現在的越前

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今週最後は、開高健記念館から車で北上し、自宅にもどる中間点ともいえる地にある浄見寺に立ち寄っての1枚とさせていただきましょう。
大岡越前の墓があることで有名な浄見寺ですが、足の便がよくないため茅葺の古民家ともども普段は地元の人の散策くらいしか訪れる人もいないようです。
しかし、ここにはなかなか見事な桜があって、公園にもなっているので、この時期はそれなりの花見客でにぎわいます。

作例では茅葺屋根をバックに撮ったはずの桜があまりに立派で、背景の屋根が見えないという頓珍漢ぶりになってしまいましたが、まあ、それも一興というものでしょう。
どんよりとして、予報も午後から雨だったのに、どういうわけか急に日がでてきて桜がきらきらと鮮やかです。
ここの桜の面白いところは、墓地側が高台になっているので、桜を見下ろすこともできるということがあります。
もう少し先まで行くともお墓の前から手を伸ばして枝をつかむこともできます。
つかんだからといって何がどうなるというものではありませんが、そのくらい近くで満開の花が見られるというくらい迫力があるということなのです。

非常に残念なのは、この作例のすぐ右側には車を停めることがるようになっていて、実際も、この時も車が停まっていたためこのような角度で撮るしかない状況だったということです。
公園側が広い駐車場になっているので、ちょっと考えればそこに停めればいいのにと誰もが思うところです、
そんなことにすら気が付かない、自分の車が花見の邪魔になっていることも分からない人が、花を楽しむ気持ちを持っているのだとすれば人類の大きな不思議のひとつと言えるでしょう。

そんなことを思っているとき、それを察するように車がじゃまですねえと声をかけられました。
近くに住むという男性で、その方のコンパクトデジタルはきっと広角が付いているのでしょうから75mm相当レンズで撮っていたわたしよりはるかに苦戦している様子です。
話をうかがうと、近くの老人ホームでボランティアの活動をされていて、なかなか花見も容易ではない入所者に今の花の様子などを見てもらってみんなで楽しんでいるとのことです。
アングルなどセンスを疑われたりするので、なるべくうまく撮りたいのですが、と渋い表情をしつつ笑われていました。

ボランティアされているくらいですから、心の広いお話し好きな方のようで、花見のポイントについてなどの情報をいろいろと教えていただきました。
近くにある穴場ポイントにはその場で連れて行ってもくれるような親切な方でした。
また、わたしのマイクロニッコールが気になったらしく質問もされました。
もともと特にカメラ趣味というわけではないようですが、ものごとをよく観察する目をおもちということなのでしょう、さすがです。

この周辺ではけっこうな枚数を撮ったので、前日の大和のものと合わせて構成するつもりでしたが、この男性から4月下旬の大岡祭ではここでも小さなパレードがあったりちょっとした盛り上がりなのでぜひ来てみてくださいと勧めていただいたので、その時のために今回はこの1枚で済ませることにしました。
茅ヶ崎は隣の市で地元と変わらないにもかかわらず、有名な4月の大岡祭り、6月の浜降祭りと一度も見学に行ったことがありませんでした。
今回もお世話になったことをきっかけに、また訪れることにします。
男性の名前を聞こうと思いつつもそのチャンスがなかったのですが、わたしは勝手に忠相さまと呼ばせていただいています。
来月、またお会いできると好いのですが。
【X-E1/Micro-Nikkor 5cmF3.5 F3.5】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Nikon Micro-Nikkor.C 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(4) | 2013/03/31 Sun

喝着紅酒

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久しぶりに開高記念館を訪れたのですが、それまで海岸を歩きまわったこともあってホール(?)のソファに腰を下ろしてしまいました。
そこでは大きなテレビで開高健のインタビューを放映しています。
作例の庭で、亡くなる2年前だったでしょうか、NHKのアナウンサーのインタビューがおこなわれ、恐らくいったん放送されたものが、NHKアーカイブスとして再放送された番組のビデオだったようです。
15分程度に編集されていたと思いますが、わたしにとっては時間以上に内容濃厚なインタビューに思えました。

庭でのインタビューなので日中の日柄の好い日に思えましたが、開高さんは(すみません、記念館の方がこう読んでおられたのでわたしも改めさせていただきます)赤ワインを飲みながら興に乗ってアナウンサーとのやり取りを楽しんでおられるようでした。
てくら大文豪相手とはいえ、天下のNHKが昼間っから酒を飲む相手にインタビューするというのも時代がなせる
わざか、当日のハプニングなのか、いずれにしてもそのことからして興味を惹かれます。

さすがにワインの銘柄まではでてきませんが、ボルドーグラスというのでしょうか、ずいぶんでかいグラスにそそがれたワインは濃厚な色付きで、フルボディのヴィンテージねのでございということを隠していないように見えます。
原因不明の腰痛に悩まされ最期は食道癌だった開高さんということを考えれば、酒やたばこを控えるよう進言したくなりそうなものです。
ところが、インタビューの中のセリフにそんな進言があってもそれには従わないという意思表示のような言葉が出てきてハッとさせられました。

男だけが好むものにギャンブルがある、それは次に負ければ生活のすべてを失うというような状況で緊張感を楽しんでいるというような意味の言葉でしたが(正確に覚えておらず申し訳ないです)、それを聞くと、医者や家族から命に係わると止められた酒やたばこを楽しみ続けることで緊張感を頂点に置くことがてき、「輝ける闇」などの晩年の傑作をものすることができたのだろうと考えずにはいられなくなります。
自分の命を天秤ばかりの上に乗せてつくりあげた作品。

先月出かけたキャパとタロー展でも両者は戦場に倒れました。
女性であるタローがなぜ戦場をめざしたのか、すでに富と名声を得ていたはずのキャパまでがなぜ。
沢田教一や一ノ瀬泰造といった日本の若者たちまでが、同じような運命をたどっています。
その理由は、各自さまざまなのでしょうが、開高さんのインタビューがもつとも的を射た説明になっているようにあとになって思いました。
戦争にはそういう人間の本能につながる何かがあって、悲劇ばかり生むことを知りつつも人類史から消えることがないのでしょうか。

さて、今日の作例は発色がニュートラルとは言いがたくなっているようです。
記念館内部での撮影でISO感度設定を1600に変更してそのままになっていたのですが、そのことと関係あるのでしょうか。
いままでとはまったく違う話ですが、開高さん自身が哲学の道と呼んだ小道が裏庭にありますし、ここの庭は非常に多くのことを語る庭なのだなと再度思いました。
【X-E1/Micro-Nikkor 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Nikon Micro-Nikkor.C 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/30 Sat

他去越南了

X-E1/Micro-Nikkor.C 5cmF3.5
茅ヶ崎の海岸を散策してから開高健記念館です。
10時開館で、だいぶ時間があったので、砂浜を歩いたりしながら時間をつぶして10時きっかりに玄関に行きました。
当然いちばん乗りだと思ったのですが、タクシーで現れた女性ふたり組に先を越されてしまいました。
秋田から来られたとのことです。
ずいぶん熱心なファンだったようで、文献や部屋の様子、流されていたNHKのビデオを食い入るように見ておられました。
何度も来ているわたしは、いちばんを譲ってよかったかなと思いました。

記念館は生前の開高が晩年暮らした家を遺族が寄贈し、茅ヶ崎市が管理している小さな文学館ですが、すでに24年も前のこととはいえ、実際に執筆した書斎をそのままに見られるなど興味深い展示が何度足を運んでもあきさせません。
今回は、マイクロニッコール持参ということもあって、開高ベトナム取材の時のパーミットを近接撮影してみようと考えていました。

本当はエクステンションチューブを使って等倍撮影をするつもりだったのですが、チューブの準備が間に合わず、ヘリコイド最短の1.5フィートでの撮影になります。
また、解像度が最大になるといわれるF5.6付近で撮影しようと考えていたにも関わらず、日常絞りを使う習慣がないためそのことをすっかり忘れて開放のままでの撮影です、
やはりここでもこのレンズの解像力のすごさを伝えきるには至っていないのが申し訳ないところです。

その不甲斐なさをどうにかしようと考えてくださったのでしょうか、いえ、恐らくわたしの作例でマイクロニッコールが誤解されるのを心配されたから賀茂知れません、www.syarakuse.comにれんずまにあさんが、わたしにも理解できるようにとのご配慮もされつつ、マイクロニッコールと他の4本の高性能レンズとの比較のチャートを掲載してくくださいました。
わたしのご託や作例を何枚出したところで到底かなわない、ひと目見て理解できるマイクロニッコールの解像力の高さを示されたのはさすがです。
絞り値ごとのチャートになっていますのでも絞りすぎると解析現象により解像力が低下することまで示した完璧に近いテストです。

写楽彩の掲示板は、T-REXさん、ジオグラフィックさんのふたりの裏表店主さんにレンズ通の皆さんが丁々発止のやりとりで盛り上げる情報の泉ですが、ここのところ大判・中判の話題が中心になる子が多い中で、れんずまにあさんは、わかりやすく35mm版の解説もしてくださっていました。
とくにご自身のお気に入りであるマイクロニッコールでは、文章でいくら書くより一発で性能を知らしめられると多忙の中テスト撮影されたのだと思うと、感謝の言葉も見つかりません。
わたしがしたことはレンズファンにとってなんら役にも立たないことですが、あえて言うことができるとするならば、その無知加減のためにれんずまにあさんのテストを写楽彩画像掲示板にアップさせたことかも知れません。
皆さんには、ただただお礼申しあげるのみです。
【X-E1/Micro-Nikkor 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Nikon Micro-Nikkor.C 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/29 Fri

零件找不到

X-E1/Micro-Nikkor.C 5cmF3.5
昨日までの作例は、土曜日に大和を散策したときのものでした。
藤沢一を南北に貫く引地川の水源があるいずみの森から大和駅に向かって歩いたのですが、近くには米軍基地がありますし、日本人の少ない小学校もあったりするためか、花見する外国人があちこちで見られたのが大和ならではと感じられました。
わたしは、大人数がひとところに集まって騒いだりする宴会式の花見は好きになれませんが、家族や仲間と静かに楽しむ花見はとても日本的な行事のように思います。
大和に住む外国人も、こんなところからぜひ日本を理解してもらいたいものです。

翌日は、早朝に辻堂で用事があったので、帰路に海岸や茅ヶ崎周辺をのぞきながら帰ってきました。
予報が悪くて午後には雨になりそうとのことで、お昼に自宅に戻るスケジュールを考えました。
まずは、車をどこかに停めなくてはとうろうろしているときに信号待ちで見かけたのが今日の作例です。
使いこまれたサーフボードと細めのウェットスーツがあまりに似合う女性サーファーが、髪をかきあげた瞬間をとらえました。
美しい後姿だと思います。

画面に白っぽいところがあってフレアのように見えるかも知れませんが、これはフロントガラスの映り込みです。
ピーカンでの使用はありませんが、これまでの印象では、マイクロニッコールはかなり逆光に強いレンズのようです。
太陽が入るような状況でなければ、逆光下でもゴーストやフレアが出たことはありませんし、コントラストの低下を感じた場面もなかったのはさすがだと思っています。
前にも書きましたが、このレンズには今ではたいへん高価な専用フードがありますが、これがなくても問題ないと言えます。

ただ、このレンズはライカ・エルマー用のフードを使うことができます。
レンズの保護にもなるので、比較的手に入れやすいエルマー用フードは付けた方がよいと思います。
日本製のライカコピーと言われるパルナック型ライカの50mmF3.5レンズは、ほとんどがエルマーコピーであり、エルマー用フードがそのまま使えます。
アクセサリー類が紛失する度合いはカメラやレンズの比ではないでしょうから、多く製造されたエルマー用のアクセサリーが汎用アクセサリーとなって併用できるのはたいへんありがたいことです。

もちろんオリジナルの愛好家は多く、ヘキサーやらトプコールやらにFISONフードを付けることに眉をひそめる人もいるかも知れません。
もし、オリジナルフードが2万円するとしたらそれでも嬉々として手に入れるか、その2万円をもとにまた別のレンズを手に入れるか、どちらの考え方も支持できます。
わたしはどちらかと言えば後者で、うまく安いフードやアクセサリーがでてきたらその時に買うようにしています。

以前に購入したKodak Lykemar 35mmF3.5というレンズは、コダックがエルマー風のレンズを作ったのでLike Elmarというネーミングにしたのではなどと揶揄されるレンズで、外観もエルマーに似ています。
ところが、どうしたことかエルマー用フードがわずかのサイズ違いで使えません。
設計上そうなったというよりは、あえて付けられないようサイズを変えてあるとしか思えず、これは現行でフードを買えた当時ならまだしも、入手困難となった今ではなんとも残念なことに思えます。

戦後すぐの日本の高級カメラはほぼすべてがライカに範をとったと思うのですが、ニコンは機構はライカだがシステムはコンタックスだと言われています。
レンズも同様ですので、マイクロニッコールもテッサーと同様のアクセサリーになってもおかしくないところが、どうした理由かエルマーと同サイズのレンズで大いに助かりました。
アメリカに比べて日本のメーカーにはユニバーサルデザインという発想が当時からあったということなのかも知れません。
【X-E1/Micro-Nikkor 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Nikon Micro-Nikkor.C 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(1) | 2013/03/28 Thu

一半做好

X-E1/Micro-Nikkor.C 5cmF3.5
MSオプティカルにマウント改造いただくべく、ダルローのペッツパールを宮崎さんに送りました。
前回の改造が、確か昨年9月のアリマウント・ゾナーでしたので半年振りの依頼ということになります。
さて、送り先を書く段になって、MSオプティカルのホームページで確認しようとするとページが開きません。
何かあったのかと少々不安を感じて、急きょ宮崎さんに電話してみることにしました。

電話口の宮崎さんはいつもとなんら変わるところはなく、安心しました。
ただ、少々お疲れ気味のようで、聞けば、ゾンネタールの製造が未だ続いているとのことです、
ゾンネタール50mmF1.1は確か当初200本の製造だったはずで、その後注文が殺到したために、国内では宮崎さんが懇意にしている一部の人に頒布するようなかたちになっていました、
ところが、その後も発注が重なって、合計500本作らなければならないのに、まだ半分完成したところだと笑っていました。
どうやらそれでマウント改造の時間が取れず、ホームページを一時休止にしていたようです。

驚くべきはその納入先で、半数はヨーロッパとアメリカで、もう半数はなんと中国なのだそうです、
おそらく中国といっても香港や台湾も含んでのことではないかと思います。
しかし、日本国内へはわずか10本が、前述のとおり一部の熱心な宮崎ファンの手許に届いただけです。
宮崎さんの大口径レンズは、開放では甘くやわらかく絞り込んでシャープに変化していくという特徴で日本人の好事家たちの趣向にフィットしたことで人気を得たところがあったのではと思いますが、それが世界に広まるやもはや日本のマイノリティは発言力を失って国際的なレンズを逆輸入するような立場になってしまったのは残念なことです。

ゾンネタールのソフトバージョンはshasindbadさんがフィールドテストに活躍されていますが、宮崎さんはさらに研究を進めてレンズ間隔の調整でより大きなソフト具合を生み出すことに成功したようです。
焦点がズレる問題があるのでそのままの鏡胴では難しいのかも知れませんが、そのようなレンズへの変更も可能になるようです。
また、レンズを1枚増やす構成の変更で、収差が激減して性能が飛躍的に向上させることに成功したとの話もうかがいました。
当然コストも上がりますので、設計だけで終わってしまうかも知れませんが、宮崎さんのレンズはいまだ進歩する可能性をじゅうぶんに秘めていることをうかがわせます、

設計といえば、ゾンネタールの次のレンズもいくつか設計ができているとのことです、
たとえば、21mm、24mmといった広角レンズや、75mmF1.5などというレンズはじゅうぶんに商品化できるレベルです。
言うまでもなく、設計だけなら枚数を増やしたり高価なガラスを多用することで、高性能化のアイデア商品アイディアは豊富なようです。
それではガラス自体が高価で磨きやレンズをくみ上げるコストで、とんてもなく高いレンズになってしまい非現実的です。
宮崎さんのレンズにトリブレットが多く、ゾナータイプでも3枚貼り合わせは避けて5枚で済ませてしまう理由がそこにあります。

広角では、ええっとびっくりするような構成であることも教えていただきましたが、それを明かしてしまうのはどうかと思いますので、発表のときにみんなで驚いてもらいましょう。
また、もうひとつ、開放ではタンバー、一段絞るとキノプラズマート、もう一段絞るごとにたいへんにシャープになるというレンズも設計されたとの話でした。
わたしは広角には関心がそれほど高くないので、このレンズを最優先してもらえないかなと思っています。

宮崎さんは日中ゾンネタールの組み立てに忙しく、夜には疲れ切っていたかと思いますが、こういったレンズ話が大好きで、ついつい1時間近くも話し込んでしまいました。
それに、わたしも理解できないところも多いながらに宮崎さんの話が楽しく、実に勉強になってもっと聞いていたいくらいなのです。
はやくゾンネタールを終えて次のプランを実現してほしいと切に願わずにはいられません。
【X-E1/Micro-Nikkor 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Nikon Micro-Nikkor.C 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(4) | 2013/03/27 Wed

有点髒

X-E1/Micro-Nikkor.C 5cmF3.5
先日、ふとしたきっかけで、久し振りに改造用レンズを購入しました。
海外のオークションの出品でダルローの真鍮レンズが出ていたのですが、焦点距離が75mmくらいだと説明があって、写真を見る限りベッツバールのようですし、前玉は2インチほどあるようなのでイメージサークルも35mm版はカバーしそうなので、ライカマウントにしてもらうべく入札してみました。
19世紀のベッツバールではダルマイヤーりもりをライカマウント化してもらっていますが、とても素晴らしい写りをします。
ただ、このレンズは114mmとライカで使うにはやや長くて使いやすいとは言えず、マウント部分が弱いこともあって十分に活躍できているとはいえません。

そこで、ライカのフレームもある75mmか90mmのベッツバールを探したのですが、ようやく念願のルルブールを見つけました。
焦点距離85mmと理想的に思えたフランスの老舗メーカーのレンズでしたが、ベッツバールの弱点である像面湾曲のためでしょう、画面中央以外ではピントがズレてしまいます。
後群が前後入れ代わっている可能性もあり現在確認中ですが、短焦点のベッツバールの問題を知ることになりました。

今回のダルローはさらに短い75mmですので、像面湾曲の影響はさらに強い可能性があります。
しかし、こういう焦点距離の19世紀のレンズはそうそう出てこないのです。
しかも、オークションなとに出品されると、しばしばかなり高価になることがあります。
その要因は、鏡胴がきれいなことで、金ニスがピカピカの同じダルローの90mmクラスが10万円ほどになってしまったことがありました。
もちろん鏡胴がきれいなことに越したことはありませんが、今回の出品はガラスにダメージはないものの鏡胴はいまひとつきれいでなかったため価格はあまり上がらず、結果的には2万円切って落札することができました。

到着したダルローはもともとは記載がなかったものの、分解するとやはり3群4枚のベッツバールとわかりました。
ところが、75mmではなさそうで、ルルブールと並べても焦点位置が長そうなので90~100mmくらいありそうです。
ベッツバールタイプは鏡胴が長くて、おおむね主点はその真ん中にあるものだと思うのですが、恐らく後玉あたりの位置から焦点面までの長さを測って75mmくらいだと書かれていたのでしょう。
これは仕方ないことと言うしかないですね。

それでも90mmであれば恩の字ですし、100mm以内で収まってくれていれば、ダルマイヤーよりは使い勝手が好いということになるでしょう。
なんとか好い具合にマウント改造されて戻って来ますようにと願いながら、MSオプティカルに送りました。
レンズがまたやって来て、宮崎さんのカルテを読み、最初の撮影をするまでの間は、楽しみで仕方ないひとときになります。

これは少なくとも、新しい製品で高性能だとしても、評価の定まったようなレンズを買う時には味わえないだろう興奮だと思います。
もちろん、楽しみが大きいだけに期待はずれだったときの落胆もまた巨大なものです。
オールドレンズ趣味は、宝くじとよく似ているのかも知れません。
宝くじよりははるかに確率が高いのは間違いないにしても。
【X-E1/Micro-Nikkor 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Nikon Micro-Nikkor.C 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/26 Tue

今天拍櫻花

X-E1/Micro-Nikkor.C 5cmF3.5
先週は、M6とモノクロフィルムでマイクロニッコールの作例を見ていただきました。
これからしばらくは、フジフィルムのX-E1をメインカメラに据えるつもりなので、こちらで撮影しておかないといけません。
マイクロニッコールの発色も見たいですし、このレンズの真骨頂である近接での撮影もX-E1では容易におこなえます。
折りしも、桜開花のニュースが流れて来ましたので、土日で近場の散策にこのコンビを持ち出してみました。

そのニュースで常に出てきたのは、上野公園の桜です。
上野公園と聞いても、成田空港行きの京成線の駅の上の公園とくらいしか認識していないわたしは、テレビ映像で見る隙間のないほどに埋まる花見客のものすごさに驚いてしまいます。
賑やかなのも花見の良さなのかも知れませんが、昼間見る桜には優美さを求めたいと思い、しかも近場であることから大和の泉の森公園を訪れてみました。

着いてみてちょっと意外だったのは、ソメイヨシノの開花にはやや早かったということです。
五分咲きまでいっていないかも知れません。
桜前線北上と言いますので、東京が満開なら神奈川の県央も同程度かその近くまで咲いているのではと思うところですが、そうとは限らないのですね。
逆にヤマザクラは一部葉桜になっていましたし、桜が期待通りに咲いているタイミングで出掛けるのは、そう簡単ではないようです。

ただ、日当たりのとても好いところの桜は、かなり満開に近くなっていました。
これですと公園のなかでも時間差ができて比較的長い間桜を楽しめるのかも知れません。
桜がずらっと並んで咲き誇っているのを見たいという人向きではありませんが、ぽつりぽつりと好い場所に桜が咲いているのを歩きながら愛でるというような向きにはいい塩梅です。

泉の森には、移築された茅葺の古民家が2棟あって、そのまわりに何種かの桜が植えられています。
何本かが満開状態だったので、早速、最短1.5フィートの最短撮影距離による近接撮影を試みました。
微妙な風でピントがズレてしまったのが残念ですが、基本的にはMFアシスト機能を使うとわたしの視力でも最短のピント合わせが可能です。
基本的にはライカではできないことなので、楽しくなっていろいろと試してみましたが、これはどれも似たり寄ったりで後で見返してもあまり面白いものではないなと思います。

もうひとつ失敗は、ご覧のとおりのアンダーになったことです。
アンダーにしないと花びらが完全に真っ白で、ごく微妙なピンクを出すためにマイナス1段ほど補正したのですが、背景がずいぶんと暗くて、まるで夕方遅くのようです。
何か工夫が必要ですが、晴天であればこれはどうにかなるのかなとも思われます。
花の撮影はアマチュアでも専門にされている方が多そうですが、そうそうは簡単でない懐の深さがあって、ファンの多い分野になっているということなのでしょうね。
【X-E1/Micro-Nikkor 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Nikon Micro-Nikkor.C 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/25 Mon

美麗的牛過蓢

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超解像力レンズに夢中になっているうちに1週間が経過してしまいました、
今日は、訪れた東莞の古鎮のことを記しておこうと思います。
誰も気付くことはなかったでしょうし、わたし自身も忘れかけいましたが、今日までの8枚の写真のうち前半4枚と後半4枚では撮影場所が違っています。
前半は開始時に書いた南社の古村落、後半は南社からほど近い牛過蓢という村です。

南社へは何度か行っていますがね、今回は今まで足を踏み入れていなかった小さな住宅などが並ぶ路地をゆらゆらと歩いてみました。
すると古村落を管理しているというおじさんに声をかけられ、日本から来たとあっさりばれてしまいます。
前日の恵州では日本人と知られるや尖閣のことでからまれたので身構えてしまいましたが、ここではまったく逆の展開でした。

ここには日本人、韓国人、アメリカ人などがよく来るが、いずれも団体かガイドに連れられて来ていてひとりで来る外国人は初めて見たというのです。
しかも下手くそながら中国語をしゃべるとは、これは恐れ入った、家の中も見てみたいんじゃないかと知り合いの門を叩いて、ほらどうぞと他人の家の生活感丸出しの部屋を強引に見せてくれるのでした。
家主のおぱさんの方も、家に押し入って来た外国人を嫌がるどころか、突然の珍客にとまどいつつも、お茶を出してごゆっくりどうぞと歓迎してくれます。
最後は、次に来たらまた必ず寄ってねと、手を振って見送ってくれました。

ここまでかなり駆け足で巡ったのは、午後に用事があったからですが、急遽思い立ってもう1箇所行ってみたいと考えたからでした。
実は東莞駅からタクシーに乗って南社に向かっていた時、南社古村落直進、○○古村落右折のように書かれた看板を見かけたのです。
ちょっと見覚えのない名前だったので運転手に聞くと、南社より規模は小さいが確かに古村落はあるよと教えてくれました。
ただ、公共交通機関はないようで、タクシーがないと行けないだろうと付け加えます。

タクシーがなければ行けないということは、タクシーを呼ばなければ戻れないということを意味します。
これはたいへん厳しいと思ったのですが、すぐに惠州でのバイクタクシーのことを思い出しました。
現地まで行ってもらって、また戻るときに携帯で呼び出せばいいのだと気付いたのですが、問題はバイタクが南社付近にいるかどうか。
大きな通りに出れば可能性はあるだろうと思って、前回と同様路線バスに乗り込んだのですが、2つ目のバス停にショッピングセンターがあって何台ものバイタクが客は来ないかと手ぐすね引いて待ちかまえているのが見えます。
思惑通り牛過蓢の古村落まで連れて行ってもらい、また帰りも電話してすぐに迎えに来てもらえました。

その牛過蓢の外観が今日の作例になります。
村の規模があまりに小さいですし電線がうるさいですが、池のあいだを小道が伸びているという村へのアプローチは、このあたりの古村落のなかではもっとも期待感が高まるものでした。
おばあちゃんやおじいちゃんの作例は出させていただきましたが、見て歩いた限り人が住んでいるのは5~6軒しかありません。
このままでは廃墟になるのは時間の問題で、人口の多い中国だけに何か手を打ってもらえないか強く願うものです。
【M6/Micro-Nikkor 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Nikon Micro-Nikkor.C 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/24 Sun

架空相機店

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カメラがまだ写真屋さんとごくごく一部の愛好家のものだった時代、カメラ屋さんはどんなだったのでしょうか。
35mmが登場する前の1920年以前ではカメラ屋というよりは、望遠鏡や顕微鏡などの光学機器店があってカメラも片隅で売られていたという程度だったのではと想像します。
もうロールフィルムは開発されていたでしょうから最新のカメラ用にフィルムも売られていたのでしょうし、引き伸ばし機も置かれるようになったかも知れません。
そうなってくると、撮影機器の専門店も存在し始めていたと言っていいでしょう。

そんな店をもっと空想してみることにします。
店主は写真機や撮影術が好きでたまらず、自らの商売にしてしまった人です。
誰よりも撮影回数をこなしているし、研究熱心なので経験知識では業界に評判がたつほどです。
当時カメラはとても高価でしたからそうそう売れるものではありませんし、ほとんど手作りとあっては入荷することすら稀で、あちこち訪ね歩いてはようやくカメラやレンズを1個ずつ仕入れるのが当たり前のことでした。
それでも広いと言えない店内に大きなカメラ屋引き伸ばし機を置くことはできず、バックヤードに丁寧にしまわれています。

お客さんがやって来ました。
ここでは客は店主との対面販売ですので、自分の撮りたいものや好みを伝えてまずは相談からはじまります。
話しを聞きながら店主はやおら階段を上がって保管庫に行って、これはいかがですかと木製の組み立て式カメラを抱えて戻って来ます。
店主は手際好く組み立てながら説明するのですが、こうなると彼の独壇場で、客は引き込まれるばかり、もうカメラが欲しくてたまらなくなります。

もちろん、いつもカメラやレンズを買うお客さんが来る訳ではありません。
この時代のカメラは一生モノ、それどころか代々一家に伝えるものてすから、むしろ客のほとんどは店主から技術
を学んだりカメラやレンズにまつわる話しを聞くために集まっているようなのです。
店主だってカメラの整備に忙しいはずなのに、知己の客はもちろん初めての人にも楽しい話しを次から次へと披露します。
そんな噂を聞きつけた客がひとりまたひとりと訪れるようになり、店主の整備に使える時間はまた短かくなってしまいますが、、彼は幸福に感じこそすれ、苦痛に思うことはないように見えます。
時間がのんびりと流れていた、戦前の古き佳き時代の話しです。

以上は、他愛のない空想話しに過ぎません。
ただ、このようなイメージのカメラ店が存在しているのです。
ヨーロッパの田舎ですか? いえ、東京に!
実は、わたしのマイクロニッコールは、まさにこの店で買ったのです。

何回かレンズ仲間に連れてきてもらって、すっかり店と店主を気に入ったのに、カメラはもちろんですがなかなかレンズとの出合いもありませんでした。
そしてある日、店主にこのレンズを薦めてもらい、安いものではないし、解像力の高いレンズは使って気に入らない可能性もあったのですが、この店に魅かれていたわたしは一も二もなく譲ってもらったのです。

甘いレンズばかりで喜んでいてはいけないよ、もっと視野を広げないとね、と薦めてくれたのでしょうか。
今のところ、マイクロニッコールには前のめりになる一方です。
今日の作例は無限遠ですが、解像力が近接より劣るということを見出すことができません。
暗部の表現がすばらしいですし、正面中央の木の葉の緻密さには痺れさせられました。
20世紀前半の人が写真を始めて味わった興奮とは違うかも知れませんが、日々、何か発見を与えてくれるマイクロニッコールはほんとうにエキサイティングなレンズです。
【M6/Micro-Nikkor 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Nikon Micro-Nikkor.C 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/23 Sat

他的全部

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マイクロ・ニッコールC5cmF3.5に関してネット検索してみると、その情報元の参考文献として、朝日ソノラマの「レンジファインダーニコンのすべて」をあげているものが散見されました。
やや古い本のようですが、入手可能でしょうか。
アマゾンで検索すると、1990年発行のハードカバー本で定価4000円のものが8000円くらいから売られています。
コレクター向けの本は、絶版となるや価格上昇してしまうのは致し方ないところですね。
さらに検索してみるともっと安いものもちらほらでてきました。
町田の古本屋さんで4000円というのが見つかり、電話すると取り置いてくれるというので、今日仕事の帰りに立ち寄って買って来ました。

カメラ、レンズにアクセサリーまで、紙数の都合もあるでしょうから概説というレベルかも知れませんが、初心者のわたしには参考になる内容に思えます。
まずは町田駅からの小田急の各駅停車に揺られながら、マイクロニッコール他、何本かのレンズのとこを読んでみました。
前夜に検索したプレミアが付くような絶版本がもう次の日の通勤電車の中で読めてしまうのですからありがたいことです。

マイクロニッコールでは、先日記載した製造数にどうやら誤りがありましたので、そのまま転載するかたちで訂正します。
「製品番号は523000番台から524500番台くらいまであり、欠番もあるので1200本くらいの製造といわれている。そのうち、約900本がニコン用で他はライカ用らしい」。
先般はライカマウント200本と書きましたが、300本にお詫びとともに訂正いたします。

また、フードの写真が大きく3つも載せられていて、かつ、このフードのちょっと特殊な取り付け方法まで丁寧な説明があるのがすごいです。
このフードは、絞りリングに連動させてフード側で絞り値を変更できる優れたアイテムであることからそれを強調したかったのだと思います。
ところが、このフードは希少品で、わたしも持っていませんし、これだけ単独で入手する可能性はほとんどないでしょう。
その写真を拝むことができるのはありがたいのですが、所有しないものの取り付け方法を読むのはむなしい気持でもあります。

ちなみにこのフード付きのマイクロニッコールが某サイトで4000ドル弱で売られていますが、さすがにこの値段ではいくらフード付きでもわたしには手は出ません。
ライカマウント版わずか300本だけの製造で、珍品フード付きの超高性能、35mm版初のマクロレンズとあれば、けっして高くはないかも知れないとは承知はしていますが。
【M6/Micro-Nikkor 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Nikon Micro-Nikkor.C 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(2) | 2013/03/22 Fri

従第25夜

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マイクロニッコール5cmF3.5比較的新しいレンズですし、現存するメーカー、というより今でも世界最高の光学メーカーのひとつとして君臨することもあって、比較的豊富に情報を得ることができます。
加えて、熱心なファンやコレクター、研究者が多いのが日本光学、ニコンの特徴で、それはライカと双璧と言っていいのではないでしょうか。
問題は、ニコンF以降のレンズに関するものがほとんどで、S型以降の情報がなかなか見つからないということなのですが。

クラシックカメラ選書の「ニッコール千夜一夜物語」は全28夜からなる単行本ですが、この中でもニコンSレンズがテーマになっているのは3夜だけです(Sレンズ率10.71%)。
①3.5cmF1.8、②5.0cmF1.1、③8.5cmF1.5の3本で、残念ながらマイクロニッコール5cmF3.5はメインで扱われていません。
しかし、Aiマイクロニッコール55mmF2.8は二夜にわたって取りあげられていて、その前身のレンズとして5cmF3.5の方にも大きく言及があります。

中には、たいへん興味深い記載があって、例えば、なぜマクロではなくマイクロニッコールという名前になったのかが書かれています。
詳しくは実際に本を読んでいただきたいですが、マイクロニッコール開発等時、マクロ撮影という言葉が原寸大以上の撮影と定義されていたため、ニコンSではそこまでは無理だとマクロを冠することを謙虚に断念したと書かれています。
他のレンズとは違うというどちらかと言えば、傲慢な態度からひちり違う名前を付けたのかと思っていただけにこれは意外でした。

また、これはよく言われていることですが、先行したアメリカのマイクロファイルシステムの解像度はさほどでもなかったのは英文(cとeの区別)を判読できればよかったのが、日本では漢字を使っていたので(特に当時は画数の多い旧字が使われていた)、最高レベルの解像度が要求されたということで間違いないようです。
そこで面白かったのが、ドイツの基準はアメリカより若干厳しかったということで、その理由をドイツ語独特の点々であるウムラウトを判別する必要があるからではと推理しているところです。
このほか、往時のレンズ開発にはいろいろなエピソードが絡んでいて、興味は尽きません。

さて、今日の作例のおばあさんは、高解像力のすごさをいちばんに思い知らすものでした。
おばあさんのしわだらけでも艶々した顔や着古した服の質感は今までに体験したことのないリアルさです。
解像度が高いということはシャープに見せるというだけではなく、質感までも正確に伝えることなのだなとようやく気付かされました。

背景はややボケているので当たり前ですが、それを割り引いても立体感がないということはなさそうで、マクロレンズは平板に写るということでもないように思います。
解像力が高ければそれだけすべてを正確に再現するからでしょう。
心地よさすら感じるようになってきました。
【M6/Micro-Nikkor 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Nikon Micro-Nikkor.C 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/21 Thu

蛋糕与泰国菜

M6/Micro-Nikkor.C 5cmF3.5
先週、鎌倉にイチゴ飴の屋台を見つけて、F1.5の甘い描写のレンズを連想して興奮したくらいですから、わたしは甘いレンズが基本的に好みです。
表現として面白いということはありますが、それよりも、それぞれのレンズがレンズ発展史の中で担った役割に強く惹かれます。
戦前の新種ガラスもコーティングもなく、コンピュータどころか計算機すら存在しなかった時代、設計者たちは持てる知識を駆使し、夢を追い求めて新しいレンズを完成させました。
F1.5まで口径を広げたのはオーバースペックで、どのレンズにも収差は残りましたが中心部の描写はすばらしく、その見返りとして補正できなかった収差はレンズの個性ととらえることができます。

もちろん収差はすべて補正されているのが理想です。
中心はシャープだが周辺の収差が犠牲になったのは仕方ないと受け入れられないのであれば、絞って使うか暗いレンズに切り替えるか、オールドレンズを無視すればよいだけの話しです。
オールドレンズの愛好者には心にゆとりのある方ばかりだと感じられるのは、そういう理由があるからだとも言えます。

では、解像度のあまりに高い今回のマイクロニッコールは、オールドレンズファンには受け入れがたいレンズなのでしょうか。
好みではないと一蹴する人があってもそれは仕方のないことですが、案外と受け入れられるのではないかと思います。
オールドレンズファンはけっして性能の悪いレンズを求めているという訳ではないからです。

高性能のレンズを設計することが困難だった時代においては、考えられうる限りの最高性能だったレンズが、ゾナーでありクセノンやセプタックであるわけで、収差の犠牲のもとに達成された美点とその収差の双方を楽しむ愛好家が、その当時、無収差のレンズがあったとすれば尊敬こそすれ、それを理由に嫌ったりということはないでしょう。
イチゴのケーキが好きで毎日食べている女の子が、ある日激辛タイ料理を食べて、案外激辛もいけると思うかも知れないというのはあまり的を射ていない例えかも知れませんが。

そういうわたしも、まだフィルム2本撮っただけでまだ先のことは分かりませんが、かなりの好印象を持ちました。
心配していた、某社の40mmF2.8とか75mmF2.5という新しいレンズを使った時のような拒絶反応は起こりません。
これらは、コントラストの高さによって画像をシャープに見せるようなレンズでしたので、解像度の高さによるよりストレートなシャープネスのマイクロニッコールはまったく異質でだからでしょう。

れんずまにあさんからの情報では、等倍においてマイクロニッコールの真価が発揮されるようです。
せっかくEVFの搭載されたX-E1や39mmのエクステンションチューブがいくつかあるので、等倍撮影には挑戦しなければなりません。
いきなり等倍とは言わなくても、1.5フィートの近接撮影は早速試してみなけれはと思っています。
【M6/Micro-Nikkor 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Nikon Micro-Nikkor.C 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(2) | 2013/03/20 Wed

太貴不会売完

M6/Micro-Nikkor.C 5cmF3.5
今回お見せしている作例からでは、マイクロ・ニッコールのすばらしさは伝わらないかも知れません。
このレンズの最大の特長はずば抜けた解像力にあるのですが、圧縮させたディスプレイ上の作例ではそれはよく伝わらないと思われるからです。
撮影はT-Max100でおこないDVDに焼いてもらったプリントを等倍にて見ると、その圧倒的な解像度には驚かされました。
たいへんに緻密で、中判か大判の写真を縮小した作例のような感じすら覚えたほどです。

実は、自身のブログに出すよりもはやく、写楽彩画像掲示板に紹介させていただきました。
そこで、レンズ愛好家の中ではその博識において第一人者であるれんずまにあさんから、望外とも言えるコメントをいただきました。
名だたる高解像標準レンズとの比較で、等倍でダントツ、遠景でもほぼ最高レベルと評され、間違いなく最高の一本のひとつだと思うと結ばれています。
手前ミソになりますが、これ以上ない賛辞につい興奮してしまいました。

また、ノンライツにおいては右に出る者なしのT-REXさんからは、まだ使ったことがないとコメントいただきました。
それでも、いいレンズだと思うと直感されていて、小さな作例から情報を引き出すその眼力はさすがです。
このレンズをお貸しして、どのような感想を持たれるかうかがいたいものです。

さて、昨日書きもらしたレンズ構成ですが、4群5枚のクセノタール型が採用されています。
ダブルガウスの3群目の2枚貼り合わせを曲率の強い1枚で済ませている構成です。
なぜ、日本光学では、ダブルガウスではなくクセノタールを採用したのか、たいへん興味深いところです。
その理由までは分かりませんが、そもそもニコンS用のレンズでダブルガウスが採用されているレンズはほとんどないことに意味があるのかも知れません。

35mmF2.5は典型的なダブルガウスですが、50mmF1.4(後期型)や50mmF1.1は枚数を増やしたガウス変形で、恐らくそれ以外にガウスタイプのレンズはないのではないかと思います。
マイクロ・ニッコールでもダブルガウスで設計するところを、何かの理由からあえてそれを避けて1枚減らすことでクセノタールにしたという可能性はないのでしょうか。
たとえば、ライバルのキヤノンがガウスレンズを次々と投入する一方で、日本光学はゾナータイプで勝負しているイメージが強いので、ガウスタイプのレンズを出すことは日本光学の敗北を認めたことになるとの不文律が社内にあったとか…。

このレンズには、5枚のうち4枚で新種ガラスが使われているそうです。
1950年代では恐らく新種ガラスを使うこと自体が高級レンズであるということを意味していたはずですが、通常は1枚か2枚しか使っていません。
ズミクロン50mmも2枚だったと思います。
あるいは、新種ガラスを4枚使ったことにより、5枚構成で間にあったということがあるのでしょうか。

いずれにしても新種ガラスを4枚も使えばそうとうに高価だったはずで、実際、マイクロ・ニッコールは高性能にも関わらず高過ぎてまったく売れなかったと記録が残っているようです。
1500本製造が本当であれば、1ロットだけしか製造されなかったとも考えられます。
1500本作ってみたけれど全然売れずに倉庫に残ったまま。
仕方ないので、まだ売れるかも知れないライカマウントにつくりなおして見たものの、それでもやっと200本がどうにか市場に出ていっただけ…、ほんとにそんなだとしたらとても残念です。
【M6/Micro-Nikkor 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Nikon Micro-Nikkor.C 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(2) | 2013/03/19 Tue

日本光学微鏡頭

M6/Micro-Nikkor.C 5cmF3.5
さっそくレンズのことを紹介させていただきましょう。
M6に付けていたのは、日本光学のマイクロ・ニッコール5cmF3,5です。
オリジナルのライカマウント版で、クロームの沈胴鏡胴なのですが、フォーカスリング部分だけブラッククローム処理された風変りなデザインをしています。
フォーカスリングの距離表示はフィートのみで、無限遠から3.5フィートまで距離計連動、ヘリコイドはさらに繰り出され、連動こそしませんが1.5フィートまで近接の撮影可能です。

その連動しない近接部分を分かりやすくするためか、距離表示の数字は白文字ですが、近接部分は赤い文字で目立たせています。
ところが、通常の遠距離の∞ 50 30 20 15 12 10…という表示はあまりに接近して刻印されているため、非常に見にくくなってしまっています。
少なくともわたしの目にはこの表示は役立たずですが、使用者にもマイクロな視力を要求するレンズだということなのでしょう。
ただ、ニコンSマウント版ではヘリコイドがカメラ側にあるので、当然レンズには距離表示がないことは申し添えておかなければなりませんね。

フィルターサイズもかわっていて、34.5mmというサイズのものが必要です。
さいわいにもライカにエルマーなど用に多く使われているA36サイズのものもフィットしますので、今回、ライカ用のSOOGZというレンズ側がA36サイズで39mmのフィルターを付けられるアダプターで代用しました。
このアダプターは12mmほどの高さがあるのでフード効果も期待できるので、わたしはよく使います。

ブラックのM6にフィルターアダプターのSOOGZがクローム、レンズ先端部もクローム、沈胴部分もクローム、フォーカスリング部分がブラック、マウント部分がクローム、M/Lリングがクロームと、すっかり外観はパンダになっています。
フォーカスリングだけ黒いレンズというのは、特殊なレンズだという雰囲気濃厚になります。
ニコンS用はフォーカスリングがない分細身でブラックになっておらず、普通の沈胴レンズにしか見えないのではないかと思われ、目立ちたい人はライカマウントを持つと好いでしょう。

発売は1956年で少なくとも1967年のカタログにも載っていたようですが、製造本数はわずかに約1500本と言われています。
うちライカマウントは、わずか200本というので、これは相当にレアなレンズだと言えます。
そんなレンズを幸運にも入手できたことで、一刻もはやく使ってみて、作例を見てもらいたいと異例のスピードで今回アップさせていただいたのです。
【M6/Micro-Nikkor 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Nikon Micro-Nikkor.C 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/18 Mon

半天去古鎮

M6/Micro-Nikkor.C 5cmF3.5
本来であれば、今日は鎌倉散歩の最終会の予定なのですが、鎌倉ではあまり撮影していなかったので、弾が尽きてしまいました。
そこで、時間が前後することになりますが、その前の週に中国に行ったときの写真を1日早くスタートさせることにします。
そのときの惠東に行った写真は2週にわたって出していますが、それはX-E1の試し撮りのような作例で、こちらはその翌日に撮ったM6での作例になります。

実はこのとき、X-E1のテストと同時に、別のレンズのテストも行いたいと考えていました。
X-E1にそのレンズを付けてしまえば話しは簡単ですが、初カメラに初レンズでは様子が分かりづらいだろうと考えて、レンズの方は敢えてモノクロフィルムで行こうと決断していました。
惠東では2箇所まわったので、最初にX-E1をメインにして、次の場所ではレンズの方をメインに据える作戦です。
ところが、最初のところから撮るものが思ったほどなく、次のところも友だちになった女の子たちと遊んでしまって結局ほとんど撮るチャンスがありませんでした。

X-E1の方はどうにかブログを2週続けるだけの作例を確保できたようですが、わざわざM6をも持参していたレンズはほとんど撮影しないままです。
翌日は午後に用事があったのですが、なんとしても今回の大切なレンズの使用機会をつくらねばと、2日連続の早起きをして近くの古鎮と呼べるようなところを歩こうと決意したのでした。

深圳でこのパターンですとすぐに思いつくのは大鵬ですが、この前行ってきたばかりです。
むしろ高速鉄道を使えば大鵬より早く着けそうな、東莞の南社村へは数ヶ月前にこれも行ったばかりですが、大鵬よりはいいかなと向かってみることにしました。
個人的にはそのような経緯での行き先決定があったことをお伝えしておきますが、まあ、傍から見ればどちらも似たようなもので勝手にしなさいというところかも知れません。

こんなこと書いても仕方ないですが、南社村へは深圳駅から10分間隔くらいで出ている高速鉄道で35分ほどの東莞駅で下車して、バスを乗り継ぐのが一般的なところを時間がないためタクシーと交渉して100元というのを粘って60元で行ってもらいました。
20分ほどで着きましたので、うまくやればトータル1時間くらいで行けるということになります。
それなら大鵬より近いということになりますね。

平日の午前ということで、観光客なんてひとりもいません。
いちおう入場料をとられるようで、チケット売り場に係員がいたようですが、とぼとぼと歩いていっても声もかけられずタダで入ってしまったのは、古鎮マニアとしては申しわけなかったです。
ともかく、時間がないので見えたものは何でも撮るという、駆け足散策がいまスタートしました。
【M6/Micro-Nikkor 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Nikon Micro-Nikkor.C 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/17 Sun

草苺糖

X-E1/Anastigmat 5cmF1.5
確かこのダルマイヤー・アナスティグマットを使うようになってからのことだと思うのですが、50mmF1.5レンズを蒐集しますと宣言しました。
当時、キノプラズマート、ゾナー、ノクトン、シムラー、セレナー、ジュピター等の同スペックレンズをすでに所有していましたが、新たに加わったアナスティグマットも含めて、いずれも個性的で使っていて楽しくなるレンズばかりです。
構成も、プラズマート型、ゾナー型、ガウス変形型、ゾナー・ガウス折衷型とバラエティに富んでいるのが魅力的でした。
まだ他にも50/1.5というスペックのレンズは存在していましたので、これらを集めてみようと考えたのです。

よくよく考えればあまり意味のない発想でしたが、購入するレンズに一貫性がなく無闇に増殖していくなかで、今後の蒐集に方向性を持たせなければいけません。
折しもそのとき親交を深めつつあったksmtさんから、面白い発想ですねと言われ、すっかり舞い上がって背中を押された気持ちで50/1.5レンズを探し続ける人生を始めてしまいました。

もともとF1.5というF値のレンズはそれほど多くありません。
とくに戦後は、新種ガラスの登場とともに多くの収差の問題が解決したことで、無理してF1.5を達成していたところが余裕でF1.4まで引き上げられており、ルート2の系列に収まったことで1.5という数字が意味をもたなくなったからでしょう。
LEICA COPIESという本には16種の50/1.5レンズがあることになっており、わたしもトプコール、ニッコール、クセノン、SKなどを入手したもののそこでネタ切れになってしまいます。

そこで止めていれば健全な趣味ということで済んだのですが、わたしは自身の中にある暴走する機関車の停め方を知りませんでした。
主にシネ用レンズから同スペックのレンズを掘り起こしては、MSオプティカルに送ってライカマウントに仕立ててもらい続けます。
レンズ本体以上に改造費の方が高くついてしまいますので、最低限度の生活まで支障を来すようになってしまいました。

それすらも玉がなくなってしまい、必然のように続けたのが、焦点距離の縛りをとった上でのF1.5レンズ探しです。
1インチ(25mm)は4隅が大きくケラレるので対象から外し、35mmは2本しかなくその2本とももともと所有していたので、残すところは中望遠系だけになったのですが、これらもいくつもあるわけではなくもうほとんど網羅しつつあります。
いよいよ、こんなバカなコレクションも終焉のときが来たとホッとしたのも束の間、いま、ゾナー50/1.5のバリエーションを細々と集めることで必死の延命をはかっている状況です。
それも年内もつかどうかですから、次のシリーズのアイディアでも練らなければなりません。

さて、今日の作例に登場するは、八幡さまの参道に出ていたイチゴ飴の屋台です。
きっととても甘い飴なのでしょう、甘い描写のF1.5レンズを象徴していて、とても放ってはおけない親近感を覚えました。
イチゴは酸っぱいんじゃないのと言う人がいるかも知れません。
わたしはこう答えるでしょう。
酸っぱいのはイチゴではなくレモンです、ほら、作例をみてください、イチゴはこんなに甘いではないですか、と。
【X-E1/Anastigmat 2inchF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Anastigmat 2inchF1.5 | trackback(0) | comment(2) | 2013/03/16 Sat

巴塞羅那復活

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ここ最近、体重が一気に5キロくらい減って、もともと体はダブついていたとは言え、少しだけスリムになることができました。
しかし、それはけっして喜ぶべきことではなく、実はつらい出来事が重なって食事がのどを通らなくなったためだということを知る者はないでしょう。
そのつらい出来事が何かを知るひとはましてや皆無のはずです。

それが何かと明かせば、先々週、先週と我が愛するFCバルセロナがたいへんな不調で大切な試合を3つも落としたからなのでした。
調子がよくて相手にやられたのであれば、ツイてなかったでもよくやったなどとヘコミつつも何とか立ち直れるのですが、内容がふるわず相手にコテンパンにあしらわれた、しかも重要な3試合で、なおかつレアルマドリードには連敗とあっては絶望の淵に叩き落とされて立ち直ることは叶いません。
すべてにおいて無気力になり、新聞やニュースを見るのが怖くなり、食欲がゼロになりました。

さらに連敗を続けていれば、このままいくと本当にわたしは病気になっていたかも知れません。
その後、リーガ最下位のデポルティボには勝ちましたが内容はけっして褒められたものではなく、少なくともわたしが立ち直るきっかけとはなりませんでした。
今期はこのままずるずるといってしまうのではと不安でなりません。

ところが、突然の朗報がもたらされます。
チャンピオンズリーグのベスト16第2戦の対ミラン戦で4-0で圧勝し、しかも内容は今期最高のものだったといいます。
バルサの時代は終わったと突き放され、守備だけに徹するはずのミランのカギをこじあける力はもうないと嘲笑され、恐怖で試合結果を見ることができなかったわたしに知り合いからお祝いの言葉がかけられてそのことを知ったのですが、その瞬間から体調はもとに戻っていままでがウソのようにすこぶる好調になってしまいました。

FCバルセロナの調子ももとにもどったのかどうかはまだ分かりません。
不調に陥った原因については、メッシに頼り過ぎだとか、他のフォワードが点の取り方を忘れたとか、グァルディオラがいなくなったからだとか、後任のビラノバが療養中だからとか、センターバックの布陣がいつも変わっていて守備が安定していないからとかいろいろと言われていますが、本当のところは誰にも分かりません。

わたしが敢えていうとすれば、上にあげた原因は少しずつあたっていて、それぞれにわすがな部分がズレていったために全体では選手たちにも気付きにくいところでのズレとなって影響したからなのではないかと思うのです。
ひとつふたつのことがらが大きく崩れてもそれを修正したり他で補うだけの力を持っていても、全体が少しずつ狂うとそれを解決させるには、FCバルセロナのサッカーはあまりにセンシティヴだということです。

さて、バルサがミランを破ってチャンピオンズリーグのベスト8に進出したことは、わたしにもうひとつの影響をもたらしました。
先日、休暇でチベットに行きたい云々と書いたのですが、その直前まではカタルーニャを旅してカンプノウでチャンピオンズリーグの準決勝を見ようと計画していました。
昨年末に日本を訪れたカタルーニャ人のダヴィドからいっしょに見に行こうと提案してもらつていたたからです。

ミランとの初戦を落としてこの計画を諦めてしまったのですが、ここへきてまた計画は復活を果たすことになります。
ちょうど今日ベスト8の組み合わせ抽選があり、FCバルセロナはパリサンジェルマンと対戦することになりました。
勝ち進めれば準決勝でその前にまた抽選があり、そこで第1戦がホームになれば計画を実行するつもりですが、第2戦がホームだとこれはゴールデンウィークの中日で仕事の関係で休むことができなくなります。

ベスト8を勝ち上がり(確率9割?)、抽選結果が吉(この確率はフィフティ・フィフティですね)とでれば、晴れてカタルーニャに行かなくてはと思っているところです。
そのときの要望が2つあります。
準決勝の対戦相手がレアルマドリードで、目の前でリベンジを果たしてほしいということがまずひとつ。
もうひとつは、そのときまでせっかく減った体重が増えていないようにということです。
【X-E1/Anastigmat 2inchF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Anastigmat 2inchF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/15 Fri

入蔵的弁法

X-E1/Anastigmat 5cmF1.5
ストラップのオーダーと合わせてもうひとつ鎌倉での用事がありました。
和田塚駅近いレザーショップから鎌倉駅を過ぎてちょっと行った寿福寺に近いチベットグッズを扱う店に移動します。
店番していたのは、まぎれもなくチェンりーさん。
最初、あれというような顔をしていましたが、おや久し振り、2年かなと、ずくにわたしを思い出したようです。

チェンりーさんは、中国青海省出身の蒙古族の男性です。
チベット仏教を学んだ後にチベットのラサで旅行会社を起こし、その後日本人旅行者と恋に堕ちて結婚して、いま鎌倉でチベット関連のアイテムを扱う店を開いて5年という平坦でない人生を歩んできているようです。
少なくともこれまでの半生を文章にしたら、わたしのブログなぞよりずっと面白いものになることでしょう。

わたしの用事というのは、今年、念願のチベットを旅行しようと思い立ち、その相談をしにいったのです。
チベット人と中国政府の関係は未だ予断を許さないところがあって、個人に対する入蔵証(パーミット)が発給されないとの信憑性の高い情報があったので、パーミットを取る裏技はないのかずばり聞きに行きました。
さすがは、ラサで旅行社をやっていたプロです。
チベット入境手続きをするのは中国なんだから、裏技がないはずはないでしょと方法を教えてくれ、仲間の旅行社を紹介までしてもらいました。

ただ、何も知らないわたしには厳しい旅の話も聞きました。
パーミット取得には最低翌日までかかること、山の上にあるラサでは高地順応のために到着後2~3日はおとなしくしていた方がよいこと、聖地カイラスへは4駆のチャーターかツアーに参加が必要で片道3日かかること、等々。
つまり、1週間しか休みが取れないわたしには、カイラスまで行くのは絶望的だということです。
パーミットに賄賂を上積みして、事前高地トレーニングで到着時には順応していて、カイラスへはやっと着いたのに1泊だけでとんぼ帰りという強行軍を遂行するのが唯一の手段ということでした。

ラサと周辺だけを見て回るのもいいですよと薦めてもらいましたが、今年こそチベットへとの決意はかなりしぼんだのは事実です。
以前にも行きましたが、四川や雲南、青海などにもチベットエリアがあるので、費用的にはずっと安く済むそういった選択肢も考えられます。
これはかなり悩むことになりそうです。

その青海は、チェンリーさんの出身と書きましたが、数年前にわたしも青海湖や西寧には行ったことがあると話すと、では塔尓寺には行きましたかと聞かれました。
まさにその塔尓寺に行きたくて西寧まで行ったのだと答えると、チェンりーさんは若いころそこで4年ほど修業していたとのことです。
意外な接点があったことで少し盛り上がることができました。

塔尓寺はチベットの6大寺のひとつで、多くの若い僧がチベット仏教を学び、それよりもはるかに多い信者がはるばる巡礼にやってきます。
その由緒ある寺のお香があるよと見せてくれました。
薫香と書かれた箱に入ったお香はやわらかな薬草のような香りがして、現地では風邪をひいたときなどこのお香を焚いて治すのだとのことです。
修業僧はこのお香をつくるという日課があって、わたしもいっぱいつくったものですと懐かしそうに語っています。
風邪はひいていないわたしでしたが、塔尓寺を訪れたときのことを思い出せるかも知れないと1箱求めることにしました。
【X-E1/Anastigmat 2inchF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Anastigmat 2inchF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/14 Thu

相机皮帯

X-E1/Anastigmat 5cmF1.5
カメラのストラップにこだわりがある人って多いのでしょうか。
一眼レフで撮影している人の多くは、メーカー純正のNikonとかCanonと大きく書かれた、どこのカメラかひと目で分かるようなストラップを使っているように思われます。
カメラ自体は一見するとみな同黒い物体でメーカーが判然としませんが、あのストラップを見れば、遠くからでも背後からでも一目瞭然です。

ライカでは逆に純正が敬遠される傾向があるように思います。
では何を使うかといえば、ストラップ専門メーカーがつくる高級革のストラップがライカに合うと好まれているようです。
メーカーや素材は多く、固さや色のバリエーションを考えると選択肢は広く、自分の好みのものを付け、さらに革ストラップは使いこむほどに好い味が出てきますから、自分はこんなにライカを使っているとの自慢の道具にもなります。

かくいうわたしも革ストラップ派でしたが、途中から丸ひもストラップを愛好するようになりました。
ふだんの散歩撮影ではカメラを首から提げることことはほとんどなく、ストラップを手に巻きつけてカメラを握って歩いているからで、これだと革ストラップでは扱いづらいということがあります。
もうひとつは、カメラをバッグに入れると革のストラップではバッグの中で遊んでしまうということがあります。
丸ひもストラップではカメラの上にするするっと収まって、この収まり感が好いんです。

さて、土曜に鎌倉に行ったのは、以前、ペンケースやウォレットなどを作ってもらったレザークラフトの店で、X-E1用のストラップをオーダーするのがひとつの目的でした。
丸ひもストラップは某メーカーのシルクのものがすばらしいのですが、15000円もしてとても買う気になれません。
もっと安いものもありますが、コストは安いはずなのにみな5000円前後するので、それなら丸ひも持参で革パーツを使ったオリジナルストラップをつくってもらおうと考えたのでした。

店で相談すると、思わぬ展開になりました。
やわらかい革を細く長く切ったものを3本こゆらせることで、革を使いながら丸ひもに近いフィーリングのストラップができるというのです。
丸ひもストラップを革ストラップと比較して唯一劣る点は、革が使いこむほどに味が出るのに対して、丸ひもは使うほどに汚なくなっていくということです。
使い勝手が丸ひも同様で、革の良さも出すことができればそれに越したことはなく、そんなストラップをとオーダーしました。

店では、もうふたつのアイテムもオーダーしましたが、それらについてはまた別の機会に。
それらの完成は1ヶ月後ですが、果たして理想ストラップができるものなのか、大きな愉しみです。
それまでは、X-E1は汎用リストストラップで我慢せねばなりません。
【X-E1/Anastigmat 2inchF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Septac 2inF1.5 | trackback(0) | comment(3) | 2013/03/13 Wed

1/20鏡頭

X-E1/Anastigmat 5cmF1.5
鎌倉に持って行ったレンズは、アナスティグマット2インチF1.5です。
こう書いてもなんのレンズかは分からないでしょう。
製造メーカーがダルマイヤーと書いても、まだ分かりにくいかも知れません。
レンズ銘板には、Dallmeyer Anastigmat 2inch F1.5 としか書かれていませんが、セプタックと同じレンズです。
X-E1の2回目の使用にあたって、いちばん好きなレンズを試してみようと思っての選択でした。

5年と少々前のことですが、イギリスのカメラ店にこのレンズを見つけたのですが、外観はボロボロでダルマイヤー・アナスティグマットとだけ書かれたレンズヘッドは確か1万円以下にも関わらず誰も買おうとしないようです。
もちろん絞りはあるもののヘリコイドは付いておらず、さらに前玉がキズだらけとあって、素姓の分からないこんなレンズに手を出す人がいないのはむしろ当たり前でした。

しかし、このレンズの絞りリング部分がふくれたデザインはセプタックのそれとそっくりだと気付きます。
それに、日本には、レンズヘッドにヘリコイドを付けてライカに距離計連動で使えるようにする名人が、キズレンズを研磨によって再生する名人がいます。
間髪入れることなく購入しました。

早速MSオプティカルへ送ると、ライカマウント改造は簡単だが…、との返事です。
ただ、この前玉はひどいので山崎光学で研磨しないとダメでしょうとのアドバイスで、自分の目論見通りの展開になりました。
宮崎さんから山崎さんに送られたレンズですが、ここでも研磨は可能ですとの即答をもらいます。
ひとつ問題になったのは、コーティングをするかどうかということでした。
本来オリジナルを尊重する立場からはコーティングは避けるべきかなとも思いましたが、研磨の時点でオリジナルでなくなっていると考えれば、あえてコーティングするという道を悩んだ末に選びました。

ガラスの反射率は確か5%程度と言われているのではなかったかと思いますが、コーティングにより大幅に改善されたとすれば、5%性能が向上したのではと、このレンズのケースでは考えることにしました。
開放でフレアつぽさが顕著なセプタックですが、少なくともその点においては、わたしのレンズには有意差があるように思います。
しかし、コーティングが収差を軽減する訳ではないので、ボケなどはこれまで見た他のセプタックとそっくりなのが何とも言えず好きです。
結果的に、世界でいちばん使いやすいセプタックになったのではと思っています。

改造と研磨で6万円ほどかかりました。
トータルで7万円ですから、標準レンズとしてはとても安いとは言えません。
それでも外観がボロボロだったおかげで、日本に君臨する両名人のおかげで、また、当時はまだレンズのブームが起こっていなかったというタイミングのおかげで、今では入手の可能性のほとんどなくなったセプタックを手に入れることができました。
いま、eBayにセプタックが出ていますが、これも宮崎さんの改造になるレンズで日本円にして3百万円(!)です。
この値付けは強引すぎですが、少し前にも1万5千ドルで出ていたセプタックが売れたようでしたので、7万円から20倍の値上がりをしたということになりそうです。
セプタック恐るべし。

今日の作例は、コーティング・セプタックの面目躍如の1枚になっていると思います。
やや逆光ぎみながらフレアっぽさは最小限に抑えられ、一方でセプタックらしいハイライトの滲みとしっとり感溢れた描写を実現しているからです。
失敗だったのは、いかにも安っぽいデジタル臭い発色になってしまっていることでしょう。
ホワイトバランスをオートのままで撮ったのが敗因でしょうか。
X-E1に限ったことではないかも知れませんが、シチュエーション次第でホワイトバランス設定をまめに変更すべきなのだろうと思います。
【X-E1/Anastigmat 2inchF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Anastigmat 2inchF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/12 Tue

梅花開得美麗

X-E1/Anastigmat 5cmF1.5
今日、3月11日は東日本大震災から丸2年を迎える日です。
昨年のこの日は、もう1年経ったのか早いものだと時間の経過の早さに驚いたことをよく覚えていますが、今年はまだ2年だったかとむしろ時が止まったかのような感覚になりました。
この感覚こそ、震災の風化に他ならないと思われました。
こんなことではいけない、復興がまったく進まないなかで、つねに被災地に対しては関心をもって見ていかなくてはと再認識した次第です。

さて、先週末はふたつの用事があって鎌倉に出掛けてきました。
予報がとてもよく、春らしい天気ということでしたので、絶好の散歩日和ともなったのですが、用事で会った人たちとすっかり話し込んで撮影の時間がほとんど取れませんでした。
いまみると撮影枚数はたったの30枚です。

フィルム時代ですとほぼ1本撮っているので、わたしの間隔では少ないとは言えないのですが、デジタルだとフィルムの3~4倍は撮る感覚なので少ないということになってしまうようです。
枚数が増えている分、写真の質ということでは個人的にはかなり落ちていると自覚しています。
はたから見れば、どちらも変わらないという判定かも知れませんが、1枚1枚の思い入れではまだフィルムてのシャッターの方に力が入っていると思っているのです。

ただ、スナップと言うことに関しては、ここぞというタイミングを見計らって重々しく撮るよりも、軽快に失敗覚悟で撮るほうが結果がいいということも言えます。
あまり上段に構えることなく、1枚を大切にという気持ちを意識するようにしたいと思います。

鎌倉は、どこを歩いても梅が満開で、目をとても楽しませてくれました。
それに、わたしは梅の上品で嫌みでないおとなしい香りが大好きで、目だけでなく花も楽しませてもらえたのがよかったです。
梅の香りの和菓子は聞きますが、梅の香水とか芳香剤と言うのはないのでしょうか。
香りが弱々しくてだめなのか、季節限定的なものを通年に使うのは風流でないという理由があってのことなのかも知れませんね。

2個所で話し込んでしまったため、遅い時間に寿福寺着いたことが幸いしてとても好い光線の中を歩くことができました。
ポスターがいつも邪魔になるのが気になるところですが、木、石、こけ、瓦、竹など枯れた色彩の中で西日を浴びたピンクの梅が浮かんで見えるところが素敵です。
鎌倉に限ったことではないですが、季節や時間を違えて訪れる鎌倉には必ずと言っていいほど新しい発見があります。
【X-E1/Anastigmat 2inchF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Anastigmat 2inchF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/11 Mon

末妹

X-E1/Sonnar 5cmF1.5
前回購入した中国製なんちゃってタブレットは未だ健在で、あまり使っていない代わりに、火を吹いたとか尖閣は中国の領土だなどのメッセージが出てきたなどのトラブルはありません。
ただ、USBケーブルからSDカードを接続しても写真を取り込めなくなったので、操作法を聞くという名目で深圳の購入店に再度足を運んでみました。

中国らしい広いフロアに小さな店舗がいっぱい並んだうちのひとつの電器店ですが、わたしはひとめ見て説明してくれた彼女が分かりました。
それほど深圳においては傑出したルックスだったからです。
彼女の方でも、電脳大国のはずの日本の人間がこんなものを買っていくのが珍らしかったからか、わたしを覚えていてタブレットの調子はどうなどと自信ありげなあいさつをしてきます。

名刺に麗旋と書いてあったのですが、それはお姉さんの名前だそうで、彼女は麗玲というのだそうです。
日本語読みだとレイレイですが、中国語ではリーリンで、いかにも中華的な響きが魅力的な名前です。
お姉さんがいるのと聞くと、驚いたことに6人兄弟で、男女女女女男の4番目だとのこと。
なるほど、あちらに兄さん、向こうに姉さん、目の前に妹と、3軒分の店舗をひとつで使っているこの店で、兄弟たちがみんな店番していました。
広東の東のはずれの潮州から出てきているのですが、それにしても当地の一人っ子政策はどのようになっているのか不思議です。

深圳の電器街は6時に一斉に閉まると聞いていたので、5時半頃のこのこ出掛けていって、食事に誘いだしたうえで写真を撮らせてもらい、次回また来たときにその写真を持って…、と綿密な計画を立てて乗り込んできたのですが失敗に終わりました。
新興のここ電脳ビルでは、がんばって夜8時まで営業するのだそうで、まだ2時間も先でいま来て兄弟たちもいる中で今夜食事どうというのも国際マナーに反します。
次回、あればの話しですが、有名な潮州料理を食べにいくということになりました。

ここまでやって来た理由はもうひとつあって、X-E1のスペアバッテリーを買うつもりでいたのですが、リーリンにバッテリーを売っている場所を聞くと、わたしが買ってきてあげるとどこかへ消えてしまいました。
すると、妹の方が近寄ってきて、携帯充電マシンを買わないかと言うのですが、日本の携帯には対応しておらず不要となりました。
ちょっと雑談しているとメールが来て返信を打ちはじめたので撮ったのが今日の作例です。
15~6歳に見えましたが本人曰く19歳。

お姉さんとは誰からも似ていると言われたことがないと言いますが、確かに似ていないものの彼女もかなりの美少女です。
近接過ぎる作例でそうは見えないかも知れませんが。
次回はお姉さんを、その次はもうひとりのお姉さんを撮って、4姉妹完全制覇を達成したいと思います。
そのたび、毎度何か買わされていたらたいへんですが、今回は充電マシンを断れたので助かりました。

そうこうするうちにリーリンがバッテリー片手に戻って来ました。
メーカー品でないものが1個80元であったが、PISENという中国では知られたバッテリーメーカーのものが、120元で見つかったので100元に値切って買ってきたと誇らしげです。
ヤフオクなどではX-E1互換バッテリーが1000円前後で売られていますので、これがリーリンのいうメーカー品でないものに相当するとすれば、中国のメーカー製が100元はまあまあよしとできます。

バッテリーは使用上の問題はありませんが、サイズが微妙に合っていないのか、一度カメラに入れると取り出そうとしてもなぜかなかなか出てきてくれません。
PISENといっても日本では知るひともなく、互換バッテリとは純正に対するニセモノに過ぎないと言えます。
わたしが買ったのはそのニセモノのニセモノだったのかも知れません。
【X-E1/Sonnar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5cmF1.5(Contax) | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/10 Sun

元肖節好

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よかったら夕食を食べていってと誘ってもらいましたが、夜は夜で予定がありましてと辞退しました。
とても残念に思います。
この日は元肖節といって春節の最後の日、伝統的には軒先にランタンを飾ったり、ご馳走を食べたり、とくに湯圓というスープに入った甘い団子を食べる習慣があり、これが日本の小正月に小豆粥やお汁粉を食べるルーツと思われるので、そんな体験をしてみたいと前々からチャンスの到来を期待していたからです。
まさに千載一遇の機会を逸したというところでした。

この家は、100年以上前に福建省から移住してきたという古い記録が残っているくらいなので、当時の元肖の様子を伝える伝統的なスタイルだったのかも知れません。
そうでなくても田舎の古い家なのですから、何かがありそうな期待感に満ちていただけに予定変更も頭をよぎったものの夜の食事の約束も大切なものでした。
今回は申しわけないがお暇しますが、また近いうちにお邪魔しますのでというと、来月また来てと言われて苦笑させられます。

あと30分くらいあるので村を散歩してからそのまま大通りに出て、バスで帰ることにしました。
美蓉と勝意のふたりにいとこの女の子が加わりました。
作例の彼女ですが、前回もアップの写真の作例を出している、ショートヘアのちょっとボーイッシュなところがある将来楽しみな美少女です。
さすがにわたしのことは覚えていないようだったのですが、このとき散歩に出てから彼女たちの手を拒否してわたしと手をつないで歩こうとしていました。
もしかしたら、前回、飴をあげたりして可愛がったのを思い出したのかも知れません。

そんなふうに散歩していると、若い母子に出合い、美蓉たちが何やら親しげに会話しています。
お母さんはなかなかきれいな人で、日本から来たんですかなどといろいろ話しかけられたのですが、時間が押していたわたしは杓子定規な返事をして、それではと立ち去りました。
美蓉たちから、なんでもっと話したり、写真を撮ったりしなかったの、きれいな女性なのにと聞かれます。
きれいでも子どもといっしょではと言うと、あの子は彼女の子ではないわ、彼女はまだ独身よと、いまさらながらの情報を教えてもらいます。
なぜ、それを先に教えてくれないのか、期せずして来月また来る理由ができてしまいました。

帰りのバスはたいへん順調で、ぎりぎりまで滞在したため深圳へ戻るのが少し遅れてしまいましたが、ほぼ約束の時間どおりで助かりました。
食事は火鍋に行ったのですが元肖節は外食する人も多いようで、たいへんな混雑とにぎわいです。
火鍋には湯圓はありませんでしたが、代わりに肉団子を注文しました。
元肖に湯圓食べるのは、丸い物を食べて円満にという意味を込めるからだそうで、火鍋を食べる時は肉団子で代用するのはごく当たり前とのことです。
皇思楊で食べられれば最高でしたが、こういう代用もけっして悪いものではないなと思いました。
【X-E1/Pan-Tachar 28mmF1.8 F1.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Astro Pan-Tachar 28mmF1.8 | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/09 Sat

最好玩的玩具

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ヘクトールから切り替えたレンズは、パン・タハー28mmF1.8です。
感覚的にはかなり久し振りに使うレンズですが、やはりみると前回の使用は5年前のことでした。
RーD1を愛用していた時代ですが、同時に、まだマイクロフォーサーズなどのミラーレスが登場する前の時代でもあって、ほとんどのcマウントレンズは100ドル以下で投げ売りされており、そんな1本として買ってきてMSオプティカルでライカ距離計連動マウントに改造してもらったものです。

その後、自身のカメラがM8に変わり、世間ではミラーレスカメラとcマウントレンズのブームが起こり、この手のレンズの作例は巷に溢れるようになりました。
それはマイクロフォーサーズのようなフォーマットで実にしっくりきていますが、RーD1からM8と画面サイズが拡大すると欠点を拡大するばかりで意味がありません。
もはや使わないレンズ筆頭になってしまいました。
M8からX-E1になると、事情としてはもとに戻ることになり、パン・タハーもここに復活することになります。

長く使っていないレンズでとても意外に感じたのはピント面の浅さです。
いや、合焦する面はひとつしかないのでこの表現は誤解を生むといけません。
被写界深度がたいへん浅いと書きなおすことにします。
F1.8とはいえ28mmの広角レンズがここまで深度が浅いものかと、撮影した多くの写真に感じました。
感覚的には、ズミルクス35mmF1.4より浅いように見えてなりません。
パン・タハーは4群4枚のいわゆるスピーディック型ですが、薄いレンズが4枚並んだ弱々しい構成が深度を浅く見せるのでしょうか。


さて、散策の方はさんざん歩きまわって、さすがの若いふたりもくたびれたようでお茶休憩することになりました。
とはいってもこんなに田舎では喫茶店はないようで、台湾発で中国で不気味な変化をとげた珍珠ナイ茶(タピオカ入りミルクティ)の店に入ります。
1杯6~70円というところですが、タピオカも茶もたぶん使っていなさそうな体に悪そうな飲みものが出てきま
した。

ここで大いに盛り上がったのが作例の遊びです。
これ、名前はなんというのでしょうか、直方体の木切れを3本ずつ互い違いに積み上げた塔から、順番に木切れを1本抜いてはてっぺんに置いていき、崩してしまった人が負けという、超単純でおとなもこどもも楽しめるゲームです。
彼女たちは初体験ながら大受けで、1時間以上も3人で夢中で遊んでしまいました。
これならルールが簡単で言葉の壁も取り払えるので、外国旅行で現地人と触れあいたいという人には必携アイテムです。

当日は夢中になっていたので気付かなかったのですが、作例の背景には大小とかサイコロの絵があるので、ここでギャンブルする人がけっこういるということなのでしょうか。
不味いお茶は隠れ蓑で、ほんとうはここは賭場だったのかも知れません。
そういえば、お茶をつくっていたのは、いかにもやり手ハバアという雰囲気のおばちゃんだったことを思い出しました。
みんなを虜にしたこのゲームも、本来は金を賭けて遊ぶべきものだったとすれば、わたしたちはあまりにも純粋過ぎる客だったのだろうと思われます。
【X-E1/Pan-Tachar 28mmF1.8 F1.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Astro Pan-Tachar 28mmF1.8 | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/08 Fri

多祝新城

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皇思楊村にやって来たのは、前回11月に訪れたときに知り合いになった女の子たちからまた来てと誘われたからです。
それ以外の理由はありません。
ただ、ここだけに来たのでは新鮮味がありませんので、前回行こうとして果たせなかった田坑村に寄ってから、意気揚々と皇思楊村に凱旋(?)したのでした。

ところどころ撮影しながら歩いていると、見つかりました、美蓉の暮らす雑貨屋です。
店番していたお母さんがわたしに気付いて大声で娘を呼び、出てきた美蓉もまたはす向かいに住む友だちの勝意を大声をあげながら呼びに行きました。
美蓉の家族も揃って出てきて雑貨店内に全員集合になりましたが、3ヶ月前とみな変わらず元気とあいさつをかわして、美蓉と勝意にうながされ散策に出掛けます。

彼女たちの通う中学校のそばに企業の研修施設があって、公園のようになっているので行きましょうと誘ってくれました。
皇思楊村の小学校は彼女たちの家のまん前にありますが、中学校は地区の中心の多祝まで歩かなくてはなりません。
ところがそこまで案外近くてゆっくり歩いて30分かからずに着いてしまいました。
30分かからずに中学へ登下校できれば、中国の田舎としては悪くないのではと思います。

公園は残念ながら立入禁止で、フェンス越しに眺めるばかりでした。
以前に来た時は花園のようになっていて色とりどりの花々がきれいだったとのことですが、城のような、というか日本でいえば地方のモーテルのような建て物の方が気になります。
これは、セキュリティ関連の会社となっていましたが、そんなところならもっと地味な建築物が似合いそうなものなのにどうしたことなのか気になりました。

がっかりのわたしたちでしたが、彼女たちが確かこっちに古い家があったからと奥へ奥へと案内してくれます。
前回会った時にわたしが古い家を見て歩いていると言ったことを気に留めてくれていたようです。
なるほど、建築的には魅力的とは言えませんが、いい感じに枯れたような古民家が並んでいる一帯にでてきました。
さらに歩いていって振り返ると、先ほどの企業施設の俗悪な建物が古民家の背景にこれ見よがしにそびえています。
一瞬のうちに思ったのが、あっ、これが中国だ、でした。
ごく一握りの富裕層が貧困層をあざ笑うように見下ろしている象徴に見えてなりません。
もちろん、ふたりにはそんなことおくびにも出しませんでしたが。

今日の作例は、まるで広角を使ったような、滲んでいることでいえばズミルックス35mmで撮ったような空間にみえますが、これもヘクトールの開放です。
やや望遠の7.3cmをF1.9で撮っているのになんでこんな表現になるのか、距離感のまるでない不思議世界です。
こう来ると次はポートレイトをと考えたくなりますが、残念ですがヘクトールは交換して明日から別のレンズになります。
【X-E1/Hektor 7.3cmF1.9 F1.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 7,3cmF1.9 | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/07 Thu

世界唯一的鏡頭

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ヘクトールにコピーレンズがあったと言えば誰もが驚くでしょう。
ヘクトール7.3cmF1.9は、1932年のレンズとしては驚異の大口径中望遠レンズですが、残存収差があまりに厳しく、当時でもあえてコピーレンズを設計する必要性があったかといえば疑問だからです。
ロシアの初期ライカ型カメラであるフェドのレンズにはライカのコピーレンズがラインアップされていて、ヘクトール28mm、エルマー50mm、ズマール50mm、マウンテンエルマー105mmなどが知られています。
それでもヘクトール7.3cmのコピーは存在しません。

ロシアではなく、意外にもアメリカにそのコピーレンズはありました。
Bausch & Lombs E.F. Anastigmat 3inchF2 というレンズです。
7.3cmではなく3インチ、F1.9ではなくF2とスペックは近いのに同じにしないところが思わせぶりですが、存在感のある鏡胴はヘクトールとよく似ているようでデザインを微妙に変えていて、全体にはコピーで内という主張があるようにも思えます。

そんなボシュロム・アナスティグマートは、わたしの生涯でただ1本を見ただけなのですが、たいへん幸運なことにその1本こそkinoplasmatさんが所有されている1本で、先日、実物まで拝見することができました。
ホームページで見ていたとおり迫力のあるボディで、ブラックペイントがほどよく剥がれて真鍮が露出する部分も含めて外観の美しさで秀でています。
ボシュロムの3インチではレイターというF2.3のライカマウントレンズがあって、これもたいへん希少なものですが、わたしは3回ほど見かけたことがあり、外観や希少度ではずっと劣ります。

写りはレイターの方がたぶんずっと優れているかも知れません。
アナスティグマートはやはりヘクトールコピーを噂されるだけの貫録を示していました。
M8で撮られた写真では気付かなかったのですが、今回、www.oldlens.com にアップされたM9の写真では周辺部があまりにすごいことになっているのに圧倒されます。
M8では優等生レンズにすら見えていたのに、隠れていた周辺が露見するととんでもない不良生徒だったことが発覚したのです。

非点収差による同心円のボケは今日の作例でも分かるようにヘクトールにも見られますが比較的小さなもので、ボシュロム・アナスティグマートではキノプラズマート2インチF1.5並みに激しくでていてこれが大きな特徴になっています。
また、ヘクトールはボシュロムより画面全体の均質性は高く、あるいはその分ボシュロムの方が中心のシャープさや立体感などで勝るのかも知れません。

どうもコピーレンズとか、ヘクトールの方向性を狙ったレンズではなく、キノプラズマートと同様にもともとシネ用として設計されたレンズをその描写に惚れ込んだ誰かがボシュロムにライカマウント版を誂えさせたのではと言った方が説得力があるような気がします。
もちろん、これだってなんら裏付けはありませんが…。
いずれにしても、こんな夢のようなレンズを発掘して世に問うてしまう、www.oldlens.com 恐るべし、です。

さて、今日の作例はボシュロムでなくヘクトールですが、最初顔を手で覆っていた少女が、意をけっしたかのようにポーズをとってくれたところを慎重にピント合わせしたものです。
ですからこれは顔にピントが合っていると断言できるくらいなのですが、やはりいくら見てもピントが合っていないように見えてなりません。
昨日と今日の作例で分かったことは、このブラックペイントヘクトールはX-E1の撮影に向かないレンズだということです。
たぶん、ボシュロムではそういうことはないかも知れませんが。
【X-E1/Hektor 7.3cmF1.9 F1.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 7,3cmF1.9 | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/06 Wed

馬路修好了

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食堂前で乗ったバスに10分も揺られていると見覚えある景色が見えて来ました。
ちょっと早過ぎるような気がしましたが、皇思楊村入口の看板が出ているので間違いありません。
あわてて「下!」と大声を発してバスを停め、転げ落ちるように飛びおりました。

中国の小型パスは停車ボタンがないので声をかけるのですが、「下(シアーと発音)」と大声を出すのが普通でこれは「降りる」を意味します。
「停まってー」ではなく「降りるー」と言ってバスを停めるというのが、お願いするのではなく客であるわたしが降りるのだといわんばかりで、主張社会の中国らしいなと思えるところです。
ちなみに広東語では「落」となるのだそうで、香港では、降りるでも、下りるでもなく、バスを落ちると言います。

ところで前回、バスの始発である平山から皇思楊村まで1時間近くかかったような記憶があるので、平山~田坑近くの村が約20分、田坑近くの村~皇思楊村が約10分ということは、都合半分の所要時間になります。
ほぼ全面道路工事して一部未舗装路もあったのが、工事自体はまだ継続中のところもあったもののほとんどがきれいに開通していました。
遠かった皇思楊村は、だいぶ近くになった印象です。

バスを降りるや歩きながらレンズをヘクトールに取り替えました。
このヘクトールはオールブラック鏡胴のものですが、全体に甘くソフトな写りをする個体で、そういったソフトレンズをEVF(エレクトロニック・ビュー・ファインダー)でピント合わせできるか試したかったというのが、このレンズを持ち出した理由です。
わたしは一眼レフカメラを使った経験がほとんどないので、レンズがファインダー内のピント合わせに与える影響というものがさっぱり分かりません。
1本1本特徴の違うレンズを順次使うことでコツを掴んでいければいいと思います。

歩きているとさっそく前方に白髪の女性を発見しますが、遠方からでもフォトジェニックだと分かるくらいなので警戒されないよう近づいていきます。
7~8メートルまで寄って来たでしょうか、そっとカメラを構えますが、やはり通常のEVFではピントが合っているかいなかまったく判然としません。
そこですかさずMFアシストボタンを押してファインダー中央部を拡大します。
今までですと止まっているものならこれでどうにかピントが合わせられました。
ところが7.3cmと若干望遠になっただけで、アシスト部分のブレが激しくて思ったように女性に狙いが定まりません。

あれ、あれっとやっているうちに女性にバレて、ピントが合わないうちにレリーズしてしまったのが今日の作例です。
この画面で見ても、背後の壁か樹にピントが来ている後ピンなのか、女性の肩か手にピントがあるやや前ピンなのかもよく分かりません。
PCディスプレイで見てこれでは小さなEVFで分かるはずがありません。
かなりの研鑽を積まないとヘクトールで思った通りの絵を撮ることは難かしいということが、最初の1枚で理解できました。

ちょっと怖い顔で棒切れを持ったこの女性、不審者のわたしを叩こうとしているかと言えばそうではありません。
下部中央の草のかげで姿が隠れてしまっているニワトリを部屋に追い込んでいるところです。
奇声というかニワトリ語というかギアーッと叫びながら10羽近くいたニワトリたちを小屋に追い込んでいく様は見事で、本日最高の1毎になるはずでしたが、ピントは外れ、ニワトリは見えず、女性は不機嫌な顔と最悪の1枚に貶めてしまいました。
ヘクトール恐るべし、です。
【X-E1/Hektor 7.3cmF1.9 F1.9】
Leitz Hektor 7,3cmF1.9 | trackback(0) | comment(2) | 2013/03/05 Tue

別泣

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田坑から次の村を目指しますが、ここにはバスはもちろんバイタクもなさそうです。
ではどうすればよいか。
街道の村からここまで連れてきてくれたバイタクを呼び出して、もとの街道まで連れて行ってもらえばいいんです。
もちろんバイタクの親父さんにはその旨伝えて携帯番号をもらってあります。

その親父さんにとってもちょっとしたアルバイトのようなものですから、電話するやすぐに飛んで来ました。
街道から田坑まで15元でしたから、向こうから来てもらって街道まで行くので料金は倍になるのではと錯覚しがちですが、よく考えてみれば親父さんは街道から田坑まで往復してわたしがいずれかの片道に乗っているのは変わらないので、料金も同じく15元です。
そんなわけで、辺鄙な田舎の村に行くとき、携帯電話は必需品になりました。

街道に戻ったのは11時くらいでしたが、これから目指す皇思楊村には食事できるところがなく、カップラーメンをずるずるすすった苦い思い出があるのでこの街道の村に唯一あった食堂で早めのランチをとることにしました。
実はバイクで来てくれた親父さんの家の向かいがこの食堂だったことから、そうだいま食べないで向こうへ行ったら前回の二の舞だと気付かせてくれる幸運な展開だったのですね。
この親父さんは来た時はわたしを見て、バイクが必要なのかと察して田坑まで連れて行ってくれたし、今またこうしてお昼を食べそびれるのを防いでくれたしで、この度のMVPを差上げたくなる存在でした。

この食堂が実はまた当たりだったのです。
といってもご飯がすごく旨かったという訳ではなくて、いや、これはなかなか美味しくはあったのですが、それにも増して心温まる鄙びた田舎食堂の称号をてわたしたくなる味わい深い店でした。
中国では、田舎に行ってもみな商売根性剥きだしの店ばかりで、入店時はにこやかでも食べて金を払ったらとっとと出て行け的な対応を受けることもあるなかで、久方振りに本来の田舎の店らしい人間模様を楽しみました。

店は50歳代と思われる夫婦が切り盛りしている、というよりは店番しているに近い感じでやっていたのですが、あきらかによそ者のわたしが入って来ると最初はちょっと警戒しているようなところがありありです。
ところが、何ができるか聞いてその説明がよく飲みこめずにいると、おばちゃんの方がわたしの手を取って台所を見せながら食材はあれとこれのように解説する親切さで、なおも注文できずにいるわたしに、そんなんじゃあ中国では生きていけないよと言わんばかりに、お任せで作ってあげると勝手に調理をはじめてしまいました。
わたしとしてはチャーハンでいいやと思ったところに豚の角煮が旨そうに見えたので、ちょっとだけ悩んだところをおばちゃんがフライングしたというところです。

しかし、おばちゃんはわたしの目が角煮を捉えていたことを見逃さなかったようで、出来あがった料理は甘いタレのかかった豚の角煮丼のようなもので、これが期待に違わぬものでした。
野菜のスープもトリの出汁がよく効いていてなかなか旨く、飛び込みの田舎の店としては及第点以上だったのですが、そのお代10元を払う段になって、ハプニングが起こります。
それまで存在に気付かなかったお孫さんでしょう、4~5最くらいの女の子が突然大声で泣き叫び始めたのです。
泣いている理由は不明ですが、おじちゃん、おばちゃんが懸命になだめても泣き声は音量を増すばかりで止むことはありません。

そこでわたしはカバンからカメラをだし、彼女に向かって構えました。
おばちゃんが、ほら写真を撮ってくれるってとフォローを入れると一瞬にして泣き止んだではないですか。
何枚か撮って液晶画面を見せると、不思議そうな顔になって特に嬉しそうでもありませんが、いままで泣いていたことはすっかり忘れてしまったような平静さを取り戻しています。
X-E1というカメラが初めて人さまの役に立った瞬間でした。

そこで最後まで警戒心を緩めてないように見えたおじさんも、やっと笑顔をわたしに見せてくれました。
こんなご時勢なのでむやみに自分が日本人だということを控えていましたが、このとき世間話をする中でどこから来たのかと聞かれ、日本からだと答えてふたりを思いっ切りびっくりさせてしまいました。

しばらく何とはなしに話をしていましたが、多祝行きのバスがやって来て彼らとはお別れです。
それではとバスに乗り込んで振り返ると、彼らがわたしに向かって手を振ってくれていました。
あの女の子までも。
それを撮っていれば、今日の作例などよりずっと好いものになっていたはずですが、そんなときに限ってバスはすぐさま発車してしまうもので、慌ててカメラを取り出したときはすでに彼らは視界のはるか外でした。
【X-E1/Sonnar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5cmF1.5(Contax) | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/04 Mon

他最愛的顔色

しししししししししundefined
田坑古城の内側は想像以上にせまく、廃墟化は進んでいて、住人もほとんどいなくなっていました。
ひととおり見てまわって老人とやり取りしたりしたあと、古城の外側を歩くとだだっ広い野原があり、畑もあって、古建築も数棟見つかりました。
数年後にどうなっているかが心配ですが、今回訪れた印象はけっして悪いものではありません。

それでも規模が小さいので1時間半もいれば見るものはなくなります。
この村の象徴ともいえる正面の門のところに戻って来ると、ちょうど青年が出てくるところで撮影させていただきました。
村のシンボルなので最初に持って来たかったのですが、到着当初は人気がなかったので、撮った時間順に並べて田坑の最後にご紹介するかたちになりました。

彼が歩いて来るところが見えた瞬間から撮影まで3秒ほどでしょうか。
慣れないX-E1でも、起動させて、MFアシストをセットしてピント合わせ、それからレリーズまでぎりぎり間に合いました。
これだけ時間があってぎりぎりですから、普通にスナップで使うにはより素早い動作か、あるいはMFアシストだけで撮影できるコツを掴まなければなりません。
現時点でまだこのカメラを使えていないことを再認識させられた思いです。

作例を見ますと、地面に赤いものがたくさん見られます。
中国では2週間ほど前に春節を迎えたばかりでしたが、その春節のときに爆竹が激しく鳴らされます。
爆竹は赤い紙に巻かれていて、その残骸が地面の赤い物体ということです。
門の周りにもずいぶんと大きな赤い紙が貼られていて縁起の文字が書かれています。
これも春節に貼り替えるようですが、いずれにしても、中国では赤がいかに大切にされている色で、この村で撮った地味な写真をわずかにはなやいで見せる存在だと気付かされます。

さて、この青年は少ししてからここに撮影に来たのか、楽しめたのかなどと聞くので、わたしは、ああそうだ、なかなか楽しめたよと答えました。
すると、あけましておめでとう、あけましておめでとうを繰り返し、何かもの欲しげにこちらを見ます。
こちらも同じだけおめでとうを言ったのですが、なんだコイツというように怒った顔で立ち去ってしまいました。
帰ってから知り合いの中国人に聞くと、思った通りお年玉をせびっていたのでした。
ブログに使ったのだから、モデル代で5元くらいあげればよかったかなと、やや後悔しています。
【X-E1/Sonnar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5cmF1.5(Contax) | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/03 Sun

衣服的老地方

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X-E1には、フジのカメラならではと言えるユニークな機能が備わっています。
フィルムシミュレーションといって、プロヴィア、ヴェルヴィア、アスティアを代表としたこのメーカーのフィルムの特長を全面に出したモードで撮影できるというものです。
カタログの中などでも大きく取り上げられていて、このカメラのウリであることが分かります。

実際のポジフィルムでは、ヴェルヴィアとアスティアには大きな差異があるという認識があり、当然、X-E1でもそういうものかと思っていたのですが、わたしの目には3者の違いがほとんど分からなかったのです。
発色には有意差が認められたものの、コントラストとか柔らかさとか、好みを見極めるだけの差異はついに分からずじまいです。
とりあえず、ソフトという言葉をあてにしてアスティアを選択しました。
とにかくデジタルカメラはひたすらシャープを追求するところがあるので、ソフトと名乗る以上むやみにシャープな写りになることはないだろうと期待してのことです。

3者に差はないと言っているのにこんなことに気を砕いて、さらに続くファンクションを見逃すという愚を犯してしまいました。
シャープネスやハイライトトーンといった設定はその次のページで設定するようになっていたのですが、それらはアスティアに設定したことでもう十分だと早合点してしまっていました。
帰宅後気付いたのですが、次にあったより重要な設定はすべてデフォルトで、カラーは標準、シャープネスは標準、ハイライトトーンは標準、シャドウトーンは標準ですべて撮影しています。

これらはすべていちばん下に設定すべきだったのかなと思いました。
しかし、これまでの作例を見るとコントラストはかなり低めなので、標準に設定したことがレンズ本来の味をそのまま引き出しているのかも知れません。
M6を持って行っているので同じところでアスティアで撮ってプリントを比較すれば、どうすべきかの結論はでるでしょう。
そこまでする気はしませんが、このカメラはライカM用アダプターを純正で出しているくらいですから、レンズの味がそのまま出るような工夫がなされているのかも知れません。

さて、ピントを外してしまった今日の作例ですが、日曜日のこの日、家の仕事を手伝うべく洗濯物の入ったバケツを懸命に運んでいる少女に出合いました。
どこに干すのだろうと跡をつけると、立派な塀をもったええ気な家のその塀に次々と洗濯物を吊るしていくではありませんか。
しかも右の古建築のために自宅からは視界が遮られる場所に干すのですから、日当たりの関係とか彼女のお気に入りの位置だとか理由はあるのでしょうが、実に不思議な光景でした。
【X-E1/Sonnar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5cmF1.5(Contax) | trackback(0) | comment(1) | 2013/03/02 Sat
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