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第三個PLASMAT

Kleinbild-Plasmat 7cmF2.7
無く子がそのままだったヘクトール2.8cmF6.3に続いて使ったのが、クラインビルトプラズマート7cmF2.7です。
このレンズにはプラズマートの名称が冠されていることから、キノ・プラズマートなどと同様ルドルフ博士が設計したものと思われます。

プラズマトー類としては、キングスレークの本には①キノ・プラズマート、➁マクロ・プラズマート、➂ミニチュア・プラズマートの3つの構成図が掲載されています。
キノ・プラズマートとマクロ・プラズマートがそのままレンズ名として存在するので、ミニチュア・プラズマートというレンズも存在するものと、わたしは当初信じていました。
しかし、そのような名前のレンズは、いくら探せども見つからず、設計だけされて製造されなかった、あるいは少なくとも商品化は実現しなかったのではと思うようになっのです。

ところが、調査もせずに結論を出したことを笑うかのようなできごとがありました。
キノプラズマートさんが自身のサイトで、珍しい645判のクラシック・レンジファインダーカメラであるローランドというカメラの、しかもほとんど見かけないという2型の方を入手されたと、写真がアップされていました。
そして、それに付けられたレンズであるクラインビルト・プラズマートこそ、第3のプラズマートであるミニチュア・プラズマートであると書かれていたのです。

わたしもローランドやミニチュア・プラズマートのことを知らないではありませんでしたが、まさかそれが製造されなかった買ったのではと何となく結論していた幻のミニチュアプラズマートとは、あまりの意外性に驚かされました。
恐らく、キノプラズマートさんも、キングスレークの本を読んでミニチュア・プラズマートを懸命に探されたのだと思います。
そして、彼は結論に辿り着いたのですから、さすがであるとしか言いようがありません(もちろん推理ではなく鰓付けもあって証明されています)。

キノもマクロもプラズマートはあまりに高価になってしまっています。
同様にもともと珍品カメラのような扱いを受けているクラインビルト・プラズマートが固定装着されたローランドもかなり高額で取引されています。
しかし、某オークションを見ると、カメラが付いているにも関わらず、レンズヘッドのみのキノやマクロよりもずっと安価です。

確かに3者の中では最安値ですが、それでも30万円以上するので普通であれば購入はあきらめるところです。
ミニチュア・プラズマートの存在を早々に諦めたわたしですが、それが村債すると教えられて、さすがに今度も簡単に諦めるわけにはいきませんでした。
そう考えていてしばらくして、昨年はなんとライカマウントのマクロプラズマートを手に入れてしまいました。
こうなると予感はあるもので、ほんとうにクラインビルト・プラズマート付のローランドが我が家にやって来てしまいました。
カメラがボロボロでファインダーもダメになったローランドが捨て値で出ているのに気付いて、こんなこともあるのだとばかりに飛びついたのです。

確かに説明どおりに汚らしいカメラがやって来ましたが、言及身されていなかったレンズは革キャップに覆われていて、軽くクリーニングするとガラスは驚くほどきれいです。
カメラが壊れていたためにびっくりするほど安く、一方でレンズはとてもきれいと言うのは願ってもない個体でした。
ゾンネタールの増産に忙しいMSオプティカルにお願いして、ライカマウントにコンバートしてもらいました。
歴史的珍品カメラをからいくらボディがボロだとは言えレンズを抜き取るのに罪の意識を感じないではなかったのですが、カメラが想像以上にボロボロだったことと、α7で撮影して素晴らしい描写を確認できたことから救われた思いと感じています。
焦点距離が5cmではないので完全とは言えませんが、ようやくキノ、マクロ、ミニチュアのプラズマート三兄弟が我が家の防湿庫に鎮座するようになったのです。
【Alpha7/Klein-Bild Plasmat 7cmF2.7 F2.7】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Meyer Klein-Bild Plasmat 7cmF2.7 | trackback(0) | comment(2) | 2013/11/30 Sat

睡衣媽媽

Kleinbild-Plasmat 7cmF2.7
もうひとつの囲屋も前の囲屋とそうも変わらず、新味に欠けました。
というよりは、惠東に点在する囲屋の多くは客家の住居なので、そのどれもが似ているのは当然ということでしょう。
建築年代も被っているようだということを考えれば、同じ人たちによって建設されたと考えるのが妥当そうです。
であれば、わざわざそのひとつひとつを見て歩く必要があるのか、考えなくてはいけないでしょうか。

こちらの囲屋では家の中も見学できないかと考えていた矢先、軒先に男性が現れたので声をかけてみることにしました。
男性はやはり地元の人ではなく、20年前に江西省からやってきたということです。
20年もの生活でほとんど地元のようなものに感じていると笑っていました。
生活にとてもゆとりがあるということはないのでしょうが、部屋の中は必要なものが整然と並んでいて、この20年間頑張ってきた歴史が映し出されているかのようです。

もともと何か仕事をやっているようですが、この日は土曜日で町に出掛けるんだとバイクを準備しだしました。
発泡スチロールに入った魚を売りに行くのだそうです。
平政のある吉隆は、車で20分も走れば海まで着いてしまうので、どこかで仕入れて来たのでしょう。
見せてもらうと、申し訳ないですが、長らく釣りをしていたわたしには釣れでも放流してしまうような小さな雑魚しか入っていません。
たぶん漁師からタダ同然でもらって来て、町中で安く売るんでしょうが、これでも生活の足しになるのなら素晴らしいですが、ほんとに売れるのか甚だ疑問に感じました。

彼がバイクで立ち去っていった先に親子が遊んでいるのが見えます。
お母さんがなかなかにきれいな人で、かつパジャマ姿とこんな村では飛び抜けてフォトジェニックです。
撮影させてくれとお願いすると、この子を撮ってとさすがにこの恰好では恥ずかしかったのでしょう、家の方に引っ込んでしまいました。
するとひとりになった娘さんの方は急に不安を感じたようで泣き出してしまいます。
ああ、またですか、今度は早々に日本から持参の飴をそうと断って差し上げたところ、効果絶大ですぐに泣き止んでくれました。

その騒ぎを聞きつけた別の親子も現れたので、またまた飴を進呈します。
ちょうどふたりのお母さんが子どものために飴の袋を破っているところが今日の作例ですが、その小ハプニングのおかげでセクシーなお母さんを写真に捉えることができました。
子どももつい何十秒か前まで泣いていたとは思えないほど清々しい顔をしていますね。
さすがに飴では、お母さんとの間に親密度を増すところまでは持っていくことができません。
そうなるような日本製のアイテムがあれば日本から持って行きたいと思いますが、今のところそういうものが見つけ出せていません。
何もねんごろな関係になりたいなどと言っているのではなく、ポートレイトのモデルになってくれさえすればたいへんありがたいのですが。
【Alpha7/Klein-Bild Plasmat 7cmF2.7 F2.7】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
未分類 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/29 Fri

大芬的故事

Hektor 2.8cmF6.3
今日、NHKのニュースを見終わってちょっとすると、続いてアムステルダムの風景が写し出されゴッホ美術館ですと紹介されました。
美術を特集した番組かなと関心を寄せると、美術館を出た観光客が近くの売店でゴッホの複製画をよくできているねと見入っているシーンで、インタビュアがこの複製画がどこで描かれているかご存知ですかと尋ねました。
この瞬間、わたしは、あっと思いましたが、案の定インタビュアがチャイナですと言うと、観光客がええっと驚きました。
これは、わたしがしばしば訪れる大芬油画村のことに違いないと確信しました。

地球イチバンという番組で、今日のお題は世界一の油絵村となっていました。
やはり深圳の大芬村だと早々に説明され、何度も行った馴染みある光景が映し出されます。
早速、モネの模写の名人が現れ、名人芸を見せたうえで苦労話を語ります。
村に来た当初は、描けども描けども評価されず、もう田舎に帰ろうかというときに、モネの絵を模写してみたところ若い頃田舎でも描いていた睡蓮が自分の原点に呼び戻し、やがてモネの模写では右に出るものなしと呼ばれるようになったと。

大芬には約8000人の画家がいると紹介されますが、それは正しい表現ではなく模写をしているような絵描きは画家ではなく画工と呼ばれるに過ぎません。
画家と名乗るためには深圳市主催の展覧会にオリジナルの絵を出品して3回の入選が必要とのことで、それを果たしているのは143人しか(も?)いないとのことです。
かつて、そして未だも模写によって世界一の規模までに成長した大芬でも、オリジナルの絵が求められ、画工たちもそんな絵を描くことができる画家になることを目指しているのだということでした。

もともと大芬油画村の起こりは、香港で複製画を描いていた黄江という画家がコストの安い地を求めて、80年代にここで絵を描きはじめたことに始まるそうです。
その頃の写真を見ると、おお、なんとわたしがせっせと出掛ける広東の古村落そのものの姿をしています。
差し詰め、平政の古村落そっくりの姿が、絵が売れるとともに今のごちゃごちゃした姿に変貌していったということのようでした。

番組後半に登場するのは、画家を目指す陳さんという30代の青年でした。
彼は偶然この村に来て運命を見出したかのように画家を目指すようになった人でした。
銭鐵石さんという大芬では数少ない画家に師事する幸運にも恵まれ、また本人の懸命の努力もあって7年間のうちに腕をめきめきと上げていき、ついに展覧会での2度の入賞を果たします。
そこで彼は自分の絵を売るための店まで開店するのですが、絵はさっぱり売れません。
もう一度入選して、深圳市から画家のお墨付きをもらわなければこの困窮から脱することはできないと、次の展覧会に出品する絵を描く日々です。

自画像を描き、師匠のもとを訪れ見てもらいます。
師匠は優しい人ですが、絵を見るなりこれではダメだと一喝します。
絵を描く人はそのモチーフを見て感動したのでそれを絵にするのだ、それがなければ人を感動させる絵は描けないと諭します。
今の絵では、写真を模写したに過ぎないとも。
陳さんはすっかり肩を落として家に戻ります。

さて、それからしばらく経って陳さんはどうしているでしょうかと、取材のカメラがアパートを訪れます。
奥さんととても楽しそうに食事しているところでした。
収入の少ない陳さんのために奥さんは深圳の中心で必死で働いていて、週末にしかふたりは会うことができません。
妻の支えがあるからこうやって絵を描くことができる、わたしは彼女と結婚して何と幸せなのだと、彼は臆面もなく言い切ります。

演出でそう見せているのでしょうが、自画像を描いていた陳さんは入賞して画家になるんだという前のめりな気持ちが顔に表れているように見えましたが、奥さんを前にして実に純粋な表情をしていました。
そして、今まで以上の集中力で一心に描いているのは、その妻の絵でした。
妻への感謝の気持ちを伝えるためにも、彼女の絵を描いているんだと力強く語ったところで番組は終わります。
テレビ番組らしく大芬を美化しすぎているきらいもあるのは間違いありませんが、ここにもいろいろな人がいてそれぞれの人生を生きているんだなあと率直に思いました。
今回は足を運ばなかった大芬ですが、次回の滞在では彼らに会いに行ってみようと考えています。
【Alpha7/Hektor 2.8cmF6.3 F6.3】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 2,8cmF6.3 | trackback(0) | comment(1) | 2013/11/28 Thu

他在吃飯

Hektor 2.8cmF6.3
四角楼の裏手に小さな古民家が並んでいるエリアがあったので、さっそく散策してみることにしました。
恐らく建物は50棟くらいはありそうで、ざっとその半数近くに住人が暮らしているようです。
最初に会った老人にあいさつすると、その人はこの村で生まれ育った生粋のジモティーでした。
客家かと聞くとそうだとの答えで、やはりこの村も惠東のほとんどがそうであるようにもともとは客家村だったことが分かりました。

客家は元来が江南の地に住みながら諍いに巻き込まれ、それを避けるべく南下して主に福建省南部や関東全域に定住するようになった人たちを指す総称です。
そんな歴史ゆえか、建物を囲うように壁を作っているケースが多く、囲屋と言われる形式の村が広東には多く、惠東の古村落の多くは囲屋の形態がそのまま残っています。
伝統を貴ぶという客家の思想と壁で囲われているために開発がしにくいことから、囲屋は至るところに残りますが、一方で経済発展著しい広東では若者がどんどん都会に移り住んでしまい、地方の古村落は徐々に廃れていく運命の途上にあると言えます。

産業が発達したことで他省からの出稼ぎが多く集まり、彼らの居住先として古建築の空き家があてがわれることになりました。
これは、やって来る側には安価な住宅が用意されることを意味し、受け入れ側でもインフラ整備の必要なく人手不足を解消できるということで、双方にとって好都合だったはずです。
さらには、わたしのような古鎮・古村落ファンには、村が廃墟になることなく生活の雰囲気を残したまま保存されるという状況を作ったということで一石三鳥にもなっているのです。

とは言え、出稼ぎに来ている人たちがこんなところに一生居座るつもりはなく、もともとの住民は高齢化が甚だしいとなると、これら広東の古村落は残念ながらあと何年かの運命なのかも知れません。
特色ある村は、旅行ブームを利用して観光のための古村落に衣替えするなどして生き残りを図っていたりもしますが、広東にはそれだけの魅力を持つ古村落はほとんどありません。
経済が陰りを見せている今となっては税金を使って村を残そうということにはならないでしょうから、5年とは言いませんが、少なくとも20年後にはわたしが訪れた広東の小さな古村落のほとんどは無くなるか廃墟として打ち捨てられていることでしょう。

今日の作例は、孫をあやしながら内職の靴作りに精を出すおばあちゃんと、親戚か単なるご近所さんか赤ん坊にお乳をあげるお母さんです。
おばさんに見えるでしょうが、彼女はたぶん20代の前半23~4歳くらいです。
中国の女性は子供ができると羞恥心よりまずは養育と考えるのか、町中でも恥ずかしげもなくポロリをしながらおっぱいをあげている姿を普通に見かけます。

さすがにそんなシーンを撮影しようとは思いませんが、この家並みを撮るには仕方なしでこんな作例になってしまいました。
カメラを構えてもまったく臆するところがなかった、お母さんには拍手を送らねばなりません。
もっとも夜の営みは、こんなにも大胆にすることなくこっそりと行うのだと思いたいですが、わたしは地方を旅した時に、ホテルで行為を行っている際の女性の声を数回聞いたことがあります。
やはり、中国女性は大胆なのですかねえ。
【Alpha7/Hektor 2.8cmF6.3 F6.3】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 2,8cmF6.3 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/27 Wed

笑一笑

Hektor 2.8cmF6.3
昨日の立派な外観の建築には、四角楼という名前が付けられていました。
その由来は分かりませんが、たぶん上から見ると正方形になることからそういうネーミングになったのだと推測します。
一般的には、建物の名前はいかにも風水師が付けたような縁起のいいものばかりで、立派だと思えるような、例えば龍華楼とか忠義楼とか英傑楼とかいかにもな名前が付いているのが普通なので、四角楼というのは主がユニークな人だったのではと想像させてくれます。

重要建築でも洗濯物が干してあるのが見えて、人の住んでいる気配濃厚です。
ずけずけと中に入っていくと、3世帯くらいが暮らしているようで、おばさんたちが並んで作業をしていました。
靴を作る内職で、そういえば惠州は中国での一大靴生産地として有名だということを思い出しました。
いま自分が履いているメイドインチャイナの靴が、こんな古建築の中で作られたのかも知れないと考えるのも面白いですね。

残念ですが、暮らしているのはみなこの地で生まれ育ったわけではなく、江西省から出稼ぎにやって来た家族や親戚ということでした。
それでも住む人無く、さらに管理する者もなければ、風雪に荒れて行くばかりでしょうから、彼らの存在がありがたいのは間違いありません。
住みやすいとは言えない、四角く囲われたある意味監獄のような古びた家で暮らしている彼らに感謝したいと思います。

作例の子は、この地で生まれたのかも知れず、古建築に誇りをもって育ってもらいたいものです。
などと考えながらカメラを向けたら、驚いたのでしょうか泣きだしてしまいました。
ああ、これはまずいと思いつつも、お母さんが笑っているので1枚撮影してもらいます。
気にも留めていなかったのですが、その後見ると、泣き顔が実に素晴らしいのです。
こんな好い泣き顔って初めて見ましたが、いかがなものでしょう。

レンズは、ヘクトールですが、質実剛健の13.5cmとも気まぐれな7.3cmとも違う、どっしりと濃厚な描写は広角としてはわたしの好みです。
しかも、やっと入手したこのレンズは、初期型のニッケルメッキされたかっこいい鏡胴なのです。
ライカマニアなら泣く子も黙るレンズなのですが、やはりと言うべきかさすがに作例の子が黙ることはありませんでした。
【Alpha7/Hektor 2.8cmF6.3 F6.3】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 2,8cmF6.3 | trackback(0) | comment(1) | 2013/11/26 Tue

当地人也不知

Hektor 2.8cmF6.3
東京から香港へのフライトはバリエーションが豊富で旅行者にとってはたいへんありがたい状況です。JALなど日系の快適なフライトがあり、香港のナショナルフラッグであるキャセイ航空も便数が多くて便利です。アメリカ系の航空会社はサービスの質や発着時間帯の悪さで知られていますが、料金がリーズナブルで人気があります。さらに台北や上海、ソウルなどを経由するフライトもあって、時間にゆとりがあればストップオーバーしてちょっとした別体験も味わえる航空券もあります。

今回さらに、LCCの直行便が参入したことで、選択肢がさらに広がったのは嬉しいニュースです。羽田を深夜発深夜着の便なので近くに住んでいないと使い勝手は悪いのですが、このスケジュールですと、金曜夜に仕事を終えてから出発し、土曜まるまると日曜の夕方まで滞在できるので、はやりの弾丸ツアーに近くなりますが、有休を使わずに往復できるのが航空券の安さと並んで大きな魅力です。
そういうわけで、この土日にこのフライトを体験すべく香港を往復してきました。

といってもここでシートピッチがどうこうなどとフライトのレポートをするのも面白くないので、今回も日帰りで訪れた深圳近郊の古村落について書くことにいたします。
場所は、深圳の東隣の恵州市の東にある惠東県の中で東郊に位置する吉隆鎮平政村という小さな村です。
恵東県は深圳から高速バスで1時間半の近場にあって、適度に鄙びた古村落がいくつもあるのですが、いよいよある程度知られたところは行き尽した感ありで、もはや地元の人でも首をひねるような知名度がゼロに近いような村をネット検索して尋ねるより他なくなってきました。

地図である程度の場所を調べておき、その近くでバイクタクシーを捕まえて行くしかないのですが、平政村まではバイタクもよく知っているものの、そこの古い家が多くあるところといっても、分からないときっぱり言われます。
ただ、惠東には親切な人が多くて、この運転手もバイク仲間を呼び寄せてあちこちあたってくれ、ついにあああそこかというところの検討をつけてくれました。

もっとも親切でなくてもせっかくのよそ者の客が来たのですから、人に聞いてでもバイクに乗せてぼらない手はないでしょう。
10元だと言われ、よく分からないのでハイとふたつ返事したのですが、実際に着いてみるとけっこうな距離で10元は安いと感じたのですが、帰りに乗った別のバイタクは8元だったので、しっかり2元上乗せされていたのです。
こればっかりは、燃油サーチャージをとられたと思ってあきらめるしかないと思いつつも、8元が相場なのか分からないので、やはりもっとぼられているのかなあとも思います。

到着したのが作例の建物の裏手で、いきなり立派で保存状態も良好な古建築に興奮させられました。
広東省の重要建築物のプレートが貼られていました。
なかなか幸先良いスタートに思えましたが、結論を先にいうと平政村で立派な古建築はこの1棟だけで、あとは古建築というよりはボロ家と言った方が分かりやすいような、古い家があるだけでした。
そうですね、こんな立派なのがいくつも並んでいたら、バイタクの運転手が知らないはずがありません。
【Alpha7/Hektor 2.8cmF6.3 F6.3】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 2,8cmF6.3 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/25 Mon

現代的達蓋爾

Vallantin 7cmF3.5
先日、品川で行動を共にさせていただき、モデルにもなっていただいた紋次郎さんからわざわざお礼の電話をいただきました。
品川では、knpmさん、ksmtさんとわたしの3人でモデルになってもらい、夜遅くまでお付き合いいただいた紋次郎さんに何かちょっとしたお礼はできないかと相談して、その時撮影した写真をプレゼントすることにしたのです。
ksmtさんの撮影したポートレイトはすでに画像データでお渡ししていたのですが、今回お渡ししたのは大きく伸ばして額装した写真でした。

その日は、knpmさんがサンダーソンのトロピカル仕様のハンドカメラにハイペルゴンを自身で装着されたシステムを持ち込まれていました。
120フィルムを6×12という横長サイズで撮影できるバックも装着しています。
ハイペルゴンは開放がF48という暗いレンズなので三脚まで準備万端でした。
こんな超広角で人物を撮る人はいないでしょうし、わたしたちはハイペルゴン史上初のポートレイトだなどと言っていたので、そんな記念碑的な写真を活かせたことでも意義があったのではと自負しています。
実際、三脚を立てた木製のカメラにレンズキャップをシャッターにした4秒間の撮影はとても印象的で、ダゲレオタイプの時代の撮影法を彷彿させるものがありました。

ちょうどknpmさんの写真展が近くなってプリントに腐心しているときでしたので、合わせて紋次郎さんの写真も特殊な用紙に大きく焼いていただくことができました。
また、わたしはその前に中国に出掛け、例の大芬油画村で額をオーダーし、6×12の大サイズにぴったりのものをあつらえて準備していたのです。
こうして完成した額装写真をお送りしたのですが、紋次郎さんには気に入っていただけたようで、本当にうれしく感じています。
knpmさんも苦労して撮影とプリントを完遂させ、その結果をご本人にこれだけ喜んでもらえたのですからその甲斐あったと満足されているでしょうし、その意味で、撮影する側とされる側がともに喜びあえる素敵な機会だったのだなあ感慨深いものがありました。

(このサンダーソン+ハイペルゴンの詳細と写真は下記をぜひご覧いただければと思います。
http://oldlens.com/sanderson%20tropical%20and%20hypergon.html)

そのknpmさんは、とんでもないアイデアマンと言うか、何かを流行させる先駆者というかか、人当たりのとても柔らかい方にも関わらず、ものすごい鋭さを持ち合わせているのに驚愕させられることしばしばです。
先日も書きましたが、ペッツバールで最初にデジタル撮影したのがknpmさんでしたし、わたしがこの方を知るきっかけになったキノプラズマート1インチF1.5をR-D1用にマウント改造して撮影されたのもこの方が最初でした。
その作例から、ぐるぐるボケという言葉を生み出したのもknpmさんだったのではと思っています。

さらにはオールドデルフトのF0.75なんてレンズを強引解像でどうにか2メートルまでピントが合うようにして撮影した写真なんて言うのもあります。
また、MSオプティカルとのコラボレーションとも言える、当時、誰も知らなかったようなレンズヘッドなどを集めて次々とライカマウント化して撮影した、この分野の魁でもあるのです。
それに魅了された人たちは、すでに高価になってしまった同様のレンズで、追随しながら楽しませてもらったというところです。

ここに書いたのはknpmさんの実現したアイデアの中でも氷山の一角に過ぎません。
こんなことばかりてぎるのだから凄い暇人なんじゃないのとか思われるかも知れませんが、驚くほど多忙な人で、なかなかお会いすることもかなわなかったりです。
1830年代、写真を発明したニエプスと共同で研究してダゲレオタイプを開発したダゲールは、自身でパノラマ館を経営したり、戯曲の台本を書いたりととても多忙な人生だったと伝え聞きます。
knpmさんは現代のダゲールなんじゃないかと密かに考えてみたりしました。
【Alpha7/Vallantin 7cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Vallantin 7cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/24 Sun

6台相機都一様

Vallantin 7cmF3.5
代々木公園からNHKの脇を通って、丹下健三氏の代表作として有名な代々木第一体育館を見ながら渋谷駅を目指します。
原宿も含めてこのあたり一帯は本当に若者の街ですね。
とても中年オヤジが古臭いレンズの付いたカメラを提げて歩くところではないように感じます。
それでも駅近くに差し掛かったところで、プロモーションか何かでつながれていた羊を見つけるとiPhoneをかざしているギャルに混じってわたしたちもしっかり撮影に加わってしまいました。

渋谷駅まではずっと下りなので、実際に歩いた時間より早く着いたような気がします。
しかし、駅の雑踏をすり抜けて歩道橋も渡っていく写真展の会場は実距離よりも遠くにあるように感じました。
こういう人間の感覚というのは面白いですね。
すっかり歳をとったわたしは時間がめっきり短く感じられるようになったのですが、若い頃なら代々木公園から写真展会場までの時間がうんと長いなあと思ったことでしょう。

さて、写真展の扉を開けてみるとknpmさんやnrbtさんはじめ、自慢の作品が出迎えてくれました。
そのおふたりも在廊中で、knpmさんにさっそくわたしのα7を発見されてしまいます。
発売日の翌日ですから、さすがknpmさんよく気付かれたなあ、もう買われたんですか見せてくださいとかいわれるんだろうなあと考えました。
しかし、そのknpmさんの手にあったのもα7。
それどころか、この写真展会場に集まったα7は5台で、わたしのは6台目だそうです。
なんだそりゃ? ですね。

M9が買えず、バックフォーカスが足りなくてライカレンズが使えないという理由でEOS5Dのような一眼レフにもいかなかったわたしのような人間には、安価なフルサイズミラーレスであるα7は夢に見た存在でした。
これでようやくAPSサイズから脱して、レンズを本来の設計のままに、本来の焦点距離として使えるようになるのです。
M9も5Dも所有しているknpmさんには不要なのではと一瞬目を疑いましたが、カメラというものはあれを持っていればこれは要らないというものではありません。
α7はM9や5Dの代役という存在ではありません。
使ってからやはり不要だったとなるかも知れませんし、いやいや、M9も5Dも要らなくなったよとなる可能性も十分に高いのです。

写真展に集合した5台のα7のオーナーは、恐らくM9のユーザーです。
もしかしたらM9サブ機にするためとかあまりα7に対してポジティブでない方もおられたかも知れませんが、このメンバーが5人も即入手するということは、このカメラがいかに高く評価されているかの照明でもあるのです。
そればかりか、昨日今日と使ってα7があればM9は要らないという声まで聞こえてきました。
わたしは依然ライカMをいずれ購入するかもという考えを捨てた訳ではありませんが、α7とその後継機種が終の住み処になる可能性もあるのかなと思ったりもしています。

などと先走って書いてしまいましたが、取説を一定程度読んでみたのですが使用法は未だ分からないところ多数あって困惑していたところだったのです。
特にMFアシストの使い方が分からなくて、そのあたりは作例に如実に出てしまったところもあります。
その使い方は恥ずかしながら写真展会場で教えていただきました。
発売の翌日なのですから、お許しくださいとお願い申しあげます。
【Alpha7/Vallantin 7cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Vallantin 7cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/23 Sat

相機用不了

Vallantin 7cmF3.5
発売日に手に入れたα7ですので、インプレッションとか使用感のようなものを書くのではと楽しみにされている方もいるかも知れません。
期待を裏切ってしまい申し訳ありませんが、この日の使用だけでは感想を書くことも難しい状況です。
X-E1でもそうでしたが、カメラを使用しているというよりは、カメラに使われているような状況だからです。
機械式カメラだけを使って来た人間には、R-D1やM8はまだ何とかなるようにうぬぼれていましたが、X-E1、α7は完全に電子機器でとてもわたしの手には負えません。

わたしにとってデジタルのメイン機で使うということを考えると、ライカM&くらいと同等の機能が付いていれば十分と考えます。
α7のEVFはX-E1と比べるとはるかに優秀で、ピント合わせはだいぶしやすくなりました。
それでも乱視のわたしには常に迅速で正確なピントを得られた訳ではありませんが、使用時に使えなかったMFアシストの使用法を教わったことで、M6と同程度のフォーカシング速度と精度があるとみなしています。

一方で、X-E1に比べて1回の充電での電池寿命は著しく劣るようで、デジタルはフィルムと比べて桁違いに多くの枚数を撮影できるアドバンテージがこれでは活かせません。
取り急ぎ翌日にスペアバッテリーを調達しましたが、旅行などで1日撮影機会があるようなときは、4本くらいバッテリーを持つ必要がありそうです。
ソニーのカメラやビデオに共通のバッテリーのようですが、販売価格も高くて、改善できないものかと不平を言わざるを得ません。

これだけあれば撮影可能で、まあライカM6と同様になるので小型化するよりもホールドしやすさを追求して欲しいですし、10万を超える価格を考えると外面はすべて金属を使うなど質感にもこだわってほしかったというのがわたしの感想のすべてというところでしょうか。
シンプルで美しいカメラであり、手にした感触も特別なフィーリングがあるので、自然と使いたくなるというようなカメラだったらいいのになあと思うわけです。

しかし、そんな悠長なことを言っているおじさんを相手にしていては商売はできないらしく、α7にはさまざまな機能が搭載されていて、まるでテレビ東京で紹介された行列ができる○×食堂の20個の天ぷらが無理やりご飯の上に横たえられた全部載せ天丼のようで、わたしはどうも好きになれません。
それらを使わせるためにカメラ中にボタンやダイアルが醜悪なまでに並んでいて、わたしには航空機のコクピットを連想させます。
操縦士のように何百時間の訓練を受ければ、わたしでもそれら機能を使いこなせるようになるのでしょうが、買ってすぐに使おうと思ってもそのたびに墜落させてしまうばかりです。

多機能だからこそ面白いしいろいろな撮影ができると売れ行きもよくなるのでしょうが、わたしは使わない機能をすべて取っ払ったα7-1(ライカM1やⅠfなどにならったネーミング)を超廉価に発売してもらえないものかと切に思います。
ホワイトバランスボタンとISO感度設定ボタンがあってあとは液晶を見るためのダイヤルがあるくらいのカメラです(ライカM1を比較に出しましたがファインダーα7と同じにしてください)。

そういえば、購入から1週間近くになりますが、未だ見つけられない機能があります。
X-E1に比べて、シャープネスがやや高そうですし、コントラストもできる限り下げたい。
なのに、その設定の仕方が分からないのです。
ペッツバールがペッツバールらしく写る設定ができるカメラでないと、ペッツバールを使う意味がなくなってしまいます。
【Alpha7/Vallantin 7cmF3.5 F3.5】
Vallantin 7cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/22 Fri

美国人帯美国鏡頭

Vallantin 7cmF3.5
ペッツバールでポートレイトを撮らせてもらったときは、できる限りレンズのことを説明することにしています。
反応を見る限り、まったく興味なしという人はさすがに皆無ですが、さりとてたいへん関心を寄せるという人もあまりいません。
多くは、へーすごいですね、それで売るんですか、という関心なくはないがお付き合いでくらいのリアクションが多いような気がします。
まあ、そんなものでしょうが、そんな中で強く関心を示す人がいるとこちらとしても嬉しくなってしまいます。

非常に好奇心の強い女性などが興味津々ということもなくはないですが、やはりペッツバールに関心を示すのは自分でも写真が好きな人で、金色の真鍮鏡胴はとても古いレンズだとは認識しているものの、それが150年も前に製造されていて、現代のレンズに負けないくらいよく写ると知って、さらに興味を深めてくれるというケースが時々あるようです。
品川ではドイツ人とオランダ人のふたり組がそうでしたし、大磯ではホタテ貝売りのおじさんがそんな反応を見せてくれました。

代々木では、ニコンFを肩から提げたアメリカ人の英語の先生がそんなひとりでした。
すれ違いざまにksmtさんが提げていたレンズに気付いて声をかけてきたのですが、単なる好奇心ではなく、自身で4×5も撮影すると言うくらいで、ペッツバールという言葉も知っていました。
そんなレンズで撮影できること、さらには実際に撮影している人が目の前にいることには、彼にとって新鮮な事実だったようで、質問がいろいろと飛んできます。

ksmtさんが持っていた1本がアメリカ製のペッツバールだったことから、アメリカドンの彼に試写してもらったところが今日の作例です。
アメリカ人が大柄なこのレンズとカメラの組み合わせを持つと実によく似合うような気がします。
撮影結果にも満足してもらえたようです。
もっとたくさん見てほしいと、ksmtさんが自身のサイトを紹介しました。
英語の先生も、写真史の学習教材に使うなどペッツバールを使っていただきたいものです。
もちろん彼のニコンにもたやすくアダプタリング可能です。

ところで、おととい同様、今日もフレーミングでペッツバールの特性を無視した失敗をしていますね。
見せたいのはあくまで彼のホールディングするペッツバールの方なのですが、彼のニコンに主役の座を引き渡したかのような写真になってしまいました。
APSサイズから35mmフルサイズにカメラが替って、70mmがずいぶん短く感じられてついつい近くで目一杯に撮ろうとしてしまうようです。
カメラが替れば、ペッツバールレンズも中心を使うという基本に頭を切り替えないといけません。

【Alpha7/Vallantin 7cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Vallantin 7cmF3.5 | trackback(0) | comment(1) | 2013/11/21 Thu

南美的竪琴

Vallantin 7cmF3.5
何度も行ったことがあるわけではないのですが、代々木公園に行くと必ず初めて見るものを目撃するような気がします。
前回は芝生の上で不思議な修行のようなことをやっている集団がいて見入ってしまったのですが、撮影については憚れるものがありました。
この日見かけたというより聴き入ってしまったのが作例のハープです。

ハープを初めて見たということではありません。
何を隠そう、わたしは大学時代に管弦楽団に所属していて、ハープは見たことがあるばかりか、芸大の美人ハープ奏者と仲良しでもあったのです。
この日見たハープはとても形状が変っていて、音色にも一般のハープより温かみを感じるような柔らかさがありました。
演奏の合間に尋ねると、この楽器は南米のもので、恐らくクラシックというよりも民族楽的なものであるようです。
この時聴いたのは残念ながら民族音楽ではなく、アメイジング・グレースでしたが、ただでさえハープの生演奏をこんなにも間近で聴く機会なんて人生に於いてもそうそうあることではないので、すごく得した気分です。

音楽ではもうひとつヴァイオリンの響きを愉しむことができました。
ヴァイオリンは珍しい楽器ではありませんが、演奏されていたのがあまりなじみのない音楽で、少しハンガリーっぽい東欧を連想させる音楽でしたが、全然誤解かも知れず正体は不明です。
演奏していたのはまだ若い西洋の女性でしたが、音楽の連想から東欧出身の女性に思えて、気になってしまいました。
まったく個人的な願いとして、南米のハープと東欧のヴァイオリンの競演をぜひとも聴いてみたいものです。

ヴァイオリンで思い出したのは、先日、NHKでストラディバリについて特集番組をやっていて、久し振りにテレビにかじりついてしまったことでした。
わたしはストラディバリは無二のものなのでその演奏を聴けばすぐにストラディバリだと判別できるのかと思っていたのですが、現代作家のヴァイオリンとブラインドテストをするとほとんど区別がつかないというので驚いてしまいました。
ただ、演奏者には弾いてみればそれが分かるということも紹介されていました。
なるほど弾いていてそのすばらしさが分かるのであれば、弾き進むにつれて演奏が良くなり、ストラディバリの方が名演が生まれる可能性が高いということになるのでしょう。
聴き手ではなく、演じ手のみに理解できるというのは面白いですね。

未だ、ストラディバリが他の楽器とどう違うということは解明されていないようですが、それが解明されてストラディバリばりの楽器が作られる日はそう遠いことではないということを感じさせられるくらい研究は進んでいるようです。
というのは、わたしが管弦楽をやっていた当時は、ストラディバリの音の秘密はニスにあると言われていて、まじめにニスの科学的分析が試みられていたのですが、番組の中ですでにニスの解析は終わり関係ないことも証明されており、楽器の部位の配置のバランスや木の厚みの関係など、より科学的な分析と理解が進んでいることが紹介されていたからです。
現代のストラディバリができることは大いに楽しみですが、聴く側で区別がつかないのですから、演奏しない我々にはあまり意味のないことなのかなとも思いました。
【Alpha7/Vallantin 7cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Vallantin 7cmF3.5 | trackback(0) | comment(1) | 2013/11/20 Wed

回転画家

Vallantin 7cmF3.5
明治神宮から代々木公園に向かっていると原宿側の門のあたりで、誰かに呼び止められました。
あれっと振り返るとそこにはksmtさんがいます。
そういえばksmtさんもknpmさんの写真展に行くと言っていたので、同じように撮影しながら会場に向かっている途中のようです。
このままいっしょに撮影しながら会場に向かうことにしました。

なかなか撮るものがありませんねえ、そう言いながらksmtさんが笑っています。
ここのところずっとお祭りや京都で美女のポートレイトを撮り続けているksmtさんには、そういうシチュエーションが訪れない公園散策ではいまひとつ被写体が見出せないようです。
着物ということなら明治神宮に七五三の晴れ着の子どもがいっぱいでしたよと伝えますが、このご時世になかなかサイトに子どもの写真は難しいですねと、これは最初から眼中にはありません(わたしも昨日の作例は顔が分からないものにさせていただきました)。

そういえば、ksmtさんとの話の中で、サイトには失敗写真は掲載しないのですかと質問してみました。
基本的には載せないということのようです。
そのレンズのベストの写りを掲示するのが正しいやり方だと思います。
しかし、わたしはそのレンズの欠陥を示すような失敗作を載せるのも面白いし、レンズのことをよく知る手掛かりになるのではないかと考えます。
などと言ってもわたしの場合はほとんどが一般に言う失敗作で、まれに普通作がでてくる程度のものではないかと指摘されそうですが、失敗作の中にもさらなる失敗作があるのですと答えるより他ありません。

今日の作例こそまさにそれで、イメージサークルがフォーマットぎりぎりのカメラでは絶対やってはいけない失敗がこれです。
公園内で人だかりがあり、似顔絵描きのパフォーマンスが行われているようでした。
誰もが、モデルになった女の子と似顔絵を1枚に入れて撮りたくなるでしょう。
わたしも単純なので、絵描きの後ろに回り込んで描かれた絵を前ボケに女の子を撮ろうと考えました。
ところがこのパフォーマンスは、イーゼルにキャスターが付いていて絵描きがくるくる回りながら描いて行くのです。
わたしは動くのが面倒くさくなって、ふたりが入る位置で撮ればいいやとなってしまいました。

ペッツバールは像面湾曲が激しくて、端にいけばいくほどそれが顕著になってピントもぐっと手前に来ます。
両端に被写体を置いたのはまさに失敗で、あえてこの撮り方をするなら端にピントを強引にもってきて撮るしかないのですが、そこまでの芸当は難しいというか、正直に言えば湾曲のことなんてすっかり忘れていました。
もちろんイメージサークルが大きければ湾曲も逃れられるわけですが、せっかくのフルサイズ導入ですからそれに近いフォーマットのレンズを使つてこそ意味があるのです。
こんなのは鼻にも引っかけないのが普通ですが、あえてわたしはこれを本日の作例に採用します。
黄色のスーツケースを写そうとしたのではありません。
ペッツバールの特性を分かりやすく表現したかったのです。
【Alpha7/Vallantin 7cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Vallantin 7cmF3.5 | trackback(0) | comment(1) | 2013/11/19 Tue

笑一下!

Vallantin 7cmF3.5
我が家についにフルサイズがやって来ました。
早速、土曜日にはテスト撮影に行かなくてはなりません。
前日の夜に通販大手のA社で購入したライカMマウントレンズ→ソニーEマウントアダプターも届いて準備万端、のはずですが…。
フルサイズへの道はまだまだ険しかったようで、なんと届いたアダプターは外箱が無残な姿になっていて、宅配業者によればベルトコンベアに巻き込まれちゃったみたいですねと他人事の説明です。
中身を確認いただきたいというので、カメラに付けるとOKですが、レンズ側はわずかに曲ってしまったのかどうやってもレンズが取りつかず、あえなく返品となってしまいました。

すぐにも同じものに取り換えますとやはり呑気に言う不吉な黒猫に、明日使うのに間に合わないので結構ですと怒りつつアダプターを押し返しました。
土曜にカメラを使用するには、新宿かどこかでアダプターを購入して、その足で撮影に向かわなくてはなりません。
以前痛い目にあった中国製K社のものでもいいやと検索しますが、8000円近くとあまりに高くて驚いてしまいました。
ずいぶんと強気の商売をするようになったなあと感心するくらいです。
メタボーンという国産が名前がわたしの体型を表していて良さ気ですし、フォクトレンダー製もありましたが、何しろ返品したA社取り寄せ品が3000円なのに対し、15000円以上もするのは高すぎで購買意欲が削がれます。

さらにリサーチの結果、レイクォール製の中古美品9000円が性能の信頼性と価格との割合でいちばんと分かり、買いに行くことになりました。
悲しいかな、販売していたのは昨日α7を買ったのと同じ店じゃあないですか。
2日連続で買いに来るなど、資金に窮しているようで情けなく感じて経緯を説明したのですが、金がなくて3000円の安物を買おうとしていたことを披露したことの方がよほど情けなかったと、これは後で気付きました。

アダプターはもともとAPSサイズ用に開発されているため、フルサイズのα7で使うとケラレが発生するという噂がありました。
わたしは35mmかせいぜい28mmを使うくらいなので関係ないと思っていましたが、やはり店頭でケラレの可能性について説明されて、ライカの35mmレンズで試してみたところまったく問題なく、ようやくのことでアダプターを手に入れることができました。
カメラは入手困難と思いきや簡単にゲットできたのに、まさかのアダプターで右往左往という思わぬ展開には思わず苦笑してしまいました。

さて、どこで試写するかですが、この日レン友のknpmさんたちが渋谷で写真展を開催していて見学に行く予定でしたので、新宿から参宮橋まで出て、明治神宮、代々木公園、渋谷と散策することにしました。
それほど寒くもない秋晴れの日でしたので、ブログ1週間分賄えるくらい何かしら撮影できるでしょう。

思ったとおり明治神宮はかなりの人出で、ちょうど七五三の晴れ着のお子さんいっぱいで和やかムードに溢れています。
でも、なかなか晴れ着の子どもを勝手に撮るというわけにもいかないのです。
スナップ的に狙おうかと思っていたところ、記念撮影する子どもに外国人観光客がわたしも撮ってもいいかと言ってOKもらったのをきっかけに、何人ものカメラマンが女の子を取り巻くシチュエーションが発生したので便乗させていただきました。

それでもお子さんの写真は親御さんにとってデリケートなものなので、ちょうど横向きのところを撮影して、今回の作例とさせていただきました。
突然、アイドルのようにたくさんのカメラマンに囲まれて戸惑う仕草が可愛らしかったですし、撮影うかがいした外国人が「スマイル・プリーズ」とおどけて言って周囲の笑いを誘い、女の子のリラックスも生み出したのはさすがだなあと感心させられました。
写真の出来は別として、このカメラの作例の滑り出しとしては、なかなか印象的なものになつたと思います。
【Alpha7/Vallantin 7cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Vallantin 7cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/18 Mon

吃麺包就長的標亮

Vallantin 7cmF3.5
大磯宿場祭りの最終回は、X-E1の最終回でもあるのですが、最後の最後に素敵な女性に登場いただくことになりました。
パン屋さんのお嬢さんで、もしこの娘が店頭にいたなら真夜中のパン屋でなくても通いたくなるようなシャイで礼儀正しい女性なのですが、残念ながら今は会社にお勤めだそうでお会いするチャンスはなさそうです。
いろいろと経緯があって、撮影に応じていただいた上、忙しい中を祭りの案内までしていただきました。

ちょっとフレアっぽくなってしまいましたが、珍しくピントも露出も及第点というところでしょう。
惜しむらくはこの日は天気が目まぐるしく変わる荒天のためお肌の発色にまで気が回らず、顔色の悪いような写真になってしまいました。
ポートレイトの達人の域に達しているksmtさんでも同じ位置からの撮影で、肌の色が同様になってしまっているので、これはペッツバール特有の問題を露呈させてしまったかたちです。

彼女のイメージは、時代劇に決まって登場する、ハンサムなお侍さんに恋心を抱く町の甘味処のひとり娘そのもので、シャイ故に気持ちは伝えられないのですが、持ち前の機転を利かして団子を食べに来たお侍さんに操作のヒントを与え、やがて悪党を退治するきっかけをつくる影のヒロインそのものです。
やがて、お侍さんにもその気持ちは伝わり、周囲の祝福も手伝いめでたく結ばれるというストーリーが待っているはずですが、残念ながらksmtさんもわたしもそんなお侍にはなり得ず、お寒い写真を撮ってすごすごと退散するより他ありません。
来年は美しく撮影してリベンジしたいですが、彼女は日曜日が休めるとは限らないそうで、そのチャンスが訪れるかどうか。

大磯は昔から別荘地・保養地として東京から訪れる人が多かったようで、それは早くも明治に東海道線が開通して短時間に移動できるようになったことと無関係ではないようです。
わたしたちは彼女を撮影できたことを区切りとして祭りを後にし、駅から近かった旧島崎藤村邸を見学しました。
藤村が当時のサラリーマンの30年分の給与と同等の1万円で買い取ったというのは昭和の話ですが、江戸時代の宿場祭りから直接来てみると古風な佇まいに意外に違和感を感じません。

職員の方に質問したり話を聞いたりする中で、かつて俳句の道場だったという鴫立庵や古い和菓子の店を教えてもらい、地元の人との触れ合いを感じながらの散策を続けました。
翌週には水産物の市が、その次の週には農産物の市が開かれることも教わりましたが、なかなか足をむけることができず残念です。
大磯には、昨年のドラマでも話題になった再建を目指す吉田茂邸がありますし、周辺は別荘が立ち並ぶ美しい立地もあります。
また、八重の桜で誰もがその名を知ることになった新島襄が晩年保養に訪れ息を引き取ったのもこの地ということもあり、大磯は近代史に関心を持つ人にはぜひ散策して欲しいところだといえます。

鴫立庵を見学したので、最後に素人俳句(川柳?)をひねり出したところで失礼させていただきましょう。

 松の木に まだ伝わりし あたたかの

【X-E1/Vallantin 7cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Vallantin 7cmF3.5 | trackback(0) | comment(2) | 2013/11/17 Sun

美女太黒

Vallantin 7cmF3.5
神奈川宿のksmtさんと藤沢宿のわたしは、遠路大磯宿にて合流しましたが、ここでの道中はほとんどずっといっしょです。
わたしは、今やペッツバールの大家となって、人物撮影に勤しむksmtさんにならって同じように撮影してみることにしました。
ksmtさんは古いコスチュームの皆さんに声をかけては、モデルをお願いしていきます。
そのときに合わせて、このレンズは人物撮影用に製造されたものなので風景は撮れず、ポートレイト撮影していますと説明することは忘れません。

こういうイベントなので断られることはまずないですが、小心者のわたしはこのような声掛けが苦手です。
しかし、ksmtさんと寄り添っているうちに、なんだか申し訳なくなって、何度か率先して撮影依頼をできるようになってきました。
昨日の酒屋娘さんたちがその第1号で、今日が第2号ということなります。
襟元に書かれている通り、品川から来ていた海苔屋さんなのですが、その品川の宿場祭りにもわたしたちは出向いていたので話が盛り上がり、撮影もお願いしやすく助かりました。

ふたりは、こう並んでいるとよく似ている美人母娘ですが、別々に会ったらそうは気付かないくらい似ていないという不思議さがユニークでした。
ksmtさんはお母さんが美人でと言っておられましたが、わたしは娘さんのやわらかな優しい表情に典型的な日本の可愛らしい美人を感じます。
ご両親の仕事を熱心に手伝っている姿を見ていたという贔屓目もあるかも知れませんが、現代的美人顔に対するむかしから愛され続けた日本の女優のような親しみある美人と感じるのですね。

ksmtさんを見習いながら露出の失敗はショックです。
使い方が悪いのか、X-E1ではときどきEVF上で適正に見えているのに、撮影後見るとオーバーだったりアンダーだったりということがしばしばありました。
警戒して、段階露出していたのですが、適性の2枚のうち1枚はお母さんが瞬きの最中で、もう1枚は右に寄りすぎてしまっていました。
X-E1のファインダー内には撮影情報記号のところの下地がブラックになっているのですが、シャッターを切るとそこまで写るような構造になっていて、フレーミングが大切なときにはなかなかうまくいきません。
1枚目を犠牲にして2枚で修正するイメージですが、その1枚目がいちばんよかったのにフレーミングがずれてしまっていたというわけです。

大磯の写真を見ていくと、ピンボケが多いですし、今日のような露出の失敗もあってどうもカメラをうまく使えていないということが目立ちます。
単に技術や資力の問題なのですが、そこにはすでにカメラを買い替えるための口実づくりのために無意識に失敗を繰り返したのではとの疑問が残ります。
購入からそれなりにずっと気に入って使い続けたX-E1でしたが、最後に来て恩を仇で返すようで申し訳ないなと思います。
【X-E1/Vallantin 7cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Vallantin 7cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/16 Sat

再見富士

Vallantin 7cmF3.5
今日、わたしとしては人生初の体験をしました。
大袈裟に書くほどのことではないですが、新しいカメラを発売日当日に買ったのです。
カメラはソニーのα7です。
デジタルミラーレスのフルサイズですが、2機種同時発売されたα7のうち、わたしはもちろん安い方を購入しました。
念願のフルサイズですが、わざわざ発売初日に買うこともないとは先日ここに書いたりもしましたたが、当日お昼に新宿の某店に問い合わせると今日中に取りに来るなら1台取り置きますよの返事があり、しばらく入手難なのではと考えていたわたしは思わずお願いしますと即決してしまいました。

R-D1でデジタルの世界に入りこみ、その後M8へのステップアップも果たしましたが、皆さんがそうしたようにM9を買うだけの資力がありませんでした。
M9の中古相場が下がったタイミングで買おうと考えていたところ、M10が出るとの噂が流れます。
ライブビュー機能が付くとの話があり、そうであれば距離計連動しないレンズも使えるのではないかと方向転換します。
しかし、いざM10がライカMの名で上市されると、急な円安のために価格は予定よりはるかに高く、さらには常時品薄状態のため、早々に購入を諦めざるを得なくなりました。

そこへ続いて登場したのが、ソニーがミラーレスのフルサイズ機を出すらしいという噂でした。
ミラーレスですので、これも距離計連動は不要で、フジX-E1+ペッツバールの組み合わせで連動しない望遠レンズが常用になっていたわたしにとって、NEX用アダプターだけ買い足せばよいというありがたい話でした。
価格は25~30万円くらいではとの説が流れていましたが、それでもライカMの半額以下ですし、実際の価格はわたしの購入した安い方で予想価格の半分の14万円弱という破格値でした。
未だ財布の中は寂しい状況ですが、いまカードで買えば決済はボーナスの後になるからなどと耳元で囁く悪魔の声が突然して、今日、電話したという次第です。

X-E1は今年の2月に買ったばかりでまだ1年経っていません。
こうも早々に機種変更することには罪悪感がありました。
しかし、見づらいEVFのためにピント外しが頻発するのが悩みの種で、夜間での見づらさはさらなる問題があり、先日のベトナムでは3人の美女にピント合わせができずに悲しい思いをしたばかりです。
このベトナム娘たちが発売当日の購入にわたしを駆り立てたと言えるでしょうか。

そのX-E1ですが、α7が主力になれば不要になるのは明らかです。
これまで使用してきて愛着を感じないではないのですが、残念ながらα7の下取りに出してしまいました。
フジにもフルサイズミラーレスを出すという噂があるので、そのときにはまた再度の機種変更があるかも知れません。
ソニーNEXとフジXでは、フジの方がレンジファインダーカメラのような臭いが濃厚で、同性能同価格であればフジにより惹かれるからです。
とは言え、手許にX-E1はすでにありません。
明後日までの作例が、X-E1最後の3枚になります。
【X-E1/Vallantin 7cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Vallantin 7cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/15 Fri

満1歳

Vallantin 7cmF3.5
大磯では遅れて到着したわたしがksmtさんに合流してからは、ほぼずっといっしょに散策しました。
久し振りにあって話すことがいろいろあったからということがあります。
趣味の世界では自慢話をしたり聞いたりというのが愉しいものですが、普通の写真関係とは違ってペッツバール愛好家なんてそれこそ世界に数えるくらいでしょうから自慢する相手はごくごく限られます。
ksmtさんはせいぜいわたしに話するしかありません。

しかし、世の中にはそういう変わったものに興味を示してくれる人が時々はいます。
特に江戸時代の雰囲気を出すための演出がある宿場祭りのような場面では、それなりに古いものに関心がある人は全国的な平均よりずっと高くなるようです。
面白いレンズですねと声をかけていただくこともありましたし、そうでなくとも何打ありゃとばかり見入っている人もけっこういたりで、わたしたちの自慢欲は普段以上に満たされたと言えるでしょう。

わたしがちっぽけなペッツバールレンズをミラーレスカメラに付けていたのに対して、ksmtさんは堂々たるフォクトレンダー125mmとダルロー100mの2本を付けていたので、注目度まったくが違っていたのに気付きました。
ふたり並んで歩いていると、まずksmtさんのペッツバールに気が付いて、しばらくしてから、おやっ、隣の人もちっちゃいけど同じようなレンズを付けているなとどうにか気付いてもらえるというパターンが多かったようです。
金色の真鍮鏡胴はいへん目立ちますが、それでもレンズは大きければ大きいほど注目度が高まることがよく分かりました。

負けじと200mmとか300mmのペッツバールで対抗したいところですが、なかなかそういう訳にもいかない事情があります。
そのクラスのペッツバールは数が比較的豊富で入手しやすくもあるのですが、デジタルでの使い勝手はたいへん厳しいのです。
今回のような狭い会場で撮影しようとすると相当後ろに下がらないと超アップになってしまうなど、取り回しがたいへん困難ですし、重くて持ち運ぶだけでもイヤになってしまいます。

もうひとつの問題は焦点距離が長いほど中間リングが長くなり、ヘリコイドの繰り出しも大きくする必要があるということがあります。
焦点距離200mmを例にすれば、レンズの主点から焦点面までの距離が200mmということは、ペッツバールレンズの場合だいたい鏡胴の中間からカメラの撮像素子まで20cmあることを意味していて、ヘリコイドと中間リングが15cmくらい、全体で25cmくらいにはなってしまいます。
こんなものが目立つのは間違いないですが、首から提げれば肩こりしそうですし、人の多い今回のような会場ではうっかりすると真鍮の塊で子供の後頭部をどんとぶつけることにもなりかねず危険です。
目立つうえに取り回しよく人を傷つけることもない、100~150mmくらいのペッツバールこそ一番ということでは間違いありません。

さて、作例は後ピンになってしまいがっかりなのですが、かなり古い衣装に身を包んだ赤ちゃんとお母さんのショットです。
ksmtさんが話しかけたところ、昨年もわたしたちが同様のペッツバールで撮影していたことを覚えていると言います。
わたしたちもそういえばあの時お腹の大きかった女性がいたと思い出し、そうですあのときの子どもがまさにこの子ですと教えてもらいました。
小さな感動を覚えずにはいられません。
ペッツバールがつないだ何とも不思議な縁を彼女も理解しているのか、素敵な笑顔で応じてもらいました。
【X-E1/Vallantin 7cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Vallantin 7cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/14 Thu

古典鏡頭的行情

Vallantin 7cmF3.5
実用品とは言いかねるペッツバールタイプのレンズは、個体数の少ないこともあって価格相場が確立していないようにわたしは思っています。
状態良好でカメラもいっしょになっていれば博物館に飾られるようなものなのですから、コレクターもかなり存在すると想像され、歴史的骨董品としての価格が付けられることでしょう。
状態の悪いレンズ単体だと骨董コレクターは関心を示さないので、数少ない歴史的レンズコレクターか実用したい人間が、わたしならこの値段であれば買うというところで価格が形成されているようです。

先日オークションで幸運にも落札できたペッツバールの1本は、外観ボロボロで焦点合わせ機構が消失していましたが2万円ほどでした。
その直前同様のレンズでコンディション良好、かつシリアル番号181番というとても古いレンズが同じオークション出たときは、なんと最終価格が80万円を超えてしまいました。
それが相場だといえばそうなのかも知れませんが、やはり欲しい人の入札額がその価格になったということを確認できたように思います。

さらにそのあとになって、コンディションまずまずで革キャップとウォーターハウス絞り1枚付のイギリス製ペッツバールを4万円弱でこれも幸運にも落札することができました。
先の2つのペッツバールの価格の比較で言えば、10万円とか20万円になってもよさそうなものです。
当然わたしはそこまで出すつもりはありませんし、他の人もそう考えたのでしょう。
結果、4万円以上出そうという人は現れず、オークションに参加した数名のみによって、価格が形成されたと言えるでしょう。
だから、次回同様の出品があったとしても同程度の価格で買えるという保証はまったくありませんし、わたしとしてはかなりの幸運によってこの2本を落札できたに過ぎないと考えています。

大磯宿場祭りでは、江戸時代のスタイルの衣装をした人たちから何回かレンズのことを尋ねられました。
ksmtさんは、製造年代や時代背景などを説明し、現在のレンズ同様よく写ると液晶を見せています。
わたしは、こんな古いレンズをデジタルで撮影して愉しんでいる変わり者はたぶん世界中に20人くらいしかおらず、われわれはそのうちの2名ですと自己紹介しました。
20人なんてまったくの適当な数字ですが、大判カメラではなく、デジタルカメラにアダプティングして常用している愛好家は世界に何人いるのか気になっています。

ksmtさんのようにほとんどペッツバールばかりを持参して、撮影結果を自身のホームページに載せ続けるような人は皆無のように思いますが、一眼レフユーザーであればペッツバールでの撮影はそれほど難しいことではないので、1本だけ入手してときどき撮影に使っていいるという人は意外にいるのではと想像しています。
実は、わたしが最初にペッツバールをデジタルで撮影したものを見たのはほかでもないknpmさんのホームページで、ダルマイヤーのペッツバールでの教会で祈る人の写真があまりに美しく、これに痺れて自分でもダルマイヤーのペッツバールを購入してライカM8用に改造してもらったのがわたしの出発点でした。

当時100mm以上焦点距離のレンズを距離計連動できるなどというのはMSオプティカル以外では考えられず、ライカでペッツバールの撮影した世界初の試みだったのではとひとり興奮したことを思い出します。
期待通りダルマイヤーのペッツバールはすばらしい写りを見せてくれたのですが、きっかけになったknpmさんの教会の写真のような美しいものはわたしには撮れませんでした。
【X-E1/Vallantin 7cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Vallantin 7cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/13 Wed

白天喝清酒

Vallantin 7cmF3.5
昨日は食べる話ばかりになってしまったので、今日はもうちょっと高尚な話と言いますか、飲み屋さんもあったということを書きたいと思います。
国道1号線から松並木に入ってすぐのところに、酒屋さんがあって店先で日本酒を売っているのですが、祭りの日には、大磯の地酒をグラスでも販売しているのです。
実際には紙コップなのでグラスではなくペーパーというのですかね。
1ペーパー250円で、比較的甘口タイプとやや辛口タイプの2種が選べて、昼間っからあれなんですが、お祭りというんでけっこう呑んでいる人がいます。

わたしは下戸ではないのですが、ビールでも飲めばすぐ赤くなって気持ちよくなるレベルなので白昼に日本酒というのは危険なのですが、ローカルフードをいろいろいただいていて、お酒をパスという訳にもいきません。
ksmtさんも同じようなもので、この日もたった1ペーパーのお酒でふたりして酔っぱらってしまったのですが、その後撮影が上向いたのですから好しとしなければなりません。
はたから見れば、ふたりしてペッツバールで撮影して、同じようにほろ酔いご機嫌で、面白い奴らだなあくらいに映っていたに違いありません。

しかし、お酒の趣味は違っていて、わたしは辛口の方が断然好きでしたが、ksmtさんは甘口の方が美味しいと言っていました。
わたしはワインではまずは絶対に赤を飲みますが、きっとksmtさんは白ワインの方がすきなのではないかと思いました。
ワインと言えば、今回は写真展直前のため大磯に同行いただけなかったknpmさんが自他ともに認めるワイン通だと聞いているので、ぜひアウトドアの撮影に3人でワインを飲んでみたいものです。
わたしはボトル半分もワインを飲んだらかなりやばいですが、1/3ならどうにか持ちこたえるでしょう。
夏場はやはりビールですが、他のシーズンはワインが好いですし、そうでもしないとわたしなどなかなかワインを飲む機会がありません。

閑話休題。
この酒屋さんは看板4人娘がいて自らすでに飲んでいるせいか口は滑らかで、いろいろ話も聞かせてくれてそれがまたいいのです。
さらには、そのうちのひとりの旦那さんがハーフナー・マイクにちょっと似た細身のイギリス人で、去年の作例に使わせていただきましたが、彼もまた日本語上手で好い感じなのです。
そういう訳で、去年に続いてここでは何枚も撮影させていただき、たいへんお世話になったのでした。

作例はKBM4(看板娘4人組の意)のうちのふたりで、店番にも飽きたらしく、日本酒をなみなみとついだペーパー片手に歩いているところをつかまえて、再度撮影させてもらったところです。
着物の上から法被とか前掛けが意気ですねとか言っているとびりの女性は自慢の法被の背中を見せるためにくるりと後ろ向きになってしまいました。
ksmtさんはこういうポートレイトは今まで撮っていないなあと苦笑しつつも、ポーズは気に入っている様子です。
ただ、この法被は反日韓国人が見たらやはり怒り出すかも知れませんので、お気を付けいただきたいですね。
【X-E1/Vallantin 7cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Vallantin 7cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/12 Tue

扇貝很好吃

Vallantin 7cmF3.5
11月10日の日曜は、大磯宿場祭りに出掛けてきました。
昨年に続いてksmtさんとふたりで、この小さくてローカルな催しを楽しんできました。
大磯は地元とは言えないのですが、会場の松並木の旧東海道の一帯は、わたしが幼少を過ごした辻堂の風景と少し似たところがあって、記憶を呼び覚まさせられるような楽しみもあります。

会場付近には神社やお寺もあるようですが、この祭りは神輿が出たり何かを祈願したりということはなくて、東海道の宿場町同士が連携してその宿場当時のスタイルを活かして盛り上がろうというような、横のつながり重視の町おこし的イベントという感じです。
地図で見ると会場の松並木は300メートルほどしかなく、当時の街道はこんなものだったのか車がすれ違えないくらいの道幅しかありません。

町おこしということならば多くの人に来てもらいたいところですが、会場がこれだけ狭いと見終わるのに30分もかからないくらいなので、なかなか周辺自治体からも観光客が集まるというところまでいかないようです。
地元の人が運営して見に来るのもほとんど地元の人という感がしないでもないですが、今回はそんなローカルさがわたしたちの2度目の訪問とぴたりと嵌まって、楽しませていただきました。

作例は、たぶん地元のパン屋さんが出店しているのだと思いますが、お客さんも地元の人なので何もお祭りで買わなくてもその店に足を運べばいつでも買うことができるだけに、売れ行きとしてはどうなのかなあと心配になりました。
ただ、われわれのような外部の人間は、こういう元気のある地元のお店で買ってその場で食べられるのは大歓迎で、パンやらみそ田楽やら、豚角煮入りちまきやらと次々と買っては頬張っていました。
じつは、写真を撮っている時間は少なくて、しゃべったり食べたりしてばかりだったのですね。

宿場町同士の連携ということを書きましたが、何軒か他県から来ているお店もあって、品川の海苔屋さんとか、由比のサクラエビや魚などのお店などもありました。
ksmtさんご出身の関西の宿場からも出店があったのですが、民芸品もどきの携帯ストラップとかそういう系統のものを販売していて、ちょっときつい言い方かも知れませんが、この雰囲気のなかではまずはあまり売れなかったのではないかと残念でした。
わざわざ遠方から来たのであれば、もうちょっと工夫いただきたいと思いました。

個人的にはそこに行かなければ食べることができないような、おやつスナック系統を薄利多売で持ってきてほしいです。
いや、現状でも食べたいものがあちこちあって、食い過ぎの感もあったのでこれ以上いろいろな食べ物があっても困るだけかも知れないですが。

ちなみに、今回の白眉は、三陸産のホタテ貝を炭火で焼いたものでした。
ホタテってわたしはあまり美味しいというイメージを持っていなかったのですが、ツブが大きくってやわらかく味がつまっているようなホタテをその場で焼いてもらうとこうも旨いのかと鱗が剥がれた思いです。
東北では、宮城の震災後のカキの再生をニュースで見て、逆に勇気づけられたりしたのですが、ホタテも侮れません。
もつともっと広めていただきたいものです。
【X-E1/Vallantin 7cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Vallantin 7cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/11 Mon

魅力的石段

Summicron 3.5cmF2
古い石段は好いですね。
古鎮はバーチカルに延びる建物のラインばかりですが、階段のパラレルのラインは視線をそこに集める力があるように思います。
さらに石段の下と上で建物が重層的に交わって見えるので、小さな村に立体感の迫力も加わります。
訪れた重慶古鎮はみな山間や坂の途中にあったので、このような個性的な町並みを愉しむことができました。

重慶ではいくつもの石段を見てきましたが、いちばん美しいと感じたのが作例の階段です。
両サイドに民家とその屋根が迫っていて、しかもそこには生活環が溢れていますし、屋根と屋根の間から朝の太陽が顔を出して石段に絶妙の陰影を生んでいるのがすばらしい演出になっています。
典型的なさわやかな朝の風景に見えますね。

作例では分かりにくいかも知れませんが、石段は中央部ばかりがすり減っていて、光が織りなす陰影に表情を加えています。
路孔は200年以上の歴史があるようでこの石段もその頃からのものかも知れません。
しかし、それにしても車などではなく、人間が歩くことによって石が窪むようになるほどすり減ってしまうのですね。
人間の営み恐るべしです。

同様の石段が鎌倉の建長寺にもあって、わたしは以前から気になっていました。
ただし、こちらは現在立ち入り禁止になっています。
日本のきっとどこかに、未だ人々に利用されている擦り切れきった石段があるに違いありません。
いつか探しあてることができたらと思います。


さて、前回の麗江のときにズミクロンとORTHO25フイルムとの組み合わせで見たことのないような描写を得られたので、今回も同じレンズとフイルムを組み合わせてみましたが、結果は前回とはだいぶ違ったようです。
もっともレンズは同名でも違うもので、前回は放射能レンズとも言われる希土ガラスを使った5cmの沈胴ズミクロンで、今回はいわゆる8枚玉の3.5cmズミクロンを使っています。
次の機会には、もういちど沈胴ズミクロンを試してみたいものです。

とは言え、8枚玉の逆光での素晴らしい描写も特筆しないわけにはいきません。
上部のコントラストが落ちたところでもしっかりと解像しているのがうかがわれ暗部の表現力も含めて、これはプリントしたら面白い画が得られるのではと思いました。
でも、フイルムのプリントだとズミルックスがまた好いのですね。
今後は、長焦点は依然ペッツバールでいって、広角・標準ではライカレンズの出番を増やさないといけないと考えています。
【M6/Summicron 3.5cmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 1st | trackback(0) | comment(2) | 2013/11/10 Sun

人家豊富

Summicron 3.5cmF2
大勢の人が苦手という方は多いと思いますが、わたしもそんな中のひとりです。
大混雑の通勤電車で自宅と会社を往復する毎日なので、せめて非日常くらい人の群れから遠ざかっていたいと考えています。
では、なぜ人で溢れる中国にばかり行くのだと追及されそうですが、行かなくてはならない理由がありまして、ただ、自分の時間があるときは中国にあっても田舎に逃れて人間の大群からは逃れるようにしているつもりです。

中国の田舎でも、基本的に有名観光地は人の多さに辟易されられてばかりです。
北京外れの万里の長城や頤和園、上海から2~3時間で行ける江南の水郷の村々、四川の九寨溝などはそれはもうすごいものでした。
わたしがライフワークで訪れる各地の古鎮も、人気の場所になるともともとが狭いところにあるだけにとんでもないことになります。
とにかく有名どころはせめて平日に行くとか対策しないと、大騒ぎする中国人の団体などに囲まれたら風情も何も楽しめたものではありません。

その点では、9月に訪れた重慶古鎮はそれほどメジャーではなく、省外から訪れる人の少ない静かなところばかりだったのは幸いでした。
今日の路孔の作例を見ると、嘘つけ、かなりの人がいるじゃないかとお叱りを受けそうですが、よく見ていただくと分かるように、いるのはローカルの人ばかりで、これはむしろ古鎮にはなくてはならない存在なのです。
古鎮にもし人がまったくいなければ、本当に廃墟になってしまい、恐怖さえ感じるかも知れません。
生活臭とか活気が感じられるのが好いのです。
特に老人に笑顔があって、子どもたちが無邪気に遊ぶさまが見られれば、こちらもつられていい義憤になってしまいます。

観光客がいないような中で、これだけのローカルな人が見られる古鎮というのはやはりなかなかありません。
農業以外に産業がない中では、若者はすぐ村を離れてしまいがちですし、結婚してからは家族を養うためにやはり都会に出稼ぎに行ってしまい、働き盛りの世代を見ることは少ないです。
さらには老人も中国の過酷な現代に生きたせいか長寿ではないというケースが多いのではと想像できます。
古い住宅は電気やガス、シャワーやトイレの後付が簡単ではないので、家を離れる人も少なくないはずです。
それら人の減少理由がいずれも当てはまらなかったのが、この路孔古鎮ということなのでしょう。

とは言っても、やはり作例を見ると写っている人々の年齢は予想通りかなり高いのは間違いありません。
今は安泰であっても10年後・20年後がどのようになっているのかはなかなか想像が付きません。
中国経済がずっと現状維持したとしても、たぶん今より人々の生活や人口分布や良くなっているということはなさそうです。
巷間言われるように、今の政府はこの国を延命させているだけで、やがて崩壊が始まるのではと心配です。
そうなっては、暴動や犯罪が頻発して古鎮は体を為さなくなっていくように思われます。
人がいなくて廃墟のようになった村はつまらないですが、緊張が漂うような治安の悪化した古鎮はもっと嫌です。
中国の政策は危機感によって少しずつ庶民寄りに改善されてもよさそうなものなのに、一向にそういう気配すらないのですから、いよいよ終末が近づいているのではと不安に思うのはわたしたち外国人ばかりではなさそうなのです。
【M6/Summicron 3.5cmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 1st | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/09 Sat

蘭博基尼之女人

Summicron 3.5cmF2
路孔という古鎮に着いたとき、ちょうどテレビドラマの撮影をしていたことはたぶん9月のブログに書いたのではないかと思います。
古建築が並ぶ街並みのはずれに、あまり古いとは思えない、しかし立派な寺があり、その敷地をいっぱいに使って中国の時代劇の撮影をしているようでした。
美人女優がいればぜひともペッツバールで撮影させてもらいたいところですが、そういうわけにはいきますまい。
寺の前の広場に立ち入り禁止のテープが貼られそこに村人が何人か遠巻きに様子を見ていましたが、そこからでは撮影しているところが見えるわけでもなくて、女優のポートレイトはあきらめて古鎮散策に向かいました。

夕方になって散策も古鎮を1往復してまた寺の方に戻ったところ、ちょうど撮影は終わったところのようで、規制のテープは外されけっこうな村人で広場が埋まっていました。
その中でけっこうな人だかりになっているところがあります。
美人女優かとわたしもそちらに向かいましたが、女優以上の村人の関心事なのでしょう、人々は車に群がっていたのでした。
車と言ってもひと目で分かる超高級スポーツカー、かつてスーパーカーと言われたような車です。
そのスーパーカーブームを小学校の頃意見したわたしは乗ることには無縁ですが、それがランボルギーニだということは分かりました。
ただ、分かるのはそれまでで、車名や価格は一切合財不明です。

検索するとそれはたちどころに判明しました。
細かいグレードまでは分かりませんが、ランボルギーニ・アヴェンタドールというのが外観がそっくりで間違いないでしょう。
なになに、6500ccのV12エンジンで700馬力、日本での新車価格は4000万円以上のようです。
やはりわたしには一生無縁の代物でした。
こんなのに乗っているとなると相当な人気俳優と言うことでしょうか。
その期待も含めて、人々はこの車に集まっているようでした。

しばらくたっても車の主は現れないので、人の群れは引けてしまい、大物俳優のポートレイトをと意気込んだわたしもあきらめて撮影が行われた寺の中を見物したりしました。
ひととおり見てまた車のところへ戻り、せめてランボルギーニだけでも撮ろうとカメラを取り出したところ、なんの前触れもなしに持ち主がやって来ました。
それはあまりに唐突でしたし、人気俳優か監督かプロデューサーかは知らねど、まさか女性だったとは想像もできませんでした。
作例の中央、20代後半くらいに見える若い女性が、ドアを閉めたところを撮影しました。
その女性も車を見物に来たのかと思い、ドアを開けるところはまったくノーマーク状態でしたので。

真後ろの3人組の、ええっ、あの女がオーナーだってというようなリアクションがよいですねえ。
腕組みおじさんカバンの女性は、ううっ、こんなことがあっていいものかという顔で見ています。
かたわらの少年は、ぼ、ぼくを養子にしてください、と歩み寄るところでしょうか…。

結局、この女性の正体は未だ不明のままです。
女優である可能性が高いのではと思い、何人か知り合いに見てもらいましたが、みな口をそろえて見たことないと言うばかりです。
こんな車に乗っているのもすごいですが、こんな場所に無造作に置きっぱなしにできるところもまたすごいと思います。
一体、彼女は何者なのか。
中国の友人と話し合っての結論は、超ベテラン有名俳優の愛人ではないか、ということに落ち着きましたが、果たしてどんなものでしょう。
【M6/Summicron 3.5cmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 1st | trackback(0) | comment(2) | 2013/11/08 Fri

比相機期待大

Summicron 3.5cmF2
カメラが大好きという人なら、多少の荷物になってもライカMやニコンFなどのフイルムカメラをメインに、コンパクトデジタルをサブに、旅に出る人は多いのでしょう。
実際の撮影枚数はコンデジの方が多くなったとしても、その人にはライカやニコンを主に撮影したという気持ちは揺らいでいないと思われます。
たいへん羨ましいことです。
重慶の旅でのわたしは、APSサイズのデジタルカメラがメインで、ライカM6の方がサブになってしまっているからです。
デュブローニのペッツバールタイプレンズがメインになっているので仕方ないのですが、カメラだけ見ればおいおい主従が逆じゃないかと怒られても仕方ありません。

去年の今ごろ、発売が噂されていたライカMを購入すべく準備を進めていました。
しかし、翌年発売してみると、ライカMはあまりに高価で、購入希望者多数で品薄だというのもあって価格が下がる見込みはしばらくなさそうです。
手に入れるのはあっさりあきらめ、さらには愛用のM8もシャッターに不具合が起こり、フジのミラーレスカメラに替わりを求めました。
もともとR-D1でデジタルをデビューしていたので、ライカを離れていた時期も長いのですが、距離計連動を必要としないX-E1を使用したことが、ライカから大きく遠ざかる原因になります。
ちょうどその頃からペッツバールレンズに魅了されるようになったからです。

それまでは望遠のペッツバールでもMSオプティカルに依頼してライカの距離計連動に改造してもらっていたのですが、レンズ購入価格より改造費の方が高くなってしまうのが悩みでした。
しかし、EOSマウントに難なく改造することができるksmtさんが、わたしのレンズも改造を引き受けてくれました。
すでに4本の愛用ペッツバールがEOSマウント化したことで、修理から戻ったM8は出番を失うことになります。
そけとともにソニーから安価なフルサイズミラーレスが登場するという話に大いに興味をそそられることになります。

SONYα7は再来週にも発売予定で予約を受け付けているようですが、広角レンズはケラレるなどの話もあって、別に慌てて買うこともないかと今一度考えを巡らせているところです。
旅で使うことも多いので電池の耐用度が気になるのと、EVFの重要性をベトナムで認識してその使いやすさがポイントになるかと思っています。
こういった情報はネット上でかなり正確に確認できるので、貧乏ユーザーとしてはそれらを確認してから量販店に実機を触りに行くくらいの悠長さでじゅうぶんです。
150年も前のレンズを使っているのですから1か月くらい遅れて買ったって何のこともありません。

それよりも最近のわたし自身のビッグニュースとして、もう購入は難しいのではと思っていたペッツバールタイプのレンズを2本立て続けに入手できたことがあります。
まだ到着したばかりで試写すらしていないどころか、正確な焦点距離も分かりません。
2本とも10cmよりは少し長いようで、使い勝手はこれまでのペッツバールより悪くなるかも知れません。
今回もksmtさんから改造の快諾をいただいているので、近いうちにサイトにてレンズの様子や撮影結果を公表してもらえると思います。
やはり、ソニーのフルサイズカメラよりも、わたしにはこの2本の方が間違いなく楽しみです。
【M6/Summicron 3.5cmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 1st | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/07 Thu

山羊和地鶏

Summicron 3.5cmF2
昨日の作例は塘河だと自信満々に書きましたが、今日の作例を見たときに間違いに気づきました。
昨日と今日は、塘河の次に滞在した松既でした。
訂正してお詫び申し上げます、といってもこんなことは、わたしを除くほぼすべての人にとってどうでもよいことなのですが。

なぜ気付いたかといえば、作例の市場へ行ったプロセスが思い出されたからでした。
昨日のとても明るい女の子に会いに行こうと、朝から彼女に出合ったところまで行ってみたのですが、残念ながら彼女自身のみならずおじいちゃんやおばあちゃんの姿も見つけることができず、そのまま気ままに散策を続けていました。
古鎮を出て村のメイン通りを歩いていると6匹の犬を引き連れた老夫婦がいて、何だあれはと接近すると、それは犬ではなく真っ黒な山羊でした。
山羊はもちろんペットではなく売り物で、わたしが接近して写真まで撮っているものですから、おじいさんは買おうとしているのかと勘違いしたのでしょう、しきりに商談しようとするので逃げるようにその場を立ち去りました。

そのとき、ようやく籠を背負った人が2~3人歩いている気配から、きっと朝市が行われているに違いないと気付いて、同じ方向に歩き出してみました。
まさに市場が、何でここにあると分からなかったのだろうというくらいすぐそばにあって、しかも想像以上に規模が大きく売り手と村人たち、そして、売られ手である動物の熱気で、ただならぬ盛り上がりです。
中国には市場なんて至るところに存在しますが、雨避けとかお日様避け、あるいは衛生上の理由からか建物の中に設置されているものしかまずはありません。
東京ドーム半個分くらいはありそうな広さでの露天市場というのは、たぶんわたしは初めて見たでしょう(端の方には管理用の建物がありそこに隣接するところでは屋根があります)。

古鎮とは別世界に来た興奮でなんだかあちこち歩き回ってしまいました。
扱われていたのは、肉類、生きた鶏系、魚、野菜、果物、雑貨(なぜかとても少ない)、そして衣類でした。
衣類のディスプレイはなかなかユニークで、鉄パイプで建設現場の足場のような高い骨組みがあって、そこにハンガーにかけた衣類を1枚1枚隙間なくびっしり吊るしていきます。
ざっと5段×10列が2つで100枚の衣類が整然と高い位置に並べてあるさまは壮観でした。
これは翌日滞在して連れて行ってもらった路孔の市場にも小規模な同様のものがあって、その設置を見ていると者押し竿のような長い棒で上から1枚ずつ架けていくという骨の折れる作業で、設置完了まで優に1時間以上を要していました。

それ以上のこの市場の出色と言えたのは、作例の鶏が扱われている一角でした。
日本にも名古屋コーチンとか比内地鶏など多種多様の鶏がいることを考えれば当たり前のことだったのでしょうが、ここで見た鶏の種類の多さには驚かされました。
鶏は種類ごとに柵の中に入れられているのですが、この柵は実によくできていて、鶏が売れてスペースができてくると柵の円を狭めていくことができます。
そのまま広げれば簀の子状になっていて、使わないときはゴザのように小さく丸めることができて、農家から市場への移動がコンパクトにできるよう工夫されているようです。

藁の束が柵の上に乗っているのが見えますが、これがまた農業におけるリサイクル品にもかかわらず万能の素材で、彼らがかぶっていた帽子はもちろん、柵の施錠にも使ってましたし、ここではもっぱら売れた鶏の足を縛るのに利用していました。
自分の運命を悟って大暴れする鶏たちのの足を意図も簡単に縛り上げてひとセットにまとめてしまう技は、あまりに見事で簡単なマジックを見ているかのようです。

値段のやり取りでは語気が荒く、おっかなそうに見えた売り手たちですが実はとても親切で、旅の途中の外国人で買ってくれないと分かっていても丁寧に鶏の種類の違いや値段の相場まで教えてくれました。
いちばん高いのは安いヤツの4倍以上していてなるほどと思いましたが、名前についてはわたしの語学力では分かりません。
今度はしっかり名前をメモして、レストランでその鶏があればぜひ賞味したいと思います。
【M6/Summicron 3.5cmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 1st | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/06 Wed

記憶中的少女

Opic 5cmF2
旅からまだ2ヶ月も経たないですし、それぞれの古鎮は気に入っていたはずなのに、訪れた村の名前が思い出せません。
地図で確認すると、ああそうです、昨日の村は最初に訪れた福宝で、今日の作例は塘河でした。
実を言うと、旅をしている最中も自分が滞在している村の名前を忘れるということがよくあります。
たまにある失敗は、目的地を目指してバスに乗っていて、車掌にどこで降りるのかと聞かれて、ううっと答えられないことです。
田舎のことなので、ちょっと待ってねと地図で確認してから○○ですと答えられれば問題ないですが、いまの北京でこんなことになったら不審人物でつかまってしまうかも知れません。

覚えられないのは人の名前でより顕著です。
地方を歩いていて現地の人と知り合うと珍しい外国人だとよく携帯番号の交換を求めらられることがありますし、若い女の子と知り合うチャンスがあればそのときはこちらからついつい番号を聞いてしまいます。
するとたちまちのうちにわたしの形態には非常に多くの名前が登録されることになります。
しかし、そんな名前が誰だったかを思い出すことは、まずはできません。
そもそも旅の一期一会で次に会う可能性はほとんどないのですから、初めから覚える意思はないということもあります。

しかし、中国では非常に同姓同名が多く、1字違いとなるとさらに多くなってきます。
コンタクトをとりたい肝心の名前がどちらか分からないといったケースがしばしばでてくるのです。
そこで考えたのが、登録する際に指名の跡に@を付けて地名を入れることでした。
例えば、ここ塘河で毛沢山という人と番号の交換をしたら、毛沢山@塘河と登録しておきます。
似たような名前の人と知り合っても地名で判別できますし、しばらく経ってから携帯をいじっているときにこの名前がでてくると塘河っていえば重慶のあそこだと思い出し、そういえばあのとき毛さんと親しくなったっけなどと連鎖的に思い出したりして、旅の記憶が紡ぎだされノスタルジックな気分になれたりなど期待できるでしょう。
これとて地名を見てそれがどこだか思い出せなければどうにもならないわけですが。

そんな名前や地名より記憶を呼び覚ますインパクトでは写真の方が、強いのは明らかでしょう。
とは言っても似たような古鎮を1週間も旅してまわると、それがどこだったか分からなくなるかも知れません。
そこに人物が絡むとより記憶は鮮明になるのではないでしょうか。
これも、名前@地名と同じパターンと言えると思いますが、写真では、このときの情景が連鎖的に思い出されるのです。

作例では、快活で色白の可愛らしい子と仲良くなり写真を撮らせてもらったのを思い出しました。
おばあちゃんにくっついてばかりでその場から動かないことにふと気づき、ちょっと不思議だと思っていたら、彼女の動作から恐らく背中に障害があってひとりでは立ち上がる動作ができないようだと分かりました。
その間笑顔が絶えない彼女に切ない気持ちといやすごくがんばっているんだなという感心で、おもわず彼女の手をぐっと握りしめたことが記憶によみがえりました。

その後、おじいちゃんと散歩に行くというので同行させてもらったのです。
写真を見ると、おじいちゃんと子どもが何やら会話しているのはいいとしても、顔が隠れたおばあちゃんや車いす、未来を示すような杖の老人など、配置がうまく整理できればとても好いスナップになったのではとも思われます。
ここでも思い出すのは、それが考え付かないほど彼女の笑顔がすばらしく感じ、それを見つめながらわたし自身がちょっとうるうると来ていたということです。
見る人にはダメな写真でも、撮影した人、旅した人には、とても強い印象を残したものというものがあるものです。
写真展には出せないものだとしても、私的なブログでなら思い入れたっぷりに掲載しても許してもらえるでしょう。
【M6/Opic 2inchF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Anastigmat Series O 2inchF2 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/05 Tue

秋天3天假

Opic 5cmF2
せっかくの3連休でしが、あいにくの天気になってしまいました。
今日は午後から晴れるとの予報だったので、お昼を食べてから鎌倉に行こうと思って駅まで向かったのですが、どしゃ降りの雨にたたられてそのまま引き返しました。
その後も雨降りが続いたので無理して行かなくてよかったなあと思います。
写真を撮ることもできなかったので、今週は9月に重慶を訪れたときの作例でお茶を濁させていただきます。

今回の作例はライカM6にモノクロフイルムで撮ったものですが、6月に麗江で使ったORTHO25というフイルムがすごい表現をしたので、その続編を狙いました。
しかし失敗だったのは、麗江は日差しが強く天気にも恵まれた上に6月で日が長くて撮影機会が多かったのに対し、重慶はただでさえ雨の多い土地で旅の最後にちょっと晴れた以外はずっと雨か曇りでISO感度が低いフィルムでは辛いものがありました。

そもそもISO25は、ピーカン時にF1.4クラスのレンズで開放撮影するのに1/1000が使える感度なのですが、当然F2になれば1/500となり、どんよりした重慶の空の下では1/16、1/8が主体でこれならISO100のフィルムを使うべきだったと反省します。
1/8でもしっかりホールドすれば案外手ブレは避けることができますが、デジタルに慣れてしまうと、手ブレしなかったかどうかその場で確認できないのは不安を引き摺るものですし、撮影が慎重になってライカのスナップらしい軽快さが失われます。

作例でも、少女はどうにか止まっていてもらいましたが、子どもはなんだあいつはとばかりわたしの方に歩いて来てしまいブレてますし、少女が手にした帽子はあおいでいたのかかたちも歪んでいます。
1/16くらいでも被写体ブレしてしまうのですね。
そういえば、いま某オークションに出品されているダゲレオタイプの写真で4人が1枚に写っているものがありますが、お母さんがぴたりと動かずにいるのに対して、子どもたちは我慢できなかったのでしょうかなりブレてしまっています。
1840年代のダゲレオタイプの撮影はかなり高価だったからでしょうか、撮り直しはせずにそのままこの写真が残ったことが時代をよく表していると思います。

いずれにしても、動きのあるものをわざとスローで止めない撮り方をする以外、被写体ブレは失敗を意味しますので本来ならここでも使うべきではないと思います。
それでも作例に使わざるを得ないほどこれというものがありませんでしたし、逆に被写体ブレの作例が当時の状況をよく伝えるということで選択の理由になったのでした。
確かにライカを始めたころはISO400フィルム1種類だけで間に合わせていましたが、開放にこだわるようになって2種類以上のフィルムを持参していたことを思い出しました。
このことを事前に思い出さないくらい、デジタルの使用が長くなっているということなのですね。
【M6/Opic 2inchF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Anastigmat Series O 2inchF2 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/04 Mon

越南的法国菜

Dubroni 10cmF3.5
図書館から旧市街までは歩いてもすぐの距離で、前夜あまり寝ていなかったし、図書館までのバスが混雑していたこともあって疲れがどっと出てきてカフェで休むことにしました。
コーヒーが好きでないわたしには意外だったのですが、ベトナムはブラジルに次ぐコーヒー生産量世界第二位の国だそうで、ハノイの町中には至るところにカフェがあります。
一方、友人の方はコーヒー通で事前調査したベトナム一美味しいコーヒーを売る店まで出掛けてしこたま買っていました。
わたしもお試しで200グラムほど挽いてもらったのですが、これが酸味や雑味などのなく香りも柔らかな絶品で、すっかり気に入って毎晩飲んでいます。
ようやくコーヒーが美味しい飲み物だということを教えてくれた旅でもあった、今回のベトナム旅行でした。

小さなカフェでまだこの時は美味しいと感じていないコーヒーを啜っていると、友人が悪いことを言っちゃったねと急に詫びてきました。
実は、図書館の前でバスの中で一緒だった女子大生とその友達と写真を撮るとき、彼女たちを今夜の食事に誘いましょうと持ち掛けたのですが、疲れているしそれはやめておこうと提案には乗って来ませんでした。
ちょっと残念な気はしましたが、友人がそう言うならあきらめざるを得ません。
しかし、友人もカフェで落ち着いてから、せっかくの女子大生との食事のチャンスを逃したことを後悔しているようでした。
考えてみれば、お昼は美味しくなかったですし、前夜も前々夜もベトナム定番料理をオーダー下に過ぎないのですから、現地の人が同行すればよりよい店でいろいろなものを食べることができたでしょう。

それで食事はどうしたかと言えば、前々日に通りかかったところに古い西洋建築のフランス料理のレストランを見かけていて、ベトナムナンバーワンのコーヒー店のすぐ近くだったことから、コーヒーを買ってそのままフレンチということにしましょうかと決まりました。
洋館の外観から高そうなイメージだったのですが、店の前でメニューを見せてもらうと料金はリーズナブルなものでした。
もちろんハノイの物価に対しては効果ということになると思いますが、受付で勧められた前菜、スープ、メイン、デザートがそれぞれ5~6種類から選択できるセットが約2000円で、この洋館で食べられるのなら味がイマイチでもそれはそれでいいんじゃないのかと入ってみることにしました。

結論を言えば、この店は大正解でした。
何がよかったかと言えば、料理もたいへん旨かったのですが、それにもまして給仕してくれたウェイトレスふたりがとても可愛かったんですね。
どうしたことか他に客はまったくいなくて広いホールのような部屋をふたり貸切状態でしたので、雰囲気あるフランス料理のレストランで図々しく恥ずかしがる彼女たちを撮影させてもらいました。
しかし、好事魔多しというのがわたしのいつものパターンで、有頂天に撮影するとご覧の通りの色温度設定ミスで失敗、気を取り直しての友人と女の子のツーショット写真はOKですがさすがにここでは出せず、3~4枚目はピントが合わずともたもたしているうちにマネージャーのような人が来て撮影できなくなってしまいました。

わたしは作例の女の子の方が美しいと感じましたが、友人の方はもうひとりの眼鏡の女の子の方がレベルが高いと譲らず、そのくらいふたりとも素晴らしかったのですが、それはルックスだけではありませんでした。
彼女たちはハノイ大学の学生でアルバイトでここに来ているのですが、それはお金だけが目的ではなくて、専門である国際情勢や経済のことを学んだり、英会話の力をアップさせたり、インターナショナルなテーブルマナーを身に付けたりなどを働きながら得られると期待してのことだということでした。
申し訳ないですが、わたしたちは彼女たちになんらプラスになることなく、もっぱら美味しい食事に花を添えられる喜びを享受するばかりの存在です。
それでも、ここでお金を貯めて、ぜひ旅をして世界を自分の眼で見てくるようにと、アドバイスをしてきました。
大きなお世話だったでしょうけれど。

由緒あり気なフランス料理のレストランで、最後には居酒屋のフレンドリーな店員さんと酔っぱらったお客さんのノリになって店を後にしました。
深夜の便で日本に戻るので時間が押していて、慌ててホテルまでタクシーを走らせて荷物をピックアップして空港に向かいます。
行きの成田のようにチェックインが大混雑だとたいへんでしたが、便毎にチェックインカウンターが決められていたため列は長かったもののさすがに15分も並ぶと手続きは完了してしまいホッとしました。
早朝に成田に到着して、列車の待ち時間にPCを開いてメールチェックすると、そこにはバス停で知り合った大学生からのメールがありました。
帰国して2週間が経ちましたが、彼女とはいまだ毎日メールを交換し合っていて、今度はぜひベトナムの田舎も見てくださいと、実家に遊びに来るよう誘われています。
【X-E1/Dubroni 10cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dubroni 10cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/03 Sun

河内的大学生

Dubroni 10cmF3.5
前日にわしがハロン湾でそうだったのと同様、友人にとってもドゥオンラムは退屈なところだったようです。
わたしひとりであれば、こういう素朴な村の散策は大好きなので夕方までいたいくらいでしたが、彼が機嫌を損ねる前にハノイに戻ることにしました。
まだ2時前と早かったですし、小さな村ではすべての道を歩き尽くすというわたしの古鎮訪問の習慣もあって後ろ髪引かれる思いでしたが、ここでは友情を優先させることにいたしましょう。

村の入り口にはまた来た時とは別のバイクが停まっていて声をかけられましたが、もうバイタクはこりごりです。
10分も歩くと幹線道路に出るのでバスも走っているだろうとにらみました。
その幹線道路が見えて来たところでタクシーが走っているのが見えたので、大声とジェスチャーでアピールすると気付いてこちらまで来てくれました。
来るときのバスの車掌がソンタイからドゥオンラムまでタクシーは80000ドン(約400円)と書いていてくれたので、その紙を見せるとOKとうなづいたのですが、ここで信用してはいかんと何度も何度も確認してからタクシーに乗り込みました。
タクシーは10分かからずソンタイの町に入り、バスの前に停めてこれに乗ればハノイに行けると教えてくれた上に、バスの運転手にもその旨声をかけてくれました(ただし英語ではありません)。
80000ドンを受け取るとサンキューとこだけは英語で言って立ち去りましたが、もともとこの地で会った人々はみな親切で、たまたま乗り合わせたバイタクだけ唯一の悪人だったのだと思いたいです。

バスは、ホテルにほど近いキムマーバスステーション行きだったのですが、ここは工事中で来るときにもバスがなかったくらいですから、到着もまったく違うところのようでした。
ここで乗り換えてくれと言うようにバス停で降ろされ、バスはさっさと出て行ってしまいます。
バスの行先表示票がありましたが、旧市街方面に行くバスがどれか分からず、困ってしまいました。
バス停には人があふれていて、バスもひっきりなしに停まりますが、行先表示がよく分からないのでどうにもなりません。

人に聞くしかないのですが、言葉が通じないので闇雲に声をかけるわけにはいきません。
ちょうどすぐそばにちょっと可愛らしい女の子がいて、きっと女子大生に違いないと思いました。
果たして彼女は近くの大学に通う、しかも英語学科の学生で、ベトナムに来て初めてスムーズな会話をすることになります。
しかも、彼女も図書館に向かうところでちょうど旧市街方面に行くのでいっしょに行きましょうと言ってくれました。
とてもラッキーでしたが、彼女にとってもふだん勉強している英語を日常で使う機会が今までなかったので、突然声をかけられたことになんと幸運なんだろうと感じたそうです。

朝と同様バスはけっこう混んでいてまたしても車掌に立ち位置を指定されましたが、わたしはかまわず彼女の横にポジショニングして彼女と会話してみることにしました。
彼女の方が語学力が上で、わたしはもっぱら質問される立場でしたが、自分も留学生にでもなった気分でどうにか会話を成立させました。
図書館までいっしょに行って、待ち合わせていた彼女の友だちと写真を撮ってメールアドレスを交換して別れます。
ドォンラムでバイタクとケンカになり、地元の人までヤツに加担したのを見てベトナムが嫌いになりかけましたが、彼女に出合ったことで今ではベトナムファンになってしまいました。
【X-E1/Dubroni 10cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dubroni 10cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/02 Sat

日越関係

Dubroni 10cmF3.5
ドォンラムも、村のはずれまで10分も歩くと田園が広がる牧歌的な風景が見られます。
どうやらドォンラムというのは周辺を含めて大きな村のことであって、散策したのはそのひとつの集落に過ぎないのですが、古建築が多く現存しているのと19世紀に著名人が出ていることから、この集落をとくに保存しようということになったようでした。
現状では、適度に外国人観光客が訪れて素朴な古村落の情緒を愉しめているので、この保存活動は成果をあげていると思うのですが、中国の一部の古鎮のようにもっと観光客を呼んで金を落とさせようと考えるようになると、保存は観光開発と変わりドォンラム村遊園地のようになってしまいます。
経済発展著しいベトナムなのでそのような方向に進むことが心配ですが、ぜひ今の状況を維持していただきたいものです。

つい先日のニュースで、日本とベトナムの関係がここ最近ぐっと緊密になっていると特集されていました。
もともと中国に進出していた日本企業が、人件費の高騰と昨年の尖閣国有化に端を発した反日暴動を機にベトナムに生産拠点を移すケースが顕著になったことがそのひとつの理由です。
昨年来ミャンマーが取り上げられることが多かったのですが、アセアン全域やモンゴル等の中国周辺諸国には、同様の動きが広がっていたようです。
そういえば、尖閣国有化のときに中国政府はレアアースを日本に輸出しないという無茶な対抗措置をとり当初は日本にダメージを与えられたかに見えましたが、結局、日本も輸入先の拡大や徹底したリサイクルによって困難を克服し、今ではまったく問題ないレベルにまで回復していそうです。
一方、中国では輸出のエースだったレアアースの輸出額が半減してしまい、業界が深刻な状況に陥っていると報道がありました。
中国政府は、その強硬姿勢が改革開放直後こそ中国進出したい先進国を服従させることができたものの、魅力を失いつつある現在ではすべてが自国の首を絞めるだけだということを自覚すべきなのですが。

日本への留学生の数が中国、ベトナムとの関係を如実に表していて、中国人留学生がだいぶ減少したのに対して、ベトナム人は昨年から5倍に増えて、中国人留学生の数に迫っているそうです。
中国人と違い、ベトナムの留学生は外国人にとっては難解な漢字の読み書きから始めないといけません。
それにいまの中国人留学生の多くはそれなりに富裕になった家庭から来ているケースが多いのに対して、ベトナム人留学生はまだまだ家計の厳しいところがほとんどのようです。
近い将来の有望な人材になるのですから、彼らが挫折してしまわないよう進出企業は何らかのかたちで支援してほしいなと思います。

わたし自身も中国一辺倒はやめて広くアジア全体を見回してはどうかなどと考えないでもありません。
今回のハノイは想像以上に面白く感じられたので、ベトナムに拠点を移すことも想定しないではありませんでした。
しかし、体力のある企業が、中国ダメね、はい、ベトナム、と移転するようにいくわけもありません。
やはり言葉の壁は大きく、ベトナム語は日本語と同様に中国の影響を受けて恐らく以前には漢字が使用されていたと思われるのですが、現在はアルファベット表記で中国語同様の声調を母音にマークを付けて書き分けています。
つまり同音異義語の声調違いが非常にたくさんあって、それが橋と箸をそれぞれひらがなで書いてあるようなものですから、意味を理解するにはひたすら暗記しなければいけなそうですし、発音するときは正確な声調を使わないと相手に伝わらないことを考えると独学ではものになるとは思えません。

もうひとつの問題は、中国に行くときの香港とベトナムのハノイは、近いようでいてやはり遠いということを実感したことがあります。
香港へは日本から多くの航空会社のフライトがあって、最近でもLCCの就航があったりして、時間帯を選べかつそれなりに経済的に行くことが可能です。
ハノイでは当然香港ほどフライトはありませんし航空券もバンコクより割高なくらいですが、便数が少ないせいか行き帰りとも満席でした。
香港より1時間ほどフライト時間が長くなるだけですが、若くないわたしには精神的にも肉体的にも時間以上に辛く感じられるということもあります。

ハノイのことはかなり気に入りましたし、行くなら今が旬なんだろうなあとも思います。
しかし、また行くとしても、それはかなり先のことになるのでしょうね。
出掛けるだけの理由があれば、また別なのですが。
【X-E1/Dubroni 10cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dubroni 10cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/01 Fri
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