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鋼筆医院

M8/R-Serenar 5cmF1.5
栃木シリーズ、今週は変則的に今日が最終回です。
実際、最後に訪れたのがご覧の病院でした。
病院は病院ですか、よく見ると普通の病院ではないようです。
寺内萬年筆病院と書かれています。

実は、栃木市を訪問した理由こそが、この万年筆病院を訪れることにありました。
万年筆店ではなく、病院と看板を掲げる老舗が栃木にあるとの情報を得たのですが、店主はかなり高齢とのことでまだ商売を続けられているか分からないとのことでした。
ただ、数年前に行かれた方の話では元気そのもので、修理などの仕事に精力的に打ち込んでいたとありましたので、半ば期待しつつ自分の目で確かめようと思って出向いたわけです。

ここが最後になるようなルートを大雑把に思い描いて散策して、少し緊張しつつ店の前に立ちました。
扉が開いていて、営業していそうです。
嬉しくなって飛び込みました。
しかし…。

そこにご店主はいませんでした。
お休みされていて奥様が出てこられたので事情を説明すると、先日亡くなられたとのことでした。
まさに四十九日の法要を済ませたとのお話でした。
ずっと元気だったのに急逝されたようでした。
気丈にご説明くださる奥様にまた辛い思いをさせてしまったことも申し訳なく、帰り道はかなり沈んだ状態でハンドルを握ることになりました。

お会いすることなく非常に残念ですが、万年筆一本一本を大切に扱い、病院の名のように検査や治療を施して所有者を助けてくれた優しい町医者のような人柄が想像されました。
以前、万年筆のことはちらっと書きましたが、ここまで来るくらいに興味は増しており、今後、万年筆特集週に打って出ようかと思っているくらいでしたから、寺内先生にお会いできなかったのは、痛恨の極みです。
ここに謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

さて、冒頭にも記入したとおり栃木シリーズを終わらせて、しばらくお休みをいただきます。
9月末の遅い夏休みです。
無事戻って来れましたら、再開いたしますので、しばしの不在をご容赦ください。
ではでは。
【R-Serenar 5cmF1.5 F1.5】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/22 Thu

甜的午餐

M8/R-Serenar 5cmF1.5
あの3月11日から半年、またもやこんなことが起きるとは思っても見ませんでした。
と言っても私的なことで地震のような悲劇的な体験ではありません。
首都圏の鉄道停止です。

3.11の大地震のあと、鉄道が止まったため、新宿から藤沢市の自宅までの50キロ近い道のりを延々歩いたことは以前書いたように思います。
今回は、ほとんど歩くことはありませんでしたが、台風の影響で地下鉄以外のほとんどの鉄道が動かなくなりどうにもならなくなるところでした。
異なる自然の猛威によって、帰宅が困難になるという体験を半年の間に2度も味わうことになったのです。

歩いて帰った3月よりも、電車の復旧を待った今回の方がずっと辛い帰宅でした。
待っている間にも密集のなかで倒れる人続出ですし、ようやく動き出した電車から降りる人と乗りたい人で混沌が収まりません。
押す人、叫ぶ人、みんなじっと我慢しているのですが…。
事故が起きなかったのが不思議なくらいでした。

しかし、電車に乗り込んでからが本当の地獄てした。
普段からラッシュの通勤には慣れているつもりでしたが、こんなに詰め込まれたのは初めての経験です。
こんな中でみんななんともないのですから、人間の体と言うのはとても柔軟で、圧死するというのは人間以外の圧力がないとありえないことなのかも知れないと車内でずっと考えました。

栃木とは全然関係ない話で今日はおしまいにします。
とにかく疲れました。
作例は、老舗のお味噌屋さんで、ここの田楽が絶品でした。
豆腐、里芋、蒟蒻で500円は少し高いかと思いましたが、いずれも地元産でボリュームがあり、そのままランチになったのでちょぅどよかったです。
オーダーしてから丁寧に焼き上げて自慢の味噌を塗ってくれる心のこもった逸品は、観光地によくあるそれとは一線を画していました。
【R-Serenar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(2) | 2011/09/21 Wed

小学的記憶

M8/R-Serenar 5cmF1.5
9月も下旬に差しかかっているというのに、この日の栃木は30度を超える真夏日でした。
せっかくの3連休だというのに、この暑さのためでしょう、観光で歩いている人があまりいません。
ましてや地元の人もあまり見かけません。

本来、秋の栃木は好いシーズンなので、わたしの被写体云々よりも、観光業の方には気の毒な気がしてしまいます。
川越、佐原とここ栃木が関東の3小江戸と呼ばれたりしますが、川越の集客は圧倒的としても、佐原にも観光客数で水を空けられていそうですがいかがなものでしょう。
都心から電車や車で来て、半日過ごすにはとてもよい所だと思うのですが。

わたしの散策スタイルとして、なるべく以前に通っていない道を歩くということを昨日書きましたが、さすがにカンカン照りのこの日はなるべく日影を選んで歩かざるを得ませんでした。
それでも、未知の道を進むと思わぬ発見があるものです。
ちっちゃな祠や、門扉の面白い装飾、有名な建物の意外な角度からの撮影等、些細なことばかりですが、マニュアルに沿った行動しかしない人には見つけられない散策のもうひちつの愉しみを味わうことができます。

今回、大きな発見として、高校の古い建物が記念図書館という名称で動態保存されているのを見つけました。
これは、地元の方には有名な建物なのかも知れませんが、観光地図から外れていて、記載も一切ないこの図書館は観光客が普通に歩いていたのではまず見つけることはないでしょう。
道に迷った人か、わたしのようなひねくれ者に与えられた特権です。

本来なら、この図書館も観光の目玉としてPRしたいのでしょうが、高校の敷地内にある現役の建物なのでそういうわけにはいかないのでしょう。
ぜひ、もっと近寄って手に触れて見学したいところですが、やはりごく一部にカメラを持ったいかがわしい人物がいるものです。
学生を危険に会わせるわけにはいかないのは当然のことです。

この建物にこだわる理由があります。
わたしが出た小学校は、当時、明治に建設された木造の古い建物だったのですが、栃木の図書館にそれを思い出して懐かしい気持ちになったのです。
もちろん、これほど立派ではない平凡な建築でしたが、この木板の重なり具合とクリームカラーは我が学び舎を彷彿とさせるに十分なものがありました。

できれば、中の廊下を歩いて、あの懐かしいぎしぎしという音を聞きたかったのですが、それは許されません。
わたしの卒業した小学校も卒業後ほどなくして、新校舎に建て替えられてしまっていて、外観の記憶は薄れるばかりです。
それでも、わたしが木でできたアイテムに強い愛着を感じるのは、6年間を過ごしたあの校舎の影響であるのは間違いなく、それを思い起こさせた散策は、それだけでも暑さを我慢して歩いた甲斐があるというものです。
【R-Serenar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(4) | 2011/09/20 Tue

第5次栃木行

M8/R-Serenar 5cmF1.5
毎年9月、栃木県まで用事があって車を運転して出掛けています。
その用事は15分もあれば済んでしまうので、そのためだけに往復するのはもったいなく感じられます。
そこで、いつも朝早く出掛けて用事を終わらして、続けて周辺を散策するパターンがすでに4年続いています。

1年目、結城、真壁とちょっと離れた野田をめぐりました。
2年目は、この年は栃木市の中心をゆっくり歩きました。
3年目には、少し手前の古河を見て回りました。
4年目としては、真岡の例大祭を見学しました。

こう書いてみると、栃木県に用事があって行ってるのに、栃木市以外はすべて県外と気付きました。
今年こそ県内をじっくりと考えたのですが、3連休の土日が別件の用事ができてしまい、道路渋滞が予想される連休最終日と言うことで、さっさと帰れる場所を選ばざるを得ませんでした。
そういう場所を探しましたが見つけられず、結局、また栃木市に向かうことになりました。

例によって10分少々で用が済んでしまったので、すぐに栃木駅方面へ向かいました。
駐車場に入れたのがほとんど12時近くで、2時には帰路につくことにしましたので、お昼に30分使うと1時間半の駆け足滞在です。
それでもこの辺りは3年振り3回目の来訪で、地図がなんとなく頭に入っていたので、何とかなりそうです。
前回のコースをなぞっては面白くないので、意識して前回通らなかった道を歩きました。

とはいえ、巴波川の川沿いは避けて歩けないところです。
何度か通ったことのある橋を懐かしみながら渡ろうとすると、おもしろいものを発見しました。
ここでは撮影しないつもりでしたが、あわててカメラバッグからM8を取り出しました。

佐原に橋から水が流れ落ちる通称ジャージャー橋というのがありますが、ライバル栃木は対抗策を打ち出したようです。
ジャージャー階段とでも言うのでしょうか、川べりに降りる階段から激しく水が流れ落ちています。
ウォータースライダーのように滑り降りるとお尻を打ちそうですし、歩いていても滑って転びそうで、この階段の水の意味がよく分かりません。

ただ、この日は9月というのにばかに暑い日でしたので、清涼感の演出には役立っていました。
それに子どもたちがこんな風に水遊びする場になっているのですから、その役割は存分に果たしていると言えるのでしょう。
栃木が、またひとつ好きになりました。
【R-Serenar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(2) | 2011/09/19 Mon

法布雷加斯

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
最後は深圳の町中に戻って、バルセロナのユニフォームを購入しました。
とはいってもこれはレプリカですし、わたしはサッカーをしませんので、もっぱら飾りか大事なゲームの時に来てテレビの前で応援するためのものです。
以前はオーセンティックのものを買っていましたが、安いものでも1万円近くもして、年数回着用しかしないことを考慮してレプリカに切り替えました。

以前は、eBayで購入していましたが、モノは安いのに送料が30ドルとかで、安く釣って送料で設ける式のやり方に腹を立て、数年前から深圳の町中に見つけたサッカーショップで購入するようになりました。
この店も、以前は番号と名前が入ったユニフォームを店内に並べていましたが、やはり2~3年前にその場で背番号を圧着してくれる方式で効率をあげています。

しかし、深圳が香港に隣接しているという立地的条件のためか、イングランドの強豪チームは割合と豊富にあるのに対して、スペインリーグではヨーロッパの覇者バルセロナと言えども、メッシ、イニエスタ、シャビと今回お願いしたセスクしか選択肢はありませんでした。
先日スペイン代表入りしたチアゴ・アルカンタラはもちろん、ブスケツ、ペドロの代表定着組もありませんし、代表エースのビジャですら扱われていないのが現状です(去年はなぜかピケがあったので迷わず購入しました)。

バルセロナ移籍が毎年ささやかれながら、今季、やっとの思いで念願のバルサのユニフォームに袖を通したセスクですが、わたしはあっさりと彼のレプリカユニフォームを入手してしまいました。
しかし、彼はそれ以上にあっさりとバルセロナのサッカーに馴染んだのは意外でした。
ブレシーズンマッチでは出遅れているのではとの心配もあったのですが、レアル・マドリードとのスーペルコパでフィットし始め、リーガでは開幕戦から完全に溶け込んでいるように見えました。

アーセナルの先輩としては、フレブが怪我もあって失格の烙印を押され、あのアンリですらトップのポジションながらシステムとして機能するのに長い時間を要しました。
セスクは違う、若いころをずっとバルサで過ごしたのだからと皆言うかも知れません。
本当にそうなのでしょうか、もう何年もブランクがあります。
でも、そうだとすると、カンテラと言うクラブの若手育成システムはすばらしいの一言に尽きます。

今朝のオサスナとのホームゲームでは、セスクの球捌きのセンスが光りました。
黄金期のバルセロナでいちばん心配なのが、三十台に入って円熟を磨きつつ、今後は衰え始めるだろうシャビの後任の問題です。
ブスケツがいると思っていましたが、ここのところセンターパックで起用されるケースが多く、前目の中盤での経験を積ませるべきではと感じていました。
ところが、セスクがイニエスタと被ることなくシャビの役割をこなしてくれているので、後継者問題はなくなったも同然となってしまいました。

ただ、今朝のオサスナにはがっかりさせられました。
最終ラインまでがはっきりしたマンマークをせずに、局面局面でメッシ、ビシャ、セスクを完全にフリーにしてしまいました。
解消するのは嬉しいですが、せっかく朝5時にがんばって起きて、前半早々から緊張感を失うような試合を見せられるのは失望感が大きすぎます。
もっとクロスゲームでドキドキさせてもらいたいものです。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(3) | 2011/09/18 Sun

従Ernostar到Sonnar

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
ksmtさんがまた新しくエルノスターを入手したようです。
12.5cmf1.8とありましたので、めずらしい焦点距離ですし、スペックから分かるように前玉のかなり大きなレンズです。
10.5cmの同レンズとの比較作例がこのレンズのすばらしさを証明しています。

所有されているエルノスターは、10cmF2(×2本)、10.5cmF1.8、12.5cmF1.8、15cmF2,7と4種5本、他に作例として借用した8.5cmF1,8も出ています。
高価なエルノスターをこれだけ集められるというのは、写りがすばらしいということです。
また、元来がエルマノックスなどカメラに固着されていたレンズと言うことで、ウェブ上に作例の極めて少ないレンズのため、自らの手で見極めたいというksmtさんの研究心が発揮されています。

エルノスターの描写はたいへんすっきりと先鋭で、ksmtさんは、絞り開放での使用を前提とした設計ではないかと推定されています。
実際に、開放描写がたいへん魅力的で、逆に絞っても深度に変化が出るだけで描写が良くなっていくということはないようです。
レンズの性能もさることながら、エルノスターはレンズ設計史上でもたいへん重要な位置を占めていて、何としても手に入れたいレンズですが、未だ縁がありません。

エルノスターを弱冠23歳で開発したベルテレが、その12年後、エルノスターを改良して設計したのがゾナーです。
ゾナーは開放からたいへんシャープであること、ボケが乱れにくいことなどがエルノスターの系譜であることを証明していると思われます。
コンタックスの標準レンズでしたので、製造数は少なくありませんが、バックフォーカスが短かったため、広角に進展せず一眼レフが台頭してオリジナル設計のゾナーが消えていった点でも、エルノスターの運命に近いものを感じます。

さて、今回のゾナー5.8cmF1.5ですが、以前も言及したように、本当にツァイスのオリジナルレンズなのか、かなり胡散臭いところのあるレンズです。
ツァイスの資料に登場しませんし、コンタックス用のゾナー5cmF1.5などは工場まるごとソ連に接収されて、ZKとかジュピター銘のレンズとして製造されましたので、怪しさが付きまといます。
例えば、ソ連が外貨獲得のために製造したフェイクであるとか、イエナに残ったツァイスのスタッフが残った器材で作ったレンズだとか噂レベルの話がいくつかあるようです。

ゾナー5cmF1.5との比較ではっきりと言えるのは、5.8cmF1.5もゾナーの構成だということです。
蛍光灯の光を反射させると、両者はまったく同じ反射面ができますし、左右に振ると反射面はやはり同じ動きをします。
ガウスタイプはもちろん、ゾナーのF2と比較するとあきらかに違いますので、ゾナーF1.5独特のパターンと分かる訳です。
もうひとつは、焦点距離が両者で違うということです。
焦点距離が5.8cmかは確認していませんが、5cmと比べると若干画角が狭くなることは確認できます。

以上から、少なくともゾナーF1.5と同じ設計で、そのゾナーにはない画角の高性能のレンズであるということだけは分かります。
それ以上のことは、やはり不明のままですが、それでもこれだけ写るレンズは愉しく、来歴を想像する愉しみと合わせて二重の喜びが味わえるレンズとすればよいのではないかと思います。

葵涌最後の作例は、古建築で商売する四邑店の様子です。
店名の下には「農具、園芸精品、刀具、漁網、竹器、ロープ」と書かれていますので、さしずめ中国版ミニホームセンターと言えるでしょう。
立派な店構えに掘出物が眠っていそうな暗く奥行きある店内、龍眼を食べながらどつしり構える店番の奥さん。
どれもが、葵涌という土地を指し示してくれる魅力をいっぱいに湛えていました。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(4) | 2011/09/17 Sat

真棒衬衫

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
おととい、葵涌の不思議として、女子中学生が、皆、バケツを持って下校していると言いました。
じつは、もうひとつ不思議なことがありました。
自分はほんとうに頭がおかしくなってしまったんじゃないかと思い、いや、びつくりテレビか何かで村中みんなでわたしを嵌めようとしているのではないかと思ったほどです。

市場で野菜を売る人は多く、権利を持ってないのか単に場所が狭いからか、途中の道も市場の延長になっていました。
そこには陳列台もなにもないので、引いてきた大八車をそのままテーブルにして商いしています。
その背後が古建築でしたが、斜めに射す西日が柔らかい空気を生み出していました。
首尾よく自転車の青年が買い物しはじめると、中国ではまだまだ現役で活躍する天秤ばかりで1グラムだって損はしないわと真剣に計量しています。

そんな姿に釣られるのか、今度は別の青年が自転車で現れ、続けさまにバイクの兄ちゃんも近づいてきます。
つい今までは客なんてなかったのに、あっという間に盛況になってしまいました。
3人とも客は男性で、狭い路地なので他にはあまり走っていなかった2輪で乗り付けているのが面白いですね。
そういえば、大八車も2輪でした。

3人が取り囲むようにバランス良く配置されているのもおもしろいと思っていたら、はっとあることに気付きました。
3人は別々に来ていて互いに知り合いではなさそうでしたし、色がまったく違うので最初は気付きませんでした。
そう、3人ともポロシャツを着ていて、その背中には「SUPERB」の文字が主張しています。
3人ともスパーブシャツというのは、偶然の一致でしょうか。

そもそもスパーブってなんでしょう。
流行中のアイドルグループ、中国版AKBとかでしょうか。
何だか分からずに少し歩くと、なんとすれ違う人、前を行く人とスパーブシャツを着ている人がわんさかいます。
男性ばかりでなく女性もいっぱいで、女の子が5人並んでスパーブだったりというケースもありました。
よく見れば、市場周辺にいる人の6割くらいはみんなスパーブです。

さっきまで気付かなかったけど、みんなスパーブを来て歩いていたのかなあ、もしや、わたしをからかうために、みんなで同じシャツを着ているのではと、混乱した頭ではまともな判断もできなくなってしまいました。
冗談ではなく、この時のわたしはパニックに近い状態で、顔色が変わるくらい動揺していたと思います。
知らない町にやって来たら、歩いているのは自分以外人間ではなくゾンビだった、というのに近い感覚だったようです。
そのくらい、スパーブシャツの群れに呑み込まれてしまいました。

じつは、途中、舟でご馳走になったのと同じ龍眼を見つけて買っていたのですが、ゾンビに襲われて自分もスパーブシャツを着せられる前にと懸命にそこへ戻りました。
さきほど龍眼を取り分けてくれた女の子はスパーブシャツは来ておらず、あらあらそんなに慌ててどうしたのと声をかけてくれました。
わたしは他の人に聞かれないよう小さな声で、いったいなぜ、みんな同じスパーブシャツを着ているのだとたずねました。

そこで明かされたスパーブシャツの謎の答えは次のようなものでした。
あれは、近くにある大きな工場の制服よ。
いま、ちょうど5時を過ぎたから、仕事を終えた人たちが一斉に出てきたの。
毎日こんなよ。
…。

なんともつまらない回答で申し訳ありません。
しかし、わたしはそのとき本当に恐怖を感じていたのです。
外国の初めての町で、突然同じ服装の人ばかりに囲まれたら、誰もが同様の状況に追い込まれただろうと、わたしは確信します。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/16 Fri

市場裏面進出

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
葵涌老街を歩いてもコンビニやスーパーはありませんでしたが、予想外に大きな市場がありました。
ざっと歩いてみると、肉や魚、野菜、果物、干物、調味料と何でも揃っていて、庶民の台所そのものです。
しかも、魚はもとより、トリ類やウサギなどは生きたまま売られています。

トリ類と表現したのは、ニワトリのみならず種類が豊富だからで、恐らくガチョウ、アヒル、カモ等々十種類くらいは狭い籠でがやがややっていました。
それ以外の肉類はすでにわたしには何の肉なのか分かりません。
客家の多い土地なので、あるいは狗肉もあるかも知れず、ちょっと怖くなって退散します。

野菜も種類が豊富です。
キュウリ、ダイコン、ナスなど日本とそうそう変わらないものもあれば、だいぶ日本サイズより巨大なのがあって、こういうのは大味なんだろうなあと想像します。
中国でレストランに入って青菜と頼むと、常に5~10種類から選ばないといけません。
とてもじゃないですが、○○菜がどんな野菜なのかなんて覚えられたものではありません。

さて、やはり面白く感じられたのが魚介屋さんが集まる一角でした。
まず、エビや貝類を覗くとその多くが淡水魚でした。
埧光の海から10キロ程度しか離れていない、海から比較的近い土地にも関わらずです。
その淡水魚も見たことないのが何種類もいて、水族館のようでした。

作例は、ちょうどお客さんが魚を注文したところで、魚屋さんは生きたまま魚を渡すかと思えば、しっかり内臓を出して血抜きしていました。
大きなゴム手袋をしながら実に器用に魚をさばいていく様子はわざわざ見学するだけの価値ありです。

ただ、魚種が分かりません。
お腹がオレンジ色で平たいので、ピラニアを連想しましたが、そんなことはないでしょう。
日本ではタイの代用になっているテラピアでしょうか。
聞いてみましたが、中国語の魚種名を言われても何のことか分かるはずもありません。

捌き終えたおじさんに、何で写真なんか撮るんだいと聞かれたました。
日本にこんなサカナはいないし、あなたの包丁さばきが見事で思わず撮影しましたと答えると、えへへと、満更でもなさそうです。
この笑顔が田舎ならではの屈託のなさです。
ああ、しかし、美味しいかどうかを聴き忘れたことに、今、思い当りました。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(1) | comment(0) | 2011/09/15 Thu

拿水桶下課

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
葵涌は、このエリアの中心になる街だと思います。
たぶん面積はかなり広く、大きな工場と思われる広い土地もかなり見かけましたが、旧市街の方は老街などと書いてあって名前からも散歩意欲をそそられました。
ただ、古建築、古いだけの家、新しい家と混在で、美しい町並みと言うには程遠いかも知れません。

それでも歩いていて愉しいのは、そこかしこから生活の臭いがぷんぷんと漂ってくるような雰囲気に満ちているからです。
最初に撮ったおじいさんとはちょっと険悪になってしまいましたが、以降はなるべく感づかれないようにスナップして、ひとり悦に入ってしまいました。

作例では、話に盛り上がっている女子学生で、そのまま撮ってもばれなかったかも知れませんが、慎重にノーファインダーで自然な雰囲気を写したつもりです。
通過予測地点にピントを置いて、そのあたりで数枚シャッターを切りました。
背景を見ると、大きく左に傾いでしまっているのが恥ずかしいですが、女の子たちの姿はそれほど不自然でありません。
これはこれで動きがあるようで好いような気がします。

撮影法は、"胸だめ"です。
しばらく前の、Shasindbadさんの"レンズ千夜一夜"に、腰だめ撮影法について言及がありました。
腰だめという言葉が一般的用語なのか、Shasindbadさんの造語なのか聞きそびれていますが、この撮影法と理由の説明は簡潔にして実に的を射ていて、さすがと思いました。

その意識があったので、先週のクセノゴン35mmを使った時には、かなり腰だめを真似させていただきました。
このシーンでは、広角ではないので高さが胸位置でも不自然にはならないだろうと判断して、独自の胸だめで撮った次第です。
慣れの問題もありますが、わたしはノーファインダーではいつも胸位置でしたので、少し出っ張っている胸より、腹の下の腰位置の方が動作しにくいということがあったからです。
ただ、チェストレベルファインダーとは言わずウェストレベルなのですから、やはり腰位置が正解なのでしょうけど。

こんな感じのスナップを学生、子どもたち、おばさん、自転車等々何枚も撮りましたが、その中ではこの少女の表情が気に入りました。
そういえば、どういうわけか下校している中学生はみんなバックパックにバケツという出で立ちでした。
気になったので、訊ねてみたかったのですが、ついに聞かずじまいでした。
胸だめならぬ、胸に疑問を溜めたまま帰ってしまったのです。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/14 Wed

小房子的故事

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
埧光で知り合った王君と陽気な女の子たちとは、葵涌のバス停で別れました。
彼らについて深圳に戻って、飯でも食べながら中国の若者事情を聞いたりなどのアイディアも浮かびましたが、王君が電話番号をくれたのでまた次回会うことも可能です。
それよりも埧光からのバスが通った葵涌のひたびた感じの町並みが魅力的で、ここは素通りしないわけにはいかないと思いました。

とくに美しい町並みに感動したということではありません。
石造りの古民家が点在しているのは分かりましたが、それよりも、いかにも田舎の香りのするのんびり感と人出が多くて歩くのが愉しそうな雰囲気がわたしを誘いました。

お昼がまだだったので、まずは腹ごしらえです。
できれば土地の料理をと思いますが、なぜかそんな店が探せど見つかりません。
それどころか食事できる店が数軒しかありませんでした。
おそらく、どこかに食堂街のようなエリアがあったのかも知れませんが、もう3時を回っていてあまりもたもたもしていられませんので、餃子屋さんに入ってみました。

広東省では餃子はあまり食べませんので、北方から来た人の店のようです。
案の定店員が訛っていて(というよりこれが正統派中国語ですが)、ちょっと聞きとりづらいものがありました。
羊肉の水餃子を頼みましたが、味覚的には期待したほどではありませんでした。
水餃子独特のつるつるっとした食感がいまひとつです。
南方では、良質の小麦が入手困難だからでしょうか。
しかし、喉からからで飲んだハルビンビールは全身に沁みわたる美味さだったことは書き忘れるわけにはいきません。

散策開始すると、少し日が陰りはじめています。
それが清代の古建築の白い壁をピンクに染めて、またよい感じです。
まずはこの建物から撮影しましたが、作例のおじいさんはあまり友好的ではなく、話を聞くことができませんでした。
なんでこんな古い家を撮るんだ、もっと新しくてきれいな建物がいっぱいあるのにとぶつぶつ言っています。
若い人よりもおじいさんの方が被写体として魅力的ですよと応じましたが、通じたかどうか…。


まったく関係ない話になりますが、何度か予告したように、夏季休暇でスペイン行を計画しています。
来週出発予定ですので、前々回、前回とたぶん10年くらい前に行ったとき知り合ったバルセロナ郊外の村に住む人に電話してみました。
彼は英語堪能ですが、わたしの方が電話でしゃべる英語に自信なしです。
そもそも長期間連絡していなくて、はたしてわたしを覚えているか、いや、彼が実家にいるかだって分かりません。

ところが、聞き覚えのあるなつかしい彼の声が電話を通して聞こえてきました。
最初きょとんとしている風でしたが、わたしと認めると、飛び上がらんばかりに驚いている様子が伝わります。
事情を話すと、喜んでくれ、バルセロナまで迎えに行くと言ってくれました。
それならとわたしが提案したのが、いっしょにFCバルセロナの試合を観ようでした。
そうだねと盛り上がります。
こんなちょっとした会話で、スペイン行が一気に愉しみになって来ました。

ところで、彼はわたしと知ると、コンバンハと言い、電話を切る際にサヨナラと言いました。
母国語スペイン語はもちろん、カタルーニャ人なのでカタルーニャ語が本来の母語で、英語、ドイツ語、フランス語もできる語学に堪能な男です。
それで、前回会った時に話してくれたエピソードを思い出しました。

彼がアメリカをひとり旅したとき、若い日本人女性ふたり組と知り合いになり、しばらく道中を共にしたりしたそうです。
そのときスペイン語ができないと言っていた日本人の女の子たちが、スペイン語で小さな家という言葉を連発していたそうです。
彼はびっくりして、スペイン語がうまいんじゃないかと聞くと話がかみあわず、それは I am hungry.という意味の日本語だと言われたということでした。

彼女たちなんて言ったのと聞くと、お腹空いた、お腹空いたと言います。
それはきれいな日本語の発音です。
でも彼は、Una casita.と言ったのだとのこと。
ウナ・カシータとはカタカナで書くととてもお腹空いたを連想できませんが、これは発音がそっくりでした。
もし、スペイン人か中南米出身の知り合いがいたら、小さな家を指差しながら「お腹空いた」と言ってみてください。
たぶんですが、知り合いは、お前スペイン語できるのかとびつくりすることでしょう。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/13 Tue

中国的年軽世代

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
埧光はほんとうに小さな集落ですが、最初の古民家の並ぶ魅力的な通りから、滅茶苦茶に長い埠頭や海の神様を祀った祠を持つ風光明媚な海岸、何にもない草原と歩いて、最後に湿地エリアにやってきました。
じつは、埧光自体は広いエリアに小さな集落が点在していて、メインの集落は新しい建物が密集する大きな村でした。
わたしが訪れた集落は、たぶん埧光村○○鎮と続く名前があったのでしょうが、埧光の古い家があるところと言うとここを指すのでついに名前を知る機会はありませんでした。

その湿地は面積こそとれほど広くありませんが、自然を凝縮したようなまとまりを感じさせます。
何種類もの鳥を見ましたが、ブルーが美しいカワセミが唯一わたしの知る鳥でした。
さらにトンボが飛びまわりムツゴロウがあちこち這ったり潜ったりしています。
植物のことは分かりませんが、500年前の銀葉古樹から水生植物まで、箱庭のような空間を作り出していました。

そして湿地の水は、この湿地をゆっくりと通り抜けて海岸に注いでいるのですが、そのせせらぎが清涼感をともなって美しい水音を響かせているのです。
深圳という大都会にあって文字通りオアシスのような空間と言えます。

よい気分で歩いていると若い女性に観光で来たのですか、と声をかけられました。
そうですと答え、男性ひとり女性ふたりの3人組にあなたたちはと聞くと、彼らはここでボランティアの案内をしているのだと言います。
3人はまったく別々に埧光の環境を守るボランティアに登録し、1ヶ月に1回程度週末ここへ来て、この自然の素晴らしさを訪れた人に説明しているとのことでした。

中国ではもともと無料奉仕の概念が薄いですし、環境保全となるとさらに意識はない人たちばかりです。
しかし、近年になって豊かになるにつれ、若い人たちを中心にこういうボランティアなどが現れてきたようです。
なにしろ、中国人はゴミを川や海に投棄してしまいますから、多くの人は自然を巨大なゴミ箱と見做しているようなところがありますので、こういった運動が広がることを期待しないではありません。

残念ながら女性陣はぜんぜんだめでしたが、作例左の王君は福建省の大学を出たばかりで流暢な英語で会話がはずみました。
かれらが夢を持って頑張っていることが、会話から伝わります。

記念にと言うことで、3人並んで500年前の古樹をパックに写真を撮らせてもらいました。
段階露出と言うことで3枚撮らせてもらいましたが、作例はその3枚目です。
いちばんアンダーなものですが、せいぜい1枚か2枚撮ると思っていたところにもう1枚と言われて、えっまたという感じでいちばんリラックスしているみんなの表情がよかったので採用しました。
複数枚撮ると決まって最初の1枚が好いのですが、これはめずらしい例外となりました。

葵涌まで行くバスがもうすぐ来るのでいっしょに戻りませんかと声をかけてもらい、同意しました。
ほんとは、ここのレストランで魚介料理のランチと考えていたのですが、龍眼を食べ過ぎてお腹が空いていなかったので移動を決意しました。

歩いて大通りに行ってパスを待ちますが、なかなかやって来ません。
おかしいおかしいと電話で問い合わせると、2日前の9月1日からスケジュールが変更になったらしく、30分余分に待つことになりました。
暑さは堪えましたが、若い彼らとの愉しい会話の時間が増えたのは、けっして悪いことではありませんでした。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/12 Mon

在草原中心結婚

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
おとといと昨日見た長い埠頭の他に、十数メートルの短い堤防が2本並行してありました。
しかし、そこには舟は一艘もなく、代わりに若いカップルとカメラマンとその助手がいました。
拙ブログで何回か紹介したことのある、結婚写真を撮っているところだったのです。
埧光は、結婚写真のメッカだったのです。

海あり緑あり古民家の連なりありで、背景には事欠きません。
また、交通不便な田舎なので、わたしのような物好きを除くと野次馬がいなくて集中して撮影できるということもあるかも知れません。
もし、深圳の新婚さんの知り合いがいたら結婚写真を見せてもらうと、埧光で撮影したものが見つかるかも知れません。

それにしても、わたしなんか少し歩いただけでバケツの水を頭から被ったような大汗をかくほど高温超多湿状態で、燕尾服にウェディングドレスの格好でずっといれるのがすごすぎます。
男女ともかなりの厚化粧でしたがぜんぜん崩れていませんでした。

ところで、その堤防に立て札が立っていて、子どもは危ないので遊ばないようにとか書いてあるのかと思い、読んでみると思わずのけぞらんばかりに驚きました。
「この堤防で結婚写真を撮る場合、十元お支払いください…」
ここで結婚写真を撮ると120円払わなくてはいけないのだそうです。
なぜに有料、なぜにわずか120円、とても先ほど龍眼をくださった素朴な漁民が書いたものとは思えません。
ちなみに作例は、草原でポーズする別のカップルですが、彼らも120円支払いしたのでしょうか。

話は旅とは関係なくなりますが、今朝、FCバルセロナのリーガ第3節(第1節が中止になったため第2戦目)がありましたので報告しておきましょう。
レアル・ソシエダとのアウェイゲームでしたが、足元を救われるかっこうになりました。
昨年、2敗しかしなかったバルサの1敗はこのソシエダでしたが、またやられたかっこうです。

いえ、負けたわけではなく引き分けだったのですが、前半早々に2点を先制しながら後半ミスなどから追い付かれる負けに近い勝ち点1でした。
前週に代表戦があって今週はチャンピオンズリーグがありましたので、選手を入れ替えましたが、やはりシャビ、イニエスタが出場していない時間帯はリズムが作れなかったのが気になりますし、アレクシス・サンチェスが深いタックルを受けて病院へ直行したのも心配です。

このゲームは日本時間の朝5時から7時のあいだおこなわれましたが、続いて10時から同じくバルサに関連することがあって、わたしは午前中の予定をバルサに集中しなくてはならなくなりました。
かつてトヨタカップと言われたFIFAクラブワールドカップのチケット発売開始だったのです。
昨年度欧州覇者のバルサが来日し、クラブ世界一を目指す大会です。
見逃してはいけません。

インターネットと電話で受け付けるとあり、双方で必死のアクセスを試みましたが、これがまったく通じません。
電話はおなじみのたいへんかかりにくくなっておりますとのアナウンスを聞き続け、ネットもアクセスが集中していますというエラーメッセージにいきあたるばかりです。
必死で操作を繰り返しましたが、どうにもならないうちに刻々と時間ばかりが過ぎて、とうとう3時間が過ぎチケット入手は絶望的な状況でした。

しかし、奇跡は起こるものですね。
席種は4種類あって、もう3種は売り切れの表示が出て、もう数分で全席売り切れなのだろうと思った矢先、ネットがぱんぱんぱんとつながって、チケットが取れてしまったのです。
早朝に起きてはミスから失点して引き分け、チケットを撮ろうとすれば数時間がんばったけどむなしい結果と、無駄な1日を過ごしてしまったと考えていたところだけに感慨深いものがありました。

しかし、こういうチケット販売は取れた取れないにかかわらず1時間ほどですべて売り切れると思って、午後に予定を入れていたのが狂ってしまったという誤算はありました。
まさにバルサにささげた1日です。
決選の日は、12月18日とまだ3ヶ月も先ですが、バルサが再び世界を制覇する忘れがたい日になることを願ってやみません。
前回は、UAE開催だったためテレビ観戦でしたし、その前に横浜で決勝を戦った時は、苦杯を舐めています。
最高の感動に導くチケット入手、それがわたしにとっての9.11の10周年であり、3.11の半年後でした。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/11 Sun

龍眼的味道

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
埠頭の先端に行ってみたいのですが。
海岸でくつろいで雑談していた地元の漁師さんに声をかけると、ああいいよと許可が出ました。
海に落っこちないように気をつけてな、と付け加えるほど親切な人たちのようです。
いや、子どもやおばあちゃんがさっさと歩いていたので危険を想像できていませんでしたが、渡してある板がところどころ外れていたり、まともな板も踏むとかなり軋んだりで、なるほど注意する理由は理解できました。

岸からは舟が3艘係留されているように見えたのですが、想像していたより小さな舟が7~8艘も並んでいてちょっと驚きました。
ふたりが歩いていましたから無人でないことは分かっていましたが、かなりの人が舟に乗っていました。
話をする人たち、イワシを下ろしているいる人、ぼんやりする人、遊んでいる子どもたちと、総計20人くらいはいます。

しかし、よそ者のわたしを気にする人は誰もいません。
いきなり話しかけにくい雰囲気もあって、しばらく様子を観察したり写真を撮ったりしていました。
彼らの話している言葉は標準語である普通話でないのはもちろん、どうも広東語でもなさそうで、たぶん客家語ではないかと察せられました。
いずれにしても、何をしゃべっているのかさっぱり分かりません。

そのうちに、ひとりの女性からよかったら食べませんかと、果実の束を差し出されました。
龍眼です。
直径2センチ近い玉コロの皮を指でぺろんとめくると、中に白くみずみずしい果肉が入っています。
その白っぽい玉が、龍の眼のようだからとこの名前が付いたようです。
龍は縁起ものだから、栽培する人にとっても好いネーミングでした。
外観については、作例写真の女性の足元に実物がありますので、御覧になってみてください。

龍眼は、少しだけ甘いやわらかな食感がなかなかいけます。
ライチに似ていますが、ライチのような酸味はなく、より素朴でいくらでも食べられる味です。
近くの木から自分で取って来たそうで、龍眼は収穫期間が短く2週間ほどで終わってしまうというので、いいタイミングで来れて幸運でしたと礼を述べました。

舟の中に入ってもいいとのことだったので、船べりに腰掛けて生活のことなどをうかがいました。
皆さん、かなり長くこの土地に住んでいる客家だそうで、集落の人口も何十人かだろうとはっきりは分からないようです。
毎朝早くに近くの漁場に出て、午前中の内に戻ってきます。
魚は市場で売るとかではなく、仲買人(たぶん)や近くのレストラン、近所の人に卸すのだそうです。
今の時期は大きい魚が獲れると言って両手を50センチ以上広げていましたが、魚種が分かりません。
日本ならこの時期はイナダあたりでしょうが、さすがに外国で目にしていない魚種を特定するのは絶望的でした。

お礼を言って立ち去ろうとすると、よければもっと食べてと龍眼をまたひと束渡されました。
田舎の人が親切というのは、中国でも、深圳市内であっても世界共通の真理です。
たった今来た岸と舟をつなぐ板の道を、足元を気にしながら、龍眼をひとつひとつ頬張りつつ引き返しました。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/10 Sat

小小的嗎頭

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
埧光についてすぐにレンズをゾナーに交換しました。
台風はどうやら直撃せずに大きく反れて行ったようで、雨も朝から上がってしまいましたが、ものすごい湿度の高さで蒸すので、レンズがくもって昨日と同じような写真になってしまいそうで、それなら昨日とは違うレンズにしようと考えたからです。
慣れない広角から標準に変えた途端、自分自身も少し窮屈な所から出たような開放感がありました。

毎月のように中国へ渡航するたびに50mm(2inch)F1.5というスペックのレンズを連れていくのをライフワークのようにしていましたが、ついにネタは尽きました。
とは言っても焦点距離のレンジが若干狭まっただけなので、これは記録継続と言うことにします。

振り返ってみると、2年前の11月から、22本目のF1.5標準レンズの使用と言うことになります。
一覧にしてみます。

2009年11月 マイヤー・キノプラズマート
     12月 マイヤー・プリモプラン
2010年 1月 シュナイダー・クセノン
      2月 ツァイス・ゾナー
      3月 フトゥラ・フリロン
      4月 田中光学・タナー
      5月 ウォーレンサック・シネヴェロスティグマット      
      6月 ダルマイヤー・アナスティグマツト
      7月 日本光学・ニッコールSC
      8月 フォクトレンダー・ノクトン     
      9月 東京光学・シムラー
     10月 キヤノン・レンズ
     11月 ジュピター3
     12月 ライツ・クセノン
2011年 1月 アンジェニュー・S5
      2月 ツァイス・ゾナー(グラウ)
      3月 東京光学・トプコール
      4月 ウォーレンサック・ラプター
      6月 精機光学・セレナー
      7月 ゾルキー・ZK
      8月 ライツ・ズマリット

しかし、前述の通り、もう持ち玉はありません。
2本ほど調整をお願いしているレンズがあるので、状況を聴聞いてみたいと思いますが、たいへん厳しい状況です。
となると、広角や望遠も導入して、F1.5シリーズとして継続するしかなくなってきます。
あるいは新しいシリーズを考えなくてはなりません。

さて、作例は埧光の埠頭です。
風光明媚な入り組んだ入り江の中の穏やかな漁港だということが分かると思います。
そう言えば、到着してすぐにいかにも漁師という雰囲気のおじさんが、たらいに入れた小エビを民家に売り歩いているのを見ました。
人口500万とも800万とも言われる深圳にも、こんな鄙びたところがたくさんあるのが嬉しいですね。

ところで、ゾナー58mmF1.5ですが、わたしの持つF1.5標準レンズの中でもノンコーティングレンズのものではいちばんシャープな描写をします。
しかし、それはどうも中心部だけの話で、作例では橋げたが右へ行くほど怪しい描写になっていくのがはっきり見て取れます。
恐らくコマ収差が悪さをしているのでしょう。

これはF4まで絞ると問題ないレベルまで改善されます。
風景のような無限遠の撮影で開放で撮るようなことは普通ありませんので、こういう写真を平気で出すのはわたしのような素人の専売特許です。
でも、こうやってレンズの収差を見ることは、正しくないとかつまらないとか、そういう風には思いません。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(6) | 2011/09/09 Fri

周末郊外

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
明けて土曜日は、久しぶりにひとりで深圳郊外を歩いてみることにしました。
広東省の鄙びた村ばかりを紹介した本に出ていた埧(本当は土へんに貝)光という漁村です。
深圳市内と言っても東のはずれのため、バスを乗り継ぐと3時間以上かかりそうで、いままで行くチャンスがありませんでした。
しかし、今年になって深圳の中心から葵涌経由で大鵬方面へ行く急行バスがあるのを知って、これなら1時間そこそこで埧光に行けるぞと今回チャレンジしてみたわけです。

これなら慌てる必要はないと、朝ゆっくり9時ごろ宿を出てよく行く四川の麺屋で激辛牛肉麺の朝食をとってから出発しました。
まず急行バスは宿でネット検索してE11路という路線番号と確認し、始発の銀湖バスターミナルまで出なくても最寄りの児童公園で乗ればいいだろうと踏んで、バス停まで歩きました。
公園が道路と2面で接しているため迷いましたが、結果的にこの判断は正しくバス停に着いて5分ほどでE11がやってきました。

深圳のバス路線は通常3桁までの番号のみで記し、夜行バスはN○○○のように頭にNを付けて示します。
夜行ですからNはナイトの略だと思いますので、E11のEはエクスプレスの略だと想像できます。
ただ、お隣の香港では夜行バスは同様にNが着きますが、急行バスはXを付けます。
エクスプレスを略すとやはりEではなくXとするのが普通の感覚ですので、あるいはEには別の意味があるのかも知れません。

普通、路線バスは運転手の判断でもうこれ以上無理というところまで乗せますが、Eバスは座席数=定員=それ以上乗車させないという決まりがあるようです。
私が乗車したのは始発から4っつ目くらいのバス停でしたが、市内ではもう3つほどバス停があるにも関わらず、次のバス停で定員になり以降は通過してしまいます。
運が悪ければ始発で満員になって途中のバス停で待っている人はなかなか乗れないということも考えられます。

バスは少し走って高速道路に入りますので、深圳ではあたりまえの渋滞の影響もなくあっという間に乗り換え予定の葵涌汽車站に到着してしまいました。
たぶん50キロ以上あったと思うのですが、30分かかっていません。
E11の存在を知らなければ、海水浴場で有名な大梅沙などの観光地経由の鈍行バスで2時間近くかかるはずです。

あとは埧光行きのバスに乗り換えるだけですが、これがどこから乗るのかとんと分かりません。
葵涌汽車站は、葵涌バスターミナルという意味ですが、あきらかに名前負けしている田舎のバス停で、待合に貼られた時刻表には10本くらいの長距離バスの時間が記されているのみです。
仕方ないので、商店で水を買って、埧光行きのバスのことを訊ねました。
2時間に1本くらいしかないけど道路で待っていればそのうちくるよとの呑気な回答でした。
路上で客待ちしているバイクタクシーがいたので、あれだといくらかかるかなあと聞くと、たぶん20元だろうと言うことでした。
迷わずバイクタクシーを利用することにしました。

早速ドライバーに話しかけると埧光まで40元だと言います。
あきらかによそ者ですから、当然のように吹っかけられたわけです。
わたしが20元で行ってくれと頼みましたが、そんなに安くては行けないと、相手も強気の交渉です。
しばらくのやり取りで30元まで下がりましたが、それでも20元を譲らないと、運転手は怒ってしまい交渉決裂してしまいました。

実際に30元が相場なのかと思ったところ、その運転手の仲間が25元ならオレが行ってやると申し出て来ました。
ここで素直に受けるのも癪なので、20元でなくては行かないとわたしも勝負に出ます。
しかし、この運転手、先ほどのと違いいかにも人が好さそうで、本当は25元でないと行かないが、23元に下げるからと言うので、分かった22元でOKと返事し、運転手も仕方ない22元で行くよとエンジンを始動しました。
1元=12円を値切るあとあと考えれば、血も涙もないやり取りだったと恥ずかしくなりましたが、中国ではこのくらいのことをやっていかないとバンバンボラレてしまいます。

運転手によれば15キロ離れているとのことで、その距離を250円ほどなら安かったと言えます。
会話がうまく通じないところがあって、じつは、わたしは日本人だと告白すると、金を持っているくせになんてケチなんだと怒られると思いきや、初めて外国人を乗せたとむしろ上機嫌になってしまいました。
その後は15分の道のりをずっと会話しながら進みました。
いま、ガソリン代も上がってしまい、厳しいんだというような本音も聞かれ、到着時には彼の言い値の23元しっかり支払いしました。

なんでもない、移動のことをつらつらと書いてしまいましたが、わたしはちょっと調べたり、迷ったり、交渉したり、なんでもやり取りしたりと、そういうちっちゃなことが大好きです。
そこに旅を感じられるからです。
目的地がとてもすばらしく一刻も早く到着したいんだというなら煩わしいだけかも知れませんが、わたしの小さな旅では出発から到着までのすべてが平均した旅しているという行為そのものなのです。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/08 Thu

瓦礫

M8/Xenogon 35mmF2.8
瓦礫を見ると忌まわしい東北の津波の被災地が真っ先に頭に浮かんでしまいます。
もともと瓦礫の山には、絶望感というか、希望をぺしゃんこにしたというようなことを連想させる力があると思うのですが、震災以降はテレビで繰り返し見た画像がその感を一層強くしました。

以前、何度か食事に来たことのある国貿エリアに通りがかったとき、この瓦礫の山を見てたじろがずにはいられませんでした。
前述の被災の場面が頭を掠めたことと、以前何度か食事した建物が焼失してしまった戸惑いからでした。
たしかに少し老朽化した低層ビルでしたが、しばらく来ないうちにこんな姿になっていたというのは驚きです。
再開発ということで立派な高層ビルが建つのでしょう。

さて、今回は広角のクセノゴンでスタートしましたが、今日までの3枚で終了です。
つい最近前玉にキズがあるというのを格安で買ったばかりでしたが、広角が性に合わない意識はかなり進行しており、初日は頑張って使ってみたものの、2日目以降はバッグから日の目を見ることはありませんでした。

ノンライツの35mmとしては、恐らく、ヘリゴンと双璧のシャープ&ハイコントラスト・レンズですが、クセノゴンの方には問題がありました。
M6などで使うとフォーカシングレバーがカメラのフレームセレクトレバーに干渉してしまってフォーカシングできなくなってしまうのです。
ぎりぎりのところであたってしまうため、よくこのレンズのフォーカシングレバーを削ったり、上に少し曲げたりしてある個体を目にするくらいです。

実はだいぶ以前にこのレンズを所有していたことがあるのですが、M6をメインに使っていた時代だったため、このレバーが邪魔で売却してしまいました。
当時、すごくよく写るレンズとして一目置いていましたが、やはり、写り過ぎることに興味を失いレバーを曲げてまで使おうとは思わなかったのです。

このレンズは、4群6枚のガウスタイプで、同じシュナイダーのレチナ用のクセノン50mmF2.8がそうだったようにF値を落とすことで開放からの高性能化を図っているようなところがあり、走り高跳びであとバーをちょっと上げれば世界記録が狙えるのに、無理せず大会での金メダルを狙ったというような超堅実性みたいなものを感じてしまい、どうもいまひとつ好きになれない嫌いがあったのです。
同じ設計で少し口径を拡大してF2までもっていって欲しかったし、その場合どんな描写をしたのかと残念でなりません。

天下のシュナイダーがそんなことする必要がないではないかという意見が聞こえてきそうですが、そのシュナイダーにクセノン5cmF1.5というたいへん面白いレンズがあります。
これも謎の多いレンズですが、ゾナー型でF1.5と頑張っていますが、これだってF2に抑えて開放から破たんのないすばらしい写りにしてしまうことができたのに、F1.5にしたおかげでたいへんなお気に入りレンズとなったのです。

そんな中、今回クセノゴンの安い出モノを見つけたことと、実はメインで使っているM8のセレクターレバーが取れてしまってレンズのレバーが問題にはならなくなったこともあって、久しぶりに購入したという経緯があります。
以前のはだいぶ固い印象がありましたが、デジタルでは違う写りになるのかもとの期待もありました。

プロからは高く評価されるシュナイダーのレンズですが、レンズファンからは意外に人気のないメーカーになって居るような気がします。
シュナイダーは、テッサー型のクセナー、ガウス型のクセノン、クセノタール型のクセノタール、広角のアンギュロンと名前を統一してしまったため、どこにでもあるレンズ、個性のないレンズのようなイメージを定着させてしまったことがあると思います。

クセノゴンという名称は、同じ35mmF2.8のクルタゴンとも名前を違えて、何か主張があるような雰囲気を出しています。
その個性を見極めたかったのですが、大雨と高湿度はしばしばレンズを曇らせます。
今日の作例はそのためにコントラストが落ちてしまいました。
やはりわたしにとって縁遠いレンズなのかも知れません。
【M8/Xenogon 35mmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Schneider Xenogon 35mmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/07 Wed

艾滋病村

M8/Xenogon 35mmF2.8
四川地震や他の災害のときテレビで見かけたので、中国でも赤十字が活動していることは知っていました。
中国語で赤い色のことは紅と書きますので、赤十字ではなく、紅十字と表記することもその時知りました。
しかし、その赤十字が中国で献血をしているとは意外でした。
中国では、売血がまだ一般的にあると聞いていたからです。

かなり古い話で、たしかわたしが中国に関心を持ち始めた7~8年くらい前のことだったと思います。
河南省出身の方と親しくなったことから、馴染みのなかった河南省を調べるべくネット検索していて、ある記事に目がとまりました。
河南省のとある地域で、売血が原因のエイズが大流行しているというものでした。

河南省は、黄河の南側という意味で、南という字は付いていますが、中国では北部にあたります。
中国でいちばん人口の多い省です。
90年代から始まった改革開放は、華南エリアや沿海部で急速に進みましたが、河南省など内陸部の人口の多い省では、国営企業が幅を利かせていて、人民にも親方日の丸の気風が強かったため発展が遅れます。
企業倒産が相次ぎ、農業も生産効率が上がらず、他省が経済成長を続けるなかで大きく取り残されてしまいました。

他省への出稼ぎに行く大きな流れができました。
それすらできない最貧困の農村では、手っ取り早い現金収入の手段として売血する人が続出します。
血を買うのはもちろん赤十字ではなく業者ですが、その業者は経済発展の波に乗ろうと常識を逸した血液の買い方をしたようです。
詳しいことは忘れましたが、いったん採決して白血球だけを取り出し、その血を売血者に戻していたのですが、効率を上げるため何人もの血をひとつの容器に集めて戻したため、採血した人の血がすべて混じった状態でした。
中にHIVキャリアの人がいたようで、その血は他の人の血と混ぜて全員に戻されます。
売血したすべての人がHIVキャリアになってしまったのでした。

採決は何度も繰り返され、中には何も知らずに性行為に及んだ人もいたでしょう。
複数の村で、人口の50%、60%のエイズ発症率というとんでもないことが起こったのでした。
政府はどう対応したかは、先日の高速鉄道のことを思い出せば言うまでもないでしょう。
被害者を救済することは無く、さすがに感染者を穴掘って埋めることは無かったのでしょうが、こんなことはなかったかのように臭いものにふたをする策に出ました。

村周辺に公安を配置して立ち入り禁止にしてしまいます。
話を聞き着けた記者が取材しようとして拘留されて精神病院送りになったり、窮状を訴えた看護士が不当逮捕されるなどのもみ消しがいくつもあったようです。
わたしが、目にした記事は香港人記者の命懸けの取材がもとだったと記憶しています。
河南省の知り合いにこのことをそれとなく聞きましたが、やはり聞いたことは無いという返事でした。
さすがに当時から中国がまともな国だとは思っていませんでしたが、ここまですごいとはと絶句したのを思い出します。

いま、深圳で1日どのくらいの人が献血するのか分かりません。
しかし、門前の受付は、突然の大雨に雨宿りの場と化してしまいます。
恐らくは、申込用紙を記入するためのテーブルに座って足をブラブラさせる人まで現れる始末。
このおっさんは、生涯、献血などとは無縁でしょうし、ましてや何年も前に売血によってエイズが広まった村があることなど知る由もないことでしょう。
【M8/Xenogon 35mmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Schneider Xenogon 35mmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/06 Tue

安静的地方

M8/Xenogon 35mmF2.8
台風12号が直撃した紀伊半島エリアを中心に大きな被害をもたらしました。
被災された方に謹んでお見舞い申し上げたいと思います。

先週末、その台風12号が日本に接近し、同時に台風11号が台湾から華南方面に上陸していたとき、のこのこと中国へ出掛けていました。
離陸と着陸で影響を受ける最悪のタイミングです。
実際、一回テイクオフをやり直すという初めての体験を味わいました。
機長の機内アナウンスで、異常がみられたのでいったん離陸をとりやめて、確認してから再度離陸しますと言いながら、そのまままた離陸したときは大丈夫かと不安になりましたが、特にトラブルなくほぼ定時到着しました。

旅客機は、台風よりも高い高度で飛ぶので、それほど影響がないと聞きます。
ですから大きな台風が接近していても、離着陸する空港が暴風圏に入っていなければ、器材さえあれば運休されることは少ないようです。
ただ、やはり離着陸時は激しい風の影響を受けて、期待が激しく揺れたり傾いたりと、かなりスリリングな体験を味わわなければなせないことが多いですが。

これは、大分以前のことですが、ヨーロッパ旅行をしたときチューリヒの空港へなかなか着陸できないという体験をしました。
もちろん台風ではなく、濃霧とかそんな理由だったと思いますが、着陸態勢に入ってから空港付近を何度も旋回しているのが分かりました。
機内にはかなりの緊張が張りつめたのが感じられます。

機長のアナウンスがありましたが、語学力の問題で正確に聞き取れません。
たぶん滑走路が霧で覆われているが、どうぞご安心くださいというようなことを言ったのだと思います。
すごく長く感じられるほど旋回しているように感じられるなか、意を決したように着陸に突入しました。
もちろん、着陸は無事成功。
乗客から一斉に拍手が起こりました。

もうひとつ思い出したのは、冬場、アメリカ経由でヨーロッパへ向かった時、到着予定のシアトルが大雪で着陸できず別の空港へ降り立ったことがありました。
シアトル乗り継ぎでアムステルダムへ行く予定だったので、フライトアテンダントにここからアムステルダムまで乗り継げるかと聞きましたが、あくまで給油のために臨時に着陸しただけで、あなたは連邦航空法の規定により降機することはできないときっぱり断言されました。

成田からシアトルまで燃料ぎりぎりで飛んでいたので、チューリヒの時のように上空で様子を見る余裕がなかったのでしょう。
結局、数時間遅れでシアトルに着きましたが、乗り継ぎ客でごった返していて、乗り継ぎできないと判明するまで1時間以上かかりました。
どうしてくれるんだと抗議すると、しぶしぶ翌日の便を抑えてくれましたが、航空会社が用意してくれたホテルは1拍40ドルのなんとも寒々しい安モーテルでした。

それで思い出したのは、やはりヨーロッパに行ったとき、帰りの日程で航空会社のストに合うという不運に見舞われたことがありました。
このときは、カウンターのスタッフがたいへん親切で、予約は乗り継ぎ便だったにも関わらず、翌日の他社直行便に振り替えてくれたうえ、空港ホテルのかなりいい部屋に案内してもらえました。
出勤が1日遅れてしまうので困ると言うと、欠航証明書のようなものを書いてくれましたが、これは英語でしたので、さすがに職場には提出しませんでした。

これらは、いまだから笑いながら思い出せる、旅の思い出になっています。

さて、作例は、深圳駅にほど近い陸橋下での光景です。
かの地では、仕事がない人が昼寝しているのはごく普通のことですが、商売道具をそのままベッドにしているのはなかなかにユニークです。
場所的にも、雨を避けますし、列車が通るたびに風が起きて少し涼しげです。

それでも、すぐ脇が芝生の公園のようになっているのに、そこではなくわざわざ歩道の真ん中に寝ているのが不思議です。
それに、リアカーを握ってた引っ張る部分にうまく足を乗せて、何ごともないかのように眠っているのは芸術的とすら感じられます。
台風の接近に動じないのは、なにも名パイロットだけではなかったようです。
【M8/Xenogon 35mmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Schneider Xenogon 35mmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/05 Mon

第三個Hektor

M8/Hektor 7.3cmF1.9
鎌倉から戻りましたが、その途上、大船駅にて。
鎌倉の写真が1枚足りないかたちになりましたので、帰途、電車待ちしながらM8の液晶を見ていた時にいい感じだったので撮ったものです。
ヘクトールの開放では厳しいですが、ほぼ同距離と思われる別方向のものでピント合わせをして、速効で1枚シャッターを切りました。

広角なら問題はありませんが、明るい標準や望遠ではたいがい距離が外れるところ、たまたまぴったりきたようです。
露出はもう少しオーバーの方がよさそうなものですが、見た目はこんなものでしたし、アンダーなおかげで顔がはっきりしないので、採用の判断材料になりました。
本来ならこういう何気ない写真をどしどし取りあげたいのですが、肖像権の問題があって、勝手に判断基準を付けてクリアしたものを掲載したりしています。

ところで、わたしは鎌倉へ行く時はかなりの確率で、このヘクトールを持参しています。
ライツのレンズで何がいちばん好きかと考えると、1日中でも愉しく悩んでいられますが、半日くらい考えて5本に候補を絞れたとすれば、このレンズは絶対その中に入っているはずです。
ただ、やたら重たいですし、高価なので、そうそうあちこち持ち歩くわけにはいきませんので、近場に行くとなると持ち出したくなってくるのです。

この日使用したのは、通常のブラックペイントとクロームメッキの個体ですが、最愛のヘクトールはブラックペイントにニッケルメッキのもので、ガラスの状態も良く意外にシャープかつクリアな描写をしてくれます。
その古風な外観と、シャープかつクリアであってもやはり現在のレンズには作り得ない独特の描写の双方が鎌倉的と感じられるのも持ち出す理由です。
ひとりで撮影していて休憩するときは、おもむろにヘクトールを取り出して、鏡胴を眺めながらクロスで拭ったりするのも古都にいる安心感をともなう至福の時間です。

そういえば、ヘクトール研究の第一人者knpmさんと、ライカを持っていないのにヘクトールは所有しているksmtさんと、ヘクトールを持ち寄って比較検討するというきかくがるのですが、未だ実現していません。
お会いするたびに、次回はヘクトールの比較をやりましょうと言って盛り上がるだけでも、なかなかに愉しいことなのです。
【M8/Hektor 7.3cmF1.9 F1.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 7,3cmF1.9 | trackback(0) | comment(6) | 2011/09/04 Sun

無人演奏会

M8/Topcor 5cmF2.8
トプコール5cmF2.8は開放からかなりシャープなレンズです。
直後に登場するF2がシャープなことは有名ですが、廉価版と言えるF2.8でこれだけシャープで高性能なレンズを設計できたのは、昨日も言及したようにずっとライカマウントレンズを設計し続けた東京光学が、この2つのレンズに集大成の意味を込めたのかも知れません。

等倍画像を見ると、解像力もかなりのレベルだということが分かります。
今回出した作例のなかでは分からないと思いますが、かなり2線ボケの傾向はありました。
しかし、もともと見た目の被写界深度がかなり深いレンズのようで、普通に使用してイヤ味な結果になることのない優れたレンズだったと評価できます。

国産ノンライツの5cmF2.8には、同じレオタックス用のフジノンのレンズがあります。
このレンズではあまり撮影したことがありませんが、開放ではフジノン5cmF2と同傾向のふわっとした感じが見られたように記憶しているので、一般にはトプコールの方が高性能だと言えるのではないかと思いました。
よりフェアな判定のための比較は必要ですが、たいへん評価の高いフジノン5cmF2.8と伍するかそれ以上のレンズだとは驚きました。

さて、後期のレオタックスはすでに時代遅れとなっていたバルナックライカコピー機ということであまり売れなかったようで、この5cmF2.8レンズの数もあまり製造数が多くは無かったようです。
むしろ、レオタックスボディが経年劣化で使えなくなって、レンズだけ使えるというものが市場に出できたりというケースで入手する機会があったりするかも知れません。
その時はぜひズームフードのようなユニークなデザインのフードが付属しているか確認すべきです。
レンズよりもこのフードの方が人気があるのか、かなり高価に取引されているようです。
わたしも探していますが、未だ入手できていない状況です。

さて、英勝寺を出ると、そのままラストの鶴岡八幡宮にやって来ました。
普通に何枚か撮れれば、ブログ1週間分の写真確保のつもりでしたが、着いてみるとどうも様子がヘンです。
コンサートが開催されるそうで、参道は途中から閉鎖され、本殿へは脇から上がるように誘導されていました。
たぶん東北復興のためのチャリティコンサートなのでしょうから文句は言えませんが、日曜日は避けてほしいというのが実感です。
全体が巻くで覆われていてまったく見えませんが、ピアノ伴奏でテノール歌手が歌うのがスピーカーを通して聴こえてきますので、タダで聴けてラッキーくらいに思うべきだったでしょうか。

そして、最上段に上がるとステージの一部と客席が見渡せました。
驚いたことに客がいません。
あれだけろうろうと歌っていたのはリハーサルだったようです。
こんな位置から歌手の歌を聴き、動きも見えるのに観衆がゼロというのは、お盆で地上に戻ってきたご先祖様たちに聴いてもらうためにやっているようで実に不思議感覚でした。

続いて女性歌手がポップな曲を歌い始めましたが、最近の歌でしょうか、わたしには歌手名も曲名もまったく分かりません。
ちょっと聴いていようかと思ったのに申し訳ないですが、無料でもご遠慮させていただく方がよさそうです。
結局、八幡さまの撮影はあきらめ、さりとてこの時間から別の場所へ向かう元気もなく、当初の目算通り早々に帰途につくことになってしまいました。
【M8/Topcor 5cmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Tokyo Opt. Topcor5cmF2.8 | trackback(0) | comment(1) | 2011/09/03 Sat

復興的象徴

M8/Topcor 5cmF2.8
トプコール5cmF2.8は、レオタックスの標準レンズですが、東京光学が供給した中では意外に後期に登場しています。
トプガバチョさんのトプコンクラブにレオタックスと装着されていたレンズが年表になっているので紹介させていただきます(http://www003.upp.so-net.ne.jp/Topconclub/LeotaxTopcortalk.htm)。
東京光学の標準レンズの変遷がよく分かります。

①シムラー5cmF3.5
②シムラー5cmF1.5
③トプコール5cmF1.5
④トプコール5cmF3.5
⑤トプコール5cmF2
⑥トプコールS5cmF2
⑦トプコール5cmF2.8
⑧トプコール5cmF1.8

以上、8種類標準レンズがあります。
F3.5、F2、F1.5はそれぞれ2種類ありますが、それぞれ違う設計のレンズということです。
また、初代レンズはステートという名称が付けられていましたが、翌年、同設計のレンズ名変更したのが①シムラー5cmF3.5ですので、ステートは省略しました。

そのステート登場が1946年と戦後すぐで、最終の5cmF1.8の登場は1961年ですので、15年ほどの間に8種類のレンズを送り出したことになります。
2年に1種類ということであれば、かなり意欲的にレオタックス用ライカマウントレンズを設計し続けたと言えるのではないかと思います。

タイプ別に見ると、
①④=テッサー(エルマー)タイプ
⑤⑥⑧=ガウスタイプ
②③=前群ガウス・後群ゾナー折衷タイプ
となります。

では、この5cmF2.8はと言えば、2-1-2と並んだ3群5枚のヘリアータイプです。
ただ、構成図を見ると、1群目と3群目の凸レンズと凹レンズの貼り合わせの順番が逆ですので、厳密にいえばダイアー型ということになります。
キングスレークによれば、ヘリアーの性能に納得いかなかったハーティングが1群目と3群目の向きを反転させたレンズを設計して性能を向上させたレンズがダイアーです。
一般的に、ヘリアー型と呼ばれるほとんどのレンズが、実はこのダイアー型の構成になっています。
レンズの話のネタは尽きましたが、また分かることがあれば追って報告いたします。

というわけで今日の作例ですが、英勝寺の美しい山門です。
この山門は、山門であっても英勝寺の入り口ではなく境内のなかに設置されています。
山門は、江戸初期の1643年に建立されましたが、関東大震災で崩壊してしまい、以降個人宅に置かれている状態でした。
2001年になって復興のための事務局が設置されます。
そのときの状態のことはよく分かりませんが、部材という表現がされているので、かなりばらばらに近い状態だったのだと思われます。

2003年にはその部材の状態で神奈川県の重要文化財に指定されたとありますので、それも山門を復元することに繋がったのでしょう。
4年後にようやく復元工事が始まって、今年の5月、ついに完成しました。
恐らくもともとが朱塗りだったのでしょう、今見るとうっすらと門全体が赤みがかって見えます。
それが、尼僧院の英勝寺にとても合うように感じました。

関東大震災からの復興といえば、誰しも同じことを思うに違いありません。
3月の大地震からの復興です。
この美しい山門を復興の象徴に鎌倉から神奈川から、東北へ向けて協力を呼びかけてはと思います。
【M8/Topcor 5cmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Tokyo Opt. Topcor5cmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/02 Fri

尼姑

M8/Topcor 5cmF2.8
駆け足は続きます。
海蔵寺から鎌倉駅方面へ向かってしばらく歩くと横須賀線の線路に出ます。
線路の下をくぐると浄光明寺へ、線路に沿って歩くと寿福寺へ出ます。
寿福寺へは何度も足を運んでいるので、今日は浄光明寺にしようかと思ったのですが、前方のグループが浄光明寺方面に行ったので、避けるように寿福寺方面へ。

しかし、わたしには服案がありました。
寿福寺の手前の英勝寺がずっと山門の修復を行っていましたが、もうそろそろ完成しているはずなので見学したいと思っていたのです。
思った通り、修復作業は終了していました。
しかし、この日は大きな法要があるようで、受付は無人になっており、見学不可の雰囲気でした。

がっくりしていると、檀家さんでしょうか、様子を見ていた女性がせつかくいらしたのですから見学してらしてくださいと通してくれたのでした。
拝観料入れもあったので、気兼ねなく見学開始します。
すると、ちょうど和尚さんが出ていらっしゃいました。
いえ、英勝寺は鎌倉唯一の尼寺ですので、尼僧ですね。
手を合わせて撮影させていただきました。

じつは、この写真、たいへん気に入っています。
使用したトプコール5cmF2.8については明日言及しようと思いますが、これは相当の実力派レンズのようです。
何度かお伝えしたように、この日はたいへん好い天気で、場合によってはかなり厳しい撮影条件で、このカットもレンズテストのような格好になってしまいました。
しかし、背景のハイライトの緑は飛ばず、シャドウの仏殿のディテールはしっかり描き出しています。
その中間位置での尼僧さんが、浮き上がるような立体の中で威厳を示しています。

英勝寺は、初訪問でしたが、わたしの誤解からあまり期待できなかったというのが、何度もその前を通りながら廃刊しなかった理由です。
横須賀線がすぐ脇を通っていてなんだか落ち着かない感じがあったのと、まん前にある踏切が英勝寺踏切ではなく、若干離れた寿福寺踏切という名前ということから、旧国鉄関係者にも見下されたように思ったということがありました。
さらには、せつかくの総門がありながらそこからではなく、通用門から入るようになっているのも拝観を遠ざける
気持ちに向かわせていたのです。
それを後悔しているということは、レンズのことと共に、明日書くことといたします。
【M8/Topcor 5cmF2.8 F2.8】
Tokyo Opt. Topcor5cmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/01 Thu
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