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顔色的問題

M8/Speed Panchro 75mmF2
今日は、少しレンズの話になります。
Cooke Speed Panchro Ser.II と刻印されたこのレンズは、購入時、何のマウントか分からないごてごてした塊のような重武装された状態で届きました。
そんなかっこうだったせいか、シネレンズとしては安く、確か200ドル程度の掘り出し物です。

以前、MSオプティカルで75mm専用ヘリコイドを開発したので、ボレックス用のマクロスイター75mmF1.9をさっそくライカマウント改造してもらいました。
このレンズは、すばらしいシャープネスとダイナミックな発色がありながら、16mmシネ用のため周辺が流れる楽しいレンズで、早々に最愛のレンズとなりました。

他の75mmレンズはどうなのかと気になりましたが、この画角の宝庫といえるのが、ksmt さんのサイトです。
ボディが Canon 5D で一眼レフかつフルサイズですが、クラシックの75mm名玉はほとんど網羅されています。
ksmt.com は作例がすばらしいので、わたしが重複してレンズを揃える必要を感じません。
わたしがM8で撮るのなら、Cマウントの75mmを買うべきとすぐに感じます。

いろいろと物色していたところで、このスピードバンクロの格安品が見つかった訳です。
スピードバンクロは ksmt さんの主力レンズですから、わたしが手に入れることはないのですが、こちらにはシリーズⅡで何かしら改良が加えられている可能性がありそうです。
比較にもなるし、ほんとうは欲しいが高価で手が出ない50mmF2の代わりではないですが、やはりオーダーをかけることになってしまいました。

このレンズの特徴は、どんなところにあるでしょうか。
コントラストがきついという話もありましたが、今回撮った印象ではまったくそんなことはないと思います。
ハイライトは飛びませんし、同時にシャドーはかなり余裕です。

むしろ第一印象ではすっきりした色の出方が目につきます。
あまりにあっさり味で、この時30度近い気温で汗をかいていたことは忘れてしまいます。
濃厚こってり味が好きな人も多いでしょうし、これは評価が分かれそうです。
ただ、かなり派手目に出るフィルムなどと組み合わせると、好きな人には最高かも知れません。
デジタルでは色を調整する方がいいのかも知れません。
【M8/Speed Panchro 75mmF2 F2】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Speed Panchro 75mmF2 | trackback(0) | comment(8) | 2009/10/31 Sat

電影鏡頭撮影展

M8/Speed Panchro 75mmF2
友諠ブログサイト"深川精密工房"の中でいち早く紹介されたのでもうご存知の方もいらっしゃると思いますが、このたび、写真展を開催することになりました。
ええっ、という反応も聞こえてきそうですが、そこは新宿西口写真修練会のグループ展ということで、わたし以外は写真の技術もしっかりしたメンバーが揃ってますので、まずはご安心ください。

写真展のテーマは、「シネレンズで撮る日常」です。
シネレンズで撮った作品が展示される訳ですが、わたしのようにこれを撮ったシネレンズそのものの方がテーマというケースもあります。
好い写真とダメな写真と玉石混交ですが、文字通りの"玉"の方の写真をご覧いただければと思います。

会期は、11月6日(金)~14日(土)、ただし月曜はお休みです
時間は、12時~19時
場所は、アートスペース モーター(中央区入船2-5-9 入船サイト1F)

もちろん入場無料です。
会場は、有楽町線の新富町駅と日比谷線の八丁堀駅のちょうど中間、どちらからも徒歩5分程度です。
銀座から歩くと30分近くかかってしまいますが、築地は15分ほどですので、築地場外での食事ついでに足をのばしていただけると嬉しいです。

土日はほとんどのメンバーが会場入りしていますし、平日も何人かが仕事をさぼったりで皆さまのお越しをお待ちしています。
写真を見るだけではなく、感想やレンズについての質問、雑談等々、せっかくですからおしゃべりでもして行っていてくださいませ。
なにとぞ、よろしくお願いいたします。

CAPA誌最新号に掲載いただいていますが、Map Cameraさんのサイトでも紹介いただきました。
(http://news.mapcamera.com/sittoku.php?itemid=6849)
感謝です。

作例の子も、えーっ、どうして見に来てくれないの、と訴えてくれています。
【M8/Speed Panchro 75mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Speed Panchro 75mmF2 | trackback(0) | comment(4) | 2009/10/30 Fri

傘的裏面

M8/Speed Panchro 75mmF2
訪れた龍華・五村は、名前のとおり20戸くらいの小さな小さな村が五つ集まったというのが起こりのようです。
歩いてみると、うち三つはすぐに分かりましたが、残り二つが見つかりません。
吸収されたのか、あるいは離れていて気付かなかったか、さては消滅してしまったか。
謎めいていますが、いずれにしても詳しいことは分からずじまいでした。

いままで歩いた古鎮では、物珍しそうに声をかけてくる現地の人がいて、何やっているのか、どこから来たのかという質問を浴びせられた後、反撃とばかりに村のことを聞くことができました。
ですが、ここでは子どもとちょっと会話をしただけで、フィールドワーク的な情報収集活動はなんらできませんでした。

文化人類学者でもなんでもないので、そんな活動はする必要はありません。
しかしながら、自分が訪れた、そしてたぶん再訪することはないだろう村の話をきくことは、旅の記憶に刻まれる重要な思い出のよすがですし、現実的なことではブログを更新するためのネタでもあるわけです。
些細なことでも言葉を交わして、たとえ忘れてしまっても、後日写真を見返した時に、ああ、あんな話を聞いたっけなどと思い出せれば、もうそれでじゅうぶんなのです。

五村の何番目かが分かりませんので、そこは適当に二村から一村に向って親子が歩いて向かってきました。
千載一隅のチャンスです。
写真を撮り、会話するための。

そんな気配がびんびんと伝わってしまったのか、お母さんは傘でガードするように顔を隠してしまいました。
構図も含めてお粗末な一枚となってしまいましたし、当然のごとく、親子に声をかけることもできませんでした。
【M8/Speed Panchro 75mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Speed Panchro 75mmF2 | trackback(0) | comment(2) | 2009/10/29 Thu

天平夫婦

M8/Speed Panchro 75mmF2
早朝出発で、朝のいい光線下の散歩を楽しみました。
しかし、ろくすっぽ撮影しないうちにすぐに太陽が高い位置まで昇ってしまい、チャンスはあっけなく通り過ぎてしまいます。

もう10月下旬というのに、広東省の深圳や惠州は最高気温が30度近くまで上がって、すっかり残暑の陽気です。
ただ、盛夏の時にあったまとわりつくような湿度は影を潜めていて、からっとしたさわやかさを感じられます。
地元の人も、いちばんいい気候だと口にしているのを聞きました。

レンズをスピードバンクロに切り替えたところで、ちょうど朝ののら仕事から戻った老人が、道具類を天秤に提げて通り過ぎていきました。
わたしにとっては眠りから覚める瞬間です。

M8には75mmのブライトフレームがあるのでフレーミングに問題は感じませんが、気になるのははピントです。
ヘリコイド逆回転のキノプラズマートではだいぶ苦戦させられましたので、スピードパンクロでも不安があったのですが、これが小気味よくピントを結んでくれるのに驚きました。

ふたりを見つけてからこのカットまで6枚、若干のブラケット露出も加えつつ撮影しました。
中で1枚、後ピンになってしまったのがありましたが、他はどれもピシッとピントが来ています。
75mmF2というスペックからは想像できないピントの良さと深度の深さを実感しました。

作例は、ちょっと重なってしまって分かりにくいですが、天秤のふたりは見るからに夫婦で、足の運びが実にぴったりと動いているのがファインダー越しに見てとれました。
写真としてはいま一つの出来ですが、少しだけスナップがうまくなったかなと錯覚してしまうようなひと時でした。
【M8/Speed Panchro 75mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Speed Panchro 75mmF2 | trackback(0) | comment(2) | 2009/10/28 Wed

清代古村落

M8/Kino-Plasmat 5cmF1.5
滞在2日目、早朝に起きてパスを乗り継ぎ、惠州市郊外の古鎮を目指しました。
博羅鎮にある龍華という村で、清代の建築が連なる古村落です。
ただし、ここはかなりマイナーなところで、中国のポータルサイト百度の検索を駆使してようやく見つけたところで、本邦初公開の村ではないかとか思っていますが、いかがなものでしょう。

今回のリサーチで失敗だったのは、深圳から惠州まで朝一のバスを使い、惠州から龍華までは地図で20キロほどだったのでズルしてタクシーを使って8時くらいに着いてしまおうと作戦を立てたのに、地図がいい加減だつたようでタクシーで龍華までと言ったらびっくりされて1時間200元はかかると拒否されたことでした。
結局バスで行きましたが、なるほど1時間強かかりましたから、どう考えても20キロということはないでしょう。
中国旅行計画でたびたび遭遇する問題です。

龍華村でパスを降ろしてもらい、そこから村はずれの五村というところまで行かなくてはなりません。
さいわい昼寝していたバイクタクシーが一台だけ停まっていて、五村までは辿り着けましたが、何しにこんなとこへ来たのかと不思議がられました。
この日は土曜日でしたが、他に外来の人は見ませんでしたので、ほとんど訪れる人のない古鎮だったことは分かりました。
観光というよりは、冒険のような気分になって来ます。

8時とはいきませんでしたが、9時半に到着しましたので、朝の光線がよい感じです。
しかし、肝心の村人の姿がほとんどなく、仕方なしに古民家や犬とかを撮っていなくては何とももったいなく感じます。

作例は、いい時間帯に唯一見かけた人です。
アンダー目に撮りましたが、キノプラズマートのコントラストの低さが強い日差しを弱めて、ハイライトの滲みの味付けもあり好い感じに表現してくれていると思います。
周辺の流れは左上ではレンズの特徴を出したと言えますが、右上の処理のまずさで相殺されてしまいます。

この後レンズを交換してしまったので、キノプラズマートは唯一の掲載になってしまいます。
【M8/Kino-Plasmat 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Meyer Kino-Plasmat 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(4) | 2009/10/27 Tue

理想的模特児

M8/Speed Panchro 75mmF2
ほぼ月一の連載状態となっている中国行を、今月も敢行してきました。
理由あってのことなのでご容赦いただきたいのですが、今回はさらに大きな渡航目的が存在しました。
その目的については追って報告したいと思いますが、結果的に果たせたと言えないのが困ったところで、渡航前の問題がより拡大する結果となりました。

独り言はこのくらいにします。
うまく行ったときはすらすらと文章が進むのですが、そうでないとキーボードを叩く指はなかなか動いてくれません。

さて、深圳に滞在して、まずは久し振りに大芬油画村へ出向いてみました。
ここは、ひとつの村のすべてが油絵とその関連商品を小売りする店の集まりという中国ならではのユニークなところで、撮影したりレンズテストしたりには最適です。
実際、カメラ持参で訪れている人がけっこういて、「撮影禁止」の表示は無視され、絵の購入よりも撮影しているシーンの方をより目にします。

しかし、佐原の祭りでも感じたのですが、撮影対象は盛りだくさんでも、どうしてもモチーフが似通ってしまうのは否めません。
それに複数回訪れると新鮮な気持ちは薄れてしまっていて、モチベーションも徐々に下がってしまうもののようです。

そんなこともあって、今回は今まで行かなかった路地中心に攻めの姿勢で歩いています。
さっそく人通りも無い中で、場違いな服装で何かを待つ不思議な女性を発見、かつて見た中国版アイディアルモデルだと横向き時に1枚戴きます。

ですが、どうも少し前ピンのようですし、せっかくの高性能レンズを使いながら、いつか撮った1枚の域を出ていない出来ばえです。
もう少し不思議感覚を強調するか、それができないのであれば、何をやっているのか何でそんな服装なのか強引に聞き出して、文章に盛り込むかしないといけないかなと思われます。
本能的に写真を撮るだけではなく、頭を使うことが必要ということではないかと考えています。
【M8/Speed Panchro 75mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Speed Panchro 75mmF2 | trackback(0) | comment(6) | 2009/10/26 Mon

共通的地方

M8/Tanar 5cmF1.5
古河の最終回です。
いきあたりばったりに散歩しながら撮影していると、ワンパターンになって忘れものに気付くことがあります。
この時も、そうだ今日はタナーのテストを兼ねてやって来たのだから、もっといろいろ試さなくてはと、最後になって思いつきます。

歴史博物館や文学館のそばにある鷹見泉石記念館は、歴史にうといわたしは初耳でしたが、蘭学者として幕末活躍した鷹見泉石が晩年暮らした家を一般公開したもののようです。
かつての武家屋敷で、木造萱葺きの建物はたいへん美しく、撮影スポットとしては最高です。

ここで、撮っているときに、冒頭に書いたように気付き、最短撮影距離でのボケ具合などをテストしてみました。
見れば、二線はまったく感じられず、落ち着いた描写のすばらしい、優秀な写りをするものだと感心します。
木を隅に置いたのは非点収差の出具合をチェックしたかったからですが、同心円状に出かかっているもののかなり軽微で、やはりこれならレベルは高いと言えそうです(いずれも贔屓しすぎか)。

修理に出す前のテストのはずが、このままでもいいんじゃないかとも思えてきます。
逆に、それだからこそ、修理によってどれくらい描写は改善されるものなのかがより気になってもきます。

今回、歩いたのはごく短時間でしたし、枚数が少ないこともあって、古河の紹介、レンズのテストともに中途半端になっていることは実感していました。
しかし、それでも案外と分かることはあったりするものだとも思いなおします。

このままでも良いかも知れないタナーは、修理に出すことにします。
ダメージを受けている状態よりも、よりオリジナルに近い写りに戻ることを期待してのことです。
古河の町もこのままでいいとは思うのですが、もし何か改善することがあるのであっても、ぜひとも現状のオリジナルの好さを失わないようお願いしたいと思います。
【M8/Tanar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Tanaka Kogaku TanarH.C. 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(4) | 2009/10/25 Sun

番長回来了

M8/Tanar 5cmF1.5
古河文学館前の駐車場は無料で利用できます。
車を停めて、古河の古い町並みが残るエリアを歩いた訳ですが、いっこうに観光客と思しき人には出合いません。
よく行く鎌倉や浅草の喧騒と比べれば、ありがたく感じるはずですが、ここまで人がいないとやはりさびしさを感じます。

写真を撮るのも遠慮がちになってしまって、生活のある町並みのような絵は撮影できません。
自転車で少女が通り過ぎますが、わたしを撮るなオーラとも言うべき空気が自転車のスピードでいっしょに動いていくのがわたしには見えました。
これではどうにも歯が立ちません。

古く風情ある蔵があちこち点在して、出合うごとにおおっと感嘆の声も出ますが、それだけ撮っていてもあまりおもしろみを感じないのです。
立ち話するおばあさんとか、花に水やりするおじいさんなんかが登場すると嬉しいのですが、歩き回れどそんなうまい具合に撮影チャンスは訪れませんでした。

1回訪れただけで断言するつもりはないですが、古河のような町はむずかしい立場にあるのではと危惧せずにはいられません。
もう少しまとまった古い町並みがあったり、美味しい名物があったり、もう少し何か人を引き付けるものがあれば観光客もそれなりに訪れそうなものです。
東京からのアクセスはけして悪くはありません。

歩くと、なかなかいいぞと思わせる雰囲気は十分なのですが、女性のグループやカップルがわざわざやって来るという要素が少し欠けていると思わざるを得ません。
喜多方と少し似ているような気がしました。
喜多方も蔵の街で、部分的には古い町並みが美しいところもありますが、古河とそれほど違いがあるとは思えません。
喜多方はラーメンという売りがあって、観光客のほとんどが食べているはずです。

古河には鮒の甘露煮(だったと記憶していますが)という名物が目につきましたが、食を押しだしているという気配はなさそうです。
それと喜多方では、近くに会津の自然があり、伝統工芸があり、温泉なんかもしっかりあったりします。
町並みで互角で、アクセスで劣っていても付加価値で一気に圧勝してしまいます。
だからといって古河にも、観光対策でがんばれとか思っているわけではないのですが、さびしさを感じるとどうも、そういう余計な詮索をしてしまったに過ぎません。
このままずっと残って欲しい町だと、言い換えることにしましょう。

坂長は、見るからに老舗ですが、人通りの無い中で静かに佇んでいる様が、逆に印象に残りました。
そんな矢先、子供さんが自転車で帰宅してくる姿を見送りました。
町の"ばんちょう"ではないでしょうが、小さな子供の目にはこの町がどのように映っているのか、妙に気になりました。
【M8/Tanar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Tanaka Kogaku TanarH.C. 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(6) | 2009/10/24 Sat

在看書

M8/Tanar 5cmF1.5
歴史がまったく苦手なわたしでも、歴史小説家・永井路子という名前は聞き知っています。
鎌倉ともゆかりのある人で、長く暮らしていましたし、鎌倉の本もものされてもいます。
その永井路子は、古河でそだっていたのです。
生まれこそ東京は本郷でしたが、子どものない母方の本家に養子にとられます。

そのときの家が今も残り、永井路子旧宅として一般公開されています。
店蔵のような立派な建物で、かつては瀬戸物などを商っていたそうです。
裕福な幼少を過ごしたことが想像されますし、実際、歴史書を買い与えていたという記録もあるそうで、そんな育ちが大きく影響していったのは間違いないでしょう。

旧宅を管理していた女性に、いい環境でうらやましいですねとぽつりと言うと、当時一人っ子というのはかなりさびしかったんじゃないですか、だから読書に没頭したのかも知れませんと諭すように説明してくれました。

商家の中で育ったのですから、けっして静かな環境という訳ではないでしょう。
にぎやかで愉しい生活だったのか、大人に背を向けて勉強に励んだのか、よくは分かりませんが、きっと彼女は歴史に文学に熱中したのでしょう。

しきなりの歴史小説は厳しいので、鎌倉の紹介本をネット注文してしまいました。
散歩が読書に、読書がまた散歩に結び付けば楽しいですね。

写真は、なんだか二重露出のようになってしまいましたが、道路側から永井路子旧宅を覗いたところです。
店蔵ですから道路に面して扉がガラス張りになっています。
奥の間で庭に向って読書する女性が目に入りました。
扉を開けてしまうと女性が振り返ってわたしを迎えてしまうでしょうから、ガラス越しにその様子を撮影しました。
いまから70年前、同じように読書していたでしょう永井路子の姿を想像しながら。
(文中敬称略)
【M8/Tanar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Tanaka Kogaku TanarH.C. 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2009/10/23 Fri

去外面吸煙

M8/Tanar 5cmF1.5
古河の路地を歩いていると、おなじみの音楽ががんがん流されていました。
小学校の運動会です。
少し予報は悪かったのですが、涼しい環境で子どもたちが走るさまが塀越しに見られます。

この小学校、建物は近年に建て替えられた新しい後者ですが、塀など部分的にレンガ積みが残っていて、ひじょうに味のある外観です。
名称が書かれた木板が古びていながら青い文字が新鮮で、写真を撮ってくれと訴えているような門構えの小学校です。

しかし、タバコを吸うために出てきた茶髪の父兄が溜ってしまっていて、撮りずらい雰囲気です。
ちょうど全員が後ろ向きのチャンスが訪れてシャッターを切りましたが、M8の疑似静音シャッターは運動会音楽が響きながらもどこか閑静な付近に響き渡り、3人がいっせいに振り返ったため退散せざるを得ませんでした。
けっしてあなた方を撮ったわけではないのですが…。

古河では短時間に駆け足で回るスケジュールのため、レンズ1本だけ持ち出しています。
Tanar 5cmF1.5 はかなりレアなレンズと思います。
パルナックライカのコピー機が全盛の時代は、日本の各メーカーが量産を重ねましたので、レンズも同じくらい多く製造されています。
しかし、この Tanar 5cmF1.5 の時代はすでにライカコピーの黄昏期に入っていて、売上は激減していた上に、高級スペックで登場したカメラは高価で、量産するまでもなく売上はのびないままに会社が消滅の憂き目を見るからです。

長らく探していたこのレンズは、新宿のカメラ市でついに発見できました。
しかし、プライスタグには、15万円ほどの文字が躍っています。
それでも欲しい、しかしやはり手が出ない…。
結局買うことなく見送り、わたしにはやはりこのレンズは縁がないのかと諦めていました。

ですが、その直後に別所で、ボロボロコンディションですが、新宿の1/10程度の価格で出ていて、無事購入することができました。
ボロボロというのはけっして大袈裟ではなく、鏡胴はもちろんレンズの方も相当いってしまっていました。
試写するとやはりキズの影響は隠せず、かなりフレアっぽくなりますし、ハイライトも滲んでしまいました。

これは仕方ありません。
もちろんレンズに影響のない個体を入手するのがベストですが、価格差を考えればこの玉をある程度使ってみて修理に出すという手もやむを得ないところです。
即刻修理に出すべきところですが、今回は少し撮影してみて、修理後と比較してみようと画策しています。

ダメージ部分の欠点は出ていますが、反面、立体感の表出はすばらしく、修理による描写の改善に期待感が高まります。
開放でのフレア成分がどれだけ軽減するか、得意とするはずの色抜けがどれだけクリアになるか、早くも楽しみになってきました。
【M8/Tanar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Tanaka Kogaku TanarH.C. 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(2) | 2009/10/22 Thu

二星級的古鎮

M8/Tanar 5cmF1.5
毎年この時期、のっぴきならない事情があって栃木に車で出掛けます。
2年前から始まった習慣で、これは今後も続くことと思います。
用事は簡単に終わることなので、せっかく栃木まで出向いたので近くの町を散策するようにしています。
最初の年は結城、真壁、野田とよくばり、2年目は蔵の町栃木をじっくり歩きました。

今年は、どうしようかと楽しく悩みつつ、地図を眺めましたが、時間が限られているということで、少し手前にある古河を駆け足で巡ることにしました。
調べてみると、古河駅近くの1キロ四方くらいのエリアに古い町並みが点々とあって、これは短時間で見て回るのにちょうどいい規模です。

ミシュランのガイドブックでは、掲載する町を3つに分けていて、★★★=ぜひ訪ねたいところ、★★=その次に訪ねたいところ、★=お薦めのところ、と記しています。
関東の古い町をこのカテゴリーに分けるとすると、★★★は佐原、川越、栃木、真壁、横浜市山手周辺などとなると思いますが、古河は少し贔屓目に見て★★の価値のあるところと言えそうです。

町並み保存という観点がなかったためか、古い建物と新しい建物が混在していて、古い町並みが連なる一角というところがないのは残念ですが、歩きながら次々現れる蔵や古建築が歩いて楽しい町という実感を強くさせます。
観光客や無粋な土産物屋もほとんどなく、落ち着いて歩けるのもよいところでした。

作例は、駅から程近くにあった古い武家屋敷です。
長い土塀の連なりが、その内と外の世界を線引きするかのようです。
近くには料亭やひなびた呑み屋があったりで、かつて栄えていた雰囲気がかなり色濃く残ります。
ちょうど老舗料亭の女将とも見えなくもない女性が自転車で通りかかったのが、戦後当時くらいの古河の姿を彷彿とさせるように思われました。
【M8/Tanar 5cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Tanaka Kogaku TanarH.C. 5cmF1.5 | trackback(0) | comment(2) | 2009/10/21 Wed

藍色的瞳

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
あれっ、また法被姿の人たちが…。
昨日、これで佐原は最後ですと宣言した舌の根も乾かないうちに、もう1枚佐原からになってしまいます。
今週採用予定の写真が6枚あるつもりだったのですが、数え直したら5枚だと判明しました。
まったくいい加減で申し訳ありません。

それと、昨日の記事に対して、もっと良い写真が出ると期待していたという非常に手厳しいコメントをいただいたので、もう1枚追加したという側面もあります。
ともに行動した盟友ですので、ふつうに祭りのシーンでは、また批判されてしまいますので、毛色の違うセレクトをしないといけません。

選択した写真は、文字通り青い眼の美少女でしたが、その瞳は活気に溢れた屋台を引く人々の動きをじっと捉えて離れることはありません。


ここで使用したレンズは Sonnar ですが、当日使用したもう1本の Elmar 5cmF3.5 について、簡単に説明しておきます。
このエルマーは、シリアル番号のないニッケル鏡胴です。
製造年が気になりますが、正確なところまでは分かりません。
エルマーは、1924年に製造が始まっていますが、1928年くらいまではショット・ガラス仕様の旧エルマーといわれており、この辺の事情に詳しい同行メンバーに鑑定をお願いしましたが、残念ながら旧エルマーではないとの回答を得ました。

結論としては、1930~32年の製造になるものだろうとのことで、それでも約80年前のレンズということになりますから、やはりその性能は脅威と言えます。
ライツでは、エルマー50/3.5 を37年にわたって約378.000本も製造しています。
中では晩年の赤エルマーが性能の高いことで知られていますが、ニッケルタイプのこのエルマーもじゅうぶんに匹敵しうる、あるいは凌駕するだけの描写をしてくれます。

近い将来、くだんのメンバーにお願いして、旧エルマーを手に入れたいと考えています。
もちろん Elmax や Leitz Anastigmat なんてレンズが入手できればそれに越したことはありませんが、まず入手困難です。
まずは旧エルマーと今回のニッケルエルマー、それにコンタックスⅠ型用のテッサーの3者を比較してみたいものです。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(6) | 2009/10/20 Tue

在火車站送別

M8/Elmar 5cmF3.5
ほんとうなら月曜からは、次のシリーズを始めなくてはいけないのですが、もう1日だけ佐原からです。
この土曜に用事ついでに撮影して来るはずだったのですが、用事がおしてしまって撮影時間短縮のため1週間分の写真7枚が用意できなかったのです。

1時間ほどでブログ用の写真7枚を撮影するのがいかに大変かを痛感しました。
技術とセンス、それに運がないとなかなかうましいきません。
どうにか6枚撮れたので、これは明日から開始したいと思います。

佐原のラストは、いかにもな佐原駅での見送り写真です。
ちょっと贅沢なお昼をとったあと、ひとり13時01分の列車に乗るべく駅までダッシュしました。
乗り遅れると単線の成田線は何十分後になるか分かりません。
ただでさえ、ハブ空港の座も羽田に奪還されてしまうところですし…。

そうやって慌てればだいたいかなり余裕で着いてしまうものですが、この時も10分近くあまって何か撮るものでもないかときょろきょろしたところで、ちょうど最後を飾るシーンを撮影できたというわけです。
法被姿で自転車に跨っているだけでもポスト・アイディアル・モデルくらいのネタですが、まるで来年もまた来ていくださいねと言っているように手を振っているのがいいでしょう。

もちろん来ますとも、固く心に誓って列車の人となったのでした。
【M8/Elmar 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Elmar(Nickel) 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(4) | 2009/10/19 Mon

譲我拍照一下

M8/Elmar 5cmF3.5
佐原撮影隊は夜に超強力メンバーが1名加わり、豪華布陣となって深夜まで続く祭りを楽しみました。
宿も、少し歩きますが、リーズナブルで清潔さがありがたいビジネスホテルをキープしていただいており、ようやく充実度も増して大人の旅のノリになってきました。

日曜の朝はゆっくりです。
9時に宿を出てお祭りを見て歩きましょうということで意見一致。
朝一番の光線のいい時にとか、みんなを出し抜いて早朝に傑作写真をモノにしてやれなんて誰も考えません。
もうじゅうぶんに写真は撮ったし、祭りも期待以上に楽しめているし、あとはのんびり過ごしましょうというムードが好いです。

宿は線路のすぐ脇にあって、部屋の向きによっては早朝電車の音がうるさかったようです。
そのかわりに楽しみもあって、駅方面へ歩くとき、列車用の川を越える短い鉄橋があるのですが、その鉄橋には歩行者用の通路も付いていて、これがすぐ線路すれすれになっているのです。
Stand by me bridge とも呼べそうな楽しい橋でしたが、さすがにローカル単線では、歩行中に列車がすぐ横を通り過ぎるになどという撮影のネタになるようなシーンには出合えませんでした。

午前中に強力助っ人がもう1名合流予定でしたが、何ということか、またしても遅れるとの連絡で午後になってしまうようでした。
わたしは、夕方用事がある関係で昼食後にひと足先に出発しなくてはならなかったので、すれ違いになってしまいました。

佐原には、都合6名が参加しましたが、よくよく考えてみるとフルタイム参加は山形からやって来たY形さんただひとりということになります。
遠路はるばるたいへんお疲れ様でした。
全時間お付き合いできず、まことに申し訳なかったと、在京メンバーを代表してお詫び申し上げます。

この日はもう朝から予報通りの好天気で、昨日にもましてすごい人出になっていました。
おまけにNHKが狭い中で生中継してたりということもあって、まことに動きづらい状態です。
芸能人も来ていたようですが、わたしは目の前ですれ違っても名前すら分かりません。
アイドルでしたら、名前を知らずともばしばし撮っていたところなのですが、あの人だと教えてもらっても撮影する気にはなりません。
さすがに知名度が高い人が狭い佐原に現れれば、パニックにもなりかねないだろうとNHKは判断したようです。
局アナだというリポーターもいましたが、屋台を引く地元のお嬢さんたちの方がずっときれいだったことも申し添えましょう。

さて、そんな美人のひとりに、参加メンバーが声をかけて写真を撮らせてもらっています。
大胆だなと思いましたが、昨夜から参加の最強メンバーにして唯一の紳士とも言える方で、女性の方も気軽に応じているようです。
そういえば、光学機器メーカーのサイトに掲載する記事用の写真を撮らないといけないと言われていたので、きっとそのための写真ということで、美人をセレクトされたのでしょう。

傍観している手はないと、わたしも図々しく横から失礼させていただきました。
ちょっと訳あって表情がぱっとしない1枚ですが、少し固い雰囲気がかえって初々しいのがいいとも言えます。

今日時点では、まだ光学機器メーカーのサイトには記事がアップされていません。
近々更新されるでしょうが、この美女の写真が採用されるのか、その場合はどんな表情で写っているのか、楽しみいっぱいです。
【M8/Elmar 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Elmar(Nickel) 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(6) | 2009/10/18 Sun

肩膀上的児子

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
報告が遅れましたが、先月壊れたM8のシャッターは、ライカカメラAGによる正規の修理で無事復活を遂げました。

ライカカメラAGといえば、数日前の日経にびっくりする記事が出ていました。
二子玉川の高島屋内に今月直営店をオープンというものです。
なぜに二子玉川かと問えば、高級住宅地に隣接しているということでマーケティング的に判断したようなのですが、大丈夫なのか少々心配ではあります。
心配といえば、NさんがマンUカフェとの掛け持ちで入り浸って、M9お買い上げなんてことにならないか、これは真面目に大心配です。

そういうわけで、シャッター幕を交換していただき、復活したM8とともに佐原に滞在したのですが、意外な変更もありました。
これは、同行のC氏が鋭くも気付かれたのですが(というよりオーナーのわたしが気付かなかった方がどうかしていると書くべきですが)、シャッター音があきらかに変わっていました。
今まで問題にして来た"パコーン、パコーン"というおよそカメラらしくないシャッター音が、"パシーン、パシーン"としまりのある音になっていたのです。

当初は静音シャッターに変更されたかと色めきましたが、そうではないようです。
静音というほど静かではありませんし、あいかわらずスナップ向きでは音量です。
しかし、音の質のようなものはだいぶ改善されていて、ユーザーの立場からは実に心地よい響きに感じられます。

実は修理時に、静音シャッターユニットへの変更という選択肢もなくはなかったのですが、最高速の1/8000秒が犠牲になってしまうため、幕交換のみの希望を出していました。
F1クラスの超大口径レンズで威力を発揮するので、おいされとは捨てられない機能です。
それが若干とはいえ無償で改善されたということは、おまけを付けてもらったようなラッキー!的な喜びがありました。


さて、作例ですが、いきなりとんで競馬場でレースを見つめる人々みたいになってしまっています。
右側の人が競馬新聞を読んでいるように見えるのが、それを裏打ちしていますが、実はこれは佐原大祭の案内パンフレットで、人々は一心に屋台の練り歩くさまを見つめているところです。

昼を食べた後、急に晴れたにもかかわらず、しばらくすると雨がぱらぱらと来ました。
また少し辛抱していると雲の切れ目から急激に日が出て、見学者はそれをよけるのももどかしく屋台に見入っています。
ちいさな子どもまでも惹きつける祭りのいちばんの盛り上がりどころだからです。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(2) | 2009/10/17 Sat

真贋闘争

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
Sonnar 5.8cmF1.5 は、まったく謎のレンズです。
ノンライツ仲間のツァイス研究家として有名なH氏も自身のサイトで書かれていますが、いくつかの不思議が存在します。
まず銘板ですが、"Sonnar"という記載はありますが、どこにも"Zeiss"の文字はありません。

ツァイスの正式な文献でも、5,8cm のゾナーが存在したという記録がありません。
有名なスモール氏の"ノンライツ・スクリューマウントレンズ"には、15本のみ製造された幻のレンズではとの記載があります。
しかし、わたしが1本所有していて、H氏は何と5本、聞けば佐原に同行したJ氏も2本持っているというので、周囲だけで製造された15本のうちの半分以上が集まっていることになります。
どう考えてもこれはおかしい。

研究が進んでいるツァイスのレンズで、製造の記録が残されていないのですから、やはりフェイクの可能性は否定できません。
一般的な Sonnar 5cmF1.5 には、これまた有名な Jupiter-3 5cmF1.5 というコピーというかゾナーを設計陣ごと移籍させたレンズがあります。
その過渡期には SK 5cmF1.5 なんて謎めいたヤツもあって、いずれも銘板以外は瓜二つのレンズが存在しています(研究家の目には刻印等の微妙な違いがあるらしいですが)。

ただ、5.8cmF1.5 というのがひっかかります。
フェイクであれば、同スペックの元になるレンズがあるはずですが、どうもそちらの方も存在が確認されていないのです。
レンズの玉も鏡胴も 5cmF1.5 とはひとまわり、ふたまわり大きいので、そのまま転用もできません。
焦点距離の正式な計測はしていませんが、5cmよりもけっこう画角が狭く、比較で言えば5.8cmというのは正しい表記と言っていいようです。

また、絞りを最小にして蛍光灯を当てて見ると、5cmF1.5 と構成は同じように見えます。
後群の構成は、貼り合わせトリプレットのゾナータイプのようで、少なくとも2群に分かれたダブルガウスでないことはあきらかです。

いったいどういう来歴のレンズか、まだ解答は出ていません。
所有者としては、ツァイス製と信じたいですし、そうであれば次のような推測ではいかがでしょうか。
コンタックス用レンズとしてとして製造したものの、5cm のファインダーより小さく写るのは天下のツァイスとしては量産は認めがたいとお蔵入りになります。
もったいないので、レンズユニットはレンズ設計ぐールプが持ち帰り、自分たちのカメラ用にマウントしてこっそり楽しもうと考えます。

そう彼らはコンタックス用レンズを設計・製造していながら、このカメラは使いにくいとプライベートではライカを愛用していて、まさに大好きなライカで自分たちのゾナーを使うという夢を期せずして実現したのでした。
ただ、いくら遊びとは言え、Zeiss 銘を入れるのはまずいので、レンズ名だけ入れとこう。
そうやって15本だけハンドメイドして仲間うちに配布したところ、わたしも、俺もの声がかかってもう100本ほど追加製造した。

当然、こんな他愛もない空想には何の裏付けもないわけですが、その可能性を巡って文献やらシリアル番号やらを追って行くのも楽しそうです。
まあ、真実がどうであれ、よく写る個性派レンズなので、なんにも気にやむ必要もありません。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(9) | 2009/10/16 Fri

等一下玩一下

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
佐原の大祭は、3日間にわたって開催されました。
このうち2・3日目を見て回ったのですが、わたしたちが感嘆したのは屋台(山車)が連日朝から晩まで引かれていることでした。

屋台は全部で14基出ていますが、それが並んだ姿は壮観につきます。
見事な彫刻が施された屋台は古くは江戸時代の1852年製があり、ほとんどのものが明治に製作されたそれ自体が骨董と呼べるものです。

高さはざっと5メートルはあるでしょうか。
電線や信号など、屋台よりも低い障害を越えなければいけない時もありますが、この時は手動で高さ調節までやってのけます。
製造当時に高い障害物があったとは思えないので、これは現代のテクノロジーと結びついた、芸術と技術の融合と言えるものかも知れません。

先に3日間朝から晩まで屋台が引かれていると書きましたが、当然食事の時間はありますし、狭い佐原の町を大人数の屋台が縦横無尽に動き回れるはずもなく、かなりの時間停止して出番をじっと待つことになったりします。

子どもたちにとっては、かなり退屈な時間のはずですが、それぞれに時間のつぶし方を考えるようです。
それがまた、シャッターチャンスだったりするわけです。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(4) | 2009/10/15 Thu

老朋友回来了

M8/Unilite 35mmF2
人の多く集まるお祭りでいちばん困るのが食事です。
予約は受けてもらえず、めぼしい店は行列ができで、やはり少し遅らせて食べるのが得策なようです。
ただ、せっかく雑多な店が並んでいるので、屋台で買い食いなんてのもよかったかも知れません。
そんな中で、お祭りに参加しているムードが高まるようにも思います。

そば屋を出ると天気はすっかり好転していて、2本のノンコートレンズのみで参戦していたわたしには厳しい条件になりました。
しかし、そこはありがたいことに、山形から参加のY形さんが Wray Cine-Unilite 35mmF2 を持参してくれていました。
以前Y形さんがシネレンズでの撮影が必要になり、わたしの35mmレンズの中からチョイスしてもらったものを返却のために持ってきてくださったものです。

わたしは50mmレンズ派なので35mmシネレンズはあまり持っていませんが、それでも Kinoptic, Speed Panchro, Kino Plasmat などの選択肢もありました。
その中で、無名とも言える Cine-Unilite を選ばれたことにわたしは驚きました。
性能面では、このレンズこそがいちばんの高性能と密かに信じていたところ、それを見抜いたかのようにずばり選択されたからです。

実はこのレンズ、わたしはR-D1とM8でしか使ったことがなかったので気付かなかったのですが、開放でフルフレームサイズの撮影をすると4隅がブラックアウトしてしまうのです。
Y型さんが撮影した海辺の光景など素晴らしいものでしたが、望遠鏡で覗いたような真ん丸の絵に、何とも申し訳ない気持ちになったものです。
それ以前にも、L/Mリングの不具合でピントが来なくなり、撮影がすべてパーになるなど、このレンズに関しては迷惑の掛け通しでした。

1泊の撮影行ということで、荷物をやりくりして持ってきていただいたこのレンズ、さっそくその実力を見せてくれます。
シネレンズらしくテクスチュアの描き分けが抜群で、着物、鼓のひも、金の布などがそれぞれに存在感いっぱいに描写されています。

ハイライトの文字部分が滲んでいるようにも見えますが、一方で太陽光線を目一杯浴びた背後の建物はまったくフレアも出ずに余裕の表現です。
わたしは、この屋根のやわらかな描写にしびれました。

少し苦手意識があった35mmレンズですが、やはりぐっと寄るのが肝要ですね。
街角スナップではこんな寄りは難しいですが、お祭りのようなシチュエーションではぴったりです。
今度は、このレンズをメインにお祭りを追っかけてみたくなります。
【Cine-Unilite 35mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wray Cine-Unilite 35mmF2 | trackback(0) | comment(6) | 2009/10/14 Wed

背面一模一様

M8/Elmar 5cmF3.5
小野川に沿って歩いていると、長椅子を動かそうとしている老人がいて、手を貸しました。
椅子は、道路に向いて座るように置かれていますが、少し前に出すことで川に向って腰掛けるように直します。
ありがとう、と礼を言う老人はどっこいしょと腰掛けるや、わたしにもとなりの席を勧めてくれました。
くもってはいましたが、寒いということもなく、柳や柿が川面に向ってしだれるさまをのんびり眺めるのもまた優雅な時の過ごし方です。

ご近所の方と思い、老人にきくと成田からお祭りを見に来たといいます。
成田は隣のようなものですが、列車は単線のため30~40分もかかります。
それでも毎年、伝統的行事を楽しみにやってくるのでしょう。

老人の話では、もうしばらくすると楽隊を乗せた舟がやってきて、お囃子が河上に流れるのだそうです。
いっしょに聴いていきませんかと誘われましたが、ちょうどもう1名が合流すると連絡が入り、待ち合わせ場所に向かわなければならなくなりました。
申し訳なくもそう伝えると、残念そうでしたが、手を振って見送ってくれました。

ほどなく仲間がやって来て、一同4人になって散策再開です。
やはり小野川に出ると、ちょうど舟にスタンバイしている最中のお囃子を見学しようということになりました。
わたしは船上のお囃子というので3、4人で行うものとばかり思っていましたが、なんとずらーっと14人が乗り込みました。
船頭さんもふたりいて、総勢16人は圧巻です。

佐原囃子という伝統のお囃子は長い横笛のソロで始まりました。
なるほど素朴な調べは、本来明るい主題のはずですが、風にゆれる柳の葉や川面の光の反射など、感情を刺激する要素が募って、聴くほどに哀切の語りかけのようになって胸に沁み込みます。
これが日本の秋というものでしょうか。

舟に導かれて川に沿いゆっくり歩きます。
法被姿が板についたおやじさんが、舟を見送っています。
隣には娘でしょうか、お囃子には興味がないのか、焼きいもを頬張るのに神経が集中しているようです。
顔はそんなに似ているように見えないし、たまたま隣り合っているだけか。

いえ、背後から見るとやはりよく似ています。
親子と判定します。
ポーズはいっしょだし、肩や背中のラインは見事に相似形です。
そんな線がよく分かる法被姿はいいものだと、妙なところで感心したりします。

ここまで来ると先ほどの老人と会話を交わした長椅子はすぐそこです。
人通りの合間から椅子が見えましたが、すでにそこには老人の姿はありませんでした。
お囃子がよかったと一言伝えたかったのですが。
【Elmar 5cmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Elmar(Nickel) 5cmF3.5 | trackback(0) | comment(2) | 2009/10/13 Tue

対誰説再見

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
今月のノンライツRF友の会は、佐原の大祭を撮影行です。
そうそうたるメンバーが参集すると期待されましたが、この時期皆さん何かと忙しいようで、直前の台風の影響などもあって、結局昨年と同じメンバーでの出発となりました。

集合に際してトラブルがあったのですが、今回は宿泊付きで2日間の余裕ある行程のため、あわてる必要はありません。
まずは集まった3人で散策開始です。
早くも祭りの屋台(一般には山車のこと)が繰り出していて盛り上がるところですが、関心がないのか1名が突然離脱してしまいました。

メンバーはそうしばしば顔を合わせる訳ではないので、いろいろと積もるカメラ&レンズ話があるはずですが、どうもいつもながらに散漫な後味が残ります。
見解の違いとかあるのでしょうが。

去年も同じ時間に到着したはずですが、街歩きしての印象がだいぶ異なります。
たしか去年はそうそうに小野川沿いの景観地区に直行したため、まばらに人を見かけただけでした。
今回は、余裕があったうえにふたりだけだったので、マイペースでいろいろと見ながら歩くことができました。

午後にもう1名が合流しましたが、その時にはかなりの枚数を撮影済みで、以降は写真を撮っても撮らなくてもいいやくらいのさらなる余裕ができていました。
昼食時も、いつもならさっさと澄まして、早く撮影をとあせるケースですが、混んでいる店内でいつまでも話をしている始末です。

それにしても去年は感じられなかったものすごい人出です。
なんでも大祭の期間中40万人の人が訪れるそうで、千葉県にとっては貴重な収入源という話を聞きました。
元来ケチなわたしが、けっこうな額を落としていることでもそれはうかがいしれるという気がします。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(2) | 2009/10/12 Mon

従左辺第三個

M8/Angenieux M1 50mmF0.95
南昌の最後は、現地の美人をお届けしたかったのですが、うまく撮れず背中からになってしまいました。
中国でも上海、北京、広州などの都会では、デジタル一眼レフはかなり普及していて、観光地はもとよりけっこう普通のところでも目にすることができます。
ライカになるとかなり特殊なカメラで、オートフォーカスにもなっていないのに高いカメラと思われているか、それ以前にカメラファンにすらほとんど知られていない存在でしょう。

それが江西省のいなかとなれば、カメラ自体を所有している人は少なく、取材で来ていた記者以外に持っている人は見かけません。
そんなときライカは大きめのコンパクトカメラくらいに見なされ、記者と誤解されることはあまりありません。
ですが、今回はアンジェニューの50mmF0.95という巨大レンズを付けていたので、じゅうぶんに何かの目的をもって撮影している人だと力づくで察知させているようでした。

来賓に花を付け、記念品を手渡す係りはチャイナ服の若い女性が担当していました。
普段は面と向かっての撮影はなかなかできませんが、今回の装備ならずけずけとやってしまえそうです。
しかし、すっかり疲れていて、群衆を掻き分けて正面に回り込む気力がわきません。
手抜きで恐縮ですが、座った位置からそのままレンズを向けたまったくつまらない写真になってしまいました。
逆光でフレアを恐れて、F4に絞ってもいます。

受付嬢たちは、全般にいまひとつ垢抜けないルックスだったというのも手抜きの一因でした。
ただ、中央の女性だけ、ひとりレベルの高さで眼を惹いていましたので、その横顔が分かるだけでも幸いです。
あるいは、日本から取材に来たので、別途撮影させてほしいと依頼してもよかったかもしれません。
南昌空港の遅延している待合で液晶画面を見ながら、そんなことを考えました。
【M8/Angenieux M1 50mmF0.95 F4】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux TypeM1 50mmF0.95 | trackback(0) | comment(6) | 2009/10/11 Sun

椅子与涼鞋

M8/Angenieux M1 50mmF0.95
この日は村いちばんの行事、「江西安義古村金秋民族旅遊文化節」です。
内外の大御所が集い、めったに生では見れない歌手まで来て独唱の披露もあれば、村民のほぼ全員が集まって来ます。
ほんとうはテーマからいって観光客も来るのでしょうが、平日ですし、冷静に考えれば観光客はこんなイベントに参加しても楽しくはありません。

何があるのかと期待して見に行きましたが、盛り上げ隊のような、葬式の泣き女の反対の笑い女みたいな人がいて開会前を盛り上げたり、おばさん同士の必死の席取り合戦などおもしろい見ものもありますが、式典自体は実に退屈です。
来賓が多過ぎて、ひとりひとり長々と挨拶するものですから、村人すら退屈して席をはずす始末です。

村の伝統的な踊りは面白かったのですが、逆に見慣れた村人に配慮してか短時間で終わってしまいました。
歌手は4人も来ていて全国コンクール優勝者の熱唱は大盛り上がりです。
村人にはほとんどカメラ付き携帯が普及していて、みんな無遠慮にばじばし撮りまくりです。

しかし、今日の昼過ぎには空港に向かわなくてはいけないので、こんなものをいつまでも見ている訳にはいきません。
あらためて村に別れを告げるように細かく見て歩きました。
昨日の昼過ぎに着いたのでまるまる24時間滞在していて、小さな村を見て歩くにはじゅうぶんな時間のはずです。
なのに、このあっという間に過ぎ去る時間に感傷的な気持ちが起こります。

いつも思うのは、わたしがまたここを再訪することはあるかということです。
あるとすれば、村はこの日と変わることなく、かつての姿を止めていてくれるでしょうか。
それに人心は変わることなく、旅人を温かく迎え入れてくれるのでしょうか。

作例は、この日のイベントのわたしにとってのハイライト、会場を目指す小学生たちの行進です。
10時くらいに開幕するので、小学校の授業は2時間くらい、それから会場に向かいます。
会場は、村で一番大きな広場で椅子は大人分しかありませんので、みんな教室から椅子持参です。
サンダル履きの子が多いのが、ローカルっぽくていいですね。

しかし、またしても誰にもピントがあっていません。
行進はゆっくりでしたし、これだけ距離があってこの体たらく。
ついにこのレンズには馴染むことのなかったことを確認する旅になってしまいました。
【M8/Angenieux M1 50mmF0.95 F0.95】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux TypeM1 50mmF0.95 | trackback(0) | comment(2) | 2009/10/10 Sat

粉紅色的妖精們

M8/Angenieux M1 50mmF0.95
深夜、わたしを襲った恐怖は、2週間経ったいまも痛恨の記憶として消え去ることはできません。

酒をしこたま飲んで眠ったわたしは、真夜中、尿意を催し目が覚めました。
ここはどこだと寝ぼけ頭で考えることしばし、古民家に宿泊していることを思い出しました。
何しろ真っ暗なので手探りでLEDライトを付け、トイレに向かいました。

しかし、その時わたしは恐るべきことに気付きました。
トイレの場所を聞いていなかったのです。
ただでさえ怖い古びた建物の中で、トイレをもとめさまようことになります。

なかなか見つかりません。
いや、もしかすると古い家なのでトイレは始めからなかったのかも知れません。
外に出ればと考えましたが、施錠されていてカギがなければ扉が開きません。
おばあさんの部屋の前で、おばあさ~んと低い声で何度も呼びかけかけましたが、起きてくる気配はありません。
困りました。

もう限界が近くなってきました。
仕方ありません、唯一見つけた水場である井戸のわきで、ジャー…。
井戸水をポンプで組み上げ流してしまおうとしましたが、水はたまるばかりで流れていきません。
これはまずいと排水の穴に箒で掃き出しました。
再び眠りに…。

こんな状況ではすぐに眠れないのが常でしたが、いつの間にか眠りに落ちたようで、次に気付いたときは朝の気配です。
あるいは、由緒ある家で罰当たりな行動をとったために、おじいさんの霊に憑かれて気を失っていたのかも知れません。


さて、この日は「江西安義古村金秋民族旅遊文化節」という催しの記念式典が行われることになっていました。
江西省の役人、南昌市の役人、安義鎮の役人、羅田村の役人と共産党幹部が勢ぞろいして、有名歌手の独唱もあるそうです。

それに、村に伝わる伝統の踊りもあると聞いています。
昨日見かけた、道端のおばさんたちが揃いのコスチュームで登場してびっくりです。
モノトーンの村にピンクの妖精たち(?)が行進を始めたのでした。
【M8/Angenieux M1 50mmF0.95 F0.95】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux TypeM1 50mmF0.95 | trackback(0) | comment(10) | 2009/10/09 Fri

家常餐庁的孩子

M8/Angenieux M1 50mmF0.95
夕方、ひとりになって今晩世話になる世大夫第に戻りました。
晩飯はどうするかと聞きます。
おばあさんは72歳で年金暮らしのようで、外国人といえど宿泊して食事までしてもらえれば貴重な現金収入が得られるからだろうと容易に想像ができます。
ですが、夕食はすでに予約をしてありました。
申し訳ないですが、そういうわけでと伝えると、いかにも残念そうな表情をしたのが気にかかります。
では、明日の朝はお願いしたいとたのむと、やはり顔がゆるむのが分かり、ホッとしました。

世大夫第は一般公開されているので門がずっと開きっぱなしでしたが、夜の間は閉めなくてはいけないので、帰りは勝手口から入らないといけません。
その勝手口も普段は施錠するところを開けて待っていてくれるので、食事するやすぐ帰ることにしました。

予約していたというそのレストランはすぐそばです。
厳密に言えば予約はしていないし、レストランでもありません。
昼間、子どもの写真を撮っていたら、家が家庭料理の食堂をやっていると迎えにきたその子のおばあちゃんが言っていたので、じゃあ今晩食べに行きますからと言っておいたのです。

果たしてやってきたわたしに、あら本当に来たんだねえと少し驚いていた様子で、今からご飯は作れないからわたしたちが食べるのと一緒でいいかいと文字通りの家庭料理をいただくことになりました。
メインは山梨のほうとうのような麺の一種で、あまり中国料理っぽくない地元の味を堪能しました。

昼間の子の両親が戻って来ました。
明日の昼、宴会の予約が入っているので、小魚を買ってきてワタを抜く作業を始めました。
それを見ながら村の生活のこととか、逆に日本のこととか話しているうちにだいぶ時間が経ってしまいました。
宿のおばあさんをあまり待たせてはいけません。
もう行かなくてはと料金を聞けば、少し考えてから、じゃあ10元くださいと言います。
150円の夕食でした。

少し迷いながら世大夫第に戻りました。
まだ8時ですが、おばあさんはもうそろそろ就寝するようなので、わたしも寝る体勢に入ります。
この真っ暗な部屋で寝るにはこれしかないと、昼間試飲した酒売りの店でペットボトル半分くらいの酒を仕入れておいたのです。
ベッドに半寝の姿勢でラッパ呑み開始です。
一気に飲むのも辛いので、M8の液晶画面で今日撮った写真を肴にしました。

そのとき気付いたのですが、ここ何日かアップしている暴れ玉状態の Angenieux M1 も、今日の作例のはかなりまとまった仕上がりになっています。
ヌケの良さがクリアな印象を高めていますし、前後のボケは暴れず上品です。
適切な距離や朝夕の斜光の状態のいいところを選ぶこと、丁寧に露出を判断することなど条件次第で、だいぶ結果が違うということを教えてくれているかのようです。

そんなことを考えているうちに酔いもまわってきて、いつの間にか眠ってしまったようでした。
やはり効果てきめん、しーんと静まった真っ暗な部屋で得体の知れない恐怖を感じるとかという心配もなく眠ったもの勝ちです。

しかし、ここに宿泊するということはそんな甘いことでは済まされないようです。
深夜、恐るべき恐怖を体験しました。
このことは、また明日語ることにいたしましょう。
【M8/Angenieux M1 50mmF0.95 F0.95】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux TypeM1 50mmF0.95 | trackback(0) | comment(6) | 2009/10/08 Thu

要住老房子

M8/Angenieux M1 50mmF0.95
宿がまだ決まっていないことを打ち明けると、Lisa & Anne のふたりは地元民の力を発揮してくれました。
どんなところに泊まりたいのか問われたので、古民家に泊まりたい、古ければ古いほど良いと答えると、それならここしかないと、ずんずんとわたしの手をひっぱり突き進んでいきました。

ここは、さきほどぐるっと廻った世大夫第という大きなお屋敷です。
明清代の栄華を示すよすがとして一般に公開されていますが、じつは何人かの老人がここに住まっていました。
そのうちのひとりに声をかけ、この日本人を泊めてやってくれと交渉しています。

結果は一も二もなくOKで、わたしの望むと望まざるとに関係なく、この老婆の所有する部屋に泊まることになりました。
いやちょっと待って、部屋を見せてくれませんかと頼んで入れてもらった部屋は、まだ昼間にも関わらずほとんど日の差さないところで、普通ならちょっと陰鬱な気分になると思いますが、クラシックなベッドには清潔感あるふとんが敷かれていて、断る理由は見つかりません。

なんでも死んだおじいさんが暮らしていた部屋だそうで、亡くなってそれほど経っていないのか、何かまだ生活感が残っているような気配です。
あれ、そういえば電気は、と聞くとベッド脇に小型のLED懐中電灯が置かれているのみでした。
夜は恐らく完全に真っ暗でしょう。
向かいの部屋でおばあさんは暮らしているようですし、対称位置にある部屋にもおばあさんとおじいさんが一名ずつ住んでいるとのことでした。

とは聞いても、夜寝るとき平気でいられる自信はまったくありません。
怖いからとは言えないので、何か難癖をつけて断るかと思案しましたが、いい部屋があってよかったわねえとニコニコ顔の彼女たちを前にして小心者のわたしはうなづくだけしかできません。
もしかしたら、おじいさんの幽霊といっしょに過ごす一夜になるかも知れませんが、それも好き旅の思い出です。
腹をくくりました。

Anne が南昌に帰るというので、Lisa とともにサヨナラと手を振って見送りました。
このサヨナラという日本語は中国でもよく知られています。
ずっと英語で会話してきて、こちらが中国語で何か言っても無視するのに、最後にサヨナラとはこちらも苦笑しつつサヨナラと返すしかありません。

再びひとりになりました。

また歩きはじめると、さきほど彼女たちと写真を撮ったりしていたときに、見かけた結婚写真を撮っているカップルに出合いました。
夫婦というよりは兄妹のようにそっくりなふたりで、もうだいぶ撮影が進んでいるのでしょう、ポーズもだいぶ板に付いてきた感じです。

こんな珍客が珍しいのか下校中の子どもたちがぞろぞろとくっ付いて歩いているのもユニークです。
あれえ、カップルと同じような距離なのに子どもたちは妙にかすれて写ってますね。
よっぽどアウトオブフォーカスのはずのカメラマンや後のおばさんたちの方が鮮明なくらいです。
もしかして、この子たちはキョンシーでは。
【M8/Angenieux M1 50mmF0.95 F0.95】
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Angenieux TypeM1 50mmF0.95 | trackback(0) | comment(2) | 2009/10/07 Wed

双手花

M8/Angenieux M1 50mmF0.95
"Where are you from ?"
追い越しざまに声をかけられるだけで驚くのに、それが英語だったので二重の驚きでしたし、その女性が美人だったのでさらに倍びっくりしました。
わければ、いっしょに廻りませんかと誘われ、今度は驚くこともなく、邪魔でなければと付いていくことにしました。

右側の女性がガイドのように説明してくれ、わたしと左の女性がそれに聞き入ります。
説明は英語でしたが、彼女のそれはまだたどたどしいしゃべりで、その都度左側の女性が訂正したりしています。
いきなりの状況の変化にはとまどいますが、最後にガイド料をせしめるとか新手の美人局とかそんなのではなさそうです。

やがて村はずれまで出ると、家と家の間を抜け広場のようなところに出ました。
高台には大きな木が村を見下ろすように枝葉を広げています。
説明書きがあって"千年唐樟"という名前が付いていました。
たぶんクスノキの一種で、文字通り樹齢は千年なのだそうです。
村の守り神でもある、ひとびとから大切にされている木のようでした。

その前に腰掛けて、お互いに自己紹介を始めました。
右の Lisa は、安義の町出身で、ここ羅田村の観光局のようなところに勤めています。
左の Anne は、南昌出身で、海南島の外資系ホテルで働いていて、いま休暇で友達の Lisa に会いに安義まで来たということでした。
ふたりは大学の同級生で、専攻は観光学だったため、英会話は必修だったそうです。
使う機会のほとんどない Lisa は久しぶりの英語を必死にしゃべっていましたし、Anne は相当外国人と接しているのでしょうかなり流暢で、レベルはわたしなぞよりずっと上でした。

さっするに Lisa はあまりチャンスのない英語の学習のため、Anne は自分の語学力の上達を自慢したいがため、外国人であるわたしを誘って会話したかったということのようです。
そうであればわたしの方こそ中国語会話力向上のため中国語で話しかけるのですが、無理してしゃべらなくても大丈夫なのよとばかりに英語で答えが返ってくる始末でした。

それならばと、わたしも英語を流暢に操っていいところを見せなくてはと思うのですが、考えてみると過去数年間、英語をしゃべったのはせいぜい香港の空港でチェックインするときくらいのもので、頭は完璧に錆びつき単語が思うように出てきません。
中国人はせっかちな民族だと痛感するのは、わたしが単語を思い出そうともたもたすると、すぐに話題を飛ばして次の話が始まってしまう時なのですが、まさにそれを味わいつくす時間となってしまいました。

Lisa にはメールアドレスをもらい、この時の写真を送ることになっていますが、まだ送れていません。
分かりにくい写真だということを承知で、ご意見、ご感想等あれば、メールに記載しますので、コメントをいただけませんでしょうか。
ちなみに、Anne が南昌にもどらねばならず、この後残念ながら何もないままふたりを見送るだけでした。
【M8/Angenieux M1 50mmF0.95 F0.95】 ⇒ 続きを読む
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux TypeM1 50mmF0.95 | trackback(0) | comment(10) | 2009/10/06 Tue

找客棧

M8/Angenieux M1 50mmF0.95
和尚さんが覗いていたのは、ご覧のとおりの麻雀でした。
有閑マダムというとちょっと違いますが、若い主婦が集まって卓を囲んでいます。
ひとりはお腹が大きくなっていますが、じゃらじゃら音が胎教になるのかも知れません。
残る3人も20代後半から30半ばという雰囲気で、子どもを学校にやると食事までの時間が暇でしょうがないという毎日なのでしょうか。

昨日も書きましたが、ここはお酒を売っています。
お土産用ボトルもありますが、量り売りもあって紙コップ1杯70円ほどなので、昼間から試飲させてもらいました。
麻雀を中断させて申し訳ないと恐縮しますが、さすが有閑主婦たちはぜんぜん気にする風ではありません。

じつはお酒を頼んだのはそれ自体飲んでみたいということはありましたが、もっぱら聞きたいことがあってそのきっかけのためでした。
聞きたいのは、この辺でどこかに泊まれないかということです。
羅田古鎮には格安の宿泊施設がいくつかあるのは確認していましたが、いずれもごく普通の民家に泊まる民泊でした。

それでもいいですが、せっかくの古鎮ですからできれば古建築に泊まりたいです。
経験則からは、こうやってたずねるとどこかで泊めてもいいと言ってくれる人が出るはずです。

しかし、主婦たちの回答では、古民家で泊まれるところはないねえと、つれないものでした。
有閑は有閑ですが、突然の来訪者のわがままを聞いてくれるほどには暇ではなかったようです。
まあ仕方ないです。
甘いお酒をちびちび舐めながら麻雀見学して、次をあたることにしましょう。

見学者はわたし以外にもう1匹いたようでした。
すごすごと立ち去っていきましたが、もしかするとこれは某携帯電話犬のように「なんだまだ結婚しないのか」「しちゃおうかな、お父さんと」「わしゃ帰る」という会話が交わされていたのかも知れません。
【M8/Angenieux M1 50mmF0.95 F0.95】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux TypeM1 50mmF0.95 | trackback(0) | comment(2) | 2009/10/05 Mon

秘密的三人組

M8/Angenieux M1 50mmF0.95
南昌駅から郊外の安義という古い村を目指します。
駅前からは、教えられていた路線バスで長距離バスターミナルをめざすところですが、かなり混んでいるようです。
スーツケースもあって面倒なので、手抜きでタクシーに乗ってしまいました。

なるべく公共交通機関でというポリシーに反しますが、結果的にはこれがラッキーな展開になりました。
バスターミナルに着くと、安義方面行のバスは今まさに出発しようというところでした。
2時間に1本ほどしかないバスにぎりぎり飛び乗る幸運でした。

列車の車掌もそうでしたが、このバスの太めの車掌も気のいいお嬢さんで、いろいろと世話を焼いてくれました。
月曜ということもあって乗客はすべて地元の農民たちという中で、わたしはひとり浮いた存在でしたから、かまってやらないとという気持ちが働いたのでしょう。
南昌の女性はみな面倒見がいいのかも知れません。

安義古鎮は、入場料が300円ほど必要です。
門のところでチケットを買いますが、そこに女性が何人かいて村をガイドをするがいかがと聞いてきます。
反射的に中国語がしゃべれないのでと断りましたが、今までの流れを見ると素直にガイドを依頼すべきだったかも知れません。
この女性も、眼のぱっちりした夜行列車の妹のようなルックスで、少し後ろ髪を引かれる思いでした。

安義古鎮は3つの小さな村から構成されています。
そのうちの中心が羅田村で、ここには数軒のレストランがありますし、唯一の小学校も存在しました。
レストランで食事して、荷物を預かってもらってから、村の散策を開始します。

作例は、村でもっとも繁華な通りですが、この日目撃したただ2組の外来の客のうちの1組を写したものです。
和尚さんと中年男性、若い女性の3人組ですが、どうもこの3人の関係がよく分かりません。
お酒を売る店で何やら覗きこんでいますが、3人縦並びになっているのがどうも不自然です。

和尚さんはお酒はご法度なのでしょうが、わたしがかわりに試飲させていただきました。
紹興酒タイプの米のお酒でしたが、そうとう加糖しているようで、かなりの甘さは女性向きのようです。
【M8/Angenieux M1 50mmF0.95 F0.95】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux TypeM1 50mmF0.95 | trackback(0) | comment(2) | 2009/10/04 Sun

軟臥的服務員

M8/Angenieux M1 50mmF0.95
新店から南昌まで大移動します。

新店のバスターミナルに戻りスーツケースを受け取ると、終バスで赤壁の町まで出ました。
もうすっかり暗くなっていますが相変わらず雨は降り続いていて、近くで食事をとることにしました。
ずいぶん若い兄ちゃんが鍋を振っていたので、大丈夫かなと思いましたが、案の定、もの足りない味に落胆させられました。
雨降りでなければ、スーツケースがなければ、もう少し歩いてもっと良さそうな店を探したのですが、中国では手抜きが即失望へとつながってしまいます。

幸運だったのは向かいにネットカフェがあったことで、うまい具合に時間調整ができました。
1時間2元は、約30円と願ってもない時間とお金の有効な使い方ができます。

バスで赤壁駅に向かい、赤壁からとなりの咸寧まで列車に乗りました。
赤壁もそうでしたが、咸寧も市街から離れた僻地に駅があるため、駅前には最低限の施設しかありません。
ラッキーだったのは駅前安ホテルが5、6軒あって、最安は1泊300円と格安だったことです。
安さにつられてチェックインしてしまいましたが、建物はまだ新しく、そこそこ清潔感がある良心的な宿でした。

宿をとったといってもここに泊まる訳ではありません。
4時間後に咸寧に停車する夜行列車に乗って南昌を目指すので、休憩とシャワーのための利用です。
リフレッシュしてようようと寝台列車に乗り込みます。
空いているというので、1等寝台に移りましたが、同室者のいびきを除くと快適な移動になりました。

本来、赤壁から南昌までは武漢乗り換えで4時間半ほどの距離しかありません。
しかし、どうしたことか北京西発南昌行きという長距離列車があって、これはぐるっと湖南省をまわって南昌へ向かうため700キロ・8時間の行程になります。
普通にホテルに泊まって最短で目指すより、わざわざ遠回りして移動式ホテルという選択をするあたり、先月鉄っちゃんと旅した影響大ということでしょう。
そもそもが、湖北省・武漢と江西省・南昌が近いということで、このふたつの省都を結ぶ旅を計画したのですが、なぜかわざわざ遠回り路線を選んだりして、関口知宏の影響まで受けたかのようです。

さすがに遠回り路線のためか多くの人が長沙あたりで降りてしまって、最後は車内が閑散としています。
おかげでヒマを持て余した車掌さんと親しくなるという、鉄っちゃんもうらやましがるだろう状況に恵まれました。
眼のくりくりした、なかなかきれいな女性でした。

南昌が地元という彼女は、移動の仕方などいろいろと親身に教えてくれたのが印象に残っています。
省都とはいっても地方都市の農村の娘のようでしたから、もともと純朴な少女なのでしょう。
高価な一等寝台は(といっても700キロ乗って4500円ほどですが)ビジネスマンやお金持ちが乗っていて、車掌などには横柄に接するのがふつうですから、外国人にフレンドリーに話しかけられて悪い気がしなかったということもあって服務に力が入ったのではと想像します。

旅や鉄路の話で盛り上がりましたが、間もなく終点の南昌に着くというアナウンスを聞くと彼女は持ち場へ戻ってしまいました。
もう少し時間があればもっと親しくなれたと思われ、残念でなりません。
しかし、アナウンスをよく聞くと、それでも列車は定刻から1時間近く遅れての到着でした。
【M8/Angenieux M1 50mmF0.95 F0.95】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux TypeM1 50mmF0.95 | trackback(0) | comment(4) | 2009/10/03 Sat

還一個中国古鎮

M8/Angenieux M1 50mmF0.95
中国の古鎮からのブログを続けていますが、もうひとつの中国の古鎮がおおきな話題になっています。
日本の中国地方の古鎮、広島県福山市の鞆の浦です。

利害関係のない人であれば、今回の埋め立て架橋工事差し止めの判決には、誰もがホッと胸をなでおろしたのではないと思います。
歴史的景観をほこる地域での埋め立て開発は、その景観に対してマイナスだということはあきらかです。
古い町並みの美しさに感動しながらも、目の前を走りぬける車の姿に顔をしかめさせるなどということのないようにお願いしたいものです。

一方で住民の不便な生活ということも報道されています。
住民が不便であれば、観光客だって不便は厭わないでしょう。
離れた場所でのパークアンドライドでもいいですし、管理費として入場料をとられてもかまいません。
救急車が入っていけないのであれば、鞆の浦特注の小型救急車をつくってもいい。
それら車両は住民のものも含めて全部電気自動車にするなど、環境先進地区宣言すればそれもいいです。

しかし、今後も住民を二分する裁判は継続していくのでしょうか。
行政が中心になって、対立構造を解消し新たなスタートを切って欲しいものです。
利権とは縁のない第三者機関によって、住民を二分したり対立させたりすることのない未来を見据えた計画を策定できないものでしょうか。
オリンピック開催地決定のプレゼンテーションで環境立国をうたいながら、行政が景観や文化破壊に無神経だったり、ダメと判決されれば住民の生活や健康を守れないとあっては、ダブルスタンダードも甚だしいと言わざるを得ません。


さて、こちら新店古鎮の作例ですが、めずらしい全木造の新店でもっとも美しい古民家を撮影したものです。
軒に腰掛ける少女の表情がなんとも物憂げです。
そういえば、自分たちだって子どものころ天気が悪いと、イヤな気持ちで所在無げに空を見上げたりしたことを思い出させます。

ふと気付いたのですが、左上の隅だけに雨粒が写りこんでいます。
真っ直ぐではなく、少しいびつな形の雨粒です。
背景が黒いのかせ原因でしょうが、もしかするとコマ収差が顕著なために浮き出るようになってここだけ雨粒が見えるのではなどと想像をめぐらしています。
【M8/Angenieux M1 50mmF0.95 F0.95】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux TypeM1 50mmF0.95 | trackback(0) | comment(4) | 2009/10/02 Fri
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