族経営のペンションでお客として遇するけど連泊するうちにあなたは家族みたいなもんだと打ち解けていくような感じに似ているでしょうか。
こっちは金を払ってるんだ黙って言うとおりにしろ的な旅は絶対にイヤです。

このホテルで唯一残念だったのは、食事のことでした。
ベトナムの庶民的な食堂などの味に慣れてしまうと、ホテルのレストランのベトナム料理は上品すぎるというか、欧米人に迎合した味だからか、どうもベトナムベトナム料理を食べている感じがしないのです。
レストランが悪いというわけではなかったのは、ステーキやスパゲティを頼むと逆にヨーロッパの庶民的な食堂で食べるよりずっとおいしかったことで理解できます。
今夜は滞在最終日ですので、国道のところまで行って適当な食堂に入ってることにしてみました。
メニューがなく、言葉が通じずで何をどう頼めばいいか分からずに厨房に入って食材を見るも、ますますどうすればいいやら途方にくれました。
おばちゃんが何やらいうのをOKして出てきた料理は、厨房の食材がすべて少しずつご飯に乗っかったものでしたが、それがまたとってもうまいんですね。
お会計すると、1食100円以下でビール50円と、ホテルで食べる10分の1。
安い食堂のおばちゃんにも、抜け駆けしたホテルにも申し訳なくなってしまいました。
【Alpha7II/Accurar 35mmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Accura Accurar 35mmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/23 Thu

ここは睡眠の聖地

R-Serenar 5cmF1.5
昨日に続いて、無料ツアーで白い砂浜の広がるビーチにでもと考えていたのですが、昨日のフエで帰りの集合に遅れたら迷惑をかけると時間ばかり気にすることに疲れたのでそれは止めます。
かわってわたしの趣味優先で漁村を訪ねてみることにしました。
昨日はフエだったので今日はリゾート内でのんびりしたいと反対されるかと思いましたが、フエの屋台の食事が美味しかったので、今度は村での食事がたのしみと友人も乗り気です。

足は自転車です。
リゾートは広大で、レストランまで歩くのにもレセプションまで歩くのにも10分かかるので電話で移動用カートを呼ぶこともできますが、コテージ前には自転車が置かれていて宿泊客は自由に移動できるようになっていました。
自転車で施設外へ出るのも問題ないそうでシンプルな地図までくれます。
漁村まで5キロ、幹線道路方面には市場もあるようです。

ホテルを出て右折すると幹線道路方面ですが、まっすぐ進んで海辺の直進路こぎだしました。
未舗装ですが地面は踏み固められていて、自転車で走るのにも快適です。
それに海辺独特のそよそよした風があって、天気は昨日と変わらないのに、フエよりだいぶ凌ぎやすいです。
道に沿って民家が点在していて歩いている人や自転車とときどきすれ違いますが、ハローとか現地語のシンチャオとかあいさつすると、必ず笑顔のあいさつが返ってきました。
これだけでも少し地元に溶け込めた気分で、自転車の快適度が増したように感じられます。

民家の軒先が食堂のようになっているところがあり、水分補給の休憩をすることにしました。
暑いなか自転車で汗をかいたので、何を飲むかといえばビールになってしまいます。
現地の人とは言葉は通じませんが、ビアといえばたちどころに冷えたビールと氷の入ったグラスが出てきます。
潮風に吹かれながら異郷の地で友と飲むビール、最高じゃないですか。
雑貨屋でちょっとした買い物をしていると店のおじさんがなにやらお願いをしてきて、何だろうと思っているとわたしの自転車のうしろに乗ってきました。
どこかまで乗せてってということのようで、もちろん断りませんが、人を載せて漕ぐのってこんなにたいへんなのかとすぐにバテバテになりました。
15分ほど進んだところで歩いた方が早いくらいのスピードまで落ちてきたせいか、おじさんは降りてありがとうと去っていきました。

ちっちゃな市場は昼過ぎでほとんどたたまれてしまっていましたが、わずかに空いている店は言葉が通じないのを承知で、ほとんど人の来ない時間帯の来訪者から売り上げようと必死になっています。
少し申し訳ない気持ちで、部屋で食べようとパイナップルを1個購入。
小ぶりとはいえたったの50円で、昨日フエで1塊り100円のジャックフルーツより安くて売り子たちからも開放してもらいました。
作例は、道端でお昼寝のホーチミン似のおじいちゃん。
自転車路あたりののんびりした情景が伝わりますでしょうか。
【Alpha7II/RSerenar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/22 Wed

だからこそバイクに乗る

Accurar 35mmF2.8
ベトナムは日本列島と似た北東から南西に伸びる縦長の国土ですが、民族や習慣、言語など、南北で違いがあるようです。
旅行者の視点でも、北の人は中国人と似て見えるし、南の人はいかにも東南アジア的な風貌に感じられます。
その南北を分かつのが、ベトナム中央部のダナンという都市の北にあるハイヴァン峠という山の頂のところだと聞きました。
昨日はレンズのことに夢中になって書き漏らしましたが、わたしたちはハノイから国内線でダナンへ飛び、ホテルの車でハイヴァン峠から古都フエに近い海辺の町にやって来たのでした。

少しはリゾート気分を味わいたいと、ベトナム中の海辺のホテルを調べ尽くして、特徴があってコストパフォーマンスの高い宿を選びました。
リゾートタイプの水上コテージなのに近くには漁村があって、リゾートとアジア旅の双方を満喫できそうです。
わたしのように、リゾートにはぜひとも滞在したいが、それだけじゃあ退屈というじっとしているのが苦手な貧乏性の旅人には理想的なりそーとホテルです。

どの土地でもアクセス不便なほどよい宿があるものですが、ここもフエ空港から1時間車に乗る必要があったところハノイからの利便性でダナン空港へ飛んだところ、ホテルの車で1時間半もかかりました。
しかし、そのハノイ‐ダナンで利用したLCCのベトジェット航空は、4000円ほどと安く、フライトアテンダントのお嬢さんが離陸前の安全デモンストレーション終了時にかわいくおまわりさんの敬礼のようなポーズをしてくれて、それだけでも4000円の価値ありなのでした。
なんでも就航間もないころ、機内でアテンダントの水着パフォーマンスをやって大好評だったものの、ベトナム運輸省からペナルティを課せられたとの逸話がある、すばらしい航空会社なのでした。

滞在型ホテルの多くで実施されているように、ここでも無料のアクティビティがいくつか用意されていたので、2日目の滞在になる今日は、フエのフリーツアーに参加してみました。
朝9時にホテルを出発して3時に集合場所でピックアップしてもらうまで自由行動というプランです。
大型のワゴンに乗り込むと香港からの家族連れと韓国からのカップルの2組も参加で、宿泊者の中に何組か見た欧米人はいませんでした。
フエは、19世紀に首都が置かれたベトナムきっての古都で、王宮をはじめとした歴史的建造物で有名でしたが、暑さ厳しくカフェやスーパーで涼んでばかりのだらだらツアーになってしまいました。

本日の作例は、扇風機のカフェでまどろんでいたときの情景です。
松葉杖をついて買い物していた女性がバイクに乗ろうとしたので驚いたのですが、なんともないように松葉杖をサイドに置きながらまたがって、颯爽と立ち去っていきました。
よく見たら3輪仕様に改造してあって、ベトナムで生きていくためにはバイクが切っても切り離せないものなのだと教えてくれているようでした。
すっかり感心しながら集合場所にもどってみると、我々3組ともが同じ大型スーパーの買い物袋を提げていたのでみんなで大笑いになりました。
みな観光はそこそこに同じスーパーでの買い物に時間を費やしていたのですね。
日韓港と性格の違う人種のように見えて、アジア人の行動パターンはさして違わないということのようです。
【Alpha7II/Accurar 35mmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Accura Accurar 35mmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/21 Tue

キヤノン最初のレンズだった?

R-Serenar 5cmF1.5
早起きして、ハノイの町を歩きました。
ホテルを出たすぐ先にホアンキエム湖という小さな湖があって、周囲は散策路のようになっています。
地図を見ると2キロくらいありましたが、のんびり1周してみました。
朝からバイクががんがん走っているのを眺めていると、大きなケージを荷台に取り付けて10羽以上のニワトリを運んでいるのに驚かされますが、恐らく市場に売りに行くのでしょう。
公園では、何組もの男女が一対になっているのが見えますが、近づいてみると早朝だというのにタンゴのようなダンスを踊っていました。
公園の植木で職人さんがなにやらこさえているのですが、作成しているのはシカなのか、昨日、奈良から着いたばかりなのでなんだか歓迎してもらっているような気分です、とこんな具合でした。

昨日と今日の作例のレンズは、R-セレナー5cmF1.5です。
このレンズは1940年代早々に設計されましたが、新種ガラスを用いずに4群6枚の構成でF1.5にしてしまったオーバースペックという点でおとといのヘクトール7.3cmF1.9に似ています。
この2つのレンズは言うまでもなくクセ玉で、ボケの暴れ方や予期できないような発色をすることがある点など、共通点がいくつかあります。

R‐セレナーについてさらに知りたくて、朝日ソノラマ「精機光学キヤノンのすべて」上山早登著を取り寄せてみました。
よくあるカメラについてのみの解説本で、レンズのことなんかちらっとしか書かれてないんだろうなあと期待もせずの購入でしたが、予想を裏切ってR‐セレナーにも言及の多い、わたしにとってたいへん価値ある1冊でした。
それどころか、設立当初からの精機光学の内情がしっかり記載され、試作レンズなどについても設計者などの取材に裏付けを取った、望みうるかたちでの最良の書とも呼べる内容です。
資料的価値の高さ、ファンが読んで楽しめる満足度といずれも一級品と推薦いたします。

R‐セレナーが、いかに時代の波に翻弄されたレンズであるかが、同著を読むとよく理解できます。
まず、精機光学研究所が1933年に発足してしばらくは、零細な組織でレンズはおろかファインダーや距離計も自社で設計できず、日本光学から供給を受けて、ハンザキヤノンなどの35mmカメラをほそぼそと組み上げていました。
すべてを自社で製造するために光学の技師を採用することになるのですが、他ならぬ日本光学へ要請して、幸運にも大家・砂川市の弟子だった古川氏の獲得に成功します。
しかし、精機光学がまだ独自にレンズ設計する技術を持たなかった中で、ハンザキヤノンのレンズを日本光学がテッサ―やゾナーからコピーして供給したように、精機光学でもテッサ―やゾナーのコピーから開発が始まります。
時すでにヨーロッパで戦争が始まり、イエナのショット社からのガラス供給がストップするという限られた硝材のみの厳しい条件のもとでした。

試行錯誤の末、最初に完成したビオター4cmF2のコピーを改良して、5cmF2としたレンズをR‐セレナーとしてX線撮影装置とともに海軍に納入します。
その後、海軍からレンズをF1.5にするよう要請があり、もはやあらたに設計し直す時間もない精機光学は古川氏にF2と同じ構成でF1.5まで明るさを引き上げるよう命じます。
そんな経緯から完成したR‐セレナー5cmF1.5は、収差の多い性能不十分なレンズながら量産されてしまいました。
不本意だった古川氏は精機光学を去ってしまいます。
R‐セレナーF2とF1.5がキヤノンという大会社の歴代最初の自社レンズということになるようですね。
なんと不思議な運命のもとに生まれたのでしょうか。
日本光学のニッコール5cmF2に対してツァイスからゾナーのコピーだとクレームがついたそうですが、さすがに精機光学へはR‐セレナーはビオターのコピーだと文句を言うことはなかったようです。
【Alpha7II/RSerenar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/20 Mon

そしてハノイから来たバイクの群れ

R-Serenar 5cmF1.5
ハノイにやってきました。
ベトナム社会主義共和国の首都ハノイは、旧市街部だけをいえば、ヨーロッパ・コロニアルの残滓とアジアの喧騒がほどよくブレンドされた美しくも楽しい町です。
わたしは旅するのは都会より田舎か地方の町が好きなのですが、ハノイはなぜか大好きで、何度来ても飽きることがありません。
ひょっとしたら、世界の首都のなかでいちばん好きなのがハノイかも知れないと思うくらいです。

今回は、海の見えるホテルに滞在して、のんびりするのが目的の1週間の旅なので、残念ながら明日の午前中にはハノイを後にします。
ハノイ着も乗り継ぎの都合で暗くなってからなので、夜の散歩と食事、明日も早起きして散歩するくらいしかできません。
そんな短時間でも楽しるのがハノイです。

空港からのタクシーは思ったとおり英語がまったく通じず、ベトナムに初めてやって来た友人がそれを知ってか知らずか必死に英語でホテルの名前を言って、互いに噛み合わないでいるところから、わたしたちのベトナム旅は始まったような気がします。
到着したホテルは数千円の部屋なのに、築100年近いコロニアル式の洋館のレセプションはアオザイの少女が慇懃に対応してくれて、これもまたベトナム旅らしいところです。
きれいにリノベーションされているにも関わらず、インフラが追い付かずに水圧が弱くてバスタブの水がなかなか貯まらないところも。

夕食は、友人を気遣って以前訪れたフランス料理にするつもりでしたが、あちらこちらで見られた日本の銭湯にあるような低い椅子で食べる現地式の飯屋に入ってみたいと言うまで友人はすでにベトナムに染まっていました。
乗り継ぎの香港で飲茶レストランとヌードルバーをはしごしてまだお腹ぽんぽんだったので、量の少ないベトナムの屋台のような安い飯屋は胃にしっくりきました。

ベトナム名物のバイクは依然として健在で、ハノイの道路をイワシの大群のようにスイスイと泳ぎ回っています。
信号の少ないハノイの道路横断こそベトナムに馴染めるか否かの試金石だと思っていますが、最初恐れていた友人は夜のうちにどうにか動画撮影しながら単独横断をこなすまでに成長していました。
ハノイのバイクは数こそ多いですがスピードが出ていないし、ほとんどのバイクは同じスピードで走っていて、遠方の障害物を避けるのがうまいので、それらに気付けば横断は簡単なことなんですね。
作例は、そんな中の1台がおもむろに路上駐車してなにやら貼紙している様子です。
写真付きでしたが、なにが書かれているかさっぱり分かりませんでした。
目立たない場所に貼紙することは目立つことだと気付かせてくれたハノイの夜でした。
【Alpha7II/RSerenar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/19 Sun

オクトーバーフェストin June

Hektor 7.3cmF1.9
明日からベトナムを旅します。
それで今日はお出かけせずに、同行する友人の仕事をちょっとだけお手伝いしたり、荷づくりしたりして早朝の出発に備えます。
去年の世界一周のときはかなりの苦痛を伴ったりしていたのであまり感じられなかった旅前夜のワクワク感が、小学生の遠足や運動会の前夜のようによみがえってきました。
わたしの場合、こういう感覚はいくつになってもなくならないようです。

仕事がはねた友人を誘って、前日たまたま通りかかってみつけた、オクトーバーフェスト奈良へ繰り出しました。
土曜の夕方で会場は大盛況、空いている席を見つけるのに10分以上歩き回りました。
ここのビールは、ドイツから空輸するとかなんとかとにかく高いです。
1杯の値段で居酒屋の生ビールが2杯、ベトナムのビールなら20杯飲めます。
前夜祭という前提がなければためらいますが、明日から20分の1の値段だと思えば今日の贅沢は許されるでしょう。

南ドイツの農婦風衣装の女の子たちがウエイトレスのように何人かいます。
そんなフロイラインたちはお願いすると写真を撮らせてくれるので、今日の作例はその中からと考えていたのですが、ビール片手に何気なく撮ったこの1枚の方が、表情の面白さ、美しき瞳の輝きでずっとよかったので、これを採用しました。
すぐ後ろを歩いていたお兄さんもなぜか後ろを向いてくれたのもラッキーでした。

この間何本も大口径レンズを使ってきましたが、それらはすべてガウスかゾナー、あるいはそれらの変形です。
ヘクトール7.3cmF1.9のような大口径を、すべて2枚貼り合わせとはいえ、トリブレットで達成しているというのは類例がないのではないかと思います。
しかし、それでビオターやゾナーと同等の性能が出ているかと言えば、まったく太刀打ちできないレベルなのが面白いところです。
当時のツァイスであれば、製品化はあり得なかったレンズです。

それでは、写りもダメかと言えば、たしかにピントに鮮鋭度がなくコントラストが低いですし、球面収差や非点収差、コマなどレンズ設計上の問題が画面全体を覆いつくしてっしまっています。
現在では認められない低性能レンズですが、被写界深度の深さ、ハイライトの微妙な滲み、暖色系の発色がつくる絵はヘクトール独特のもので、好きな人には堪らない描写です。
ヘクトール73cmF1.9は、1931年から約7200本が製造された、現存数の少ないレンズですが、市場ではそこそこ見かけることができます。
恐らく、買ってみたもののあまりに写らないと手放す人がかなりいるということなのでしょう。
それでも大切に使い続けているのは、この描写に惚れ込んだ、高性能なレンズだけが好いとは限らないと気づいた人々に違いありません。
【Alpha7II/Hektor 7.3cmF1.9 F1.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 7,3cmF1.9 | trackback(0) | comment(4) | 2016/06/18 Sat

正確な頭脳とは

Zunow 3.5cmF1.7
今日は友人とともにカメラを持って散策しました。
持参したレンズは、下記になります。
ズノウ35mmF1.7。
アキュラーに対抗して持ち出したわけではなく、このレンズにちょっとした不具合があったので奈良の修理屋さんに見てもらおうと持参したのですが、その場でちょちょいと直していただいたので、さっそく使用してみました。
同行の友人がいかにもこういう癖の強いレンズが好きそうなので、もし気付いたら、来週はベトナム旅行するのでその間お貸ししようかと考えていました。
結果的にこのレンズが気付かれることなく、そのまま持ち帰りになりましたが。

昨日書きました萩谷さんの「ズノーカメラ誕生」を読み返すと、ズノーレフレックスのこと以外に、帝国光学のあゆみについても詳しく、とても興味深く感じました。
帝国光学は名前のイメージから軍事産業絡みの光学産業の先端を行くメーカーと思っていたのですが、当初はレンズの研磨を専門とする小規模な組織に過ぎなかったそうです。
そのせいか事業拡大時に日本光学から引き抜いたのは、研磨の第一人者の浜野氏でした。
海軍の要請でX線用大口径レンズをつくりますが、レンズ設計の専門家がおらず、浜野氏にその任務は託され5cmF1.2レンズを試作したものの終戦と戦災で日の目を見ることはありませんでした。

しかし、戦争ですべてを失ったなかで1948年に帝国光学は再建され、2年後には5cmF1.1を設計して世に問いますが、評判は芳しくありませんでした。
そこで新たに日本光学から国友氏、八洲光学から藤陵氏のふたりを迎え、5cmF1.1を大幅に改良して設計しました。
さらに、国友氏は3.5cmF1.7を、藤陵氏は10cmF2を設計して、大口径レンズトリオを世に問うたのでした。
ところが、評価は悪くなかったこれらレンズも、価格が高過ぎて売れ行きはよくなかったそうです。

売れなかったという3.5cmF1.7レンズは、何本製造されたのでしょうか。
ズノー誕生には記載なく、簡単に調べてみようと思いました。
ざっと検索などで見てみると、No.10067,10086,10113,10135,10151,12007,12024,12053,12618の9本が見つかりました。
また、No.10941から11698までなん本かのミランダ用5cmF1.9も見つかります。
これだけのわずかのサンプルから大胆に予想すると、No.10000 – 10200, No.12000 – 12100、以上の300本とその後10本程度の追加製造をした、ということになります。
まったくあてずっぽうで申し訳ありませんが、このレンズを使っている方の数や中古市場への出現回数を見ていると、300本ちょっとというのは案外と妥当な線のような気がしてしまいます。
ほんとうにこの程度の製造数だとしたら、設計や製造のコストを考えるとかなりの赤字レンズだったということなのでしょうね。

さて、本日の作例は、散策で訪れた天理市にある石上神宮です。
いそのかみじんぐうと読み、古事記に記載されるほどの最古の神社のひとつなのだそうです。
幽玄な空気にしばし見入っていたら神職の方が通られたので慌ててシャッターを切りました。
期せずして、2日続けて神社と神職がモチーフになりました。
【Alpha7II/Zunow 3.5cmF1.7 F1.7】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zunow 3.5cmF1.7 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/17 Fri

撮影交渉成功

Jamin et Darlot 13.5cmF4.5
アキュラーがプロミナーと同じレンズかを確認するために、プロミナー35mmF2.8レンズを見てみたいのですが、なかなかネット検索では新情報がつかめません。
レンズの外観と作例を掲載されているサイトがありましたが、自分の写真と見比べてもまったく同じ写りだと特定するのは不可能でしょう。
とてもシャープなことや無限遠で周辺光量落ちがないのが共通点と言えますが、使用カメラがフルサイズではないと書いてあるのを見つけ、F値が未記載で周辺のことは比較できないと気付きました。

「クラシックカメラ専科No.40」の特集が「コーワのすべて」だったので期待しましたが、発売されたカメラの写真と諸元データは網羅しているのに、交換レンズのことは触れられてもいませんでした。
同じ朝日ソノラマ社の単行本「ズノーカメラ誕生」にも「コーワカメラのすべて」の章がありましたが、さきのクラカメ専科No.40の「コーワカメラのあゆみ」の記事とまったく同じものです(後半部分に修正されているところが多いですが)。
ズノー誕生が第一人者の萩谷剛さんでクラカメ専科は高崎晶夫さんとなっているのが不思議です。
クラカメ専科No.40には萩谷さんの記事が他に2つあるので、バランスを考えて高崎さんというペンネームに切り替えたのでしょうか。

話が反れてしまいました。
プロミナー35mmF2.8は、もともとコーワ・カロワイドというレンズシャッターカメラに付いていたレンズの評価が高かったので、後年になってライカマウント版を製造したと言われています。
真偽のほどは分かりませんが、もし本当であるなら、時すでに大口径化の風潮の中で過去レンズの焼き直しとなれば、いくら高性能をうたっても廉価レンズの位置づけだったでしょう。
反響もあまりなく、時代が一眼レフに移行していたこともあって、ほとんど製造しないうちに撤退してしまったのかも知れません。

コーワカメラのすべてによれば、同社は戦前、愛知県で繊維業を営んでいて、終戦後に関連のあった光学と医薬品の事業を立ち上げたそうです。
工場は蒲郡にあったといいますが、ロッコールやシムラーのように地名からレンズ名を名付けていたら、ガマゴラーとかガマゴンなどになっていたのでしょうか。
プロミナーでよかったなあと思います。
しかし、医薬品の方はコルゲンコーワにカエルのケロヨンのキャラクターを登用しています。
もしかしたら、蒲郡のガマと関係あるのではと訝っています。

さて、今日の作例ですが、奈良の春日大社の若い神職さんです。
さんざんアキュラーだコーワだと書きながら、作例のレンズはダルロー製のコーン・サントラリザチュールで、時代違い、申し訳ありません。
ハンサムな神職さんは、すこし前にNHKのサラメシという番組に出演された方で、春日大社の無料案内をしてくださいながら、天下のNHKのみならず、わたしの撮影要求にも応じていただきました。
あえて顔の分かりづらいアンダーの写真を採用しましたので、神職さんを見てみたいという方は、20年の式年造替の春日大社をぜひ訪れてみてください。
【Alpha7II/Jamin et Darlot 13.5cmF4.5 F4.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Jamin et Darlot 13.5cmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/16 Thu

恐怖の交差点

Accurar 35mmF2.8
アキュラー35mmF2.8というレンズの製造数はどのくらいだったのでしょうか。
わたしの製造番号は1006Kで、検索したら1008Kというまったく同じ外観のアキュラーが新宿のカメラ店で販売された実績があることが分かりました。
他に情報はなくこの2つだけだと製造数10本かもと驚きますが、50本かも知れず、100本の可能性もありますが、100本以上販売されたレンズならもう少し別の個体が見つかってもよいように思います。

製造番号のKはコーワを意味すると聞きましたが、その信憑性を疑っていいものでしょうか。
日本でライカマウントの35mmF2.8を製造したメーカーを列挙すると、キャノン、トプコール、三協光機、共栄光学、田中光学などがありますが、共栄光学は頭文字がKですし、三協光機のレンズ名もコムラーなのでやはりKです。
さいわいコムラー35mmF2.8を所有しているので比べてみることにします。

両者は鏡胴デザインや最少絞り値が違いますが、そこはコストダウンのための変更など理由を考え得るので無視することにします。
構成は両者とも4群6枚のガウスタイプで、コーティングもシアン・紫系でよく似ています。
しかし、前玉後玉とも直径はコムラーの方が1mm近く大きく、蛍光灯を反射させて動かすと微妙に反射と動き方に違いがあるので、ガラスの厚みや曲率が違うと判断できます。
したがって、この2つは同一の設計ではないと結論付けられます。

共栄光学は、三協光機が分裂してできた会社で、ほとんどのレンズが三協光機の設計そのまま、あるいはガラスや部品はコムラーのものを使って刻印だけ変えていると言われてますので、これもアキュラーとは違いそうです。
あるいは、別のK始まりのメーカーがレンズシャッターカメラ用に35mmF2.8を製造したものをライカマウントに仕立てたのかも知れませんし、そもそもKがメーカー名を表していなくて実はトプコールと同じレンズだったということもあるかもしれません。
ただ、コムラーではなかったことで、やはりコーワ製である可能性が少し増したのではとほくそ笑んでいます。

さて、本日の作例は、大阪の天神橋筋商店街からです。
とても長いアーケード商店街で、外国人の人気観光地にもなっているというので連れてきてもらいました。
なるほど、平日の昼間だというのに多くの人出でにぎわっています。
しかし、これだけの人なのにさすが大阪、自転車は降りずに通行しています。
さらには電話しながらベビーカー押す人、スーツケースの旅行者があっちからそっち、ここから向こうと無秩序に行きかいます。
一見危なく見えるのに、ぶつかったりとか転倒したりなんてないようです。
ここを訪れる外国人旅行者の目的は、買い物じゃなくてこれを見るためだったりして…。
【Alpha7II/Accurar 35mmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Accura Accurar 35mmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/15 Wed

ぶち壊しカメラマン

Accurar 35mmF2.8
何だか怪しげなレンズを手に入れました。
ライカマウントの広角レンズで、アキュラー35mmF2.8という国産レンズです。
アキュラーはACCURARと綴りますが、恐らくアメリカ市場でレンズやカメラ用アクセサリーを販売したACCURAの製品ということを示しているようです。
ACCURAの正確なことは分かりませんが、販売組織力のある会社が1960年代頃に日本の光学メーカーにレンズを製造させて自社ブランドとして売り出たせたディストリビューターだったと思われます。

見た目もスペックも地味で素性の知れないレンズなんて普通の人は見向きもしないと思いますが、アキュラーという名前がアキラという名前のようで面白いですし、何より製造番号が1006Kというのに惹かれました。
以前このブログで、ソリゴールというやはりディストリビューターの日本製35mmF3.5レンズを紹介しましたが、その製造番号も1134Kとなっていました。
当時、Kの意味が分からず、プロトタイプの製品に対して非正規の製造番号の意味でKを付けたのかと想像しましたが、その後KOWAが製造したので略号に頭文字Kを使ったとの情報をいただきました。
今度はSOLIGOLではなくACCURAですが、両者とも同様のディストリビューターなのですから、Kが付けばKOWA製と考えられるので購入に踏み切ったのです。

コーワで35mmF3.5のレンズを製造していた痕跡は見つけられませんでしたが、35mmF2.8なら有名なライカマウントのレンズがあります。
コーワのプロミナー35mmF2.8は高性能な上に製造本数が極端に少なくて、入手困難なレンズとして知られています。
今回のACCURAが同じレンズであれば、ずいぶんと安価に同じものを入手したことになりますし、偉大なる発見かもしれません。
入手間もないですが検証できないかの思いもあり、さっそく、今回の旅に連れていくことにしました。

言うまでもなくプロミナー35mmF2.8は持っていませんが、「世界のライカレンズPart 3」に掲載されています。
1959年くらいに短期間販売された4群6枚のダブルガウスレンズと書かれていました。
描写についてはこまやかさを持ったシャープなレンズと高く評価しています。
アキュラーも同じ4群6枚のガウスタイプで、クロームとブラックのアルマイト加工された鏡胴は1950年代後半頃のそれを想像させます。
描写も繊細かつシャープな印象です。
それらは、同じレンズであることを否定はしませんが、当然ながら断定するだけの要素とは言えません。
可能性は残したと言っておくしかないでしょうか。

さて、本日の作例は、奈良の元興寺で開催された室内楽のコンサートの余韻です。
ムジークフェストという奈良市民のための音楽祭の公演のひとつとして、お寺のお堂のような建物で弦楽四重奏を聴いたのですが、これが驚くほどすばらしい演奏でした。
平日の昼間の有名でない弦楽四重奏演奏会に人なんて来ないのではとの心配をよそに、100人近いファンが集まっていたのには、奈良の方の民度の高さを知らされました。
撮影禁止とのアナウンスがあり、狭い会場での室内楽では当然と思ったのですが、主催者でしょうか安っぽいミラー音をパッコンパッコン響かせて、演奏中間断なくあちこち移動しては撮影している大ばか者に集中力を削がれて音楽を楽しめません。
最高の演奏、すばらしい聴衆、主催者だけが音楽には無関心。
そんな演奏会でした。
【Alpha7II/Accurar 35mmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Accura Accurar 35mmF2.8 | trackback(0) | comment(2) | 2016/06/14 Tue

南米を目指すというので

Hektor 7.3cmF1.9
先日、奈良に行ってきたばかりですが、立て続けにまた奈良に来ています。
来週、ベトナムを旅行することになって、関西空港からのフライトになるので、また、奈良で宿泊業を営む友人のところで図々しくお世話になることになったからです。
ちょうど奈良で音楽祭や神社の例祭などがあるようなので、すべて見てやろうと早めに奈良に向けて出発しました。

いつもなら、神奈川県の大和から日本の大和へ向かうバスに乗るところですが、今日はまず名古屋に寄ります。
名古屋在住の友人が仕事を辞めて南米を旅するというので、似たようなことをした先輩としてエールを送るためです。
首をかしげてしまったのは、いつもの東京発大阪行きのバスより、距離の短い東京発名古屋行きのバスの方がなぜか高く設定されていたことでした。
座席稼働率を上げるために月や曜日ごとに料金を細かく設定すると、こういうことが起きてしまうようですね。
同じJRのバスで、大阪便の方が3列シートで高級仕様なのですが…。

大雨の影響でバスが遅れましたが、名古屋の友人はにこやかに迎えてくれました。
あさって出発してペルー、ボリビア、コロンビア、アルゼンチンと回る2ヶ月の旅だと言います。
中部のボリビアから北部のコロンビア、南部のアルゼンチンの順番に旅するのは、わたしがコロンビアの治安はだいぶよくなったとか、物価が安くてねえちゃんは奇麗だとか余計なことをささやいて旅程変更させてしまったからのようです。
申し訳ないことをしてしまったなあと思います。

最近流行ってるという親子丼を食べて、名古屋らしい喫茶店でコーヒーをすするともう時間です。
わずか1時間半の滞在で名古屋を後にしました。
名古屋へは名鉄が乗り入れていて直行こそありませんが奈良行きには便利そうです。
しかし、ここでもわたしは安い高速バスで奈良を目指すのでした。

名古屋到着が遅れたことで、駅周辺でスナップする時間を失いましたが、奈良着は時間通りで奈良公園でも撮影に寄ろうかなと考えていました。
ところが幸運なことに、バスが横付けされた目と鼻の先で音楽イベントが開催されていて、本日の作例とすることができました。
持ち込みのビニールシートや折畳み椅子に掛ける人を含めて、聴衆の背中から音楽を楽しんでいる様子が伝わってくる光景でした。
【Alpha7II/Hektor 7.3cmF1.9 F1.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 7,3cmF1.9 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/13 Mon

中国人のマネーロンダリング

Canon 50mmF1.2
鎌倉、銭洗弁財天にて
【Alpha7II/Canon 50mmF1.2 F1.2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon 50mmF1.2 | trackback(0) | comment(2) | 2016/06/12 Sun

明月院に次ぐ混雑具合

Canon 50mmF1.2
鎌倉で行列のできる甘味処にて
【Alpha7II/Canon 50mmF1.2 F1.2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon 50mmF1.2 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/11 Sat

黄色の線の外側をお歩きください

Canon 50mmF1.2
鎌倉、どこかの小道にて
【Alpha7II/Canon 50mmF1.2 F1.2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon 50mmF1.2 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/10 Fri

韓国的色彩感覚

Canon 50mmF1.2
鎌倉、鶴岡八幡宮にて
【Alpha7II/Canon 50mmF1.2 F1.2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon 50mmF1.2 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/09 Thu

構成図の信憑性

Canon 50mmF1.2
先月、京都・奈良を旅した時、キヤノン28mmF2.8レンズを使って、ブログにもこのレンズについてうだうだと書きました。
その時、レンズ構成について確認しようと思って、久しぶりに写真工業出版社の「世界のライカレンズ」のシリーズを引っ張り出してきたのですが、思わぬ発見をしてしまいました。
それは、調べていた28mmF2.8のことではなく、次のページに出ていた同じキヤノンの50mmF1.2の方でした。
本にはレンズの発売年や重量、フィルター径などのデータが記載されているのですが、合わせてレンズ構成図も掲載されています。
図を見ると、キヤノン50mmF1.2はクセノター型なのです。

もちろんそれは4群5枚のクセノターの基本型ではなく、後群に貼り合わせを付加した5群7枚の改良型というべきものでした。
この型はどこかで見たぞと考え、すぐにニッコール3.5cmF1.8と同じだと思い出しました。
キヤノン50mmF1.2は大口径のすぐれたレンズですが、ニッコール3.5cmF1.8は広角レンズ史上最高傑作だという人までいる名玉です。
この2つのレンズが同じ構成だなんてありうるでしょうか。

ここではニッコールのことは置いといて、キヤノン50mmF1.2を構成図と見比べてみたいと思います。
まず、50mmF1.2はフィルター径55mmで1枚目は大口径ですが、39mmのマウント内に収めるために再後端のレンズは小さく、前群より逆に後群の径が大きな構成図と合致しません。
蛍光灯下で反射を見ることで構成を知ることができ、少なくとも構成枚数を数えることはそれほど難しいことではありません。
これで解決できると思ったのですが、前群のガラスがとても大きくて曲率も大きいため、蛍光灯の反射が入らず、判定できませんでした。
しかし、後群は典型的なダブルガウスの反射パターンで、やはりそれだけでも構成図とは違うと断定できます。

キヤノンのホームページにあるCanon Camera Museumによれば、50mmF1.2は5群7枚とのことです。
世界のライカレンズに出ていたクセノター型もたしかに5群7枚ですが、ダブルガウスの前群にメニスカスを1枚追加した構成と見る方が正しいとわたしは結論付けることにいたします。
非常に残念ですが、同誌のミスということでしょう。

さて、今日の作例は、明月院から15分もくだって到着した鶴岡八幡宮からです。
本宮の周辺は、参拝の人、おみくじやお守りを求める人、長い階段を登って来て疲れたと立ち止まる人でいつもごった返しています。
しかし、明月院がすごい人だったのに対し、鶴岡八幡宮は拍子抜けするくらい空いていて、梅雨の時期の平日であることを実感できました。
それでも、数年前から比べれば参拝者はだいぶ増えているはずです。
ここでも言語のマジョリティは中国語でした。
【Alpha7II/Canon 50mmF1.2 F1.2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon 50mmF1.2 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/08 Wed

腹筋マシーンにあらず

Canon 50mmF1.2
今回持ち出したレンズ、キヤノン50mmF1.2はこれほどに大口径でありながら、さっぱり不人気な気の毒とも言えるレンズです。
ズノー、ニッコール、フジノン、ヘキサノンとF1.1、F1.2クラスの超大口径のライバルがいるなかで、キヤノン50mmF1.2だけがひとりレンズ蒐集家に見向きもされません。
同スペックのフジノン5cmF1.2を買うお金があればキヤノンの方は10本買えてしまうでしょう。
プアマンズ・フジノンと呼んだらキヤノンの関係者に怒られてしまうでしょうか。

キヤノンF1.2の不人気は、他の大口径レンズと比べて性能が劣るからということではありません。
他にはズノーしか使ったことがないので、web画像で見た印象ですが、少なくとも開放に関してはキヤノンF1.2がいちばん優れているように思います。
それよりも、もう5年後にはF0.95という35mmカメラにセットされたレンズとしては、世界最速レンズを出してしまったので、F1.2の影が薄くなってしまったのでしょう。
そして、このレンズが市場に潤沢に出回っているということが、中古価格を暴騰させず、あたかも人気がないからというように錯覚させているに過ぎないようです。
現役として販売されていたころはむしろ人気レンズでよく売れたということが、現在において不人気に見せているというのは皮肉なことです。

鏡胴デザインが半世紀前のレンズだと言ってもピンとこないほど古びて見えないのも、クラシックレンズファンにアピールしない原因です。
ズノーF1.1の鏡胴前半分が出っ張っていて中央部分がくびれているのが前群の大きなレンズ構成を光学マニアに想像させるのに対し、キヤノンF1.2はひたすら寸胴で魅力なしという違いもあります。
また、独自性の強い無限遠ストッパーも、とくにα7ではグリップの位置に来て、1度ロックされるとすぐにフォーカシングできないなど操作性が良いとは言えません。

なにより最大の問題は、キヤノンF1.2の多くの個体のガラスにくもりが発生していることです。
わたしのレンズにも後群の中玉一部が白くくもっていて、比較的軽度なので影響は小さそうですが、完璧な写りを期待しない方がよさそうです。
くもりは簡単に取れるようですので、そこは愛着あるレンズならすぐにも修理に出したいところですが、このレンズの場合はくもりをとってもその次に使うときにはまたくもっていたとなりそうで、コストをかけてまで重い腰が上げようと思いません。
戦後採用された新種ガラスの中には、トリウム入りのガラスのようにブラウニング現象によって黄変するものがあることが知られていますが、経年によってくもってしまうタイプのガラスもあったのでしょうか。
1960年代のレンズにしばしばくもりやすいレンズがあるようだとの話を聞きます。
自ら性能を劣化させる困ったレンズたちです。

さて、今日の作例ですが、続けて明月院からになります。
とても雰囲気の好い竹林でしたが、アジサイがないのでやってくる人もぐっと少なくなります。
そういう状況をおかしいと思うのはわたしひとりではなかったようで、抗議のハンガーストライキの女性を見ました。
いや、そうではなくて、実力派と思われるカメラ女子なのでしょう、アグレッシブな撮影法でここはアジサイだけじゃないのよと言っているようでした。
【Alpha7II/Canon 50mmF1.2 F1.2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon 50mmF1.2 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/07 Tue

鎌倉舐めたらあかん

Canon 50mmF1.2
今日は鎌倉をささっと散策してきました。
本当は日曜に行きたかったのですが、5日は朝から雨だったので、すいている月曜に行くべきと予定変更したのです。
しかし、梅雨時期の平日なら鎌倉といえどもすいてるだろうと考えたのは、かなり甘かったようです。
鎌倉駅を降りて歩き出すと、すでにかなりの人出。
これでも土日よりはずっとマシなのでしょうが、線路に沿って南に向かう道は観光客が多過ぎて、なかなか追い越しできないほどです。

みんながみんな、わたしもそうですが、明月院を目指しているようです。
明月院といえばアジサイがあまりに有名なので当然なのでしょうが、境内に入るとアジサイ周りには身動きできないほどの人が密集していました。
何年か前には同じくアジサイの時期に鎌倉の長谷寺を訪れて混雑に辟易しましたが、長谷寺はそれなりに広いので余裕がありましたが、明月院の狭い坂ではうっかりすると将棋倒しの危険があるのではと心配になるほどです。
土日は恐らく入場制限しないとほんとうに危険な状況で、雨が降っていれば滑ったり傘で目をついたりとか、ちょっとこの人数は尋常ではありません。

作例では、大したことがないように見えます。
タイミングによっては人がどっといなくなるときがあって、ちょうどその時に浴衣の女性の姿が見えたので撮影したからです。
もちろん、1日中ずっと混んでいるということもないでしょう。
わたしは11時頃という最悪の時間帯に突入してしまったのがいけません。
四季の鎌倉の写真を撮る人は開門時間前から待っていて、入場するや否やダッシュでここに来て、まだ無人のうちに撮影してしまうのだそうです。

わたしのブログでは無人は許されえないので、女性がひとりアジサイを愛でているシーンなどを撮りたいのですが、この場に女性がひとりというシチュエーションは無人という以上に考えることができず、そんなスナップは不可能であることが理解されます。
そういえば、混雑の中をセルフィで自撮りしているのを何組か見ました。
明月院は、三脚、一脚は使用禁止と書かれていましたが、セルフィは一脚の仲間のようなものだと思うのですが違うのでしょうか。
少なくとも使い方に関しては、一脚より邪魔で危険度も高いと思うのですが。
ドローン規制時に合わせて国会審議されなかったことが不思議でなりません。

明月院のアジサイはきっとありがたいものなのでしょう。
境内の小道の左右にあって門を見上げる風情はすばらしいに違いありません。
小雨そぼ降る中ひとり立てば、雨音が雅楽のように響いて聞こえると想像できます。
しかし、大混雑と周囲のおしゃべりの中で、皆さん花を見るだけで精一杯。
アジサイそのものはどこにでもあって、敢えて鎌倉まで見に行く価値のあるものなのかと問われれば、わたしなら首を横に振ることになりそうです。
【Alpha7II/Canon 50mmF1.2 F1.2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon 50mmF1.2 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/06 Mon

結婚の最初のハードル

Angenieux P1 90mmF1.8
明治神宮にて
【Alpha7II/Angenieux 90mmF1.8 F?】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux Type P1 90mmF1.8 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/05 Sun

ラオス語かタイ語か分からない

Angenieux P1 90mmF1.8
明治神宮にて
【Alpha7II/Angenieux 90mmF1.8 F1.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux Type P1 90mmF1.8 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/04 Sat

P1は解像力も高かった

Angenieux P1 90mmF1.8
明治神宮にて
【Alpha7II/Angenieux 90mmF1.8 F1.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux Type P1 90mmF1.8 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/03 Fri

日本人のカップル、西洋人のカップル

Angenieux P1 90mmF1.8
明治神宮の参道にて
【Alpha7II/Angenieux 90mmF1.8 F1.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux Type P1 90mmF1.8 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/02 Thu

あわや水難事故が

Angenieux P1 90mmF1.8
代々木公園の池の周りにて
【Alpha7II/Angenieux 90mmF1.8 F?】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux Type P1 90mmF1.8 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/01 Wed
| home |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。