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またしてもラオスっぽくない

Angenieux P1 90mmF1.8
ラオスからの留学生@ラオスフェスティバル
【Alpha7II/Angenieux 90mmF1.8 F?】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux Type P1 90mmF1.8 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/31 Tue

ラオス美女を惹きつけるレンズ

Angenieux P1 90mmF1.8
29日の土曜日に代々木公園を散歩してきました。
梅雨前のからっとした好天を満喫しようという人々で公園はあふれています。
明治神宮では何組もの結婚式が行われていました。
イベント会場のエリアでは、ラオスフェスティバルが開催され、民族舞踊や現地の歌手の歌で盛り上がっています。
作例の中央で手を振っているのはミス・ラオスだそうで、たいへんな美人ですが、あまりラオスっぽくないといったら、ラオスの人に怒られるでしょうか。
ラオス料理、タイ料理の店がいくつも出店していて、辛いグリーンカレーのケーンや豚肉のラープを世界一周で当地を訪れて以来、およそ1年ぶりに味わいました。

レンズは、アンジェニューの大口径中望遠90mmF1.8を初めて持ち出しました。
恐らく7、8年も前にM8用にライカマウントに改造してもらおうかと購入したレンズですが、ライカ、日本光学、キヤノンと85mmF1.5レンズを3本も持っていて、ズミクロン90mmF2だってあるのに、似たようなスペックのレンズはもういらないとほったらかしにしていました。
エキザクタ・マウントなので安いアダプターでα7に装着できることから、今回、初めて使ってみたのです。
開放での試写のつもりが、いつの間にか絞りリングが動いてしまったようで、どうみても開放ではなさそうというものが何枚もあるというミスをやらかしましたので、それらは文末の絞り値表記を?にしましたことをご了承ください。

購入当時でもアンジェニューのレンズは人気があり、ましてや大口径ということで90mmF1.8も高額取引されていたようですが、このレンズは鏡胴にアタリがあったため5万円程度とかなり安く売られていました。
ボディをぶつけているということで光軸ズレなど問題を抱えているリスクがありましたが、今回の試写の結果を見る限り、どうやら本来の性能を維持できていると判断できました。
ライカマウントのアンジェニュー90mmF2.5というレンズを持っていて、黄昏時や光の弱い室内での絶妙な発色に痺れましたが、F1.8の方にも同じような傾向があるかいつか調べてみたいと思います。

レンズ構成は4群5枚のエルノスター型です。
90mmF2.5の方は同じエルノスターですが4群4枚で、2群目の正のメニスカスが1枚か貼り合わせかの違いがあります。
エルノスターと言えば色抜けの良さが特徴ですが、このレンズにもそれは顕著で、また、赤が濃厚に出て際立っているように感じられます。
アンジェニューの1950年代のレンズは淡いシアンのコーティングが多いですが、このレンズはローレットが後期型のもので、コーティングもライカのレンズのような紫色をしています。
このことが赤に特徴ある発色と関係あるのでしょうか。
コーティングが紫に見えるということは、紫色を反射するようなコーティングをしているということでしょうから、紫の周辺の色である赤が強く出るのではないかと素人考えしてしまうのですが。

ボケについてもしっかり芯を残して崩れているのが美しく、スペック的に収差を多く残しているだろうレンズとしてはかなりの好印象です。
少なくともズミクロンよりはボケに硬さがなく、うるさく感じる度合いは少ないでしょう。
全体にすぐれた大口径90mmレンズで、ポートレイトはじめ、スナップにも活躍してくれるすばらしいレンズだろうと評価できます。
以前、使わないからと売却しかけたことがありましたが、アタリのために買い叩かれそうで諦めたことを思い出しました。
今となっては安易に売らずによかったと思います。
アタリさまさまです。
【Alpha7II/Angenieux 90mmF1.8 F?】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux Type P1 90mmF1.8 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/30 Mon

ワークショップ その7

Berthiot 14cmF3.6
ゆとさん & マノさん
【Alpha7II/Berthiot 14cmF4 F4】
thema:ペッツバール genre:写真
Berthiot 14cmF4 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/29 Sun

ワークショップ その6

Darlot 15cmF4.5
まるさん
【Alpha7II/Darlot 15cmF4.5 F4.5】
thema:ペッツバール genre:写真
Darlot 15cmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/28 Sat

ワークショップ その5

Darlot 15cmF4.5
ユミルさん
【Alpha7II/Darlot 15cmF4.5 F4.5】
thema:ペッツバール genre:写真
Darlot 15cmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/27 Fri

ワークショップ その4

Darlot 15cmF4.5
Aoyaさん
【Alpha7II/Darlot 15cmF4.5 F4.5】
thema:ペッツバール genre:写真
Darlot 15cmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/26 Thu

ワークショップ その3

Darlot 15cmF4.5
イオさん
【Alpha7II/Darlot 15cmF4.5 F4.5】
thema:ペッツバール genre:写真
Darlot 15cmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/25 Wed

ワークショップ その2

Darlot 15cmF4.5
ミサさん & Lukeさん
【Alpha7II/Darlot 15cmF4.5 F4.5】
thema:ペッツバール genre:写真
Darlot 15cmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/24 Tue

ワークショップ その1

Darlot 15cmF4.5
5月21日、某所にてスタジオ撮影ワークショップがあり、参加させてもらいました。
ワークショップということで撮影者はみなアマチュアですが、レンズ愛好家の仲間たちが集まりました。
5人のうち3人が大判カメラ使用で、シュヴァリエ、フォクトレンダー、ジャマン・エ・ダルロー、超大型テッサーなど錚々たるレンズが集結しています。
わたしもスピグラで参戦したかったのですが、世界初の望遠レンズ付き二眼レフのセムフレックス・スタジオとライツの中判まで対応する複写装置を立て続けに入手したことと友人からローランド・カメラを借りたことで、中判2台で頑張ってみることに方針転換しました。

モデルを引き受けてくれたのは、女子大生アイドルの志帆ちゃんとスチームパンクの精鋭の皆さんでした。
スタジオでのモデル撮影というとプロのモデルさんにお願いするのが一般的だと思いますが、プロだからといって外見が撮影者の好みであるとも金額相応であるとも限りません。
モデルさんが表情をつくるのがうまいのも、そこが良いという人もいるでしょうが、一般人の素の顔にくらべて面白みに欠けるような気もします。
いずれにしてもこのワークショップは、プロではない、撮影されたいまたは撮影させてあげてもいいという理解あるモデルさんを、メンバーの人徳をもって来ていただく和気あいあい撮影会というところが特徴といえると思います。

望遠レンズのセムフレックス・スタジオやα7に150mm程度のペッツバール・レンズを付け持っていったのは失敗でした。
スタジオはもともと狭いうえに、大判カメラがスタジオの三脚にセットされているので、思うように引くことができず、とくにスチームパンクの皆さんが期待するような全身のコスチュームが写り込むような写真を撮るのは不可能です。
また、クラインビルト・プラズマット付ローランドとベルチオ付セムフレックス・スタジオの写りがどんなものか期待しましたが、現像はうまくいったものの、複写装置を使ってマイクロ・ニッコールを付けたα7でコピーした結果は思わしいものではありませんでした。
おそろしくコントラストが低くて、古写真か印刷の悪い出版物のようです。
ソフトで調整するようアドバイスをもらいましたが、本来のレンズの描写特徴をはっきり出しつつ通常のコントラストまで上げる自信がなく、現時点ではギブアップすることにします。

スタジオワークショップでは普段できないことが実現できる一方で、スタジオ撮影のメリットである背景が飛ばせることが、撮影結果よりもレンズにまつわるあれこれに興味がある人にとっては収差を見れないというマイナスになることが問題になりました。
小道具を背景に置くとか背景紙を使うとかアイデアは出ましたが、いざスタジオに入るとライティングやらカメラのセットやらで、背景をどうにかというゆとりは失くなっていました 。
特徴ある場所での野外ロケや工場や倉庫のような場所を借りてのワークショップなどの変化があるといいなあと

さて、今日の作例はアイドルの志帆ちゃんです。
用事があって早々に帰ってしまい、じゅうぶんなコミュニケーションが取れなかったのが残金でした。
帰宅してニュースを見たら女子大生アイドルが暴漢に襲われたとやっていて、まさか志帆ちゃんではと心配になり、違う名前を聞いたときは不謹慎ながらホッとしました。
スタジオ撮影はわたしには力量不足に過ぎましたが、彼女を古い町並みの中で撮影という企画があれなら再挑戦してみたいです。
皆さま、今回はありがとうございました。
【Alpha7II/Darlot 15cmF4.5 F4.5】
thema:ペッツバール genre:写真
Darlot 15cmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/23 Mon

ペッツバールの遠距離描写

Dubroni 10cmF3.5
奈良市吉城園近辺にて
【Alpha7II/Anthony 10cmF4 F4】
thema:ペッツバール genre:写真
Anthony 11cmF4 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/22 Sun

千利休の通勤とは

Dubroni 10cmF3.5
橿原市今井町並み散歩より
【Alpha7II/Anthony 10cmF4 F4】
thema:ペッツバール genre:写真
Anthony 11cmF4 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/21 Sat

奈良の京美人

Dubroni 10cmF3.5
唐招提寺うちわまきで見た素敵な女性
【Alpha7II/Anthony 10cmF4 F4】
thema:ペッツバール genre:写真
Anthony 11cmF4 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/20 Fri

まだまだありますオイリプラン

Dubroni 10cmF3.5
きょうは唐招提寺で伝統行事の”うちわまき”があるというので、見物に出掛けてきました。
今井町のお祭りで知り合ったオールドレンズ使いの青年から、この行事のことを教えてもらっていたのです。
平日ですがとても多くの人が見に来ていて、重要な行事であることを知りました。
鎌倉時代にお寺の中興の祖、大悲菩薩覚盛上人が、修行中に蚊にさされているのを見て、それをたたこうとした弟子に、「自分の血を与えるのも菩薩行である」と言って戒めたという故事にちなみ、せめてうちわで蚊を払ってあげようと、上人が亡くなられたときにうちわを供えた言い伝えがもとになっているそうです。

かつてまかれたうちわは奪い合いでぼろぼろになっていたのが、それでは上人の蚊さえ打たない故事とは程遠いからということでしょう、先着で申込した人には全員ゆき渡るようにまくので争わないでと呼びかけながら行われていました。
うちわには魔除けのご利益があるそうで、別途売られていたうちわをずっとお世話になった宿の主人にと買って帰りました。
わたしのようなやくざな客から守ってくれることでしょう。

作例写真のレンズはペッツバールなので関係ありませんが、昨日の”オイリプラン型”レンズの話をもう少しだけ続けようと思います。
キヤノン28mmF2.8は1956年の発売ですので、新種ガラスが採用されているのだろうと考え調べてみました。
写真工業出版社の「世界のライカレンズ」に記事があって、やはり新種ガラスが2枚使われていると記載があります。
また、「世界のライカレンズ Part 2」の巻末特集によれば、設計は50mmF1.8でも有名な伊藤宏氏です。
1926年のオルソメター35mmF4.5が、28mmとより広角になりながらF2.8の明るさを実現できた理由こそ、新種ガラスの採用と伊藤氏の設計によるものだからと理解できます。
しかし、このレンズは解像力ではだいぶ物足りなく、残念ながら個人的には好きなレンズではありません。

オイリプラン型レンズでは、ライヒャート・ポラー100mmF4というレンズもわたしは所有していて、当ブログの中で作例を3枚載せています。
室外の写真は恐ろしくコントラストが低く、戦前のノンコートレンズらしい内面反射の影響が顕著です。
戦前のライカとコンタックスの大口径レンズで性能を争っていたコーティングのなかった時代に、空気に接触する面が6面のゾナーが8面のズマールより反射率が高まるということだけでもずっと有利だったことを、やはり空気面が8面あるオイリプラン型レンズに思わずにいられません。

連日持ち出して恐縮ですが、オールドレンズドットコムにはサフィール50mmF3.5というオイリプラン型(同サイトではプラズマット型と表記)のレンズが紹介されています。
ここでも、やや内面反射が目立つと評価されていますが、なるほどコーティングがありポーラーよりコントラスト低下の影響はずっと小さいものの光源がある写真では光が拡散しているように見えます。
ポーラーもサフィールBもキングスレークの「写真レンズのもの歴史」のオイリプラン型レンズのページに名前が出ています。
また、そのページの最後に、1922年頃ルドルフ博士が内側の負のエレメントを絞りに向かって凸に配置することで画角は制限されるが、球面収差の補正にきわめて有効だとするレンズを設計したと紹介しています。
それこそがキノ・プラズマットです。
【Alpha7II/Anthony 10cmF4 F4】
thema:ペッツバール genre:写真
Anthony 11cmF4 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/19 Thu

レンズ構成名是正委員会

Canon 28mmF2.8
昨日、オルソメター型という表記をしましたが、それは間違いだったかも知れません。
オルソメターは、1926年ツァイスのメルテによって設計されたレンズで、同型のレンズを一般にオルソメター型と呼ぶようになったと思われます。
しかし、キングスレークの「写真レンズの歴史」によれば、オルソメターよりはるか以前の1903年にシュルツ・アンド・ビラーベック社のアーバイトが3枚貼り合わせの対称型レンズ、ダゴールに空気間隔を入れたオイリプランで特許を取ったとあり、その後ルドルフ博士はダブル・プラズマットやザッツ・プラズマットを同じような構成で設計しています。

当時ルドルフが在籍したマイヤー社では、オイリプラン、プラズマット双方の名でレンズを販売していて、キングスレークはマイヤーがオイリプランの名前の使用許可を受けたのだろうと想像しています。
シュルツ・アンド・ビラーベックは今ではほぼ無名で、オイリプランの経緯のこともよく分かりません。
同社が製造工場を持たない販売会社だったとの情報もあることから、シュルツ・アンド・ビラーベックがオイリプランの特許を取ってからルドルフが設計してマイヤーが販売したか、ルドルフの設計を何らかの事情でシュルツ・アンド・ビラーベックで特許を取ってマイヤーが販売したと考える方が自然です。
また、オイリプランの特許が20年経過して無効になったことで、メルテがオルソメターを設計販売したというように考えられます。

以上を踏まえれば、慣行上、オルソメター型ではなくオイリプラン型と呼ぶ方が正しいのではないかと思います。
それでも敢えてオルソメター型と呼ぶのであれば、オルソメターにオイリプランとは違う独自性があるからだと考えられますが、キングスレークによればオイリプランはダゴール(F6.8)よりF4.5と明るくなり同時に画角も大きくなったとあるので、オルソメターによってオイリプランから大幅に改善されたことがあるとは考えにくいでしょう。
オルソメターにはわたしの知らない優位性があるのでしょうか、それとも慣習的にオルソメター型という言葉が使われ続けているのに過ぎないのでしょうか。

単に慣習でオルソメター型と呼ばれているに過ぎないのなら、本来は何型と呼ぶべきかは定説がないようで、いくつかの言い方を見つけました。
1つはキングスレークによる「空気間隔入りダゴール型」。
もう1つは、オールドレンズドットコムにある「プラズマット型」(http://oldlens.com/boyer%20saphir%205cmf35.html)。
当然、オイリプラン型という名称も筋がとおります。
今回に関しては、kinoplasmatさんには恐縮ですが、空気間隔入りダゴール型、プラズマット型ではそれぞれダゴールやキノ・プラズマットと紛らわしいことから、端緒である特許を取った名称のオイリプラン型と呼びたいのですがいかがでしょうか。

さて、本日の作例ですが、大阪十三の撮影行でのスナップです。
銅像に服を着せるのはいまやよくある風景ですが、雪の中でお地蔵さんに服を着せてあげたら恩返しがあったという昔話を連想させます。
タイトルを思い出せなかったので検索すると笠地蔵だと分かったのですが、同じ大阪で5年前に19体の銅像に赤い服が着せられているという騒ぎがあって、御堂筋赤い服事件と呼ばれているというという話が多くヒットしました。
たしかにそんなニュースがあったような…。
もともと被っていた麦わら帽子を跳ね飛ばして着せてあげた服は、写真で見る限り赤ではないので、これは件の事件とは関係がなさそうです。
【Alpha7II/Canon 28mmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon 28mmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/18 Wed

恐るべきキヤノン軍団

Canon 28mmF2.8
「ライカに追いつけ、追い越せ!」
1940~50年代の日本の小型カメラ産業の発展を傍観するとき、これほど当時の状況を言い現わした言葉は無いように思います。
戦前のパテントを回避しながら開発されたライカと同様の性能のハンザキヤノン、戦中の輸入がストップした中でのライカの忠実なコピーであるニッポンカメラ、戦後のライカのパテントが無効になったことで次々と登場してきたそっくりさんと改良機たち。
カメラのボディにはあまり関心のないわたしの眼で見ても、この時代のカメラ開発関連の話はおもしろく、20年の長きにわたってライカを目標に光学産業が発展したことを興味深く感じます。

しかし、それでもわたしにとって興味深いのは、その当時のレンズ発展史の方です。
独自のバヨネットマウントだったハンザキヤノン、セイキキヤノンのレンズを除外して、ライカマウント規格で日本メーカーが設計したレンズをカウントしていくと200種類を超えます(試作品のみ残るレンズ、ミラーボックス用のレンズを含めてます)。
1930年代、六櫻社のレンズのガラスに輸入したイエナガラスを使用したり、日本光学がテッサ―やゾナーを分解してそっくり同じものをつくったという時代から、戦後ここまで発展した状況はレンズの百花繚乱と感じられます。
レンジファインダーカメラは一眼レフよりはるかにレンズ設計の自由度が高いですし、新種ガラスの登場で自由度はさらに高まったことで、ズマールやゾナーのコピーでは飽き足らずに改良してよりよいものに仕上げる日本人気質が遺憾なく発揮されたことが実感されます。

さて、そんな中でも突出しているのはキヤノンのレンズ群でしょう。
数えてみると、広角10種、標準11種、望遠9種、ミラーボックス用9種の39種類のレンズを発売しています。
広角、標準、望遠、ミラーボックス用とほぼ均等に出していて、バランスが取れていると思ってしまいそうですが、例えば標準=50mmが11種と突出しているのですから、偏っているともいえます。
しかし、レンジファインダーカメラは素通しファインダーが50mmなので、50mmレンズにバリエーションが豊富なのはけっして不自然ではないのでしょうか。

28mmレンズは2種あって、F3.5(1950年)、F2.8(1956年)と当時の広角としてはかなり明るく、スペック的にかなり魅力的だったはずです。
両者とも4群6枚なのでガウス型だろうと思っていたのですが、F3.5の方はガウス型で、F2.8は意外にも同じ対称型ながらオルソメター 型でした。
35mmフォーマットでもおもに広角レンズでこのオルソメター型の設計はあって、この名称のもとになったツァイスのオルソメター3.5cmF4.5やツァイス以上に老舗光学メーカーのスタインハイルのオルソスティグマット35mmF4.5(写真工業出版社「世界のライカレンズPart 3」では2群6枚の19世紀のオルソスティグマットの型で紹介されていますが、わたしが所有するものは4群6枚のオルソメター型です)がよく知られていますが、キヤノンの28mmF2.8はより広角で1段以上の明るさを獲得していて、数字上はかなりの高性能レンズのような印象を与えます。

さて、本日の作例はこの日宿泊したホステルの公共スペースで何となしに撮った1枚です。
160年前の立派な古民家を宿泊施設に改装したそうで、部屋が8人部屋のドミトリーということもあって3000円少々で泊まれる好い宿と思い利用させてもらったのですが…。
宿泊した部屋は蔵を改装したとのことですが、2段ベッドを4台も置くせいか建材の文字もむき出しで、古民家に泊まっていることの実感できないつくりでした。
レストランもウリなようで朝食をとるようつよく勧められましたが、1000円だと聞いて高いと断りました。
夕食のメニューを聞くと、高そうなことは分かりましたが、メニューそのものがないのかきちんとした説明がありません。
朝、シャワーを浴びようとするとタオルがなく、聞けば有料だとのことです。
ちなみに夜間は門限こそありませんが朝まで管理者不在になり、なにかあっても対応してもらえないようです。
料金、部屋のつくり、アメニティ管理方法は安宿、朝食、レストラン、建築は高級か中級の上の宿。
どんな人に泊まってもらいたいのか、ポリシーのようなものが見えません。
この日、宿全体で宿泊していたのはわたしとオーストリアから来た若者だけで、空いていてよかったのですが、それよりも文化財が活かされずむなしい気持ちになったというのが本当のところです。
【Alpha7II/Canon 28mmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon 28mmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/17 Tue

電話好きは人間ばかりじゃない

Canon 28mmF2.8
せっかく昨夕に明日香村まで移動してきましたが、シャワーと朝食もそこそこに大和郡山へ向かいました。
本当は、早起きして早朝の村を歩いてみるつもりだったのですが、くまもんTシャツのおっさんのいびきがうるさくて寝たり起きたりだったので、朝は布団から出られなかったのです。
バスに乗り損ねて遅刻してしまいましたが、今日はホロゴンさんと待ち合わせて、撮影をご一緒し、旅行の報告をおこないました。

バスと言えば、昨夜宿のスタッフとも話したのですが、ローカルのバスがとても利用しづらくて困りました。
近鉄のターミナル駅、橿原神宮前から明日香村をまわる循環バスが出ているのですが、まず乗り場が分かりにくく、ようやくそれが見つかると明日香村までいくバスの路線番号が把握できず、時刻表の見方も分かりませんし、料金も掲示されていません。
どうやら20分後にバスが来るようなので、その20分を使って完ぺきとは行かないまでも路線と時刻の見方を把握しました。
移動の旅に慣れているわたしは時刻表の読解に精通しているつもりでしたが、まさかこんなに苦戦するとは、まるで数独を解くような不思議な体験でした。
当然、英語表記はないので外国人には利用できないでしょうし、初めて訪れる子どもや老人も利用困難だと思われます。

そんなことを宿の人に告げると、このゲストハウス自体が年々増えている外国人旅行者を受け入れるためもあってオープンしたというところがあるそうで、旅人の足がこんなんじゃ受け入れ以前の問題だねと互いにため息をつくしかありませんでした。
過去に台湾人が何人か泊まったそうですが、いづれも来方が分からないと電話してきたので駅まで向かいに行ったそうです。
旅行者は住宅地方面へのバスには乗らないので、明日香村へのバスのみの時刻表を日本語と英語で併記して別掲示すればいいと思うのですが、たぶんバス会社の職員はバスになんか乗らないので、ちょっとしたことにすら気付かないのでしょうね。

閑話休題。
今日歩いた大和郡山は、金魚の町のようです。
町中に金魚の水槽をいくつか見ましたし、マンホールのデザインに金魚が採り入れていたり、店のディスプレイに金魚の置物があったり、他にも注意深く見て歩けば金魚関連アイテムはあちこちに発見できそうです。
驚いたのが、作例の電話ボックス水槽です。
どうやってつくったものか、泳いでいる金魚はみな生きている本物ですし、受話器の先から酸素をブクブク出しながら緑がかった水の中でゆらゆらしていました。
携帯電話がこれほど普及すると電話ボックスなんて不要になるのでしょうが、まさかこんな方法で再生させるとは、これはたいへんなインパクトでした。

金魚の養殖盛んな大和郡山で、ふと思い出したことがありました。
だいぶ以前に訪れた長野県の町では鯉の養殖をしていて、ランチに入った食堂で鯉を煮た料理が出てきたのです。
洗いとか鯉こくとか名前のみ知っていて、鯉は美味しい魚だと思っていたのですが、この時の鯉はとても食べられたものではありませんでした。
肉はぱさぱさで泥臭く、小骨が多くてまずいのを一気に飲み込んでしまうこともできずません。
食堂には申し訳なかったのですが、5分の1も食べれずにギブアップしました。
以降、それが原因で淡水魚全般を食べることができなくなってしまいます。
郡山で入った食堂で、まさか金魚の料理はないでしょうが、鯉もいっしょに養殖していて名物料理だったらどうしようとあのときの苦しみが蘇りました。
しかし、日替わり定食には魚はなく、人の好さげなおばちゃんのつくるランチは美味しくて、初鯉の苦い思い出を忘れることができました。
【Alpha7II/Canon 28mmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon 28mmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/16 Mon

行列を後ろから失礼

Dubroni 10cmF3.5
奈良県には古い町並みが点在していますが、とりわけわたしが好きなのが橿原市にある今井町の町並みです。
今井町へは2年半ほど前に訪れたのですが、町そのままが江戸時代からそっくり時間移動してきたような迫力に圧倒されることになります。
案内の方から5月には江戸時代の装束で町を練り歩くお祭りがあるよと教えていただき、今回、念願かなって見物に行くことができました。
近鉄奈良駅から大和西大寺乗り換えで八木西口駅まで45分ほど、駅から5分も歩くとすぐに今井町と、アクセスもたいへん良好です。

お祭りと聞いていた行事は、正式には今井町並み散歩という名称で、1週間にわたってコンサートやアート展示、茶会に重要文化財の公開などが開催されるようです。
そのメインのイベントと言えるのが、今井町出身の今井宗久にちなんだ茶行列で、織田信長や千利休など関連の人物に扮した人たちが登場して町並みを行列していきます。
先に江戸時代と書きましたが、どうやらこれはわたしの誤解で、戦国時代の装束での祭りということのようでした。
午前と午後それぞれ1時間も行列があってたいへんサービス精神旺盛ですが、着物の若い女性たちは相当にシャイなようで、うつむき加減に不機嫌な顔、緊張の面持ちとどうもこちらには積極性がないようです。

今日の作例は、行列の最後尾の茶職人のお嬢さんです。
行列の進行はおおむねスムーズですが、それでもこういうイベントの常として、ときどき立ち止まってしまうことがあるので、その間を利用して撮影させてもらいました。
協力的ですし何より美人だったので行列終了後にも依頼するつもりでいましたが、そのまま部外者立ち入り禁止の建物に消えてしまい、午後の部は別の人たちが参加していたためこれしか撮れなかったのが残念です。
町並み保存会会長の梅香さんと偶然話しする機会がありましたが、茶行列の参加者は公募しているがなかなか若い人が積極参加してくれないというようなことをおっしゃってました。
地元だと出にくいという事情は理解しますので、その辺はうまく出演させるような仕組みが必要でしょうか。

それはともかく、このローカルのお祭りは嬉しいことが2つありました。
1つは、手作り感から来る祭りとの距離の近さで、 出演している皆さんから、先の会長さん、地元の人々ととても親切にしていただきました。
屋台もたくさん出ていますが、自宅で作ったお菓子とか地元のボランティアグループのアクセサリーなど商売っ気のない値段で売られていて、心配だったランチもお寿司屋さんの屋台の安くて美味しい巻寿司といなり寿司で満腹になりました。
運営する側と参加者、見物人との間に垣根がないのは、好いことだと思います。
あともうひとつは、図々しいカメラマンがまったくいなかったことです。
関東の祭りだと傍若無人なカメラマンが必ずいて、自分だけがいちばんのショットをものにするぞという悪のオーラを放ちながら場所をふさいだり、周囲の人とトラブルを起こしたりということもしばしば目にするのですが、少なくともこの日見た人たちには、みんなで行事を楽しみましょう的な雰囲気がただよっていて気持ちよく撮影したり散策することができました。
今後もこの状況を保っていただきたいものです。

逆に、マナー好くパンカラーやクルミナーなどのオールドレンズで撮影していた方と知り合いになり、途中並んでカメラを構えたりなどいっしょに行動する機会も得ました。
宿泊を今井町からそう遠くない明日香村に取っていたのですが、彼から近くの甘樫丘に夕日を見に行ってはとアドバイスしてもらいます。
宿にチェックインしてたずねると、その甘樫丘は徒歩5分の至近でした。
あいにく西の方角に大きな雲があって夕日は見えませんでしたが、撮影に来ていたおじいちゃんとまた知り合い、昨日撮ったという夕日の写真を見せてもらい、帰り間際にはアルバムを取り出して以前のこの場所からの写真を譲ってくれもするのでした。
ありがとうございました。
宿泊はドミトリーで神経質なわたしは寝られるのか心配だったのですが、愉しい1日に気付いたら熟睡していました。
【Alpha7II/Anthony 11cmF4 F4】
thema:ペッツバール genre:写真
Anthony 11cmF4 | trackback(0) | comment(2) | 2016/05/15 Sun

首によくなじむストラップ

Orthometar 35mmF4.5
奈良では友だちがやっている宿に泊めてもらいました。
外国人観光客で沸く京都・奈良は宿泊施設の需要が追いついていないそうで、その友だちの宿も何ヶ月も先までほぼ毎日満室が続いているようです。
商売繁盛のお祝いを言うと、そのことには感謝しつつも、個人経営で休みなくフル稼働するのは厳しいらしくいろいろと疲れると漏らしていました。
わたしも旅する中でいろいろな宿に泊まり、宿の主人にはお世話になったり不快な思いをさせられたこともありましたが、宿の主人から見てみれば客の世話をしたり不快な思いをさせたことを反省したり自身も不快な思いをしたりするわけですから、よっぽどたいへんな日常があるわけですね。
少なくともこの宿では迷惑かけないようにしないと。

泊めてもらう話をしていたときに、友だちから近くにカメラの修理屋さんがあると教えてもらいました。
ヘリコイドがはずれてしまったレンズが2個あり、オルソメターを他のくもりレンズ、カビレンズも複数あります。
全部持って来られても迷惑でしょうから、とりあえずヘリコイド修理の2本をお願いしてみることにしました。
訪問してみると、見るからに優しそうなおじさんという感じの店主が対応してくれます。
眼光鋭くレンズを触っていたかと思うと、ちょっと待っててねとレンズを掴んで奥に引っ込んでしまいました。
わたしとしては、レンズを預けて滞在中に修理が上がって引き取れればとの思いでしたが、どうやらこの場で直そうとしてくれているようです。
待つこと5分、果たしてレンズのヘリコイドは元通りになりました。
ベテラン修理職人にはあまりに楽な作業だったのでしょうか、修理代を払おうとするわたしを制して、お代ならいいですよとにこやかにおっしゃります。
次回、壊れたカメラを持ってくることを約束して店を辞したのでした。

奈良ではカメラ店に行ってカメラ用ストラップも購入しました。
カメラ店と書きましたが、ここにはカメラは売っていません。
カメラや写真関連のアクセサリーの専門店なのです。
しかも、そこは所謂カメラ女子のための店で、かわいい系のアイテムをきれいにディスプレイしていて、一見するとカメラとは関係ない若い女性のファッションの店のようです。
わたしにはちょっと敷居が高いかなあと思ったのですが、店主のお姉さんが親切でしかもかわいくて、居心地は最高でした。
レンズケースも欲しかったのですが、一眼レフ用の大き過ぎるものしかないことをいうと、手持ちのレンズに合うサイズでオーダーメイドを受けてもらいました。

購入したストラップは不思議な柄の布製です。
市内の布作家さんがオリジナルの生地でハンドメイドしたものだそうで、同じ生地からは1、2点しか作らないようですし、個性的な柄が多いのでストラップとしてはかなり強くオリジナリティを感じることができます。
コットン製なので首から提げたときの肌触りの感触がとても好くて気に入りました。
わたしが愛用しているのは、絹の組み紐のストラップなのですが、首にかけたときにカメラの重みを線で支える感触が少々気になっていて、面で支える布のストラップを試してみたくなっていたところでした。
本当の良し悪しは長時間使用してみないと判断付かないところもあるので未知数なところもありますが、今のところ快適で、特にカメラ2台を持つときは先の組み紐タイプと1台ずつ併用してみようと思っています。

今日は、ならまちから新薬師寺、白毫寺と今まで歩いてこなかった奈良市の東側を散策してみました。
新薬師寺は春日大社のほぼ隣に位置する有名寺院ですが参道から外れているからでしょうか、奈良公園の喧騒がウソのように訪れる人が少なく静かでした。
白毫寺は高台にあって奈良の町並みが一望できましたが、案内の方によれば春の椿と秋の萩の時期が好いんですとのことでした。
このルートは南に向かって、山辺の道として長く続いていて、寺社、史跡、古墳などを結んでいるそうです。
次回は、午前中に出発して全ルート制覇に挑戦したいと思います。
【Alpha7II/Orthometar 3.5cmF4.5 F4.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Orthometar 3.5cmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/14 Sat

堂々の日本第4位

Orthometar 35mmF4.5
旅行口コミ情報サイトのトリップアドバイザー(こんな言い方でよいのか?)に「行ってよかった! 外国人に人気の日本の観光スポットランキング」(2015年版)というページがあります。
評価方法は「2014年4月〜2015年3月の1年間にトリップアドバイザー上の日本の観光スポットに投稿された日本語以外の口コミを、評価点(5点満点)の平均、投稿数などをもとに、独自のアルゴリズムで集計しています」とあって、実訪問者数のランクではないし、恣意的な格付けの気配もないわけではなさそうですが、意外なところが入っていたり興味深くもあるのでベスト10のみをカウントダウン式に転載してみます。

10.箱根彫刻の森美術館(神奈川)
9.沖縄美ら海水族館(沖縄)
8.サムライ剣舞シアター(京都)
7.高野山奥の院(和歌山)
6.地獄谷野猿公苑(長野)
5.禅林寺 永観堂(京都)
4.東大寺(奈良)
3.厳島神社(広島)
2.広島平和記念資料館(広島)
1.伏見稲荷大社(京都)

ずいぶん西高東低ですし、偏りもあるような気がしないでしょうか。
京都が3つ入っていると聞くと金閣寺、銀閣寺、清水寺かなと思えば違っていて、サムライ剣舞シアターというのは聞いたことすらありません。
サルが温泉に浸かる地獄谷はユニークな観光地とは思いますが、アクセスのよくない中で6位になるほど外国人が集まるものなのか。
関東唯一が彫刻の森というのも神奈川県民としては首を捻りたくなります。
小学校の遠足以来行ってませんが、あそこってヘンリー・ムーアの展示がメインで、わざわざ日本で見ることもないように思ってしまうのですが…。

さて、今日の作例は4位にランクインした東大寺の南大門です。
南大門は金網越しに運慶作の金剛力士阿形像が見られ、他にも二月堂、戒壇堂、開山堂の前の道など、東大寺はわたしも好きなお寺さんですが、それでも日本一外国人に人気の寺となると、えっ? と思わず驚いてしまいます。
折しも社会の課外授業中とおぼしき小学生たちが西洋人カップルに英語で何やら質問していましたが、外国人の人気寺院ならインタビューの相手にはこと欠くことはないでしょう。
分かりにくいですが、このカップル、鹿の角の付いた麦わら帽子をかぶっています。
数いる外国人の中から、子どもたちに選ばれた理由はそれだったかと納得です。

レンズは、レンジファインダー・コンタックスの広角、オルソメター3.5cmF4.5を
外爪マウント用のNexカメラアダプターで使用しています。
コンタックスレンズをライカで距離計連動で使えるアダプターを2つも持っていますが、広角レンズの一部で使用できないものがあったのでα7用にアダプターを買ってみました。ところが、どういうわけかプラナー3.5cmF3.5には付かず、無限遠が出なかったビオゴン2.1cmF4.5はやはり無限遠が出ないままです。
この2本はアダプターではなく、レンズの方に問題があるということでしょう。
アダプターに付くし無限遠も問題ないこのオルソメターですが、残念ながらレンズにくもりがあって、逆光では力を発揮できません。
豆粒みたいに小さなレンズ部分をきれいにしてくれる、安い修理屋さんを探しているところです。
【Alpha7II/Orthometar 3.5cmF4.5 F4.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Orthometar 3.5cmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/13 Fri

京都一のラーメンを求めて

Unilite 50mmF2
京都で宿泊したのは、旅客機の客室をイメージしてつくったというホテルです。
ファーストクラス、ビジネスクラスの2種の客室がありますがエコノミーというのはありません。
さぞかし高級なホテルではと敬遠しそうになりますが、わたしが取ったファーストクラスでも4000円程度と、京都のベッドの相場を考えるとビジネスホテルよりもずっと安いくらいです。
どういうことかと言えば、個室ではあるものの1室のスペースは狭く、トイレ、シャワーは共同、かつカプセルホテルのようなユニット式でドアではなくカーテンで入り口が仕切られているだけなので、周囲の部屋の物音がよく聞こえたりで、神経質な人はちょっとという空間のホテルなのです。
確かにファーストクラスの客室だって完全にプライバシーが保たれているわけではないので、フライトアテンダントのいない航空機内にいるようなものだといえます。
昨日、タイのバスのことを移動型ゲストハウスと言いましたが、京都で移動しない航空機に泊まったのは皮肉な宿泊先の選択でした。

今日半日は京都にいられるので、どこに行くか悩むところです。
天気も上々ですし、昨日考えた通り市の郊外に行ってみることにしました。
昨夜は、先斗町で飲食をというようには懐事情もあって許されず、ホテルの近くで安上がりにラーメンを食べたのですが、これがたいへん美味しくて本店が一乗寺にあるのだというので調べてみたら、京都の外れの一乗寺はラーメン超激戦区で名だたる名店が並んでいるということが分かりました。
10年以上前に京都を旅した時に、北白川の屋台ラーメンというのに舌鼓を打った覚えがありましたが、北白川というエリアは一乗寺も包括していて、あるいはかつて北白川と呼ばれたラーメン激戦区は一乗寺という狭いエリアにより集中して激戦の度合いを高めているのではと想像すると、そのあたりの事情を確認に、というかまた旨いラーメン食べに一乗寺を目指さない訳にはいかなくなりました。

地図を探すと一乗寺駅というのがあり、四条烏丸から祇園四条まで歩けば一直線で行けそうです。
しかし、よく見ると祇園四条から次の三条まで京阪本線、三条から2駅目の出町柳までは京阪鴨東線、出町柳から3駅先の一乗寺まで叡山電鉄叡山本線とずいぶんと細切れになっています。
乗り換えが面倒くさそうだったのと、料金も高くつきそうなのでバスで行ったのですが、乗り場まで迷ったあげく次のバスまで30分待たされて、よほどややこしいことになってしまいました。
そんなのは検索すれば一番安くて効率的な行き方が分かるのでしょうが、どうも京都のような交通の発達した町で事前チェックして行動したくないという心理が働いてしまうようです。
もうひとつ、わたしは初めて訪れる場所を事前リサーチしてしまうと、旅をつまらなくすると考えるタイプです。
時間のないサラリーマンの時代は効率を考えて下調べした方がよいですが、暇になった現在では遠回りになっても予備知識なしに訪れる鮮度のようなものの方が大切と考えるようになったのです。
そんな発想で、世界一周の旅では何度も失敗していますが、想定外のできごとに旅の自由さを味わった方がずっと自分らしいと思っています。

一乗寺という寺は見つかりませんでしたが、一乗寺駅の東側の山に沿ってお寺さんが集中していたので順番に見て歩くことにしました。
松尾芭蕉や与謝蕪村にゆかりのある金福寺、親鸞が身を清めた湧き水の出る本願寺北山別院、中国36の詩家の肖像と庭が見事な詩仙堂と3つの寺院を訪れてはゆったり見学してはまたのんびり歩き出すというのを繰り返します。
作例は、その詩仙堂の居間に座す、詩でも詠むかのように姿勢の美しかった女性です。
こんな調子でもたもたしているうちに時間切れとなり、目標にしていた修学院までの10分の1の距離も歩かずに昼食の時間になってしまいました。
ラーメン食べたさの不名誉な撤退です。

ラーメン屋の名店は一乗寺駅の西側に集中していて、ずいぶんと歩かなくては行けず、せっかくの機会だからと自分のポリシーを裏切ってグルメサイトを調べていちばん評価の高かった店に向かいました。
10人ほど並んでいて30分待たされたラーメンでしたが、昨日宿の近所で食べた方がずっと旨く感じられました。
現代のラーメンは店主のこだわりが大き過ぎて、その味が自分の嗜好にハマればよいのですが、そうでないと個性の強い分反動も大きくなり、腰が引けてしまうということがしばしばあります。
わたしが本物のグルメな旅人なら、途中で箸を止めて腹が痛いと芝居してでももう1件別の店を訪れていたでしょう。
しかし、30分待ってから800円払って食べている一般の評価で京都一のラーメンを残すという勇気はなく、黙々と食べ続けてみるしかありませんでした。
スープも飲み干して完食、他のラーメン店でもう1杯という余力はなしです。

行列に加わっているときに地図をチェックしていて気付いたのですが、一乗寺のラーメン屋さんのあたりからはさらに西へ1キロ少々歩くと、地下鉄烏丸線の松ヶ崎駅に出て、ダイレクトにホテルのある四条駅まで行けます。
駅に着くと烏丸線は近鉄京都線に乗り入れている列車もあり、日中のみ走る1時間に1本の急行奈良行きのラストのにぎりぎり間に合いそうです。
四条駅で降りてホテルに預けた旅行カバンをピックアップして駅に戻れば、果たして奈良行きの直通急行にぴったり乗り込むことができました。
午前の寺巡りは調べずにだいぶ時間ロスしながらまあまあ楽しめ、ラーメン屋は調べたことが裏目で失敗、奈良までの移動は調べて大正解と、事前検索にまつわる事柄は1勝1分け1敗というイーブンな1日になったのでした。
【Alpha7II/Anthony 11cmF4 F4】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wray Unilite 50mmF2 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/12 Thu

そうだ京都へ行こうかしら

Dubroni 10cmF3.5
時間が有り余って仕方ないので京都、奈良方面を旅してきました。
ここのところ奈良は何度か行っているので、もとは四国とか九州とかの遠方を候補地にしていたのですが、奈良に親しい人がいて5月の奈良はとても好いと言うので、あっさり目的地変更してしまいました。
そう言えば、前回も同じような展開で奈良に出掛けたんだっけと思い出したのは、高速バスのチケットを予約した後のことです。

神奈川県の人が京都に行くとしたら、十中八九は新幹線を利用すると思います。
川崎、横浜在住なら羽田から伊丹へ飛んで電車・バスというのも早いです。
しかし、わたしのように金はないが時間ならいくらでもあるという人間は高速バスがお勧めです。
平日の昼間なら新幹線の3分の1の料金で京都や大阪に行けてしまいます。
時間もしっかり3倍かかりますが。
もっとも、読書好きにとっては大した時間ではないでしょうし、本1冊読み切るには時間が足りないくらいです。
わたしは、最近復活させたブログの文章入力の時間に充てたりもして、読書、ネット関連、昼寝と4本立てで過ごしました。

バスは2階建て3列独立シートという座席配置で、隣席との間に通路が挟まるので混んでいても、すぐ横に他人が座っていて窮屈ということはないですし、そもそも平日は混雑することなどないようで、隣席は無人ということがほとんどです。
間仕切りカーテンがあるので眠たくなっても、他人に寝顔を見られる心配もありません。
前後席とのシートピッチやリクライニングの傾斜角度は旅客機のエコノミークラスよりはずっとよいです。
広いとは言いませんが、体の向きを変えたり足を動かしたりが余裕ででき、エコノミークラス症候群になる可能性は低そうです。
パーキングエリアでの休憩も2~3回あるので、食事に背伸びにトイレにおみやげ購入にと何でもできてしまいます。
高速バスに対しては思い出したころ起こる事故を心配する向きがあるかも知れませんが、こればかりはわたしには何とも言えません。
全区間高速なのとJRバス運行という信頼感があるので、まあ大丈夫でしょうと高をくくるばかりです。

少し京都までの高速バスのことを良く書きすぎたかも知れません。
日本の高速バスは世界一かと言えばまったくそんなことはなく、もっと優れた長距離バスはいくつも存在するようです。
わたしが乗車した中ではタイの長距離バスが断トツの1位です(アルゼンチンもよかったが、英語がひとことも通じなかったので2位)。
リクライニング角の大きなフワ硬シートで、それまで宿泊してきた安宿のベッドよりよほど熟睡できるくらいでした。
態度のよろしいおばさんアテンダントが軽食やドリンクを手渡すなど世話を焼いてくれ、シャワーのない移動型ゲストハウスと呼びたくなります。
タイは猛暑の国で、気候が厳しい分心地よさを求める国民性だと言われますが、それが結実したのが長距離バスなんだろうなあと納得しました。
タイのバス会社には、是非、日本の路線にも進出して、日本の長距離バスをもっとよくしてもらいたいものです。

さて、京都では四条烏丸の安宿に荷物を置いて近くを散策しました。
朝一番の高速バスに乗ると15時22分に京都駅に着きますので、この宿なら4時前にチェックインできます。
4時というとちょっと遅いようですが、八坂神社、祇園、先斗町と散策してから食事して帰ってくるのはちょうどよい時間です。
どこも予想通りの観光客の群れに圧倒されましたが、なぜか祇園巽橋付近は人影もまばらで、静かな散策を楽しむことができました。
舞妓さんの往来を待ってみましたが、残念ながらそこまでの幸運はありません。
かわりに、着物姿の日本人女性が現れます。
薄暮の中、白く浮かび上がるように見えました。
【Alpha7II/Anthony 11cmF4 F4】
thema:ペッツバール genre:写真
Anthony 11cmF4 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/11 Wed

重大な変更です

Dubroni 10cmF3.5
代々木公園
【Alpha7II/Dubroni 10cmF3.5 F3.5】
thema:ペッツバール genre:写真
Dubroni 10cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/10 Tue

パレードを振り向かせるには

Dubroni 10cmF3.5
よこはまパレードより
【Alpha7/Grubb 20cmF3.5 F3.5】
thema:ペッツバール genre:写真
Grubb 20cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/09 Mon

ドローン目線蚤の市

Grubb 20cmF3.5
みなとみらい
【Alpha7/Dubroni 10cmF3.5 F3.5】
thema:ペッツバール genre:写真
Dubroni 10cmF3.5 | trackback(0) | comment(2) | 2016/05/08 Sun

チョッキの男たち

Dubroni 10cmF3.5
赤レンガ倉庫
【Alpha7/Dubroni 10cmF3.5 F3.5】
thema:ペッツバール genre:写真
Dubroni 10cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/07 Sat

横浜を花で飾りましょう

Dubroni 10cmF3.5
よこはまパレードより
【Alpha7/Dubroni 10cmF3.5 F3.5】
thema:ペッツバール genre:写真
Dubroni 10cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/06 Fri

適正フォーマットを推察する

Darlot 10cmF3.3
デュブローニは博物館級のカメラだと書きましたが、検索すると某オークションで売りに出ていました。
価格は200万円を超えています。
やはり、お金持ちコレクターでもなければ手が届くものではありません。
それにこの湿板用のカメラで撮影しようと思ったら、薬品類を用意しなくてはならず、またその薬品を廃棄するのにも業者に引き取ってもらうなどの手続きが必要なはずです。
素人が撮影目的で購入するにはあまりにハードルが高いカメラで、その意味でも展示目的などでしかるべき組織が所有するようなカメラといえます。

そんなことを考えていたら、そうだ、このカメラを持っている人がいる、しかも身近に、と思い出しました。
他ならぬ、oldlens.comさんです。
サイトを見に行ったらありましたありました。
http://oldlens.com/dubroni%20no1%20camera.html
デュブローニのカメラの付属品の写真による説明から、このカメラのバリエーション、使用方法まで丁寧に説明がなされています。
サイトにアップされた際にも読みましたが、あらためて見て行くと、このカメラの面白さとそれを的確に伝えるこのページの素晴らしさに感動しました。
なにしろ、カメラ博物館とか科学技術ミュージアムのような施設に展示されて、その存在感が光輝くようなカメラを、個人で購入してその情報を調べて惜しげもなく公開しているのですから。

その功績を称えつつ、労作を無断でコピーしてたいへん申し訳ないですが、焦点距離とフォーマットとの関係についてちょこっと考えてみようと思いました。
デュブローニは下記6種類がラインナップされていたとのことです。
No. 1 もしくは Photographie de Poche と呼ばれる。5cm正方形湿板に直径4cmの円形画像。
No. 2 5x5 cm もしくは 4.5x5 cm の画像。
No. 3, もしくは Photographie de Salon と呼ばれる。 7x9 cmの楕円画像。
No. 4 ベローズ使用。長辺10cmのガラス湿板。
No. 5 ベローズ使用。長辺15cmのガラス湿板。
No. 6 ベローズ使用。18x24cmのガラス湿板。

oldrens.comで紹介されているのはNo.1でレンズは70mmです。
もう1本125mmのデュブローニのレンズも別項で紹介があり、No.3かNo.4向けであろうと推測されています(サイト内での表記は約inchとなっていますが、便宜上mmに換算します)。
150mmのペッツバール型レンズは4×5(10cm×12.5cm)をカバーしないことを先日確認しましたので、125mmでは長辺10cmは厳しく、No.3用ではないかとわたしは思います。
6種類のデュブローニそれぞれに違う焦点距離のレンズが用意されていたとすれば、下記のような組み合わせだったのではと考えます。
No.1 直径4cmの円形 70mm(oldrens.com所有)
No.2 5×5cmまたは4×5cm 100mm(わたしが所有)
No.3 7×9cm 125mm(oldrens.com所有)
No.4 ?×長辺10cm 150mm
No.5 ?×長辺15cm 250mm
No.6 18×24cm 320mm
No.1~3は現物があることからの推定、No.4~6は一般にみられるペッツバールタイプのレンズの焦点距離からの推定です。
No.6、No.5、No.4は、現在の大判サイズ8×10(20×25cm)、5×7(12.5×17.5cm)、4×5(10×12.5cm)をそれぞれひとまわり小さくしたサイズだったように思えます。
No.3は、現行中判の6×9cmと長辺が同じなので同フォーマットをカバーすればよく、テッサーやヘリアーの時代なら像面湾曲がほとんどないので105mmでしたが、ペッツバールでは余裕をもたせて120mmを採用した。
No.2は、6×6cm、4×4cmの中間のフォーマットで、ローライフレックスならそれぞれ80mm(75mm)、60mmのレンズが使われているので70mm程度のレンズがちょうどよさそうですが、やはりペッツバールでは余裕を持たせて100mmを採用した。
No.1は、まさに4×4cmですのでベスト判ローライフレックスの60mmか、円形で4隅がないので50mmでいけそうだけど、ペッツバールだから70mmを採用した。
というように、辻褄を合わせることができると思うのですが、いかがでしょうか。

現代のペッツバールレンズ所有者が撮影する場合、どのフォーマットを使うべきかの指標にしたいと思います。
125mmのペッツバールは6×9で、100mmは6×6で、70mmは127フィルムを使う4×4かベスト半裁判の4×3でということになります。
それでは、α7は卒業してそれぞれのフォーマットのカメラへとしたいとこですが、中判デジタルは高いし、中判フィルムカメラのほとんどがレンズシャッター機でそのままでは撮影できません。
フォーカルプレーンのハッセルブラッドやペンタックス67がよさそうですが、バックフォーカスの関係で無限が出ないかもしれませんし、出そうとするとミラーに当たるかもしれません。
誰かの成功事例があれば挑戦する価値ありですが、情報がないということは最初からできないを意味してる可能性大です。
そうこう悩んでは、今日もまたα7の作例をアップするのでした。
【Alpha7/Dubroni 10cmF3.5 F3.5】
thema:ペッツバール genre:写真
Dubroni 10cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/05 Thu

相棒未だ現れず

Darlot 10cmF3.3
鎌倉での作例が続きますが、レンズをペッツバールに取り換えました。
3年ほど前に手に入れ、気に入ってときどき使ってきた、デュブローニのレンズです。
デュブローニは、1864年にパリで製造開始されたカメラの名前で、カメラボディ側にもレンズ側にも”Dubroni”と記されています。
レンズの製造自体は同じパリの光学メーカーであるダルローが行なったことは、レンズのコバ部分の手書きのサインで分かっていますが、ここではレンズ鏡胴の刻印を尊重してデュブローニのレンズと記しています。
ダルローのレンズと書くのが正しいのかも知れませんが、たとえばライカ用のスーパーアンギュロンなどはシュナイダーの記載がなくライツと記されていますので、同様の解釈でデュブローニのレンズとして問題ないでしょう。

カメラ史に精通している方ならデュブローニの名前はあまりに有名です。
1860年代は湿板の時代で、写真撮影は木製のカメラに薬液を塗ったガラスを取り付け、レンズで露光した後は薬液が乾く前に暗室で現像液を塗ってガラス板に定着させなければなりませんでした。
スタジオで肖像写真を撮る分には問題ありませんが、野外で撮影するとなるとテントで簡易暗室をつくらねばならず、撮影には補助者を従えたり、馬車を改造して移動暗室にするなど、今のようにカメラをバッグにしまって旅に出るというような気軽さとは程遠いものでした。
その重装備から開放して、暗室を省略し、小さな木箱ひとつにすべての機材をまとめてしまったのが、デュブローニのカメラです。
現像をどうするのかと言えば、カメラそのものを暗室にしてしまうという発想で、撮影後そのままカメラの中に現像液を流し込んでガラスに現像することを可能にしました。
カメラ内で撮影から現像まで完結するので、世界初のインスタントカメラなどと呼ばれますが、需要にこたえて機材一式を一気にコンパクトにしているところは、わたしに言わせれば世界最初の旅カメラです。

自称職業旅人のわたしとしてはたいへん興味深いカメラですが、所有したところで撮影できないでしょうし、そもそも博物館級のカメラなので高くてとても手が出ません。
しかしよくしたもので、デュブローニは木製の箱型カメラで、フランジ金具が付いているのでレンズの取り外しはできたようですし、薬品をカメラの中に入れたりすればボディの傷みが早そうで、レンズのみが市場に出てくることがあるようで、入手することができました。

ペッツバールタイプの焦点距離100mmのレンズは4x5をまったくカバーしません。
せめて中判で撮影できないか模索していますが、なかなかこのレンズを付けての撮影にはしっくりきそうなカメラが見つかりません。
シャッターのないレンズを使う場合、ソルントンシャッターを外付けするかフォーカルプレーンシャッターの付いたカメラが必要です。
手持ちでピント合わせしながら撮影できるように、大判一眼レフのグラフレックスを買ったのですが、いざレンズを取り付けようという段階で、ミラーが干渉しない位置にレンズを付けると近接撮影にしか対応できないと気付いてがっかりということになったりしました。
一眼レフのミラー当たりの問題は、35mmカメラのことかと思っていましたが、ペッツバールを使おうとすると同じことが起きるのですね。
鏡胴が長いので、無限を出そうとすると、200mmとかかなり焦点距離が長いレンズでないとミラーに当たってしまいます。
69判で200mmのペッツバールを使うのであれば、35mmフォーマットで100mmレンズを使うのと大差ありません。
【Alpha7/Dubroni 10cmF3.5 F3.5】
thema:ペッツバール genre:写真
Dubroni 10cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/04 Wed

イギリス光学聖地の快挙

Speed Panchro 50mmF2
レンズではなくカメラ関連の本を読むと、ときどき「ライカ・ズマールのコピーレンズ」という表現を目にします。
そう指摘されるレンズは、ほぼ例外なくカメラ自体がライカコピーと言われるそっくりさんで、それに付いた4群6枚構成のダブルガウス・タイプのレンズはズマールのコピーだと言われる運命のようです。
パッと思いつくところでは、キャノンの50mmF2とかF1.9、フェドの50mmF2、マイナーところの富士クリスター50mmF2などですが、この手のレンズは多いのでまだまだあるはずです。

ボディがライカそっくりという理由でレンズもズマールのコピーとみなされるということのようですが、実際にズマールの設計をコピーしたレンズというものはあったのでしょうか。
そもそもズマール自身は、コピーといっては言い過ぎでしょうが、テイラー・ホブスンのオピックやスピードパンクロに範を取っているはずです。
ダブルガウスのレンズにズマールのコピーだなんて言い方をする人は、きっとライカ愛好家で、それもかなり信奉しているような人なんじゃないかと想像します。
そんな人たちに向かって、オピックのコピーのとかスピードパンクロをパクったズマールはと言ってみたいですが、ズマールを設計したベレクがそうしたという証拠を掴んでないので止めておきましょう。

しかし、そのズマールは、登場した戦前の時代はコンタックスのゾナーと比較されて劣ると評価され、戦後は遅れて開発されたズミクロンのために影が薄く、現代ではキズ玉やくもり玉が多くてそれらの作例からボケ玉とバカにされるなど、いつの時代にも正当な扱いを受けているとは言い難い不遇のレンズです。
わたしはキズのひどかったズマールを山崎光学さんに磨いてもらって、その濃厚でときに絵画のように表現する描写に惚れ込みましたので、性格がだいぶ違うスピードパンクロのコピーだとは思いませんが、もし、コピーだと言ったとしたらズマールを見下すライカファンからは、そんな古いレンズからのコピーだからズマールはボケ玉なんだなとダメ出しされるだけでしょう。
オールドレンズ愛好家としては、古いレンズほどいいと思うことがしばしばあるのですが、世間一般ではそうではなく、例えばスピードパンクロならわたしの持っている第一世代より、改良されてコントラストが高く先鋭度の増したシリーズⅡの方がずっと人気が高いのが現実のようです。

ズマール以前には、クセノンやビオターも4群6枚のオピック、スピードパンクロのコピーと言えなくもないですが、これらもそんな呼び方はされません。
残念なのは、クセノンを設計したシュナイダーのトロニエやビオターを設計したツアイスのメルテの方が、本家オピック、スピードパンクロを設計したリーより有名だったり名声を得ていることです。
クセノンとビオターはともに多くの写真用カメラに採用されて多くの人々に愛用されてきましたが、オピック、スピードパンクロはシネ用レンズだったため一般にはなじみのない、歴史上のレンズというような位置づけになっていることが原因でしょうか。
イギリスでライカやレチナのような人気カメラが造られていれば、状況は大きくちがっていただろうにと想像してため息が出ます。
リーの地位を再認識するためにも、スピードパンクロ50mmF2は35mmフォーマットをカバーしていると確認しなければなりませんが、それはしばらく先のことになりそうです。

ところで、最近、サッカーのイングランド・プレミアムリーグでノーマークだったレスターが優勝したことが奇跡だといって、日本のマスコミでもしきりに取り上げられています。
日本人選手が所属していることも日本で話題になった要因なのでしょうが、では、その日本のJリーグの昨年のチャンピオンはどこだと聞かれても日本人の多くは知らないのではないでしょうか(そう書くわたしがすでに知らない)。
これだけニュースなどで取り上げられると、日本人は外国ならサッカーの優勝チームのことをよく知っているのに、自国のことはどこが優勝したかも知らないと不思議がられるでしょう。
レスターは、クックの工場がある場所で、現在のクック・オプティックスの所在地でもあり、ナショナル・オプティックのレンズにLeiceterの刻印もあったことからも、イギリスの光学の町だったと思われます。
わたしのスピードパンクロを製造した職工たちも、当時、週末にはレンズのことを忘れてレスターを応援しては悔し涙を流したりしていたに違いありません。
80年後に悲願の初優勝をするなんて彼らが知る由もなかったでしょう。
【Alpha7/Speed Panchro 50mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Speed Panchro 50mmF2 | trackback(0) | comment(0) | 2016/05/03 Tue

ズマールのせいではなかった

Speed Panchro 50mmF2
ブログを再開しようと考えたきっかけは、レンズの整理でした。
手当たり次第に買い集めたレンズが管理し切れないほどたまってしまったので、レンズのリスト化も兼ねながら10年前に始めたのがこのブログですが、更新するごとにリストにはなっていったものの、その後に売却したレンズやお借りしたレンズも数多く一覧になっていることで、現在所有するレンズからかけ離れてしまいました。
旅から戻ってから、防湿庫に押し込まれたレンズの一覧表作りをはじめました。
これが想像以上の難事業で、軽くクリーニングしたり、レンズ構成を確認したり、このレンズ持ってどこを旅したっけとブログを見返したりで、チャチャっと事務的に入力するということができません。
調べる必要ありという印を付けられたレンズもいくつか出てきて、それらこそがブログを再開させなければというきっかけになったのでした。

最初のレンズにスピードパンクロを選んだのは、使わせてもらいたいというオファーをいただいたからです。
お貸しする前に調べておかなくてはいけないことがありました。
わたしのスピードパンクロは、製造番号218810番で1930年代の中頃に35mmシネカメラ用に製造されたと思われます。
レンズヘッドのみ手に入れ、ライツ・ズマールの鏡胴にアルミパーツで焦点距離調整と距離計連動加工してもらいました。
作例をご覧の通り、このレンズは4隅がケラレて35mmフルサイズをカバーしないレンズのようですが、シネレンズなのでそんなものという気もします。
調べたいこととはまさにこれです。
スピードパンクロより11年も前に設計されたオピックは35mmフルサイズをカバーしていて、オピックの後継レンズであるスピードパンクロがカバーしていないのはどうにも不自然なので、ズマールの鏡胴によってケラレてるのではとの疑問を検証する必要ありと、2年前の使用時に書いたまま放置していました。

光学機器無くしてこんな検証ができるか少々悩みましたが、何のことはない、α7に薄いリングやヘリコイドを付けて、スピードパンクロのレンズヘッドをパーマセルテープでぐるぐるに固定することで無限、数m、1mに合わせて撮影すればいいだけでした。
結果は、ズマール鏡胴に固定したものとまったく変わらずケラレました。
やはり35mmフルはカバーしないというのが、わたしの確認できた検証結果であり、調べられる限界でもあります。
最後の可能性としてレンズヘッド後端のふちでケラレている線が捨てきれませんので、ここをやすりで削ることも検討しましたが、スピードパンクロはカバーするしないの情報を得てからでも遅くないでしょう。

調べなおすと、キリコシャワーズさんのサイトに興味深い記事がありました。
3本のスピードパンクロのレンズヘッドがあって、鏡胴の長さは長いの短いのその間と三者三様でしたが、キリコさんは中間の長さのものをライカマウントに移植することに成功したというものです。
そこでは、ケラレるとかカバーしてないなどの記述がなく、サイトの誠実性に鑑みると、重要な事実を書き漏らしたとか意図的に伏せたとかということはないと思われます。
だとすると、中間の長さの鏡胴まではケラレないが、長鏡胴では後端部分でケラレるという可能性は若干高まったような気がします。
さらに、「この3本のパンクロのイメージサークルを確認すると、3本とも全て違っていた」と書かれていて、実際に個体差でイメージサークルが違っているのかも知れませんが、鏡胴後部の長さによるケラレ方の違いとも読めなくはありません。
キリコさんは、とても美人だとお聞きしたことがありますが、ぜひとも直接お会いしてスピードパンクロのイメージサークルなどなど直接ご教示たまわりたいものです。

さて、今日の作例も鎌倉から、いつもの鶴岡八幡宮の神事です。
通常は、こういうレンズは周囲が暗いところや中心に明るいものを持ってくるという不文律があって、空を入れてはいけないというと言うのが常識ですが、ケラレ具合が分かるよう写真を選択しました。
空の上の方が真っ暗だと、厳粛な式典への足の運びも重たく感じられるかも知れません。
【Alpha7/Speed Panchro 50mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Speed Panchro 50mmF2 | trackback(0) | comment(2) | 2016/05/02 Mon
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