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没有她們好

M8/Xpres 2inchF2
石川町から急坂を登っていくと、山手の瀟洒なエリアに出ます。
そういえば、むかし神戸に行った時も洋館が並ぶエリアがありましたが、横浜と神戸はずいぶんと似ていると思ったものです。
港があって、タワー、中華街、坂、公園、洋館とまるで双子のようです。
しかし、こんなしゃれた建造物は、ksmt さんとわたしのふたりが散策するには似合わないでしょうねえ。

ここからレンズを Ross Xpres 2inchF1.9 に切り替えています。
ひとつは、Y形さんがチューニングし直されたタンパールを持ってくると聞いていたため。
開放でかなりのソフト描写になるエクスプレスとタンパールを比較したらと考えのです。
もうひとつは、新年の江の島で果たせなかった ksmt さんの3インチのエクスプレスと比較するという企画のためです。

時間の関係でY形さんが移動したためタンパールとの比較は果たせませんでしたが、3インチと2インチのエクスプレス比較はどうにか形になりました。
ただ、これは画角の比較よりもカメラの比較のような内容になりかけていて、再挑戦の機会が待たれます。
詳細は、ksmt さんのサイトに掲載されています。

レンズ比較テストの被写体にまごついているとき、おしゃれに着飾った女性ふたり組が訪れました。
ソフトレンズなのですから、このふたりにモデルを頼めればよかったのですが、さすがにそういう訳にもいきません。
繰り返しになりますが、わたしたちよりも、このような女性ふたりが歩くのにふさわしい空間であることをあらためて思い起こされた瞬間でした。
【M8/Xpres 2inchF1.9 F1.9】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Ross Xpres 2inF1.9 | trackback(0) | comment(6) | 2009/03/31 Tue

三个美人

M8/Jupiter-9 85mmF2
横浜公園から日本大通りを抜けて、おなじみになりつつある Cafe 89 に。
生パスタのペペロンチーノを堪能してから、すぐ裏手の中華街へ。
ここでは軽く流して、先行してピッグサイトへ向かう、Y形さん、T.O.さんを石川町駅に見送って、山手の丘を登ります。

ここは、その手前の石川町の商店街ですが、ここで普段は女性に対して反応することのなかった ksmt さんが、めずらしくシャッターを切りまくった女性に遭遇します。
有閑マダムというには、あまりにヒマでしようがなさそうに見える、レンガの後ろから半身をのぞかせた妙齢の女性こそ、その人です。
白い肌がハイライトで飛んでしまっていますが、確かに美人ですし、こんなところでかなりインパクトがありました。

しかし、今回この写真を見て驚いたのは、女性ではなく、電柱の右側の方です。
こんな幻想的なボケは他で見た記憶がありません。
全体に滲んだ具合が美しいですが、特にふたりのボケ方がすばらしく、奥の人物にいたっては今にも消え入りそうな陽炎ボケでこの世のものとは思えない幻想感です。

ここで昨日の謎かけの答えをお知らせすれば、またしても出現した色収差が正解ということになります。
ここでは電柱の輪郭が、昨日は外側の男性のスーツが、ブルーの色収差をともなっています。
Zunow 5cmF1.1 ほど大きく出ないので目立っていませんが、やはり注視していると気持ち悪くなってきます。

ピントの精度が出ていないうえに、色収差が出てこれは手放すべきレンズと決断するところですが、この比類なきボケは捨てがたい。
優柔不断なわたしにとって、悩ましいレンズとなってしまいました。
【M8/Jupiter-9 85mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Jupiter-9 85mmF2 | trackback(0) | comment(8) | 2009/03/30 Mon

在本地的櫻花下

M8/Jupiter-9 85mmF2
遠路山形からY形さんがやってくる、そう聞いて、TOさんとわたしが横浜で迎え撃つことになりました。
さらに援軍として ksmt さんも参戦してもらい、4人揃いで関内~石川町を超駆け足で巡りました。

わたしは、高座渋谷の千本桜を撮影してから向かうつもりだったのですが、サクラはまだまだで、予定変更、自転車で一気に駅まで出て、地下鉄に乗り込みました。
サクラ鑑賞時間がなくなった分は、一駅手前の伊勢佐木長者町に降り立って、周辺をうろついて被写体を探しました。
結局、そのあたりにも収穫はなく、集合場所に着いた時には足はすでにぱんぱんの状態です。
自転車コースがアップダウンの連続だったこともありますが、もう歳だということは隠しおおせないということなのですね。

高座渋谷でいまひとつだったサクラですが、横浜公園では見事に満開のそれと出合いました。
非常に色の濃いサクラで、これは調べてみると市内で交配されたヨコハマザクラという品種だそうです。
見慣れたサクラとは違和感がありますが、この日のように曇っていると、むしろ色が落ち着く感じで、写真には合う気がします。

合うと言えば、サクラにぴったり合うシチュエーションだと思われたのが、若者たちの集まりです。
きっと卒業式で仲間同士が集まり、それぞれの旅立ちを前に心をひとつに盛り上がっているのでしょう。
ふと見かけた季節の風景です。

いけなかったのは、今回使用したロシア・レンズでした。
だいぶ前ピンで、これは液晶で見ていてまったく気付きませんでした。
これは、たまたま若者たちへ合わせたつもりのピントがサクラの方に来たので、生かすことができました。
青年の顔がはっきりしなかったのは、かえってよかったでしょう。
しかし、他のほとんどが惨憺たる結果に終わっています。

もうひとつ、悲しい現象が見られますが、これについては明日言及することにしましょう。
分かる人にはすぐ分かってしまいそうですが。
【M8/Jupiter-9 85mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Jupiter-9 85mmF2 | trackback(0) | comment(16) | 2009/03/29 Sun

千分之一

M8/Sonnar 40mmF2.8
先週の土曜日開花宣言が出た神奈川のサクラ前線でしたが、今日3月28日土曜日は期待を裏切られました。
ここのところの寒さがたたってか、まだまだ2分咲きという程度です。
高座渋谷に近い千本桜の並木もやはり、万階には程遠い状態でした。

未練を感じつつ自転車で並木をずっと走ると、どうしたことかこの1本だけ、ほぼ満開になっていました。
勝手に推察すると、川面近くまで張り出した枝は直射日光と川からの照り返しのダブル光線で、明るさと温度が一気に上がったためあわてて開花し、伝播するかたちで木全体がパーッと花開いてしまったというところではないでしょうか。
ここだけで花見は辛いですが、はるばる自転車を漕ぎ漕ぎやってきた努力はわずかに報われたように感じました。

ところで、レンズはローライ・ゾナーです。
ローライ35のレンズを移植したものと誤解されそうですが、残念ながらこれはコシナのベッサがローライ名を冠して発売されたレンジファインダーカメラの標準として発売されたレンズです。
当然これもコシナ製のはずですが、どうした訳か Made in Germany と刻印されています。
何か事情あってのことでしょうが、理由の方はさっぱり分からないドイツ製です。

肉眼だけでは分かりにくいくもりがあって、通常の半額近い2万円程度で外観のきれいなこのレンズが売られていました。
例え、くもりの影響がひどかったとしても40mmのレンズヘッドがあるので、それを移植して使えばいいやと購入してみました。

LEDライトをあてて分かる程度のくもりということで、普通の撮影では影響がないようでした。
一見するとかなりシャープで、鋭いほどの解像を見せているように思いましたが、M8の等倍画像で見ると解像力はさほど高くないことに驚きました。
ボケ部分もかさかさする感じで、あまり好ましいものには見えません。
総じて、好みとはいえないレンズで、少々期待はずれという感想です。
もちろん、悪いレンズではなく、いえかなり優れた描写のレンズと評価できるものなのでしょう。
それに、これほどのレンズが2万円ですから、コストパフォーマンスは抜群に高いといえます。
ただ、やはり所有し続けたいレンズかというと、どうもおもしろくないのです。
デザインも、最初期クロームズミルクス35mmF1.4そっくりで、独自性がないのが気になります。
ずいぶん勝手なインプレッションで、ファンの方には失礼な物言いはお詫び申し上げます。
【M8/Sonnar 40mmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Rollei Sonnar 40mmF2.8 | trackback(0) | comment(6) | 2009/03/28 Sat

名字的研究

M8/Velostigmat 90mmF4.5
ウォーレンサックやヴェロスティグマットについて情報はないかとキングズレークの「写真レンズの歴史」をめくりましが、ベリートやラプターなどレンズ名の記載はありますが、特記している部分は見つけられませんでした。

その代わりというわけではありませんが、同じロチェスターにあるレンズメーカーのガンドラックが、ヴェラスティグマット(Gundluck Verastigmat)というレンズを出していることが記載されています。
ヴェロスティグマット(Velostigmat)とやけに似ていて、紛らわしいネーミングです。
これは4枚貼り合わせのレンズで、これ単独でも風景用アナスティグマットとして使用できますが、前郡を組み合わせることで、焦点距離を短くし、F数も明るくできるようです。
コンバーチブルレンズのひとつということでしょう。

では、Velostigmat という名称の意味について調べてみましょう。
stigmat は、もうおなじみで、非点収差がない、という意味ですね。
Veloとは何かと調べてみると、Velocity(速さ), Veloce(早く演奏する)など速いということを意味する接頭語のようです。
非点収差を補正しつつ明るいレンズ、という意味が込められているということなのでしょう。
ちなみに、どうも Vera の方は、正確な、という意味があるようです。

ついでに、Raptar も見てみましょう。
rapt という英単語があります。
魂を奪い去られた、うっとりとしている、等の意味があります。
また、raptor となると猛禽類の意だそうで、これは関係なさそうです。
rapture は、rapt の名詞形でしょうか、有頂天や狂喜の意味です。
そういえば、むかしプロンディがラプチュアという曲をうたってわたしなどはデボラ・ハリーに狂喜していましたっけ。
まあ、Raptar は、うっとりさせるレンズということにしておきましょう。

もうひとつだけ、せっかくですから Verito も。
verify は、証明するの意味ですが、verity に真実性、真理等の意味がありました。
どちらかというと真実を隠すベリートですから皮肉が込められた名前で奇を衒ったのかもしれません。

材料に乏しいウォーレンサックのレンズでしたので、言葉遊びでお茶を濁してしまい恐縮です。
歴史あるレンズメーカーでありながら、著名な設計者を排出したり、後世に残るような特徴ある構成のレンズを世に出すということはなかったのでしょうか。
ウォーレンサック、ないしはヲーレンザック、この謎のレンズメーカーについては今後も継続して調べて行きたいと思います。
【M8/Velostigmat 90mmF4.5 F4.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wollensak Velostigmat 90mmF4.5 | trackback(0) | comment(5) | 2009/03/27 Fri

従美国紐約州来

M8/Velostigmat 90mmF4.5
ロチェスターといえば、音楽が好きな人ならロチェスター・ポップス管弦楽団という名前を思い浮かべるでしょう。
わたしも、ルロイ・アンダーソンのアルバムを持っていたと記憶しています。

しかし、このブログでのロチェスターは、光学メーカーの集中する町と書かねばなりません。
コダックが筆頭でしょうが、ボシュ・ロムもありますし、そしてこのウォーレンサックで、わたしにはこの3つがロチェスター3大光学メーカーとの位置づけです。
しかし、まだまだあって、名のみ聞くガンドラックやエルジートなどのレンズメーカーもそうですし、センチュリーやグラフレックスなどのカメラメーカーも実はロチェスターにあったのです。

アメリカの光学機器メーカー大集結の感があります。

ウォーレンサックのことは、ほとんど知りません。
ライカ用のレンズに50mm、90mm、127mmのヴェロスティグマットというそれぞれがエルマーに似ているレンズがよく知られています。
それらレンズは後にラプターと名称変更していますが、そのヴェロスティグマットとラプターは引き伸ばしレンズや他のバレルレンズにもほとんど使われている名前で、レンズ名が構成や使用目的を表さない困った命名パターンになっています。

そういえば、ボレックスという16mmシネカメラにもヴェロスティグマット名のレンズ群を供給していました。
正式には、シネ・ヴェロスティグマットで、このシリーズの2インチF1.5をライカマウントに改造したレンズを所有していますが、フォーマット違いということもあってかなり特徴ある写りをするレンズです。
また、ボレックスと同じボルスキー氏が設計したボルシーのレンズも、表記こそありませんが、ウォーレンサック製と言われています。

ウォーレンサックドットコムというサイトがありました。
英文ですが、同社の歴史の記述もあります。
それによると、もともとはボシュ・ロム社の社員だったアンドリュー・ウォーレンサック氏がシャッターを製造するために1899年に興したのがウォーレンサック社の始まりだったようです。
レンズについては、誰が設計したとか、どういうラインアップだったかなど残念ながら記述がありません。
もう少し時間をとって調べてみたいものです。

さて、今日はなんだか分からない写真になってしまいました。
実はこれ、日本民家園にある水車です。
19世紀中ごろの建築だそうで、水車小屋の中では機械時計の中のように歯車が回転して、ひき臼を動かし続けています。

ウォーレンサック・ヴェロスティグマット90mmF4.5の最小絞りはF32まであります。
普通使うことのないその最小絞りにして、水が戯れる様子をとらえました。
歯車の回転から、ロチェスター・ポップス管が奏でるアンダーソンのシンコぺイテッド・クロックをイメージでしています。
【M8/Velostigmat 90mmF4.5 F32】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wollensak Velostigmat 90mmF4.5 | trackback(0) | comment(4) | 2009/03/26 Thu

裏面這様子

M8/Velostigmat 90mmF4.5
昨日見た富山の合掌造りの古民家に上がってみましょう。
すでに書いたとおり、古民家は毎日数軒ずつが公開されていて、内部を見学できるのです。
見学者へのサービスであり、同時に囲炉裏を使うことで萱を燻す建物への心遣いでもあります。

玄関から入るとたいがいは土間になっていて、農機具置き場になっていたり、厩になっているケースもありました。
この家は作業場のようになっていました。
囲炉裏にいる学芸員さん(だと思うのですが尋ねた訳ではありません)が、こんにちは、どうぞ上がってらっしゃい、と声をかけてくれます。

遠慮なしに上がり込みます。
囲炉裏傍に腰掛けて暖をとりつつ話をうかがうもよし、ここのように広い家ではぐるっと見て回るのも楽しいです。
300年前がそのまま漂っているかのような空気を思いっきり吸い込んだり、すっかり黒光りした柱がまっすぐではなくどれもが曲がったものを使っているのに感心したり、長い時間の中で模様が出来上がった漆喰壁に見入ったり、生きた博物館を体験できます。
南向きの板の間などは、日が射すあたりにごろりと腰かけてまどろんでいるだけで癒されてくるような、まさに時間を超越したくつろぎを堪能してもいいでしょう。

さて、そうやってごろりとしていると、向こう側でも本当にごろりごろとり音が聞こえてきます。
石臼を回しているのですね。
もう足に根が生えたような状態で、位置が悪くてもそのまま撮影させてもらいます。
35mmくらいの広角で撮ったように思われるかもしれませんが、この圧縮感は90mmならではの感じでしょう。
そう、望遠でも広角の位置のように写せる、この部屋の広さが実感いただけないでしょうか。
あ、いえM8ですから120mm相当ですね。
どうです、広いでしょう。
【M8/Velostigmat 90mmF4.5 F4.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wollensak Velostigmat 90mmF4.5 | trackback(0) | comment(4) | 2009/03/25 Wed

三百歳還精神好

M8/Velostigmat 90mmF4.5
日本民家園に行って驚いたのは、その広大な敷地と、古民家が23もあるということです(小屋や舞台も含めて)。
合掌造りの家も4棟あって、これはさすがに迫力を感じます。

これら古民家は、あくまでも古い民家であって、再現されたレプリカではありません。
写真は、富山県の南砺から移築されたものですが、さすがにこの状態でトレーラーで引っ張って来るわけにはいきません。
一度解体して川崎まで運びこんでから、再度組み立て直すのです。
骨組みたる柱がたいへんしっかりしていますから、そんなことも可能なのでしょう。
聞いて驚きましたが、この家は18世紀初頭に建てられたものだそうです。

萱はしょっちゅう葺き替えなくてはならなそうに見えますが、やはりしっかり管理すれば20年、30年と持つのだそうです。
ですから民家園では1年に1棟ずつ葺き替えていけばいいのです。
それでも、この合掌造りの家のように立派なものは、葺き替えだけで1千万円かかるというのでまたもや驚かされました。

萱を丈夫にするためには、囲炉裏を焚くことで煙から出る脂分を萱にコーティングするようにしていくのが良いそうです。
そういえば、人が住まなくなった茅葺の家はすぐに萱が駄目になっているのを見かけます。
人が生活してこそ、家が長持ちするということです。

民家園では、数棟ずつを順繰りに公開することで、囲炉裏を使って自然と萱が丈夫になって行っているようです。
合理的な管理法ですね。

ここで、言及しなくてはならないのは、最近頻発している歴史的建造物の焼失についてです。
神奈川県では、一昨年のモーガン邸に始まって、先週の旧住友家俣野別邸、今週の旧吉田茂邸と不審火による全焼が相次いでいます。
いずれも整備したうえで一般公開する予定だった歴史的建造物で、非常に残念な気持ちです。

人間が殺されるともう二度と生き返らないように、古民家も焼けてしまえばもとへ戻すことができないのです。
古い建造物に対する殺人ということです。
もし放火ならば、絶対にやめてもらいたいし、なんとしても阻止しなくてはと思います。
それにしては、マスコミの取り上げ方や一般の反応はいまひとつに見えます。
怒りの矛先をどこへ向ければいいのやら、空虚感へ置き換わろうとしてしまっています。
【M8/Velostigmat 90mmF4.5 F4.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wollensak Velostigmat 90mmF4.5 | trackback(0) | comment(8) | 2009/03/24 Tue

徠卡準純正

M8/Velostigmat 90mmF4.5
先週末は3連休ということで、気分転換に長浜への旅の話がありました。
古い町並みの美しいところだそうで、うまくあたれば桜の季節ともあたるということでした。
しかし、あっさりと企画は中止に。
仕方ないので、代替場所として、あまりに近場ですが、川崎の日本民家園へひとり出掛けてきました。

土曜日は天気も良く、写真を撮るにはわたしにとって好条件ではありませんが、のんびり散歩には最適の半日でした。
まさに所期目的の気分転換にぴったりでした。

もうひとつの気分転換はレンズです。
いつもはほとんど50mm標準レンズを使っています。
旅するときは、いちおう広角、標準、望遠と3本セットを持参しますが、広角はまだしも望遠の方は使う機会がなかなかありません。
使わない望遠をどうにかするには、半強制的な使用しか考えられません。
そういう訳で、今回は、この Wollensak Velostigmat 90mmF4.5 1本だけ持って散策します。
バッグが小さく軽くすむので軽快でした。

しかし、真鍮にブラックペイントのいかにもクラシックなこのレンズ、開放からずいぶんとシャープでびっくりしました。
戦後すぐのレンズで、レンズ・エレメントをウォーレンサックが、鏡胴をライツ・ニューヨークがそれぞれ供給してできたそうです。
どちらもアメリカの企業ながらドイツに限りなく近いところに位置しているところに、合作話が盛り上がったのでしょうか。

ウォーレンサック社は35mm判のレンズは案外少なく、このライツ・ニューヨークとの合作シリーズに50mm、90mm、127mmの3種がある以外、レンズシャッターカメラ用のレンズをいくつか作っている程度なのではと思われます。
ちょうど深川精密工房のサイトの最新レンズが偶然にもウォーレンサック製と思しきレンズで、拝読するに、案外知られざる高性能のレンズを製造していた可能性を感じました。

90mmF4.5というスペックは地味で、あまり面白くないと感じる方が多いかなと思います。
恐縮ですが、しばらく、このレンズにお付き合いください。
【M8/Velostigmat 90mmF4.5 F4.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wollensak Velostigmat 90mmF4.5 | trackback(0) | comment(2) | 2009/03/23 Mon

要走了

M8/Rectigraphe 60mmF6
中国でしばしば立ち寄る餐庁があります。
ちょっとしたきっかけで親しくなって、以降、カフェ感覚で立ち寄ってしまうような店です。
服務員たちと話をするだけで中国語の勉強になりますし、サービスで一品だしてもらったりと楽しみもあります。
滞在中はそんなにヒマでもないのですが、いっしょに麻雀をやったこともあり、すべて大勝しています。

その日、いちばん明るく元気いっぱいの小芬が深刻な顔をして話があると言ってきました。
仕事が終わったら、外で会いましょうとのこと。
こんなケース、もしや何かいいことがと期待気持ちがゼロではないですが、やはり金の無心あたりではないかとどっちに転んでも緊張を強いられる気分になります。

さて、話は少々意外なものでした。
今週で仕事を辞めて、田舎に帰る、そして英語の学校に行くのだとのこと。
聞けば、両親に恩返しするために都会に出て仕事を始めたが、これからのことを考えると、資格とか人より勝るものが必要と感じた。
英語がひんなに好きなわけではなかったが、クラスの中では成績はいい方だった。
そこで外国人であるわたしと知り合ったことで、外国のことが少し分かるようになり、より外国人と接するチャンスの多い英語の勉強をやり直してみようと考えるようになったらしい…。

文章を書くことが勉強になるので、田舎に帰ってからメールの交換をしてほしいというお願いでした。
これには、もちろん快諾。
わたしの方こそ英語が得意なんてレベルではないのですが、彼女とやりとりするくらいならなんとかなるでしょう。

では買い物にも付き合ってほしいと、学校で着るための服を見たいというので、これはお別れにわたしがプレゼントすることにしました。
中国ではジャージが流行しています。
そういうわけで、アディダスやナイキを見に行きましたが、この両者は中国では偽物が多いからということで、彼女は中国ブランドリーニンを選びました。
上下で4000円まではしません。
まあ、許容範囲でしょう。
実は、前日にまた麻雀をしていて、彼女からも数十元くらい勝ってしまっていて、何らかのかたちでお返ししないとまずいという算段だったので、ちょうど良いような気もしていました。

ところで、このリーニン、漢字で書くと"李寧"となります。
この字面でピンとくる方がいるかもしれません。
ロサンゼルスだったか20年以上前くらいにオリンピックの体操競技を席巻した中国代表の英雄です。
日本のライバル選手として記憶に残っているのでは。
その李寧が、引退後、実業家の道を歩んで起こしたスポーツブランドが成長して、中国で一、二を争う人気ブランドになったのでした。
これは、たまたまNHKで紹介していて、しかも李寧は壮族という少数民族だったと知り好感を持ったところだったので、彼女がこのブランドを選択したことに懐かしさと嬉しさを感じました。

まだ時間があるということで、ローカルエステ(?)のようなところへも行くことになりました。
やはりきれいになって、故郷に錦を飾る(?)ということのようです。
わたしは辞退を申し出ましたが、いっしょにマッサージでもしてもらえばいいと担ぎ出されました。
着いてみればそこは女性向けのショッピングモールのようなところで、男が若い女性連れで入ってきただけで好奇の目で見られるところに、外国人だとばれて人が集まる始末です。
半分、やけくそでフェイスエステ(?)を堪能しました。
これは、確かに気持ち良かった。
正直、また行きたいのですが、ひとりでは無理ですね。

彼女の方はフルコースを受けていて、最初のムダ毛抜きが圧巻でした。
凧糸を器用に操って顔の産毛をばんばん抜いていくあれで、台湾のか有名なので、日本人でも体験された方は多いと聞きます。
あとで尋ねると、けっこういたかったと笑ってましたが、我慢した甲斐あってコース終了後は、美人へと大変身をとげていました。

今頃、彼女は湖南省の田舎で新しい生活をスタートさせていることでしょう。
こんど、あの餐庁に行っても、彼女の歓迎光臨の声が聞こえてこないと思うと、ちょっと寂しい気もします。
それに、激変する中国で、卒業後の彼女がどうなっているかは、誰にも分かりません。
李寧のような跳躍とその後の成功を願わずにはいられません。
【M8/Rectigraphe 60mmF6 F8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Darlot Rectigraphe 60mmF6 | trackback(0) | comment(8) | 2009/03/22 Sun

風筝或者章魚

M8/Rectigraphe 60mmF6
タンパールをお返ししたことで、未練が残ったというか、我が家のソフトフォーカスレンズも試したくなりました。
それで持参してみたのですが、なかなか使う機会がありません。
好天でハイライトが出ている条件などでないと、大幅なソフト効果が出ないのが理由ですが、冬場はテストに撮るような花なども少ないのがまた困ります。

加えて技術的な問題もありました。
凧はいい感じで滲んでいますが、女の子の方はピントがダメでした。
千載一遇のチャンスを逃したかっこうです。

レンジファインダーカメラではソフト効果がファインダー内で確認できないというデメリットがあります。
しかし、一眼レフではソフトフォーカスレンズのピント合わせが困難と聞きますので、この点ではレンジファインダーカメラのアドバンテージとして活かさないといけません。
これでは、少女写真の第一人者の失笑は間違いなしでしょう。
【M8/Rectigraphe 60mmF6 6】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Darlot Rectigraphe 60mmF6 | trackback(0) | comment(2) | 2009/03/21 Sat

喜歓吃水果的小姐

M8/Zunow 50mmF1.1
昨日でラストと言いつつ、もう一枚 Zunow を出させていただきます。
帰り際のバス待ちの間、撮ったのがあったのでした。

今回はおばあちゃんとか後ろ姿の人ばかりで、CャーリーさんやY形さんに申し訳なかったので、おふたりに迎合する1枚です。
ちょっと前ピンというか、胸にピントを合わせたようになってしまっていますが、これはふたりのご趣味とは関係ありません。

半透明のラップでくろんだような前ボケ、きったない後ボケ、荒れる周辺、そしてまたまた登場する色収差とそれまで調子のよかった Zunow が突然困った描写をしてしまいました。
しかし、逆にそれまでほとんど感じなかった空気感のようなものを表現しているように感じます。

華南の少女は果物が大好きです。
これは、彼女の可愛らしさにプラスの影響大と思います(写真では並みに見えますが)。
日本のように、スナック菓子とかジャンクフードとかを食べる習慣があまりなく、かわりにフルーツですからこれは健康的です。

後方に2台見えているのが、バイクタクシーです。
頼めば地下鉄駅まで連れて行ってくれますが、行きはそうやって来たので、帰りは路線バスで駅まで出てみます。
行きと帰りのルートを違えたり、あえて少し苦難の道を辿った方が面白いですから。
料金も8分の1でした。


さて、世界のライカレンズ・パート2(写真工業刊)になかなか興味深い記述がありました。
Zunow 50mmF1.1 の紹介ですが、萩谷剛さんが書かれています。

まず、ちょっと笑えたのが、開放の作例が焼き鳥屋さんの様子なのですが、どこかで見たことがあるなと思えば、修練会の深大寺撮影会で帰路寄った吉祥寺の伊勢屋さんだったことです。
わたしはタンパールで撮影してこのブログにアップしていますが、たぶん同じ位置からの撮影ではないかと思われ、懐かしさがこみあげてきました。

いえ、閑話休題。
ここで萩谷さんが関係者の方から聞いたというたいへん興味深い話を書かれています。
簡単に言うと、Zunow 5cmF1.1 の組み立てはたったひとりで行われていて、その方は拡大投影機を使って1本1本光軸をチェックし、ズレがあれば金属の箔で調整しながら組み直していたというのです。
萩谷さんは、現存のこのレンズはだいたいクリーニング等されているでしょうから、調整された光軸は元にもどり、したがって初期の性能が出ている個体はかなり少ないのではと述べられているのです。

この話が正しいとすれば、多くの Zunow 5cmF1.1 の作例でピントが出ていなかったり、フレアが出ていたりと言ったことの説明がぴたりとつきます。
当時の熟練組立工の方が根詰めて直した光軸のズレを、後のクリーニングなどで元に戻し続けたというブラックジョークのような話です。
しかも、一生懸命に規格の範囲内に調整されたレンズだったのが、いまでは光軸ズレの状態になり、その写りの違いを"レンズの個体差"として一般化してしまっています。

今日の作例で見る限り、わたしのズノウも危ないかも知れませんが、もしこれよりフレアっぽいズノウをお持ちでしたら、光軸に難アリかもしれません。
それは、本来の描写ではないという可能性が高いです。
【M8/Zunow50mmF1.1 F1.1】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zunow 50mmF1.1 | trackback(0) | comment(8) | 2009/03/20 Fri

沙湾的雨傘

M8/Zunow 50mmF1.1
この日は怪しい空模様だったのですが、やはりぽつぽつと来てしまいました。
傘はなくてもよい程度でしたが、さすがにデリケートなM8はバッグに仕舞うことにしました。
散歩はなおも継続しましたが、沙湾の写真としてはラストショットということになります。

なんだか奇妙なくらい傘がシャープに写っています。
それによく見ると傘が異常にでかい。
このあと散歩していて気付いたのですが、沙湾では巨大傘が流行しているようで、あちこちで目にすることになります。
女の子が3人一列になって巨傘1本で歩いているのも目撃したりで、雨が楽しいシーンへと変貌していました。

Zunow 5cmF1.1 についての偉大な資料の紹介がだいぶ遅れてしまいました。
クラシックカメラ専科№71ライカブック04です。
「Zunow 5cmF1.1」に関する私的考察という一文を目黒二郎さんが寄せられています。
目黒さんについては、残念ながらプロフィールが掲載されてないため詳しいことは分かりません。
検索しても、ラーメン二郎目黒店ばかりがヒットしてしまい、探し出すのが困難です。
察するにアマチュアの Zunow 研究家なのではと思われます。

ここでは内容について詳しく書くことはしませんが、このレンズに関心のある方には必読の希少な文献になっています。
特に Zunow に3つのタイプがあって最後期タイプは市販されていなかった可能性が高いにも関わらず、レンズ構成図まで紹介されています。
Zunow 5cmF1.1 は新種ガラスを用いていませんが、1年後発の Fujinon 5cmF1.2 が新種ガラスの採用とともに成功を収めたため、対抗するために急遽設計しなおされたのではという考察は正鵠を射ているように感じられます。

ズノー光学の倒産は1961年といいますから、5cmF1.1 の発売から7年もあとのことです。
じゅうぶんに改良された最後期タイプを世に問う時間はあったはずです。
しかし、実際にはそうはならなかった。
もしかしたら Fujinon 5cmF1.2 をしのいで、Noctilux 50mmF1.2 にも迫ろうかという性能だったかも知れない…。
Zunow ファン最大の無念がここにはあるようです。
【M8/Zunow50mmF1.1 F1.1】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zunow 50mmF1.1 | trackback(0) | comment(7) | 2009/03/19 Thu

她做的草帽

M8/Zunow 50mmF1.1
昨日の色収差のお勉強の補足をひとつ。
軸上色収差と倍率色収差のふたパターンがあって、ズノウの場合後者の方ではないかということは述べました。
軸上色収差はレンズの有効径を小さくすることである程度軽減できますが、倍率色収差はレンズの有効径を小さくしても解決できないということです。
つまり、同じシーンで絞って撮ることで、同様の色収差が出れば倍率色収差といことを裏付けるという訳です。
残念ながらすべてのカットが開放で、確認のすべがありませんが、これはいつか実験の価値がありそうと思った次第です。

さて、今日の写真ですが、自分はしっかり毛糸の帽子をかぶって麦わら帽子を売りに来た女性です。
前ボケがいい感じで、手前の帽子はしっとりと写っているのに、左右のザル(?)の荒れっぷりはすさまじいものがあります。
背景のボケが安定しているのに比べると、このレンズの気まぐれな性格が表れてしまっているようです。

それにしてもパッとしない構図なので、帽子をめぐってのやり取りを表現しようとサイドに回ろうとしたところ、いやいやされてしまいすごすご撤退しました。

想像するに、女性は近郊で農業に勤しんでいるのでしょう。
農閑期には帽子や籐製品をを編んで街に売りに来るのが習慣です。
手前のふたりは常連さんで、彼女の作る帽子をかれこれ20年は愛用しています。
広東の強い日差しと時折やって来るスコールで傷みは早いので、毎年この時期を心待ちに買い替えています。

そんな想像が現実なのだとしたら、わたしも1個買って帰ってもよかったかなと少し後悔します。
購入のやり取りを通じて写真を撮らせてもらえたかもしれません。
それに、夏が来てこの帽子をかぶるとこの時の情景が思い出されてくるでしょうから。
【M8/Zunow50mmF1.1 F1.1】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zunow 50mmF1.1 | trackback(0) | comment(0) | 2009/03/18 Wed

青影

M8/Zunow 50mmF1.1
色収差が現れていたとは…。
一昨日、C氏からこんな指摘をいただき、ずっと気になっていたことが霧散するように目の前が明るくなりました。
Zunow 5cmF1.1 の開放ではピント位置周辺で、青い輪郭線の滲みが現れることがあります。
おとといの例では後ろ姿の老婆や雨どいに、今日のこの例では電球周りにそれが出ています。
わたしは不覚にもこれが色収差とは気付かず、おもしろい滲みだと片づけていました。
市販されるような写真レンズは、色収差は最初から補正されているもの、そういう先入観念があったのが原因です。

レンズについて書かれた本では、収差の章で必ず色収差には一項をもうけてあります。
そして、単玉では補正できないが、低分散、低屈折率のクラウン凸レンズと高分散、高屈折率のフリント凹レンズを組み合わせることで解消できると記しています。
この色消しレンズは、なんと1733年に発明されたといいます。
それにも関わらず220年も後に開発されたレンズに色収差が残ってしまうとは。

あらためて色収差について、「レンズの基本と仕組み」(桑嶋幹氏著・秀和システム刊)を読んでみましょう(この本がいちばん簡単に説明されているので)。

色収差には、軸上色収差と倍率色収差の2種類があります。
実は先に言及したクラウンとフリントで打ち消し合う色消しは、軸上色収差を解消するものでした。
今回の例で現れるピント位置の周囲の色収差は倍率色収差のようです。

プリズムの例で分かるように、光は色の波長によって屈折率が異なります。
レンズを通った光は、波長の違いで赤が奥に、紫が手前にピントを結びます。
これが軸上色収差です。

一方、光軸からずれた位置から来る光は、やはり波長の違いで像上の近い位置に赤が、遠い位置に紫がピントを結びます。
こちらが倍率色収差。

こう説明すると分かりにくいかも知れませんが、図を見れば一目瞭然ですので、理解できなかったという方は調べてみていただきたいと思います。

さて、倍率色収差も性質の違うレンズを組み合わせることで補正されています。
通常は、青と赤の2色を補正していてこれをアクロマートと呼びますが、黄(緑)も加えた3色を補正したものがアポクロマートです。
Zunow 5cmF1.1 は赤のみの補正ということでしょうから、アクマートレンズとでも言うのでしょうか。
いずれにしても、このレンズで、初めて色収差というものを意識しました。
【M8/Zunow50mmF1.1 F1.1】
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Zunow 50mmF1.1 | trackback(0) | comment(12) | 2009/03/17 Tue

二只小鳥

M8/Zunow 50mmF1.1
かなり重くなってしまいましたので、沙湾の散策の話にもどすことにしましょう。
安寧西街という沙湾旧市街の中心です。
背中側に古い建物があったのでそれを覗きこんで振り返ったところ、なんだあれはと驚くような籠で子供を背負った女性が悠然と通り抜けて行きました。

子供はじかに背負うことでスキンシップが生まれ、両親やおじいさんおばあさんを敬う気持ちが生まれるはずです。
いい日旅立ちでも、父の背中で聴いた歌を道連れに、というフレーズがありましたが、これも父の背中の籠で聴いていたのでは語呂が悪いです。

とするとこの女性はおばあさんではなく、お手伝いさんなのでしょう。
娘が他人に情を感じてはいけないということで、こんな道具が生まれたのだと推理します。
中国では一般的なのか、他で見た記憶はありませんが…。

この作例では、中心部がけっこうシャープながら、周辺で流れる傾向が見てとれます。
ハイライトはやはり、うっすらと滲んでいます。
背景の自転車が平板に見えますし、非点収差の影響を受けますから中心から離れるにしたがってボケもきたなくなります。
全体に、あまり良い描写に見えません。

古建築を覗いていたため少し高い段の上に乗っていたのですが、そのせいか気付かれることなくスナップできました。
一方で、上から見下ろすかたちになったことで、垂直線が中心に向って収束してしまっています(折しも ksmt さんのサイトの日誌のところでこのことについての研究が書かれたばかり)。

ちなみに向かいはレトロな床屋さんです。
味のあるおやじさんがまさに髪を切っているところを取り入れたかったのですが、残念ながら入っていません。
その替わりとは言えませんが、少女の髪に二羽の小鳥が止まっているように見えて、このおやじさんの作品なのではなんて思ってみました。
【M8/Zunow50mmF1.1 F1.1】
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Zunow 50mmF1.1 | trackback(0) | comment(6) | 2009/03/16 Mon

香格里拉的回憶

M8/Zunow 50mmF1.1
昨日3月14日は、昨年のチベット暴動から1年の節目の日にあたります。
先立つ10日が、ダライ・ラマを亡命に追い込んだチベット動乱から50年ということもあって、連日国内外でチベットの現状について多くの報道がなされています。
ここでは政治問題にまで踏み込むことをいたしません。
しかし、昨夜のニュースで、雲南省香格里拉の松賛林寺でのチベット仏教弾圧を報道していたのですが、わたしがこの寺を訪問した時のことが思い出され、そのことには触れておきたいと思いました。
写真の広州とは一切関係ありませんが、短文を記すことをお許しください。

2005年の夏、わたしは雲南省に向け旅立ちました。
麗江の町を堪能してからここでチャーターした車で、香格里拉の町を目指します。
香格里拉は、シャングリラに中国語の音を当てた桃源郷の地を意味しています。
ダイナミックな自然を求めて人びとが訪れる、名前のとおり山間にある美しい土地です。

そこに小ポタラ宮と称される松賛林寺があります。
香格里拉にあって唯一の人が造った観光名所であり、雲南省のチベット仏教の総本山です。
初めて訪れるチベット寺院は荘厳というよりも、聖と俗の境界のような印象のところでした。

修行僧が多くいて仏典を勉強していたり、経を唱えている姿をそこここで目にします。
しかし、一方で、広場のようなスペースで、携帯ゲームをしていたり、大声で雑談するグループがあったりと、チベット仏教はひたすら厳格という先入観が誤解だと気付かせる空間でもあったのです。

そのうち、ひとりの僧が話しかけてきました。
たぶん日本でいう高校生くらいの年齢の若い修行僧のようです。
互いにたどたどしい中国語で、どこから来たかとか修行してどのくらいになるのかとか、簡単な会話をしていたところ、彼がこの寺のことをどう思うかと尋ねました。

それが、どういう意味を持つのかも考えず、わたしは安易に答えました。
すばらしい環境の中で、みんないきいきと修行している、建築も美しいもので、わざわざ見に来た甲斐があった。
しかし、わたしはここで少し余計なひと言を加えてしまいました。
できれば、ダライ・ラマに出合いたかったのだがと。

当時も今も、わたしはチベットについて研究している訳ではありませんし、当時の中国とチベットの関係のことも詳しくは分かっていませんでした。
それでも、ダライ・ラマは動乱によってインドに逃れ、中国政府がチベット指導者として独自にパンチェン・ラマを立て、寺院ではダライ・ラマの崇拝は許されずにパンチェン・ラマの写真が奉られているということは聞き知ってしました。
チベット僧の実情を考えれば、かなり微妙な回答をしてしまったと今では冷汗が出ます。

さて、彼はしばし考えてから、わたしの手を引き彼が住みこんでいる部屋へと導いたのです。
真中に仏壇様のものがあり、まさにそこにダライ・ラマの額装された写真が大切そうに飾られていました。
若い僧は、写真を手に持つとわたしのところへ来て、力強く差し出しました。
持って行ってほしいということのようでした。
これは、あなたにとって最も大切なものだと固辞しましたが、なんとしても持って帰ってほしいとさらに力を込めてわたしの胸に押しつけます。
こんなに若い人の意志を眼前に見せられると、逆にこれを持ち帰らなくてはという気持ちが強く芽生え、ありがたくいただくと答えました。

わたしが、お礼をしたいと申し出ると、若い僧はひとつお願いがあるといいました。
それは、わたしの電話番号を教えてほしいというものでした。
日本のものしかないというと、もちろんそれで構わないといって、彼は自分の携帯電話に登録しました。
やがてわたしたちは部屋を出ると、力強く握手して別れました。
手を振って彼を見送りましたが、彼は一度振り返ったもののすでに雑談していた時の和やかさは消え、厳しい顔をしていたのが印象に残っています。
とはいえ、当時は旅のほんのひとこまに過ぎない些細な出来事のように感じ、昨年の今頃までそれほど重要なこととは思っていなかったのは、旅人の鈍感では済まされないことかも知れません。


いま、その時のダライ・ラマの写真が目の前にあります。
帰国後ずっと本棚にしまっていたのですが、昨夜のニュースを見てこの写真のことを思い出し、PCの横にそっと置きました。
そきほど額装されていると書きましたが、その額は安物のプラスティック製でガラス部分もセルロイドのため少しペニャペニャしています。

しかし、写真のダライ・ラマは本物です。
チベットの祈りのポーズでしょうか、そっと指先を合わせて、笑顔でこちらを見守っています。
口もとは優しく笑っていますが、目は案外けわしいようにも見えます。
それは、あの時の若い僧が別れ際に見せた目に、とても似ているように思いました。
【M8/Zunow50mmF1.1 F1.1】
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Zunow 50mmF1.1 | trackback(0) | comment(6) | 2009/03/15 Sun

不完整的大小

M8/Zunow 50mmF1.1
昨年11月に同じ広州市の小洲というところを訪れましたが、その小洲最大の見所が壁一面を牡蛎の殻で覆った家屋でした。
雨の侵入を防ぎ、夏涼しく冬温かい、防虫になるなど昔の人の知恵がつまった土地の遺産です。
かつては一般的だったそんな家も今では3軒しか残っていないと聞き、写真を撮りまくったものです。
しかし、ここ沙湾にはそんな家屋はあちこちにあり、普通すぎて誰も見向きもしないようでした。

華南は豪雨地帯ですので、雨もりのない家というのは重要です。
写真でも分かるように、舗装路の脇には必ず排水溝があって水はけに気を配ります。
これがないと、たちまちのうちに道がそのまま川になってしまうでしょう。
隣の人も聞こえなくなるような激しい雨、日本では台風のとき以外体験できないようなそれが、この地域では普通にあるので要注意です。

もうひとつの発見は、広東サイズのリアカーです。
これまで訪ねたほとんどの古鎮で見かけた小型のリアカーですが、荷物が乗せにくい中途半端なサイズだと思っていました。
実は、これが路地にぴったりフィットする幅だったのですね。
古い町には、生活サイズの道具が生まれてくることを再認識します。

再認識といえば、ズノウの描写の方はいかがでしょうか。

非点収差が激しく前ボケがぐるぐるしてしまっています。
一面の牡蛎の殻もハイライトになってフレアを大量発生しています。
右側の壁はやはり前ボケが二線ボケが出ていて、手振れしているかのように見えます。
ピント位置も何だかはっきりしませんね。

前日、前々日よりだいぶ収差が浮かび上がって来ました。
このレンズは条件次第で、だいぶ表情を変えるようです。
その収差を抑えたり、時には大胆に全面に出したりして表現することこそ、レンズを使いこなすということになるのでしょうが、これがまた難題です。
【M8/Zunow50mmF1.1 F1.1】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zunow 50mmF1.1 | trackback(0) | comment(9) | 2009/03/14 Sat

北村幼稚園

M8/Zunow 50mmF1.1
今回歩いた沙湾とはどんなところか。
古い家、新しい家、廃屋が混然とした、写真のようなところと答えれば、だいたい間違いないと思います。
これまで訪れた華南の古い町は、みな狭い壁の中に家を密集させていましたが、沙湾もそれは変わりません。
人がすれ違える程度の狭い路地が迷路のように広がっているさまは、外部からの客を拒む意図を強く感じさせます。

右手にカメラを持った、いかにもよそ者のわたしでしたが、奇異の目で見られたりましてやとがめられたりということはありませんでした。
休日などは、案外訪れる人がけっこういるのかもしれません。
最近、中国でも景気の後退で治安が悪くなってきているようですので、空き巣と疑われる心配がありましたがこれは杞憂でした。

さて、右手に持ったM8ですが、月曜にお話ししたように購入したばかりのハンドグリップが付いています。
重量90グラム、中国でいう紅木という木でできています(紅旗ではありません)。
かなり固い木で恐らくポリッシュ仕上げ様になっていることから、プラスティックではないかとの疑いも感じましたが、なるほどぐっと握っていると木独特の温かみがほのかに伝わってきます。
ただでさえでかいM8がまたひと回り大柄になってはしまうものの、ボディとグリップのフィット感はしっかりしていて気持ちいいですね。

わたしは、通常、カメラのストラップを掌にぐるぐる巻きにしてカメラを握りながら、散策しています。
M6やR-D1くらいなら軽いレンズとのセットでは苦にならずに持っていられます。
しかし、M8は厚みがあってレザレッテのシボのパターンも貧弱で、より強い力で持っていなければならず、結果すぐ握力を失うのが悩みでした。
このグリップを装着することで、ストラップを掌に巻いて指3本をグリップにひっかけておくだけでカメラを保持でき、飛躍的に楽に持っていられるようになりました。

今回ズノウレンズを持ち出したのは、このホールド性をあえて重めのレンズでテストしたかったという意味もありました。
結果をいえば、やはり問題なく保持し続けられました。
ひとまずは、このグリップの導入は正解のようです。
しかし、使ううちにだんだんと不満点が浮き彫りになって来そうな気もしています。
言い忘れました。
グリップは邦貨で約15000円でした。
【M8/Zunow50mmF1.1 F1.1】
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Zunow 50mmF1.1 | trackback(0) | comment(13) | 2009/03/13 Fri

特別長的香

M8/Zunow 50mmF1.1
広東省や香港、マカオなどの寺廟では、このらせん状の線香がよく見られます。
赤い紙に願い事や名前を書いて火をつけ、燃え尽きるとその願い事が叶うのだそうです。
ただ、燃え尽きるまでひと月近くかかるらしいです。
それに、ここ留耕堂のような人気寺廟では、空きがなくてなかなか線香すら供えられないと聞きました。
中国人の心神深い一面がよく分かります。

こういう寺廟を見学するときは注意が必要です。
室内でこれだけの線香ですから、何しろ煙いことこのうえない。
線香はたばこのように健康に影響があるのかは分かりませんが、あまりいい感じはしません。
そしてもうひとつが、上からぱらぱら、ぱらぱらと灰が降りかかってくることです。
熱くはなかったですが、これまた好い気分ではありません。
外側から、眺めるのがいちばんということでしょう。

せっかくの Elmarit 21/2.8 を仕舞い込んで付け替えたのが、1年振りの Zunow 50/1.1 です。
フレアをまぶしたような前ボケは、レンズ性能として評価するとかなりのマイナスなのでしょうが、うるさいことを言わなければ単純に美しいと思ってしまいます。
また、このくらいの距離ですと、後ボケもよい感じです。
同じような線香が並んだだけのごちゃごちゃした情景も、深度の浅さで奥行き感が出ますし、ボケがまとまったことでうるさくなるのを抑えられたかなと思います。

とか言いつつも、むせてしまって咳き込みながらここは脱出しました。
【M8/Zunow50mmF1.1 F1.1】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zunow 50mmF1.1 | trackback(0) | comment(8) | 2009/03/12 Thu

中国竹的生命力

M8/Elmarit 21mmF2.8
あちこちに残る沙湾の古建築を撮り歩こうと、実に久しぶりに超広角を持ち出すことにしてみました。
いくつか候補がありましたが、デジタルでは初使用となる Elmarit 21/2.8 にしてみます。
他がクラシックレンズ2本なので、モダン味のエルマリートを対照させてみようとの安易な発想です。

昨日の作例で早くも、Treizieme Ordre さんから
品行方正なライカの「レポートレンズ」に徹するのでしようか?
との鋭い指摘をいただき驚きました。
自分自身でも、どうもこのレンズをうまく使えず、同様の感想を持ったからです。
わたしの今の撮影スタイルで、超広角というのは、超難題だということに気付きました。
記録写真を何枚か撮ってのち、もう不要とレンズを仕舞い込むことになります。

あらためて見ますと、どうも対称型でない広角には苦手感がつきまといます。
一見すると解像度が高く、発色も濃厚に出ていて、好もしい写りに感じられなくもありません。
しかし、逆望遠タイプのレンズでしばしば感じるのですが、実在感というか、立体感というかそういうものがなくスカスカ感を感じてしまうのです。
ただ、このレンズはボケが良く、この点は見直しました。
それでも、トータルで見て好みの問題として、ずっと使っていたいレンズではありませんでした。
いつか、見直しできる日が来るといいのですが。

ところで、この鉢は一体どうしたというのでしょう。
竹の生命力があまりに強くて、成長によって割れ落ちてしまったのでしょうか。
だとしたらすごいですが、そのままにしておくのも、またすごいとも思ってしまいます。
正直なところ、鉢が割れた理由は、香港映画ではこんな空間でカンフーで戦うシーンがあるのを思い起こして、誰か観光客が蹴飛ばして割ったということじゃあないかと想像します。
【M8/Elmarit 21mmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Elmarit 21mmF2.8 | trackback(0) | comment(10) | 2009/03/11 Wed

騎他的摩托車

M8/Elmarit 21mmF2.8
グリップを手にして意気揚々と広州を後にします。
地下鉄で終点の番禺広場まで出て、バイクタクシーに乗り換えました。
広州市番禺区沙湾鎮という、歴史のある町を訪れるためです。

広州は市内の真ん中を除くと要所要所にバイクタクシーが待っていて、市民の足として便利な存在です。
だいたいタクシーの3分の1とか4分の1の料金ですし、スピードを出すので時間も変わりません。
旅行者とて利用しない手はないでしょう。

問題は、事故のリスクとよそ者は吹っかけられる可能性が高いこと。
事故なんてそうそうないものとタカをくくっていましたが、以前低速走行中に転倒を経験しています。
よそ者云々についても、いくらそれっぽい中国語で話しかけても現地語は広東語なので、一発で現地人でないとバレてしまいます。
大概は数台のバイクが待ち構えていますので、その中でも人の良さそうな、スピードを出さなそうな人を選んで交渉開始です。

最初に訪れたのは、沙湾でもっとも古い寺廟である1233年創建の留耕堂です。
いちばん朴訥とした親父さんのバイタクを選んだのですが、それが正しかったのか極めて安全運転でしたし、留耕堂は初めて来たといって一緒になって見学することになってしまいました。
すごく嬉しそうに堂内を見ている姿は、やはりこの人で良かったなあと思えてきました。
ただし、18元という料金が正当なものだったかは、証明するすべなしです。
【M8/Elmarit 21mmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Elmarit 21mmF2.8 | trackback(0) | comment(4) | 2009/03/10 Tue

3分鐘借了

M8/Kino Plasmat 75mmF1.5
わざわざ広州まで出向いたのに、M8グリップが入手できなかった顛末は前回ブログにしています。
その広州のカメラ店から、グリップができたぞと連絡が入り、懲りずに取りに行ってきました。
このグリップについては、のちほど紹介させていただこうと思います。

さすがのわたしもグリップだけ受け取ってただ帰っては面白くない。
そこで、レンズをみせてもらって、しっかり試写もしてきたという訳です。

2本見せてもらいました。

1本目は SOM Berthiot Cinor 50/2 です。
中心シャープで周辺の甘い、なかなか魅惑的な写りでしたが、10万円ということで断念しました。
シネレンズにロシアレンズのヘリコイドを付けた改造モノでした。

もう1本が、この Kino-Plasmat 75/1.5 です。
前述のベルティオはそれなりに欲しいなどという気持ちもありましたが、キノの方は完全な冷やかしです。
実は以前、某オークションにも出品されていて、なんと100万円の値段が付けられていたからなのです。
すごいですね。
それでオリジナルライカマウントと思っていたのですが、これまたマウント改造モノでした。
それと驚いたのは、第一面がパープルにコーティングされていたことです。
このあたりを質問してみましたが、さすがに店の女の子たちは、その意味するところも理解できないという雰囲気でした。

まあ、そんなこといいやという感じで、女の子を撮らせてもらいました。
10枚くらい撮っていちばんピントが良かったのがこの写真です。
とても難しいレンズです。
しかし、この肌の質感のすばらしさはどうでしょう。
とろけています。
他にもいろんなところにクセがいっぱい出ていますね。

当然欲しくなりましたが、100万円じゃ、値切るとかそんなレベルではありません。
その意味で、この店、実は客に優しい店なんじゃないかと思ってしまいました。
【M8/Kino Plasmat 75mmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Meyer Plasmat 7.5cmF1.5 | trackback(0) | comment(4) | 2009/03/09 Mon

心臓也満意的

M8/Thambar 90mmF2.2
関内からそぞろ歩いて CAFE 89 までやってきました。
新宿西口写真修練会の新宿西口というのは、ヨドバシカメラを意味しているわけではなく、修練会の会合場所である CAFE 89 を指してこう名付けています。
関内の CAFE 89 は先ごろオープンした姉妹店なのです。

新宿の方は、リーズナブルな料金でおいしいコーヒーとパリの雰囲気を楽しめる空間が人気で、いつ行っても混雑しています。
そんな中、修練会の重厚な面々がご自慢のレンズを並べてマニアックな会話を楽しんでいるのですから、そこだけかなりな異空間を展開しているのだろうと思います。
しかし、横浜はオープンしたてのためでしょうまだまだゆったりした雰囲気で、遠慮無用にレンズ話しに花を咲かせたのでした。

ここ横浜の CAFE 89 は、ケーキが圧倒的においしく、喧騒から離れられるくつろぎ空間なのですが、ランチではじめた生パスタのスパゲティが評判になっているそうです。
次回はランチ時間帯に出掛けて挑戦したいと思っていますが、どなたかすでに食べられたかはぜひともご感想をお聞かせいただきたいです。

ところで、この CAFE 89 のオーナーN氏は、実は修練会のメンバーなのです。
いえ、メンバーというよりも、技術的アドバイザーというか、とどのつまりが修錬会唯一のフォトグラファーとご紹介すればよいでしょうか。
そしてN氏はフォトグラファーでありながら、傲慢だったり偏屈だったり人を顎で使ったりあるいは奇を衒ってばかりだったりなんてことの一切ない、純粋で優しいまなざしでファインダーを見つめておられるという稀有な方なのです(この表現はあきらかに蔑視ですが、文脈上筆者がフォトグラファーに対する多大な誤解を抱いているという風に解釈してください)。

N氏の優しい目だからこそ捉えられた写真の数々が、新宿と横浜の CAFE 89 の店内に展示されています。
これらの写真だけでN氏のすべてが語れるわけではありませんが、もし運よくオーナーのN氏が店におられたなら、ぜひともその写真についてN氏と語らってください。
もちろん写真を見るだけでも、コーヒーを味わい、ソファーに深くかけてくつろぎしながら、十二分に至福の時間を過ごすことができますので、どうかお店に一度立ち寄りいただきたいものです。
店の宣伝っぽくなってしまいましたが、本来の趣旨は、写真や芸術、あるいは他の趣味的なものでもいいので、そういう愛好家が自然にあつまるような、かつてパリやバルセロナ、ウィーンなんかに存在したサロン的な店に育ってくれないかなという願望です。
事実、店自体はそういう雰囲気をすでに有している訳ですから。


さてさて、4ヵ月もの長きにわたりお借りしていたタンパールですが、もうお返ししないといけません。
こんな貴重なレンズをお貸しくださったGさんには、感謝でいっぱいです。
到底使えるというレベルには辿り着けませんでしたが、デジタルの強みで相当数撮影させていただきましたので、十分に満足を得られたと思っています。
日の落ちる直前、あまりにも運よくウェディングドレスの女性が写真撮影のために出てきたところを最後の1枚として便乗撮影させていただきました。

そう、この場所こそが CAFE 89 のとなりのホテルで、彼女はパリにいる気分で CAFE 89 を背景にした写真を撮ってもらっているところです。
わたしも同じ位置から撮れば良かった。
このAEDのステッカー、せったくの雰囲気にあまりに似つかわしくありませんから。
【M8/Thambar90mmF2.2 F2.2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Thambar 9cmF2.2 | trackback(0) | comment(6) | 2009/03/08 Sun

穿背心的小狗

M8/Thambar 90mmF2.2
関内で降りて、T氏と合流します。
もう少しうまく待ち合わせて、いっしょに撮影して歩きたかったのですが、スケジュールが遅れてしまったことで残念ながら会話をするのみで終わってしまいました。
T氏はプラナー付きのローライフレックスを持参していて、赤レンガ倉庫周辺などを撮り歩いたとのでした。
その撮影する姿を見れなかったことがますます悔やまれました。
暗室ワークの名手でもある氏のことですから、この日の作品をぜひ拝見したいものです。

さて、すでに根岸線の車内で、すっかり日もかげりはじめていました。
タンパールのまともな使い方の分からないわたしは、陽光を取り入れて画面に滲みをところどころまじえる誤魔化し技を封印されたかっこうです。
光源いっぱいの夜景なども撮ってみましたが、滲みがきれいとは言えず何かの背景には面白そうですが、夜景そのものを主題にするのは無理がありそうです。

結局は、普通にスナップを撮り歩くしかなさそうです。
それも90mmの望遠スナップですから、近距離や動きの速いものは無理です。
県庁通りから山下町にかけては、碁盤の目のように通りが縦横に走っていますから、ワンブロック手前から狙ってこんなスナップになります。

コーヒーカップで手を温めて冷たい思いをさせないようにしてから子犬の頭をなでる。
ふたりの関係がよく感じられる絵だと思いました。
ですが、薄暗い中で女性の肌がハイライトになってしまい、愛犬をなでる手が滲んで指が巨大になってしまっているのが、ちょっとヘンな感じです。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Thambar 9cmF2.2 | trackback(0) | comment(2) | 2009/03/07 Sat

解釈分開的模特

M8/Thambar 90mmF2.2
前日に書きましたように、探し求めたアイディアル・モデルに半年越で遭遇することができ、満ち足りた気分で帰路につくことができました。
いえ、まだ帰るわけではありません。
これから、横浜に出て、最終的には銀座まで行って中古カメラ市をさまよう予定です。

そこで、なんと、またしてもアイディアル・モデルに出合ってしまったのでした。
いや、ここではC氏の同意は得られないかもしれません。
微妙な判定になるか、あるいは門前で却下の可能性すらあります。
あわててC氏の姿を追いましたが、すでに氏は階段を上がってしまった後でした。

ここで昨日あいまいにやり過ごしてしまったアイディアル・モデルの意味について、もう一度考察する必要があるでしょう。
個人個人が理想的と感じられれば、アイディアル・モデルだ的な表現をしてしまったので、誤解を心配しています。

例えば、ロリコン男性がいて可愛らしい少女を見つければアイディアル・モデルでしょうか。
男色の人がムキムキ男を発見すればそれもアイディアル・モデルといっていいのか。
答えはノーです。
わたしはアイディアル・モデルの定義に具体性を持たせることは避けたいと思っていますので、表現は依然あいまいなままになります。
それでも、あえて言えば、まずモデルがその人にとって理想的と言える外観なのはもちろんですが、かつ、町中で自転車にまたがって読書しているなどの、えーっと驚くような意外性とセットになって初めてアイディアル・モデルだということです。
むしろ、その部分の方がルックスよりも大切なように思うくらいです。

その意外性こそが面白みであって、アイディアル・モデルとあえて呼ぶ本質部分でしょう。
であるからこそ、求め歩いてなかなかに見つけられなかった訳です。

さて、今日の写真、なぜかモノレール駅の階段に腰掛ける優等生的少女。
それをアシストする、髪の香りに陶酔するようなポーズの背後の写真。
これはアイディアル・モデルでしょうか。
非常に厳しい判断を迫られます。
【M8/Thambar90mmF2.2 F2.2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Thambar 9cmF2.2 | trackback(0) | comment(6) | 2009/03/06 Fri

理想的模特

M8/Thambar 90mmF2.2
去年の夏、新宿での話です。
メンバーは若干違いますが、今回と同じように新宿西口写真修練会のメンバーとカメラを手に闊歩していた時のことです。
街路樹が整備されている道に、自転車に跨ったまま読書する女性がいました。
蒸し暑い街中で自転車に座って本を読んでいるなんて常人には理解できない不思議な光景です。
しかし、わたしたちがいる方向からは背中向きでしたが、じゅうぶんに絵になる空間を醸成しています。
同好のC氏に、アレは何でしょうかとたずねると、間髪入れずに、アイディアル・モデルてすと教えていただきました。

以降わたしは、カメラを手に街を歩きながらアイディアル・モデルを求め続けてきました。
アイディアル・モデルとは何のことでしょうか。
正直、。わたしにはどういう意味なのか、正確に答えることができません。
命名者のC氏はどうでしょう。
確かな定義があるのでしょうか。
尋ねたことはないのですが、恐らく、各々が理想的と考えるモデルであれば、それこそがアイディアル・モデルと言っていいのではと思っています。

わたしは、そのアイディアル・モデルを求めて、東京を地方都市を時には中国まで彷徨い続けましたが、ついぞアイディアル・モデルに再会するチャンスには恵まれませんでした。
この半年以上は、ずっとそのことが頭を離れません。
そのためだけにカメラを手にしたわけではありませんが、歩く以上は力を込めてアイディアル・モデルを探し求め、ついぞ裏切られ続けていたのです。

しかし、この日ついに見つけました。
しかも地元の藤沢市内です。
新宿のアイディアル・モデルがメイド服のようなワンピースでその理想度を高めていたのに対し、ここでは長い髪が足のかたちがアイディアルとしての存在感を誇っているのでした。
そして、新宿の時とまったく同じ、自転車上の読書。

この日の修練会メンバーで関心を示した人はどれだけいたでしょうか。
しかし、このときC氏がとったぐっとうなづき満足感にあふれた視線を投げかけていたのをわたしは見逃しません。
わたしは、尋ねてこなかったアイディアル・モデルの定義が、けっして間違っていなかったことを確信するに至ったのでした。
【M8/Thambar90mmF2.2 F2.2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Thambar 9cmF2.2 | trackback(0) | comment(8) | 2009/03/05 Thu

車窓的美女

M8/Thambar 90mmF2.2
RF友の会一行は鎌倉に集合し、稲村ケ崎、腰越を経て、江の島に到着。
さらにこれから横浜山下町まで向かわないといけません。
江の電で、いやここはやり過ごし、意表をつく湘南モノレールで大船経由、関内へ移動です。
わたしたちは純粋な写真、またはレンズ愛好家のグループですが、この公共交通を駆使したダイナミックな移動は、鉄道研究会のノリのように思えてきました。

さて、その途上、江ノ電の江の島駅。
鉄道研究家への道を歩むことになるかもしれない年少の子どもが、車両の到着に興奮しています。
電車にかぶりつかんという勢いに、移動中ながら思わずカメラをとりだし撮影させていただきました。

いま、はたと気付いたのですが、子どもと父親の視線の先が違っているようです。
鉄道好きだった純粋な目も、やがて年を経るにしたがい、関心の矛先が大きく変わっていくようです。
なんだ、わたしたちが鉄道よりも違うもののスナップばかり撮っているのといっしょじゃないですか。
【M8/Thambar90mmF2.2 F2.2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Thambar 9cmF2.2 | trackback(0) | comment(3) | 2009/03/04 Wed

食指揺動

M8/Thambar 90mmF2.2
江の島の沖に浮かんでいるヨットに気付いて、しまったと思いましたが、後の祭りです。
RF友の会の面々は、すたこら先へ進んでしまっています。
道路越しではヨットは豆粒なので、では車の背景にと思いましたが、今度は車が大きくなりすぎてしまう。
解決策はたまたま通りかかった自転車でした。

ガードレールのちょい先にピントを合わせ置きピンで待ちます。
しかし、自転車は速く、30キロくらいは出ているでしょうか。
一発必殺でとらえないといけません。
1台目、大失敗。
気負ってシャッターが早過ぎました。
やはり難しかったか。
続きざまの2台目。
今度はうまく行きました。

ちょっとヨットが切れてしまいましたし、ガードレールが邪魔で自転車のスピード感、躍動感も伝わりません。
それでも個人的には、一瞬で通り過ぎた自転車を枠の中にぴたりと止めた人差指の反応に感心しました。

タンパールではめずらしいスポーツ写真と思いますが、自転車乗りの顔がずいぶんとシャープにとらえられているのがポートレートっぽいですね。
ボケはちょっと汚いですが。
【M8/Thambar90mmF2.2 F2.2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Thambar 9cmF2.2 | trackback(0) | comment(8) | 2009/03/03 Tue

最佳情侣

M8/Thambar 90mmF2.2
ライカを持って観光地などを撮り歩いていると、時よりクラシックカメラで撮影している人を見かけます。
M型ライカが圧倒的に多いですが、パルナックタイプのカメラもよく見ますし、二眼レフだって少なくありません。
気付くと会釈したり、おたがいひとりだったりするとちょっとした会話をすることもあります。

ただ、最近は当方R-D1、M8ばかりですので、クラシックカメラを持っている方からはフンとやられていることが多いような気もします。
デジタルは、機械式カメラを愛用される方から見れば侮蔑の対象と考えられるのでしょう。

わたしの方では相手がライカだった場合、カメラよりもレンズの方が気になります。
観察するに、やはり広角を使われる方が多いようです。
標準ではエルマーとズミクロンが主流です。
そして、やはり改造レンズなどを使っている方は見たことがありません。
社会的に認知されつつあるマウント改造レンズですが、まだまだ市民権を獲得しているとは言い難い状況を感じます(当り前ですか)。

鎌倉でM5を腰越でローライフレックスを目撃しましたが、江の島ではパルナックライカ使いを発見しました。
すかさずレンズをみやると金色に輝くニッケルメッキは、恐らく初期型のエルマーっぽいですね。
外付けファインダーと短い鏡胴を見れば、やはりエルマー3,5cmF3.5に間違いなさそうです。
ボディはクロームなのが残念ですが、ⅢCでしょうか、すっと構えるフォームがさまになっています。
ぴたりと寄り添うお連れさんも、一眼レフですがイエローフィルターを付けています。
撮影後、ふたり揃って息の合った暗室ワークの後に、互いの写真を批判し合う姿が想像され、うらやましさを感じました。

甘いタンパールの描写が、ふたりの甘い関係をもあますことなく写しとってくれていると言えないでしょうか。
【M8/Thambar90mmF2.2 F2.2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Thambar 9cmF2.2 | trackback(0) | comment(12) | 2009/03/02 Mon
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