絶不調

M8/Triotar 13.5cmF4.5
昨年オーストラリアを旅したのがゴールデンウィークだったので、あれからもう1年かと時間の速さを感じます。
今日の作例を見ると今度はヨーロッパかと思われるかも知せませんが、これは横浜公園です。
今年は、カレンダー通りの出勤になったので、残念ながら、遠くに出掛けることはできませんでした。

近場の横浜といっても、今回は同行の仲間がいます。
knpmさんとksmtさんです。
わたしは自由きままなひとり旅が大好きですが、気の置けない仲間との散策もそれに劣らないものだと知っています。
特に、わたしは話をするよりも聞く方のタイプなので、このおふたりとの散策は話を聞いているだけでも愉しく、この日は行く先々で面白いものを目にし、天気も最高で、開放的な1日を過ごすことができました。

横浜スタジアムのある横浜公園は、この時季、満開のチューリップ目当ての人で賑わいます。
ただ、knpmさんが言いにくそうに、よく見ると来ているのはみなご高齢の方ばかりなんですよね、ともらしましたが、確かに午前中ということもあって平均年齢はかなり高めです。
そんな中、遠目からでも光り輝く3人の妖精に、目を惹かれました。

気付くと、knpmさんとksmtさんが彼女たちと楽しそうに会話し、間近で撮影したりもしています。
おふたりとも国際的と言える仕事をされているので、どちらかの知り合いだったかと思っていましたが、単に撮らせてほしいに始まってずっと会話していたそうです。
さすが語学力と自然な会話ができると散策の楽しみの幅が広がるのですね。

わたしは望遠だったので、適度に距離が必要で、近づくことができなかったのが悔やまれました。
このトリオターは、ライカマウント版ですが、ビオゴンやゾナーにロシアレンズからの転用臭い怪しい個体が多いのに比べて、これは鏡胴がしっかりしていてオリジナルのライカマウントと思わせるつくりです。

ハードカバー本のLeica COPIESのツァイスの項にあるトリオター135mmはレンジファインダー非連動とっなっていますが、このレンズは正確に連動します。
ただ、前回のズミクロン90mm同様、どうも中間距離でピントを外すケースが多く、なかなか扱いにくいレンズとの印象を持ちました。

メッキが一部剥がれているため6000円ほどと格安で購入したレンズは、近場ののんびり撮影などの機会がないとなかなか持ち出すことがありません。
この日はせっかくのチャンスでしたが、前夜、ピントチェックのためISO2500でテストしたままになっていたことと、フィルターをUV/IRタイプに切り替えを忘れて、前述のピントを外すのを含めてほとんどのカットが無駄になったのが残念でした。
まさに、横浜deNA(ヨコハマでノーアベイラブル)ですね。
【M8/Triotar 13.5cmF4.5 F4.5】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Triotar 13.5cmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/30 Mon

告別

M8/Elgeet 50mmF1.5
大鵬所城から東山寺へと歩きましたが、どうもいまひとつです。
大鵬の町に戻って、南澳に足を延ばすことも考えましたが、また来ることもあるでしょうし、欲張ってあちこち廻るのはがつがつし過ぎのように思えて、今回は深圳まで戻ることにしました。
前回、大鵬から深圳方面へのバスが混んでいて、なかなか乗れなかったイヤな記憶が尾を引いているということもあります。

決断が速かったのが功を奏したのか、すぐにやって来たバスにはぎりぎり乗ることができ幸運でした。
乗車するやすぐに睡魔が襲ってきて、あっという間に眠ってしまいました。
中心地まで1時間近くかかるので、満員の乗客の半数以上は寝ていたようです。

中心地のバス停で降りて東門へ出ると、たいへんな人通りの中でウェディングドレスの女の子が立っていたので撮影させてもらいます。
すごくきれいですねと、彼女のルックスを褒めたとも彼女の衣装のことを言ったともとれる言葉で撮影許可を求めると、いかにも嬉しそうにポーズしてくれました。
できれば、写真を差し上げるくらいしたいところですが、周囲の真っ黒なこんなものではがっかりさせてしまいそうで、そのまま立ち去ります。

その足で、順平さんのカメラ修理店まで行って、クリーニングを依頼していたレンズを受け取ります。
くもっていたシュナイダーの広角レンズですが、きれいになったようですので、これはゴールデンウィークの旅に持ち出すことにしましょう。
修理代は200元とのことで、2500円ほどです。
分解したうえで各エレメントの表面をクリーニングするのでかなりの手間のはずですが、もともと安いのにかなり値引いてもらった値段です。

順平さんからは、ニコンD800について質門が噴出したためすっかり遅くなってしまいました。
中国のカメラ価格はだいぶ安くなったものの、まだ国外で買った方が得のようで、よく日本のニュースでも来日した中国人が量販店で炊飯器やカメラを買っている姿を流しているとおりです。
順平さんの仲間たちの間では、日本で買うのと香港で買うのではどちらが安いのかが、問題になっているとのことでした。

もうこの時間になるとバスはかなり混雑します。
タクシーをつかまえようと歩いていて、閉店売りつくしセールをやっているのが目につきました。
売っているのはどうもクズのようなものですが、上から吊るされた文字に惹かれます。
「告別深圳 回家种田」
深圳に告別して 田舎へ帰って田んぼで働く」

夜になるとさらに周囲のブラックアウトが目立たなくなりますが、やはり、それを狙った不自然な写真にも思えてきます。
わたしも、日本へ帰って仕事しなくてはなりませんが、このレンズに告別するかはまだ未定です。
【M8/Cine Navitar 2inF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Elgeet Cine Navitar 2inF1.5 | trackback(1) | comment(0) | 2012/04/29 Sun

19個鏡頭

M8/Elgeet 50mmF1.5
古いレンズに興味を持ちこれにはまると、キングスレークの「写真レンズの歴史」が座右の書になるというケースが多いのではと想像します。
彼の評価の高いレンズ、面白そうだと感じられるレンズを購入するようになります。
そうやってオールドレンズが一定本数集まると、誰もが一度はこう考えるはずです、キングスレークの本に出てくるレンズを網羅できないものか、と。

ところが、これはわたしの誤解だったようで、そんなことを考える人はあまりいないようです。
キングスレークの本を資料として愛読する人は多いと思われますが、さすがに座右の書とするのは大げさかも知れません。
そこに取りあげられたレンズを集めようとすること自体も、とても個人の手に負えることではないと考えられるでしょう。

確かに20年前であれば、情報ソースはたいへん限定的で、そのレンズが売られているかどうかを探すことすら不可能だったので歴史的レンズの蒐集は困難なことでした。
しかし、今やいながらにして世界中の販売元にアクセスでき、落札するなりオーダーのメールを出すなりしてからカード情報を入力して1週間も待てばレンズが向こうからやってくる時代になりました。
ましてやライカレンズのコレクションなどとは違って考えている人がほとんどいない分野ですので、これに挑戦してみるのも面白いと思えてなりません。

歴史的レンズの網羅化ということであれば、まずやるべきことは、キングスレークの本のレンズを一覧にすることです。
これは、だいぶ前から取りかかっていますが、途中ストップしたままになっています。
kinoplasmatさんが、すでに一覧化したものがあって、たいへんよく出来ているので(これも未完成とのことですが、一定の視点からは完成していると言える)、これよりも良いものをと考えるととても難かしくなってくるからです。

さて、kinoplasmatさんの一覧には38のレンズが並んでいて、写真用レンズということでは圏外と言える最初期までのレンズ3種を除く35のレンズを見てみたいと思います。
すでにブログの中で作例を上げているレンズは次の通りです。

1841年 ロス ダプレット
1857年 グラブ アプラナート
1866年 ダルマイヤー ペッツパール
1890年 ツァイス アナスティグマート(プロター)
1893年 テイラー・ホブソン トリプレット
1900年 フォクトレンダー ヘリアー
1900年 ウォーレンサック ベリート
1902年 ツァイス テッサー
1920年 テイラー・ホブソン オピック
1922年 マイヤー キノ・プラズマート
1923年 ライツ エルマー
1931年 ツァイス ゾナー

数えてみると12本あって、すでに1/3ほどを所有していたのでした。
また、次の5本はすでに入手済みで、ライカ・マウントへの改造待ちの状況です。

1866年 ダルマイヤー ラピッド・レクチリニア
1892年 ゲルツ ダブル・アナスティグマート(ダゴール)
1895年 ツァイス ブラナー
1899年 ツァイス ウナー
1918年 マイヤー プラズマート

合計17本ですから、ほぼ半数を手に入れたわけで、ここからあとどれだけのレンズを揃えることができるかが勝負です。

ペッツパールタイプのレンズは、このシネ・ナビターも含めて何本か使用しています。
また、シュナイダーのクセノンもアリフレックス用、アルパ用のものを使用済みです。

1840年 ペッツパール
1925年 シュナイダー クセノン

これでいよいよ19本は過半数です。
いよいよゴールが見えてくるかといえば、とんでもない話しで、残されたレンズはいずれも入手困難なものばかりです。
それでも、一覧にあるレンズは何年かかってもすべて入手し、この場に作例を紹介したいと思っています。
【M8/Cine Navitar 2inF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Elgeet Cine Navitar 2inF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/28 Sat

新建的寺廟

M8/Elgeet 50mmF1.5
周囲が真っ暗で、激しいタル型の歪曲収差があることはその場で見たM8の液晶でもよくわかりました。
ペッツパール固有の欠点には、像面湾曲がありますが、これはあまり目立たないようです。
歪曲は消せませんが、イメージサークルは絞ることで広げられるのではないかと考えました。

そこで、最小絞りのF16で撮ってみたのが今日の作例です。
もちろん絞ることでイメージサークルが拡大するはずはありませんが、周辺部の光をカットすることでケラレがなくなるなど多少の効果は期待できるのではと考えました。
F16まで絞ると完全に逆効果で、どういうことか小さな後玉を留めている金属枠が写ったように見えます。
周辺部はブラックではなく、鏡胴内部の色が写っているかのようです。
意外な結果に見えます。

レンズには、F1.5、F2、F2.8、F4、F5.6、F8、F11、F16の各値にクリックストップが付いているので全部の絞り値でテストしてみました。
結果だけ申し上げれば、中間近いF4でわずかに円が拡大したのですが、ほとんど周辺の黒い部分の大きさには変化はありませんでした。
やはり、以降は開放で撮ってトリミングするのが正解のようです。
次の機会があればの話しですが。


大鵬所城から1キロほど先に東山寺という寺院があると聞いたので、足を延ばしてみました。
市街地からかなりはずれにあるので、ひっそり佇む古刹をイメージしたて行ったのですが、まったく読みはあたりませんでした。
しかもかなりの大規模です。

その謂れを知る由もありませんが、大鵬所城が郊外のお出掛けスポットとして人気を博して来たので、便乗商法というかコバンザメ作戦というか、近くに立派なお寺があれば観光客がこぞって来るだろうと考えたのだと思われます。
とくに深圳を訪れるのはツアーがとても多いので、苔むす古刹よりも、新築でもぴかぴかな大規模寺院の方が受けるという発想があったのではと想像します。

比較的近くには、海がきれいで有名な南澳という海水浴場があり、もっと近くには原発もあります。
おそらく、大鵬所城、東山寺、南澳、原発の4つをまわる1日ツアー、海鮮ランチ付き、150元などと売り出すつもりでしょう。
広い中国では、自分の意思でどこへ行っていいか分からず、ツアーに参加する人が多いですし、実際、個人で行くよりはかなり安く回ることができるのです。
このツアーこそ、中国で最後に残った社会主義的な要素だと思います。
【M8/Cine Navitar 2inF16 F16】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Elgeet Cine Navitar 2inF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/27 Fri

多拉A夢鏡胴

M8/Elgeet 50mmF1.5
シネ・ナビターとは冴えない名前で、ナビターイムと唐突に叫ぶ緑ジャンパーの親父とか、成人してもドラえもんを頼るのび太を連想してしまいます。
製造元のエルジートというのも聞いたことがありません。
おそらくアメリカのメーカーのようですが、16mmや8mmのシネレンズを専門に製造していたようです。
ただ、もしかするとコダックと関連があるかも知れず、例えば、イスコがシュナイダーの設計したレンズを製造していたように、エルジートがコダックの依頼を受けてエクターなどのレンズを作っていた可能性があるかも知れず、この辺はまったく侮れません。

無名メーカーのように思いがちですが、実は、キングスレークの「写真レンズの歴史」にもエルジートはしっかり登場しています。
逆望遠レンズの章に、ゴールデン・ナビターF1.2というレンズが構成図付きで出ていますが、これは8mm用の7群9枚で、かつ非球面レンズまで使われたたいへん複雑なレンズです。
そして、同じ章にもう1本名前のみ出ているのが、わたしが使用したのと同名のシネ・ナビターです。

逆望遠の章ですから、いわゆるレトロ・フォーカス・レンズの中のひとつとして紹介されているということです。
では、わたしのレンズもレトロ・フォーカス型かと言えば一目瞭然で違うということが分かります。
前玉は小さく鏡胴が長い、蛍光灯を反射させると3群4枚です。
典型的なペッツパール型のレンズです。

では、名前やF1.5というスペックからしてもプロジェクター用レンズだろうと考えた方はたいへん鋭いですが、これは違います。
ヘリコイドも絞りも最初から付いている、Cマウントの撮影用レンズです。
ただ、いつものことですが、何というカメラのためのレンズかとか、製造年代はまったく不明です。
調べればある程度何か分かるかも知れませんが、昨日、申し上げたようにただ今落ち込んでいて、積極的に調べようという気力が湧かない状況です。

今日の作例では、イメージサークルの足りないブラックアウトレンズを使う常套手段として天地がかなり暗いところを撮影してみました。
確かに欠点が昨日よりは目立たなくなりましたが、そういう撮り方をする必要があるのかなとの疑問も感じないわけではありません。
もともと35mmフルサイズ用に作られたのではなく、16mmシネ用高速レンズなのでこうなるのは無理のないことです。

普段とおりに撮ればいいし、そのまま出すのが見苦しく思えるなら、上下左右をカットすればいいだけのことです。
トリミングするのはイヤだという風潮が根強いですし、わたしもそう思っていましたが、ある方の意見を聞いてそうではなかったと気付かされました。

それは、おおよそこういうことです。
もともと35mmフルサイズのライカで撮っていたわたしが、R-D1を、続いてM8を使って、フルサイズではケラレるシネレンズをぎりぎりカバーしたと喜んでいるのは、フルサイズで撮って周辺をトリミングしているのと同じ行為だというものです。
わたしは、まずR-D1というカメラがあって、それにフィットするフォーマットのレンズを見つけてきて撮影したているので、そんな認識はありませんでしたが、そういう経緯を無視すれば確かにその通りです。

フレーミングガどうこうということもありますが、例えばこのシネ・ナビターを使い75mm用の枠を見ながら撮って周辺の黒い部分が入らないように意識するとすれば、それはまったく自然な撮影行為といえるでしょう。
デジタルの恩恵でフォーマットが多用化した今では、トリミングという概念を考え改めなくてはいけないということです。
レンズのクセに制約を受けるのではなく、それがあるべき本来の姿を考えながら撮影することが、レンズわ自由に楽しむということだとわたしは思います。
【M8/Cine Navitar 2inF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Elgeet Cine Navitar 2inF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/26 Thu

鵬城飯館

M8/Elgeet 50mmF1.5
この1週間は、わたしにとって地獄としか言いようのない1週間でした。
ずっと無敵だったバルセロナが、手につかみかけていた国内リーグと欧州チャンピオンズリーグの2大タイトルをたった7日の間に立て続けに失ったのです。
19日 チャンピオンズリーグ準決勝1st leg.バルセロナ0-1チェルシー 
21日 スペインリーグ第35節 バルセロナ1-2レアル・マドリード
24日 チャンピオンズリーグ準決勝2nd leg.バルセロナ2-2チェルシー 

たかが、海の向こうのサッカーチームが負けたくらいで何を言ってるんだと批判もあるでしょうが、気力がなくなっていま抜け殻のようになっています。
数日はこんな状態が続くものと思われます。
多感な高校生が、思いを寄せる女の子が別の男とデートしているのを見てしまった、というほどのショックに例えられるでしょう。

落ち込むと言えば、レンズの関係でも失敗が相次いでいて、実はかなりへこんでいました。
2月には、満を持してマウント改造いただいたRUO Kino4.2cmF1.5が、ピントがどこにあるのか分からないような描写にがっくり。
3月には、安全策のはずだったCoral 4.5cmF1.5が、中央以外ぼけぼけなダメレンズと分かり失望。
そして4月には、美しいペッツパール中望遠のLerebours 85mmF3.5が周辺が激しく流れるばかりか、肝心の中心部にまでピント面が見当たらないという好いところのない写りに絶望。
そんな具合です。

連続して起こったショックが癒えないうちに、今回、中国に持参したレンズはさらなる追い打ちをかけて、わたしを更なるどん底にうち沈めようとします。
イメージサークルがM8のそれをも満たさず、作例のとおりのトンネルまたは鍵穴画像になってしまいました。
トリミングしようかとも思いましたが、ひとまず、今回は数枚そのまま出すことで、このレンズのフォーマットを理解いただくことにします。
次の機会では、トリミングしてブラックアウトしている部分は取り去ろうかと考えています。

大鵬所城の中のレストランで食事していると、自転車のツーリングに来た男女がやはりここで食事しようかと店の外観を品定めしたところをスナップしたものです。
女性は日焼け止めで顔が真っ白になっていて年齢が分からないのですが、男性は40歳代後半から50歳代前半というところでしょうか。
だとすると夫婦というよりも親子のように見えるのですが、いかがでしょうか。

それに女性がツーリングのスタイルをすると格好良く見えるのに、おっさんがきまっているだろというふうなツーリングのかっこうをすると間抜けにしか見えないのが不思議です。
万一、このふたりが走行中に交通事故にあって救急車を呼んでも、女性の方は賢明な処置のもとに大切に病院に運ばれるでしょうが、この男性の方は路上にそのまま放置されそうに見えるのですが、そんなことはないでしょうか。
いや、作例の男が特殊なだけかも知れません。
【M8/Cine Navitar 2inF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Elgeet Cine Navitar 2inF1.5 | trackback(1) | comment(0) | 2012/04/25 Wed

銀色歌颂

M8/Summicron 90mmF2
いま実用しているM型ライカは、M3、M6、M8の3台ですが、ブログ開設以来、フィルムライカの出番はほとんどなしです。
ただ、その3台に共通なのが、ボディがクロームだということです。
M6はわけあってブラックペイントに買い替えてしまいましたが、ブラッククロームのボディはあまり好きではないので、所有したことがありません。

レンズも同様にクロームが好きで、戦前のニッケルやブラックペイントのものがあれば断然そちらが好きですが、Mマウントのレンズでクロームがあるものは何も考えずにそちらを選択してきました。
もっとも有名なものは、ズミクロン35mmの所謂8枚玉ですが、ブラッククロームがないズマロンもそうですし、かなり入手困難だったズミルックスもすべてクロームです。
スーパーアンギュロン21mm、ズミクロン&ズミルックスの50mm勢も当然クローム。
90mmではエルマリートはもちろんですが、高価だったテレ・エルマリートも懸命に捜して格安のクロームを手に入れています。

クロームは目立ってスナップには不向きだと言われますし、Mライカ登場後の朝鮮戦争やベトナム戦争、カンボジアの内紛などで活躍した戦場カメラマンにとっては、クロームでは太陽が反射するので生命に関わると避けられたようです。
その結果、クローム鏡胴のレンズはすべてブラッククロームに変更されてしまいました。
当初はデザインそのままにメッキのみの変更でしたが、やがてモデルチェンジのときに一気にいかにもコストダウンしましたという安っぽい鏡胴に統一されてしまいます。

こうなつてくると、もはやライカレンズでも、いくら性能がいいと言ってもあまり所有したいという気持ちが起こりません。
1960年代にクロームからブラッククロームに切り替わった時は、戦術のとおりまだデザインは変わっていませんでしたが、もはやこの時が分水嶺で、それ以降のレンズはそれほど欲しいと思わなくなりました。
同時に、ライツ以外のメーカーでも、この1960年頃分水嶺が頭を離れずで、それより新しいレンズはほとんど購入していません。

さて、そういうわけで、今回使用のズミクロン90mmも愛するクローム鏡胴です。
製造番号をチェックすると1964年製造ということになるのですが、モノの本にはズミクロン90mmは1959年にブラッククロームに切り替わったとなっているので、そうであればイレギュラーな番号ということになります。
それにしてもこのレンズ、存在感ある大きさ、ローレット加工や三脚座の精密感、距離計レンズならではのすばらしい外観、そして何よりロームメッキの仕上げの美しさで、ライカMマウントレンズの王様と言えるのではないかと思います。
本当は、このフード内臓タイプよりも、それより前のフード取り外しできる最初期タイプの方が写りはすばらしいと教えていただましたが、製造数が少なくそのためたいへん高価で入手できないでいます。

何度も書いているように、このレンズでぴたりとピント合わせをするのがなかなにたいへんな作業です。
今日の作例は、M8の液晶で見る限りぴったり合っていたはずなのですが、まったく後ピンになっていました。
それでも、ここに上げてしまうのは、他のものよりずっとマシだからです。
このレンズで撮った、半数以上がボケボケでした。
【M8/Summicron 90mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 90mmF2 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/24 Tue

太重鏡頭

M8/Summicron 90mmF2
ライカレンズの価格が高騰してしまった、とここに何度か書いています。
ときどきライカレンズを購入する大手の中古カメラ店のリストを見ると、2度保有して2度売却してしまったズミルックス50mmF1.4は、5万円ほどで買えていたのが、15万円以上になってしまいました。
まだ手にしたことすらないノクチルックス50mmF1は、25万円くらいで売りに出ていることも何度かありましたが、今や50万円でもかなり安い方です。

これらは大口径標準レンズ人気にあおられていますので、当然のことだと思いますが、人気がなかったはずの望遠レンズまで価格高騰しているのには困りました。
その代表がズミクロン90mmF2で、これは3回購入して2回売却しています。
つまり、いま手許に1本が残っているということです。

価格ですが、最初の2本はいずれも4万円代前半で買っています。
もちろん相場はもっと高くて、6万円以上くらいかと思いますが、このレンズは不人気のためか時おり捨て根のような4万円くらいの出モノがあったのです。

なぜ不人気かといえば、なにしろ使いづらいレンズだからです。
わたしの個体はフード組み込みタイプのクローム鏡胴ということで、フード取り外し型の次の比較的古いものですが、重量は620グラムほど、全長もマウント面から10センチほどあります。
後期タイプのテレ・エルマリート90mmF2.8は、同じく210グラム、6センチほどと、重さと体積で1/3程度にぐっとサイズダウンします。
描写はともかくとして、絞りが1段暗くなるだけでこれだけの差があれば、ほとんどの人がテレ・エルマリートでいいと考えるのではないでしょうか。

ズミクロンをカメラに付けて振りまわしているとマウント部分が重みで外れてしまうのではと不安になります。
常に右手でカメラボディを左手でレンズをそれぞれ支えるように持っていなくてはなりません。
ライカの優位性である軽快さは望めません。

そんなレンズもノクチルックスやズミルックスほどではないものの、じわじわと値上がりしてしまい、これまた8万円くらいが底値になっているようです。
ただ、前述のように8万円ではなかなか売れないというわけで、これも5万円弱でつい先日買ったばかりのレンズです。
重いので悩みましたが、せっかくなので中国まで持ち出してメインに使ってみることにしました。

今回、実感したのは、とにかくピントが合わないということです。
ホールディングに軽快さがない分、撮影ではテンポよく撮りたくなりますが、やはり相当慎重にファインダーの二重像の合致を確認しないとことごとくピンボケ写真の山を築くことになります。

今日の作例はいかにも昨日の同工異曲ですが、ピントが合っているだけで好しとしないといけません。
狭くて暗い古民家は、日曜のランチには不向きで、カメラもったヤツがうろうろしていたとしても、家の外で食べたいと考えるのが人情というものでしょう。
あと数歩寄った方が絵的には家族の親蜜度が表現されて良かったのではと思っていますが、この重たいレンズを抱えてなかなかフットワーク軽くフレーミングまで考慮するのは厄介なのです。
【M8/Summicron 90mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 90mmF2 | trackback(1) | comment(2) | 2012/04/23 Mon

両転三転

M8/Summicron 90mmF2
わくわく感はあったものの意外に面白くなかった遺址から、下車したバス停に戻りました。
また、先に進んでもいいのですが、この路線はたぶん20分に1本程度しかないようなので、あまり奥地まで行ったりしているとすぐに1~2時間経ってしまいそうで、やはり大鵬方面へ戻ることにしました。
来た時と反対方向のバスに乗れば、大鵬所城まで一気に行けるので便利ですし。

確か、ここのバス停は○×海水浴場のような名前が付いていて海から近かったようですが、海水浴シーズンにはまだ早いですし、それ以上にここが知られてないからでしょう、車が全然通りません。
十分は待ったと思いますが、その間1台の車も、いやバイクも、自転車も、歩行者も見かけることは無く、大都会深圳のはずれにあって、なかなかに素朴な土地であることを再認識しました。

そんな具合なので、車が近付いてくればかなり遠くからでもそれと分かります。
車が近づいてくるなと思い耳を傾けていると、すぐに大型車のそれと分かり、これはバスに違いないと思えば、果たして大鵬方面行のバスがやって来ました。

来た時と同様、バスはやや小型のもので、出入り口の箱に料金を入れるワンマンバスです。
料金は一律1元(約12円)ですが、町中のバスのほとんどが2~3元になっているので、地元の人にとっても安い乗り物と言えるのではないでしょうか。
中国は1元は札でもコインでもありますが、こういう運賃箱にはおもむろにコインを投じて、カシャッという金属音を響かせるのが好きです。

座席はほとんど埋まっていましたが、全員がわたしが最初に到着した大鵬のバス停で降りてしまいます。
わたしは運転手に降りないのかと聞かれますが、大鵬所城に行きたいのでというとうなづいて発車します。
だからでしょう、その大鵬所城に着くと、ここがそうですよと運転手がわたしに教えてくれました。
深圳の運転手は無愛想というか、けんかごしの人が多いので、郊外まで来たことを実感できたような気分でした。

さて、勝手知ったる大鵬所城ですから、一般の観光客が向かうのとは逆に庶民的なエリアに向かって歩き出してみます。
日曜の昼前ということで、家族団らん的なシーンがあちこちで見られ、のんびりとシャッターを切りながら歩いていきます。
日曜はかなりの観光客が訪れるようですが、こういう市井の人々の休日のような雰囲気を見学するには絶好なのだなと気付きました。

客家独特の帽子をかぶってバケツを天秤にした女性が通ったので、レンズを向けようとすると小さな女の子がお昼の準備を手伝っているのに気付き、慌ててそちらに軌道修正します。
すると、それを見ていたお姉さんでしょうか、中学生くらいの女の子が何を思ったのかスカートをたくしあげてひらひらし始めたので、今度はそちらにピントをあ合わせ直します。

客家帽のおばさん、お手伝いする少女と二転三転しましたが、結局、今日採用するのはひらひら娘です。
客家帽もいいですし、手伝い少女もなかなかに魅力的ですが、ひらひらの写真では、それらが一応全部写り込んでいるからです。
写り込むと言えば、慌てたため手前の壁が右端に写り込んでしまいました。
そんなものを超越して彼女のポーズはさらにすばらしいと言えるでしょう。
【M8/Summicron 90mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 90mmF2 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/22 Sun

十大之一

M8/W-Komura 35mmF2.8
偶然にも、タクシーに連れてこられたバスターミナルでミニ古鎮を発見しましたが、2~3軒の家は現役で使われていたものの、他はがたがたになった廃屋で今にも取り壊されそうです。
ぐるりと見渡しましたが屋根や壁がかなり崩壊していて、こうなっては修復してまで住むことはできそうになく、残念ながら朽ちるにまかせるだけのようです。
長時間見ていられる環境ではないので、やはりどこか別のところへ訪れなくてはと思い、大鵬所城まで行ってみることにしました。

近くで地元の人たちに混ざって朝食をとり、バス停へ行くとすぐに深曙V駅方面行のバスが来ました。
ここから深曙V駅は真南へ向かいますが、大鵬方面のバスは東西を走る路線なので、両者が交差する地点付近で下車して乗り換えれば、そのバス停名が分からなくても景色を見ていればどうにかなります。
しばらくバスの中から外を眺めていると見覚えあるところに出たのでやや通り過ぎたバス停で降り、ちょっと歩くと前回乗ったのと同じバス停のところへ出ました。

前回のようにバスに乗せろとゴネる客もなく、1時間たらずで大鵬到着です。
これも大鵬に行こうと思った理由なのですが、この間ほとんどノンストップで快適に走行するので、ぐっすり熟睡できるからです。
実際、乗り込んですぐ眠ってしまい、起きたら着いていたという感覚です。

ところが、ここからちょっとしたハプニングに見舞われました。
降りたバス停で所城方面行のバスに乗り換えるのですが、反対方向へ行くバスに乗ってしまいました。
何度か来たことのある大鵬なので方向を間違えるはずはないのですが、乗り込んだバスが最初の交差点でUターンしたのです。
理由は不明です。

目的地からどんどん遠ざかっていましたが、かまわず乗っていることにしました。
大鵬所城には数か月前に来たばかりなので、むしろ、このハプニングを利用して、何か普通に移動していたら見れないものを見てやろうと考えたのです。
10分少々も乗っていると、数人が下車したバス停がありそこに遺跡と書かれた看板が見えたので、わたしも慌てて彼らの後を追いかけました。

古い石づくりの民家が10軒ほど点在していました。
ここにも廃墟になっている建物がありましたが、ほとんどの家に人が住んでいるようです。
ただ、遺跡というには、作例のとおりのただ古く汚い家が並んでいるだけです。
裸でくつろいでいた青年に聞くと、四川から家族で来たと言っており、仕事のために故郷を離れて来たようでした。
たぶん古い家を維持するために市で外来者に安く貸し出しているのでしょう。
ちょっと離れたところに大きな工場があったので、電気も来ているようです。

ぶらりとひと回り散策して下車地点に戻って来ると、書かれていたのは遺跡ではなく遺址でした。
ニュアンス的には遺跡よりもずっと近代の建物の跡を含めたものでしょう。
「2006年中国考古十大発現之一 咸頭怜遺址」と記載がありました。
中国で発見された十大遺址というのがどのくらいすごいのか見当つきませんが、他の9つを見ればそれは理解できるでしょう。
【M8/W-Komura 35mmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
SankyoKoki W-Komura 35mmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/21 Sat

古鎮物語

M8/W-Komura 35mmF2.8
さすがに三水に行くのはあきらめましたが、かと言ってこのまますごすごとホテルに戻るというわけにもいきません。
いまさらどこへ行っていいかもとっさに思いつかないので、ここのバスターミナルから適当なバスに乗って行きあたりばったりの旅に出てしまおうかと考えてみました。
行き先案内を見ると、広州方面が数本あるだけで、とりあえず乗ってみたくなるような目的地のバスは午前中はありません。

バスはあきらめて、とにかく朝食をと思い町の方向へ歩き始めます。
すると、突然、状況が好転することになります。
すぐに路線バスの停留所と地下鉄駅があったのですが、そのまん前に戦前の建築と思われる古民家があったのです。
昨年開通したばかりの真新しい地下鉄の出口のエスカレーターを上がり切ったところに、どーんと古い建造物が迫るさまは、タイムスリップしてきたかのような錯覚を与えるには十分です。

昨日の作例は、地下鉄出口に小さな子どもとおばあさんがいるというものですが、わたしにひとつのストーリーを連想させました。


老夫婦が地下鉄に乗って郊外の村に到着します。
おじいさんにが幼少を過ごしたたいへん懐かしい土地です。
ふたりが改札を出て、エスカレーターを登って来るとどうしたことでしょう、おじいさんはみるみる若くなって、地上に達するときには3歳くらいの少年になっているではないですか。

目の前には、彼がかすかに記憶している生まれ育った家があります。
そうだ、ここは政府の役人がやって来て、勝手に開発業者に売り払われて、村民の訴えも聞き入れられずに破壊されてしまったんじゃった…。
3歳児姿のおじいさんは、ひらめいたように突然工事車両の前に立ちふさがり家々の破壊を阻止します。
村を救うことに成功し、その勇気に鼓舞された村人たちは一致団結して役人の不正を暴き、たちまち3歳の少年を英雄にしました。

ところが、ある日少年は忽然と姿を消してしまいます。
怒りが収まらなかった役人に連れ去られたのでしょう。
少年の姿は何千キロも離れた別の村にありました。
3歳の子どもでは、もう為すすべがありません。
彼は運命を受け入れ、村でその後の人生を生きる決意をし、懸命に勉強してやがて村で一番美しい娘と恋に落ち、結婚して幸福に暮らします。

歳月は過ぎ去り、孫にも恵まれ村長までかってでたかつての少年は、ある日テレビのニュースで開通したばかりの地下鉄の駅が自分の名前とまったく同じだということを知らされました。
調べると、大昔にそこの村を守ってその後行方不明になった少年がいたという伝説から取られた駅名だと分かりました。
それを聞いたおじいさんは、そこへ急がねばとひとり出発しようとしますが、奥さんであるおばあさんに止められます。
ところが、理由を聞かされたおばあさんは、それならふたりで行きましょうと、手をたずさえて遠路その地を目指しました。

さて、到着するとおじいさんはみるみる少年になり、おばあさんの目の前で村の破壊を阻止し、たちまち村の英雄になってしまいました。
おばあさんは、ずっと見守って来ましたが、ある日役人が少年を誘拐しようと計画していることを知ります。
寸前のところで、おばあさんは少年を救いだしますが、ふたりは役人に追われる身となりました。
来た時と同様に地下鉄に乗って戻ればいいのだと考えますが、ふたりがいるのは1950年代で、地下鉄駅はどこかと村人にたずねると、お前は頭がおかしいのではと笑われてしまいます。

おばあさんは考えました。
このまま、この少年がわたしたちが暮らす村まで辿り着かなければわたしと結婚できず、可愛い子どもたちや孫たちも生まれてこないことになってしまう。
ひいては村々は乱開発され、中国は汚職にまみれた誇りのない最低の国家になってしまうかも知れない…。

どうすべきか考えているうちに、ついに役人たちに隠れ家が見つかり、周りを包囲されてしまいます。
万事休すの場面でおばあさんは一計を案じ、自らがおとりになって役人の注意を引き、少年を、いや愛する旦那をズタ袋に隠し入れて、村一番の健脚の持ち主に故郷の村まで連れて行ってもらおうと考えました。
作戦はまんまと成功して少年は逃げ延びましたが、役人に捕まったおばあさんは拷問を受け、非業の死をとげます。

それから60年あまりの歳月が経ちました。
地方の寒村の村長が、自宅でテレビのニュースを見ていると、はるか南方の町に地下鉄が開通しましたと報道されています。
画面からは、どこかで見たことがあるような懐かしさを感じさせる映像が流れています。
レポーターがその駅名を言うと、老人は腰を抜かさんばかりに驚きました。
村の英雄を救った真の英雄の名から取られたというその駅名は、なんと、自分の奥さんの名前と同じだったのです。
【M8/W-Komura 35mmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
SankyoKoki W-Komura 35mmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/20 Fri

很多人己排隊

M8/W-Komura 35mmF2.8
初日にも触れたように、深圳のオフ日にバスに乗って日帰り旅をしようと計画していました。
日曜日のことですが、朝の4時からその計画はスタートします。
その時間から、広東体育電視台でスペインサッカーリーグ、FCバルセロナ対レバンテ戦を生中継するので、まずは観戦のため3時半に起床しました。
それも、ただホテルの部屋で視るのではなく、近くの按摩屋さんに行ってフットマッサージをしてもらいながら観戦します。

アウェーでレバンテに先制される苦しい展開ながら、どうにかバルサが逆転して、リーガ制覇の可能性を繋ぎました。
内容はともかく、メッシが2ゴールで得点数を41まで延ばし、気分も足も気持ちよく按摩屋を飛び出します。
バス停へ行くと、ちょうど6時発のバスが出発しようとしているところで、早朝ながらスムーズに深圳駅まで着くことができました。

ところが、好調だったのはここまででした。
目的地として考えていた三水市までのバスはあらかじめチェックしてあって、まだ1時間先のことです。
チケット売り場はシャッターが降りているので、近くで食事でもしようと散策しますが、バスターミナルの並びにある衛生的とはいえない食堂だけで、朝食はあきらめることにしました。

チケット売り場が開くまで30分以上ありましたが、早起きしたぼんやり頭で時間をつぶすのに苦労します。
そして、そろそろ開くかなと窓口へ戻ると、恐るべき光景がわたしを待ち構えていました。
なんと窓口には50人以上と思しき長蛇の列ができています。
売り場はもう開いていて、見ると横に長い窓口は行き先別になっていました。
長蛇の列はその1か所の窓口から始まっていて、まさかと思いながらその窓口の行き先表示を確認すると、なんということでしょう、まさにわたしが行こうとしている三水となっているではありませんか。

30分前まで人なんていなかったので、ちょっと信られない状況です。
夢でも見ているか、わたしをからかうドッキリカメラなのではないかと真面目に考えました。
頬をつねっても夢から覚めませんし、待っていてもドッキリのプラカードを持ったスタッフもやって来ません。
現実を直視して列の後端に並ぶことにします。

列はゆっくり進みましたが、あと20人くらいかというところで動きが止まります。
窓口のおばさんの動きを見れば、一番のバスのチケットは売り切れたと言っているだろうことが想像できます。
次のバスが30分後か1時間後かは確認していませんが、それすら乗れるかは怪しいものです。
というのは、前方に並んでいるのは20人で、全員が1枚ずつチケットを買うなら問題ないですが、ひとり2枚とか4枚とか買う人も多いようなので、そうなるとかなり厳しいと思われます。

ただでさえ三水までは200キロもあって3時間くらいかかると考えていたので、バスが1本後になれば到着はお昼近くになってしまいます。
別のバスターミナルからも三水行きがあると調べてあったので、慌ててタクシーに飛び乗ってそちらを目指しました。

しかし、そのドライバーはそんなバスターミナルは聞いたことがないと言います。
あちこち電話して、場所を確認してもらい急行したのですが、着いてみると、電話の相手が言っていたとおり、バスターミナルはまだ建築中で開業していません。
当然、バスはなく、途方に暮れるばかりです。
なぜ、オープンしていないバスターミナルの時刻を公式バス案内に載せてしまうのか、たぶん、それが中国だ、ということでしょう。

近くにもバスターミナルがあるというので運んでもらいましたが、やはりここから三水行きは出ていませんでした。
もうあきらめです。
無駄なタクシー代まで払って、早起きは三文の得という格言が中国では通用しないことを学びました。
【M8/W-Komura 35mmF2.8 F2.8】
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SankyoKoki W-Komura 35mmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/19 Thu

煤気爆炸

M8/Summicron 90mmF2
最近、中国で路上ミュージシャンをよく見かけるようになりました。
多くはギターを抱え、熱く絶唱するフォークのようなスタイルです。
フォークと言えば、政治的なメッセージ性のある歌詞を連想しますが、もちろん中国でそんなのを歌えば即連行されてしまいますので、愛がどうしたとか、街中で聴きたいとは思えないような内容を歌っているようです。

一方で以前からよく見かけるのが、老人の物乞いです。
これぞ中国式だなあと思うのが、彼らは黙って座っているのではなく、見境なく人の前に立っては、金を寄越せと迫って来ることです。
なぜかみんな、プラスチックのコップにコインを何枚か入れて、ジャラジャラと音をさせて、お前もコインを入れなさいと聴覚に訴えてくるのです。
そういう強要のされ方をすると、反発心から絶対1元たりともやらねえぞと、わたしなどは思ってしまうのですが、迫力に負けてコインを投ずる人もいるということのようです。

わたしが小銭程度ながら、いつも差し上げているのが手を失った障害者が口や足で、書道をしているときです。
その姿勢をとるだけでもたいへんなのに、口に筆をくわえたり、足の親指とひとさし指の間に筆をはさんで、とんでもなく美しい文字をゆつくりと書きあげていきます。
健常者であっても、あれだけの字を書ける人はそれほど多くはないでしょう。
それは、血の滲むような努力を積み重ねて達することのできた境地というものを感じさせてあまりあります。
同情とは違う何かに打たれて、寄付するという気持ちを起こさせていると思います。

作例の青年は18歳ですが、幼少の頃、違法に作られてガスコンロが爆発して両手を失い、絶望の中から努力して足で絵を描くことを学んで来たと語っていました。
まだまだ稚拙な絵画ですが、今後、努力でよりすばらしい作品を制作するようになると期待します。
わずかな金額ですが、それが彼の今後の絵の糧になってくれればと心をこめます。
次に会った時はどんな絵を描くか楽しみにしているよと声をかけ、彼の一瞬の笑みを確認してから、わたしはこの場を立ち去りました。
【M8/W-Komura 35mmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
SankyoKoki W-Komura 35mmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/18 Wed

Temperature Lag

M8/Summicron 90mmF2
あらかじめ分かっていたことですが、到着した深圳の暑さにはうんざりでした。
気温は最高30度を超え、晴れていたかと思えば突然雨になって、湿度もじわじわ上がって日本の真夏とほとんど変わらない気候です。
つのこの前まで寒かった冬を過ごした体は順応できず、あらゆる汗腺から汗が吹き出しました。

もちろん現地では突然暑くなったわけではなく、日に日に気温が少しずつ上昇して現在はその途上に過ぎないので、あまり暑がっている人はいません。
ひとり、わたしだけが、行く先々で暑い暑いと汗を止められないでいる状態でした。
いま、東京は春のいちばん好い気候なのですから、突然の10度以上の気温の変化は、時差ボケならぬ気差ボケとも言うべきもので、多くの日本人は対応できないでしょう。

嫌になる暑さですが、唯一喜ばしいのが、街中の女の子たちの服装が夏バージョンに衣替えしていることです。
中国と日本で二十歳前後くらいの女性のルックスを比較すると、わたしが行ったことのあるところでは、西安が互角であると判定できるのですが、他の町ではすべて日本が圧勝です。
いや、これは中国に限らずで、他のアジア地域、それは韓国も含めてですが、さらにヨーロッパすべても含めて、わたしのセンスの問題もあるのでしょうが、やはり日本人女性のルックスがトップを行っていると思われます。
最近よく聞くクールジャパンも、彼女たちのルックスが人気に大きく寄与しているのではないでしょうか。

深圳ですが、これは、かなり厳しいレベルです。
化粧してないからとか、垢抜けないが一皮剥ければとか、そんな次元を超えて、残念ながらこの土地はかなり不毛と言っていいと考えるのはわたしだけではないはずです。
普通であれば恩の字で、今日の作例の腰掛ける女性ふたりは、当地において美人に分類されると言えます。
後ろを歩くふたりは、現地での平均的ルックスと申し上げましょう。

ただ言えるのは、スタイルは皆さん美しいと思います。
そうでない人もいますが、南方の人たちなので全般に小柄で、ほっそりすっきりな体型です。
ですから、夏の露出が多いファッションがよく似合って見えます。
いやらしい意味ではなく、さわやかに目を楽しませてくれるイメージなのですがいかがでしょうか。

こう毎月毎月深圳だと撮るものも書くことも無くなって来ます。
今日は、品のない話に終止したことを反省したいと思います。
ただ、レンズの本数だけは無くなることなく、いまだ少しずつ膨張を続けています。
【M8/Summicron 90mmF2 F2】
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Leitz Summicron 90mmF2 | trackback(0) | comment(2) | 2012/04/17 Tue

恐怖片

M8/Summicron 90mmF2
またしばらくは、この週末訪れた中国の深圳の写真になります。
今回は、深圳からちょっとした日帰り遠征を計画していたのですが、これは諸般の事情で実現できなかったので、登場するのは今まで出てきたところばかりになるのをご容赦ください。

深圳も、人口800万と言われる大きな町なので、じっくり探せば面白いところがいろいろとあると思われますので、そういう開拓をしたいのですが、なかなか情報を得ることができず、ついつい手抜きで同じところを間隔置いて巡るようになってしまいます。

今日の作例も、深圳一の、あるいは広東省一二を争う、いや中国でも指折りの、ということは世界でも五本の指に数えられる繁華街の東門散策で見かけたものからいくつかアップします。
これは、どうやら映画のポスターのようですが、中国製のホラー映画、恐怖片でしょうか。

赤のドレスが下にいくと血のようになっていて、一見するとかなり怖いのですが、よく見るとあれっという感じです。
右から二番目のお姉さんはかなり怖い顔をしていますが、両サイドの女性はそれほど怖くないというか普通の表情に見えます。
左から二番目の子にいたっては全然怖くないばかりか、何だか可愛いです。
これではホラーにならないような気がするのですが、あんまり怖いポスターを作ると中国の党規則とかに引っかかってしまうのかも知れません。

それより怖いと思ったのが、ポスターを指差す少女の指です。
普通に何かを指差していただけだと思うのですが、その指が極端に曲がって不自然に上に反っているように見えます。
右から二番目の怖い顔の女性のパワーで、指先を曲げてしまったのではなどと想像してしまいます。
この人だけ、目がカメラの方ではなく、何か別の物を見ているのもヘンですし。

もうひとつ怖かったのが、これはポスターとは何にも関係ないのですが、成田からの出発が4月13日だったのですが、これは北朝鮮が弾道ミサイルを発射したまさにその日です。
だからどうしたと問われれば、まったく何でもないのですが、本当に運が悪ければそのミサイルに当たって航空機が木端微塵ということもあったかも知れません。
その時は、右から二番目の顔がわたしになっていたということも考えられるのではと思っています。
【M8/Summicron 90mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 90mmF2 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/16 Mon

Lereboures et Secretin 85mmF3.4
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Lerebours et Secretin 85mmF3.4 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/15 Sun

弓道比賽

Lereboures et Secretin 85mmF3.4
会場がどこか案内すらしていなかったので気付いた人は少なかったと思いますが、鎌倉祭りの一環として弓道大会が開催されていました。
鶴岡八幡宮の中に研修道場がありますが、やや分かりにくい立地のため、通りがかりの人が寄るということも少ないようです。
八幡さまといえば、流鏑馬がすごい人気ですが、一般の弓道の見学者はほとんどいないように見受けられました。

逆にそれがわたしにとってはありがたかったのですが、確かに観光客などの外来者は少ないものの、会場が狭くて参加者が多かったので、結局落ち着かないことに変わりません。
土日の鎌倉は、町のサイズを超えた観光客であふれますが、弓道大会も会場のキャパを超えています。
パレードの中でも、鎌倉を世界遺産にと訴えていましたが、そんなことになったら移動すらままならない窮屈な町にならないか心配でなりません。

ところが、ここで思わぬ人に会いました。
鎌倉在住の写真家のIさんです。
文人としてこの道場に通っているそうで、この日も、大会の裏方で走りまわっているところでした。
Iさんは土門拳受賞歴のある気鋭の写真家です。
ところが、家庭にたいへんな不幸があって、本来の活動を大幅に制限されており、おそらくはそのぶんを文化的な活動に費やされているのかも知れません。

偶然の1年振りでの再会でしたが、俄然、元気にされているのでホッとしました。
ところが、ちょうどカメラを持ってやってきた我々に、ぜひ弓道仲間の写真を撮ってほしいと、突然の依頼を受けてしまいました。
断る理由もなかったのでお受けしてしまったのですが、これはとんだ失敗でした。
何しろピントがあっている写真が1枚もなく、とてもお渡しできるものがありません。
今日の作例でいちばんまともな方ですから、修正してどうこうというレベルではなく、ksmtさんの撮ったもののみをお送りして、お詫びすることにしました。

期待にまったく答えられなかったとき、人は大きくへこみます。
翌日、さらにダメ押しで、しばらく立ち直れなくなるようなモノがやって来ました。
ダルマイヤーの3インチのペッツパールというのが売りに出ていたので購入したところ、届いたレンズに前玉が付いていなかったのです。
19世紀レンズに立て続けに裏切られ、しばらくオールドレンズのことはどうでもよくなってしまいました。
【Lereboures et Secretin 85mmF3.4 F3.4】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Lerebours et Secretin 85mmF3.4 | trackback(0) | comment(2) | 2012/04/14 Sat

顔色不好

Lereboures et Secretin 85mmF3.4
先に紹介したルルブール・エ・スクレタンという名前ですが、さすがにこの名前を知っているという人はまずいないと思います。
わたしは使ったばかりなので記憶していますが、あと1ヶ月もすれば正確に思い出せないでしょう。
フランスの古いレンズメーカーとしては、ダルローが有名でエルマジーがそれに次ぐでしょうか、ベルティオもその後の発展で大きく名前が残っているのに対し、このルルブールやドゥロジー、ソレイユといったところは20世紀早々に姿を消してしまったのか、よほどのレンズ通でもない限りほとんど知られていないと思われます。

ルルブールは、もともと望遠鏡を作っていたメーカーで、もちろん旅行のガイドフックとは関係ありません。
のちにスクレタンと業務提携してルルブール・エ・スクレタンと名前を変えています。
それが1845年のことなので、わたしのレンズも少なくともそれ以降の製造であることは間違いないようです。

ただし、なぜか製造番号が入っていないため、製造年代の特定ができません。
それでも1845年頃にはペッツパールタイプのレンズを製造しているので、推定ですが、このレンズも1845~1870年頃のレンズだと考えています。
真鍮の金ぴかの鏡胴に、"Lereboures et Secretin Paris"と手彫りで美しい刻印がなされています。
当時の慣例のようで、レンズ名もありませんでした。

また、焦点距離やF値も刻印されていません。
蛍光灯の光がレンズを通って合焦する位置の距離を測ると、レンズ中心からだいたい9センチくらいでしたので、焦点距離もだいたいそのくらいだろうと想定できます。
これは、以前書いたようにMSオプティカルで測定され、85mmF3.4相当だったと判明しています。

ペッツパールタイプの時代にはたいへん多いラックアンドピニオン機構やウォーターハウス絞りを差込むスリットがありません。
そのため、もしかするとプロジェクターレンズなのかも知れませんが、絞りは円盤をレンズ鏡胴の真ん中に入れる方式だったとも考えられます。

さて、昨日もそうでしたが、今日の作例でもピントが来ていません。
やはり、どこかおかしいのかも知れません。
単に解像力が極端に低いために合焦していないように見えるのかとも考えられなくはないですが。

今日の作例で感じるのは、発色がおかしいということです。
ダルマイヤーのペッツパールでも経験しましたが、どうもアンダー目で撮ると濁ったような美しくない発色をしてしまうことがあるように思います。
ペッツパールをデジタルで撮るときの注意点と言えます。
もしくはノンコートレンズ全般に言える欠点なのかも知れず、M8に固有の現象なのかなとも考えられます。
いずれにしてもオールドレンズ愛好家にとっては、致命的とも言える厳しい事態です。
【Lereboures et Secretin 85mmF3.4 F3.4】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Lerebours et Secretin 85mmF3.4 | trackback(1) | comment(0) | 2012/04/13 Fri

両個人物鏡頭

Lereboures et Secretin 85mmF3.4
今日の作例は、偶然、鶴岡八幡宮の中で見つけた、謎の甲冑集団です。
色鮮やかなよろいに身を包んだ老若男女がざっと20名が勢ぞろいして、異彩を放っていました。
しかも、これがよく見れば全部段ボールなどをベースに手作りしたものだそうです。
オーダーメイドですから体にフィットしていますし、色使いなどにもそれぞれの工夫が込められているようで、そんな苦労や愉しみが伝わって来ます。

マウント改造などレンズに関連するハンドメイド名人のksmtさんは、とくに興味を持って話しかけていました。
考えてみれば、よろいとオールドレンズには共通点がいくつか見られます。
現存するものが少数あってそれをもとに考証する点、実用性と骨董的装飾性の共存、構成や形態、素材などの進歩等々です。
良いものは、互いに通ずるところがあるということですね。

さて、ksmtさんは、この日、2本の人物用レンズを持って来ていました。
ベルティオとフォクトレンダーのペッツパールタイプのレンズで、いずれも200mmを超える長玉です。
フォクトレンダーは1871年頃とかなり正確に年代特定できているようですが、ベルティオははっきりとした年代が分からず1860年代後半ではないかと推定されていました。

構成は同じペッツパールタイプで、ペッツバールが最初に設計した典型的なかたちになっています。
わたしのもっているダルマイヤーのペッツパールタイプでは、後群の2枚が入れ替わったようになっていますがこれは改良型で、ksmtさんの2本はオリジナルの構成と言えます。
ただ、キングスレークによれば、改良型のはずのダルマイヤーの構成も写りにはほとんど影響がなかったということです。
さらに後年には、後群を貼り合わせにし2群4枚のペッツパールタイプをフォクトレンダーが開発し、以降のペッツパールはその形が主流になっていきます。

ksmtさんによれば、ベルティオよりもフォクトレンダーの方が写りはシャープだったそうです。
その理由を聞き忘れましたが、フォクトレンダーの方が光学技術では一歩抜きん出ていて、高性能なレンズを製造できたということではないかと思います。
ベルティオはずっと後年になってシネ用ズームレンズなどで名声を得ますが、19世紀の段階では、まだ模倣のレベルを超えていなかったのかも知れません。
【Lereboures et Secretin 85mmF3.4 F3.4】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Lerebours et Secretin 85mmF3.4 | trackback(1) | comment(2) | 2012/04/12 Thu

同心円

Lereboures et Secretin 85mmF3.4
鎌倉祭りは若宮大路のパレードで始まるようです。
沿道にはもはやびっしりと人が張りついている状況で、パレード開始前から早くも熱気に包まれています。
時間ぎりぎりに到着したわたしたちは最前列に出るのは無理ですが、気にすることもありません。
ふたりとも長身なので、おばちゃんたちの後ろに立てばじゅうぶん前が見えますし、長玉で撮るので後方からでも問題ありません。

問題なのは、位置取りでした。
好天のため太陽の位置を気にする必要があります。
すでに高い位置にある太陽ですが、逆光に弱いレンズだけに少し上に向けただけでも影響を受けそうです。
道路の向かい側に出れば順光になりますが、それでは背景に桜が取り込めないので、逆光を気にする位置での撮影を試みることにしました。

結果は、作例のとおりです。
顔がすっかりシャドーでポートレイトとしてはかなり厳しいもので、せっかくの美人の輝きを乏しくしています。
むしろ隣の役員のお父さんの方が主人公のようになっていい感じです。
そのお父さんの方がわたしの方を楽しげに見ているのは、わたしのレンズが金ぴかのいかにも古いレンズだからでしょう。
え~っ、そんなんで撮れるのと聞きたかったのではないかと思います。
これがその写真ですと見せたら、まあまあ撮れるんだなと思いつつも、周辺を見てやはりこんなものかと思われるかなと想像します。

その周辺部ですが、ちょっとびっくりさせられます。
昨日の作例を見ていただけば分かりますが、周辺ボケは放射線状に広がっていて、このレンズのボケはほとんどがそうなっています。
今日の作例は、桜が同心円状に廻っている、いわゆるぐるぐるですね。
距離は2メートルほどかと思いますが、近距離で同心円、中間距離からは放射線というふうにボケのパターンが変化するのかも知れません。

ただ、ピントは人物の誰にも合っていないように見えます。
ところが右中央の力車の幌にはピントが来ているようです。
偏芯が直っていないのか、ペッツパールの特徴になっている像面湾曲のいずれかでしょう。
いずれにしても、このレンズはわたしの手に負えない状況になっています。
一度MSオプティカルに診断してもらうつもりでいます。
【Lereboures et Secretin 85mmF3.4 F3.4】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Lerebours et Secretin 85mmF3.4 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/11 Wed

19世紀法国鏡頭

Lereboures et Secretin 85mmF3.4
ksmtさんが、また、たいそう古いレンズを入手されました。
1860年代と推定されるベルティオのペッツパールタイプのレンズで、もちろんいつものとおりEOSマウントに改造されています。
ペッツパールタイプとは、人物撮影用レンズのことですから、ポートレイトを撮らなくてはいけません。
では、美女を撮りにでかけましょうと選んだのが、ミス鎌倉のお披露目があるという鎌倉祭りでした。

それにぴったり合わせるように、わたしのもとにもMSオプティカルからレンズが届きます。
同じフランスのペッツパールタイプのレンズです。
ルルブール・エ・スクレタンと言っても、聞いたことのある人すらあまりいないでしょう。
それでも、キングスレークの本に登場するフランスの老舗メーカーとして、19世紀のオールドレンズファンには知られる存在です。

もともとは、先月の関西遠征のメインレンズとすべくかなり以前に入手していたのですが、MSオプティカルへマウント改造依頼したところ偏芯があるので要修理との診断が出て、遠征に帯同させることができませんでした。
つい先日になって修理が完了したと、宮崎さんから送られてきたのです。
90mmくらいと思われた焦点距離は85mmと、ペッツパールなのでF3.5~F4と思われたF値もF3.4と計測してもらいました。
85mmF3.4というと、かなり使いやすいスペックです。

非常に期待しての撮影です。
中心部がすばらしい描写をしている反面、周辺部が激しく乱れていることに帰宅後驚かされます。
撮影中は液晶を確認する機会もあったのですが、写りについてはまったく気付きませんでした。
よく見れば中心部もピントが来ていないようです。
愕然とせざるを得ません。

昨日のコントラストの低い作例では、だいぶ描写の傾向が違っていましたが、これ以外はすべて真ん中と周辺が大きく違う作例ばかりになります。
これで7日間続けるのは気がひけますが、気付かずにこれ1本で撮り続けたのでどうにもなりません。
しばらく、ご容赦のうえお付き合いをお願いいたします。
【Lereboures et Secretin 85mmF3.4 F3.4】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Lerebours et Secretin 85mmF3.4 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/10 Tue

過了1年

Lereboures et Secretin 85mmF3.4
昨年の今ごろ、花見のシーズンでしたが、多くのイベントが自粛の名のもとに中止になりました。
震災から1ヶ月経ちながら、未だ行方不明者は多く、復興の目途もとてもたたないような状況で、お祭りやら花見など罰当たりと考えられたのでしょう。
実際、それが正しい選択だったのかも知れませんし、あるいは祭りを決行して人が苦しんでいるときに何やってんだと非難されるのを避けるためだったのかも知れません。
多くの自粛が、前者建前、後者本音のようだったと感じましたが、いかがなものでしょう。

東北の酒造業者などから、自粛は東北のためにならない、予定通りにやって東北の酒や産物をどんどん消費してほしいと声があがっていました。
また、1ヶ月経済が停滞してしまったのだから、それを取り戻すためにもイベントなどは積極的に行うことがひいては東北の復興につながると力説されている学者さんもいました。
理屈はそうであっても、先行する催しが自粛しますと言えば、うちはやりますと言えなくなるのが日本人なのでしょうね。

昨年の鎌倉祭りは、まさにそうしたかたちで中止になったイベントです。
行ってみようかと計画していましたが中止になり、代わりに円覚寺や明月院をまわって、すばらしい場面に出合えたので、好い方の記憶として残っています。

今年こそは鎌倉祭りに行ってみませんかと仲間内に声をかけたところ、ksmtさんから行きましょうと参加表明があり、昨日、出掛けてきました。
満開には数日早かったかなという感じでしたが、1年振りに見る美しい桜は、春の訪れを知らせて十分なものがあります。
天気も上々ですが、空気はちょっとひんやりしてて、歩いていてもすっきりと気持ちのいい1日でした。
最高の日に思え、実際、とても幸運なことがあったのですが、かなりへこむことになった1日でもありました。
まずは、着物がとてもよく似合う美女の後姿からスタートしましょう。
【Lereboures et Secretin 85mmF3.4 F3.4】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Lerebours et Secretin 85mmF3.4 | trackback(1) | comment(0) | 2012/04/09 Mon

機場分店

M8/Coral 4.5cmF1.5
深圳の仲好し小好しシリーズの5回目にして最終回です。
場所は深圳駅から1キロ圏内、本来なら商業地としてすごいリッチのはずですが、裏通りということがあってなんともゆるい空気が流れた気軽な通りです。
向かいに床屋さんと雑貨屋さん、通りの上ではいいおっさんが骨董もどきのガラクタを並べて、平気な顔して商売しています。
しかし、そんなものを気にする人は誰もいないようで、みんな一瞥すらくれずに通り過ぎていきます。

なかでもインパクトがあったのが作例のふたり組みでした。
中国では(たぶん韓国でも)仲の好い女性ふたりが腕を組んで歩くのはよく見ますが、その態勢のまま双方が携帯でしゃべっているというのは、えっ、と思わせるものがあります。
あまりに仲が良くて、一方が携帯で話をするとそれを聞いていられなくなってもう一方も別の人に電話をかけて話をするという暗黙の決まりがあるとか、ふたりはちょっとした喧嘩をしてしまったので目を合わせての会話がはずかしくて携帯でやり取りしているのかとか、いろいろと想像が膨らみました。

どうでもよいですが、二人三脚にならって二携帯三腕と名付けてみましたが、いかがでしょう。
どちらにしても、ふたりの末永き友情を願って止みません。

さて、この翌日、香港から帰国の途についたのですが、その香港空港になんとライカの直営店ができていたのでびっくりしました。
ライカを扱っている電気店とかカメラ店ではなく、ライカ専門の店です。
品数豊富とは言えませんが、ライカのカタログアイテムはすべて網羅しているようです。
香港の町中にライカ直営店がある聞いたことがないので、あるいは空港にありながら旅行者向けというよりも、香港市民がライカを買う時にわざわざ空港まで出向いて購入しているのかも知れません。

プライスリストがあったので、いただいてきました。
それによれば、ライカM9がHKD61500、M9PがHKD67100となっています。
今のレートで1香港ドル11円くらいですが、正確な計算をして日本より安ければ、香港空港で購入という日本人がけっこうでてくるかも知れませんね。
ちなみにダウンタウンでのように値引きとかあるのかは未確認です。

もう間もなくM10が発表になるとの噂が絶えませんが、いざ発売という時に新製品でも安く買えるのが香港空港ということになるのかも知れません。
香港なら修理もかなり安そうですので、壊れたときは、わざわざ香港行きの往復券を買っても日本より安く直してもらえるということがありそうです。
ベトナム戦争期は、香港が世界一ライカの安い町だったと聞いたことがありますが、また、そうなってくれればそれに越したことはありません。
大きく期待しているところです。
【M8/Coral 4.5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Aires S Coral 4.5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/08 Sun

法語与俄語

M8/Coral 4.5cmF1.5
わたしは学生時代、第2外国語にフランス語を選択していました。
もちろんまったくモノにならず、講義もフランス語を学ぶというより、映画や音楽などフランス文化に親しむためのサロンのような雰囲気でした。
何を思ったのか、3年の時には第3外国語でロシア語まで履修しました。
これはさらにひどく、会話をするどころかABCすら全部を書けないほどでした。

それからだいぶ経って、いい年齢になってから中国語の勉強を始めます。
途中、留学生とのマンツーマン指導を受けたりもしましたが、これも未だにしゃべれているとはほど遠い状態です。
結局、英語も含めて語学の才はなかったということでしょう。
外国語の会話はセンスが問われるとはよく言いますが、まさにそのセンスがまったくありませんでした。

さて、その仏露中の3ヶ国語には、大きな共通点があります。
発音が難しいということです。
いずれも日本語にない発音がいっぱいあり、口の形と舌の形を自在に操れないと相手に通じないということが普通です。
聞き取ることも同様に困難で、簡単な会話を成立させるまでにも相当の訓練を要するでしょう。
その点では、恐らく韓国語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語などはずっと楽なのではと思われます(もちろんこれらが簡単だと言っているのではなく相対的な問題です)。

具体的なよい例があります。
はい、"Rの"発音です。
フランス語では、巻き舌でルとカの中間のような不思議な音を出し、ロシア語では舌を高速振動させてドゥルルルルという音をだします。
中国語ではピンインという発音記号で"er"と表記しますが、これが超巻き舌で音になっていないようなアールという音を出すのです。

これがまったくできません。
いや、外国人ばかりではなく、中国人でも上海や広東など南方の人はこれの美しい発音が苦手で、自ら発音できないと言ったりするのです。
アールの発音はもっぱら北京などの北方の人が得意とするもので、上海語、広東語にはそんな発音がないので、彼らはその発音がうまくできないらしい。
逆にアールの発音が得意な北部の人々は、ほとんどの名詞の後にアールをくっ付けて発音するのです。
これが、ますます真似できず恐ろしいくらい。

で、なにが今日書きたかったかと言えば、いま、わたしは毎日プーアール茶を飲んでいるのです。
プーアールのアールも恐ろしいアールなので、これが発音できないのです。
それでも中国に行ったときに譲っていただいて、持ち帰って飲んでいます。
旨いから? いえ、まずいのですが、減量できるからなのです。

減量といっても2ヶ月ちょっと経って、ようやく2キロちょっと減っただけです。
ただ、食事量は変わらずで減ったのですからたいしたものです。
親指の先くらいの量の茶で、湯飲み8~12杯くらい飲めますが、それだけで体重が少しずつ減っていって、そればズボンのベルトの位置などでも実感できます。
減り方は明らかに鈍化してきていますので、今後、リバウンドなどあるのか不安ですが、しばらくは、この人体実験を続けるつもりです。
その模様は、変化があり次第こちらでお伝えしたいと思います。


さて、作例ですが、仲好し小好しシリーズの4回目、将棋指しです。
朝から晩までずっと対局しているようですが、どうして飽きないのでしょう。
きっと将棋には飽きているのでしょうが、仲間とこうやって語らいながら勝ったり負けたりが楽しのではないでしょうか。
それはいいと思うのですが、こんなバスがバンバカ通るような通りの脇にずっといるのは体によくありません。
黒酢やプーアール茶など健康食品にこだわりをもつ中国人が、空気の汚染について無頓着なのはわたしにとっての長年の疑問です。
【M8/Coral 4.5cmF1.5 F1.5】
Aires S Coral 4.5cmF1.5 | trackback(1) | comment(0) | 2012/04/07 Sat

烤羊肉

M8/Coral 4.5cmF1.5
かつて深曙Vを歩いていると、日本でもありそうでありえないというようなものを時々目にしたものです。
友だちになった香港人が家に招いてくれ、夕食をご馳走するから今から買い物に行くというので着いていくと、市場へ入っていきました。
見たこともないような食材がいっぱい並んでいて、さすが中国だと感心しつつ肉売り場を歩いていると、なんと犬が1匹完全に解体された姿で横たわっています。
首かごろんとテーブルに置かれて、その虚ろな瞳はこちらを見据えているようでした。
こちらでは犬を食べることは知っていましたが、まさかこんな生なましい姿で販売されているとは。
衝撃の深曙Vデビューでした。

こんなこともありました。
町中にCD屋さんが数軒並んでいて、そのうちの1軒でお土産にと何枚か選んでいました。
すると、突然店員にCDを取りあげられ外へ突き飛ばされます。
どうしたのかと思っていると店のシャッターが一斉に下ろされてしまいました。
遠くに巡回する景観の姿が見えました。
この店は違法コピーのCDを売る店だったのです。

目撃したということではこんなことがありました。
繁華街を歩いていたら、目の前を走っていたタクシーに高級外車が追突しました。
激しいものではなく、お互いのバンパーが少しへこんでいる程度です。
すると、運転手が飛び出して相手の運転手に掴みかかり本気で殴りかかりました。
なんと、追突した方の運転手がされた方のタクシーの運転手を殴っているのです。
単にその男がヤクザだっただけかも知れませんが、その時は、中国の交通事故はどちらが悪いではなく、どちらが高い車に乗っている金持ちかで裁定されてしまうのかとびっくりしたものです。

こんなことを思い出すままに書いていては枚挙に暇がありません。
最近では驚くようなことは、少なくとも深圳の街中ではなかったのですが、今回、面白い店にええっと面喰わされました。
小さな本屋ができていて、1冊12元と貼り紙がありました。
150円ですからさすがの中国でもかなりの安さです。
あまり欲しくなるような本はありませんでしたが、ふと手にした中国の古い家具が網羅されたグラフィックな本が気に入りました。

12元払おうとすると20元だと言われます。
よく分かりませんが、20元の本もあるのかと言われるままに支払ってあらためて貼り紙を見て、あっと気付きま
した。
1冊12元ではなく、12元/斤と書かれているではないですか。
斤とは中国の重さの単位で500グラムのことです。
この本屋は、本の量り売りをしていたのですね。
市場で肉を買うのといっしょです。
そんないい加減なことでいいのかと思いましたが、この店、安さが受けているようで、かなりの人でごったがえしていましたので、これでよいということなのでしょう。


さて、今日の作例は、仲好し小好しシリーズの3回目、羊肉を絶妙のコンビネーションで焼く兄弟(?)です。
ヨーロッパ人に見えなくもないですが、彼もれっきとした中国人です。
後のポスターのターバンの男もそう。
はるか西方から来た新疆人です。

新疆人は、確かトルクメニスタンと同じ民族だったはずで、ということはトルコ人とも同民族です。
ヨーロッパ人に見える人がいるのは当然なのです。
彼らはイスラム教徒で生活もまったく違いますから、漢民族とは、宗教、文化、生活、言語、顔つき、体つきとみんな違うわけです。

よほどの相互理解がなければ衝突が起こるのは当然のことでしょう。
ウルムチでは暴動が頻発していますし、深圳から近い広州では工場で働いていた新疆人が差別待遇を受けたことが原因で死者を出すほどの大抗争にまで発展するということがありました。
民族間の対立はどこまでも深く、修複不能になったように見えます。

とはいえ、中国人はみな新疆の焼羊肉が大好きなようで、この店に客が途切れることはありませんでした。
今のところ、新疆人と漢民族を結び付ける唯一の接点が、この羊なのかも知れません。
【M8/Coral 4.5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Aires S Coral 4.5cmF1.5 | trackback(0) | comment(2) | 2012/04/06 Fri

用黄瓜美容

M8/Coral 4.5cmF1.5
深圳到着の翌日、友人からお昼をご馳走になり、夜は別の知り合いが台湾料理をご馳走してくれることになりました。
夕食までの数時間、ひとり時間ができたので、カメラを持って散策することにしました。
移動の飛行機の中で南潯で撮った写真の液晶画像を見ていたところ、コーラル45mmF1.5で撮ったものはことごとく周辺がダメで、画面中心で撮った作例をもっと出さないといけないと思ったからです。

数時間という長さが微妙でした。
遠くへ繰り出すには短か過ぎ、近場ではもてあましそうで、行き先をどうするか悩みます。
せっかくですから行ったことのないところまで出てみようと考え、やって来るバスに飛び乗って気に入ったところで下車してみることにしました。
ちょうど来たバスは農業卸売市場のようなところ行きとなっていたので、途中降りたくなるところがなければ終点まで行けばいいだろうと乗り込みます。

バスは福田区の繁華街をずっと通っていったので、あまり降りたくなるような場面は無く、やはり農業市場へ行ってみようと考えました。
ずいぶんと乗っているうちにほぼ満席だった人はどんどんと減っていき、市場のようなものが見えたところでわたし
以外全員下車してしまいます。
ここで降りた方がよかったかなという予感は正解でした。
次はバス停ではなく、ガソリンスタンドにそのまま入っていきます。

運転手が、なんでまだ乗ってるんだ、前のバス停が終点だったのにと、キョトンとするわたしに告げました。
終点過ぎて、給油しているのにまだ乗ったままというのは、実に間抜けですが、終点だというアナウンスがなかったのでどうにもできません。
路線バスももう少し親切であって欲しいものです。

15分も歩いて市場へ戻りますが、農業卸売市場という名前から大きな青空市場を想像していたのに、体育館のような巨大建物の中にぎっしり店が並んだ中国ではよく見るタイプの市場でした。
ただでさえ薄暗く、午後ということで中は閑散としていて撮るものがほとんどありません。
通り全部が漢方薬の店というところもあったりで、朝がた来ればけっこう楽しめるかも知れません。

途中、裕福子女のためと思われる小学校があって、みんなおしゃれなタータンチェックの制服を着ています。
制服に劣らない、気取ったふたり組の女の子を撮ったのが、仲好し小好しシリーズ1回目の昨日の作例です。
大きな期待のもとにぶらり途中下車のバスの旅に出たものの、結局、いつもの東門に行っていちばん繁華な通りで撮ったのがシリーズ2回目です。

寅さんのようにトランクというか、ちゃぶ台というかを手に何かを売っている行商の青年です。
どうやらキュウリをスライスする調理器具を売っているかに見えたのに、やおらキュウリを顔にくっ付けてキュウリパックがお肌にサイコーなどと口上を垂れているようです。

そこへ腕を組んだ女性ふたり組が通りかかり、一瞬、青年の方を見ましたが、まったく興味をしめさずにそのまま素通りしていきました。
青年がキュウリスライス器で億万長者になるには、まだまだ長い道のりが必要のようです。
以前、別の行商を撮影したときに撮るなと怒鳴られたことがあったので、人影から隠し撮りしました。
距離をおいて観察しながら、金持ちになる以前に、彼の愛用トランクが大量のスライスキュウリで青臭くなりゃしないかと心配になってきました。
ともあれ、農業市場で見なかった野菜を、ここ東門で見ることができたので好しといたしましょう。
【M8/Coral 4.5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Aires S Coral 4.5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/05 Thu

到機場的路程

M8/Coral 4.5cmF1.5
今日から移動した深圳のスナップを数枚お届けすることにします。
ふたり組みを撮影したものが何枚かあったので、それらだけを続けることで、仲好し小好しシリーズとしたいと思います。

そのまえに、南潯から上海経由で深圳へ移動したのですが、そのときとんだ思い違いをして痛いロスをしたということを記載しておきます。

1日だけだったので南潯だけ見れれば十分だったのですが、欲をかいて近くのもうひとつの古鎮、烏鎮に立ち寄ろうと計画していました。
烏鎮へは以前に滞在したことがあるので、1時間も散策できればよしと考えたのです。
南潯から烏鎮まではバスで40分と予定通りに移動できたのですが、烏鎮で聞いたところ、中国新幹線の停車する駅までタクシーなら45分ほどと踏んでいたのですが、1時間半かかると言われます。

直線距離だと地図上30キロもないのですが、やはり水郷のエリアだけあってかなり迂回するようなのです。
さらに、これから夕方渋滞も予想されるのでもっとかかるかも知れないと不吉なことをいいます。
それより上海空港へ直接行っても高速を走るので1時間半で行くから、そうすべきだと勧められました。
ただ、新幹線駅がある嘉興まで250元なのに、空港までは800元だと言います。
いずれもかなり高い気がするので交渉し、それぞれ200元、600元まで値下げに成功します。
それでも600元も出す気持ちになれず、運転手の誘いを断って駅まで行ってもらうことにしました。

2時間かかるのであれば、とても烏鎮を散策する余裕はなく、いまにも出発しないといけません。
なんのためにここまで来たのか。
そもそも南潯からならタクシーは不要で、バスと地下鉄で30元ほどで空港へ着けたのです。

タクシーは中国語で私家車と呼ばれる白タクでしたが、これがとんだ喰わせモノでした。
運転手はいかにも金を持ってそうな恰幅のいい男だったのですが、いざ車のところへ行くと中国語で面的と呼ばれる軽ワゴンです。
高級外車とまでは言いませんが、せめて乗用車で快適に移動したかったのに、ずっと巨大エンジン音に悩まされ続けることになります。

出発早々、運転手が550元まで下げるから空港まで行かないかと誘ってきます。
返事を渋っていると道路まで渋滞とまではいかないものの交通量がかなりあって不安をあおられました。
500元まで下げてくれたら空港まで頼むと言ったのですが、550元から1元も負けないと言い張ります。
高速の入り口が見えて、どうする、空港へ行くか、駅に行って間に合わないと、航空券が紙クズだぞと脅されますが、それでもわたしは駅へと言いました。
したが、高速入口を過ぎて最初の信号で停まり、なかなか青にならないのに根負けしてしまい、ついに、すまん、やはり空港へ行ってくれと言ってしまいました。
運転手はしたり顔でUターンしています…。

深圳に住む杭州出身の知人によれば、恐らくわたしの乗った距離なら300元程度でよかったはずとのこと。
550元はベンツとかに乗った場合ねと笑われてしまいました。
すっかり運転手にやられたということですね。
そもそも深圳まで280元という超格安の航空券を買っていたのに、空港までの交通費がその倍になってしまうとは。
くやしいですが、外国人が百戦錬磨の中国人に完全アウェーでかなうはずがありません。

ただ、運転手が完勝だったかといえばそうでもなく、か弱き外国人を騙した罰を受けてはいるのです。
高速走行中うとうとしていると、突然ドカンと激しい衝撃があり、事故かと飛び起こされました。
そのまま走っているので、どうしたのか訪ねると、落下物があってそれにどんと乗り上げたとのことでしたが、装甲への影響が感じられないのでそのまま運転しているとのこと。

空港に着いて、前輪を見ると、ホイールが微妙に歪んでいて、タイヤの空気もわずかに減っているようで、高速を走るにはかなり不安な状況になっていました。
わたしはチェックインしないといけないのでと、運転手に金をわたしてそそくさと空港建物の中へ逃げ去ります。
その後、車をどうしたのか、彼が無事に帰れたのかは知る由もありません。
【M8/Coral 4.5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Aires S Coral 4.5cmF1.5 | trackback(0) | comment(2) | 2012/04/04 Wed

我們愛安静的地方

M8/Coral 4.5cmF1.5
朝、南潯に到着したとき、最初になすべきことはスーツケースを預けることでした。
入場券を買わされたので、預かってくれとお願いしますが、ここはあっさり断られます。
となると、喫茶店か軽食の店に入って、少し飲食し、町の情報を入手しつつ、スーツケースを預かってもらうのがベストです。
ところが、わたしは南潯の裏側から入場していたため、今までの江南古鎮ではイヤになるほど見かけた店がまったくありません。

石の道の段差を気にしながらスーツケースを転がし、これはちょっと厳しいかなと思ったころ、その長い通りで唯一の茶店がわたしを待っていました。
古民家そのままの家にテーブルを4卓置いただけのちっぽけな店です。
奥で掃除しているのが見えますが、まだ時間が早いため営業はしてないようでした。
それでもおばさんはわたしの気配を感じたのか顔を上げると、笑顔で招じ入れてくれます。

骨董のような椅子に座るとお茶の説明をしてくれます。
店の名前は三椀茶といい、長く土地で飲まれている甘いお茶、しょっぱいお茶、苦いお茶の三種類とお茶菓子があるだけです。
よければ、店の名前になっている三椀のお茶を全部試してみてと言われ、オーダーしてみました。
豆のお菓子付きで200円です。

お茶といっても最後の苦いお茶が緑茶ですが、他はお茶というよりスープに近い飲み物で、まだうっすら寒かった朝には快適な飲みものでした。
南潯の情報を聞こうと思っていると地図を出して来て、これを持って行ってくださいと言います。
簡単な解説の付いたこの地図は、着いたばかりの旅人には最良のガイドです。
と思っていたところ宿はどうするのかたずねられ、今夜、上海経由で深曙Vに向かうと答えると残念そうに、そこでは宿もやっていて、次に来る機会があればぜひ泊まっていってと部屋を見せてくれます。
およそ200年前に建った古民家に古い家具調度の魅力的な部屋で、ぜひ、また訪れたいと思わせるだけのゲストハウスでした。

わたしからお願いするまでもなく、おばさんの方から荷物は預かってるからゆっくり散策してきてごらんとわたしを送り出してくれたおばさんは、案外と商売っ気のない素朴で人の好い女性だと思わせる人です。
数時間して戻ったときも満面の笑顔でお帰りと迎えてくれました。

その三椀茶では2つのことが、わたしを待ちうけていました。
朝、おばさんと話していて、元宵節のときにもちつきをしたというので、日本では元旦にするけど、日本人はみんなもちが大好きだというようなやり取りがあったのですが、わたしももちが好きなのだろうともちを買って来て、料理してくれていたのです。

昨日、書いたとおり最後に麺を食べて戻って来たので、もう食べる余力はなかったのですが、でてきた料理に驚いて思わず、懸命に食べてしまいました。
それは、日本の雑煮そのままだったのです。
見た目は野菜のいっぱい入った雑煮でしたが、食べてみると味もまったく雑煮そのものです。
雑煮ほど日本的な食べ物はないと思っていたのですが、これも中国から伝来したのでしょうか。
こんなところで食べることができた旨い雑煮に、喜び半分、がっかり半分でした。

もうひとつ待っていたのが、蘇州からやって来たという女の子です。
中国人にしてはたいへん珍しく南潯のこの静かなところが気に入り、おばさんの人柄の好さにも惹かれてお茶を飲んでまったりしているところに、おばさんからもうすぐ日本人が戻って来るよと言われずっと待っていたようです。
以前に外国人に中国語を教えていたということで、どんな日本人なのか興味があったと笑っています。
記念にと写真を撮って送ってあげたのですが、ふたりはまるで親子のように見えます。
しかし、このレンズの端に彼女たちを置いたのはとんだ大失敗でした。

裏側の入り口に近く、駐車場のあるメインの入り口から遥か離れているため観光客がほとんど来ない場所ですが、その分静かですし、古民家の連なる町並みの美しさはどの古鎮にも劣りません。
いただいたお茶はおいしく、伝統の料理も出すなどしてもっと人通りの多い場所で店を出せば、かなり繁盛するのではと聞きましたが、おばさんの答えはノーでした。
この静かな雰囲気が好きだし、ゆったりした生活も気に入っている、なにより訪れた人とのこんな交流が何より楽しいと世界中から届いたお礼の手紙を見せてくれます。

誰もが拝金主義だという中国で、ごくまれにこんな人と会うととても救われた気持ちになります。
胃も心も満ち足りて南潯を後にすることができました。
かの地の観光客が激増して、静かな三椀茶のまわりが開発されたりすることがないよう、ただただ祈るばかりです。
【M8/Coral 4.5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Aires S Coral 4.5cmF1.5 | trackback(1) | comment(0) | 2012/04/03 Tue

猪肉与麺条

M8/Coral 4.5cmF1.5
中国の短時間旅行で食を堪能しようと思うと、いくばくかの犠牲を払わないといけません。
場所がら最高級品は大閘蟹(日本では上海蟹)ですが、地元では太湖蟹というやはり高価な食材があるようです。
さいわい、わたしは蟹のように食べるのが面倒なものは、積極的に食べる気になりません。
川魚も名物ですが、淡水魚の養殖ものは、以前見てはいけないものをエサに使っているのを目撃してしまい、それ以来なるべく口にしないよう努めています。

わたしを悩ませたのが、昨日の作例の箸がいっぱい並んだざるの店の周りに麺屋さんが何軒か並んでいたのと、その向かいの食堂の店頭の貼り紙でした。
麺屋の方は、客があふれていて店頭にもテーブルを並べて、みんな一心にすすっている様子が食欲をそそります。
貼り紙の方は、特別推薦、東坡肉と書かれていて、以前、杭州で食べたこの料理のことが忘れられないわたしは、こちらを最優先とすることにしました。

東坡肉だけ食べるという訳にはいかないので、野菜とご飯も頼みます。
野菜は名前を控えなかったのが残念ですが、地元の名産という甘みのある茎の美味なものでした。
それからちょっと待ってでてきた東坡肉は、土鍋でジュージューいいながらやって来ます。
視覚、聴覚、嗅覚の三方向からの刺激があって、思わずよだれが落ちてきそうになります。
実際、これは杭州の高級レストランで食べたものに勝るとも劣らない美味でした。

これなら麺も期待できそうです。
すでにけっこう満腹しましたので続けざまという訳にはいきませんが、あちこち歩き回って胃袋の内容物を下においやることで2時間後には麺屋に飛び込もうという作戦をたてました。
冒頭に申し上げた犠牲とは、金銭的なものよりも、もっぱら胃への負担と、しなくてはならない減量から逆方向へ向かうという意味の方がはるかに大きいということです。

途中、メインストリートをはずれて工場地帯で駆けたりの努力を重ねて、どうにか麺を食べる態勢を整えました。
数軒ある店から選んだのは五福楼と書かれたいちばん年季の入っていそうな店です。
年末訪れた甪直もそうでしたが、江南エリアでは麺とスープが決まっていて、あと何をトッピングするか自分で選ぶスタイルです。
なにがいちばん人気か聞くと小魚だったので、さすがにこれは養殖ではないだろうと判断してお任せすることにしました。

結論を言えばこれがまた抜群に旨かった。
これを食べるために店を再訪したいくらいです。
おまけに隣のテーブルの女子大生から英語でどこから来たのかと話しかけられ、その子たちやお店の人に日本のラーメンの講釈を垂れる機会まで与えられてしまいました。
こんなのが、また、麺の味に色どりを添えてくれたりするのです。

五福楼は100年近い歴史を有するそうで、期せずしてこの町の伝統文化の一端に触れられた気分です。
記念に写真を撮らせてというと、おかみさんがちょっと照れながらもこのポーズです。
きっと若いころは美人で、モデルになったりすることもしばしばだつたのだろうとうかがわせるほど、びしっときまっていました。
体重が増えることを恐れず、がんばって運動してここへ来た甲斐があったというものです。
【M8/Coral 4.5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
MS Optical Perar 28mmF4 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/02 Mon

餃子是哪里的

M8/Perar 28mmF4
少し前のニュースだったと思いますが、記憶違いでなければ、日本で餃子の消費額が宇都宮を抜いて浜松がトップに躍り出たとやっていました。
両方の町に行ったことのあるわたしには、かなり意外に思えます。
宇都宮は町をあげて観光の目玉にしているのに対して、浜松は放ったらかしとまでは言わないものの、あくまで地元名産はうなぎであって、餃子には注力しているようには見えませんでした。

宇都宮も浜松も、東京からの日帰り出張圏内ですが、駅周辺に餃子屋さんがいくつかある宇都宮ではランチでも帰りにでも味わってくることができますが、浜松ではなかな難しそうです。
そもそも浜松には餃子屋というのはほとんどなく、中華料理屋などでサイドメニュー的に食べるだけになると思います。
そして昨年出掛けたとき、浜松駅で餃子を食べようと観光案内に行って餃子マップをもらいましたが、駅から徒歩圏に店はありませんでした。
何回か行った浜松で、うなぎは食べましたが、餃子を食べたことがありません。

宇都宮への観光客の90%、浜松への観光客の15%が、わたしの予想する餃子食事率です。
それでも、浜松がトップに立ったということであれば、観光客が浜松の方が6倍多いのかというとやはりそうではなく、人口がずっと多い浜松では市民の食べる量も多いということなのではないかと思われます。
日本一の名物であるならば、もう少し外来者が簡単に食べられるようにならないものかと考える次第です。

その点、中国ではあらゆる土地で食文化が発達していて、外の人間がひょいと訪れても簡単に名物を食べることができます。
もし土地の料理が口に合わないとしても、四川料理のレストランなどはたいがいどんな所にもあって、何かしら満足できるものをリーズナブルに食べるられるのがありがたいです。
もちろん、中国料理が全般にダメという人にはどうにもなりませんが。

どこで食べたらいいかは、旅行者にとって常に最大の悩みですが、いちばんいいのは信頼できる人に聞くことでしょう。
次は、地元の人で賑わっている店に行って、みんなが食べているのと同じものを指さしオーダーすることだとよく言われますが、わたしも海外旅行ではよく使う定番のテクニックです。
ただ、そうやって頼んだものが自分の舌に合わないということはよくあることです。
それはそれでよしとして次の食事ではより確実なものを食べられるよう、考えればいいだけのことです。

作例の店は、まだお昼前で客の入りを見極められない時でしたが、箸がこんな風に置いてあれば、衛生的かどうかは別にして味は大いに期待できるというものです。
今回、唯一ペラールが実力をどうにか発揮してくれた作例で、これならくもりのないヘクトール2.8cmF6.3と同程度の写りと納得できます。
考えてみれば、枚数は違いますが、同じトリプレットですから描写は似ているのかも知れません。

最短80センチに合わせた箸の感じから、線の太い描写のレンズと誤解しそうですが、仔細に見ればかなり繊細に表現する解像力のあるレンズです。
ピントリングが外れているので、これまでのようにピントを固定した腰だめか、今回のような動かぬ被写体を撮るしかないのが歯がゆいです。
帰宅後も、まだピントリングを留めるスクリューが見つかっていません。
【M8/Perar 28mmF4 F4】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
MS Optical Perar 28mmF4 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/01 Sun
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