巴黎鏡頭

R-D1/Kinoptik35mm F2

KINOPTIK PARIS.
キノ用のオプティックの合成語が、恐らくはメーカー名の由来でしょう。
見ることのできるキノプティックのほぼほとんどが、シネ用のレンズではないかと思います。
例外としては、アルパ用の100mmF2と150mmF2.8がありますが、製造されたのは合計して千数百本ほど。
他にも、75mmとか200mmとか時たま見かけるのは、少数単位でオーダーされた特注に近い存在なのではないかと思われます。
これらは、いずれも高値で取り引きされていて、なかなか手の出るものではありません。

アリフレックス用のキノプティックも人気が高く、価格もまた高しです。
しかし、35mmシネ用のカメラにはいまや廃れてしまったものも多く、そういったマウントの広角のキノプティックは、しばしば激安で市場に登場します。
これが、狙い目。
わたしの所有する28mm、35mm、40mmのF2トリオは、いずれも2万円以下で手に入れています。
残念なのは、マウント改造の心得があればその程度の価格でライカマウント化できるのですが、わたしはこれを宮崎さんの工房へ持ち込んで、さらに数万円投資して改造してもらっています。

これらキノブティックF2トリオの魅力は、発色の美しさにあると思っています。
開放からたいへん解像度の高いレンズですが、それに淡く軽やかな発色が重なると色鉛筆の精密画のような独特の味わいです。
富岡慶珊寺の本殿もたいへん美しくボケています。
フレアッぽさを嫌う人も多いかもしれませんが、わたしはこういう絵が大好きです。
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Kinoptik 35mmF2 | trackback(0) | comment(2) | 2008/01/31 Thu

旅伴

R-D1/Tele Elmar 135mmF4

長浜公園の野鳥観察園で見かけたサギたち。
ここは、野口記念公園のまさに真向かいで、前日野口博士が研究に打ち込むのに絶好の環境と書いたのが理解いただけるのではないかと思います。

ここをのんびり眺めた後、富岡方面へ戻るのですが、来るときにさんざん道に迷っていますので、ウォーキング中の初老の紳士に道を尋ねました。
そして、これが大正解だったのです。
では、わたしもそちら方面へ歩いていますので一緒に歩きましょうとなりました。
聞けば近くに40年も住まわれているということで、多くのことを教えていただきました。

この野鳥観察園には朝方カワセミが来ること。
池は実は海と繋がった汽水池で、そのため小魚も見られカワセミもやってくるのだということ。
と話しつつ、小鳥が横切ると、瞬時にメジロですね、などと教えていただいたこと。
写真にも写っている建物は、実はかなり古く、道路が広がったり多少の変化はあったが、基本的にここ40年環境的な変化はないこと。
すぐそばに横浜高校の野球部の練習場があること。
愛甲の話を懐かしそうにされていましたし、まさかここから大リーガーが誕生するとはと言われたので、本当ですかとたずねると、松坂がそうだということ(恥ずかしながら知りませんでした)。
毎日毎日歩いているので大病はしませんが、屈強といわけではなく、健康度合いは5段階で3くらいでしょう、と控えめな自信をうかがわせてくれたこと。などなど。

県庁を何年も前に引退したとおっしゃるその語り口は穏やかでしたが、耳を傾けさせる魅力に溢れていて、なんとも楽しい道連れとなっていただきました。
ありがとうございます。お元気で。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Tele-Elmar 135mmF4 | trackback(0) | comment(0) | 2008/01/30 Wed

細菌検査処

R-D1/Kodak Ektar 47mmF2 Military

金沢区に野口英世がかつて研究に没頭したという、細菌検査室があって公開されていると言います。
地図を見ると京急富岡駅から1.2キロほど。徒歩15分程度でしょう。
急ぎ足で目指します。
しかし、迂闊にも地図を忘れてしまい、道を間違えてなおもずんずん進み、到着まで1時間、後で計ると5キロも余分に歩いていました。
メタボリック対策の散歩は十分に目的達成ですが、時間オーバーで午後の約束をずらしてもらわなくてはならない事態です。
あいかわらずの高速歩行で、厳寒の中でも汗が噴出していました。
すれ違ったローカルの人は、雪でも降らんかという寒い日に大男が汗だくで物凄い勢いで歩いていたので、さぞかし驚かれたことでしょう。

ともあれ野口記念公園に到着。
無料で公開された細菌検査室を見学します。
残念ながら案内がなく、並べられた器具類が野口の使用したものなのか、そもそも建物も当時のものなのかはっきりとは分かりません。
横浜市内にあって今でも閑静な環境で、当時なら研究に打ち込むには絶好のロケーションです。
ここは、1000円札にあるような、野口博士が背広トに白衣を羽織って一心に研究している姿を想像力豊かに思い浮かべることとします。

器具類が新しすぎるのには目をつぶって何枚か撮影しましたが、ここで付け替えたエクターはどうも調子がおかしい。
ピントを外しているのは自らの責任としても、無限が出ていませんし、ボケがあまりにも汚いです。

この部屋のみ立ち入りできないため、顕微鏡がライツ製かどうかも確認できませんでした。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Kodak Ektar 47mmF2 | trackback(0) | comment(6) | 2008/01/29 Tue

玉堂先生家

R-D1/Kinoptik35mm F2

先週土曜日、金沢の方に用事があって出掛けてきました。
金沢の方、とは加賀の金沢ではなく、横浜市金沢区のことなのですが…。

目的地からはかなり離れますが、散歩の距離を見計らって京急富岡にて下車します。
徒歩1分でまず到着したのが、「旧川合玉堂別邸」です。
日本画の知識はまったくないわたしでも、玉堂の名前はよく耳にします。
岡倉天心や横山大観らと並んで、明治期の美術に貢献した日本画の大家ということです。
そう言っていて作品を思い出せないのも情けないので、いずれ青梅の玉堂美術館を訪れてみたいと思います。

さて、この撮影位置に門があり、公開される第1土曜以外は残念ながら立ち入り禁止でした。
茅葺きの平屋と庭園があるようですが、この位置からでも日本家屋らしい美しさが伝わります。
久々のキノブティック35mmF2の開放は、雰囲気を伝えるのにぴったりの儚げな描写で応えてくれます。
繰り返しますが、こんな環境が駅から徒歩1分のところにあるのですから、富岡の文化度合いを推し量れようというものです。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Kinoptik 35mmF2 | trackback(0) | comment(2) | 2008/01/28 Mon

会向海進入

R-D1/Dallmeyer Enlarging Anastigmat 50mm F3.5

関東南部も夜半から積雪になるだろう、そんな悪コンディションの中、寒中神輿は始まりました。
当初、神輿とそれを取り巻く人々の間にロープが張られていましたが、神輿が動き出すが早いか、担ぎ手と観衆の間にあった境界は徐々にくずれ、やがて両者が一体になったかのような大きなうねりとなって神輿が進んでいきます。
わたしも中に入りこんでいきましたが、神輿のリズムといっしょに動くためか、少しだけ距離を置いて神事に参加しているような高揚感に包まれました。
裸の男たちはもっと凄く、この渦の中心で、あたかも陶酔しているかのようです。

混沌に近い状況で、写真はなかなか撮れないですね。
特に50mmをつけていたのは失敗でした。
開始直後のこの1枚が唯一普通に撮れていましたが、他はめちゃくちゃ。
ただ、ぶれぼけの写真の方が、この時の雰囲気や気分を伝えているかもしれません。
いかつい裸のオヤジ達に感謝です。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Enlarging Anastigmat 50mmF3.5 | trackback(0) | comment(4) | 2008/01/27 Sun

回响

R-D1/Angenieux135mmF3.5

1月20日、この日、江ノ島の東浜で寒中神輿練成大会が行われました。
それがあったので午前中に江ノ島を訪れた訳ですが、わたしがずっと離れた江ノ島の岩屋方面にいたころから聞こえてきたのが、和太鼓の響きです。
急ぎ足で、音源である東浜に戻ってみると、予想通り気合いっぱいの演奏が続いていました。
低い振動が腹に伝わります。
これから行われる伝統行事への期待をいや増してくれます。
全身を使って音を創り出す演奏者に対して、聴衆はじっと聴いていますが、内面からはいっしょに踊りだしてしまいそうな膨張したエネルギーが噴出するかのようです。

この動きと音を写真に収めるのは難問でした。
使い慣れない135mmでは、フレーミングはもちろん、距離感がとんと分からず、感動を伝えられないもどかしさにうなだれるばかりです。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux TypeY2 135mmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2008/01/26 Sat

拉長鏡頭

R-D1/Dallmeyer Enlarging Anastigmat 50mm F3.5

ELニッコールがよく写る、ライツ・フォコターが素晴らしい、エンラージ・エクターは完璧…。
かねてから引伸ばしレンズの改造レンズがいことを、折につけ聞いていました。
収差がなく、シャープさと柔らかさが同居していて、色再現性抜群、F値の暗さを補って余りあり。
こんなことをきくと何か1本はと、欲望の炎が燃え上がります。

ちょうどDallmeyerレンズ群の素晴らしさを聞いたのも、そんなタイミングでした。
Super-Six、Septac、Kinematograph。
あちこち検索して探しましたがなかなか見つからず、あったとしてもかなりの高額品で、ライカマウントになるととても手の出る価格帯ではありません。

このふたつが互いに結びつくのは必然の流れと思います。
Dallmeyer Enlarging Anastigmat 50mm F3.5。
聞いたこともないレンズですが、新たな発見かもしれません。
期待を胸に宮崎さんの改造を待ちます。

宮崎さんのレンズ改造カルテのコメントは…。
「過剰補正。このため中間のフクラミは小さい。開放ではフレアがあるがF4.5で解像力・コントラストともに良好になる」。
なんとも中途半端に曲線を描く干渉計のテスト結果を見て、正直、がっかりきました。
グラフを見る限り、エルマーなどとそう変わるものではないようです(本来はそれだけでも立派なものですが)。
撮影してみても、開放のフレアはかなり深刻で、撮ったら実は優秀だったとなる夢もその場で氷解しました。

これが実は5年前の話です。
今回、久しぶりに持ち出して開放のみで撮りましたが、結果はやはり同じです。
絞れば確かに格段に改善しますが、それだったらフォコターみたいに最初から開放をF4.5にするくらいの潔さで世に出して欲しかったなどと文句も出てきます。

アンダーに補正すればフレアは目立たず、逆にこんなシチュエーションではわずかに霞が立ち込めたような雰囲気がいい味を出すようです。
ディテールがよく出ていますし、前ボケがたいへんきれいなのも印象的で、木の枝振りなど迫力を伝えています。
F4.5専用レンズとして使ってもいいかなと、やや見直した江ノ島からの報告でした。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Enlarging Anastigmat 50mmF3.5 | trackback(1) | comment(8) | 2008/01/25 Fri

道真和他孫子

R-D1/Busch Glyptar 35mm F3.5

江ノ島の中には神社がいくつかありますが、意外にもお寺は存在しないようです。
神社事態が仏教と深い関わりがあるので、必要性がなかったということかもしれません。
また江ノ島の創世物語として、五つの頭を持つ龍が暴れまわっていたところ弁天様が現れてこれをいさめ、やがて弁天様と龍が結ばれるという伝説があって、人々の信仰も強く、他の宗教を受け入れなかったとも想像できます。

江ノ島の地図を見ると神社が5箇所確認できます。
うち3つのお宮が江島神社で、昨日の写真の辺津宮、その並びにある中津宮、今日の写真の奥津宮と呼ばれています。
この奥津宮の鳥居は菅原道真の命によって建立されたそうで、学問の神様に因んででしょうか受験生一家と思しきジョギンググループが通り過ぎていきました。
道真の36代の子孫と自称した菅原通済は明治から昭和にかけて活躍した実業家ですが、彼も江ノ電の経営にたずさわり、江ノ島や鎌倉の開発などに尽力しています。
同時に文化人として、小津安二郎と交流してその作品にまで出演したり、売春防止法の制定に尽力したりなど、大物振りを発揮した人でもあったようで、地元の名士として調べてみなくてはいけないと思わせるものがありました。

さて、今日のはブッシュのF25の描写です。
シャープな部分はマックスに達し、周辺も流れるというよりは、滲んでかなりのソフト描写に変身します。
ソフトフォーカスレンズといえば焦点のあった部分も含めて超軟調に写りますが、このタイプのレンズは周辺のみを超軟調に仕立ててシャープに写った中央の被写体を浮かび上がらせるという、逆発想のポートレートレンズということなのではと思います。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Busch Glyptar 3,5cmF3.5 | trackback(0) | comment(2) | 2008/01/24 Thu

聖米切尓山

R-D1/Busch Glyptar 35mm F3.5

フランスの修道院、モン・サン・ミッシェル。
かつてわたしがヨーロッパを旅してまわっていた頃、友人にこのカトリックの聖地を説明するとき、フランスの江ノ島だ、といって写真を見せると、みな意外に感心してくれたものです。
いまモン・サン・ミッシェルは日本でもメジャーな存在で、こんな説明をしたら笑われることでしょう。
逆にヨーロッパに行ったときに、あなたの住んでいる藤沢はどんなところかと聞かれたら、日本のモン・サン・ミッシェルだと答えてみたいと思っています。

モン・サン・ミッシェルのロマネスク様式(大部分がゴシックに建てかえられていますが)の教会堂に相当するのが、ここ江島神社です。
モン・サン・ミッシェルの修道院が10世紀に創建されたのに対し、江島神社は社伝によれば6世紀からの歴史があるそうで、いずれも陸から少し離れた海中に聳える小高い島という存在感が、宗教性と結びついたということだと思われます。
どちらも観光地のレッテルを貼られて久しいですが、祈りに訪れる神聖な場所であることは変わっていません。

昨日の開放に続いて、こちらはF9に絞っています(大陸系列の絞り値)。
シャープな部分の面積が、飛躍的に広がっていることが分かります。
楽しみながら使うには、このあたりがベストのようです。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Busch Glyptar 3,5cmF3.5 | trackback(0) | comment(3) | 2008/01/23 Wed

単人去恋人之丘

R-D1/Busch Glyptar 35mm F3.5

日曜日の午前中は、だいたい時間が空いているのですが、早起きはなかなかできません。
サッカーのスペインリークが6時からだったので、珍しく早朝から起きだして観戦し、8時からどこかへということで急遽江ノ島へ行ってきました。
生まれてからずっと藤沢在住ですので、江ノ島は身近な存在です。
しかし、島の中まで歩き行ったのは実に久しぶりのことで、恐らくは釣りで通っていた中学時代以来と思います。

自分の記憶の糸を辿るように歩きましたが、その糸を手繰ったとおりというのが久しぶりに訪れた印象で、ほとんど変化がなかったのは嬉しい誤算です。

変化ということで言えば、スパができたことは聞き知っていましたが、"恋人の丘"には苦笑させられます。
恋人ふたりで鐘を鳴らすと別れることなく幸せになる、全国に同工異曲の施設がいくつあることか…。
さすがに9時代では、恋人たちが群がるどころか、人気すらありません。
それで恥ずかしげもなくひとりで鐘を鳴らしてきました。
R-D1を手にしていたので、このカメラと別れずに幸福を得たいと祈念しました。

レンズは、素人によると思われる謎のマウント改造モノです。
中央はビシッと解像しますが、周辺はバーンと流れ、それでいて光量落ちはないという不思議です。
あと、今回初めて気付きましたが、ボケが非常にうるさい。
開放の描写ですが、いつも通りのJPeg撮影、無加工です。
無理に言えば、画面中央、面積にして1/15のみが、ちゃんと写っているだけです。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Busch Glyptar 3,5cmF3.5 | trackback(1) | comment(4) | 2008/01/22 Tue

帯我滑雪去~⑮末了到了

R-D1/Astro Pan-Tachar 28mmF1.8

昨晩1月20日の南関東の予報は雪、しかも積雪5センチと2年ぶりの大雪を警告していました。
しかし蓋を開けてみれば雪は降らず。
ホッとしたのは事実ですが、何だか残念というような気もしてしまいます。

ここ西安も、例年にない暖冬だそうで、スキー場はオープンしていますが、すべて人工雪で、日なたはシャーベット、日かげは氷というスキーヤーにとって好ましくない状態です。
にも関わらず、スキーをするのが夢だったという王老師は、ひとり多いに盛り上がっています。
歩き方や姿勢のとり方を説明すると、話を聞くのももどかしいとリフトに乗り込んでいってしまいました。
初級者コースとはいえ、曲がり方も教えてませんので、一気に加速しながら上から下まで滑り降りてしまいます。
いや、より肝心なことをまだ話していません。止まり方です。
案の定、停止位置を越えてもスピードはそのままに、コースが終わる直前でもんどりうって倒れてしまいました。
大丈夫か? いや笑っています。スキーがこんなに楽しいとは思わなかったと嬉しそうに。
その後は初心者なりのテクニックを身につけ、何度も何度も滑降を繰り返して満足な1日だったようです。

旅行の最終日、ついに念願のスキーを体験してご機嫌の老師。
実は、今回西安を目的地に選んだのは、老師の「わたしをスキーに連れて行って」という一言に始まります。
ハルピンなどの東北部に行ければそれが一番ですが、老師の住む深圳からは東京へ行くより遠いし、航空券も高くなってしまう。
深圳から比較的近くてスキー場があるところと調べた結果、西安の名前が浮上し、せっかく10日間も滞在するのなら西安から割りと近い、天水、青海方面へも繰り出そうということになった次第です(実際は青海から西安まで1000キロもあった!)。
この決定が出発の数日前で、それまでは南の島でのんびりしたいと考えていましたので、準備がまったくできず、冬着は出発当日成田のユニクロで揃える始末でした。
準備不足は、行く先々でも小トラブルの連続となって我々の前に立ちふさがりましたが、これは後で考えると、過去の旅も準備万端で出掛けたにもかかわらず同様のトラブル続きだったことから、これはこれでいいんじゃないかと結論付けています。
まあ、中国旅行はこんなものでしょう、そう締めくくります。

さて、スキーの翌朝、空港へ向う道から老師が足が痛いと騒ぎ出しました。
もしや転倒で足にひびでも入ったかと心配しましたが、その翌日は治ったとのことで、どうやら単に筋肉痛になっただけのようです。
スポーツ体験のほとんどない中国女性は筋肉痛というものを知らない、というのが私にとって今回の旅の最大の発見となったのでした。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Astro Pan-Tachar 28mmF1.8 | trackback(1) | comment(4) | 2008/01/21 Mon

帯我滑雪去~⑭古鎮

R-D1/Zunow50mmF1.1

今回、密かに楽しみにしていたのが、陝西の古鎮を巡ることでした。
しかし調べども資料集まらずで、どうも西安周辺には存在しなさそうです。
少し郊外になりますが、"党家村"という有名な古鎮まで、足を運ぶことにしました。

党家村は、700年近い歴史を有する古村落で、周辺と隔絶していたため、明清代の村並がほぼそのまま残った魅力的なところです。
建築は、ほとんどが四合院と呼ばれる、中庭を囲んで3つの棟と門が口の字型に並んだもので、現在も普通に生活している空間を順路に沿う形で見学していきます。
当時の建築の美しさと、現在のひとびとの暮らしの両方を同時に味わうことができます。

建築に付随して、石彫や木彫で動物や幾何学模様の意匠があちこちで見られ、これもまたデザインの巧妙さや職人の技術を思ったりなど感慨深いものがあります。
林を見て木を見ないということは、ここでは許されません。
小さな小さな村ですが、こうやってじっくり歩けば4~5時間はかかることでしょう。

しかし、ここでもまた、それは果たされませんでした。
地図で見ると郊外、チャーターしたタクシーの運転手もさほど遠くないといっていた党家村は、西安からなんと200キロ、途中道に迷って3時間かかってしまいました。
このあと、西安郊外の本来の名所たる華山に登ることになっていて、時間がありません。
駆け足で見てまわるの言葉に偽りなく、ほとんどダッシュ状態で村を一周、無造作に写真を撮りまくって来ました。
これも、ファインダーを覗きつつも、たったったっと小走りに撮った1枚で、よく覚えていませんでしたが、自然のアップダウンの石畳がいい風情ではありませんか。

これでは何しに来たのか分かりませんが、この後更なる悲劇がわたしたちを待ち構えていました。
なんとまたもや道に迷い、華山に到着したときすでに登山口へ向うロープウェイは門を閉ざしてしまっていたのです。

帰りの車中、わたしは古鎮をじっくり見れずに憤慨し、同行者はいちばんの楽しみの華山を前に登れず激怒し、運転手は長距離走らせやがって残業代寄こせと怒り心頭に発しと、三者三様に不満を燻らせて渋滞の西安で顔をそむけ合うのでした。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zunow 50mmF1.1 | trackback(0) | comment(0) | 2008/01/20 Sun

帯我滑雪去~⑬代用

R-D1/Angenieux90mmF2.5

西安はかつての長安として栄えたため人の交流があったこと、地理的にもかなり西方にあって北はモンゴル、西はウイグル、西南はチベット、さらには周辺の少数民族と、かなりの血が混じった歴史を感じます。
というのは、美人が多いのです。
中南米の3C(チリ、コロンビア、コスタリカ)は混血によって美人の名所になったと言われていますので、これにチャイナ西安を加えて4Cとしてはいかがかと、国連だかユニセフだか担当の機関に提言したいです。
もちろんそれを証明するための現地女性の写真が必要ですが、小心者のわたしには、見知らぬ女性のスナップを撮ることができません。

いちど見目麗しい女性にレンズを向けたところ、傍らの男性に見つかって何やら小言を言われたりしました。
西安では、数年前に日本人留学生が裸踊りをやって大ひんしゅくを買い、それが寮襲撃から日本人排斥のデモと暴動の一歩手前まで発展した町です。
以降は、トラブルを避けるべく、おとなしく行動することにしました。

そういうわけで前段にあげた説を証明するものは、わずかにこの一葉だけです。
美女といえば美女だがそれほどでも、と言われれば反論のすべはありません。
まるで、UFOを見た、証拠写真は、これだけです、どこにUFOが写っている、という会話と同レベルです。
残念でなりません。
客席から観たときは、左側の少女が華奢で薄幸の助けてやらなくちゃならんタイプの美女に見えたのですが、うーん微妙でした。

見所あふれる西安で何を思ったか新規オープンした中国歴史のテーマパーク。
案の定、閑古鳥鳴くショー会場にて。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux TypeY1 90mmF2.5 | trackback(1) | comment(8) | 2008/01/19 Sat

帯我滑雪去~⑫三姉妹

R-D1/Astro Pan-Tachar 28mmF1.8

三蔵法師こと玄奘は、多くの経典や仏像を持ってインドの旅から帰ってきました。
それら貴重な文物、宝物を保管するために大雁塔を建立しました。
652年のことだそうです。
実際にこの塔に登ったことがある人でも、写真の塔を大雁塔だと思うでしょう。
実は違います。
西安をじっくり旅したことがある人なら、ははん、では小雁塔だなピンと来るでしょう。
これもハズレです。
正解は、西安中心から20キロ離れた郊外の名刹、香積寺の善導塔でした。

この3つの塔は非常に似た外観をしていますが、ほぼ同じ時期に建立されていたようで、類似性は当然といえば当然です。
しかし、中国各地で見られる寺院の塔は円形が主流で、徐々に四角を積み上げていった形状は見た記憶がありません。
伸び縮み自在の蛇腹のようにも見えるユニークなデザインに思えます。
あるいは、先の玄奘が西方を歩いて見かけた塔の形を再現したものなのかもしれません。
ぽかんとした旅行者のわたしが考えるくらいですから、きっと建築の専門家による研究などあるとは思うのですが、寡聞にして皆目分かりません。
西洋で言えばプレロマネスク以前ですので、いかに当時の東洋の建築・美術方面の文化が進んでいたかは分かります。
部分的に見られる装飾も素朴で美しいものでした。

なお、善導大師の経典により法然上人が開宗したとする日本の浄土宗は、その善導大師を開祖とする香積寺とたいへん深い関わりがあるそうです。
ただ、大雁塔に多くの観光客がごった返すのに比べて、西安市街からあまりに遠いためか訪れる人もほとんどないようです。
おかげで西安滞在中唯一と言っていいほど落ち着いた時間を過ごすことができました。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Astro Pan-Tachar 28mmF1.8 | trackback(0) | comment(6) | 2008/01/18 Fri

帯我滑雪去~⑪兵馬俑

R-D1/Astro Pan-Tachar 28mmF1.8

お気に入りの天水を離れ、長途西安にやって来ました。
ここ西安は紀元前11世紀から長安の都として栄えていましたので、俗に言う中国3000年の歴史とは誇張でもなんでもありません。
始皇帝、武帝、太宗、武則天、玄宗、楊貴妃…、歴史に全く興味のないわたしにも聞き覚えある権力者たちが住まわった町でもあります。
となれば西安中が名所旧跡だらけで、それらをすべて見てまわると1ヶ月もかかるといわれているそうで、数日間の滞在でなにをどうしたらいいか悩むところです。

とは言っても、前述のとおり歴史についてはチンプンカンプンですので、ここに行けば十分だろうと行ったのが兵馬俑です。
体育館のような建物に保護されるかたちで、始皇帝の墓を守るために据えられた等身大の焼き物の人形がずらーっと並んでいます。
これを見れば誰もが感動を覚えること請け合い、と聞いていたのですが、残念ながら感動までには至りません。
歴史への探究心のカケラもない凡人には、理解できなかったということでしょう。

写真は、付設する陳列館の方で、有名な兵士像とそれを恐る恐る(?)見つめる西洋の少女です。
自信に溢れるかのような兵士に対して、少女は侮蔑するように距離を置くようにして観察しています。
それでいて5分以上じっと動かず見つめていて、彼女がどんなことを考えているのかが皆目分からない。
ましてや見つめられる兵士の気持ちは…。
それが面白くておもわずレンズを向けてしまいました。
しかし、このアストロの広角はシネレンズの転用でイメージサークルが足りず、中央がシャープでも周辺は激アマです。
その周辺の左右を使った写真ということで、これ以上ない失敗作と言えそうです。

なんでも兵馬俑では、今年の春節(2月9日)から写真撮影が禁止になるそうです。
貴重な写真がこんなので申し訳ありません…。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Astro Pan-Tachar 28mmF1.8 | trackback(0) | comment(2) | 2008/01/17 Thu

帯我滑雪去~⑩麺食

R-D1/Zunow50mmF1.1

中国には土地土地に美味しい麺があって、これを食べ歩くのは旅の愉しみの中でもかなりの比重を占めます。
実は中国語で"麺"というのは小麦粉食品のことを意味するので、中国では餃子は麺類ですが、小麦粉以外で作る長い食べ物、例えば米で作った麺状のものやビーフンその他は麺とは呼びません。
ややこしくなるので、日本で言うところの麺類に拡大して列挙すると、刀削麺(西安)、雲呑麺(香港)、過橋米線(昆明)、蘭州拉麺(蘭州)、炸醤麺(北京)、蘇州麺(上海)、担担麺(重慶)、桂林米線(桂林)、炒米粉(台北)…食べたことがあるものだけで、少し考えればざっとこれだけ挙がります。

天水で抜群に旨かったのは、牛肉麺。ここ清真寺で食べたものです。
なぜ寺の中に麺屋があるのか、寺経営なのか、敷地を借りているのか分かりませんが、客がひっきりなしのこの店は、他に抜きん出た存在でした。

その清真寺は一見すると普通の寺院ですが、写真のおじさんの帽子を見てピンと来る方もいるに違いありません。
ここは、回教つまりイスラム教の寺院だったのです。
建物のつくりは仏教のそれそのままですから、これがイスラム寺院と聞いても違和感が強いです。
もともとの仏教寺院が転用されたのか、あるいは中国文化圏でのイスラム寺院はみなこういう外観なのか。

そういえば、これまで歩いてきた西寧、天水は回教勢力の強いエリアであるためか、レストランでも豚肉を出すところを見かけませんでした。
ただ、回教系レストランに入っても、イカや貝類など魚以外の海産物はメニューにありますし、ビールや白酒なども普通に頼めました。
中東とは違って、普通の旅行者も食事に関しては、安心して旅できます。
逆に厳格なイスラム教徒は、この現状を嘆くのか、はたまた郷に入っては郷に従うか、少々気にかかる所です。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zunow 50mmF1.1 | trackback(0) | comment(0) | 2008/01/16 Wed

帯我滑雪去~⑨謎

R-D1/Angenieux90mmF2.5

天水の名刹といわれる南郭寺です。
唐代に杜甫が訪れ、詩に詠んだことでも名高く、境内には杜甫研究会という建物までありました。
杜甫が訪れたのが西暦760年頃のことのようですが、残念ながら建築物はすべてその後の再建のようです。
中国では、おしなべて寺そのものに歴史があれば、建物が現在のものでもありがたみが薄れることはないように感じます。
よく言うように、せっかくの由緒ある建築物なども、古い趣を台無しにしてまで新しく塗り替えるということは頻繁にあるようですし、例の文革による破壊も激しかったので、なかなかこれぞという寺廟に出会うことができません。

しかし、この寺院にはとんでもなく立派な樹木が目を瞠ることになります。
"側柏(コノテガシワ)"というこの樹は、樹齢2300年と表記されていました。
こんな古い樹が存在したなんて…。
恐らくはこの寺の創建よりずっと前になるでしょう。
あるいは何かいわれがあって、ここに寺が建ったということかもしれません。
樹はもはや自力では立っていることができず、クレーンで吊ってある状態です。
「く」の字に曲がっているのも気になります。

さらに「コノテガシワ」を辞書でひくと、「ヒノキ科の常緑高木。枝は手のひらを立てたように出て、うろこ状の葉を密生し、表と裏がはっきりしない。転じて、二様または両面あることのたとえ」とありました。
これはジョークでしょうか。
中国の一休さんによる謎掛けのような、そんな気がしてきませんか。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux TypeY1 90mmF2.5 | trackback(0) | comment(7) | 2008/01/15 Tue

帯我滑雪去~⑧幾月幾号

R-D1/Astro Pan-Tachar 28mmF1.8

道すがら声をかけてきたイングランドの青年が"Happy new year !"といいながら立ち去るのを見て、この日が1月1日だったことを思い出しました。
中国では、伝統的行事については、農暦と呼ばれる太陰暦に則ってスケジュール化されるので、新年はまだ1ヶ月以上先にやってきます。
前夜たずねたときも、カウントダウンなどの元旦を祝うイベントは無いときっぱり切り捨てられました。
当然、除夜の鐘のようなものもなく、テレビで中国版紅白歌合戦もどき番組が放送されていただけだったというのは、少し寂しい気がします。
そこで、先の青年のように、わたしも出合った人たちに"新年快楽"とあいさつしてみることにしました。
タクシーの運転手、レストランの女の子、寺のお坊さん…、みんな"新年快楽"と気持ちよく笑顔で返してくれます。
ふれあいレベルで新しい年を迎えた気分を演出できました。

写真の僧には、あいさつどころか声をかけることもできませんでした。
顔一杯にたくわえた髭や全身の黒装束、集中力溢れた気配など、排他的な空気一杯でしたので。
貴方がそうくるなら、わたしにはカメラがあります、と首尾よく横顔を見せてくれた瞬間に速攻シャッターをきりました。
夕方訪れた天水郊外の玉泉観という道教施設にて。
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Astro Pan-Tachar 28mmF1.8 | trackback(0) | comment(4) | 2008/01/14 Mon

帯我滑雪去~⑦娯楽

R-D1/Zunow50mmF1.1

天水市街地の観光スポットとして伏羲廟は外せないところとされています。
伏羲とは、古代中国神話に登場する伝説上の帝王だそうで、民衆に漢字の前身の文字や狩猟、武器の製造法、料理方法などを教えたといいます。
中国民族の祖先として、伝説の伏羲が出身地(?)というここ天水に祀られています。
しかし、新築の建物はきれいではあっても趣きなく、中国人には感慨深い寺院であっても、背景を知らない外国人にはいささか退屈でありました。

その並びには人垣ができていて興味を惹きます。
何かと思えば、古楽器を伴奏に朗唱が行われていました。
さしずめ、新春のど自慢大会という雰囲気です。
ただ、興に乗るとはまさにこのことでしょう、アマチュア=愛好家達らしい、熱気とはらはら感がいっぱいです。
古典音楽はけっして馴染みやすいものではありませんが、演奏者と聴衆の垣根を取り払ってしまったような室内楽ならではの一体感をしばし味わいます。

これもズノーの開放ですが、コントラストの高いレンズには為し得ない、このレンズならではの甘い表現をしています。
演奏者と聴衆の垣根を越えた一体感のようなことを書いたばかりですが、写真で見るとなんかばらばらですね。
あれー、こんなだったかなー。
自分の感じたことを写真に残すというのは、本当に難しいものです。
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Zunow 50mmF1.1 | trackback(1) | comment(8) | 2008/01/13 Sun

帯我滑雪去~⑥石窟

R-D1/Astro Pan-Tachar 28mmF1.8

天水に夜間到着して、翌朝タクシーをとばしてもらいます。
目的地は麦積山石窟。敦煌の莫高窟ほどの規模はありませんが、7000以上もの仏像やレリーフが刻まれたこの地方出色の仏教聖地です。
車を降りたところに写真のような光景が広がっていて、思わず感嘆の声を上げてしまいました。
垂直に切り立った崖に彫り込まれた大きな仏像が、朝の陽光に白く輝いています。

しかしここでも、こんな聖地でも中国特有のシステムが機能していたのです。
冬季シーズンオフということで入場ゲートに人の気配はなく、門も閉まっているようです。
そこへ地元住民があらわれ、チケットは我々から買って欲しい、通常より安いし、案内もするとのこと。
不安になりながらついていくと、ゲートの脇に枠が外れるようになっているところがあって、そこから侵入、入口でチケットを渡され確かに見れば20元ほど安くなっています。
このチケットは退出時に返却を強要されました。
つまり、一応係員に求められればチケットを見せなくてはいけないが、それがなければ返却して、また次の客に使われるということのようです。
件の地元住民は普通の農民という感じで、シーズンオフのこんな案内が貴重な現金収入の糧というところでしょう。

しかし、聖地においては後ろめたさもいっそう大きくなるというものです。
14000もの瞳が見つめる眼前でこんな行為が許されるだろうか。
いみじくも2日前、チベット仏教の聖地で信仰のすばらしさを知ったばかりではなかったか。
階段を少々登りきったところで、自責の念から引き返すことを決意します。
こんな気持ちのままで、仏像たちと対峙することなぞできるはずもありません。

言い訳が過ぎました。
告白すれば、高所恐怖症で辞退しただけです。
写真をよくご覧ください。
石がある程度柔らかいからこそ石窟が形成されたのでしょうが、階段の構造がシンプルすぎます。
ところどころ歪んでますし、コンクリートはところどころひびが入って補修の跡だらけ、ましてや管理されているのかも分からない現状で、無茶はできません。
高さの実感が掴めないかもしれませんが、中央の仏像の頭部だけで人間の身長よりも長いといえばある程度ご理解いただけるかと思います。
左上の階段が途切れているようにも見えますが、勇気のある方はぜひ全踏破に挑戦してみてください。
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Astro Pan-Tachar 28mmF1.8 | trackback(0) | comment(2) | 2008/01/12 Sat

帯我滑雪去~⑤鉄路

R-D1/Zunow50mmF1.1

西寧から天水が約600キロ、天水から西安が400キロ。
想像よりずいぶんと距離がありましたが、この間は鉄道で移動しました。
西寧からは朝8時13分発の快速列車で10時間。
長時間ということを考えて、日本で言うところの2等寝台と奮発しましたが、料金は日本円でたったの1400円。
このあたりは、安価な中国を実感します。
しかし、後日乗った天水からの列車は、同じ2等寝台が1800円。
距離は、2/3なのに料金はなぜか高い、こういう理不尽がまた中国らしいのです。
また、寝台のベッドは上中下3段ですが、上に上がるほど5%くらいずつ安くなります。
幅の狭いベッドですので落下の危険もあり、少しくらい安くても上のベッドは不人気のようですが。

ご覧のように1両に1人の服務員が配置されて、駅に到着するたびに規律正しくホームに立ちます。
トイレのドアロックに始まり、ドアの開閉、検札と仕切っていきますが、いわゆるマナーのよろしくない中国では小さなトラブルが多いようで、もっぱらそういった雑事のためにタフさが要求される仕事に感じられました。
服務員全員が女性のようでしたが、見るからに頑強そうなタイプの人が多いようです。
例えばこの列車は、西寧発成都行きで20時間以上の行程ですが、西寧から乗り込んだ服務員は成都に着いてわずかばかりの休憩をした後、折り返し便で同じルートを西寧に戻るんだそうです。
途中仮眠はとれるでしょうが、丸2日間ぶっ通し勤務とはきついです。
それでも、成都で1日休むより家族のいる西寧に早く戻りたいからと、写真の女性は笑いました。
旅情たっぷりの旧式の列車は20両くらい連結されていましたが、引くのはディーゼル機関車で、残念ながら中国ではSLはすべて引退してしまったそうです。

これもズノーの開放と思っていましたが、周辺部分がしっかりしているので、F2.8くらいかもしれません。
レンズが向いている方向が西寧方面です。
このレンズで見ると、列車がより長く、西寧からの距離がより遠くに感じられます。
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Zunow 50mmF1.1 | trackback(0) | comment(2) | 2008/01/11 Fri

帯我滑雪去~④沙漠

R-D1/Rodenstock Heligon 35mm F2.8

青海湖からの帰り道、ちょっとした規模の砂漠に立ち寄りました。
あるいはご機嫌の運転手が、青海にはこんな所もあるんだよと無理に立ち寄ってくれたのかも知れません。
名前は分かりませんでした。

世界地図を見ると青海の北数百キロの内モンゴルにはゴビ砂漠が、西へ2000キロの新疆にはタクラマカン砂漠がどーんと広がっています。
それらと比べれば、ちっぽけな箱庭のような存在に過ぎないでしょう。
それでも、起伏に富んだ曲線、美しい風紋、肌理細かい砂、無限に見える広がりが、異国情緒を存分に掻き立ててくれます。

前述のゴビ砂漠の砂は、春先強風に運ばれて黄砂となり、遠く日本までやってくることがあります。
こちらの砂はどうなんでしょうか。
何百年と姿を変えない山などとは違って、風によって砂が移動しますから、今見ている風景を2度と見ることはないなどと考えれば、ますます感傷は増していきます。

手が痛くなるほどの寒さでしたからレンズ交換が億劫で、ヘリゴンはこの時初めて使用しました。
すぐに驚いたのが、ヘリコイドが硬くなって動かなくなってしまったことでした。
他の3本は大丈夫でしたし、このレンズも室内では普通にヘリコイドハまわったので、あるいは寒さに弱いグリースが使われていたのかもしれません。
今回のヘリゴン、野外では無限遠専用レンズになってしまいました。
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Rodenstock Heligon 35mmF2.8 | trackback(0) | comment(4) | 2008/01/10 Thu

帯我滑雪去~③塔尓寺

R-D1/Astro 28mmF1.8

シルクロードは西安を起点に西へ向いますので、わたしも本来は、西安→天水→西寧と進めたかったのです。
しかし、航空スケジュールの都合で残念ながら逆ルートになってしまいました。
もし西行きのルートで進んでいたなら、ここクンプムが最後のハイライトになるはずでした。
そして、旅の早々にして訪れたクンプムは、やはりこの旅の最大のハイライトになったのでした。

クンプムと表記しましたが、これはチベット語による名称で、一般的には塔尓寺と呼ばれるようです。
ラサのデプン寺やシガツェのタシルンポ寺などと並んでチベット仏教界では最高の聖地で、ラサなどチベット自治州からは軽く1000キロも離れているにも関わらず、訪れる信者が絶えることはありません。

わたしが門をくぐった時、まさに今巡礼を終え、五体投地を繰り返しながらゆっくりゆっくり帰路に向って進む家族とすれ違ったのでした。
このときの胸を突く衝撃は忘れ得ないものです。
チベット寺院を訪れたことは何度かありましたから、仏前での五体投地は何度か見ています。
しかし、これを繰り返しながら進んでいくというのは、本では読み知っていましたが、実際に眼前にすると理由の分からない強い衝撃が体を突き抜け、次の瞬間言いようのない感動に包まれたのでした。
音楽や書物などからじょじょに包み込むような感動を受けるということはしばしばありますが、このような一瞬の感動というのはわたしにとって珍しいことです。
感動を受けたからこそそれをカメラに収めるべきですが、神聖性ゆえじっと見送ることだけしかできませんでした。

レンズを向けることはできないとずっと考えていましたが、衝動抑えがたく、子供さんならよいかと1枚撮ったのがこの写真です。
直後、一線を越えてしまったような痛惜感が残り、建物以外のものを撮影することができなくなってしまいました。

あの感動がまだ生暖かく残っているうちの、貴重な1枚になったと思っています。
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Astro Pan-Tachar 28mmF1.8 | trackback(0) | comment(4) | 2008/01/09 Wed

帯我滑雪去~②露天市場

R-D1/Zunow50mmF1.1

青海省の省都西寧から青海湖までは約150キロ。
定期的な交通手段はないようで、通常は日帰りツアーを利用します。
しかし、極寒のこの時期、参加者のいないツアーなどはなから催行されているはずもなく、車をチャーターすることになります。
650元が言い値でしたが、600元に負けてもらって早朝出発です。
現れたのは実に気のいい運転手さんで、質問に答えたり車窓に映る風景を小まめに説明したりと何かと面倒を見てくれ、季節外れの旅を楽しいものにしてくれたと思います。
高い料金を払ったので運転手がご機嫌なのかと、小心者のわたしは勘繰ってしまいましたが…。

愉しかったひとつが通りがけに見た路傍のマーケットで、なんだあれはと尋ねて停めてもらったものです。
ヤク、牛、羊、ヤギ、そして犬と、売り手買い手ばかりか買われ手までもががやがやした、厳寒の中でも熱く賑やかな市場でした。
ただ、白い帽子を被っている人が多くいるので察せられるとおり、イスラム教を信じる回族のマーケットのため、何を話しているのかさっぱり分からない"听不懂"状態です。

レンズは、ズノーのF1.1開放ですが、周辺の流れ具合がよく分かります。
それでも中心は半逆光下でかなりのシャープさで、1枚の絵の中でのこの共存が、このレンズの魅力のひとつかと思います。
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Zunow 50mmF1.1 | trackback(0) | comment(6) | 2008/01/08 Tue

帯我滑雪去~①青海湖

R-D1/Zunow50mmF1.1

年が明けて1週間と遅くなりましたが、今年もよろしくお願いいたします。

年末年始も、夏休み同様中国のちょっとはずれというか、いわゆる沿海部でないところを旅してきました。
ルートは、東京→広州→西寧→天水→西安→広州→東京ですが、広州は航空機の経由地なので、実質、西寧から天水を経由して西安まで行ったということになります。
シルクロードが、西安を起点に天水も通り有名な敦煌などを経て西進しますし、西寧はシルクロードからやや外れますが、そのシルクロードとチベットの分岐的な位置にあるので、このルート自体がシルクロードの出だしのわずかばかりと言えると思います。

部分的とはいえ、シルクロードを旅するという魅惑的な響きに胸は高まっていましたが、実際にはシーズンオフの極寒の地で、かつ中国の都市を巡ったに過ぎませんので、ロマンチックな気分に浸る夢は打ち砕かれます。
チベット語で"ツォンゴンボ"、モンゴル語で"ココノール"と呼ばれる、青海湖は神秘的なブルーが訪れる人を魅了すると聞いていましたが、さすがに零下20度では凍ってしまいます。
小高い山全体が仏教寺院になっている小島に渡ってみたかったのですが、肝心の船がこれではどうにも動けません。
標高3200メートルあるそうで、そうとは知らずに道路から湖辺まで駆け下りてしまい、10分以上息切れが続きました(本当に心臓が発作を起こすかと思った…)。
それに、水平線、地平線は見たことがありますが、氷平線は初めて見ました。
あえて言えば、この2つが青海湖の偉大さを実感させたということになると思います。
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Zunow 50mmF1.1 | trackback(0) | comment(6) | 2008/01/07 Mon
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