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免費停車

Orthostigmat 35mmF4,5
久し振りにオルソスティグマート35mmF4,5を試しましたが、どうも様子がおかしいようです。
とてもシャープで、トーンがよく出るレンズという評価の高い広角レンズのはずですが、トーンはともかくシャープな感じはほとんどありません。
ハイライトが滲んでいるところを見ると、レンズが曇ってしまったようです。
防湿庫で保管していたのですが…。

前回は2012年8月ですから約2年前に横浜で使用しています。
ここではコントラストの良い線の細い表現をしていて、現代レンズと見まごうばかりですが、ボケには嫌な収差があまり出ていないことを記憶しています。
今回は、ボケは変わらないも知れませんが、コントラストがどうにもならず、いかにもクラシックレンズの写りです。
確認せずにぶっつけ本番に持ち出した報いですね。
クリーニングしてあげなければいけません。

シュタインハイルは、1854年に創業されたドイツ語圏のメジャーなレンズメーカーとしては、フォクトレンダーに次ぐ大老舗です。
ちなみにフォクトレンダーは操業が1756年でシュタインハイルより1世紀も先んじていますが、もちろんその頃はカメラは発明されておらず精密機器の工場からスタートしたと言われています。
シュタインハイル創業の1854年は、フォクトレンダーがペッツバールレンズを付けた円筒型のカメラを作り始めてから13年も経過していて、創業後間もなくして写真用レンズを製造しています。

スタインハイル初期のレンズはペッツバールタイプということになっていますが、わたしはそれを探しているものの、未だ1本も見つけることができません。
シュタインハイルは1866年にラピッドレクチニアと同型のアプラッートを発表します。
仮にその1866年にそれまで製造していたレンズを全部アプラナットにシフトさせたとすると、創業から1865年まではメニスカスの貼り合わせレンズとペッツバールタイプのレンズのみを製造していたのではないかと想像できるのですが、同社の製造番号表によればその間2664本のレンズを製造しています。
それだけ製造していれば1本くらい市場に出て来てもよさそうなものですが、未だ見つけられないでいるのです。
もっとも、フォクトレンダーだって、ペッツバールを作り始めた3年目に2800本の製造を達成しているのですが、そんなに古いフォクトレンダーはやはり市場に出て来たのを見ていません。

ペッツバールに限らず、シュタインハイルの古典レンズを探すのは簡単なことではありません。
ネットオークションをシュタインハイルを探してみても、戦後の望遠系レンズやレンズシャッターカメラに付いた廉価なレンズなど魅力的なものはほとんど見つからないのです。
古典レンズではウノフォーカルというレンズがありますが、これは1901年に設計された20世紀のレンズで私としては食思を動かされるものではありません。
前述した1866年のアプラナット、1879年のグループ・アプラナット、1881年のグループ・アンチプラネット、1893年のラピッド・アンチプラネットと意欲的に新しい設計のレンズを投入しましたが、これらのレンズを入手するのも簡単ではないようです。

ksmtさんは、グループ・アプラナット131mmF6.3を所有していますが、わたしもアプラナットの同様の焦点距離のものを入手しました。
グループ・アンチプラネットも持ってはいるのですが、焦点距離が400mmくらいはありそうで、とても35mmカメラで使うような代物ではありません。
ksmtさんのグループ・アプラナットはとてもよく写るレンズで、シュタインハイルの他のレンズも気になってきますが、たまに出て来ても焦点距離の長いものばかりで、35mmデジタルカメラで使用できるようなものはかなり入手困難な印象です。
そういえば、ksmtさんのレンズはステレオ撮影用のレンズとなっていましたから、焦点距離の短いシュタインハイルは特殊用途ばかりだったのかも知れません。

さて、今日の作例ですが、広州をあちこち散策しているうちに方角を見失ってしまい、撮影地はまったく不明です。
沙面に行こうと思っていたので、サングラスのお巡りさんに聞くと、信じられないほど優しく丁寧に道を教えてくれました。
中国の警官は変わったのだなあと感心しましたが、ご覧のように白バイの大量路上駐車をしていては、肩身が狭くて横柄な態度もできないということでしょうか。
狭い道路に推定50台がずらっと並んでいましたが、怒った市民が手前の1台をどんと押し倒したら、50台全部が将棋倒しになってしまうでしょう。
【Alpha7/Orthostigmat 35mmF4.5 F4.5】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Steinheil Orthostigmat 35mmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2014/04/22 Tue

粉紅色小猪

Orthostigmat 35mmF4,5
広州にはもう1泊して、翌日の昼過ぎまで散策するとにしました。
前に書いたように鶏卵紙プリントのワークショップでペッツバールでポートレイトを撮影しておく必要があって、丁さんとの行動の中でそれは難しいだろうから、翌日ひとりになって美女のそれをものにする計画でした。
しかし、昨日の作例のとおり、美女ポートレイト計画はあっさりと初日に達成してしまい、それなら広州に宿泊する意味もなかったのですが、それはそれでよしとして、以前にも来た西関から沙面にかけてのオールド広州と言われるエリアを久し振りに歩くことにしたのです。

中国経済にはすでに陰りが出ているとか、バブルは間もなく崩壊すると言われて久しいですが、もしそうなった場合中国全土が一斉に変化するのでしょうか。
わたしは素人でそういうことがまったく分からない人間なのですが、どうも大都市からそういう兆候が起こって次々と伝播するような経済破たんのパターンが考えられるようです。
香港を通じて世界に開けている部分と内陸のゲートウェイの両方を持つ広州は、あっという間に経済崩壊してしまいそうですが、一方で柔軟に対応して乗り切ってしまうような気もします。
少なくとも、オールド広州を歩いていると、昔からの個人レベルの経済活動が直截に感じられて影響を受けるのもないのではと思えてきました。

丁さんと中山大学付近を散策していた時、古びた畔いあるようなアパートがあって、素朴に暮らしている家族や老人の姿を見かけました。
あそこで家賃はどのくらいするのですかと尋ねると、恐らく3000元くらいでしょうとの答えです。
日本円で5万円を超えるというので、せいぜい20000円くらいかと想像していたわたしは驚いてしまいました。
一般的なサラリーマンの年収は5000~6000元というところだとずっと聞いていたからですが、変革の激しい中国でいつまでも昔の物価感覚を持ち続けていた自分の方がどうかしていたということですね。

さて、ホテルを比較的早くチャックアウトして、広州駅に向かいました(広州駅と入力したつもりが高収益と変換されてびっくり)。
スーツケースを駅の行李寄存と書かれた荷物預かりに置いて、深圳行きの列車のチケットを買います。
広州から深圳へのチケットは、売り切れで1時間後のものになったりということがしばしばなので、先に購入する安全策をとりました。
それから地下鉄で西関に近い中山八駅で降りますが、地図がないですし、地下から上がると方角すら分かりません。
しかし、本当にこが中国かと思うのですが、道端にキオスクのような小屋のような設備があって、大学生ボランティアがふたりいます。
英語で西関に行きたいんだけどと言うと、丁寧に行き方を教えてくれて、わたしたちを利用してくれてありがとうございますと礼儀正しく対応してくれたのです。

途中、朝食を摂りながら西関方面へ向かうと、市場が見えてきました。
玉器市場とありますので、翡翠などの縁起物の貴石類を扱う小さな商店が大量に集まるエリアです。
その一角にこれも中国では縁起物だからでしょうか、ブタを飼っている店がありました。
店主の娘さんでしょうか、かわいらしい女の子が、ちょっと恐る恐るのへっぴり腰で可愛がっている姿が可愛らしいです。
犬は飼い主に似るとよく言いますが、作例を見る限り、それは他の動物でも変わらないということなのかも知れません。
【Alpha7/Orthostigmat 35mmF4.5 F4.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Steinheil Orthostigmat 35mmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2014/04/21 Mon

紅色気球

M8/Orthostigmat 35mmF4.5
山手のコンサートが終わったのが4時で、中華街到着は4時半ですから、さすがにランチをやっている店はなさそうです。
いつもの刀削麺屋へも今日の暑さでは向かう気になれません。
あちこち店頭で売られている名物ブタ饅でも食べればいいでしょう。

ところが、このブタ饅、とても高いんです。
390円とか500円とか、言葉の使い方が間違っていたら恐縮ですが、ハンパない価格です(使い方よろしいでしょうか)。
安い店なら麻婆豆腐ランチとか担担麺定食とか600円くらいから食べられるのに、立ち食いのブタ饅がこの値段というのが理解できません。

中国ではブタ饅のような饅頭の系統の食べ物は包子と言いますが、1個1元かそれ以下とだいたい相場が決まっています。
物価の安い中国と比較しても仕方ないと言われそうですが、中華街でブタ饅を売っているのはほとんどその中国から来た人たちなので、自主努力で価格を下げてもらいたいと思うところです。

中華街にはどういうわけか天津甘栗をあちこちで売っていますが、天津に行っても栗なんてないし、ついでに言えば天津丼もないことはよく知られるところです。
むしろ天津でいちばん有名なのが狗不理という名前の包子屋さんで、横浜の中華街でブタ饅を名物にするきっかけはこれではないかと思われます。
北京の支店で食べたことがありますが、確かに旨いし、これは日本人に受ける味です。

さて、お昼はあきらめかけたところで、中華学院で中国式の獅子舞、舞獅が披露されていました。
いや、横浜中華学院は台湾の学校なので台式というべきでしたか。
生徒のつくる屋台も出ていて、小籠包をいただくことができました。
中国式のつっけんどんではなく、日本式のバカ丁寧とも違う、女学生の台湾式明るい対応が心地よく感じられます。

最後の作例になるので、この舞獅の作例で終わりにしたいところですが、呑気に小籠包を食べているうちに演技は終わってしまいました。
もう5時だったのですから、食べることより撮影を優先させるべきでした。

その帰り道で出合ったのが、オウムに語りかける少女です。
ノーファインダーで撮ってから、縦位置にカメラを構えて撮ってもこちらには気付きません。
これはオウム目線で撮らないとと、腰を降ろしつつカメラを構えたらさすがにバレて、恥ずかしそうに立ち去っていきました。
その仕草が可愛くてもう1枚撮って思ったのは、前言を翻すようですが、やはりシャイな日本の女の子の方が好いのかなあということでした。
【M8/Orthostigmat 35mmF4.5 F4.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Steinheil Orthostigmat 35mmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2012/08/19 Sun

聯賽馬上開

M8/Orthostigmat 35mmF4.5
熱帯夜で寝つかれないときに聞くと違和感を覚えるのですが、サッカーの欧州各国リーグ戦の多くは今日・明日に開幕するそうです。
かれこれ20年ほどFCバルセロナを応援し続けているわたしにとっても、今度の月曜の早朝が2012/13シーズンの開幕になります。
日本時間の朝4時キックオフですが、昨期タイトルを逃したうえに新体制になっているだけにスタートが肝心なので見逃すわけにはいきません。

先に違和感と書いたのは、以前は暑い8月はまだお休みの時期で、9月の声を聞いてから開幕していたからです。
サッカーは前後半90分という長丁場を戦うスポーツで、選手にとって苛酷なのは当然ですが、観る者にとっても気力と体力をかなり必要とさせるので8月は考えられないとなるのです。
それが、ここ何シーズンかから8月開幕に前倒しされるようになったようです。

日程の問題ではもうひとつ、夏場のプレシーズンに多くの有名クラブがアジアツアーを行うようになりました。
商業的な理由があるのは間違いないですが、選手の負担はたいんなものになるのでしょう。
もともと選手獲得に関わる費用が高騰したため、クラブ側もその費用捻出のためにツアーを催行して、その負担は選手たちにということであれば、有名サッカークラブとその周辺は大きなスパイラルに呑みこまれてしまっているように見えます。

一方、中堅以下のクラブでは有力選手の獲得はままならなくなって、若手の育成に傾力したのはもちろんですが、サッカー不毛の地からの獲得にも力を入れています。
日本のオリンピック代表チームには多くの海外クラブ所属選手がいたのはそういった理由だと言えるでしょう。
ドイツやオランダなどの地方のあまり知られていないクラブが多いのは、うまくいけば香川選手のように活躍して高額で売却できますし、そこまでいかなくても関連グッズの売り上げや当地を訪れる日本人観光客の増加が見込めるという事情があるからと言われます。

このままいくと、何年か後には欧州のクラブ中に中国人選手が存在する時代が来るのかも知れません。
いまはまだレベルがずっと低いのでそのような事態には至っていませんが、数の原理から言えば将来的には止むを得ないでしょう。
また、香川選手の獲得時にマンチェスター・ユナイテッドの関係者から、韓国のパク・チソン選手獲得の時は確かにグッズ販売が第一の理由だったが、香川はそうではないとの話しが伝えられました。
イギリス国内やマンチェスター市民からは香川選手の加入を疑いの目で見る人が少なくないということですが、香川はパク以上の活躍によってそれを払拭しなければなりません。
いずれにしてもサッカー選手には受難の時代であることには間違いなさそうです。
【M8/Orthostigmat 35mmF4.5 F4.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Steinheil Orthostigmat 35mmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2012/08/18 Sat

很難看的

M8/Orthostigmat 35mmF4.5
連日、領土問題に関する報道ばかりです。
尖閣には領土問題は存在しないというのが日本の立場なので、こちらについては不法入国問題と言わなければならないですが。
中国の領土問題に関する文章はかなり読んで来たので言いたいこともありますが、このブログでは政治的なことは書かないことをほとんど唯一のポリシーにしているので、ここはぐっと抑えることにします。

政治とは関係のないことでひとこと言うとすれば、香港の活動家はみな揃ってひどい醜男だったですね。
それらがおっかない顔で大声で叫んで日本を後にしていきました。
尖閣上陸のときにはその連中がレンガを放り投げていたというのですから、その光景は原始時代の未開人の襲来のような姿だったのではと想像されます。
その映像はぜひ早急に公開してもらいたいものです。
並みのホラー映画を超える恐怖映像になることでしょう。


さて、横浜散策ですが、実はこのときまだお昼を食べてなくて、せっかく山手まで上って来ながら、コンサート終了後には中華街で遅いお昼を食べなくてはと考えました。
撮影枚数も1週間分にはぜんぜん足りないので、同時にバンバンシャッターを切って歩かなければなりません。
暑さとの戦いが再開されました。

ごく平凡な作例ですが、昨日の手ブレ写真ではオルソスティグマットの実力がまったく分からずで申しわけないので、こんなにも写るんだということをご教示することにしました。
少なくともわたしが愛用している個性派レンズたちでは、この建物の白は滲んでしまって、このようにディテールは出なかっただろうと思われます。

ただ、これはレンズではなくカメラの問題ですが、緑がくすんでしまうのが、他の色がくっきり出ているだけに残念です。
もちろん例のM8用UV/IRフィルターは装着していましたが、広角レンズではどうも完全に効果を発揮できないようでした。
それでも、コントラストの好さや暗部の表現など、このレンズの性能の高さがよく分かります。
もともとすこぶる評価の高いレンズですし、ミッキーマウスのような不思議な鏡胴デザインもユニークです。
とても安く売られることもあるので、見つけられた際には購入をお薦めしたい広角レンズと言えます。
【M8/Orthostigmat 35mmF4.5 F4.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Steinheil Orthostigmat 35mmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2012/08/17 Fri

Duo fur Violine und Bratsche G-dur Kv.423

M8/Orthostigmat 35mmF4.5
赤レンガ倉庫のメキシコイベントを早々に切り上げたのは、山手の洋館で開かれるコンサートを聞きたかったからです。
とくに知っている音楽家の演奏だったわけではありませんし、演奏曲目も不明ですが、室内アンサンブルの演奏と書かれていたのだけを楽しみに到着を急ぎました。
長らく生の音楽から遠ざかっていたので、

赤レンガから象の鼻、山下公園、中華街、元町商店街と通って山手の洋館のあるあたりまで何キロあるでしょう。
歩いて30~45分くらいはかかると思います。
根岸線でも桜木町から関内、石川町、山手と3駅あるのですから、普通は一気に歩く距離ではありません。
30度を超える猛暑のなか、コンサートを聴きたい一心で歩き続けました。

洋館のコンサートは、来訪者に洋館を見てもらいつつ、地元音楽家の発表の場も提供しながら、入場は無料ですし、恐らく音楽家の方でも会場使用料もかからず、というすばらしい企画です。
ただ、洋館には音楽ホールがあるわけではないので、比較的広い部屋を会場に変身させるだけなので、狭さや音響が悪いなどの問題もあります。
逆にその狭さは演奏者と聴衆の距離も縮めますので、他では味わえない一体感があります。
演奏家やその曲が好きになれれば、音楽のもうひとつの愉しみを体感することができるのです。

その意味でこの日のコンサートは暑い中長距離歩いて足を運んだ苦労を忘れさせてくれるものでした。
まずプログラムがすばらしく、バッハとヘンデルの編曲モノの間に、モーツァルトのヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲K423とK424が選ばれていました。
この2曲はあまり知られていませんが、アンサンブルの楽しさとシリアスさの同居した、後期の名曲群につながる聴きごたえたっぷりの傑作です。
このコンサートでは、聴き手におもねって歌謡曲のアレンジなどを混ぜるのが一般的でしたが、この選曲だけで痺れてしまいました。

演奏もすばらしいものでした。
わたしなどに音楽の何が分かるというものではありませんが、弦楽器はよく鳴っていて音のつぶも明確に出ていたのでヴァイオリンとヴィオラの速い掛け合いなど競っているような部分が明確に浮き彫りになっていました。
ヴィオラの川名さんは、古楽器のような渋いヴィオラならではの音を出していたのが耳に残りました。
また、ヴァイオリンの米田さんはブレた作例では分かりにくいですが、かなり美人です。
音楽会場でも目を閉じて聴くことの多いわたしも、彼女の要旨に目がくぎ付けになりつつ音楽も堪能しました。

洋館は、木でできた古い建物なので音響が良いのではと思うかも知れませんが、けっしてそんなことはありません。
以前聴いた洋館では、音を吸収してまったく響かず、演奏者が気の毒に感じたことすらありました。
ここ山手234番館は割と普通に響いているようで、まずは安心して聴くことができます。
大きな窓の向こうに緑が広がっているのも、好い印象です。
いくつかある洋館でのコンサートですが、ここがいちばんなのかも知れません。

コンサートではひとつだけ困ったことがありました。
1曲目が終わったところで誰も拍手をせずで、あれあれっとなってしまいました。
たぶん、クラシックなどとはあまり縁のない方が多くて、どこで拍手すればよいかなんて分からないのでしょう。
次はわたしの愛するモーツァルトですが、3楽章に入って演奏も好いので、これはわたしが拍手の先陣を切らねばいかんなどと考え演奏に集中できなくなってきました。

最後の和音が響いて、残響が消えたタイミングを見計らい力強く手を叩きます。
すると他の方も合わせて拍手してくれ、川名さんもありがとうとばかりにこちらを見てくれたように思われました。
次の第2番でも同様にタイミングを見計らって拍手し、他の方も追随してくれました。
拍手は、音が響いているうちにしては、音楽の余韻を台無しにしますし、遅れすぎると同調してくれる人が現れないのではとの不安があり、ここぞというときに出さなくてはとの気持ちにさせられました。
こんなに緊張を強いられる拍手は初めての体験です。
でも、わたしがいなければ誰からも拍手はなかったと思うと、おふたりの演奏に報いることができたという気持ちにもなれだのでした。
【M8/Orthostigmat 35mmF4.5 F4.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Steinheil Orthostigmat 35mmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2012/08/16 Thu

路上跳舞

M8/Orthostigmat 35mmF4.5
シュタインハイルは、写真術の歴史とともにあった光学メーカーで、アンチプラネット、グループアプラナット、ウノフォーカル、オルソスティグマットなどのレンズ史に残る名玉を世に出し続けてもいます。
ところが、いま、これらのレンズはほとんど見ることはありません。
例えば、ペッツパール、ブラナー、テッサー、ダゴールなど名前も設計も残って愛用されているレンズはいくつかありますが、シュタインハイルのレンズではそのような普遍性を得ることはなかったようです。

また、中古レンズ市場でもシュタインハイルのブラスレンズは絶対数がかなり少なく感じられます。
資料的な裏付けなしにこう言い切っていいのか分かりませんが、製造数がかなり少ないメーカーだったのではと思わせます。
しかし、1900年時点でのレンズ製造本数を比べてみると、フォクトレンダー65691本、ダルマイヤー62000本、ロス50000本(1890年時点)、シュタインハイル51767本と、若干少なくなるものの、それほど大きな差ではありません。
むしろ、この4社は19世紀のレンズ本数は意外なほど接近しているように見えます。

フォクトレンダー、ダルマイヤー、ロスの19世紀のレンズは簡単に買えるかといえばけっしてそんなことはありませんが、シュタインハイルと比べると明らかに有意差があると思います。
多く製造されながら市場に出てこないとすれば、所有者が手放さないか、廃棄されてしまったという可能性が考えられます。
シュタインハイルのレンズに限って手放さないと言うのは考えにくいですし、同様に高価だったレンズを廃棄するのも不自然です。

あえて考えるとすれば、シュタインハイル家とか所属していたミュンヘン科学アカデミー、バイエルンの博物館などが大量にコレクションしているということが考えられます。
同様に戦争でシュタインハイルの財産ごと消失したという可能性もあるでしょう。
個人的に有力だと考えるのが、シュタインハイルのレンズにはほとんど刻印が打たれなかったため、同社製と証明できる個体が少ないと言うものです。
19世紀のブラスレンズ、わけても初期のものほど刻印のないレンズが多いようなので、メーカーや製造年代不明のレンズはかなりありますので、そんな中の多くがシュタインハイル製なのではと想像してみました。
もちろん真相は闇の中ですが。

さて、作例ですが、元町商店街を歩いていると可愛いダンスに出合い撮影したものです。
実は、桜木町駅前でダンスのイベントがあると聞いていて、そこへ行こうか悩んだ末、山手の洋館でのコンサートへ向かっていたので、思いがけずダンスとコンサートの両方を楽しめラッキーな選択になったと喜んで見させていただきました。
衣装は一見するとアラビアンナイト風でその場でホロゴンさんのレンズ千夜一夜を連想して、パロディネタで行こうかと考えたのですが、ダンスそのものは現代的なもので、まったくアラブとは関係ないようです。
彼女たちの息の合った踊りは、先日観てファンになった新体操団体を思い出させるもので、なかなかの迫力でした。
【M8/Orthostigmat 35mmF4.5 F4.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Steinheil Orthostigmat 35mmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2012/08/15 Wed

Steinheil的鏡頭

M8/Orthostigmat 35mmF4.5
ダゲレオタイプなどの黎明期の写真術の写真に興味を持つようになって、非常に残念に思うことがあります。
関連の書籍を数冊読んだのですが、それらはあくまで写真術とカメラについて書かれているばかりで、カメラと同程度に思要であるはずのレンズについては一切触れられていません。
どの本にも、最初何十分も露光時間がかかっていたのがやがて十秒ほどに短縮されたと記載されていても、その要因であるレンズの進化には一言も言及されていないのです。

これはどうしたことかと思い、さらに数冊、関連書籍を注文したので中には写真術とレンズを関連付けたものも見つかるかも知れません。
ただ、期待はできないでしょう。
この分野は研究が進んでいないのだろうと思いますので、調べてまとめることができれば、あくまでレンズ愛好家にとってのみですが、かなり面白いものになるはずです。

オルセー美術館の学芸員だったバジャックの「写真の歴史」(創元社)は記載が広範囲をカバーしていて図版の多い良著ですが、やはりレンズのことは書かれていません。
しかし、面白い発見があったので、ご紹介したいと思います。

ダゲレオタイプの公開と同じ1839年のはじめに、カール・アウグスト・フォン・シュタインハイルが独自の写真術を開発してバイエルン王妃の前で実演まで行っているとあります。
その後ダゲレオタイプが発表されるとそちらに転換し、専用の小型カメラを考案したとも書かれています。
このカール・アウグストこそ、レンズや光学機器のメーカーであるシュタインハイルの設立者で、キングスレークの「写真レンズの歴史」でも人物略伝の中に65人のうちのひとりとして記載されています。

ただ、キングスレークはダゲレオタイプ用のカメラを作ったと言うエピソードの方しか記載がありません。
シュタインハイルで実際にレンズの設計に携わったのは、息子のフーゴ・アドルヌの方です。
1865年にペリスコープを翌年にはアブラナートという2本の重要なレンズを設計しています。
これらはダゲレオタイプがすでに下火になってからのレンズですので、ダゲレオタイプの撮影に使われたのかははっきりしません。

ペッツパール型のレンズについては、ペッツバールガオーストリアでしか特許を取っていなかったため他のヨーロッパ各国で製造されたため、スタインハイルにもこの型のレンズが何本もあるようです。
それらは1840年代後半のことと思われますので、恐らくは自ら考案・製造したカメラに、自らの名前の刻印されたペッツパールでカール・アウグストとフーゴ・アドルフの父子はダゲレオタイプの撮影を楽しんだことでしょう。
写真館や一般に撮影されたものにもシュタインハイルのセットで撮られたものもあったはずです。
その器材や銀板写真を見てみたいものてすね。

シュタインハイル家で光学分野においてより才能を開花させたのは、フーゴ・アドルフの息子、つまりはシュタインハイルの3代目であるルドルフ・シュタインハイルだとキングスレークは書いています。
ところが、ルドルフには男の跡継ぎがなく、5人の娘が株主になって会社組織に改組しますが、1962年にエルジートに買収されてシュタインハイルの名前は写真史に残しつつ消滅してしまいました。

キングスレークによれば、ルドルフは父フーゴ・アドルフの考えを延長してアンチプラネットからラピッド・アンチプラネットを出し、後群をイエナの新ガラスで設計し直して設計したのが、オルソスティグマットなのだそうです。
今日の作例がまさにそのオルソスティグマットによるものですが、ダゲレオタイプの写真術とかすかにつながりのあるレンズだということは、誰も気に止めることはないのでしょうね。
【M8/Orthostigmat 35mmF4.5 F4.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Steinheil Orthostigmat 35mmF4.5 | trackback(0) | comment(0) | 2012/08/14 Tue
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