我在考慮在教堂上

M8/Elmar 5cmF3.5
銀座へは用があって出掛けましたが、地下鉄の階段を上がってまず向かったのが、銀座教会堂ビルです。
わたしは仏教を信仰ということになっているので、残念ですが礼拝ではなく、階上にある中古カメラ屋さんをたずねに行ったのでした。
たぶん去年の8月くらいにレンズ仲間との食事の集合場所として訪問して以来ですので、1年近くもご無沙汰していました。

ここのところネットオークションでレンズを購入する機会がぐっと減っていたので、何かないかと探しに来たのが第一の理由です。
ノンライツのコーナーには、オールドデルフトの望遠とかシュナイダーの広角、ヘリゴン50mmF2とかあって食指がぴくんとなりましたが、プライスタグを見てあきらめました。
魅力的なものが無いわけではありませんが、見えない力が手を引っ張るというところまでいきません。
しかし、たまにこういうところへ来てわくわくしながらガラス越しにレンズを眺めると言うのも、実は愉しいことではあります。

実はもうひとつ来訪した理由があって、それはライカレンズの相場に関することでした。
わたしは、ライカのレンズはアメリカの中古カメラ店で購入することがよくあります。
アメリカで流通するMマウントレンズは、実用品が多くて価格がきわめて安いケースが多く見られます。
実用品というのは、よく使いこまれていて鏡胴にキズや擦れが多いのですが、フィルターでずっと保護されていたレンズ自体は無キズできれいという、コレクターよりも撮影する人向きというレンズのことです。

例えば、2代目のズミクロン35mmF2が650ドルとか、クロームのズミルックス50mmF1.4が700ドルとか、ズミクロン90mmF2が400ドルといった具合です。
送料が高くつきますし、輸入にともなう消費税を徴収されることもありましたが、わたしは何度も何度もお世話になったものです。
ところが、ここ半年くらいでしょうか、これらMマウントレンズの値段は一気に跳ね上がってしまいました。
35mmF2は1100ドル、50mmF1.4は1200ドル、90mmF2まで1000ドルという感じです。
感覚的には、どれも倍くらいになってしまいました。

なぜなのでしょう。
単純に考えれば、フィルムが危機を迎えてライカレンズの値段が下落していたところM8、M9、さらにはミラーレス一眼プラスライカアダプターのようなシステムまで普及して、ライカレンズは半永久だという担保がなされて価格もリバウンドを起こしたということでしょう。
今までが安すぎました。

これはわたしがよく価格チェックしているアメリカの中古店での話ですので、では日本ではどうなのかとこの日偵察まがいに価格を見に銀座の某店まで来たのです。
しかし、この価格調査はまったくの不発に終わりました。
去年ガラスケースにあふれていたMレンズでしたが、今回見たところほとんど置いていないような状態でした。

日本の方が安いと売り切れてしまったのでしょうか。
なんだか分かりませんが、唯一分かったのは少し前のCマウントレンズの価格暴騰にもうかがえるように、レンズの値段というのはその性能や存在意義などとは関係なく、カメラボディによって大きく左右されると言うことです。
かつて写真はレンズで決まるという言葉があったようですが、レンズはカメラで決まる、が21世紀の正しい表現ということのようです。
【M8/Elmar 5cmF3.5 F3.5】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Elmar(Nickel) 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(2) | 2011/06/30 Thu

巴黎時代

M8/Elmar 5cmF3.5
岡本太郎記念館は楽しい施設ですが、長居できるほどではありません。
もともとがアトリエと住居だったものを開放したのですから仕方ないでしょう。
30分ほど見学して、立ち去ることにしました。

ところで、岡本太郎は、みずからカメラを持って撮影に出向いたことでも有名です。
特に1950~60年代には、全国の祭りを撮影して歩き、そのプリントは多く保存されています。
写真展も何回か開催されていますが、彼の撮影は素人芸ではなかったようです。
というのは、パリに留学していた1930年代、マン・レイやブラッサイ、キャパなどと親交があり、マン・レイがカメラの手ほどきをし、ブラッサイとパリの夜を撮るべく歩いていたというのです。

太郎の撮影した写真に俄然興味がわきますが、記念館には残念ながら展示はありませんでした。
生田緑地にあって、何度か訪れた民家園に隣接する岡本太郎美術館に写真が常設で展示されているかもよく分かりません。
せっかくですから、あるかどうかを求めて美術館にも足を向けなければと思います。
造形芸術の人なので、自らプリントしていたのではと期待もしてしまいます。

そして昨日も書いたとおり、この記念館は撮影自由、というより撮影することを奨励しているような空気がありました。
マン・レイ、ブラッサイ、キャパといった写真家たちが大成していくにしたがい、写真に自信を持っていた太郎は撮影での限界を感じ、自らの写真を記録のためのツールと割り切ったのかも知れないと想像します。
ましてや自らの芸術写真を素人がいくら撮ってもそれ以上のものにはならないのですから、どうぞご自由にという遺志までも感じられるのです。

生田美術館の他にも、首都圏エリアには30近いゆかりの地があります。
「岡本太郎のいる場所 TARO MAP」という冊子が置かれていました。
これは非売品で、目立たないところに記念館のショップで買い物した方に進呈と書かれていて、どうやら観察していると買い物しても欲しいと申告しないといただけないもののようでした。
絵はがき1枚でくれるものなのかは分かりませんが、これはぜひ入手されることをお薦めします。
彫刻作品は、案外あちこちにあったのだと驚かされました。

さて、作例写真ですが、これも岡本太郎の作品と誤解された方が多いと思いますが、下着屋さんのディスプレイですした。
まぎらわしく恐縮です。
しかし、岡本太郎記念館のすぐそばにあって、展示に際しては多かれ少なかれ太郎の作品の影響を受けているのではと思われました。
通りがかっただけでしたが、記念館に設置されていたもりもりとした彫刻と同様かそれ以上にインパクトを感じました。
【M8/Elmar 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Elmar(Nickel) 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(2) | 2011/06/29 Wed

随便拍照

M8/Elmar 5cmF3.5
岡本太郎は、今年、生誕100周年だそうで、NHKでドラマが放映されたり、回顧展が開かれたり俄かに盛り上がりを見せているようです。
数多く発刊されている文庫本すら読んだことが無く、太郎について何も知らないわたしは、このドラマを熱心に見てしまいました。

2時間程度の脚色されたドラマで何が分かるのかということはありますが、わたしは岡本太郎に好印象を持ちました。
というのも、小学校低学年くらいに、例の芸術は爆発だあなんておっかない顔の親父が力んでいる映像を目にしてきていたので近寄りがたいという雰囲気がぷんぷんしていました。
それに、アンディ・ウォホールなどといっしょでテレビCMなどによく露出して、でたがりのおっさんというイメージがあったのもマイナスです。
まあ、ドラマによって、わたしの中での岡本太郎は、100周年にしてようやく復権したことになるわけです。

記念館は、もともと太郎と両親である岡本一平とかの子が暮らした家でした。
しかし、戦災で焼失してしまい、太郎が友人の建築家坂倉準三に自身のアトリエを設計させました。
板倉はル・コルビュジェの弟子で、太郎の求めに応じて斬新なアトリエを完成させます。
太郎は、1954年から没する96年までのあいだ、アトリエ兼住居としてここに暮らしました。

アトリエは当時を再現してありたいへんに興味深いものです。
他の部屋にも多くの作品が展示されていて、記念館と美術館の中間のような存在です。
この建物が生活の基盤でもあったわけですが、あまり生活臭を感じさせる状態でないことが残念と言えば残念と言えるかも知れません。

住宅地に忽然と現れる記念館は、ウィーンのフンデルトヴァッサー美術館を思わせるものがあります。
もちろんそれほど派手な建築ではありませんが、表参道というおしゃれな(あるいは馴染みにくい)エリアにあって、主張しつつも住宅地に溶け込んでいるところが好いと思いました。

そういえば、入場券を買った時に、ここは写真撮影が自由ですので、どんどん写真を撮ってくださいと案内されました。
ここを記念館にすること、写真を撮らせることが太郎の遺志だったのかも知れません。
作例は、太陽の塔のバリエーションでしょうか、どんどん写真を撮る女性が、太陽の一部にでもなろうとするかのようなポーズで撮影していました。
【M8/Elmar 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Elmar(Nickel) 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(2) | 2011/06/28 Tue

梅雨的星期六

M8/Elmar 5cmF3.5
毎日更新ブログを継続するにあたって、最大の難敵は梅雨と言えるかも知れません。
土日ともにあいていれば、どうにかなりそうな気がしますが、今週は日曜に用事がとなると、土曜日が大雨になればにっちもさっちもいきません。
先週末がまさにそんなシチュエーションでしたが、幸いにして、雨は夕方少し降っただけにとどまりました。

銀座と浅草にちょっとした用事があったので、この2大行楽地(?)であれば1週間分の写真を撮ってくるのはどうにかなるだろうとタカをくくっていました。
さらに、朝、テレビで岡本太郎記念館を紹介しているのを見たので、これを加えれば問題なしと確信しました。
実際は、そうは甘くなかったですが。

岡本太郎記念館は表参道にあるので、小田急線からのこの日のルートは、表参道→銀座→浅草の順番になります。
代々木上原で千代田線に乗り換えるとほどなく表参道です。
深圳でのパターンにならってこの日は、M8とM6にそれぞれ標準レンズを付けて持参しています。
さっそくビルの壁によっかかって携帯メールを打っている女性がスナップに格好でしたので、M8を構えました。
しかし、どうしたことかピントが合いません。
連動カムが激しく狂ってしまっているようで、これでは撮影できません。
フィルムの方はあきらめて、M6に付いていたエルマーをM8に付けて、M81本で撮影する決断をせざるを得ません。

ところがひとつ問題がありました。
M8は色転び防止のためUV/IRフィルターの装着が必須になりますが、当然エルマーには付けていませんでした。
それどころかイエローフィルターが付いていましたので、これを取っ払ってフィルターなしでいくという選択肢がありましたが、結局M6の意志を継いでM8をモノクロモードで撮影することにしました。

岡本太郎記念館は、表参道の駅から徒歩8分の位置にあります。
骨董通りをしばらく歩いて1本内側の通りだと分かったので、家を出る前にだいたいの位置を確認しておいて、勘に頼って散策を楽しみながら向かうことにします。
これはよくわたしのやる手法ですが、ほとんどのケースで道に迷います。
迷えば道をたずねればいいだけですので、それはそれで現地の人に話しかけるきっかけになります。
しかし、今日は勘がさえたようで、導かれるように記念館の前まで着くことができました。

入場料600円はちょっと高いような気もしますが、記念館を維持するには入場料収入だけでは厳しいということもあるでしょう。
高い安いを言う前に岡本太郎に敬意を払うところから始めないといけません。
彫刻作品の影から、彼がこちらを睨んでいました。
【M8/Elmar 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Elmar(Nickel) 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/27 Mon

接待姑娘

M8/R-Serenar 5cmF1.5
カウントミスで、旅の写真が1枚足りなくなってしまいました。
そこで、昨日ちらっと書いた脚のマッサージの女の子の写真を最後に持って来たいと思います。

昨日のシンディの写真は、たまたま通りがかりに、顔写真をデータで渡すとコンピュータソフトを使って半立体的に加工してくれてそれを着ぐるみのようなマスコットに仕上げてくれる店を見つけたので、そのマスコットを作りたいと言う彼女の要望で撮った写真です。
わたしも許可を得たので、牛の着ぐるみシンディ携帯ストラップにしてもらいました。
これが、なかなかよくできていて、牛の体に昨日の写真の顔のシンディが、わたしの中国用携帯に付いてぶらぶらしています。

今日の女の子ですが、先月も利用した脚マッサージの受付にいて、わたしのことを覚えていてくれたので、じゃあ記念に写真を撮ってあげようと、少々というか、かなり強引に撮影したものです。
残念ながら、彼女たちはマッサージしてくれる訳ではなく、入口から部屋まで案内してくれるに過ぎません。
ほんの10秒くらいの間の接点に過ぎません。

しかし、そのあとを次いだ男性の従業員に飲み物は何にするかなどと聞かれているうちに日本人とばれ、その従業員が女の子に今のヤツは日本人だったぜというように伝えたらしく、会計の時、あなた日本人だったのねと話しかけてきたのでした。
その時の会話は、今でも記憶しているくらい間抜けなもので、あなたは日本人なのに中国人そっくりだとか、日本は楽しい場所とかあるかと聞かれて地震でたいへんなんだと言うと、日本にも自身がるのかと驚いている始末でした。
まあ、かわいいからいいか、という感じではありましたが。

人件費が安い中国では、脚マッサージのほかにもレストランやバーなどでも、入口に受付の女性がいることが少なくありません。
チャイナドレスを着て、店の名前の入ったタスキを掛けているのが定番のパターンでしたが、最近はスーツ姿とか彼女たちのようなドレス系が主流になってしまいました。
チャイナドレスのフォーマルなのに、脚にかなり長いスリットの入った妖艶さがなかなか見られなくなったのはたいへんに残念です。

ふたりの写真は次回プリントして持っていこうかなどと考えていますが、件の着ぐるみにしてプレゼントするともっと受けるかなどとも考えます。
しかし、先に書いたとおり人件費が安い中国では人の入れ替わりが実に早いのです。
もう来月には、彼女たちはどこか違う町で違う仕事をしているかも知れません。
【R-Serenar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(2) | 2011/06/26 Sun

蚊子咬

M8/R-Serenar 5cmF1.5
先月、足利学校を訪れた際、小冊子を買い求めていました。
そのひとつは、「論語・唐詩への誘い -論語の名句二〇ろ唐詩の名篇一〇」というわすが100円の薄い本です。
携行性便利なので、列車で移動しているときに読むために、カメラバッグの中にしのばせていました。

もうひとつ同書を持参した目的は、深圳の知り合いに見てもらって、論語や唐詩が中国の庶民にどれくらい知られているのか確認したいと言うことがありました。
字体が現行中国の簡体字ではありませんが、中国語の原文が付いているので読んでもらおうとも考えたのです。
あわせて、日本でも中国の古典が未だに勉強されていることを知ってもらえればと考えました。

撮影師の楊さんは、論語も唐詩もこの本に出ているほとんどを知っていました。
論語も唐詩もそらんじているものが多く、一部に記憶違いなどもありましたが、内容についても本に書かれた解説と意味が一致していました。

楊さんは、だいたい小学校に上がるくらいで文化大革命を体験しているはずの年齢で、まともな学校教育を受けていない可能性があります。
しかし、バイタリティ溢れる人なので、きっと学生時代も向学心を発揮して自国の古典を学ばなければと努力したのではと想像されます。
また、論語はいまの中国の日常にもことわざのように浸透しているということがあるようでした。

一方、しばらく四川省の実家に帰省していて数か月ぶりで深圳に戻って来たシンディの方は今どきの女の子です。
読んだことはあるんだけどと言いつつも論語はほぼ全滅でした。
それでも唐詩の方は何篇か記憶していました。
もっとも次のような日本でも非常に有名な孟浩然の五言絶句ですから当然のことかも知れません。

春眠不覚暁  春眠、暁を覚えず
処処聞啼鳥  処処、啼鳥を聞く
夜来風雨声  夜来、風雨の声
花落知多少  花落つること、知る多少

春の朝 あけても未だ夢さめず
寝床に のどか鳥の声
昨夜 はげしい雨と風
あれでは 花も散ったろな

シンディが教えてくれたところでは、小学校3年生から唐詩を勉強したそうでした。
わたしは中学から漢詩を習ったと記憶していますが、中学生にも詩の内容を理解するのは難しかったので、小学3年生でどの程度の理解度が得られるのかいささか気になるところです。

案の定、小学校では唐詩にも替え歌があって、ほとんど忘れてしまったが、確か"処処聞啼鳥"は"処処蚊子咬"と覚えたとのこと。
あちこち蚊にくわれる、の意味ですが、発音もよく似ていて、案外と詩を覚えるのに役立っていたのかも知れません。
その替え詩の全文が知りたくなりました。
【R-Serenar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/25 Sat

艾略特-厄韋特

M8/R-Serenar 5cmF1.5
まだ大半の店が閉まったままの大芬油画村の散策はあまり面白いものではありません。
だいいち雨が降っていて、傘をさしながらでは左手でちょちょいとピント合わせして、右手にカメラを持ち替えてレリーズといういい加減な撮り方になってしまい、撮影に身が入りません。
昨日と合わせて、ブログで2週間分写真を出し続けるほどには、撮影できていないのは承知していましたが、もうあきらめることにしました。

30分ほど経った頃あいだったと思いますが、額縁屋に戻るともうオーダーしたフレームは出来上がっていました。
出来栄えをチェックましたが、裏側の接合部分など中国らしい雑さが目立ちましたが、正面はまったく問題なくとても600円そこそこのものには見えない高級感がありました。
ガラスはアクリルを頼みましたので、傷付かないようにしっかりもともとあったマスキングの紙が貼られています。
これならOKとフレームを梱包してもらい、大芬油画村を後にしました。

もう2時間くらい大芬にいるつもりでしたので時間が空きましたが、もはや撮影する気にはなれず、脚のマッサージに行って旅の疲れをほぐしてもらいました。
香港から訪れる客が多く競争原理が働き需給バランスもいいからでしょう、深圳は世界一安く脚のマッサージを受けることができます。
1時間300円くらいで飲み物も付きますから、喫茶店に行ってコーヒーを飲むより安いですし、マッサージが終了して立ち上がると体重が半分になったかのように軽やかに歩くことができます。

さて、今回、フレームをオーダーしたのには理由があります。
先のライカが高額落札されたことで話題になったオークションで、写真を落札していたのです。
エリオット・アーウィットのヴィンテージプリントですが、狭い家で写真を飾るスペースはほとんどありませんが、ぜひこの写真は毎日目にするところに掛けておきたいと思いました。

わたしは写真を見るのが大好きですが、写真や写真家についてはまったくの勉強不足で、ほとんど何にも知らないも同然です。
ただ、少し見てすばらしいと感激できたブレッソン、エルスケン、アーウィットのみ写真集を持っています。
アーウィットは「ふたりのあいだ」と「1/125」の2冊を持っていますが、いずれも人物を(時に犬も、また時には擬人化した自動車なども)とらえた傑作ばかりです。
写真撮影している中で、わたしは特に目標とか持っているわけではありませんが、あえてアーウィットの写真集の中の写真と差し替えても違和感を感じさせない写真を1枚でも撮ることが生涯の目標だと言ってもいいかも知れません。

それほどに好きな写真の多いアーウィットの写真集ですが、今回落札した写真はスナップ・ポートレイトともいうようなもので、写真衆徒はだいぶ傾向が違います。
写真沿うものは好きかと問われれば、それほどでもという感じで、けっして嫌いだと言う訳ではありませんが、いま時点ですごく気に入っていると言うほどてはありません。
逆にそれだからこそ、毎日目に入る場所に掛けることで、徐々に好きになっていくのではという期待があります。
何よりプリント自体はたいへん美しく、ディテールをじっと見ている愉しみはすでに感じています。

さてさて、フレームのことに戻りますが、わたしにとっては大きな誤算が2つありました。
1つは、機内持ち込みサイズのスーツケースに入る大きさで作ってもらえたと思っていたのに、ぎりぎり入らなかったため、帰宅までずっと手で抱えていなければいけなかったということでした。
まあ、たいしたことではないですが。

もう1つは、アーウィットのプリントを収めようとして初めて気付いたのですが、アクリルに貼られた紙を剥がすと、そのアクリルはけっこうキズだらけだったのでした。
3つの真ん中に挟んでいたので輸送中に付いたキズではありません。
これが中国品質というものなのでしょう。
次回は、キズ付かないガラスを選ぶことにします。
【R-Serenar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/25 Sat

訂購画框

M8/R-Serenar 5cmF1.5
震災の影響は航空業界にも深い影を落としているようです。
状況を考えれば、日本から海外への観光目的の渡航が減少するのは当然ですし、原発の問題があれば、逆に海外からわざわざ日本に来る人が激減するのもいたし方ありません。
1日1便程度のフライトしか持っていなければ、空席が目立っても飛ばさざるを得ないでしょうし、複数便持っているキャリアでは減便して対応しているようです。

わたしはここ数年、スケジュールを優先するために香港から東京までのフライトに予行便を愛用して来ました。
しかし、このような一部の利用者のみに指示されているフライトは、真っ先に運休となってしまいます。
このため最終便は16時台とだいぶ早まってしまい、少なくとも深圳を13時には出発しないといけなくなりました。
今回は、少し早起きして久々の大芬油画村を訪れ、昼食を食べて帰路に着くことにしました。

大芬油画村へ行くいちばんの目的は、写真をディスプレイするためのフレームのオーダーです。
あわせて、午前中の比較的涼しいうちに散策と撮影をして愉しもうと考えました。
しかし、がんばって朝の7時に起きると、残念ながら雨が降っています。
昨日も夕方から大雨だったのですが、その日楊さんの家で見たテレビニュースによれば台風が来ていたそうで、今年いちばんの雨量を記録したと言っています。
翌日の帰国便への影響が懸念されましたが、すでに台風は広東省をはるかに通り過ぎて、明日は好天と報じていました。
にも関わらず、激しくないまでけっこうな雨にがっかりしてしまいました。

撮影は少し厳しくなりましたが、全面予定変更というわけにもいきません。
2度寝する誘惑と戦いつつ、今年初めて冷房付けっ放しで眠っただるい体を目覚めさせるべくシャワーを浴びて、ホテルをチェックアウトしました。
まずは、ホテルの向かいのコンビニで折りたたみ傘を購入します。
ちょっと重いのが気にしつつ1本120円の最安傘を選びましたが、バスで行ける大芬までは面倒になってタクシーに乗ってしまい、最安とタクシーで相殺されてしまいます。

さすがに9時前に着いてしまうと、大芬油画村はほとんどどこも開いていません。
額縁、フレームの店は以前に行ったことがあったので直行しましたが、やはり門は閉ざされていました。
ところが、幸運なことにその向かいの店の扉がいきなり開いたので、まだ営業時間前でしたが、かまわずフレームを見せてもらいました。

非常に大雑把に言って200種類以上のフレーム見本が掲げてあります。
あきらかに西洋絵画向きの写真には合いそうもないものをパスしていっても100種以上あるようで、選択するのに難儀しました。
とりあえず、3つをそれぞれ違うフレームで作ってもらうことにしました。

まず写真のサイズが決まっていて、それに5センチ幅のマットを付けてもらい、地震で落下することを恐れてアクリルガラスでオーダーしたいと価格を訊ねます。
ひとつ55元だというので、だいたい700円ほどですので、驚くほどではないですがまずまず安いと言えます。
かたちどおり、3つも作るのだから1つ50元にしてと言うと、即答でOKしてくれたので、本来はもっと安かったのかも知れません。

1時間でできるというので、その間散策してみることにしました。
ただし、かわらず雨が降ってますし、依然として開いている店はほとんどありません。
仕方ないので、フレーム作成作業を観察していました。
専用の道具があって、製図のように段取りよくフレームやマットが気持よく切り取られていきます。

感心しながら見ているうちに、近くのショップのシャッターがあがって店開きの準備を始めたのに気付きました。
しかも、なかなかきれいな女の子が、絵を手際よく店の前面に次々とかけていくという、フレーム政策と同様の面白い光景を観察できました。

ただ、作例で分かるように、あまり近づけませんし、傘を指しながらでピントをはずしてしまいました。
あまり興味のある絵ではありませんが、彼女が描いたのだったら1枚買ってもいいかななどとも考えましたが、今回はフレーム3枚あるのであきらめます。
そうだ、次回また来てフレームをオーダーして、彼女のポートレートを撮影してもらい、フレームに入れてプレゼントしよう、などと実現性の薄い計画を練ったりしました。
【R-Serenar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/23 Thu

小弟弟是什么意思

M8/R-Serenar 5cmF1.5
今日で楊さんとの散策の話は終わりです。
撮影の方は、結局、あまり収穫がなかったような気がします。
無理にお付き合いいただいたようで、申し訳なかったです。

ただ、散策自体は楽しいことがいくつかありました。

町中で涼茶という香港や広東省でよく見かける店がありました。
薬草茶とか漢方茶などと呼ばれるお茶(薬)をその場で呑ませる店で、体長が悪い時や健康増進のためなど、地元の人にはかなり愛されている存在です。

楊さんはたまたま見つけた店の人と意気投合して話し込んでいました。
同郷の河南省出身の、いわゆる中医と呼ばれるお医者さんで、日本で言う医師は西医と言って区別されています。
いろいろと医学的助言を受けているようでした。

楊さんはわたしも診てもらえというので、ありがたく従うと、診るのはもっぱら舌と左の掌だけです。
だいぶ胃が弱っているなと、壁の薬草が何種類も置かれている引き出しから、ひとつを選び出してやかんで煎じて飲まされました。
恐ろしく苦いかと恐る恐るでしたが、そんなこともなく、日本でも売られているドクダミ茶とか杜仲茶と同じ程度のものです。

それから、わたしの弟もだいぶ弱っているから気を付けないととも言われました。
なぜ急に弟が、と不思議な顔をしていると、理解していないことに気付いた楊さんが、弟とはあそこのことだと笑いながら教えてくれました。
日本では、弟ではなく息子と言うし、英語もたぶんジュニアというのではないかと思いますが、一人っ子政策の中国で弟と呼ぶのは深い意味が秘められていそうです。

また、日本ではフルーツが高いことを知っている楊さんは、屋台などでいろいなものをふるまってくれます。
前回、楊さんも名前を知らないと言う果物を買ってホテルで食べるように手渡してくれましたが、今回は途中、楊梅を買いふたりで酸っぱい酸っぱいと歩きながら食べ、作例写真の店では暑い暑いと冷えたスイカを頬張りました。

日本でもスイカは夏の風物詩ですが、高価になってしまって1個千円とかしてしまうんですと、楊さんに説明すると中国では25円くらいからあるからなあと笑っています。
ちょっといけてる店員のお姉さんをつかまえて、こいつは日本人だが、日本だとスイカは1個80元するらしいよと説明して、ふたりして、わー高いなどと言いながら笑っています。
そのお姉さん、後ろを向くとお尻のところに I LOVE YOU と書かれているのが、妙になまめかしいです。

この日、あまりいい成果を残せなかったことを恐縮してか、夜はウチで飯を食っていってくれと誘われました。
遠慮なくうかがうと、急な訪問だったせいか、奥さんはふだん食べているものだけどと、河南省家庭料理だと言う汁無しの麺を出してくれました。
去年、湖南省で食べた涼麺とも違う、もちろん北京で有名なジャージャン麺とも違う、初めての美味に舌鼓を打ちました。

ちょうど広州の大学寮にいるまな息子の哲クンも帰省していて、テレビを見ながらみんなでいろいろと盛り上がりました。
自分では、そこそこ中国語が上達したつもりでしたが、それでもオーストラリアで全然通用せずに打ちのめさせられた英語の方がまだましのようで、哲クンとの会話がいちばんスムーズです。
哲クンも、両親の前でよどみない英語で話すことが自慢になって、少しだけ鼻高々です。

すっかり寛がせていただきましたが、早めにお暇しなくてはと、テレビが中国外交問題の討論番組と言うとても理解しがたい、かつ御用番組的な放送が始まった時にお別れを告げました。
楊さんが、今日宝安にわたしを連れだしたのは、そこが深圳でも工場地帯で、土曜日たったので午前中で仕事を終えた出稼ぎ少女たちの写真を撮れると計らってのことだと教えてくれました。

残念ながら期待通りにならなかった反省で、来月はもっとよいところへ行くからなと早くも予告します。
どこかと聞けば、有名な小梅沙海水浴場。
水着の女の子を撮りに出かけよう! がその答えでした。
【Summicron 35mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 2nd | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/22 Wed

撮影師的位置

M8/Summicron35mmF2
散策の方は、一向に成果を上げられない状況が続いていました。
それは無理もないところで、ふたりで人物スナップを狙っているのに気温35度の世界では、外を歩いている人なんて多くありません。
たまにいても日傘をさしていて表情が分からないですし、単独でぽつんと歩かれてはカメラを向ければすぐにぱれてしまいます。

楊さん曰く、ひとりだったらとっくに帰っているところだ、いや、ひとりなら始めから来ないか。
だが、今日は遠来の客人にぜひ深圳を撮ってもらいたいからね、もうちょっと頑張って歩いてみよう。
などなど言いつつ、楊さんもわたしも炎天下に耐えているのでした。

じつは今回、楊さんを喜ばすようなことをわたしはしていたのです。
と言ってもそれはただ、M6にTri-Xを詰めて持参していただけなのですが、楊さんはすっかり感激してくれて、現像はわたしがするから、いいのがあればプリントもしてあげるからねと、喜びを隠しません。

ぜひとも楊さんにプリントしてもらえるような傑作をと気合いを入れて、M6のストラップを短くして首から提げ、M8の方は右肩から提げるという、楊さん同様の二刀流で歩きました。
がんばって1本撮り終えましたが、残念ながらプリントに耐えうるカットは無かっただろうと思います。
何しろ被写体が少なすぎました。

また、この二刀流のたいへんさも実感しました。
2台をランダムに撮る場合は、露出をかなり意識しないと、カメラを好感して素早く撮るときに多くで失敗してしまいました。
また、2台とも50mmレンズを付けていたわけですが、実質的な焦点距離は違いますので、使い分けによる距離感の違いがどうしても順応できませんでした。
というよりは、これまで長らくM8+50mmレンズで撮影することがほとんどでしたので、これに合わせた距離感覚が自分にあるため、どうしてもM6では被写体との距離が遠く感じてしまいました。
いずれにしても慣れの問題があるので、今度、近くでM6スナップでもやってみようかなどと計画しています。

さて、作例ですが、コマツと日立の対決、ではなく楊さんの大好きな工事現場に出くわしたシーンです。
日本でこんなところを撮影しようとすれば、追い返されるのが関の山でしょうが、中国ではみんな地方からの出稼ぎ者で、自分たちのことに関心を持って撮影してくれるということで歓迎してもらえるようでした。
そのムードを察して、わたしはなるべく労働者たちの表情を狙うべく接近していきました。
普通では、なかなか撮ることが難しい写真が撮れたと思っていると、楊さんの姿がありません。

どうしたのかと探すと、なんと重機の陰にゴザを引いて昼寝しているおやじさんのところへ行って、腰掛けたまま撮影しているではないですか。
ただ撮影したいものに猪突猛進するのをあざ笑うかのように、冷静に自分の行くべき場所を見極めて、話しかけながら情報入手しつつ撮影する。
さすがは師匠、悪条件下で写真家がとるべき行動を勉強させていただきました。
【Summicron 35mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 2nd | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/21 Tue

X光線鏡頭

M8/R-Serenar 5cmF1.5
また、R-Serenarの話題に戻ります。
実はこのレンズ、ライカマウントではありませんが、キヤノンカメラ用として製造された記録があるようなのです。
それは、世界のライカレンズ Part2 の巻末特集として「キヤノンレンジファインダーカメラとその交換レンズ群」にしっかりと触れられています。
執筆されているのは宮崎洋司さんですが、この方はクラシックカメラに関するいろいろなところで価値ある文章を書かれていて、そうとうな研究者であられるようです。

ここでの特集記事も、日本のカメラ史を知る上でたいへん興味深い内容ですし、当然、資料的価値が高く、ぜひ一読いただきたい内容です。
そこで、今回は「●●S交換レンズ編●●」から関連のところのみピックアップいたします。
「◇1939~1950年代◇」の章に22本のレンズが紹介されていますが、なんとそのうちの4本が5cmF1.5(表記は5cm1:1.5)なのです。

比較的よく見るゾナータイプの5cmF1.5は1952年11月発売として、次章で扱われています。
本章の4本すべての構成は分かりませんが、少なくとも最初の1本はR-Serenarのようです。
以下に、その4本について、記載されていることをそのまま抜粋します(便宜上①から④と付番)。

①5cm1:1.5
 1942年5月。X線間接撮影カメラ用に設計された大口径レンズで、標準型~新標準型用の内3爪バヨネットマウント付きで試作された

②5cm1:1.5
 1943年4月。普及型用のネジマウント式。軍から要請された偵察撮影用か?

③5cm1:1.5

④5cm1:1.5
 1948年8月

これだけでは、断定的なことを言ってしまうのははばかりますが、以下のような推測は許されそうです。
①は、X線間接撮影カメラ用ということなのでR-Serenarとみなしうるが、マウントは初期の特殊なものだった。
②も①同様戦中だし1年しか経過していないことから、同じR-Serenarのスクリューマウント版と考えられるが、1949年のⅡB型まではライカマウントとはネジピッチの異なるJマウントと呼ばれるマウントだった。

③と④はまったくヒントすらないので、どういうものかはまったく分かりません。
②と同じ仕様であればわざわざ記載する必要はないですし、戦後間もなくの時代に新しい設計のレンズをいきなり登場させたとも考えにくいです。
そこで少々強引に推測すれば、③はそれまでSeiki-Kogaku銘だったものが、Canon Camera Co.銘に変更された、④は、ネジピッチをライカ規格に変更したというのでは、単純に過ぎるでしょうか。

どなたか、ご教示いただけるとありがたいのですが。
かなり少ないレンズと推測されますが、製造数も分かっていないのが現状です。
それなのに、なんと立て続けにeBayとYahooAuctionで出品されたのです。
いったいぜんたい、どうしたことでしょうか。
【R-Serenar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/20 Mon

瑪咪亜的数嗎背

M8/R-Serenar 5cmF1.5
器材と言えば、楊さんも大きな買い物をしたと教えてくれました。

彼の運転で羅湖から宝安に向かう途中、前方の山の方を指差しながら、あそこに家が何軒かあるのが見えるかと聞きます。
ええ、と答えると、あれは新築された別荘だ、1軒1千万元(1億2千万円)だとさ、と笑いながら続けます。
わたしは、確かに郊外の静かな場所だけど、珠海や中山のように温泉はなさそうだし、海岸に面しているわけでもない、もうちょっと高い場所なら避暑になるだろうけど山の下ではむしろ風を避けて暑いくらいでは、一体そんな別荘を誰が買うんだろうと返しました。

なるほどなあと感心して聞いていた楊さんでしたが、あそこには湖があるんだ、先々月写真を見せたのを覚えてないかと再度聞いて来ました。
ああ、思い出しました。
楊さんの家におじゃました時、PC画面に取り込まれた彼の最近の仕事として、別荘のパンフレットの写真を撮ったというのを見せてもらったのでした。
フォトショップを駆使して加工したというそれは、絵と写真の中間のような現実離れしたもので、路上でスナップするのがライフワークになっている楊さんも、こういう仕事をするのかと妙に感心したことが蘇って来ました。

その仕事は、ニコンの中位クラスのデジタルカメラとタムロンのズームレンズでこなしたと言っていました。
スナップでは、ライカM4を愛用する楊さんも、最近、仕事ではニコンデジタル一本ということでした。
すぐその話題になったとき、楊さんが思いがけず、あのニコンだったらもう売ってしまったと言いました。
そして以前使っていたマミヤ645を復活させ、そのデジタルパックを新規購入したと自慢しています。

わたしは新しい写真機材には疎く、ましてや中判のことはまつたく分かりません。
そのデジタルバッグは、相当に高価だったようです。
物価の安い中国ですが、よく知られる通り外国製品には高い税金がかかるので、そういうものは外国で買うのが中国人の常識です。
中国人が日本へ旅行に来るのはそのためですが、楊さんは香港へ出向いてデジタルバックを買って来たとのことです。

なんで、わたしに教えてくれなかったのか、わがマミヤなら日本で買った方が安いだろうにと、聞きました。
いや、お前には面倒をかけたくなかったからと恐縮していますが、あるいは香港での衝動買いだったのかも知れません。
帰国後調べると、このデジタルパックはプロ用器材のせいか、あまり価格情報が出て来ません。
いくつか見た感じでは、香港の方がずっと安いように思われます。
この辺は、画像ソフトとの関係があるのでしょうか。
わたしには理由が分からず、そのことを未だ楊さんに報告できていません。

ただ、奮発してデジタルパックを手に入れた楊さんは、恐らく仕事の当てがあってのことでしょう。
まったくの想像ですが、楊さんがマミヤを仕事で使えば使うほど、ライフワークのライカにより力が入ってくるのではと予感しました。
楊さんとのスナップ行は、わたしにとってのライフワークになりつつあるし、今後もそうあってほしいと願っているからこその予感のような気がしますが。

我がRセレナーの方は、かなり馬脚が現れだしています。
合焦部分の描写はたいへん素晴らしいのですが、ボケの方がかなりすごいことになっています。
画面では分かりにくいですが、等倍にして見ると、流れや色収差の線がうるさくこのくらいの絵ですとほとんどボケがポップアートのようになってしまっています。

ところで、この少年ですが、たまたまこの場にいただけの存在なのですが、驚くべきことに楊さんにそっくりなのです。
顔の輪郭と眼は楊さんそのもので、髪型までそっくり同じなのです。
このまま40年経った姿を想像してもらえば、そこには楊さんがいます。
この子が来ているシャツはすごいセンスだと思いますが、楊さんは赤いポロシャツが彼のトレードマークです。
深圳で赤いシャツでこの子の40年後のルックスをした人がいたら、ライカM4かデジタルパック付きのマミヤが握られていないか確認してみてください。
【R-Serenar 5cmF1.5 F1.5】
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Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(2) | 2011/06/19 Sun

門口非常矮

M8/R-Serenar 5cmF1.5
ずっと関係ない話が続いたので、今日はレンズの紹介をいたします。

本来、このブログでは所有するレンズの紹介、研究、関連するレンズ論などを展開するかたちを取りたいのですが、筆者の知識や力量がそれを許しません。
また、人物スナップが好きなので、近隣でばしばしスナップしてくればよいようなものを、そうした写真ではどうしても顔がはっきり出てしまうと問題となることから、それを避けるため外国のものを採用せざるを得なくなり、その結果、旅行記か見聞録のような内容に転じてしまっていることは反省しなくてはいけないと思っています。

それにスナップでレンズの性能を見ようというのもかなり無理があります。
それを可能にする技術があれば問題ありませんが、現実にはカメラ女子はもちろん、定年後に始めたという初心者の中高年カメラマンにも遅れをとる始末です。
写真は一朝一夕には上達しないようなので、徐々に進歩して30年後くらいには見られるように努力したいと思います。

さて、レンズですが、R-Serenarというレンズは、キヤノンの前身の精機光学が製造したレンズです。
「R」はX線撮影用を意味するそうで、もともとは医療用に設計されました。
しかし、このレンズにはライカマウント版も存在します。
恐らく、もともとは専用のカメラで撮影していたものを、精機光学が出した後のライカコピーのキヤノンカメラで撮影できるよう試作的に少量のライカマウント仕様が作られたのだと思います。
あくまでX線撮影用だった証拠に、ライカマウント版でも絞りが付いていません。

かつて親交のあったレンズ通の知り合いが、まさにそのライカマウント版を所有していて、わたしに見せてくれたことがありました。
そんなレンズの存在はまったく知りませんでしたのでずいぶん驚かされましたが、それが4群4枚の設計だと聞かされ、そんな設計でF1.5が達成できるのかとびっくり仰天です。
あらゆる50mmF1.5レンズを集めようと考えていたわたしには、何としても探さねばならないレンズになります。

調べると別にも所有されている方がいて、ブログで入手のいきさつや作例まで紹介されていました。
写りは良くないと評されていましたが、わたしにはF1.5級ではまずまずの描写に見え、ますます欲しくなって来ます。
しかし、いくら探しても見つかるレンズではありません。
仮にあったとしても天文学的価格を言い渡されて辞退するような姿が想像されて、ほとんど探すのもあきらめていました。

ところが、ある日それは突然見つかりました。
レンズヘッドだけですが、香港系米国人の光学機器ディーラーが所有しているということでした。
価格は要問合せとなっていてイヤな予感です。
しかし、そのディーラーは、ksmtさんの知り合いです。
お願いして問合せしてもらいました。

回答は、ぼろいレンズヘッドにしてはとんでもなく高価だと言えますが、わたしにとっては意外なほど良心的な値段でした。
ksmtさんに出した特価ということだったのでしょう。
国際送金などの手間がたいへんでしたが、苦節数カ月でようやくそのレンズを入手することができました。
ヘリコイドも絞りも付いていない、ほんとうにX線撮影に使われていたんだろうなと思われるレンズは、MSオプティカルの手によってライカマウントレンズに改造されて戻って来ました。

特製の絞りが取りつけられた分、改造費が高価になっています。
ケチなわたしは、その分いつもより絞った写真を多く撮ることで高かった分を取り返そうと考えたいたのですが、開放の描写が予想以上に素晴らしかったせいか、すっかり絞るのを忘れてしまいました。
この作例などはまさに絞って、壁の内側での生活を浮き上がらせるべきだったと後悔しています。
結局すべて開放で撮ってしまいましたので、せっかく絞りを付けてくれたMSオプティカルには今さらですが、申し訳なく感じているところです。
【R-Serenar 5cmF1.5 F1.5】
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Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(4) | 2011/06/18 Sat

北帝廟

M8/R-Serenar 5cmF1.5
車は、宝安区の西郷鎮の一角に駐車します。
この辺りにだいぶ前に来てけっこう愉しんでスナップできたのでそのとき以来の再訪ということです。
深圳市内はどこも車があふれかえっているような状況ですので駐車場探しに少し手こずりますが、アパートの並ぶ中に本来は住民用と思われる駐車場を見つけてまんまと停めてしまいます。

駐車場はもちろんどこも有料ですが、ここは4時間ほど停めたのに6元(およそ75円)と安く、なによりこういうところは盗難などの心配があまりないから良いのだとのことです。
中国では、事故や盗難など車に関する心配事はより深刻なのでしょう。
ここで唯一困ったのが、着いたとき木陰だったのに、午後戻ってみると高くなった太陽の光を直撃していたことで、さすがに気温35度の世界では熱さでハンドルも握れないような状況でした。

楊さんの記憶を頼りに歩き出すと、なるほどしばらくして戦前の建築がぽつりぽつりと現れて、庶民的な生活感とともにいい味の出ているエリアだと分かりました。
しかし、何しろ暑くて人通りはまばら、撮りたくなるようなシーンにはめぐり合えません。
昨日の作例写真のように、とりあえず女の子が立っていたら撮ってみるというような感じで、ふたりとも盛り上がることができずにいます。

そこで偶然出くわしたのがこのお寺です。
北帝廟と書かれていて、中国独特の寺院でしたが、庶民の信仰深さを裏付けるように、暑い中何人かの信者が祈りをささげています。
小さな寺廟でもそれなりの歴史はあるようで、文革の弾圧にも耐えて今では平和に宗教活動しているようです。

このときはまつたく気付きませんでしたが、楊さんがあとで教えてくれたところによれば、ここは仏教ではなく道教の寺院だったようです。
道教は日本ではたいへん馴染みが薄く、わたしも勉強不足でさっぱり分かりません。
仏教、儒教と並んで中国三大宗教と呼ばれます。
儒教が孔子の教えをもとにしているのに対して、道教は老子と荘子です。

ただ、もともとあったシャーマニズムと結び付いて発展した歴史があるようで、台北で礼拝の様子を見た時は全員が黒衣で仏教的なものを期待するとかなり異様な印象です。
陰陽道とか風水が深くかかわって来るので、中国文化を知るためにはぜひ入門書程度は読んでおかなくてはと思うのですが、いまだ果たせずです。

香港や広東の寺院ては、仏教、道教を問わず盤状香と呼ばれるらせん状の線香を天井からたくさん吊っているのをよく見ます。
長い線香なので1週間くらいはずっと火が付いているのですが、上に吊ってあるということは燃えた灰が下に降って来るということです。
大量の盤状香が吊ってあれば、ほとんどひっきりなしに灰が降って来ますので、うっかりするとあちちーということになるわけです。
それを防ぐためにここ北帝廟では、金属の円盤を盤状香の下に吊っていましたが、こんなの初めて見ました。
いいアイディアだと感心する一方で、盤状香が大量に吊り下がっている光景が広東省の寺院らしさなので、余計なお世話なのだと気付くのに時間はかかりませでした。
【R-Serenar 5cmF1.5 F1.5】
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Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/17 Fri

準備大運会

M8/R-Serenar 5cmF1.5
楊さん運転の上海大衆ポロは、いつもとは逆に北へ向かって進んでいきます。
フォルクスワーゲンは、ドイツ語をそのまま訳して大衆、上海に本社があるので、上海大衆という自動車メーカー名です。
大衆の衆という字は中国の簡体字で書くと"众"となります。
この字は、フォルクスワーゲンのロゴのVWをひっくり返したかたちなのも、非常におもしろい符合です。

高速道路を途中から西方向へ舵を切りながら、楊さんは宝安へ行くといいます。
宝安は深圳空港のあるところですが、中心の羅湖からは50キロ近く離れています。
深圳は東西に広大な都市で、恐らく西のはずれの宝安から、東のはずれの原子力発電所のある大鵬まで100キロほどあったと思います。
東京駅から熱海駅くらいまでがひとつの市だと言えば、いかに巨大かが分かるでしょう。

深圳空港から四川省や貴州省などの中国の都市に国内線を利用したことが何度かありますが、交通手段はタクシーかバスしかなくいつも悩みどころでした。
しかし、わたしたちが向かった翌日地下鉄が延伸して、深圳駅から直通で行けるようになったようです。

実はこの8月、深圳ではユニバーシアード世界大会が開催されると言うことで、インフラ整備が急ピッチで進められています。
交通網はもちろんですが、繁華街でのデコレーションや老朽化した建物のリフォームなどをおこなう姿があちらこちらで見られました。
市をあげて、大運会(大学生運動大会の略称?)を成功させよう、海外からのお客さんに深圳の発展ぶりをアピールしようとがんばっているようです。

ところが、わたしたちに思い出させるのは、むしろ北京オリンピックの醜態の方ではないでしょうか。
北京の繁華街近くでは工事が間に合わなかった建物や古い建築物を高い壁で覆って外から見えないようにしていました。
郊外の山では木々がほとんどないのを誤魔化すために、山を緑のペンキで塗ったりなど、記憶に新しいところです。

オリンピック競技の内容よりも鮮明に記憶されているのが、聖火リレー中に起こった中国政府の対応を非難するフリーチベットの声と、それを妨害しようとする中国人の対立でした。
そのときは、多くの人がこんな国ではオリンピックなど開催すべきではないと思ったのではないかと思います。
3年が経過して、中国もより民主化したかといえば、人権団体などの発表ではアラブ圏での運動の影響もあって言論などへの弾圧は今までにない厳しさになっていると言います。

政府による必死の引き締めですが、市民の反応は逆方向へと進んでいることがうかがえます。
今ほど見たニュースでは、中国共産党90周年の肝煎り映画「建党偉業」はまったくの不評で、多額の費用と有名俳優をこれでもかとばかりに投入したにもかかわらず、アンケートでは8割以上がゴミと回答したと紹介していました。
こういう発言は、もはや抑え込めなくなっているのですね。

それにしても、21世紀をすぎてもプロパガンダ映画をつくる中国政府へは非難の言葉も見つかりません。
それを承知で、映画出演した有名映画スターたちには、御用俳優の烙印を押さないといけません。
【R-Serenar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/16 Thu

汽車的事情

M8/R-Serenar 5cmF1.5
朝食を済ますと、店の前に路上駐車した楊さんの車で出発します。
あきらかに路上駐車なのですが、それを見張っている飲茶レストランの従業員がいて、駐禁を切られることもいたずらされることもありません。
有力なレストランですので、警察に袖の下ということなのでしょう。

そういえば、昨日の新聞に深圳からも近い増城市で、屋台で衣服を販売していた妊婦が警察から暴行を受けて、それが千人規模の暴動に発展したとニュースがありました。
屋台の不法営業を認める代わりに警察が金を要求したのを、この妊婦が拒否したため見せしめに暴行されたとの話が伝わっています。
いずれにしても、小さな事件が発端で労働者たちの不満が一気に爆発するほどの不安定要因が中国ではくすぶっています。
格差が大きすぎるうえに、政府がコントロールできなくなってきていることが分かります。

とはいえ、ようやく豊かになりつつある生活を楽しんでいる庶民の姿があるのも事実です。
そんな場面を見たり撮影したりするために、楊さんに連れられてこれから散策しようとしているところでもある訳です。

そういえば、先月ぶつけてしまい前輪上部フェンダー付近にへこみをつくっていた楊さんの愛車ポロでしたが、確認するときちんと修理されていました。
中国でも板金修理するそうで、2万円ほどかかったとのことです。
かなり痛い出費だったと想像できますが、やはり日本で修理するよりずっと安く上がるようです。

強面で一見すると堅気の人に見えない楊さんですが、少なくともわたしに対しては実に優しく接してくれています。
それは運転でも同様で、非常におとなしい運転なのが顔に似合いません。
助手席にわたしを乗せているからなのかと思っていましたが、事実はそうではありませんでした。
楊さんが免許を取ったのは4年前の44歳の時なのだと言います。
高齢出産ならぬ高齢免許なので、ルールがあって無しが如きの中国で運転するのはそうとうきついことでしょう。
無事をお祈りしたいと思います。


さて、本日の作例は双子のベビーカーです。
だいぶ以前、友人の子どもができたときにいっしょにデパートにベビーカーを見に行ったことがあります。
バカ高いのと安いのと価格が二極化していたのを思い出します。
安いのは地元のベビーカーで、高いのはすべて日本製でした。
外見はそれほど変わりませんが、ちょつと触ればキャスターのスムーズさと重量に雲泥の差があります。
一般庶民は、高性能ベビーカーを目の前にしながら、リーズナブルな中国製を選ばざるを得ないのが実情でした。

愛情いっぱいに育つ子どもたちがそもそも重くなってしまっているのですが、それに輪をかけてベビーカーの重さに手を焼いている様子が理解できます。
もちろん中国の町中がバリアフリーになるようなことは、このブログが続いている間はあり得ません。
【R-Serenar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/15 Wed

誰付銭

M8/R-Serenar 5cmF1.5
埋単!
チェック・プリーズを広東語で言うとこうなります。
読み方は、ほとんど日本語そのままで、「マイタン」です。
深圳が広東省だからということではなく、中国各地でこの埋単という言葉が通用しています。
広東語を使うのがかっこいいという風潮が、全国に広まったのではないかと思われます。

店員が飛んできて伝票を持ち去り、すぐにまたやって来て、いくらいくらですと告げます。
支払いは当然自分がするつもりでしたが、楊さんが頑なに拒否。
こちらも負けずに現金を突き出して支払おうとしますが、楊さんが何ごとか言うと店員は、楊さんのお金を受け取って立ち去りました。

外国人に払わせては中国人の恥だ、とか言ったのでしょうか、よく聞き取れませんでした。
中国や韓国では、割り勘をしません。
このケースでは小額ですから尚のこと当然ですが、どうも割り勘をケチ臭いと思っているようですし、割り勘が当たり前の日本人をケチなヤツらだと思っていたりもするようです。

一般に支払いはお金をより持っている方がして、別の機会に金額が少ないときなどに前回おごってもらった方が支払いして調整したりするようです。
おごられっ放しは、面子が潰れるということがあるのでしょう。
わたしはほとんどおごられてばかりでしたので、何かお返しすることを考えなくてはなりません。
ただでさえ収入は、中国人の楊さんよりはずっと多いはずですし。


さて、今日の作例ですが、路地で野菜を細々と売るおばさんです。
朝一番はもっといっぱい売っていたのかも知れませんが、それでもテーブルの大きさを見れば高が知れています。
恐らく彼女のすぐ背中の建物の1階に暮らしていて、目の前で商売できるという好立地を利用して、板切れの即席テーブルで野菜を毎日売り続けているのでしょう。

朝の10時前でしたが、この野菜のところだけ日が当って、おもしろい光の塩梅でした。
ただ、それだと野菜が傷みやすくなるのではと、人ごとながら気になります。
むしろ日に当てることで殺菌効果があるのでしょうか。
この時すでに30度近かったと思いますので、やっぱり長時間日にさらされた野菜はどうかなあと余計な心配が尾を引くのでした。
【R-Serenar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/14 Tue

先吃早餐

M8/R-Serenar 5cmF1.5
先週末はまた深圳にいたのですが、猛暑と台風が交互にやって来るタフな滞在でした。
出発した日の東京も暑く、日中の最高気温は25度ありましたが、夜中に到着した深圳は、最低気温が25度でした。
日中の最高気温は35度になっていて、今回は、撮影がどうこうという状況ではありません。

短い滞在の1日は、写真家の楊さんと会うことになっていました。
まさか、今回は撮影には行かないだろうと思っていたのですが、わたしの認識は甘かったようです。
遠方より客はるばる来る、さらば、客人の愛する散策撮影を是が非でも敢行しなくてはと考え、朝からの撮影が始まるのでした。

朝8時に集合して、まずは腹ごしらえですが、店こそ違うものの飲茶の朝食です。
香港を訪れる女性に人気の高い飲茶ですが、わたしはそれほど好きではありません。
中国各地の料理が終結する深圳では、朝から旨いものが食べられます。
朝の遅い香港では、飲茶か麺粥店くらいしかなくて、どうしても飲茶になってしまうのかも知れませんが、点心ひとつひとつが少量で高く、満腹になるよう何皿もたのむとディナー並の料金になってしまいます。

旨いものもありますが、お菓子みたいなものとか外していくと、案外いつも同じものばかり選んでしまうことになります。
例えば、鶏の脚の鳳爪とかブタモツの豚大腸とかは定番でどこで食べても美味しいですが、えびシューマイの蝦餃やチャーシュー饅の叉焼包などは案外どこで食べてもがつかり味です。
メジャーな小籠包、腸粉、お粥系などは、それぞれの専門店で食べたほうが美味しいのは、言うまでもないでしょう。
お茶だって三流のものしか出てこない飲茶屋にわざわざ出掛けていくのは、わたしにとってかなり無駄な行為です。
超高級店の飲茶ならきっと美味しいでしょうから、それはまた例外です。

かなりの極論、暴言に聞こえるかも知れませんが、もともと飲茶はおしゃべりの合間につまむもの、ひとりの時は新聞を読みながらたまに箸を延ばすものという程度のものです。
さらに言えば、香港は美食の都のような言われ方をしますが、確かにお金持ちにはその通りです。
しかし、リーズナブルに食を楽しもうとすると、ここほど厳しいところも無いような気がします。
香港の安食堂とも言うべき茶餐庁に行ってみてください。
旨いところもあるかも知れませんが、ほとんどの茶餐庁では、何だこりゃという料理ばかりでびっくりさせられます。
それが証拠に、日本の吉野家や味千ラーメンなどが、香港では美味しいレストランとして大繁盛している現状があります。

まったく写真とは関係しない話ばかりになってしまいました。
さっさと朝食を済ませ、まだ本格的に暑くなる前、最初に撮った作例からスタートします。
電気のメーターか何か黄泉に来ているのかと思いましたが、ちょっと違うようです。
何かを修理しているようです。
しかし、その何を修理しているかが分かりませんでした。
いつも以上に地味な写真からのスタートですが、ほんとうに撮るものが見つからなかったということを示しています。
暑い暑い一日の幕開けでした。
【R-Serenar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Seiki-Kougaku R-Serenar 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/13 Mon

夢秋天再来

m/Nikkor S・C 5cmF1.5
楽しい楽しい田植えのはずでしたが、開始わずか15分でした。
わたしの腰は悲鳴をあげ、なんとか着いて行こうとの努力もむなしく、あっけなくギブアップとなってしまいました。
たいへん情けない話ですが、身長185センチ、もともと腰を痛めやすいわたしには最初から無理な作業のようでした。
友人夫妻は最初呆気にとられていましたが、まったくしょうもない奴だと非難轟々、彼ら3人だけで作業を進めていきました。

続いて、お嬢さんが脱落です。
あきてしまったということもあるのかも知れませんが、彼女はわたしと遊びたかったようです。
わたしは、まったく女性にもてるということのない人生を歩んで来ましたが、友人夫妻の小さな女の子だけが唯一の例外です。
わたしのことを君づけで呼んで、対等な友達のように、幼稚園の同級生のように遊んでくれるのです。
ということは、わたしがギブアップしたことは、彼女の農業体験にとってはたいへんに好ましからぬことで、作業者が減ったこと以上に問題行為だったわけです。

棚田のいちばん上に泉があって、つねに流水があるため、田んぼには水がうまく張り巡らされています。
そして、そこには無数のオタマジャクシがいました。
腰のつっぱりを気にしつつふたりでオタマジャクシ取りが始まりました。
ますます夫妻は飽きれていましたが、やはり根性のあるふたりはそういう逆境下で力を発揮します。
慣れてくると、最初に4人で植えていたよりも倍以上のスピードで苗を植えていきました。
こんどはこちらが唖然としてしまいます。

そういえば、驚いたことに田んぼの中にサワガニまでいました。
わたしたちに割り当てられた田んぼはかなり下の方だったのですが、このカニは泉の方から下って来たのか、それともずっとここに居付いていたのか。
いずれにしても不思議な気がします。
農薬のことを聞き忘れたのですが、無数のオタマジャクシとサワガニまで見ては、何か安心できるような気がしました。

作業は1時間半ほどで終了しました。
わたしは、15分ほどでドロップアウトしてしまいましたので、収穫時には全面参加できるよう腰を鍛えないとねと笑われました。
秋の刈り入れと新米の味がじつに楽しみです。

さて、作例ですが、ほとんどふたりで作業しても1時間半しかかからないくらいですから、多くの人たちは初日にほとんどの作業を終えてしまったようで、われわれが終了した時は人気がなくなっていました。
ぽつんと取り残された感じがユニークです。
じつは撮影した位置あたりに茅葺屋根の施設があって、みなさん、いちはやく昼食をもらって食べていたのでした。

友人家族にも早くお昼にしようと声をかけ、みんなで地元の方々のつくったおにぎりをいただきました。
たくさんの参加者がそれぞれに食事していましたが、みんないい笑顔で食べていて、こういうところを撮影できないのが残念に感じられました。

雄大な景気の中で体を使ってする作業は、なにか尊さを感じられるもので、終了した時の達成感もまた格別です。
自然の中で日ごろのストレスを発散し、自分たちが育てた収穫をやがて食べられるときを夢見る。
夜は温泉に浸かって、地元の料理に舌鼓。
こんな贅沢があるでしょうか。
とくに都会に暮らす、小学生以下のお子さんを持つサラリーマンのご家族にお勧めいたします。
【Nikkor S・C 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Nikkor S・C 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/12 Sun

插秧

m/Nikkor S・C 5cmF1.5
初日は恥ずかしい大遅刻で、田植えは手付かずになってしまっています。
日曜日は、それを挽回すべく早起きします。
ホテルが快適だったので睡眠もばっちりだったかと言えば、じつはわたしは枕が代わると眠れなくなる典型的なタイプなのです。
ビール、日本酒とかなり呑んだので寝るのはあっという間だったのですが、夜中に何度か起きて、やがて眠れなくなります。
このときも、あいにくとこのパターンでした。

そのかわり、薄暮の中の美しい海を眺めることができましたし、あわてることなく朝食をとることもできました。
少々眠かったものの、気分爽快に棚田へ向かいました。

いくら狭いスペースとは言え、田植えにひとりでいっても仕方ありません。
ふだん、たいへんお世話になっている青年実業家夫妻がいて、いつもご馳走になってばかりでした。
ささやかですが、そのお返しに、まあまあ良い宿に泊って、心づくしの食事をして、いいお湯につかって、幼稚園の年長組にあがったお嬢さんに厳しい農業体験をしてもらってと、いわば接待のようなつもりで考えていました。

ふたりは仕事が忙しく土日連続で休むのがなかなか困難でした。
もう5年は、泊りの旅行なんてしていないと言っていましたが、わたしが半ば強引に誘うようなかたちで持ってきた話を、娘の教育だとの大義名分まで用意していたこともあって、喜んで参加してくれました。
わたし特製のアグリツーリズモがすっかりお気に召したようです。

ホテルや料理が気に入らないと不満を持たれるのではとの心配もありましたが、わたしが感じたのと同様に、工夫してがんばっている宿だなあと感じたようです。
仲居さんと話しながら、やはり震災や計画停電の影響で非常に厳しかったという話などを聞くと、持ち前の苦労人魂が燃えるのか、秋の収穫の時もぜひまた泊らせていただきますとわたしを差し置いて返事してしまう始末です。

さて、棚田に到着しました。
集合時間より早めに着きましたが、指導員の方はすっかり準備万端、首を長くして待ってくれています。
わたしたち全員初田植えで要領が分からなかったのですが、指導員さんがいるので従ってやるだけです。
指導員と言っても、間違えに怒鳴ったりとかということはなく、人の好い農家のおばちゃんで、こんな人に教えてもらえるんだったら何かお土産とか持って来るんだったなあと反省させられました。

苗は、この地区の子どもたちがあらかじめ育てておいてくれたものだそうです。
そう聞くと1本たりとも無駄にはできないと気持ちが引き締まります。
当たり前のことですが、コメ作はわたしたちだけではまったくできるはずはありません。
あくまで、地元の皆さん総出の作業にちょっとだけ混ぜていただくということなのです。

さあ、田植えの開始です。
苗がきれいに一列に並んで植えられるように竹の棒を物差し代わりに植えていきます。
ですから、みんなが肩も触れ合わんばかりに仲良く一列になって、順々に苗を差し込んでいくのです。
遅れたりすれば、他の人を待たせて迷惑がかかります。
息を合わせないとできない、チームプレイが求められます。
みんなが同じように泥んこになっての作業、楽しそうに感じられないでしょうか。
【Nikkor S・C 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Nikkor S・C 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(2) | 2011/06/11 Sat

海辺酒店

m/Nikkor S・C 5cmF1.5
本来なら、田植えでばてばてになるはずでしたので、宿泊は自分としては思いっきり奮発しました。
石部の棚田から5キロほど北上した堂ケ島温泉のホテルに予約していたのです。
直前に何気なく予約したのですが、海辺の高台の崖に立つ、ロケーション最高の宿でした。

普段の旅では清貧を心がけてリーズナブルな宿に泊まるのが常ですが、今日は労働、のはずだったのです。
頑張った自分へのご褒美で、田植えに間に合わなかったのは誤算でしたが、ホテルの良さは嬉しい誤算でした。
いちばん安いコースは、食事2食付きで12000円でしたから、すごく高級なホテルというわけではありませんが、ふだんビジネスホテルやしょぼい宿ばかり泊っているせいか、ずいぶんと快適な滞在に感じられました。

まずチェックインでのやり取りがさすがと感じられるものです。
丁寧だがへりくだらない、自慢しているわけではないがみなぎる自信に信頼感が感じられる、短時間の言葉のやり取りでそれがじゅうぶんに伝わって来ました。
早く部屋に入って人心地つかせてあげたいが、きちっとした対応をしてまずはここでホッと安心感も持ってもらいたい、そんな気遣いを感じないわけにはいきません。
説明が少ししつこかったり、逆にあっさりし過ぎていて安宿に来る客の対応なんてこんなもんかと思うことが多く、案外こういう最初の接客で好印象ということは少ないものです。

友人たちと2部屋だったのですが、食事をいちばん良いものにした分、部屋は6畳の狭い部屋になりますプランにしていたのですが、通された部屋は10畳プラスアルファのじゅぅぶんに広い部屋でした。
いつも世話になっている大切な友人たちだったので、せめて好い食事をとそのむね電話で打ち合わせなどしていたためか、そんなお客さんならといい部屋に変更してくれていたようでした。
そういうことならチェックインの時に恩着せがましくいい部屋にしましたからと言いそうなものの、予約したわたしに気遣ってその場では言わなかったのでしょう。
部屋を見てはじめてそのことに気付かせる、サプライズ付きの心遣いだと察せられました。

ホテルのことを良かった良かったと長々書いても仕方ありません。
もちろん肝心の露天風呂付きの温泉も、奮発した食事も最高でした。
夕食は、アワビ、イセエビ、鯛飯コースというものでしたが、それらがなかったとしても、どの皿にも工夫があって、料理のことを肴にしながら箸を進めても楽しめるレベルの高いものだったので、安いコースでも満足できたことでしょう。

田植えで全身に汗をかいて疲労を感じるという予定でした。
温泉で汗を流し、畳の部屋で仲間と飲むビールが最高となるはずでしたので、その方がむしろ残念でした。

さて、作例は、部屋のベランダから見た夕日です。
もともと堂ケ島温泉は夕日のすばらしさを売りにしていますが、より美しい夕日を楽しむには冬場が良いとの話でした。
それでも、強風だったこの日は5月にしてはすごくきれいだと、スタッフが撮影しているくらいでしたので、わたしたちはかなり幸運でした。

ただ、惜しむらくは、太陽が水平線に沈んでくれません。
あれっ、どうしてと思ったのですが、恐らく対面は静岡市あたりの陸地のようでした。
作例を見てからの不満は、言うまでもなく、CCDが汚れたままだと気付かされことでした。
【Nikkor S・C 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Nikkor S・C 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/10 Fri

所有梯田

M/Nikkor S・C 5cmF1.5
ちょっと古い話になりますが、5月第2週の土日で田植えをして来ました。
ご想像のとおりちょっとした農業体験というレベルのものでしたが、豊かな日本の自然を満喫し、また秋には収穫に訪れる楽しみもあります。
写真は何枚も撮らなかったので、日曜日までの4枚だけですが、ウィークエンド・ファーマー体験記でも綴ってみることにしましょう。

昨年の8月に西伊豆を廻ったとき、松崎町にある石部の棚田を見物しました。
かなりの急斜面に千枚を超える棚田が広がり、はるか下には青い海がそびえる景観にしびれました。
戻ってから調べると、この棚田は町が主催してオーナー制度をつくり、年間費用を払って登録すると棚田1~2枚分のオーナーになれ、田植えと収穫に参加するだけで獲れたお米もいただくことができるということでした。

申し込んでみると幸運にも抽選にあたってオーナーになることができました。
去年はあいにくの雨の中を訪れたのですが、またあの棚田に行くことができると言う楽しみに加えて、自分で育てた米を食べられるという喜びが得られます(実際には地元の農家の皆さんに管理していただいている)。
そして、このような制度をしかないと荒れ果ててしまうだろう大きな棚田を、本来の姿で保存させているのに一役買っているという貢献もできるわけです。
問題は多いのかも知れませんが、すばらしい取り組みだと思います。

さて、当日はものすごい風の強い日になってしまいましたが、たいへん好い天気で棚田の美しさを味わうには最高の日和でした。
土曜日のお昼に集合して、地元の方に指導いただきながら田植えを始め、2日目の午前中もその続きをして昼食をいただき、田植えが終わったら各自解散すると言うスケジュールです。
田んぼ1枚1枚は作例のようにそれほど大きくないので、日程的にはかなり余裕をもって組んであるようです。

しかし、当日、お昼集合だと言うのに、出発遅れ、渋滞、サービスエリアの混雑で昼食も遅れして、着いたのはなんと3時頃になってしまい、ほとんどの参加者が自分たちの田んぼの田植えを終えてしまっている状況でした。
今からでも1時間くらいは田植えの時間を取れるようでしたが、今日はあきらめて、明日朝からがんばって今日の遅れを取り返す作戦でいくことにしました。

それではと、棚田の高いところまで登って、景観を楽しみます。
すごく開放的で、ふだんのストレスがこの強い風に乗って海の方まで消し飛んでしまうかのようです。
何物にも代えがたい気分を味わえただけでもオーナーになって、ここまでやってきた甲斐があったというものです。
棚田の作業は平地に比べてかなりきつくなりますが、やはりこの棚田をつくり守って来たお百姓さんたちもこの景観を得られたことで、がんばろうという気持ちになれたんじゃないかと想像します。

さあ、明日はわれわれも頑張るぞ。
【Nikkor S・C 5cmF1.5 F4】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Nikkor S・C 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/09 Thu

秘密会合

M8/Super-Six 2inchF1.9
日曜日、ちょっとしたきっかけで知り合ったライカファンだという男性と会って、ずっと話をして来ました。
男性は、わたしなどよりずっと先輩で、いったん定年退職された後も、知識を買われて嘱託のようなかたちで仕事を続けておられる方です。
長い単身赴任を解除されて家族のもとにもどったときに、がんばったご褒美に長年の夢だったライカを手に入れました。
しかし、そこでライカウィルスに感染し、以降、次々とボディからレンズからアクセサリーからと買い続けられているそうです。

ライカの話はもとより、仕事での海外出張のことやプライベートの旅行などなど、話は盛り上がって、喫茶店内で延々と4時間も話し込んでしまいました。
いい歳してしようがないなあとお互い感じたことと思います。
まわりの人の目も同様だったかも知れませんが、となりのテーブルだった20代半ばくらいの女性ふたり組は、関心ありげにこちらを見たりしているのに気付きました。

話が面白かったからとかではなく、わたしがM8に改造レンズを付けたごついライカをテーブルに置けば、男性の方は角のみがスレて真鍮がわずかだけ見えているいい感じのブラックペイントⅢcにぴっかぴかのニッケルエルマーのセットを対峙させてきたのが、これがライカなんだ、戦前の真っ黒なのもデジタルも両方ともか、へええ~という感じで、関心を寄せてきたようでした。
たぶん自身もデジタルカメラは使っていて、ライカなる高級カメラがあることは聞いたことがあるが、まさにあのおっさん達が見せびらかしているのがそれか~、などと思っていたのではと想像します。

今回、その男性とはほとんど初対面でしたので、お互い自慢のカメラを名刺代わりにもって来たというところです。
わたしは自慢というよりも、レンズ趣味でふだんM8でいろんなレンズを撮っているが、何も純正ばかりでなく、ノンライツがあるし、今回のような改造レンズもあるんですというのを示したわけです。
そして男性は、やっと入手した程度のすばらしいブラックペイント&ニッケルメッキのセットで、コレクターとしてはこういうものを集めたいし、実用もしていますよというのを教えたかったんだろうと思います。

じっさいそのブラック&ニッケルがめちゃくちゃかっこういいんですね。
また、その男性の温和な表情とシルバーヘアにぴったりと似会ってもいます。
帰宅してから、さっそくわたしもブラックのⅢcを出そうかと思いましたが、そっくり同じでは芸が無いので、次回使用予定のM6ブラックペイントを出して来て、付けるレンズをどうするか考えました。
すぐに、これだろうと思ったのがニッケルのズマールでした。
固定鏡胴は持っていないので沈胴の方です。

男性のⅢcにはかないませんが、これはこれでたいへん風情があってかっこういいんです。
バルナックよりずっと大きいM6ですが、ふだんM8にグリップを付けたのを持っているとふた回りくらい小さく感じられてコンパクト感がますます気に入ります。
M6のLHSAバージョンのブラックペイントはむめり感がパルナックのそれに少し似ていて、見た目、触感ともしびれて来ます。
今度は、たっぷりこのセットで撮影したいのですが、そうするとブログに出す写真がなくて困ってしまうんですね。
スキャナー必要かしら。


さて、90歳を超えるおばあちゃんに声をかけられたりして愉しんだ北千住ですが、時間が遅すぎたため少し撮影して日没サスペンデッドになってしまいました。
再訪したいよい町ですが、一点だけ注文があります。
着いた時も迷ったように、駅がたいへん分かりにくいのです。
情けないことに、帰る時も迷ってぐるぐる歩き回ってしまいました。
【M8/Super-Six 2inchF1.9 F1.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Super-Six Anastigmat 2inchF1.9 | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/08 Wed

千住的回憶

M8/Super-Six 2inchF1.9
昨日も言及した通り、わたしにとっての北千住は、東京都というよりも埼玉県か千葉県くらいの遠方に感じられます。
まったくこの地名に馴染みがありませんでしたし、同時に、南千住という地名があることは知ってましたが、東千住、西千住があるかは存じ上げません。
ただ、千住という地名が千人も人の住む地という由来のような気がして、昔から人口密度の高い町だったのではなどと無意識に思っていた程度のものです。

千住と聞くと地名よりもヴァイオリニストの千住真理子さんを思い出します。
わたしが学生のころ、デビューしたての若手美人ヴァイオリン奏者としてたいへんな人気でした。
最近、キノプラズマートと開放の収差に関心を持たれているホロゴンさんが、ご自身のブログに何度か千住真理子さんのことを取りあげて、演奏会を訪れその演奏のすばらしさを語っていらっしゃっています。

じつはわたしも学生のころ1度だけその千住真理子さんが東京のプロオケの定期演奏会だかで、チャイコフスキーの協奏曲を弾いたのを聴いたことがあります(もしかしたらシベリウスだつたかも)。
当時、まだ20歳代だったと思いますが、たいへん失礼を承知で言えば、少しひどい演奏だったと正直に思いました。
ミスが多かったのと、当時からストラディヴァリを貸与されているのが自慢だったにも関わらず、ボーイングが貧弱で楽器が鳴っていないという印象でした。
期待していっただけにがっかりしたような気もしますが、まだ若いんだからこれからどんどんうまくなるだろうし、何しろ美人だったので応援しよう、いつかまた聴きに行こうと思っているうちに20年以上経ってしまい、すっかり忘れてしまいました。

それが、ホロゴンさんがベタ褒めするような演奏家に成長したということですから、びっくりしました。
ヴァイオリンのような楽器でも神童という人はいっぱい出ていますが、千住さんもそういう範疇で評価されたものの、むしろ歳を重ねることで演奏が円熟したのではと想像します。
管弦楽団と音量を競うような協奏曲もいいですが、もっと自然に楽器を鳴らして狭い空間を充満させるような室内楽の大家になってもらえればなあと思います。
久しぶりに聴きに行かなくては。

クラシックは長らく聴いていなかったのですが、昨年、iPodを購入したのを機に、復活するようにモーツァルトやベートーヴェンを聴くようになりました。
千住さんが円熟の演奏をするようになったのとは次元が違いますが、わたしの耳も少しは歳をとって変化しているようで、かつて何度も聴いた曲が違って聴こえてくるのに驚いています。
生の演奏会では、もっと違って聴けるのではとの思いがあるので、ぜひともクラシックコンサートに足を運びたいのです。
【M8/Super-Six 2inchF1.9 F1.9】
Dallmeyer Super-Six Anastigmat 2inchF1.9 | trackback(0) | comment(2) | 2011/06/07 Tue

有鯉魚旗的房子

M8/Super-Six 2inchF1.9
昨日、足利の散策は終了したと高らかに宣言しました。
ですから、これは足利ではありません。
実際、足利市駅から東武急行に乗ってのんびり戻るつもりでしたが、直通の急行は無いようで、みすみす1000円無駄とは分かっていましたが、行きと同様特急で戻って来ました。

あっけなく北千住に着いてしまい、なんだかこのまま帰るのもなんだし、飯でも食べて帰りましょうという展開になります。
それにまだ時間があるので、ここ北千住で少し散策してみましょうということにもなりました。
道すがら、食事する場所も見つけられればと言う感覚です。

わたしは初めてでしたが、ksmtさんは何度か北千住を歩いたことがあって、なかなか下町情緒があっていいところと言われています、のような微妙な勧め方をしておられました。
奈良・京都をひんぱんに訪れて目の肥えているksmtさんより、わたしの方がずっとハードルが低いので問題ありません。
時間の関係で一筋の商店街を中心に往復した程度でしたが、実際わたしは、けっこう愉しむことができました。
日中の足利がかなり暑かったのに対して、夕方の風通し好い北千住では心地よく散歩できたのも好印象につながりました。

神奈川県でも横浜以西に住む人間は、北千住あたりはかなりの遠方に感じられます。
新宿駅より先や東京駅より先は、少し遠い感じがして、池袋より先や上野駅より先は、けっこう先という感覚なのです。
むしろ熱海、伊東、東伊豆の方が感覚的には近くなのです。
なかなか北千住が目的地というのは、考えにくいことなのでした。

さて、歩き始めて早々に、この路地が面白そうと舵を90度左に切ると、いきなり旅館が見えてきて、その手前にギャラリーでの写真展の案内が出ています。
その古い建物自体がギャラリーなのかと思いましたが、そうではないらしく、それほど人通りが多そうに見えない場所での案内に不思議な感じがしました。

引いて撮影しようとしたksmtさんが、2階に鯉のぼりのような飾りを見つけて、ますますはてなの深みにはまってしまいそうでした。
ここは、ぜひとも通りがかりの人物を取り込んで、早いとこ面倒くさい疑問との格闘から開放されたいと思います。
前方から首尾よく地元と見えるおじいさんが歩いて来ました。

通り過ぎるだけでもありがたかったのですが、ありがたいことにそのギャラリー案内に見入ってくれました。
わたしたち同様に不思議を感じたのか、警戒するように距離を置いて見ているのが実に好い感じです。
まるで、われわれの気持ちを背中で代弁してくれているようでした。
【M8/Super-Six 2inchF1.9 F1.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Super-Six Anastigmat 2inchF1.9 | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/06 Mon

魔術鏡頭

M8/Super-Six 2inchF1.9
気付いてみれば、今日で足利シリーズは最終回です。
ウィーンでのオークションや渋谷での中古カメラ市での話題など、少し刺激的なニュースがあったのでそんなことばかり書いてしまい、足利のことにまつたく触れていませんでした。

足利はつまらなかったのかと言えばけっしてそんなことはありません。
北関東で言えば、佐原や栃木に次ぐ、結城や下館などに比肩する古い家並みが残った町として、わたしにとっては十分に魅力的でした。
じゃあまた行きたいのかと問われれば、毎月とか隔月とは言わないまでも半年か1年に1度くらいのペースでなら散策したいと胸を張って答えたいと思っています。

ただ、できれば、次回行くとしたら、お祭りとか、桜、紅葉など季節のことがらに合わせて再訪したいですね。
人通りがけっして多いとは言えないので、外来の人が多いような時でないと、わたしのように人物を撮ったり、とりこんだりして撮ったりするスナップには辛いものがありますので。
先述のようなこと以外にも、ここのところばたばたしてしまい、足利のことを軽く調べて紹介すると言うようないつもの手法が取れなかったのは残念で、その意味でも年内には再び訪れたいなと考えています。

さて、同行のksmtさんはしばしば鎌倉を訪れては、よいシチュエーションの中でいつも着物女性が現れてシーンの中に取り込んで撮るという特技(?)を持っておられます。
あるいは、着物女性を引き込む謎のパワーを持っているのかも知れません。
足利では、ほとんどそんな可能性は無いと思っていたのですが、ここでもksmtさんの妙技がいかんなく発揮されてしまったのでした。

足利をほとんどひと回りしてしまい、そろそろ帰ろうかというところで、作例のようなシチュエーションにばったり出くわしてしまうのです。
足利学校近くのメインの通りでそれなりに人通りはありましたが、カメラを持っているのはわれわれふたりだけという場面で、それを意識下に置いているかの如き、のれんを持ち上げつつの所作にしびれてしまいました。
これぞ日本女性ならではの美である、と勝手に思い込まざるを得ない素敵な瞬間です。

着物の柄が少しモダンというか変わった印象を受けるかも知れません。
その感覚はまさに正しく、ここ足利は、先にあげた結城と同様、かつて紬で栄えた町だったのです。
独特の意匠をもった紬の着物は、近くで見るほどに織りの特徴がすばらしく、きっと着心地というか風合いというかも最高の感触を持っていると感じさせるに十分です。

この時間が止まったかのような瞬間に、無意識のうちに何枚も何枚も撮影し、やがて彼女たちには気付かれないように小さくお礼を言って、足利を後にすることになります。
スーパーシックスは、絞ると抜群にシャープになって被写体が浮かび上がるかのようですが、それでもどこかにフレアっぽさが残る不思議なレンズです。
のれんのシャープな描出と人物の甘い表現が同居しているところに、このレンズの魔力が潜んでいるといえるのでしょう。

セプタックに似たしっとりレンズの最高傑作ですが、昨日も書いたとおりの軍用レンズなのです。
いったい英国空軍はこのレンズで何を撮ろうとしたのか不思議でなりません。
【M8/Super-Six 2inchF1.9 F4】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Super-Six Anastigmat 2inchF1.9 | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/05 Sun

広的箭

M8/Super-Six 2inchF1.9
また、ウィーンのオークションのことに触れれば、今回、多くの軍用ライカが出品されていたのが特徴的でした。
バルナック型のライカでは、'HEER'、'Marine'、'Luftwaffen-Eigentum'の陸海空軍モノ、それにグレイのバルカナイト張りがあれば、グレイペイント数台まであって、第2次世界大戦のドイツ軍のライカは揃い踏みの様相です。
後にセルフタイマーが付けたされてしまっているグレイペイントⅢcこそ1920ユーロと「格安」でしたが、他は、みな3000ユーロ以上ですし、モーター付きのグレイペイントは2万ユーロ超えを果たしています。
グレイペイントのモーターだけというのも出品されていて、それもほぼ同価格と何だか訳の分からない高値になってしまっています。

それで驚いているのではまだ甘かったようです。
最後の2台は例のスリークラウン紋章で有名なスウェーデン軍のもので、31200ユーロと36000ユーロ。
はあとため息つくばかりです。

M型ライカも見てしまいましょう。
M3オリーブ、ケース交換レンズ付きのアウトレットが12000ユーロなんて、安く感じてしまいます。
KE-7Aも14400ユーロと高いですが、やはり軍モノはより古い第2次大戦用のパルナックにかなわないかななどと思います。
いやそれは誤解でした。
アメリカ空軍向けのM2グレイペイント、DRズミクロン付きはぶっ飛びの120000ユーロです。
何ということでしょうか…。

軍用カメラが好まれるのは、軍事オタクだからということばかりではないでしょう。
軍用モデルにはフィルム巻き上げ機構にベアリングが追加されたり、より強固な作りだったり、民生品とは異なる仕様であることがあります。
それに軍用であることを示す刻印が非常にクールだと言うこともあります。
何より戦争という歴史の中に置かれたカメラだと言うことが、オーナーの心を付き動かすということなのでしょう。

わたしは、同じライカでも軍用だったというだけで価格が全然違うのであれば、それには固執しない考えです。
例えばKE-7Aに付いているエルカン2inchF2は、このカメラを入手しなければまずは使うことのできない、ライカ唯一のエルノスター型の標準レンズですので、これは欲しいなとは思いますが、Ⅲc軍用グレイペイントの価格が通常のⅢcの10倍と言えば、まあそれは欲しくないわけではないけどそこまで高いのなら要らないと考えます。

だから軍用のカメラやレンズなんて持っていません、のはずでしたが、実は1本だけレンズを持っているのです。
それが、今回使用したスーパーシックス2inchF1.9です。
わたしのこのレンズには、イギリス空軍の紋章である通称ブロードアローが刻印してあります。

もちろんオリジナル・ライカマウントではなく、MSオプティカルの改造によって距離計連動でライカに使用できるようになっています。
オリジナルでは、ウィットネス用のスーパーシックスがありますが、とてもとても高価で手が出ません。
レンズヘッドを見つけて改造してもらうほかないとずつと考えていましたが、それすら高価で手がでなかったのです。

ネットオークション上にこのレンズが出たのですが、スーパーシックスな上にブロードアロー付きでは、相場よりずっと高くなるんだろうなとはなから諦めつつ推移を見守っていました。
すると意外にも、通常の相場よりだいぶ安いままわたしが落札してしまったのです。
何用だか分からない怪しいレンズとして、きっと敬遠されてしまったのでしょう。
かくして、長らく念願だったスーパーシックスでようやく撮影することができたというわけです。
これは特に念願でもなかった唯一の軍用レンズというかたちで。

さて、作例ですが、今までの開放からF4に絞って撮影していますが、劇的にシャープさが強調されつつもハイライトの滲みが残るなかなかに魅力的な表現です。
この立派なお寺は、鑁阿寺と言いますが、ちょっと読める字ではないですね。
格闘技家の名前のようですが、「ばんなじ」と読むのだそうです。
広い境内は堀で囲われていて、まるでお城のようです。
もとは足利家の館だったそうですから、軍事的な気配は残ったままなのかも知れません。
【M8/Super-Six 2inchF1.9 F4】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Super-Six Anastigmat 2inchF1.9 | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/04 Sat

二張慮鏡

M8/Super-Six 2inchF1.9
今夜、渋谷で行われている世界の中古カメラ市の初日に出掛けて来ました。
同じくレンズ愛好家のknptさん、ksmtさんも参戦して、カメラ市のレンズを買いあさり、その後の食事で戦果をお披露目しながら盛り上がりましょう、的なところもある楽しい集まりです。
それぞれ仕事を終えてからカメラ市を物色しましたが、ksmtさんは遅れて7時半に到着しましたので残念ながら独自に探し物する時間なしでした。

3人でどれだけの収穫があったのでしょう。
遅くやって来たksmtさんは、わたしが勝手に案内してレンズを買っていただきました。
ほんとうはわたし自身が欲しかった真鍮鏡胴のレンズですが、焦点距離が150mmと長くて、ライカで使用するのは難しそうでしたので、ぜひksmtさんに入手していただきたかったのです。
ksmtさんは少し悩んだようですが、思惑通り購入いただきました。
近くksmt.comで紹介してくれるはずですので楽しみにしましょう。
ただ、これはわずか数千円てした。

knptさんですが、ksmtさんより長い時間会場にいましたので購入点数は少し多いです。
しかし、買ったのはフィルターやアダプターだけで、これも一万数千円の出費だったようです。
では、わたしは何を買ったのかですが、まったく何も、だったところ、knptさんにオールドレンズに使えそうな古いフィルターがあるのを教えてもらい、2枚購入して来ました。
@1000だったので購入額2千円ということになります。

多くのカメラ店が出店している中古カメラ市ですので、魅力的なレンズが無かったわけではありません。
しかし、今はインターネットを開けば、どこでどんなレンズがいくらで買えるか分かる時代です。
入手困難レンズや相場よりかなり安いレンズでもない限り、なかなか購入にまでは至るということはありません。
レンズとの出合いは打算とは無縁な直感的なものである、その場でピンと来るものさえあれば、店員とのやり取りを楽しみつつ買えばいい、というのが本来の姿かも知れませんが、なかなかそうもいかない現実があります。

打算抜きで欲しいと思えるようなアイテムがなかったということが何より大きかったのですが、レンズで言えば大口径レンズがほとんど見られず、これは早々にほとんど売れてしまったのだろうなあと想像されました。
knptさんがお店の方にうかがったところでは、先日のオークションでライカが1億5千万円で落札されたという話同様、ここ中古カメラ市会場でも某超大国からの刺客が複数表れ、開店と同時にめぼしいものを競うようにして根こそぎ持ち去ってしまったのだそうです。
ファンにとっては辛いところですが、かつて日本のディーラーも海外のカメラショーなどで同様にして日本に持ち帰っている過去が繰り返されているに過ぎないということでしょう。

2か月ぶりに会ったknptさんと2週間ぶりのksmtさんは、レンズ蒐集を始めてからようやくできた気の置けない仲間だとわたしは考えています。
近くの焼鳥屋さんへ移って、レンズの話で大いに盛り上がりました。
knptさんは、ご自身のホームページは一時休止されていますが、活動自体をやめてしまったわけではありません。
そればかりか、新しく入手されていたレンズの作例をiPadを使って見せてくれたり、knptさんらしいアイディアを温めていて今回買ったアダプターはそれを実現するための手立てだと教えてもらいました。
近いうちに実現すると期待できますので、機会があれば、ぜひそのユニークなアイディアを紹介したいと思います。

ksmtさんは、わたしがお貸しした3本の映画用レンズとNEX-3で、レンズとカメラの性能を最大に活かした撮影を考えていただいています。
そして、もうひとつksmtさんの所有するレンズの製造された19世紀前半の銀板写真を撮影したいと考えています。
いわゆるダゲレオタイプですが、これにはたいへん危険な薬液も使われるので使用機材以前にさまざまな壁があるようですが、出来上がった写真のすばらしさを考えるとぜひ実現していただきたいものです。

マグロは常に泳いでいないと呼吸ができなくなって死んでしまうのだと言いますが、わたしたちもそれと似たようなものですね。

さて、今日の作例は、年季の入った看板です。
汚れは取れそうなものなのにそのままになっていること、看板を支えている支柱は看板そのものよりずっと後にできたように見えることから、あえて動態保存(?)されているのだと察せられました。
わたしたちのレンズ趣味と通ずるところがあると思った次第です。

ところで、今ほど購入してきたフィルターをみると、1つがなにか不自然な厚みを持っているのに気付きました。
かぶせ式のフィルターで分かりにくかったのですが、2枚のフィルターが重ねてあったのです。
1枚の値段で、フィルター2枚をゲットしたことになります。
わたしにとって収穫の多い、中古カメラ市だったと言えそうです。
【M8/Super-Six 2inchF1.9 F1.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Super-Six Anastigmat 2inchF1.9 | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/03 Fri

孔子的末裔

M8/Super-Six 2inchF1.9
足利学校の受付でksmtさんがおもしろい本を見つけて購入しました。
さっそく畳に腰掛けて熱心に読んでいます。
何の本ですかと聞くと、1冊は「論語・唐詩への誘い」、もう1冊は「論語抄」で、どちらも足利学校で発行しているようです。
本というよりは冊子ですが、まるで当時学校で使われていた教科書のような趣がありますし、孔子像が祀ってあったりして論語は大切に学ばれていたのでしょうから、学校にずっと伝わる教えだと分かります。

しかも、いずれも100~200円だときいて、わたしも思わず買いに走りました。
さすがksmtさんは、歩く先々でいろいろなものを見つけてしまう名人です。
それよりも、同じ受付前を通りながら、まったく気付かなかったわたしの方がどうかしているというべきかも知れません。

ksmtさんは、きっと今頃精読されたのではと想像しますが、わたしはまだ読み始めていません。
「論語・唐詩への誘い」の方は、前半に論語の訓み下し文とその訳が記されていて、後半には唐詩の名作が何篇か原文、訓み下し、訳と並んでいます。
また近々中国を訪れる予定なので、この本を持参して当地で読むことでより深く感じ入り、あわよくば現地の人とのコミュニケーション手段にも使おうかなどと考えています。
深圳にいる普通の市井の人がどのくらい唐詩を知っているのか、そらんじたりもしているのか気になるところです。

そういえば孔子と聞いて思い出すことがあります。
一昨年のニュースだったので詳細は忘れたのですが、日本にも孔子の第50代だかの子孫がいるらしいとksmtさんに言うと、そんなにさかのぼれば中国人のほとんどが孔子の子孫と言えるのではないですかと冷静に答えたのにはびつくりしました。
子だくさんの中国ですから4人ずつ子どもを産んでいったとすればその50乗ですからねと言われてなるほどと納得しました。

わたしがおととし見たニュースは、検索するとすぐ分かりました。
孔子の子孫は200万人以上だそうです。
中国には、孔子家系編纂委員会なるものがあって、1937年以来72年振りに家系図の更新をしたところ、その当時の56万人から一気に4倍近くも増えたのだそうです。
世界の人口を60億とすると、3万人にひとりは孔子の子孫だと言うことになります。
子孫も世界に拡散しているとは思いますが、仮に全員が中国国内にいるとすると6千人にひとりが孔子の子孫です。
香港の人口が800万人ほどだったはずですので、香港には孔子の子孫が1300人もいる計算になります。

この記事は次のように結んでいます。
「家系図は全80巻、総ページ数は4万3000ページにまとめられている。
報道によると、1人5元(約66円)払って家系図に登録したという」


さて、作例写真ですが、足利には古い町並みが残されているエリアがあって、長屋のように戦前の建築が並んでいる路地を見つけました。
残念ながらその多くが主を失い、廃墟のようになってしまっています。
もしかすると先の震災の影響か、かなり崩れてしまっているところもあって痛々しい感じがしました。

それでもこの路地は美しく、何枚も何枚も撮影しました。
昨日と同じで人が写っていないと採用できないルールなので、またしても中途半端な作例になってしまったことをお詫びいたします。

このエリアでは再開発反対のような看板を見かけましたので、うっかりするとここの家屋も取り壊されてしまうかも知れません。
本来ならば、しっかりと補修して、誰かが住まっていれば好いのですが、それには費用面など乗り越えるべき高いハードルが待ち構えているのは素人目にもあきらかです。
とすれば、行政が最低限の開発をするかたちで、補修後に特徴ある商店などに入ってもらい、足利学校と並ぶ観光スポットのように転換させるしかないでしょう。
現実的にはどちらも厳しいですが、どうにか残してもらいたい、昭和の町並みです。
【M8/Super-Six 2inchF1.9 F1.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Super-Six Anastigmat 2inchF1.9 | trackback(0) | comment(0) | 2011/06/02 Thu

参加拍売

M8/Super-Six 2inchF1.9
昨日、ライカ0型プロトタイプが1億5千万円で落札されたと書きました。
じつは、このオークションにはわたしも注目していたのです。
といっても、その高額のライカではなく、別に出品されていた3つのレンズに対してでした。

最初は、天下のキノプラズマート5cmF2、しかもオリジナルのライカマウント距離計連動版です。
2500ユーロでスタートでしたので、倍の5000ユーロくらいならこのレンズとしてはかなり安いと言えるかも知れません。
しかし、結果ははるかに上昇して、10800ユーロでした。
これでは、現場にいたとしても、まったく手も上がりません。

もうひとつは、これはなんとか手に入れたかったコンタックスマウント、ブラック&ニッケルのビオター4cmF2です。
元箱とファインダーまで付いているので高くなってしまうかと思えば案の定でした。
1300ユーロで入札開始しましたが、3120ユーロと予想されたあたりの価格で落とされています。
手がまったく出ないわけではありませんが、ビオター4cmはロボットなどに普通に使われていて100ドル未満で入手可能なレンズのマウントと外装が違うだけのレンズです。
やはり、あきらめざるを得ないでしょう。

今回のわたしの大本命と言えるのが、ライツ・アナスティグマット5cmF3.5のライツによって距離計連動改造されたものです。
3群5枚の最初のライカに付けられていたレンズで、その後エルマックスと名前を変え、さらに後群の3枚貼り合わせを2枚にしたエルマーに変わっていく、いわばライカの最初のレンズです。
製造本数は281本。
オープニングプライスは、3000ユーロもします。
そんな古いだけのレンズに興味を持つ人なんているのかと思えば、当然ながらいっぱいいました。
19200ユーロ落札で、欲しいと片時でも考えたわたしが馬鹿でした。
落札された方は、わたしに1分間でいいですから試写させていただきませんでしょうか。

逆に価格が上がらなかくて驚かされたケースもあります。
その代表的一例が、ツァイス・ヘラー35mmF3,5のオリジナル・コンタックスマウントです。
900ユーロでスタートして、1140ユーロで終了しています。
ツァイスファンが聞いたら激怒する安さです。
このレンズのことは、関西のおふたりが使用されていること以外に知りませんが、このおふたりが価格のことを聞いたら悲しまれるのではないかと思われます。

ところで、なんでこのオークションのことに細かく言及するかと言えば、じつはわたしもオークションに生で参加していたのです。
ウィーンに行っていたのかといえばそうではなく、オークションの様子をライブビューしながら自らもビッドできるサイトがあって、それに参加していたにすぎないのですが。
いや、じつはじつは時間を間違えてしまい、実際のところは、そのほとんどが終了してから参加したのでした。

上述のすごい出品物はすでに終了した後からの参加でしたが、競り合いに勝利して、あるいは無理に高い価格で競り落として、1点だけ落札してしまいました。
落札したモノについては、まだようやく通知をもらった段階ですので、届くまでは内緒にしておきます。
そうやって勿体ぶっておいて、いざお話しするとなあんだとがっかりされる可能性大ですが、オークション素人ですので仕方ないんだと今のうちに言い訳しておきます。
到着したところで、報告いたしますのでどうかお待ちください。

本日の作例は、わたしがこの日いちばん美しいと感じた足利学校の白壁です。
直接日光が照らすと白く飛んでしまう壁も、日陰だと角を境にしてふたつの表情を作ってくれるのが好いのです。
石垣と瓦の色合いと高さのバランスも絶妙だと思います。

当然それだけ撮っていたのですが、無人だったところへ少年がたたっと走って来たので、画面に取り入れるべくだいぶ左に振ってシャッターを切りました。
ぎりぎりのところで頭と背中のごく一部が左端に写りこんでいます。
わたしのブログでは、基本的に人物が入らないとダメなのですが、これでしたら辛うじて採用になります。
こういうのでも、人物を取り込んだスナップといえるのかは疑問ですが、わたしにとっては、とにかく人がないしは動物が入っていることが写真の良し悪しに優先するのです。
【M8/Super-Six 2inchF1.9 F1.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Super-Six Anastigmat 2inchF1.9 | trackback(0) | comment(8) | 2011/06/01 Wed
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