冬天的太陽

M8/Unilite 50mmF2
冬の陽光は美しいと思います。
低い位置から限界を知らぬようにずっと先までをも照らしています。
順光、逆光、斜光と位置によって同じものからまったく違う表情を作りだしてくれます。

障害物の隙間から抜け出た陽光が一部のものをスポットライトのように輝かせているのを見ることがあります。
ハリウッド映画のトレジャーハントもので、ようやく探しあてた財宝だか考古学的な発見たかが、やたらときらきら光っていることがよくありますが、これなんかは冬の陽のスポットライトをヒントに考えたのではないかなどと想像したくなります。

そして、その陽光は刻々と位置をずらしていきますので、お地蔵さんの顔にあった光はカメラを鞄からもたもた出しているうちに肩に移動してしまったりしています。
こういうことに刹那刹那の時の移ろいを感じて、冬の寂寞とも重なって感傷的な気持ちを高めます。
それは、今回のように午後から動き出して、だんだんと日が陰っていくのを実感している時に特に起こる感情で、時にたいへん切なく時に身が引き締まるのを感じたりもします。
少し長い旅をしていて、いよいよ明日が家に戻る日だというときに起こる感情と似たところが合って、わたしはけっして嫌いではありません。

そういう気持ちを写真で表現するのは難しいと思います。
というよりは、素人では不可能なのでしょうから、わたしのような下手くそは作例の下に長々とした文章をくっつけて表現力不足を補おうとしているのです。
これだけ書いてくれば、今日の作例はそんな感傷的な気分を表現したものですと書いて、そんな気もするなあくらいに感じていただけるでしょうか。


さて、今夜で鎌倉のネタも切れてしまいますので、2011年の最終回ということにさせていただこうと思います。
例によって、明日から旅に出る予定でもあります。
その内容は、年明けの第一週から報告できればと考えています。
旅の感傷もいっしょに。

今年は、日本が世界がたいへんな1年になってしまいましたが、来年はきっと好い年になると確信いたします。
皆さまには、たいへんお世話になりました。
好いお年をお迎えください。
では、では。
【M8/Unilite 50mmF2 F2】
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Wray Unilite 50mmF2 | trackback(0) | comment(6) | 2011/12/28 Wed

怎麼選了那個

M8/Unilite 50mmF2
今回の鎌倉が2011年の最後と分かっていましたので、締めに使うレンズをどうするかは悩むところです。
短時間歩くだけなので、どれか1本だけと決めていましたが、何を使うかはなかなか決まりませんでした。
こういうときは、悩んだあげくに決定できずに、手許にあったレンズをえいやと持って行ったりするのがするのが常だったりします。
ところが、今回は、別所から助け船が出されたのです。

また写楽彩になりますが、ここのBBSで、れんずまにあさんがユニライトの写真を出されたのです。
「昔の一眼レフ大口径なりの過剰補正はれはれかと思っていたら、かなりクリアで解像力が高く、同時代の一眼レフ用としては相当垢抜けた描写」と激賞されています。
そうだ、わたしもこのレンズを持っていますが、もうしばらく使っていませんでしたので、思い出させてくれたれんずまにあさんへ感謝を込めて、2011ラストレンズとすることにしました。

あらためて合焦部の解像度が高くとてもシャープな描写のレンズと再認識できましたが、この個体の問題も露呈してしまいました。
1枚目の裏側、ないしは2枚目の表側にかすかにくもりのようなものが見えます。
これがどうも悪さをするようで、ハイライトが滲んでしまいます。
レンズの収差で滲むケースでは、ピントが合っているところのハイライトは問題なくアウトオブフォーカス部分だけが滲むのが普通です。
今日の作例では前ボケ部分の白い貼り紙はもちろん、ほぼ合焦しているはずの白いふすまも耐えきれずという感じで滲んでしまっているのがレンズのダメージを表していると言えそうです。

れんずまにあさんの写真を見ると前ボケのハイライトが少し滲んでいるように見えますが、ピントの合った部分には問題がなく、状態の良いユニライトの例がよく分かります。
周辺部分の光源はさすがにコマが目立ちますが、F2の開放ではむしろあたりまえくらいに思える量です。
れんずまにあさんは解像力とコントラストを評価されていますし、全体にやわらかで自然な表現に見えるところはわたしの好みです。

なぜそんなに良いのか、れんずまにあさんの分析がさすがです。
このユニライトはレイフレックスという一眼レフ用の標準レンズなのですが、このレイフレックスはかなり特殊u機構のカメラで、ミラーも一般のものとは違うためレンズのバックフォーカスがかなり長く取れるようです。
そのため一眼レフ用レンズとは違う設計ができて、ライカのレンズ並の自由なレンズになっているようなのです。

わたしはキングスレークの本に取りあげられているという事実にばかり目が行き、そのレンズが付いていたカメラとの関係という基本的なところに気付きませんでした。
そればかりか、れんずまにあさんは、ファインダーが左右逆像でかなり使いづらいという評判のレイフレックスを動作がジェントルで使って面白いカメラと気に入られています。
れんずまにあさんは、ハンドルネームからもレンズが主体の方だと分かりますが、それでもレンズはカメラあってこそのものだという大切なことを忘れずにそのレンズのためのカメラをきちんと評価することを怠りません。
レンズ欲しさに壊れたボディとのセットを格安で買って、そのボディはさっさと売ってしまう自身がとても恥ずかしくなります。

さて、そのれんずまにあさんは関西方面の方で、以前、1度だけお会いしたことがあります。
写楽彩に書かれたコメントを読めば分かりますが、知識の深遠さはものすごく、それでいてそれをひけらかすことのない奥ゆかしき紳士で、恐らく誰からも愛され信頼されている方だと思います。
ただ、残念なのは、れんずまにあさんのお仕事が、世界でも劣悪な労働条件で知られることのため、なかなか頻繁には撮影したりお会いする時間がなかなかなさそうなことです。
わたしは密かに、日本のキングスレークと呼ばせてもらっています。
【M8/Unilite 50mmF2 F2】
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Wray Unilite 50mmF2 | trackback(0) | comment(2) | 2011/12/27 Tue

葡萄酒店的問題

M8/Unilite 50mmF2
先日のワインが美味しかったので、また1本飲みたくなりました。
こう書くと大酒呑みのように思われてしまいそうですが、ぜんぜんそんなことはありません。
ボトル半分も飲むと酔っ払ってしまうので、3日間に分けて飲んでいるくらいです。
それでも、ほろ酔い加減になるのは困ったものです。

経験から、多くの赤ワインはデキャンタリングして一定時間空気に触れさせないと味が出てこないのは承知していますが、ここのところはかまわず開けたらすぐ飲んでいます。
そのせいでしょう、3日に分けて飲むと2日目がいちばん美味しくなります。
3日目になると、酸化がかなり進むのか風味がなくなりかけてしまいます。
飲み方はあきらかに邪道ですが、わたくし的ワインの楽しみ方です。

昨日、近所の酒屋さんにワインを買いに行ってみました。
ところが店にはワインがほとんどありません。
全部で10種類ほどで、ドイツの有名なリープブラウミルヒとフランスの2種だけが生産年が入っていますが、他は正体の知れないあまり飲みたくない類の飲み物です。
千円ちょっとのフランスワインのうちのひとつを選ぶしかありませんでしたが、これはメルローとカベルネのブレンドとなっている2010年のたいへん若いワインでした。

この店、以前はワインがそこそこ豊富でひと頃は毎月買いに来ていましたが、3~4年のブランクを経てみるとほぼワインから撤退したような状況です。
そのぶん焼酎と日本酒のコーナーは拡大しているようで、売れるのはこれらとビールなのでしょう。
会計の際、ワインはほとんどなくなっちゃったんですねと聞くと、そう、最近全然売れなくなったのよねとの返事でした。

ワインはアルコール比でコストパフォーマンスが低い上に、種類が多すぎて専門性が高いので酒屋さんでは人気がないのだろうなと思いました。
でも、いまワインがかなりの人気だとも聞きます。
おそらく、ワインの好きな人はこのような何でも屋のような酒屋で味の不明なワインを買う無駄は止めて、検索すればいくらでも出て来る専門店のネットショップで購入しているのではないかと気付きました。
こういった専門店ではワイン通の店員が丁寧な説明をして、厳選仕入れの良質ワインを売っているというケースが多く、酒屋より割高でも好みのワインを手に入れる確率が高まります。
そういう流れがあるのだとすれば、リーズナブルで美味しいワインを思いたって買うということができにくい世の中になっているのかも知れません。

ひいては、レンズの世界でも同様のことが言えるのかもと思います。
以前は町中のカメラ店で店主の勧めでレンズを選んでいたものが、ネット上にはいろいろなレンズの情報があふれ、自分好みのものを検索して注文できるようになってしまいました。

中古店に足繁く通って見つけ出したレンズも、今や居ながらにしてオーダーから決済、到着までスムーズに行われてしまいます。
自身がそういう買い方をずっとしてきたので否定はできませんが、今のこういうあり方がいいのかと問われれば、考え込まずにはいられません。
買い方としては、お店でコミュニケーションをとりながら、悩みつつ買う方が楽しいに決まっています。

そんなことを考えつつ、2日目のワインを味わっています。
予想通り若過ぎの酸味が強いワインに感じo;qkが、今日はマイルドになってもうちょっと重みが出るとけっこう好みのワインだと思えるくらいの変化をするのに驚きました。
2~3年待てば、またかなり期待できるはずです。
明日、また店に行って貯蔵用に3本くらい買って来たいと思います。
【M8/Unilite 50mmF2 F2】
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Wray Unilite 50mmF2 | trackback(0) | comment(0) | 2011/12/26 Mon

三個鏡頭是明年用的

M8/Unilite 50mmF2
不況下でもわずかとは言えボーナスは出ました。
レンズはもう買えなくなったとぼやき続けた1年でしたが、最後くらいはと、3本のレンズをオーダーしました。
相場はぐんと跳ね上がってしまっても円高のメリットは大きく、不人気で価格が据え置かれているもの、何かの間違いで格安だったものなどを少し無理しての3本です。
先の散策で同好のknpmさんが、次に会う時新たなレンズを持ち寄るのを楽しみにしているというような言葉があったのも、わたしの背中を押してくれました。

1本は、先日も書いたレンズで、MSオプティカルへ直行してライカマウントになって手許にやって来ました。
このレンズは、次の機会にメインで使いたいと思っているので、来年早々にお知らせするつもりです。
2本目は、まだ飛行機に乗ったところか税関でチェックされるかというところです。
これも珍しくもなんともないよくあるレンズですが、やはり来年の早々には紹介できるでしょう。

最後の1本は、2番目に先んじて今日到着しました。
コンタックス・マウントのブラナー35mmF3.5です。
コンタックス用のレンズはどうも価格が上がっていないようで、だいぶ以前と同程度の価格が付けられてあるカメラ専門店の"New Arrival"に登場していました。
円高の恩恵でその時点で日本円換算でなかなか魅力的な価格でしたが、さらにキャップと35mm用ファインダーがセットになっていたので、即買いに踏み切りました。

コンタックスに挑戦しようとしているのかと言えば、残念ながらそうではありません。
例によってアダプターでライカに付けて撮影するつもりです。
だいぶ以前にコンタックス用レンズをライカで距離計連動するアダプターを入手しており、さらに非連動のものも手に入れて盤石の態勢でした。

さらにT-REXさんとジオグラフィックのサイト写楽彩に、"R-D1で遊ぼう"というページがあって、コンタックス用レンズのアダプターによるR-D1とM型ライカへの装着可否が述べられているのです。
その中にあるヘラー35mmF3.5は入手困難レンズですし、ビオター40mmF2もなかなか厳しいですが、距離計連動するビオメター35mmF2.8と非連動ながら装着可能なブラナー35mmF3.5はずっと安い出モノがあるのを待っていたのでした。

到着したレンズは、フィルターリムの絞りリングにもなっているブラックペイント部分が剥がれているのを除けば状態は好く、レンズもキズやくもりとは無縁のようです。
さっそく試写したいところですが、すでに今年の撮影は終了してしまっているので、これまた来年早々に使うリスト入りしました。
これら3本は一般的なレンズばかりですが、とにかく、来年への楽しみを12月中につくっておけたのでホッとできました。
作例のように、どうにか最後に意中のレンズを射止めることができたというところです。
【M8/Unilite 50mmF2 F2】
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Wray Unilite 50mmF2 | trackback(0) | comment(6) | 2011/12/25 Sun

聖誕節的杯子

M8/Unilite 50mmF2
カレンダーを見れば今日は12月24日、世間ではクリスマスイヴ、わたしとしては2011年残り1週間のカウントダウンが始まる日というところです。
今年はなんと短かかったのだろうと驚かずにはいられません。
3月の震災があまりに強烈に記憶されてしまったため、いつまでもつい先日の出来事のように感じているうちに刻々と時が経過したということなのでしょうね。

最後の週は1年を振り返って、のような企画をやりたかったのですが、そんな余裕はなさそうです。
では、何をすればよいでしょうか。
考えてもアイディアは浮かんでこないので、困った時の鎌倉頼み、と円覚寺に向かいました。
家を出たのが2時過ぎで、到着は3時ちょっと前。
鎌倉を散策するのは時間的にはほぼ無理で、円覚寺のみに集中してスナップするよりほかなさそうです。

それでも円覚寺がありがたいのは、北鎌倉駅から徒歩1分の距離にあることです。
いや、0分というべきでしょうか、不動産物件の話ではないのでどちらでもいいことですが、駅のまん前だということには変わりありません。
横須賀線の先頭車両に乗ってひとつだけの改札のところでPASMOをタッチすると、もうそこが円覚寺です。

石段を上がると総門がありますが、門はほぼ真西を向いているようです。
上がりきったところで振り返ると、逆光を通して紅葉がきらきらと輝くのを楽しむことができます。
できるはずでしたが、今年の紅葉は残念ながら悲惨な状態でした。
12月末にはよく来ていますが、これほどきれいでないのは初めてです。
そんなにきれいでなくても逆光で見れば美しいものですが、通りかかった女性の白髪の方がよほど美しく感じられるくらいでした。

さて、冒頭書いたように今日はクリスマスイヴですが、特になにがある訳でもなくひとり静かな夜を過ごしています。
いつもと変わるところはなかったのですが、急遽思いたってワインでも飲むことにしました。
最近、全然ワインは飲んでいませんが、実は買いためたものが20本近くあります。
どれにするか悩むのもワインの楽しみですが、5月にオーストラリアで買い求めたワインであっさり決まってしまいました。
オーストラリアのワインは、よほど高級なものを除くと、コルクではなくキャップが使われていてあまり保存に向かないような気がするからです。

キャップとは言ってもけっして安物ではなく、現地の名の知れた住宅街にあった専門店をわざわざたずねて、たどたどしい英語で好いワインを確認しつつけっこう頑張って買ったものです。
シドニー近辺では多いシラーズ種の2006年物で、飲み慣れたカベルネやメルローとは違いやや尖がった印象はありましたが、さすがにレクチャーを受けながら絞り込んで選んだ1本です。
美味しくいただいています。

ワインをおいしく飲むためのもっとも基本的なこととして、好いグラスを使うことを先日、kinoplasmatさんから教わっていました。
高かったとしてもワインの味が変わるのだからグラスを惜しんではいけないと聞いていたのにまだ購入していませんでした。
そこでそれに近いものということで、ドイツから持ち帰ったグラスで飲んだのです。

もう何年も前のことですが、ヨーロッパを旅したときラインガウの有名なシュロス・ヨハニスベルクを訪ねたことがあります。
運のいいことに、ちょうど収穫が終わってワインを仕込んだ後の時期で、若いワインの試飲会がおこなわれていました。
5ユーロくらいだったと記憶していますが、支払うとグラスを渡されて何種もあるワインを自由に飲むことができます。
気に入ればボトルで購入可能で、頼めば海外発送も受けてくれたので何種かのワインを組み合わせて1ケース分購入しました。

1ヶ月もして届いたワインの多くは友人たちにお土産として差上げてしまいました。
クーベーアー、カビネット、アウスレーぜ、トロッケン・アウスレーゼといろいろ買ったのを覚えていますが、アウスレーぜなどよりもカビネットが好評だったのが意外でした。
もうワインは残っていませんが、試飲に使ったグラスは持ち帰れたので、タオルでくるんで日本まで持って帰りました。
自社ワインの試飲用なので、小振りですがワインの良さを発揮できるようなデザインになっているのだと思います。
kinoplasmatさんの推薦の形とはちょっと違っていますが、代用としては悪くありません。

そして、その時交際していた女性と勝負をかけたような旅だったのですが、それは裏目に出て現地で破局を迎えるという悲劇を体験したのです。
わたしにとっては、持つと旅の思い出と女性の面影がその輝きから見えて来るグラスなのです。
何年も戸棚に入ったままでしたが、痛い過去を振り払う必要もなく、ワインを美味しくする影の主役としてわたしの掌に収まってくれました。
【M8/Unilite 50mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wray Unilite 50mmF2 | trackback(0) | comment(0) | 2011/12/24 Sat

収差的疑問

M8/Verito 2inchF3.5
昨夜、Summimomuさんと別れて帰宅してから、PCに向かっていて、おやっと思うことがありました。
Sha-sindbadさんのブログ、レンズ千夜一夜を読むと、25mmのキノ・ブラズマートを使われていて、有名なグルグルボケが出ないことに疑問を呈していらっしゃいました。
  グルグルボケがどんなときに出て、どんなときに出ないか? これが分かりません。
と。

ちょうどその夜、Summimomuさんと話をしていたとき、彼はDallmeyer Kinematogaphというレンズを愛用していて、このレンズがぐるぐるボケがすごく出ることからその話題になりました。
彼は、昨日話したようにモデルを用いたピクトリアリスムの撮影をしていますが、その撮影に使うのはモーターワインダー付きのライカM6だそうです。
モデル撮影だと1枚1枚ゆっくりと撮り進めそうに思いますが、Summimomuさんは移り変わる表情の変化などを写し込むためにワインダーで連写するのだそうです。
そうやって撮った例えば20枚のうち2~3枚に他とは違うぐるぐるが出現したりするということでした。
つまり彼にもどんな時ぐるぐるが出て、どんな時に出ないのかは分からないということです。

ぐるぐるボケとは非点収差のひとつの現れ方で、画面周辺のボケがこの収差のために同心円状になるレンズと放射状になるレンズがあって、特に前者のボケ方はぐるぐるボケと呼ばれるようになります。
非点収差を簡単に説明すれば、点像は焦点面でも点にならなければいけないのに、レンズが球面であることから周辺部を通る光が、縦位置と横位置でズレをおこしてしまい点ではなく縦長か横長になってしまう収差です。
レンズ構成図は横から見たものが使われるためその感覚で考えると分からなくなりますが、上から見た場合の図を設定すれば端を通る光がそれぞれにずれるという感覚が分かるのではないかと思います。

レンズ史的に見ると、ツァイスが対称型のアナスティグマットという名のレンズを世に出したのが1890年で、以降のレンズではこれが基準となりますが、このアナスティグマットこそ非点収差のないレンズという意味ですから、ぐるぐるボケが出るレンズとはそれ以前の古い設計か基本的にフォーマットの問題ということになります。
しかし、ぐるぐるの代表レンズであるキノ・プラズマットでは非点収差が残ってもいいので、深い深度とそれにともなう立体感を優先したいという設計思想があってのことではないかと想像してしまいます。
そうでなければ、最初にアナスティグマットという名のレンズを設計したのとそれから30年以上も後にアナスティグマットでないレンズを設計した理由が分かりません。

さて、非点収差は、そのレンズが持つ固有の収差ですので、絞ることで改善しますが、開放で同距離のままでは常に画面上で同じ収差が出ています。
ただ、背景がのっぺりした壁ならそれとは収差には気付かないし、細かいものであれば収差が顕著に見て取れます。
そういうものと理解していたのですが、絞りと距離を変えずに連写してうち1割だけに特殊なぐるぐるボケが出るのだとすれば訳が分からなくなります。

唯一説明できるとすれば、完全に固定で撮影していたつもりが、ごくわずかに角度がズレたためにそうなったというしかありません。
機会があればその連続ネガをぜひ拝見したいものです。
収差の問題はわたしのような素人の手に負えるものではなく、冒頭のSha-sindbadさんの疑問はわたしの疑問ともなっています。
ベリートのは色収差と球面収差を組み合わせることで独特のソフト効果を出していると言われますが、やはりどこからどこまでが色収差によるものなのかが分からずに悶々としてしまうのです。
【M8/Verito 2inchF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wollensak Verito 2inchF3.5 | trackback(0) | comment(7) | 2011/12/23 Fri

聖誕節礼物

M8/Verito 2inchF3.5
今夜、友人Summimomuさんと会って、ふたりだけのささやかな忘年会をして来ました。
Summimomuさんは、本当はSumimomuさんが正しいのですが、彼が愛用するSummiluxにちなんでわたしは勝手に最初のmをふたつ重ねています。
忘年会と言っても、Summimomuさんは基本的にアルコールを摂らないですし、わたしも帰りは車なのでお互い酒は抜きにして、レンズや写真を酒精代わりに話をすることで今年を締めくくることにしました。

一時撮影のペースが落ち込んでいたSummimomuさんですが、最近はかなり積極的にライフワークの撮影とプリントが充実してきているようです。
今回、入魂のプリントが上がったので早速見せていただいただけでなく、わたしに差し上げたいと持って来てくれたのでした。
嬉しいクリスマス・プレゼントになりました。

ポートフォリオに綴られた何枚かのプリントの中から、厚かましくも2枚頂戴しました。
いずれも、モデルがいて、その表情や仕草、背景、レンズの特徴が絶妙にバランスしています。
1枚1枚が力強く主張して、人生の重大な一場面を切り取ったかのように、あるいは彼がもうひとつのライフワークにしている映画のひとつのコマのようにも感じられました。
深圳で作った写真額があるので、マットを切ってもらって家に飾ろうと思っています。

彼は、自らを古典的ビクトリアリスムの流れの中にある写真を撮っていると称していました。
わたしにはそれが、具体的にはどういうことを意味するのか、否、そもそもピクトリアリスムという言葉事体の意味すらよく分かっりません。
ウィキペディアによれば、「空気遠近法を意識し、実際に肉眼に見えるように、近景にコントラストのはっきりしたものを置き、遠景を曖昧にする。地平線の位置などを厳密に合わせたうえで、表現のために風景写真に雲などを合成する。過剰な細部を省略して、表現したいモティーフや感情を表そうとする」とあります。
合成するという部分は関係なさそうですが、なるほど、彼の作品はずばりこれに当てはまっているのは間違いなさそうです。

しかし、よく考えてみれば、前段の「空気遠近法を意識し、実際に肉眼に見えるように、近景にコントラストのはっきりしたものを置き、遠景を曖昧にする」というところは、オールドレンズを愛好する仲間たちがよく利用する撮影手法そのものです。
数メートル先の彼写体を50mm前後のレンズで開放で撮れば、すぐにもそれに近いものになりますし、前ボケに必要なものを配したり、彼写体を光の明暗でコントラストのコントロールをしたり、背景のボケが面白くなるような状況設定したりとそれぞれに工夫をして、偶然も重なって効果的な写真を撮ることがよくあります。

まったく気付いていなかったのですが、これらは19世紀末に起こったピクトリアリスムの影響下にあったということだったのですね。
ピクトリアリスムは、のちにストレートフォトを提唱するグループから糾弾されたりもしたようですが、レンズを絞ってしっかり写す人たちがオールドレンズを開放で撮るのを批判するのによく似ているような気がします。
ピクトリアリスムの時代からちょうど1世紀経って、同じ現象が再現されたかのようです。
そんなことを気付かせてくれたのは、まぎれもなくSummimomuさんからのもうひとつのクリスマス・プレゼントでした。
【M8/Verito 2inchF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wollensak Verito 2inchF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/12/22 Thu

1月会上市

M8/Verito 2inchF3.5
ここのところずっと気にしていることがあります。
MSオプティカルの宮崎さんと、しばらく連絡をとっていないことに気付いたのです。
スーパーシックスを改造いただいたのが今年の4月で、恐らくそれ以来、改造依頼も電話もしていないようでした。

もういい加減レンズを所有し過ぎで、マウント改造依頼するものもなくなったのだろうと言われれば、確かにそういう面もあります。
それよりも、何度も書いているように、レンズ全体の価格相場がどーんと上がってしまって改造依頼のネタが入手できないというのが本当のところです。
ここ1ヶ月くらいは、血眼になってなにか宮崎さんにお渡しできるレンズはないかと探し続けていました。
そして、ついに1本これぞというヤツを手に入れることに成功します。
ごく普通のレンズですが、相場の半額以下だったので飛び付き、早速、宮崎さんへ送付しました。

宮崎さんへは電話でその旨伝えましたが、さすがにこうもご無沙汰すると、話したいことは山ほどあったようで、いろいろなことを教えていただきました。
話はとても興味深く、ふくらませれば1週間ブログを続けるだけのネタを提供いただいたことになります。
しかし、企業秘密の話もあったようですし、そうでなくても安易に公開するのは好ましいこととは言えません。
そこで、宮崎さんの設計した新作レンズを紹介することにしましょう。

宮崎さんのレンズは、
①MS-MODE-S 50mmF1.3
②APO QUALIA 50mmF3.5
③PERAR 35mmF3.5
の3本のライカマウントレンズがあります。

新作は、28mmF4になるそうです。
すでに設計は終わって、レンズガラスもオーダーされているそうです。
順調なら1月下旬から出荷できるでしょうということでしたので、その場で注文してしまいました。
恐らく約200本の限定になるようです。

どうせすぐには売れないのだろうから評判を聞いてから買うかというのも好いと思いますが、少々注意する必要がありそうです。
いま、宮崎さんのレンズは日本国内よりも欧米や中国などからの引き合いがずっと多いのだそうです。
前述のPerar 35mmF3.5はコンパクトでユニークなボディとトリプレットのシンプル構成ながら解像力・コントラストともたいへん高く、3枚構成らしい色抜けの良さも合わせ持つ点が人気を呼んだといいます。
当初の製造数を売り切り、その後トータルで約500本が製造されましたが、うち8割は海外に出荷されていったということです。
28mmではそれ以上の反響が予想されますので、製造数のほとんどが国内に出回らない可能性があるのです。

その海外Perarユーザーから、50mmF1.3が欲しいという声があちこちであがっているそうです。
すでに売り切れてしまった50mmF1.3は再発する気はなく、同じゾナータイプでF1.1まで明るく設計できたそうで、来年中には宮崎さんの超高速レンズを目にすることができそうです。

また、これはライカマウントではなく、ペンタックスq用になりますが、25mmF1.1レンズも1月にリリース予定でした。
これは、35mm換算で、132mmになってそれでF1.1という高速ポートレイトレンズとして楽しめるレンズだとの話でした。
あるいは、このレンズを試したくて、ペンタックスqを購入するなどという現象が起きるのかも知れません。

いつの間にか、マイノリティ世界とはいえ、MIYAZAKIブランドはワールドワイドに広がっていたようです。
日本の町工場クラスのモノ作り技術が世界で評価されているのと同じ状況にあるのかも知れません。
あるいは冒頭に書いたようにレンズ価格が上昇してしまったために、リーズナブルでアイディアの詰まった高性能レンズがブレークしたということかなと想像しています。
【M8/Verito 2inchF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wollensak Verito 2inchF3.5 | trackback(0) | comment(2) | 2011/12/21 Wed

這五天

M8/Verito 2inchF3.5
ここ数日、FCバルセロナが来日し、さらには世界一のクラブの栄冠に輝いたことで、すっかり舞い上がってしまいました。
日々の作例や散策の紹介を忘れたというか、書いている余裕を失っていました。
個人的な記録のブログですので、12月15日(木)の分から簡単に書いておこうと思います。

15日(木)。
その前の土曜に横浜へ行った時に何枚か撮影しましたが、日刊のブログを埋めるだけの数が撮れませんでした。
そこで、翌朝できるだけすぐ戻ってこれるようにと、江の島に出掛けました。
天気上々で朝からけっこうな人手で、のんびり写真を撮っている空気ではありません。
江島神社で結婚式のきれいな晴れ姿を撮りましたが、そのあたりは不採用にして、ずっと先の古い建物がそのままみやげ物屋で残っている懐しい感じを撮って折り返します。
ヘクトール5cmF2.5はコントラストが低い描写ですが、明暗くっきりの場ではきつくなり過ぎずわたしの好きな表現をしてくれます。
ただし、暗部の表現はいまいちかも知れません。

16日(金)。
江の島には、観光客が通らないわたしの大好きな古びた路地があります。
作例に「頂上方面はこちらから→」の看板がありますが、この道もなかなかよくて、この日は島の上の方から下ってここまで下りて来ました。
するといきなり、観光客の喧騒とは無縁の通りでは、地元のおばちゃんたちの高らかな笑いが響いていて、いい気分にさせてくれます。
姿勢から会話の内容が伝わるようです。
ただ、ヘクトールにはかなり厳しい条件で、色がまったく冴えなくなってしまいました。

17日(土)。
路地を西進していくと釣り具屋さんに雑貨屋さん、魚屋さんなんかが並んでいます。
ただ、観光とは縁のないところですから、扉が開けっぱなしだったりと、やはりずいぶんのんびりしたものです。
シャドウに露出を合わせると路面が白く飛んでしまいました。
とは言え、モノクロのような表現はけっこう気に入っています。

18日(日)。
江の島最後の1枚ですが、お気に入りの路地が江島神社の参道と混わる直前に、こんな素敵なところがあります。
そうとう古い蔵だと思いますが、金属の板で覆われていて、光線状態がベストだったためなんとも艶っぽく輝いています。
ヘクトールは、手前右側と左の電線あたりの光をうまくとらえていて、好い表現をするレンズだと再認識できま
した。
2,8センチのくもりが取れれば、ぜひ、2.8cmF6.3、7.3cmF1.9とこのレンズのヘクトール3兄弟を持ってぜひ散策してみたいと思います。

19日(月)。
初めて使ったテリート20cmF4.5ですが、ビゾフレックスではなく、TXBOOという専用ヘリコイドによる撮影です。
もちろん距離計に連動しませんが、ここでは無限遠しか使いませんのでヘリコイドでなくて好かったくらいです。
距離計連動するコムラー200mmF4.5という同スペックのレンズも持っていますが、テリートの方がより繊細で解像力も高いようです。
ただ、ここでは手ブレのため、ISO160がダメでISO1250にしていますので粒子が荒れているので単純に比較できませんが。
強い照明の影響がなく、発色もすばらしい評判とおりのライツの望遠の白眉です。
【M8/Verito 2inchF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wollensak Verito 2inchF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/12/20 Tue

梅西! 梅西!

M8/Telyt 20cmF4.5
今日の正午ごろ、金日成死去のニュースが流れました。
何ヶ月か前に中国の江沢民氏が亡くなったと香港メディアが伝えて実は生きていたということもありましたので、当初は半信半疑でした。
その後、北朝鮮国内でも死んだと報道されていますので、どうやら事実と言ってよいようです。

しかし、そのニュースを読んだのが、2ヶ月間行方不明だったあの女性アナウンサーだというのですから、話はそれだけでは終わらない気もします。
2ヶ月前にはもう死んでいて発表のタイミングを待っていたのではとか、アナウンサーが絡んだ暗殺説とかいろいろと憶測が浮かびますが死人に口無しということにします。 

後継者は、もう三男正恩氏ということで進んでいるようですが、三代にわたって血族で一国家を牛耳ることになります。
二代目が傾けましたので、ことわざ通りなら三代目でつぶれてしまうことになるのでしょうか。
とにかく拉致問題がただちに解決することだけは祈りたいと思います。

北朝鮮と並べて言及するのはあまりに申し訳ないですが、身内で固めることで逆に強固なプレイスタイルを生み、ついに世界一の座に就いたのがFCバルセロナだと言えます。
メッシ、メッシとばかり騒がれますが、確かに彼のプレイは絶対なものの、メッシを活かせる周りの選手と戦術がなければあれほどの活躍ができないのはアルゼンチン代表を見ればよく分かります。

クラブワールドカップの決勝では、3パックの左をつとめたアビダルと右のウィングの位置にいたアウベスを除く9人がバルサの下部組織出身で、バルサに一貫するパスワークを中心とするサッカースタイルが浸透し切っています。
球の出し方、受け方、タイミングなどは全員の血となり肉となっていますので、それを理解できない相手選手の予想を裏切るところから突破することが可能になります。
そうやって得点機をつくり、あとはメッシを初めとした選手たちのテクニックが大量得点に導いていくのです。

バルセロナの特長をこのようにあげていけば、キリがなくなります。
世界王者になったいま、彼らには多言無用です。
彼らはいつもと変わらぬサッカーをして、世界一になった。
ただそれだけです。
しばらくその余韻に浸っていたいと思います。
少なくとも年内は。
【M8/Telyt 20cmF4.5 F4.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Telyt 20cmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/12/19 Mon

祝巴塞冠軍

M8/Hektor 5cmF2.5
木曜の準決勝に続いて、今夜、決勝戦を観戦して今もどってきました。
わたしにとっては5年前の辛い敗戦のリベンジを果たすことができ、ようやく重い荷物を降ろした気持ちになれました。
いえ、内容を考えれば、準決勝とは別チームに変わったかのようにいつものバルサらしいサッカーをして、まったく相手を寄せ付けない圧倒的な勝利を収められましたので、リベンジ云々はもうどうでもいいことになりました。

力の差からいえば、FCバルセロナの勝利は揺るぎのないものです。
ところが、決戦を前にして不吉の前兆やどうもマイナスに感じられることが相次いだ気がします。
その最たるものが、スペイン代表のエースでもある、ビリャの準決勝の負傷退場で、しかもそれが骨折だったということです。

リーグ戦の方では、エル・クラシコの大一番を前に下位のヘタフェから今期初黒星を喫してしまいました。
クラシコには圧勝しましたが、いつものレアル・マドリード戦に比べるとキレがいまひとつです。
ずっと安定していたバルデスに何年ぶりかの致命的ミスが出たのも不吉です。
板についてきたといわれる3-4-3の布陣も右のトップに、ペドロやメッシではなく本来ディフェンダーのダニ・アウベスやアドリアーノを置くのも腑に落ちません。

そんな中で、クラブワールドカップの準決勝では5パックのがちがちの守りもあって、すかっとしたゲーム運びができないミスに助けられる勝利だったのがたいへん気になります。
コンディションが落ちている危惧がありました。
もうひと心配なのは、5年前に敗北を喫したときと同じ仲間と観戦することで、彼が疫病神でないことを祈るばかりです。

しかし、結果はもうご存知のとおり。
サントスは南米のチャンピオンですが、スペインリーグのチームに例えるなら中位のマラガ相当のチームと言えるでしょう。
スター選手もいることはいますが、ヨーロッパリーグ出場を、あわよくばチャンピオンズリーグ出場が最大の目標と言うレベルです。
さらには、ディフェンスを選手の個人技に頼る中途半端な守備に終わったのは疑問が残ります。
ブラジルのプライドがそうさせてしまったのか、バルサを研究せずに臨んだのかは分かりませんが、これではどうにもなりません。

ペドロやイニエスタではなく、チアゴを左のトップに、やはりアウベスを右のトップに、少し引き気味のメッシを中央にと言う、ゼロトップにも見える陣形ながらその分ボールがよく回りました。
最後は、若いフォンタスを3パックの真ん中に置く余裕の試合采配で楽しませてもらいました。
ネイマールが、バルサのすばらしさを肌で感じて入団を希望するか、こんな中でプレーできるのかと不安を覚えて別のクラブに移籍するのかが唯一の気かがりです。

今日は特別の日になりました。
来年も日本開催なので、また観ることか出来るかなと早くも先が気になって仕方ありません。
それにしても、レアル・マドリード、アル・サッド、サントスと真っ白いユニフォームのチームに圧勝を続けました。
この3連戦だけを観た人は、白いユニフォームは弱者の証しとなってしまつたのてせはないでしょうか。
【M8/Hektor 5cmF2.5 F2.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 5cmF2.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/12/18 Sun

旧的還是新的

M8/Hektor 5cmF2.5
ブラック&ニッケルのたいへん美しいライカⅡDには、ニッケルの光沢が眩しいレンズが付いていました。
「Leitz Elmar 1:3,5 F=50mm」と刻印があります。
約31万本製造されたというLマウント・エルマーのうちの1本です。
しかし、ただのエルマーではないようです。

なぜなら、ボディが4千番台のライカと同時にセットされていたエルマーは、いわゆる旧エルマーだからです。
旧エルマーについては、前にも書いたことがありますが、稀少なレンズで入手困難になっています。
製造数は1万本は超えていると言われますが、正確なところは分かりません。
正確な記録がないからです。

すべては、ライカⅠA型とⅠB型の固着レンズとして出荷されています。
レンズ交換可能な旧エルマーは当初はなかったわけです。
ところが、ⅡDの発売を機に、ライツではⅠ型をⅡ型に改造するサービスを始めたため、何本かのレンズ交換可能な旧エルマーが誕生しました。
その数も不明ですが、少なくとも1万本から現存するⅠ型を引いた数のレンズ交換旧エルマーはあるはずです。

数の調査はほとんど不可能と思われます。
というのは、旧エルマーとその後の新エルマーを見極めるのは難かしく、旧エルマーを所有しながらそれと気付かなかったり、新エルマーを旧だと誤解しているというパターンがあるからです。
特に後者はかなり多いようで、たとえば知ってか知らずか旧エルマーと偽ってそうでないものをオークションに出す
しているものが見られたりします。

しかし、Ⅰ型に固着されているエルマーはすり替えられたりしていなければ旧エルマーのはずです。
これを研究することで、新旧エルマーの違いを判別する方法が一部のファンに知られるようになりました。
友人にこの見分けができる人がいて、彼に旧エルマーを譲ってもらっています。
そこで、その旧エルマーとさらにはニッケル初期の新エルマーと比較することで、手元に届いたエルマーが旧エルマーであることを検証することにしました。

分からない、旧エルマーとは断定できない、が結論です。
ただ、旧エルマーである可能性を高める特徴が見られましたので列挙しておきます。

1.刻印された文字がまったく同じ
2.ストッパーの裏にある鏡胴ナンバーが「1」で同じ
3.鏡筒の高さが同じ
4.フィルターねじの細かいピッチが同じ
5.前玉を止めているリングの細さが同し
番外.撮り比べても両者の写りが同じ(に見える)

これだけ要件が揃えば、旧エルマーと言い切りたいところですが、わたしが聞いたもっとも大切な判別法は前玉の前面の曲率でした。
旧エルマーの方がわずかに曲率が大きく、これが一致すればほぼ旧だと断定できます。
ところが、これが旧、新と見比べてもどうしても違いが分かりません。
旧と同じように見えますが、微妙に違っても見えます。
違っていると言ってもどちらの曲率が大きいのかすら分からないのです。
こうなっては、これは旧エルマーだと断定することははばかられます。
くだんの旧エルマー通に鑑定してもらう他ありません。

実は、もうひとつ分からなかったとがあります。
もしかしたら何かの間違いで、エルマーではなくエルマックスが付いているかも知れないということです。
エルマックスは、後群が2枚ではなく3枚貼り合わせなので、蛍光灯の反射を見ればたちどころに分かるはずでした。
ちょっとだけ期待感を持って、絞りをF18に絞ってリアの蛍光灯下にレンズを見ます。

反射を見ると4つ蛍光灯が写っていますので反射面が4個所、つまり2群だということが分かります。
あとは貼り合わせの薄い反射面が1つなのか2つなのかを見極めればいいだけなのですが、それがどうやっても見当たらないのです。
そのためついんエルマックスかどうかを判定できませんでした。
そればかりか、これでは旧エルマーでもなく、トリプレット構成だということになってしまいのです。
【M8/Hektor 5cmF2.5 F2.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 5cmF2.5 | trackback(0) | comment(2) | 2011/12/17 Sat

維也納開出的

M8/Hektor 5cmF2.5
ウィーンから小包が届きました。
送り主がウェストリヒトオークションになっています。
あれっ、なんだったっけと一瞬とまどいつつも、包みを解くとライカのケースが現れたので、ああっと思い出しました。
落札したライカⅡDです。

シリアル番号は4千番台で、ライカ製造番号表を見ますと、4番目のハッチで1926/27年の製造と言うことになります。
1923年製造開始していますから、すでに4年が経過していますが、パルナック型ライカの製造はこのあと36年も続いていますので、やはりかなり初期のライカだと言えます。

本来はⅠA型ですが、ライカのバージョンアップサービスによってⅡD型にコンバートされています。
距離計が付加されて、レンズ交換可能な上に距離計連動になつていますのでたいへんありがたいことですが、今となってはそれがアダとなっています。
特に初期のライカではオリジナルが尊ばれるため、コンバートされたライカは極端に値段が安くなります。
そのおかげで、今回、購入することができたということなのですが。

コンディションは完璧とはとても言えませんが、想像よりはずっといいもので好い意味での驚きでした。
まずファインダーですが、たいへんクリアーですし、距離計の二重像もはっきり見えます。
戦前のカメラのファインダーとは思えない、ファインダーを覗くのが楽しくなるようなカメラです。
シャッターも精度までは分かりませんが、全速度で良い音を出して健康状態の良さをアピールしています。
メカニカルな部分では、これ以上ないと言っていい状態に見えました。

それ以上に気に入ったのがブラックペイントの状態です。
ぬめっと分厚く温かみがあります。
先に完璧と言えないと書いたのは、ほとんどのふち部分のペイントが線状に剥がれているからなのですが、ここでは金色の真鍮がカメラの縁取りのようになっていて、まるでもともと縁取り付きで塗装されているかのように思えます。
ブラックペイントライカの魔力と言うようなことは、以前より言われ続けていますが、なるほどⅡDにはその力が備わっていると言えるでしょう。

ⅠA型で4桁の製造番号を持ちこれくらいのコンディションだと、使ってはいけない鑑賞用カメラになってしまうのかも知れません。
しかし、ⅡDにコンバートされたこのカメラは値打ちを失ってますから、やはり使ってあげないといけません。
よく言われるように、レンズを沈胴させれば楽にジャケットの内ポケットに入るサイズですから、スペインで余らせたトライXを詰めて何気なく撮影したりしてみたいです。
【M8/Hektor 5cmF2.5 F2.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 5cmF2.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/12/16 Fri

半決賽

M8/Hektor 5cmF2.5
いまほど、少々の興奮をともなって帰宅しました。
行き先は、横浜国際総合競技場。
クラブワールドカップの準決勝にいよいよFCバルセロナが登場です。
彼らを観るのは実に5年振りのことで、あれからもうそんなにも月日が流れたのかと驚きを禁じ得ません。

2006年、実に15年振りにヨーロッパチャンピオンになって来日したFCバルセロナは、等時絶頂期にあった
ロナウジーニョを中心によくまとまっていて下馬評も高いチームでした。
いまだ手にしていないクラブ世界一の座は確実視さえされていたと思います。
ところが、堅い試合い運びに偏っていつもの積極性が出ないうちに、伏兵インテルナシオナルにカウンター1発を喰らってまさかの敗北を喫してしまいます。

そのとき話題になったのは、選手たちではなく、負けた瞬間に涙を流しながらひとり呆然と立ち尽くす子どもで、バルセロナのスポーツ紙の一面を飾りました。
あまりに印象的なその泣き顔の子どもはバルセロナ中の有名人となり、クラブの計らいでバルセロナに招待までされました。
愛するチームが負けて頭を抱えて嘆く姿はよく見ますが、悲嘆にくれた表情で涙まで流すなんてことはヨーロッパではまずないでしょうから、日本人はここまで我々を愛してくれているのかと感動を呼んだのでしょう。

このたびの来日で、FCバルセロナは日本の震災復興基金を立ち上げたりいくつかの支援をおこないましたが、その端緒が泣き顔の子どもだったのではないかと思います。
9月にわたしがスペインを訪れた折、友人のダヴィドにその子どもの話をすると、よく覚えているテレビにも出ていたよと笑っていましたので、バルセロナ市民には彼が日本の象徴だったと言っていいと思います。
わたしも、当時の監督ライカールトにひっかけて自文のハンドルネームを"LeicaArt"と名乗っていたことがあります。
ライカファンでバルセロナファン、ヨーロッパサッカーファンの人はほとんどいなかったようで、名前の意味に気付いてくれる人は皆無でしたが。

その雪辱はきっと晴らしてくれることを信じましたが、意外なほどその機会は早くやってきました。
2年前のクラブワールドカップに出場した彼らは、実にあっけなく、そのタイトルを手にしてしまいます。
素晴らしいことですが、残念ながらその地は日本でなく、遠くUAEで開催されたのです。
前身のトヨタカップの時代からずっと日本で開催されていたクラブワールドカップは、開催地立候補制に変わってしまい、彼らの初の栄光の姿を眼前で祝福するチャンスを逸してしまいました。

優勝の場なんて関係ないと思うでしょう。
ところが、関係者は涙の子どもの件もあって、世界一になる瞬間を日本人の前で見せたいと心から願っているというコメントがいくつも出ているのです。
今日の試合内容について云々するのは意味を為しません。
すべての答えは今度の土曜日に出ます。
わたしにとって5年前の絶望から立ち直る最初で恐らくは最後の機会がもう間もなくやってきます。
【M8/Hektor 5cmF2.5 F2.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 5cmF2.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/12/15 Thu

負一楼的相片

M8/Polar 100mmF4
横浜駅まで徒歩10分少々ですが、ゆっくりとかつての面影を追い求めるように1時間かけて歩きました。
このルートはわたしがよく来ていた頃からすでに古いものはほとんどなかった訳ですから、求めていたようなものはほとんど見つかりません。
ただ、建物こそ新しいですが、もうこの地で何代か続いているのだろうなあと思わせる店がわずかにあったりして、まったく無駄だったとも思いません。

先日も書きましたが、横浜駅の近くにも海寄りにはなかなか懐しいような家並みがありますし、そういうところは探せばまだありそうな気がします。
図書館で住宅地図を繰れば、あの周辺が面白そうだとかあたりがつけられるのではと考えています。
しかし、わたしの場合いちおう人物を採り入れたスナップと言うことになっているので、子どもが外であまり遊んでくれない現在では古い家並みだけでは辛いと思いますが。

横浜駅で待ち合わせて、ライカやレンズに造詣の深い友人とお茶をしてこれら話に花を咲かせました。
長らく会っていなかったので、堰を切ったように話はあふれ、大いに盛り上がります。
ところがレンズのことで言えば、お互いの共通意見が高くなってもうなかなか手が出なくなった、でした。
お互いぽつぽつとレンズを増やしていますが、本命は遠く手の届かない存在になりつつあると実感しています。

アメリカやヨーロッパの専門店やeBayなどのオークションなどは、国際相場というか、マニアックな相場が形成されてしまっています。
もはや貧乏なわれわれのつけ入る隙はほとんどありません。
意外だったのは、友人はしっかり国内の中古カメラ店などの委託販売を地道に見て回り、魅力的なアイテムを安く入手していました。
さすがです。

このとき、あえて話題にはしなかったのですが、もはや個人がオールドレンズを買って所有するには限界が見えてきたと思っています。
交換レンズと言うくらいなのですから、レンズの友同志でレンズを交換すればよいのではないでしょうか。
交換してしまうのは問題があるでしょうから、貸し借りすればいいと思います。
いちばんまずいのは、貴重なレンズを死蔵することで、消耗するわけではない優秀レンズは使ってあげてこそその恩に報いいることができると考えます。
そういった広い交流はできないものでしょうか。


さて、Polarの最後の作例は、友を待つ横浜駅のものです。
地下なので太陽の影響なくフレアのない写りを期待したのですが、それは裏切られました。
横浜駅の中央口改札付近はかなり薄暗いのですが、照明を取り込んでしまうようで、やはり内面反射によるフレアは避けられませんでした。

そこで、2メートルほど離れた位置で携帯メールに熱中する女性を、近距離撮影してみました。
コントラストが低いというメリットがあるはずですが、やはり低過ぎるのは問題で、並のコントラストがあれば携帯の文字が読めたのではないかと思います。
ボケはさすがにこの距離では無難な崩れ方になっています。

ところが、携帯の灯りを拡大で見ると、ものすごいコマが出ているのに失望させられました。
フレアさえとれれば、案外性能の良いレンズなのではとチェックしましたが、思うようにはいかないようです。
見た目はかっこいいレンズなのですが。
【Polar 100mmF4 F4】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Reichert Polar 100mmF4 | trackback(0) | comment(0) | 2011/12/14 Wed

奥地利的的北極星

M8/Polar 100mmF4
昨日に続いて平沼橋付近での撮影です。
やはり昨日同様、コントラストが低く厳しい写りになっています。
しかし、この作例を見ればすぐ分かりますが、ほぼ順光の条件でもこんなになってしまうのです。
試しに完全な日影で撮ってみたところ、普通に写っていましたので性能以前の問題があるようでした…。

C.Reichert Austria Polar 100mmF4と刻印されたこのレンズは、もともとはライカマウントではありません。
一体何のレンズでしょうか、来歴不明です。
検索するとReichertという顕微鏡等の光学メーカーは現存していて、恐らくそのメーカーが少なくとも戦前に製造したものではないかと想像できます。
エステライヒではなくオーストリアと刻印されているので輸出用かも知れませんが、ウィーンなどの都市名ではなく国名だけの表記と言うのも不思議です。

金色に輝くブラス製のレンズヘッドで、絞りは付属していますが、ヘリコイドやシャッターは付いていません。
確かeBayだったと思いますが、このレンズが写真付きで売りに出されているのを見たとき、これは簡単にライカマウントにできると購入に踏み切りました。
初めて聞く正体不明のレンズですから高ければ無視ですが、50ドル程度でしたので試す価値はあると判断できます。

レンジファインダー・キヤノンのレンズは高性能のものが多いですが、どういうわけかくもりやすいレンズもまた多くあります。
そんな1本が100mmF3.5で、もともと望遠レンズは不人気な上に製造数が多く、さらにくもっているとなると5千円以下で入手可能です。
そんなくもりキヤノンを買ってきて、くだんのPolarに抱き合わせる作戦です。

Polarが到着したので、焦点距離を見てみますと、くもりキヤノンより1センチ程度長いくらいです。
ちょうど何かエクステンションリングを合わせてちょうどよくなるので願ったりかなったりでした。
手元にある39mm径のリングをとっかえひっかえ合わせていくとちょぅどよいものがあり、テープでとめた時点で距離計連動のライカマウントレンズが完成しました。

合計1万円ほどで中将姫光学製ライカマウントレンズができたわけですが、もちろん、それだけ出せば露国製のもっと高性能のレンズが手に入れることができます。
ライカ純正だってヘクトールやエルマーの135mmクラスは1万円以下で入手可能です。
そういった比較をしてしまうと元も子もなくなりますので、こんなへんてこりんなのは自分以外持っていないと言うレンズになったことを良しとします。

ただ、金色に美しいレンズですので、テープ止めも可哀そうだと思い、中国を訪れた際きちんと加工してもらい、アルミのスペーサーを加えた姿に生まれ変わりました。
これで工賃は3千円ほどですので、約13000円で世界にただひとつのライカマウントレンズの完成形が手元に来たことになります。

さて、土曜日の帰宅後、このレンズをマウント側から覗いてみると、中国で付け加えられたスペーサーの内側が黒い金属ながらずいぶんと光沢が輝いているのに気付きました。
どうやらこれが内面反射してフレアを作り出しているようです。
これは、ひとつ内面反射防止策を打つことで、かなり改善が期待できそうです。
次回、このレンズを使う時には、まったく違った写りをお見せできると思っています。
【Polar 100mmF4 F4】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Reichert Polar 100mmF4 | trackback(0) | comment(2) | 2011/12/13 Tue

横浜伝統麺条

M8/Polar 100mmF4
この土日、南関東はたいへんな好天に恵まれました。
冬場の好天気は、撮影には最高だと思いますが、残念ながら両日とも用事がありカメラ散策とはいきません。
それでももったいないので、2日ともカメラを持って1~2時間早く家を出て、ちょろちょろっと撮ったりしましたので、むそのあたりの作例をあげていこうと思います。

土曜は、友人と横浜駅で待ち合わせたので、その周辺のどこかを散策するつもりでした。
駅の近くはあまり撮影場所を思いつきません。
以前、ローライクラブの皆さんに教わった子安方面を海沿いに歩いたところはかなり魅力的ですが、ちょっと時間がかかり過ぎ、今回は断念です。
かなり以前に平沼橋のラーメン屋さんに通ったことを思い出し、いまはなくなつているとは思うものの、なかなかに下町的な雰囲気があったので、そのよすがを求めて歩いてみることにしました。

そのラーメン屋さんは、花びしという名前で、相鉄線・平沼橋駅のすぐそばの橋脚のところに小さな店を構えていました。
3~4人が座るといっぱいになってしまうようなカウンターがあるだけの小さな店で、かなり高齢ながら気風のいい親父さんがひとりで切り盛りしていました。
メニューは、ラーメン1種類しかありません。
大盛りとかそういうのもなく、足りなければ、もう1杯頼むしかありません。

ところが味は絶品です。
横浜ラーメンと言う系統があるそうで、それは今のいわゆる家系とは違うわりとあっさり味のラーメンです。
恐らく戦後すぐとか、かなり早いタイミングで登場した伝統的な横浜の味で、典型的な正油味のスープにメンマと鳴門が置かれ縮れ面で食べるそれは、むかしからある王道のラーメンと言えます。

昼どきは、座席数が座席数だけに行列ができてしまいますので、時間を外してよく通ったものです。
残念ながらその当時から、親父さんは目が衰えていたようで、会計でお札を出すと、これ千円それとも一万円? ちょっと目が悪くなってしまってよく見えなくってと言っていたのをよく覚えています。

やはり、駅を降りて懐しいラーメン屋さん付近を歩きましたが、その店はなくなっていて古い建物はすべて普通の住宅に建て替わっていました。
無理もありません。
わたしが通ったのは20年前の話です。
そのとき70歳だったか80歳だったかは分かりませんが、未だラーメンを作り続けているということは考えられないことです。

ただ、その思い出の地に20年振りに来れたことは、わたしにとってそれなりに意味のあることです。
わたしは、花びしでラーメンの味というものを教わり、その後はこってり味ラーメンのとりこになって近くの六角家に通うようになり、今では自宅からすぐの真鍋家というラーメン屋さんに週末通う習慣が続いています。

店のあたりはすっかり普通の住宅地になっていましたが、すぐそばに当時の面影を残す家が残っていて思わずそこに佇んでしまいました。
そこで思い出した唯一のことが、ラーメンを食べて会計したとき、ありがとう! と独特のアクセントで言いながら、わたしの手におしつけるようにお釣りをよこす一連の仕種です。
現場に足を運ぶことは、ほとんど意味をなさないことが多いようですが、まれに、このように記憶中枢を刺檄することがあるのです。
わざわざ来てみた甲斐がありました。
【Polar 100mmF4 F4】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Reichert Polar 100mmF4 | trackback(0) | comment(0) | 2011/12/12 Mon

誰是最漂亮

M8/Canon 35mmF1.5
今朝、今年最大にして最後の関心を寄せるべき時を、幸福に過ごすことができました。
我がFCバルセロナが敵地でレアルマドリードと対戦する伝統の一戦、エル・クラシコがおこなわれ、逆転でバルサが勝ち点3を手にしたからです。
シーズン前からバルサ追撃に全力を燃やすレアルは、勝ち点差を6に広げて首位にいて、一部マスコミにもバルサ以上だと言わしめているサッカーを展開していただけに、それが現実になるのではとの恐れを見事に一蹴してくれ最高の気分をもたらしました。

これによって彼らは高いモチベーションを保持したまま来日することができます。
ナイトゲーム終了後、バルセロナに戻らず直接日本行きの航空機に乗ってやってくるそうです。
震災直後の試合で「頑張れ、日本! 僕らは君と共にいる」という横断幕をかかげた彼らに対して、わたしたちは「頑張れ、バルサ! 僕らも君たちと友にいる」と歓迎しないといけません。
いよいよ、自分の目の前で世界一になる瞬間は1週間後に迫りました。


さて、深圳シリーズの最終回は、お決まりの現地の美少女(?)で締めたいと思います。
彼女たちは、知り合いでもなんでもなく、例の腰だめスナップ行で深圳の町中を歩いていた時、ふと目に入った雑貨屋さんでひとりの女の子を撮ったのがばれてしまい、お詫びのしるしにそこで買い物してさらに撮らせてもらったという説明していて訳が分からなくなるシチュエーションのものです。

どういうことかと言えば、面白くて撮ったのが見つかってなぜ撮るのか聞かれて、美人を撮影していると答えたばっかりに、わたしも撮ってとなったというパターンです。
この子たちは撮らせてもらったのに丁寧にお礼まで言ってくれたので、sumimomuさんのモデルを依頼すれば喜んで受けてくれそうです。
問題は彼のモデルの規格に収まるかですが。

最初は普通に全身くらいの距離で撮っていましたが、最短距離でも撮ってボケを見なくてはと突然思い立ち、接近して構えました。
ピントを合わせるのですが、真ん中の子で合わせればいいものを、なぜか本能で左の女の子にM8の距離計を向けてしまいました。
親しくなったのは右の子で、実際、彼女もかなり可愛いと思います。
よくよく見れば、わたしのピント合わせは誰に向けたかは明白になってしまうのですね。
レンズは実に正直とは、よく言ったものです。
【Canon 35mmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon 35mmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/12/11 Sun

全食月食

M8/Canon 35mmF1.5
今夜、皆既月食が11年ぶりに日本で見られるとニュースで知りました。
すぐに思い出したのは、2009年7月22日の皆既日食です。
この日、中国の広い地域で皆既日食が見られると話題になっており、中国旅行のついでに日食も楽しもうとその日を心待ちにしました。
ところが、安易に奇跡の天体ショーを見ようという心掛けが悪かったのでしょう、当日は分厚い雲に覆われてしまい日食を堪能するにはいたりませんでした。

それでも、皆既日食のあいだの3分間は周囲が真っ暗になり、その場の空気すら変わったかのような独特の空間にいるという体験ができました。
皆既月食はまた別物ですが、今回は、わざわざ出掛けて行かなくても、向こうからやって来ます。
ニュースの直後に玄関を出るとそのちょうど真上に満月が見えました。
全般に曇ってますが、月のまわりはきれいに晴れています。
日食のリベンジではないですが、今日こそはこの目で見届けてやろうと思いました。

結果はニュースでも放送されていた通りです。
わたしも防寒対策ばっちりで、月の食を見続けることができました。
しかし、テレビで早送りで見るとその様子はよく分かったと思われますが、目の前で見るのはたいへんでした。
なにしろゆっくりなので、目の前で変化しているという訳ではないのです。
しばらく経って、ああ、少し削れてきたなと気付く程度です。

ただ、皆既の少し前で、月が陰っていた部分も赤茶色く見えてきたのがなんとも神秘的でした。
皆既に入ると完全に新月のようになるのかと思っていたのですが、やや薄くなった円がそのまま残っているようだったのもまた不思議な感覚でした。
いずれも不勉強で、結果も不完全ですが、皆既日食、皆既月食の双方を体験でき、天体ファンでも何でもないわたしも大満足です。
次回、何かがあるときもぜひ積極的に関わりたいと考えますが、ずっと上を見ているのは首が疲れると気付きましたので、その対策として首の筋肉を鍛えておきたいと思います。


さて、きょうは腰だめではなく、普通の作例です。
ずっと腰だめで来たせいか、ファインダーをのぞくのに力が入って、かえって平凡なフレーミングになってしまいました。
この高層オフィスビルに勤めるOLだと思いますが、携帯に夢中になっているとこのくらいの距離で撮影してもまったく気付かないのは日中の女性に差はないようです。
【Canon 35mmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon 35mmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/12/10 Sat

丁丁

M8/Canon 35mmF1.5
そういえば、この日の夜は、現地の知り合いに映画に誘われていました。
映画でなくてもよかったのですが、彼女の仕事が終ってからとなると、深圳ではショッピングか食事を除けばせいぜい映画を見に行くくらいしかすることが思いつかないのです。
そんな具合ですから、映画は深圳での娯楽の王道で、映画館がけっこうあります。
上映本数がいちばん多いということで、シネマコンプレックスが入っている巨大ショッピングセンターに行くことにしました。

中国での映画の料金は全国一律ではないようですし、そればかりか映画館によっても深圳市内で勝手に価格設定さけているようです。
わたしたちが出掛けたのはいちばん高い料金設定になつているようで、どれもひとり100元以上になっています。
客の入りがライバル映画館に負けているのかときどきプロモーション料金を打ち出していることがあって、この日もふたりで200元のところが、150元プラス入会金無料で会員になれるという映画があったのでそれを見ることにしました。

タイトルは「丁丁」。
1丁目の丁の字を2つ続けて、発音は「ティンティン」、原題は「THE ADVENTURES OF TINTIN」というタイトルから冒険ストーリーのようです(日本では「タンタンの冒険」というタイトルのようです)。
英語で放映され、中国語の字幕とありますが、どちらもあまり得意でないですが、互いを補完すればどうにかついていけるかという理解度で見ることになります。
スピールバーグ監督と読めますが、難解な映画でなければいいのですが…。

映画は、まったくの子供向け。
それでも面白ければ、童心にかえってわくわくできるのでしょうが、わたしにはこの映画で楽しむことは不可能でした。
映画をずっと楽しみにしていたという知り合いの評価も、イマイチ、でしたし、館内もすごく盛り上がっている感じではありません。
初めて見る3D映画だったので、期待度が高い分失望感も大きかったというところでした。

ところで、この映画を見たことは直後からすっかり忘れていましたが、今日、別の知り合いからこんなニュースがあったと教わり、ああ、それはわたしも見た映画だと思い出させてくれました。
そのニュースというのは、西安の映画館で「丁丁」を上映していたところ、ラストのところで機器のトラブルがあって最後まで放映できなくなりました。

そこで、係員が出てきてトラブルの状況を話したうえで、なんと、残りのストーリーを説明してしまったというのです。
ところが、なんて余計なことを話すんだ、なんて誰ひとり思うことなく、観客はみな納得して帰っていったということです。
映画館の方のトラブルですからチケットを渡すなりして、後日、再入場してもらうかするのが筋のように思うのですが、放映できなかった部分を係員が説明して終わりにしてしまうのが中国流ということなのでしょう。
この映画を見たわたしの意見は、映画がつまらな過ぎて説明を聞けば十分だと皆が考えたというものですが。


さて、ほんじつの腰だめ、です。
東門の中心とも言える太陽百貨店の石段のところに、何やら女の子たちが集まっています。
顔の感じや垢抜けない服装を見る限りどこか遠方から出て来たことは明らかですが、いったい何のグループが何の目的で集まっているのか皆目検討がつきません。

だいたい東門は中国ファッション発信地のひとつになってますので、ここを訪れる女の子はみな嬉々としているものですが、彼女たちにそんな気配は見られません。
むしろ、長時間ずっといて待ちくたびれたという雰囲気です。
太陽百貨店の上階にも映画館がありますが、まさか彼女たちも「丁丁」を見た直後ということはいくらなんでもないでしょうね。
【Canon 35mmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon 35mmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/12/09 Fri

奧克蘭市隊

M8/Canon 35mmF1.5
今日、サッカーのクラブワールドカップが開幕し、最初のカード、柏対オークランドシティ戦が行われました。
バルセロナびいきのわたしが、対戦の可能性がほとんどないこの両チームには興味を示さないだろうという読みはほとんど正しいのですが、今回だけはちょっとだけ違っていました。
実は、オークランドシティを密かに応援していたのでした。

アジア代表枠で出る権利があるのに、各大陸1クラブしか出ていない大会でなぜか開催国枠という理不尽な出場に怒ってオークランドを応援するわけではありません。
オークランドの選手に知り合いがいるのです、と書くとウソになりますが、選手と立ち話をしたことがあるのです。
この深圳の旅から帰る香港から成田への機内に、彼らが勢ぞろいしていたのです。

なぜ彼らが自国の航空会社でなく、日本のナショナルフラッグでもなく、香港経由で日本に来たのか分かりません。
座席数の多くないビジネスクラスの大半を埋め尽くすように、オークランドシティと書かれたシャツを来た青年が並んでいるのは壮観でした。
最初、オークランドとあったので、ラグビーチームが来日するのかと考えましたが、ラグビーにしては体の線の細い男たちばかりです。
すぐに、クラブワールドカップのオセアニア代表で来たんだと気付き、ヨーロッパ代表バルセロナを熱愛するわた
しはこの思わぬ呉越同舟に思わず興奮してしまいました。

残念ながらわたしはいつもエコノミークラスなので彼らとは隔たった位置にいたのですが、いつも最前列に座っているので、成田で降機して歩き出すとすぐに彼らに追い付き、サテライトから入国審査ビルまでの移動電車の中で彼らに囲まれるようなかたちになりました。
そのときに、目があったとても若い選手に、思わずこう言ってしまいました。
わたしは申しわけないが、ずっとバルセロナファンを続けていて、今回も準決勝、決勝のチケットを購入してある。
今回はいっしょのフライトだったので、あなたたちのことも応援するので、ぜひ決勝までがんばってバルセロナと対戦してほしい、と。
彼は、聞き取れない言葉を言ってから、最後にサンキューと付け加えました。

わたしの語学力の問題もあって、会話はこれきりでした。
さて今夜、彼らはわたしとの約束を果たすべくがんはりましたが、柏のホームアドバンテージもあってか実力差はほとんど感じられない内容だったものの0-2で散ってしまいました。
実況の中でもとバルセロナに所属していた選手がふたりいたと知り、ここでも因縁を感じただけに残念です。


さて、本日の腰だめです。
東門のいちばん賑やかな通りまで歩いてくると、異彩を放つ4人組が歩いています。
180センチ近い長身外国人美女が、スーツケースを転がしながら歩行者天国の真ん中を堂々闊歩しています。
モデルか何かのように見えますし、何かの撮影中かとも思ったのですが、そういう器材は一切見られません。
ただ、歩き方がファッシンショーのようにゆっくり肩で風を切るようにしているのも、この町にはあまりにそぐわず不自然過ぎでした。

さらに自然さから遠ざけているのが、どうも国籍というか出身というかが4者4様のように思えることです。
金髪北欧風、中南米ラテン系風、韓中タイプ東洋風、アフリカ系アメリカ人風です。
あまりに目立ち過ぎていて、通りかかる人はみな目を剥いて見つめています。
男性は食い入るように見るものすらいます。
たいへんな見世物でした。

腰だめには格好の被写体です。
4人はゆっくり歩いているので、サイドを早足で歩いて先回りして、モニュメントのようなところで撮っているのがばれないような態勢になり左腰骨にカメラを押しあてて撮りましたが、角度の関係でアメリカ人風は死角になってしまいました。
いま振り返ると、早歩きして突然立ち止り隠し撮りしているわたしは、不自然な彼女たち以上に不自然な行動をしていたということですね。
【Canon 35mmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon 35mmF1.5 | trackback(0) | comment(1) | 2011/12/08 Thu

歓迎再来

M8/Canon 35mmF1.5
kinoplasmatさんから小さな朗報が届きました。
長らく休止状態になっているウェブサイトを、久し振りに更新したということです。
といっても、今回だけの単発更新のようですが、それでも活動そのものを停止しているのではなく、サイトの更新をお休みしているだけだということが再確認できて嬉しくなります。

さっそく訪問してみると、ホロゴン15mmF8で撮った写真がたくさんアップされていました。
このホロゴンはウルトラワイドというツァイスのカメラに固定されたレンズと同じものですが、使われているのはライカMマウントのもので、たいへん稀少なレンズとして知られています。
ヘリコイドも絞りも無いレンズなので、距離と絞りは固定でシゃッタースピードによって露出を調整して撮影します。
ただ、レンズキャップよりも薄いというか、レンズがカメラに引っ込む形の超広角なので、普通にカメラをホールディングすると指が写り込んでしまうという取り扱いのやっかいなレンズだと聞きます。

後玉が引っ込んでいるため、M6やM7のAEが効きませんが、このレンズの作例はいろいろなところで見ることができます。
ファンの多い、惚れこんで使っている人が多いレンズですからそれも当然のことです。
ただ、M8、M9のデジタルではシャッター幕が干渉してしまうそうで、装着不可とされていました。
しかし、今回、kinoplasmatさんは独自の工夫によってそれを克服し、そのM9で撮ったホロゴンの写真を発表されました。
もしかしたら、デジタルによる世界初のホロゴンの画像ということになるのかも知れません。

フィルムと比べてデジタルでは落ち着かない描写と書かれていますが、やはり現行のレンズにはない独特の表現をしていることは間違いなく、興味深く拝見できました。
kinoplasmatさんの期間限定復活とホロゴン初デジタル画像(未確認)に思わず筆をとらずにいられなくなったという次第です。


さて、今日の腰だめですが、深圳のナチュラル小学生たちです。
アンダーでピントが怪しく、右側の後向きの兄さんがあまりに邪魔ですが、他にネタもなくなってきたのでそのまま採用します。
左の女の子がこちらを見ていますが、わたしが目測するための距離をとるのに彼女を見ていたので目があってしまったのでした。
肌が透き通るように白い、将来美人になることが約束されたような女の子でした。

先日のひまわりの種少女の制服に比べると格段に洗練されているのが分かります。
買い食いして我慢できずに歩きながら食べちゃう垢抜けない女の子と、上品な学園生活をエンジョイしていますと全身で表現する女の子たち、どちらも深圳です。
この二面性が中国らしいと言えます。

ところで、腰だめと書きながら、この作例では女の子たちの身長にあわせて膝の上くらいの位置に固定しています。
前にも書いたように腰だめの腰は広い範囲を差していて、胸から膝まで、つまり野球のストライクゾーンの高低はすべて腰だめと称しています。
そういえば、ホロゴンで撮っているときkinoplasmatさんも腰だめだったのか、まだ聞いていませんでした。
【Canon 35mmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon 35mmF1.5 | trackback(0) | comment(16) | 2011/12/07 Wed

距離的問題

M8/Canon 35mmF1.5
ノーファインダー撮影では、やはり広角がいちばんです。
一度90mmエルマーでノーファインダーを試みたことがありますが、すぐやめました。
フレーミングガどうにもならないからです。
広角だろうが望遠だろうが真ん中をフレーミングするならどちらも変わらないだろうとタカをくくっていたのですが、90mmではまるで狙ったモノにかすりもしていません。
加えてピントがまったく来ていないのですから、すぐにあきらめました。

標準では、わたしはライツ純正のウェストレベルファインダー、通称AUFUSを持っています。
50mmレンズでは、せっかくですからノーファインダーではなく、ローライばりのウェストレベルファインダー
撮影を愉しみたいと思います。
なにせ、このファインダーは高価なうえに、けっこうな入手困難アイテムなのでぜひ使ってあげたい。

やはり広角かとなって、では何ミリくらいがちょうどいいのかという疑問が浮かびます。
これは少し考えて何ミリだってよいのではと考えました。
例えば15mm、16mmのホロゴンで人物をスナップするとなれば、ほとんど目と鼻の先くらいの距離でシャッターを切る必要がありますし、35mmでは建物の2階以上が写るか写らないかになったりで背景を取り込まなくてもいいかを考慮しないといけません。
そのへんのことが意識に入っているのならば、別に焦点距離がどうであってもかまわないというスタンスです。

ただ、距離は目測ですから、対策が必要です。
普通は、超広角を使ったり、絞って被写界深度を稼いでパンフォーカス気味にすべきところですが、わたしはなんでもかんでも開放で撮るのを基本ポリシーにしてしまっているので、35mmF1.5という広角としてはピントの薄いレンズでも開放で試すことにしました。
正直言えば半分以上がピントを外す散々な結果でしたが、もともとが実験的な試みですし、散歩スナップで失敗してもダメージmないので問題ありません。
むしろ鍛錬することで、成功率を上げたいと思います。

ピントは固定します。
今回は、道幅のある程度広いところでは3メートル、狭い路地では2メートルとしました。
それだけ近距離だと明るいレンズではより厳しくなりますが、せっかくのノーファインダーなので接近戦に持ち込みたいという目論見があります。

目測の仕方はほとんど感覚的なものです。
わたしは身長180センチなので、後から突き飛ばされて爪先が伸びきって前のめりに倒れて頭の先が来るであろうところが2メートル、後から小突かれて2歩ほどよろけてから前のめりに倒れた頭の先が3メートルになると頭の中で距離を想定しました。
かなりいい加減に思われるかも知れませんが、自分の足先を基点に前のめりに倒れて扇状に広がるだろう距離というのは案外分かりやすいように思っています。
それに立ち止ってならまだしも、歩きながらでは絶対距離感覚を持っていても感覚にブレが出てしまうでしょう。


そんないい加減な今日の腰だめですが、自転車の後部に後ろ向きにまたがる女の子です。
少し後ピンですが、それもノーファインダーならではの許容範囲でしょう。
路地ということで2メートル設定でしたが、近過ぎて自転車に乗っているのがはっきり分からないのが残念です。

また、歩きながらの腰だめは、普通だんだんと被写体との距離が詰まってくるものですが、このケースで遠ざかっていくという逆パターンでしかも自転車はそれなりにスピードがあるので、ピントとフレーミングにあせりが繁栄してしまっているようです。
ところで当の女の子がじっと何かに見入っています。
フルーツか何か食べ物なのだと思いますが、握っているバーにぐっと力を込めるほどすごく力の入った目です。
わたしにも同じくらいの目力があれば、ピントを外すなんてことはなかったのかなと思いました。
【Canon 35mmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon 50mmF1.5 | trackback(0) | comment(2) | 2011/12/06 Tue

賣大蒜

M8/Canon 35mmF1.5
昨日、腰だめという言葉が気に入って使わたせていただいている旨、お知らせしましたが、これを教えていただいたご本人から使用許可を、事後で、頂戴しました。
これからも遠慮なく使用すると同時に、腰だめという言葉や撮影法を普及すべく微力ながら努めていきたいと思います。

半分冗談な大上段からの書き出しになってしまいました。
そもそも腰だめという言葉の意味が不明瞭です。
これは、ノーファインダーで撮影する時カメラを自分の体に押付けて固定しますが、これを腰位置にするのが腰だめです。
腰というとBWHのW、つまり腰のくびれている部分を連想しがちですが、もっと広い意味で胸あたりから太ももくらいまでの位置にカメラを固定していれば、それは腰だめと呼んでいいのではないかと考えます。

だいたい、ローライフレックスなどのファインダーをウェストレベルファインダーと呼びますが、カメラ位置が腰のくびれあたりだと相当体のやわらかな人でないとファインダーを覗けません。
無理すればぎつくり腰になってしまいますので、胸位置あたりにカメラがあってちょっとお辞儀するような姿勢になるのが、正しいウェストレベルファインダーです。
ですから、ウェストといってもアイレベルよりは下であればよいと定義しても好いのでしょう。

腰という字は、体のかなめと書きますので、腰だめの腰は自分の体のかなめとなる部分だと考えれば合点がいきます。
むしろ、ための方に力点があるような気がします。
溜めるというのは、そこに神経が集中して、指先にぐっと力がこもる瞬間を連想させます。
ファインダーを見ながらそこから得られる情報を計算しつつフレーミングを厳格に撮る方が、ノーファインダーの撮影より気持ちがこもっているように考えられがちですが、腰だめのだめという言葉が、ファインダーを見ずとも全身を集中しさせて撮っているので質的に劣っているものではないことを裏付けてくれるよう感じられるのです。
もちろん、腰だめで撮るのだって、フレーミングこそ不完全かも知れませんが、目で見て撮っているのに変わらないということは強調しておきたいと思います。


さて、今日の腰だめですが、東門からまだ離れたところで野菜を売る女性です。
もう少し繁華街に近づくと公設市場があって、野菜売りもたくさんいますが、そこの家賃が高いのか、空きがないのか、このあたりは路地に沿って野菜売り、果物売りが並んでいました。
人通りはそこそこありますが、なかなかお客さんは現れません。
やはり公設市場の方が、安心ということがあるのでしょうか。

余った時間は、にんにくの皮むきに費やされるようですが、これだけむいているところを見ると、かなり時間を持て余しているのでしょう。
少し気になるのが、売り物を直射日光に晒していることです。
夏の日差しではありませんが、新鮮な野菜が痛んだりしないものでしょうか。
それとも、強い農薬を飛ばすのにちょうどよいくらいなのかなと考えたりもしてしまいました。
【Canon 35mmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon 35mmF1.5 | trackback(0) | comment(4) | 2011/12/05 Mon

新旧貨高価回収

M8/Canon 35mmF1.5
翌日の午後、またライカM8を持って深圳の町に飛び出しました。
前日はレンズを総動員しましたが、今度も短時間ということもあって、レンズはキヤノンの35mmF1.51本に絞りました。
レンズ交換の時間も惜しんだということでもなく、ノーファインダーのスナップだけで行こうと考えたからでした。

もともとわたし自身ノーファインダーをしばしば使っていましたし、恐らく写真家や報道などでもキャンディッドフォトは不変の手法だと思われます。
ただ、ノーファインダー=あてずっぽう撮影法のイメージが強くて、より意図を押し出す手法であることを自ら確立したいと思っていました。
そんな中、Sha-sindbadさんが、腰だめで撮ると表現されていて、この言葉がまさにわたしが目指すところを表現しているように感じられて、ご本人には無断で借用させてもらうことにしました。

昨日のフットマッサージは日本でいう女子高生に施術してもらいましたが、確かに技術レベルは低かったもののその分かなり丁寧に足裏を押してくれていたおかで、翌夕方も足が絶好調でした。
さわやかな天気の中、散策を味わいながら腰だめを楽しみたいと思います。

そんな発想ですので人通りの多い東門方面を歩くことにしましたが、同じところばかりを歩いてもつまらないので、半分くらいは初めての道にしようと考えます。
バスを東門のひとつ手前で降りてみました。
満員のバスから降りたのはわたしひとり。
大半の乗客は次の東門で下車したことでしょう。

もともと東門は大きな市場で開けたところですので、その周辺もかなり庶民的な生活の匂いがあって、何があるというわけではありませんがこの選択は正解でした。
作例の女の子もこの垢抜けない雰囲気が最高です。
1キロ離れた東門の繁華街ではちょっと目にできないセンスのない中学校(?)の制服に、後方のガニ股歩きのおっさんが花を添えます。
その制服を画面に溶け込ませるかのような、同様の水色があちこち点在しているのも偶然の効果です。

彼女、たぶんヒマワリの種をかじっているのですが、種を前歯に立てるようにセッティングした瞬間の種を割ることに集中したどこかしまりのない顔をしています。
たまたまフレーミングを失敗して、頭と足を均等に切り取るようなかたちになってしまいましたが、彼女の表情は、その上下からの圧迫感を嫌っているようにも見えて、妙なまとまりを感じました。
【Canon 35mmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon 35mmF1.5 | trackback(0) | comment(3) | 2011/12/04 Sun

到中国要去足浴

M8/Canon 35mmF1.5
毎度訪れる深圳には、わたしには密かな楽しみがあります。
夜、ひとり受付に赴くと薄暗い個室に案内され、ややあっておとなしい少女がやって来てズボンをたくし上げるよう指示されました…。
ちょっと意味あり気に書きましたが、そこは確かに奇しい雰囲気がなくもありません。
ただ、期待させて申し訳ないですが、これは中国語で足浴、日本では足ツボマッサージと呼ばれる深圳ではほとんどどこでも見かける普通のフットマッサージ屋さんです。

足浴のことは何度か書いたことがあったかも知れません。
一般的には大庁と呼ばれる大部屋の方が安くすむのですが、中国人に囲まれた環境だと煙草をかまわず吸われますし、声がでかいのがいれば落ち着かないですしで、個室に行くのが正解となります。
わたしがよく利用する店では個室は5元高くなりますが、ドリンクが付いてくるのでもう元がとれているとも計算できます。

料金は店によってだいぶ差があります。
ホテルに入っている高級店などでは1時間100元(1200円くらい)以上もしますが、平均的な店では20~30元(250~350円くらい)というところです。
たとえば、夏場の日中、涼をとるために利用したとしても日本でスターバックスに入るのより安いというのが、お得感をあおります。
チップをねだるような店もありますが、まともな店では従業員教育を徹底しているので、そういうこともありません。
足浴店ではだいたい店頭に料金を表示しているので料金面でのトラブルということもほとんどないと言えます。

店に入って個室をと依頼すると係員が部屋まで案内し、指名はあるかどうか聞かれます。
お気に入りの足浴員がいればその番号を告げると、空いていれば呼び出してもらえます。
指名はないと答えると、続けて男がいいか女がいいかと聞かれます。
どうぞ、男なり女なり、お好きな方をお願いしてください。
どちらでもいいと言えばだいたい男の人がやってくるのは、利用客の多くが男性なのでみんな女の人をお願いするからでしょう。

しばらくすると足浴員がお湯の入ったたらいをもってやって来ます。
中に薬液を入れると足をたらいの中に入れるよううながされますが、これが足浴という名前の由来のようです。
洗脚という別名もありますが、普通は足を洗うということはなく、ただ薬液入りのお湯の中に浸すだけです。
2~30分ほど足はそのままで、上半身のマッサージをしてくれます。
力加減はどうかと聞かれますので、そのままでOKとか、痛いのでもつと弱くと告げれば調整してもらえます。
この按摩の間に薬液で足もほどよくほぐれるのでしょう。

いよいよ足の按摩ですが、この感じ方は人によりさまざまかも知れません。
多くの人が気持ちいいと答えますが、中には痛いだけだという人がいて、力を抜いてもらったりすると、マッサージ効果はうすれてしまうような気がします。
反射区という言い方をして足の裏などの痛い部位が体の他の部位の問題がある部分を示しています。
例えば、指先付近に眼の反射区がありますが、わたしは寝不足で足浴に行くといつもそこにひどい痛みを感じるという具合です。
また、お酒をかなり呑んだ翌日は、だいたい足中央外寄りの胃の反射区を押されて痛いっ、となります。

1時間たっぷり足裏を押されてから終了だと立ち上がると、体重が半減したのではないかと思えるくらい、足がふわっと軽くなります。
この感覚こそ、足翌の醍醐味だとわたしは考えています。
ふわー、ふわーと宙を浮きながら歩いているような錯覚さえ感じるのですが、残念ながら30分もするとその感覚は消えてしまいます。
一般的な按摩でよくある揉み返しは、足浴にはありませんので、このはかない浮遊感覚を存分に味わってもらいたいものです。

さて、今日の作例ですが、足浴員の女の子に頼んで写真を撮らせてもらいました。
この夏学校を卒業して、四川のいなかから大都会・深圳まで出てきて選んだのがこの仕事です。
年齢を聞けば16歳というので、日本で言えば中学を卒業後すぐ上京して来たというところです。
個室での足浴の楽しみのひとつは彼女たちとのコミュニケーションで、運がいいと可愛い子が来てくれて、話も盛り上がったりするという副産物があることだったりします。
もちろん番号は控えたので、次回訪問時に指名があるかと聞かれれば、彼女の番号を伝えるつもりです。
【Canon 35mmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon 35mmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/12/03 Sat

晩上変好一点

M8/Frilon 50mmF1.5
日本と中国の間には時差が1時間あって、日本の午後6時が中国の5時になります。
それは北京時間と呼ばれていますが、東西に広い中国でアメリカのように国内で時差を設定していません。
西の西安までおよそ1200キロ、さらに西のウルムチまで西安から2500キロもあります。
恐らく北京時間で冬場の朝10時は、ウルムチではまで暗かったりするのではないでしょうか。

それぞれの地域では、現地の太陽に合わせた生活をしているのだと思いますが、それはあきらかに不便なはずで、北京との間を往復するウィグル人のビジネスマンがいるとすれば、海外に行かずして時差ボケに見舞われることになるでしょう。
もっとも、彼らは北京は中国という外国だと思っているのかも知れませんが。

深圳の夕方5時は、さいわいにして東京の5時とそう変わらない暗さでした。
大芬油画村では、露天で絵を売る店など、早くも4時半くらいから店仕舞するところが出始めます。
暗くなれば絵がはっきり見えなくなるので、それも止むを得ないですね。
一方で普通に店舗を構えているところでは、けっこう遅くまでがんばっている様子でした。
中国は労働時間は長いですから。

露天でも、作例のように自前の高輝度電球で照らすなど営業努力している店がありました。
客足はみるみる減っているので努力が報われているかは厳しいものがありそうです。
厳しいと言えば、この条件はレンズにもたいへん厳しいもので、コントラストがまつたく無いかのような作例になってしまいました。
ただ、出てもおかしくないゴーストは皆無なので、フレアの問題以外は、このフリロン、案外高性能なのかも知れません。

わたしはこの日、以前、絵を購入したことがある人とばったり出合い、向こうがよく覚えていたこともあってずっとおしゃべりをしていました。
大芬では非常に珍しい水彩画の名手で、中国各地の古鎮をモチーフに制作しているため、わたしのツボにビシッと迫るものがあります。

今回も新作を見せてもらったりしているうちに、またまた気に入ってしまい、考えた末お買い上げとなってしまいました。
少し大ぶりなサイズで、家に飾るスペースは思い当らず、そもそも帰りのフライトで機内に持ち込めない可能性が大で、悩んだりもしました。

で、結局買ってしまった理由ですが、最初見てすごく気に入り、でも買おうとまでは思わなかったのに、明るかった空がだんだんと暗くなるにつれてこの絵の表情が同じく変化して違う絵のように見えてきたからなのです。
絵は、明るいところと暗いところでまったく違って見えるものだと気付かされました。
待てよ、ということは、照明まで導入してがんばる露天絵画売りもあながち無駄な努力をしているんではないのだなと、そんなことまで気付かされたのでした。
【M8/Frilon 50mmF1.5 F1.
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Futura Frilon 50mmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/12/02 Fri

模糊鏡頭

M8/Frilon 50mmF1.5
オールドレンズの中には、フレアレンズとも呼べるレンズが多くあります。
キズが多いとか曇っているなどのダメージがないにも関わらず、常にフレアっぽく写るレンズです。
フレアの程度はさまざまですが、順光ではそれほどでもないが逆光でフレアというレンズと、逆光はもちろん順光でもかなりフレアが出ているレンズに大別できます。

とくに望遠の古いレンズに後者タイプが見られることから、鏡胴内の内面反射の影響が大きいのだと思われます。
内面を丁寧に無反射処理してもフードがそのままだとここで前面の乱反射が起こってかなりのフレアを発生させるようですので、ノンコートのオールドレンズでは注意が必要です。

一方、前者のケースでも先に書いたことは考えられますが、大口径などのハイスペックなレンズにしばしば見られることから、設計に無理があって球面収差が残ってしまつたと考えられます。
光線状態が良いとかなりシャープでそこそこ解像力も高いことが分かりますが、半逆光あたりから一気にフレアっぽくなってしまうパターンです。

ここぞというところで裏切るレンズとして不人気なレンズたちですが、わたしはこの手のレンズが大好きです。
完全逆光ではダメですが、半逆光ではソフトレンズのような効果が出せますし、コインの裏表のように2つの性格を持つレンズというだけで何か魅力的に思えてきます。
本音で言えばこれ1本しかない状況では確かに厳しいですが、3本レンズを持って出掛けて1本がそういうレンズなら、余裕をもって愉しんで使うことができます。

フリロン50mmF1.5は、まさにそんなレンズです。
ゾナー改造型の4群6枚というあまり例のない構成ですが、同スペックのゾナーの方が性能ではあきらかに勝っていて、改良型との表現が使えません。
ただ、本家ゾナーでは見られないほんわりとした雰囲気は、特に色彩豊かなシチュエーションで独特の表現を生みます。

女の子が熟睡しているだけで特に面白くもないし、レンズの良さがすごく出ているという訳でもありません。
ただ、ふたりのお尻のかたちがそっくりなので、ああ、親子なんだなと気付かせる作例です。
少しどっしりのお母さんがゾナーで、未成熟な感じの女の子の方がフリロンですね。
【M8/Frilon 50mmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Futura Frilon 50mmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/12/01 Thu
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