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魅力的石段

Summicron 3.5cmF2
古い石段は好いですね。
古鎮はバーチカルに延びる建物のラインばかりですが、階段のパラレルのラインは視線をそこに集める力があるように思います。
さらに石段の下と上で建物が重層的に交わって見えるので、小さな村に立体感の迫力も加わります。
訪れた重慶古鎮はみな山間や坂の途中にあったので、このような個性的な町並みを愉しむことができました。

重慶ではいくつもの石段を見てきましたが、いちばん美しいと感じたのが作例の階段です。
両サイドに民家とその屋根が迫っていて、しかもそこには生活環が溢れていますし、屋根と屋根の間から朝の太陽が顔を出して石段に絶妙の陰影を生んでいるのがすばらしい演出になっています。
典型的なさわやかな朝の風景に見えますね。

作例では分かりにくいかも知れませんが、石段は中央部ばかりがすり減っていて、光が織りなす陰影に表情を加えています。
路孔は200年以上の歴史があるようでこの石段もその頃からのものかも知れません。
しかし、それにしても車などではなく、人間が歩くことによって石が窪むようになるほどすり減ってしまうのですね。
人間の営み恐るべしです。

同様の石段が鎌倉の建長寺にもあって、わたしは以前から気になっていました。
ただし、こちらは現在立ち入り禁止になっています。
日本のきっとどこかに、未だ人々に利用されている擦り切れきった石段があるに違いありません。
いつか探しあてることができたらと思います。


さて、前回の麗江のときにズミクロンとORTHO25フイルムとの組み合わせで見たことのないような描写を得られたので、今回も同じレンズとフイルムを組み合わせてみましたが、結果は前回とはだいぶ違ったようです。
もっともレンズは同名でも違うもので、前回は放射能レンズとも言われる希土ガラスを使った5cmの沈胴ズミクロンで、今回はいわゆる8枚玉の3.5cmズミクロンを使っています。
次の機会には、もういちど沈胴ズミクロンを試してみたいものです。

とは言え、8枚玉の逆光での素晴らしい描写も特筆しないわけにはいきません。
上部のコントラストが落ちたところでもしっかりと解像しているのがうかがわれ暗部の表現力も含めて、これはプリントしたら面白い画が得られるのではと思いました。
でも、フイルムのプリントだとズミルックスがまた好いのですね。
今後は、長焦点は依然ペッツバールでいって、広角・標準ではライカレンズの出番を増やさないといけないと考えています。
【M6/Summicron 3.5cmF2 F2】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 1st | trackback(0) | comment(2) | 2013/11/10 Sun

人家豊富

Summicron 3.5cmF2
大勢の人が苦手という方は多いと思いますが、わたしもそんな中のひとりです。
大混雑の通勤電車で自宅と会社を往復する毎日なので、せめて非日常くらい人の群れから遠ざかっていたいと考えています。
では、なぜ人で溢れる中国にばかり行くのだと追及されそうですが、行かなくてはならない理由がありまして、ただ、自分の時間があるときは中国にあっても田舎に逃れて人間の大群からは逃れるようにしているつもりです。

中国の田舎でも、基本的に有名観光地は人の多さに辟易されられてばかりです。
北京外れの万里の長城や頤和園、上海から2~3時間で行ける江南の水郷の村々、四川の九寨溝などはそれはもうすごいものでした。
わたしがライフワークで訪れる各地の古鎮も、人気の場所になるともともとが狭いところにあるだけにとんでもないことになります。
とにかく有名どころはせめて平日に行くとか対策しないと、大騒ぎする中国人の団体などに囲まれたら風情も何も楽しめたものではありません。

その点では、9月に訪れた重慶古鎮はそれほどメジャーではなく、省外から訪れる人の少ない静かなところばかりだったのは幸いでした。
今日の路孔の作例を見ると、嘘つけ、かなりの人がいるじゃないかとお叱りを受けそうですが、よく見ていただくと分かるように、いるのはローカルの人ばかりで、これはむしろ古鎮にはなくてはならない存在なのです。
古鎮にもし人がまったくいなければ、本当に廃墟になってしまい、恐怖さえ感じるかも知れません。
生活臭とか活気が感じられるのが好いのです。
特に老人に笑顔があって、子どもたちが無邪気に遊ぶさまが見られれば、こちらもつられていい義憤になってしまいます。

観光客がいないような中で、これだけのローカルな人が見られる古鎮というのはやはりなかなかありません。
農業以外に産業がない中では、若者はすぐ村を離れてしまいがちですし、結婚してからは家族を養うためにやはり都会に出稼ぎに行ってしまい、働き盛りの世代を見ることは少ないです。
さらには老人も中国の過酷な現代に生きたせいか長寿ではないというケースが多いのではと想像できます。
古い住宅は電気やガス、シャワーやトイレの後付が簡単ではないので、家を離れる人も少なくないはずです。
それら人の減少理由がいずれも当てはまらなかったのが、この路孔古鎮ということなのでしょう。

とは言っても、やはり作例を見ると写っている人々の年齢は予想通りかなり高いのは間違いありません。
今は安泰であっても10年後・20年後がどのようになっているのかはなかなか想像が付きません。
中国経済がずっと現状維持したとしても、たぶん今より人々の生活や人口分布や良くなっているということはなさそうです。
巷間言われるように、今の政府はこの国を延命させているだけで、やがて崩壊が始まるのではと心配です。
そうなっては、暴動や犯罪が頻発して古鎮は体を為さなくなっていくように思われます。
人がいなくて廃墟のようになった村はつまらないですが、緊張が漂うような治安の悪化した古鎮はもっと嫌です。
中国の政策は危機感によって少しずつ庶民寄りに改善されてもよさそうなものなのに、一向にそういう気配すらないのですから、いよいよ終末が近づいているのではと不安に思うのはわたしたち外国人ばかりではなさそうなのです。
【M6/Summicron 3.5cmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 1st | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/09 Sat

蘭博基尼之女人

Summicron 3.5cmF2
路孔という古鎮に着いたとき、ちょうどテレビドラマの撮影をしていたことはたぶん9月のブログに書いたのではないかと思います。
古建築が並ぶ街並みのはずれに、あまり古いとは思えない、しかし立派な寺があり、その敷地をいっぱいに使って中国の時代劇の撮影をしているようでした。
美人女優がいればぜひともペッツバールで撮影させてもらいたいところですが、そういうわけにはいきますまい。
寺の前の広場に立ち入り禁止のテープが貼られそこに村人が何人か遠巻きに様子を見ていましたが、そこからでは撮影しているところが見えるわけでもなくて、女優のポートレイトはあきらめて古鎮散策に向かいました。

夕方になって散策も古鎮を1往復してまた寺の方に戻ったところ、ちょうど撮影は終わったところのようで、規制のテープは外されけっこうな村人で広場が埋まっていました。
その中でけっこうな人だかりになっているところがあります。
美人女優かとわたしもそちらに向かいましたが、女優以上の村人の関心事なのでしょう、人々は車に群がっていたのでした。
車と言ってもひと目で分かる超高級スポーツカー、かつてスーパーカーと言われたような車です。
そのスーパーカーブームを小学校の頃意見したわたしは乗ることには無縁ですが、それがランボルギーニだということは分かりました。
ただ、分かるのはそれまでで、車名や価格は一切合財不明です。

検索するとそれはたちどころに判明しました。
細かいグレードまでは分かりませんが、ランボルギーニ・アヴェンタドールというのが外観がそっくりで間違いないでしょう。
なになに、6500ccのV12エンジンで700馬力、日本での新車価格は4000万円以上のようです。
やはりわたしには一生無縁の代物でした。
こんなのに乗っているとなると相当な人気俳優と言うことでしょうか。
その期待も含めて、人々はこの車に集まっているようでした。

しばらくたっても車の主は現れないので、人の群れは引けてしまい、大物俳優のポートレイトをと意気込んだわたしもあきらめて撮影が行われた寺の中を見物したりしました。
ひととおり見てまた車のところへ戻り、せめてランボルギーニだけでも撮ろうとカメラを取り出したところ、なんの前触れもなしに持ち主がやって来ました。
それはあまりに唐突でしたし、人気俳優か監督かプロデューサーかは知らねど、まさか女性だったとは想像もできませんでした。
作例の中央、20代後半くらいに見える若い女性が、ドアを閉めたところを撮影しました。
その女性も車を見物に来たのかと思い、ドアを開けるところはまったくノーマーク状態でしたので。

真後ろの3人組の、ええっ、あの女がオーナーだってというようなリアクションがよいですねえ。
腕組みおじさんカバンの女性は、ううっ、こんなことがあっていいものかという顔で見ています。
かたわらの少年は、ぼ、ぼくを養子にしてください、と歩み寄るところでしょうか…。

結局、この女性の正体は未だ不明のままです。
女優である可能性が高いのではと思い、何人か知り合いに見てもらいましたが、みな口をそろえて見たことないと言うばかりです。
こんな車に乗っているのもすごいですが、こんな場所に無造作に置きっぱなしにできるところもまたすごいと思います。
一体、彼女は何者なのか。
中国の友人と話し合っての結論は、超ベテラン有名俳優の愛人ではないか、ということに落ち着きましたが、果たしてどんなものでしょう。
【M6/Summicron 3.5cmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 1st | trackback(0) | comment(2) | 2013/11/08 Fri

比相機期待大

Summicron 3.5cmF2
カメラが大好きという人なら、多少の荷物になってもライカMやニコンFなどのフイルムカメラをメインに、コンパクトデジタルをサブに、旅に出る人は多いのでしょう。
実際の撮影枚数はコンデジの方が多くなったとしても、その人にはライカやニコンを主に撮影したという気持ちは揺らいでいないと思われます。
たいへん羨ましいことです。
重慶の旅でのわたしは、APSサイズのデジタルカメラがメインで、ライカM6の方がサブになってしまっているからです。
デュブローニのペッツバールタイプレンズがメインになっているので仕方ないのですが、カメラだけ見ればおいおい主従が逆じゃないかと怒られても仕方ありません。

去年の今ごろ、発売が噂されていたライカMを購入すべく準備を進めていました。
しかし、翌年発売してみると、ライカMはあまりに高価で、購入希望者多数で品薄だというのもあって価格が下がる見込みはしばらくなさそうです。
手に入れるのはあっさりあきらめ、さらには愛用のM8もシャッターに不具合が起こり、フジのミラーレスカメラに替わりを求めました。
もともとR-D1でデジタルをデビューしていたので、ライカを離れていた時期も長いのですが、距離計連動を必要としないX-E1を使用したことが、ライカから大きく遠ざかる原因になります。
ちょうどその頃からペッツバールレンズに魅了されるようになったからです。

それまでは望遠のペッツバールでもMSオプティカルに依頼してライカの距離計連動に改造してもらっていたのですが、レンズ購入価格より改造費の方が高くなってしまうのが悩みでした。
しかし、EOSマウントに難なく改造することができるksmtさんが、わたしのレンズも改造を引き受けてくれました。
すでに4本の愛用ペッツバールがEOSマウント化したことで、修理から戻ったM8は出番を失うことになります。
そけとともにソニーから安価なフルサイズミラーレスが登場するという話に大いに興味をそそられることになります。

SONYα7は再来週にも発売予定で予約を受け付けているようですが、広角レンズはケラレるなどの話もあって、別に慌てて買うこともないかと今一度考えを巡らせているところです。
旅で使うことも多いので電池の耐用度が気になるのと、EVFの重要性をベトナムで認識してその使いやすさがポイントになるかと思っています。
こういった情報はネット上でかなり正確に確認できるので、貧乏ユーザーとしてはそれらを確認してから量販店に実機を触りに行くくらいの悠長さでじゅうぶんです。
150年も前のレンズを使っているのですから1か月くらい遅れて買ったって何のこともありません。

それよりも最近のわたし自身のビッグニュースとして、もう購入は難しいのではと思っていたペッツバールタイプのレンズを2本立て続けに入手できたことがあります。
まだ到着したばかりで試写すらしていないどころか、正確な焦点距離も分かりません。
2本とも10cmよりは少し長いようで、使い勝手はこれまでのペッツバールより悪くなるかも知れません。
今回もksmtさんから改造の快諾をいただいているので、近いうちにサイトにてレンズの様子や撮影結果を公表してもらえると思います。
やはり、ソニーのフルサイズカメラよりも、わたしにはこの2本の方が間違いなく楽しみです。
【M6/Summicron 3.5cmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 1st | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/07 Thu

山羊和地鶏

Summicron 3.5cmF2
昨日の作例は塘河だと自信満々に書きましたが、今日の作例を見たときに間違いに気づきました。
昨日と今日は、塘河の次に滞在した松既でした。
訂正してお詫び申し上げます、といってもこんなことは、わたしを除くほぼすべての人にとってどうでもよいことなのですが。

なぜ気付いたかといえば、作例の市場へ行ったプロセスが思い出されたからでした。
昨日のとても明るい女の子に会いに行こうと、朝から彼女に出合ったところまで行ってみたのですが、残念ながら彼女自身のみならずおじいちゃんやおばあちゃんの姿も見つけることができず、そのまま気ままに散策を続けていました。
古鎮を出て村のメイン通りを歩いていると6匹の犬を引き連れた老夫婦がいて、何だあれはと接近すると、それは犬ではなく真っ黒な山羊でした。
山羊はもちろんペットではなく売り物で、わたしが接近して写真まで撮っているものですから、おじいさんは買おうとしているのかと勘違いしたのでしょう、しきりに商談しようとするので逃げるようにその場を立ち去りました。

そのとき、ようやく籠を背負った人が2~3人歩いている気配から、きっと朝市が行われているに違いないと気付いて、同じ方向に歩き出してみました。
まさに市場が、何でここにあると分からなかったのだろうというくらいすぐそばにあって、しかも想像以上に規模が大きく売り手と村人たち、そして、売られ手である動物の熱気で、ただならぬ盛り上がりです。
中国には市場なんて至るところに存在しますが、雨避けとかお日様避け、あるいは衛生上の理由からか建物の中に設置されているものしかまずはありません。
東京ドーム半個分くらいはありそうな広さでの露天市場というのは、たぶんわたしは初めて見たでしょう(端の方には管理用の建物がありそこに隣接するところでは屋根があります)。

古鎮とは別世界に来た興奮でなんだかあちこち歩き回ってしまいました。
扱われていたのは、肉類、生きた鶏系、魚、野菜、果物、雑貨(なぜかとても少ない)、そして衣類でした。
衣類のディスプレイはなかなかユニークで、鉄パイプで建設現場の足場のような高い骨組みがあって、そこにハンガーにかけた衣類を1枚1枚隙間なくびっしり吊るしていきます。
ざっと5段×10列が2つで100枚の衣類が整然と高い位置に並べてあるさまは壮観でした。
これは翌日滞在して連れて行ってもらった路孔の市場にも小規模な同様のものがあって、その設置を見ていると者押し竿のような長い棒で上から1枚ずつ架けていくという骨の折れる作業で、設置完了まで優に1時間以上を要していました。

それ以上のこの市場の出色と言えたのは、作例の鶏が扱われている一角でした。
日本にも名古屋コーチンとか比内地鶏など多種多様の鶏がいることを考えれば当たり前のことだったのでしょうが、ここで見た鶏の種類の多さには驚かされました。
鶏は種類ごとに柵の中に入れられているのですが、この柵は実によくできていて、鶏が売れてスペースができてくると柵の円を狭めていくことができます。
そのまま広げれば簀の子状になっていて、使わないときはゴザのように小さく丸めることができて、農家から市場への移動がコンパクトにできるよう工夫されているようです。

藁の束が柵の上に乗っているのが見えますが、これがまた農業におけるリサイクル品にもかかわらず万能の素材で、彼らがかぶっていた帽子はもちろん、柵の施錠にも使ってましたし、ここではもっぱら売れた鶏の足を縛るのに利用していました。
自分の運命を悟って大暴れする鶏たちのの足を意図も簡単に縛り上げてひとセットにまとめてしまう技は、あまりに見事で簡単なマジックを見ているかのようです。

値段のやり取りでは語気が荒く、おっかなそうに見えた売り手たちですが実はとても親切で、旅の途中の外国人で買ってくれないと分かっていても丁寧に鶏の種類の違いや値段の相場まで教えてくれました。
いちばん高いのは安いヤツの4倍以上していてなるほどと思いましたが、名前についてはわたしの語学力では分かりません。
今度はしっかり名前をメモして、レストランでその鶏があればぜひ賞味したいと思います。
【M6/Summicron 3.5cmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 1st | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/06 Wed

西班牙人告訴我

Summicron 3.5cmF2
石鼓古鎮へは面包車という7人乗りの軽ワゴンが麗江との間を往復しています。
昨日、麗江から70キロと記載してしまいましたが、47キロの間違いでしたのでお詫びの上訂正いたします)
ただ、その面包車の存在を知ったのは石鼓に着いた時で、麗江のバスターミナルで石鼓に行くバスはないと言われて落胆したわたしは、どこへ行きたいんだと話しかけて来たチャーターするタイプの面包車と交渉して、200元で半日だけ包車してもらうことにしました。
面包車に包車とややこしいですが、中国でパンのことを面包と言うので、切る前の食パンにかたちが似ていることから軽ワゴンのことを面包車と呼ぶようになりました。
また、包車は車をチャーターするという意味で、車を包み込んじゃえということを意味するということでしょうか。

わたしの訪れた翌々週には中秋節の3連休が、さらに翌々週1週間は国慶節の休暇が控えていて、いま麗江の観光業界はそのときを静かに待ち構えている状態のようです。
面包車の包車は距離にもよりますが、半日で4~500元くらいが普通で、国慶節などの長期休暇には800~1000元取られるそうですが、その書き入れ時前ということで小遣い程度稼げればいいというありがたい時期だと教えられました。
ちなみにわたしが泊まった宿は150元でしたが、国慶節は500元になるそうで、本当は1000元でも満室になるのは分かっているのだけど、それではお客さんに申し訳ないのでと宿の主人も余裕の表情でした。

宿の主人はなかなかの好青年で、滞在中、ずっと話し込むことになります。
恐らく30歳代前半に見える彼は、2年前にこの宿をオープンしましたが、場所は栄えている古城口からいちばん遠い側にあって、商売的にはなかなか厳しいものがあるように見えました。
わたしは2泊しましたが、1泊目は子連れの夫婦が1組いただけで、翌日彼らがチェックアウトしてしまうと客はわたしひとりになってしまいます。
かえってわたしが心配したくらですが、2つの連休を控えていたので、宿代のときに書いたように心配はいらないと余裕の表情でした。

麗江空港のすぐそばの鶴慶出身の白族である彼は、理工系の大学を出てから電気技師の仕事をこなしていましたが、あまりに忙しくて自分の人生に疑問を感じ高校の同級生が始めていた宿の経営を思い立ちます。
どのように見つけたのか聞き忘れましたが、隣町出身なのでツテがあったのでしょう、商売したくともなかなか貸し手が見つからない麗江に2年前7部屋の宿をオープンさせます。
こっそり教えてくれたところでは、開設費用は20万元、家賃は月7000元ということです。
掃除洗濯等もろもろのことをしてくれる地元の人をひとり雇っているだけで他は自分でやっているといいますが、繁忙期はたいへんなのでしょうけど、見る限り時間はたっぷりでいろいろなことにチャレンジしているようで、今の生活にとても満足していると胸を張っていました。

7部屋とはずいぶん小さな宿だと思われるかも知れませんが、麗江古城外のホテルを別とすれば、みんな規模は10部屋前後のものばかりです。
というのは、麗江はもともとそのサイズの古民家が集まっているところで、そういうところを買い取るか借りるかして古民家の風情を活かした改装をして宿にするので大きな宿は存在しないのです。
しかしねその数を聞いた時にはのけぞらんばかりに驚きました。
麗江古城には、なんと1500軒の宿があるというのです。
各10部屋だとすると1万5千室もあるのかと言うと、国慶節には満室になるから各部屋ふたりで3万人が古城内に泊まっていることになるんだよと彼は笑っていました。

大きく儲かることはないのかも知れませんが、収入や生活は安定していて何もかも満足かといえば、彼は問題意識をしっかり持っていて、それがわたしが彼を評価する理由です。
それは、以前にも書きましたが、麗江は世界遺産の登録などもあって中国各地から観光客が押し寄せるようになり、同様に各地から商売に来た人々に町を乗っ取られたかたちになってしまい、本来の納西族の文化や人々自体がいなくなる空洞現象が起きていることを憂いていることです。
そんな外観だけの町になってしまったら麗江に何の意味があるのかと疑問を抱いているということで、理解しあえました。
麗江はディズニーランドと同じで来た人が楽しんで金を落としていけばいいとしか考えない商売人ばかりの中で、そうではないと考えながら商売している青年と出会えたことが、今回の麗江でいちばんの収穫と言えたかも知れません。

今日の作例は、石鼓の古い町並みからです。
短い時間でしたが太陽が顔を見せたかと思うと、みるみる強い日差しに包まれ、その影響でしょうかずいぶんと青かぶりしてしまっています。
カメラの設定などがおかしかったのかも知れませんし、広角レンズではライカデジタルのような色の問題があるのかも知れませんが、よく分かりません。

そういえば石鼓にはもうひとつの名所があって、金沙河という長江の支流が大きく半円を描いて流れているところが長江第一湾と呼ばれ、古鎮などよりもよほど人気があるくらいです。
帰り道にちらっと寄ったのですが、ここに西洋人のグループがいて男性から面白いカメラを使っているねと声をかけられました。
彼らはスペインから来ていると言うので、わたしは日本からだと答えると、いきなりおめでとうと笑いかけられました。
その発表が東京出発と重なっていたので知らなかったのですが、彼はトーキョーがマドリードに勝ってよかったねとオリンピック開催地決定のことを教えてくれたのです。
でも、自国のマドリードが負けたのになんでそんなに嬉しそうなのと聞くと、彼はこう答えました。
俺がバルセロナ人だからさ!
【X-E1/Summicron 3.5cmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 1st | trackback(0) | comment(0) | 2013/09/17 Tue

不是誰也

M8/Summicron 35mmF2
尺八でしょうか、いいえ煙管です。

先日の出張は同僚と同行で、彼がひかり号で帰るのを見送ろうとすると、小田原乗り換えのわたしが乗車しないのを見て、
"こだまですか?"
と聞くので、
"いいえ誰でも"
と答えたのですが、さっぱり受けませんでした。
そこで、しつこく上記のような書き出しにしてみたわけです。

煙管は、広東省で広く見かけるたばこの吸煙方法です。
草状のたばこは雑貨店などに普通に売られているようで、竹と木で自作した煙管に詰めて、煙管の下部は水を張ったバケツに突っ込んであります。
インドや中東などに多い、水たばこと同じものだと思われます。

屯門のバス停付近の家の軒先で見かけたので、頼んで撮影させてもらいました。
まわりに家族が円座になっていましたので、おじいちゃん、ほらほらいい顔してとか冷やかされています。
そのせいで、ちょっと照れたような表情になってしまいました。

たばこの害については、実数データを示されるものの、まだ科学的裏付けが希薄と考えるのか、まだまだ喫煙そのものが激減することはないようです。
裏付けが弱いと言えば、今回の原発事故にともなう放射能の人体に対する影響もよく似た状況と言えるかも知れません。
ただ、たばことは逆に、かなり低いハードルをつくってこのレベルだと乳児は摂取をひかえるようになどと政府が言っても、それより低い数値でもおとながこれはまずいと避けようとしているのが現状です。

未知のものに対する不安ということでしょう。
愛煙家の方にはたいへん恐縮ですが、発がん性の危険ということで、放射能とたばこの近似性をとらえるならば、放射能○○シーベルトは、たはご××本吸ったのと同じ発がんリスクですと説明したらどうなんだろうと思います。
これだと、愛煙家はそんな程度なのかと安心するかも知れないし、逆に嫌煙家はそんなに危険なのかと過剰な反応をして、かえって混乱するでしょうか。

日本での喫煙者は年々減っているのでしょうが、中国ではあまりそういう話を聞きません。
たばこを吸う中国人に体に悪いよと言っても、ほとんど気にしている風ではないのです。
よく言われることに、人が多すぎる中国ではさまざまな人口抑制策がとられていますが、たばこの害を隠すことがその一環なのだというのがあります。
同時に儒教思想などから出生するうちの男性の比率が著しく高い中国ですので、たばこを吸う男性が減少することでバランスを取っているのではとまで言い切る人もいます。
わたしも、知り合いの中国人を肺がんで失っているので、とても人ごとには思えません。

さて、ちょうどここの家の人に深圳への行き方を聞くと、何番のバスに乗ってどこそこで乗り換えてと丁寧に教えてくれました。
やはりダイレクトでバスターミナルへ行くバスは無いようでしたが、来る時来た道をなぞるようにバスが戻ったので乗り換えは容易でした。

バスターミナルへ着くと、あらゆる方面のバスに遅れが出ているようでした。
清明節の影響は午後になってさらに高まり、折り返し発車するバスが到着しないため、1時間近く遅れての出発になりました。
以前、知り合った女の子と食事の約束をしていて、非常に楽しみにしていたのですが、結局2時間遅れでお茶だけになってしまいました。
屯門の小さな旅の失敗は、最後まで尾をひく形です。
【M8/Summicron 35mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 1st | trackback(0) | comment(0) | 2011/04/17 Sun

釣什麼東西

M8/Summicron 35mmF2
いつも8~9割は、いつも必ず広角レンズ、望遠レンズも持参しています。
標準レンズが好きなので、50mmレンズを3本持っていって比較しながら撮った方が面白そうなのですが、それをしたことがありません。
広角・標準・望遠の3本を持っていくのは、いろいろなシチュエーションで対応するために始めたやり方で、わたしの旅のスタイルとして確立してしまっているものです。

望遠が75mmの時は標準レンズ同様の使いまわしで使用頻度が高いですが、90mmや135mmになるとなかなか使えません。
広角の方でいえば、28mm、35mmはライカのためにあるような焦点距離ですし、ライカM8のAPS-Hフォーマットはそれぞれ35mm換算で、37mm、47mm相当になるので標準レンズ派にとっても使いやすいはずです。
しかし、これも好みの問題でしょうか、使用機会が多いとは言えません。

旅に出て、持参した交換レンズをまったく使わなければ、カメラバッグの中に石ころを入れているのといっしょです。
わずかでも使おうと取り換えたりしますが、短時間しか使わなければその焦点距離に馴染めず、また出番が減りがちという使わない交換レンズスパイラルに落ち込むことしばしばです。

ライカを使っている方の焦点距離別使用割合はどのようになっているのでしょう。
おそらくライカの純正レンズあるいは、コシナなどの現行ライカマウントレンズを使用している方であれば、圧倒的に広角の使用頻度が高いのではないかと思われます。
特に35mmは、ズミルックス、ズミクロン、ズマロン、エルマーといずれも人気が高く、カメラのファインダーも視野的にしっくりきて、やはりライカの焦点距離だと感じます。
35mmという手堅い写りのものが多くなりがちな焦点距離において、前述のライカレンズたちは、いずれも個性的な描写力を持っているということが使用頻度を後押ししているということもあると思います。

ノンライツレンズやマウント改造までしたレンズがメインだと状況はまったく変わります。
個性的レンズの多くが50mmにあるばかりでなく、各種レンズ構成の典型がこの焦点距離に集中していることもあって、標準レンズのシェアが圧倒します。
広角レンズよりも、レンズの個性が撮影結果に明確に出るのも、50mmレンズの愉しみです。
この分野では、多くの方が標準レンズを使用していることは間違いないでしょう。

そういう言い訳的な概況を述べておいて、いきなり今回の使用レンズに戻ります。
ラプター50mmF1.5をさんざん使用したあと、後半戦に入ってズミクロン35mmに取り替えました。
マウント改造標準レンズから、ライカ純正広角レンズへのバトンタッチという王道パターンです。

そのズミクロン35mmF2ですが、いわゆる8枚玉と呼ばれるこのレンズ最初期のものです。
もっとも人気のあるレンズのうちの1本ですが、比較的入手が難しいレンズのようです。
「ライカレンズの見分け方」によれば、8枚玉ズミクロンは、スクリューマウント577本、Mマウント約20000本しか製造されていないようです。
Mマウントのものもおよさ半数はM3用のファインダーと一体化したいわゆるメガネ付きレンズです。

一般的な8枚玉ズミクロンの1万本という製造本数が、ほんとうに少ないのかはよく分かりません。
ですが、製造されたM型ボディの数量やライカユーザー、コレクターの数を考えれば、やはり希少なレンズと言っていいのかも分かりません。
性能が向上したとみられる2世代目の6枚になったズミクロンの方が、価格も安いのに人気ではずっと8枚玉の後塵を拝しています。
ただ、希少なはずの8枚玉ズミクロンは、探すとかなりの頻度で市場に見つけることができるのは、やっと入手した8枚玉も使ってみると案外たいしたことが無くて手放してしまうというケースが多いのではと想像してしまいます。

屯門の帰り道で池に仕掛けをセットする家族がいましたので、これは広角でちょうどいいかなと思ったのですが、露出がかなりオーバーになってしまいました。
すごいシャープなレンズと言われますが、開放ではオーバー目なことも手伝ってけっこうふわっとした描写です。
8枚玉の作例としては、物足りないものとなってしまいました。

仕掛けも、なんという魚を獲るのですかと聞きましたが、魚ではないと言います。
ウナギ? いいえ、カエル? いえいえ、エビ? 違います。
何とかですと教えてくれるのですが、これがどうしても聞き取れません。
春先、淡水の池で長い網の仕掛けで獲れる生き物、はて、なんだったのでしょう。

ところで、もう1本、望遠レンズについて言及していません。
実は気に入っているテレエルマリート90mmF2.8を持っていったのですが、一度も使うことがありませんでした。
高価なレンズが、かばんの中で重しになっていました。
【M8/Summicron 35mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 1st | trackback(0) | comment(0) | 2011/04/16 Sat

女性在石板路辺

M8/Summicron 35mmF2
美しい古建築の祠堂でしたが、どうも事前に資料で見ていたのはここではないようでした。
大きいとは言ってもひとつの祠堂ですので、建物が3つ並んでいるだけで、それだけのために来る価値があると紹介しているはずもないのです。
門番の老人にそのことを聞いてみました。
たぶんあそこのことだろう、老人はちょっと考えてからそう答え、わたしに道順を教えてくれました。

しかし、これがけっこう複雑でした。
距離も3キロあると言います。
真っ直ぐ着いて30分、迷えば1時間以上覚悟しないといけません。
もうひとつ離れたところに目的地がありましたが、そこへ行くのはあきらめており、せめて老人の教えてくれる場所までは是が非でもたどり着かないといけません。

もう一度言ってくれを2回繰り返すと、さすがに老人に何だこいつという雰囲気が現れ始めましたので、ここは自分が中国人でないことをばらして、申し訳ないが中国語が不完全でと詫びました。
老人は、そうだったのかと言い、申し訳ないのはわたしだ、日本は地震がたいへんだったねえと道順とは関係ないことまで言いつつちょっと待っててくれと外へ行ってしまいました。
しばらくすると老人が自分のバイクに跨ってやって来ました。
後ろに乗んな。

開けてくれるように案内してくれた女の子がいて、この祠堂に入れたのですが、今度はこの老人が案内してくれて南門の古鎮へ行くことができます。
事前に用意したコピーを忘れてやって来て途方にくれましたが、ふたりの親切のリレーによってどうにか目的のひとつを果たすことができました。
今日の作例写真の風景には何となく見覚えがありました。

草木の手入れをしている女性にあいさつして、話を聞くことにしました。
しかし、この女性は聾唖者で残念ですが村の情報などは聞くことはできませんでした。
ところが彼女はたいへん明るい女性で、自分のハンディキャップはものともせず、一生懸命になってわたしに意思を伝えようとしています。

ちょっと待ってという仕草をしたと思うと、近くにあった植物を示して、ジェスチャーでこれを煎じて飲むとのどの痛みに効くとか、こっちは頭痛薬だとか説明してくれるのです。
葉の形を見せてこういう特徴があるとか示してくれたりもします。

それが、いまその場のわたしに役立つ情報であるという訳ではありません。
ですが、彼女はわたしのために伝わらないもどかしさをものともせず、わたしに知ってもらいたいんだとばかりに必死で説明してくれた姿が、こんなことぐらいでは負けませんと言った東北沖地震の避難所のおばあさんを始めとした被災地で絶望に近い状態でも明るくがんばっている方々の映像と重なりました。
満面の笑顔でここに来てくれてありがとうと言っているように見える彼女の手をとって握手して、わたしは彼女に背を向けた瞬間、泣きました。
震災の辛い辛い映像を見続けても泣くことはありませんでしたが、困難と明るく立ち向かう姿が完全にオーバーラップしたのでしょうか、なぜかこの時は涙がこみ上げてきました。

ここまで送ってくれた老人は帰ってしまったので、同じ道のりをたぶん30分以上かけて戻らなくてはなりません。
そんな時間の制約があったので、ざっと一通り見て回って村を辞することにしました。
恐らくは数世帯が残るだけの小さな忘れられた村のようでしたが、わたしにとっては忘れられない訪問になりました。
【M8/Summicron 35mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 1st | trackback(0) | comment(0) | 2011/04/15 Fri

徠卡広角之謎

M8/Summicron 35mmF2
昨日、ロス・エクストララックスのことを書いていて、ズミクロンの方の紹介をするのを忘れていたことに気付きました。
また自慢話かとか、いろいろとご批判は当然あろうかとは思いますが、自分の備忘録にもなるので、いったん整理するつもりで記しておくことにします。

この35mmズミクロンは、所謂8枚玉の愛称で呼ばれるレンズです。
ふつうダブルガウスの構成は、4群6枚で済むのですが、35mmズミクロンは2群目と3群目の間に2枚のメニスカスを対称的に置くことで、合計8枚のレンズを使った贅沢なレンズになっています。

もともとツァイスのゾナータイプに対抗するようにダブルガウスでの大口径化を目指したライツでは、1933年のズマールに初めてこれを採用して、ようやくゾナー5cmF2にスペックで追い付きました。
さらにはシュナイダーから供給を受けた1936年のクセノン5cmF1.5では、後群を2分割して7枚にすることでさらに大口径化が実現され、ゾナー5cmF1.5に追い付いています。

スペックで並んだもののユーザーの評判は芳しくなく、レンズ性能で1歩も2歩も遅れていたと自覚していたライツでは、1939年のズミタール5cmF2、1953年のズミクロン5cmF2とやはり7枚構成としますが、今度は前群を改良しています。
ここで、どうにかゾナーに匹敵する評価のレンズに到達できたと設計部門も考えたに違いありません。

そんな中での広角レンズは、オーソドックスなダブルガウスでのズマロン35mmF3.5を1946年に投入し、ライツらしいレンズとして評判をとっていたものと思われます。
これは、現在でも特にモノクロにおいてはその描写が高く評価され、35mmレンズのエース的存在です。

そんな中でもライツは広角レンズの大口径化を目指し、1958年にF2.8のズマロンを投入しました。
しかし、これが実に不思議なことに同じ年に、F2のズミクロンも発売されることになります。
同年デビューのズマロントズミクロンですが、なぜこんなことになったのか、これは研究する価値のあるテーマだと思います。

ふたつのズマロンが4群6枚でしたので、ズミクロンで枚数を増やすのは理解できますが、5cmズミクロンと同様に前群を改変するのではなく、2枚のメニスカスを置いたところに後人は強く惹かれたようで、広角レンズとしてはもっとも評価の高いレンズになっているようです。
面白いのは、さらにハイスペックの1961年のズミルックス35mmF1.4では、前の方のメニスカスが省略されて5群7枚となってしまうことで、これでズミクロン並みの開放からのシャープネスが確保されていればよいのですが、知られるように激甘な開放描写になってしまいます。
この辺のライツの35mmレンズの不思議な不思議な発展史が、ライカは広角で使ってこそのお題目を伴うことで複雑化をたどり、結果的には21世紀を迎えても、ライtの最高の広角レンズは何かという議論に回答を出させないという一因にしているのは何とも面白いところです。

さて、ここから少し自慢話です。
ライカを使い始めたころ、よく分からずに書物などをあたるとライカの最高のレンズは初代ズミクロン35mmF2、通称8枚玉であるとあちこちで目にするようになりました。
描写ももちろんですが、美しいクロームメッキの質や、インフィニティロックが付いていて、その精巧な操作性が素晴らしいとか、文章に惑わされて、気付けばそのオーナーになっていました。

そして、調べるとこのレンズにはいくつかのバリエーションがあったので、それを試したいがために次々と下取りに出しては別バージョンを買いという無駄な行為に走ったのでした。

最初はオーソドックスな、カナダ製のクローム鏡胴でしたが、ドイツ製が希少性があるからと買い直し、M3用ファインダー付きは5cm寄れるのでと買い直し、スクリューマウントは700本程度しか製造されていないと買い直し、ブラッククロームバージョンを見つけてはこれは珍しいと買い直ししました。
今使っているのが、そのブラッククロームのもので、よく考えれば2代目以降はすべてブラックになっているので、ありがたみがないことに気付きましたが、やはりあまり見ないものなので、これを使い続けようと無駄な購入推移を反省しつつ誓ったところでした。

さて、それほどまでに固執した8枚玉ですが、作例をご覧の通り、まつたく活かせていないのが実状です。
このレンズに残る柔らかさを全面に出そうと試みたまではよかったですが、ふんわり感が悪い方向に作用してしまっています。
せっかく激ヤセでスリムになったシンディですが、この写真では元のに体型に戻ってしまったかのようです。
【Summicron 35mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 1st | trackback(0) | comment(1) | 2010/08/08 Sun

没電

M8/Summicron 35mmF2
思わぬ理由で、この作例が石塞の最後の写真になってしまいました。
とんでもないことですが、スペアのバッテリーを持ってくるのを忘れてしまい、ライカM8は電池がなくなった瞬間に単に重たいカメラ型のネックレスとなって、わたしの首から下がってぶらぶらするばかりでした。

カメラバッグの中を探せど見つからないバッテリーは、途中落としたのではと思い心配になりましたが、帰国後自宅の机の上に見つかりました。
誰かが見つけて届けてくれたわけではなく、やはり直前のパッキングで忘れてしまったようです。
きっとこの暑さのせいでしょう。

M8購入以前に、R-D1のバッテリーをすべて充電し忘れて旅に出て泣いたことがありましたが、それに続く超大型ミスになってしまいました。
充電器は持って来ていたので、電池忘れに気付いていれば、事前のフル充電でどうにかなったはずなので、かえすがえすも悔やまれることになりました。
案内してくれた少女たちを最後にばしばし撮りまくるつもりでしたが、かなわぬ夢となってしまったわけです。

往路でのバスの事故、ノクトンのピント確認ミス、そしてバッテリー忘れと、不運と人為的ミスに情け容赦なく見舞われることになりました。
炎天下の異国の僻地で、これ以上ないダメージを受けましたが、しばらくして思い直すところもあります。

いちおう毎日更新のブログを続けていると、どうしてもブログのための写真という意識下で撮影していることに気付かされます。
もともと撮影技術も何もないような中での更新ですので、そういう状況であること自体は問題ないかも知れません。
写真がうまければ、自由に撮影してその中からセレクトしたものを順次更新するというのが良いのでしょうが、そういうレベルではないと自覚しています。

しかし、わたしは撮影のために旅をしているわけでも、ましてやブログの更新のために旅しているわけでもありません。
旅、撮影、ブログ更新の関係はそれぞれリンクしていますが、あえていえば旅は独立したものですし、その機会に好きなレンズの描写を見るべく撮影し、ブログは旅の日記とレンズのインプレッション・メモというところです。

バッテリー切れで撮影できなくなっても、旅にはなんら影響ないですし、むしろそれをネタに1日分の記事が書けるので、ブログの立場からはありがたいと言っていいくらいです。
そう考えるとサブカメラを持ってくるべきだったかと落胆したり、写真、写真と固執していたことがばかばかしく感じられて、気楽に旅を続けることができました。

実際、旅はその後、小学生くらいの女の子たちに囲まれたり、逆におとなの麻雀大会に仲間入りさせられそうになったり、何かと旅人を放っておかない石塞式のもてなしを味わい続けます。
ただ、また事故ということもないでしょうが、あまり遅いと帰りのバスが心配ですし、すっかりここが気に入ったのでまた来ようという気になったこともあって、適当なところで石塞を後にすることにしました。
長いようで短い滞在だったかと思います。

とは書いてきましたが、次回はカメラ無しで来るということはないでしょうし、たぶん予備バッテリーの確認はかなり念入りに行うだろうことは正直に書いておきます。
【Summicron 35mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 1st | trackback(0) | comment(0) | 2010/08/05 Thu

石塞簡介

M8/Summicron 35mmF2
石塞そのものの説明がまだだったようですので、今日はそのことについて少し記載いたします。
歴史的にみるとこの地に人が住み始めたのは1000年以上前のことのようですが、石塞の形態になってからも数百年経っていると言われています。
現在住んでいる人の祖先は明の末期に福建省から移住してきたようで、もともとこの地にいたひとと交わっていったと思われます。

その最初に移住してきたのは、黄氏の一族であると記録に残っています。
案内してくれた大学生の黄クンの祖先に違いありません。
そう思うと、黄クンの存在が歴史の生き証人のようにも感じられます。

面積は、およそ1平方キロほどで、周囲は壁に覆われています。
そこに今でも数千人の人口があるとのことでしたが、実際に歩いた印象ではせいぜい数百人くらいのように感じられましたので、町に移住したり出稼ぎに行っている人などもカウントされているのだと思われます。

周囲数キロはまったく平坦で、石塞のところだけ少しだけ盛り上がった丘になっています。
四周が見渡せるので防衛上最適の地として人が住むようになったのでしょうが、神石があったり、これは未確認ですが、風水の上で家を立てるのにふさわしかったこと、湧き水もあったりしたことが、集落を形成したより大きな理由でしょう。

先日紹介した「石城」と書かれたところが中心の門ですが、それ以外に2箇所門がありました。
通常、東西南北に4つの門を設置するのが、風水の関係もあって一版的ですが、何か大きな理由があって門を2箇所に限定したと考えられます。
門が少ないほうが、攻撃を受けにくいでしょうから、治安の乱れていた明清代により守りやすいコンパクトさに徹したと考えましょう。

今日の作例写真は、そのうちの門のひとつです。
石組が三層になっていて、徐々に嵩を上げて行ったかのような村の進化の跡を見るようです。
右側が崩れているのは、攻撃によるものか、経年により自然と崩落してしまったのか、あるいは建設途中に予算がつきてしまつたのでしょうか。

門をくぐるとその壁の厚さに驚かされます。
そして、壁が厚い分スペースが広くなりますので、日陰には人が集まってのんびりと会話を楽しんでいます。
壁に覆われた石塞の中は風がなかなか来ませんが、門のあたりは風の通り道で涼しいのも、住人を引き寄せる理由になっています。
【Summicron 35mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 1st | trackback(0) | comment(2) | 2010/08/04 Wed

屋頂的老人家

M8/Summicron 35mmF2
かの地を旅していると中国は広いと感じることがよくあります。
日本にいても、やはり中国は広い、と思い出させるのが、考えられないようなニュースに接したときです。

最近のニュースでいちばん驚いたのが、山口百恵は楊貴妃の子孫だと信じる人が20%もいるという報道です。
かつて、楊貴妃は日本の山口県に漂着したという伝説があることが、中国のテレビで紹介されたことがあり、当時中国で絶対的な人気を持っていた山口百恵がわたしは楊貴妃の子孫だと語ったという話も同時に紹介されたため、山口百恵=楊貴妃の子孫説を信じる人が、未だ存在するのだそうです。

こんなニュースもあります。
中国科学院紫金山天文台の王思潮教授によれば、最近UFOの目撃情報が多いが、2011年か12年には重大なUFOが目撃される可能性があるということです。
同教授が、過去39年の目撃談をを分析した結果、データとして得られたもののようです。
「UFOは地球外の宇宙飛行機器と関係しているだろう」と述べたとも伝えられているそうですが、中国でこんな発言を繰り返して問題ないのか少し心配です。

誰かの捜索ではと疑いたくなるようなニュースが毎日何件も配信されます。
もちろん中国にも日本のニュースは報道されています。
恐らく中国人をいちばん驚かせているニュースは、最近次々と明らかになっている高齢者の行方不明問題でしょう。

年金の不正受給など犯罪の臭いも感じさせますが、むしろ現在の日本が抱える問題が浮き彫りになっているような気がします。
親子であっても無関心であったり、地域が老人の面倒をみるという社会でなくなってしまったこと、何より隣の人に無関心過ぎるということが背景にあるのではないでしょうか。

きっと中国でも、日本の平均寿命は一気に縮むのではとか、行方不明の老人になり変ってわたしが日本に住むんだとか、日ごろのうっぷんもあっていろいろ揶揄していることでしょう。
日本人として襟を正していただきたいところです。


本日の作例は、屋上で改修作業する人です。
中央の麦わら帽子の方は、このあとすれ違ったのですが、70歳くらいの高齢の方でびっくりしました。
先日の笠・山下コンビもそうでしたが、中国の農村で老人は尊重され常に地域で気にかけられている存在です。
いなくなれば皆が心配しますし、本人自身が強く自己主張するでしょうから、なかなか日本のような問題は起こりにくそうです。
【Summicron 35mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 1st | trackback(0) | comment(2) | 2010/08/03 Tue

三代女性

M8/Summicron 35mmF2
31日付け英新聞の報道によると、さきのワールドカップで北朝鮮を率いた金監督がたいへんなことになっているそうです。
サッカー解説者や他の競技のコーチなどに采配ミスを指摘させ、批判の矢面に立たせたうえで、金正日の後継者正雲に恥をかかせたとの罪で建設現場での労働を課されているとのことです。

同紙はさらに、最近、北朝鮮政府高官が対韓国外交問題の責任をとって同様の労働を課された後に処刑されたことから、金監督の安否も危惧していると報道しています。
このニュースを信じるのならば、このような国家が国際スポーツイベントに参加させていることが問題でしょうし、参加させた以上は関係者の生命を守るために全力をあげてもらいたいと思います。

日本のリーグでプレーしていながら北朝鮮代表に参加して、ワールドカップ後にドイツの2部リーグに移籍した選手がいました。
どうしてだろうと不思議でしたが、これは日本にいては金監督同様の危険があるということで、ドイツに避難したといううことなのかも知れません。
関係機関は、スポーツと政治は別などと逃げないで、事実を調査したうえで、しかるべき対応をしてもらいたいと思います。


さて、親切に案内してくれた黄クンとは別れて、いつものペースでひとり歩きすることにしました。
黄クンは、石塞のいちばんいいところを見せたいとの親切心で案内してくれましたが、実際にわたしが撮りたいのは石塞の日常的な風景です。
いちおう、彼にはそう説明しましたが、わざわざ来た外国人がわたしたちの日常を見たいなんて言うことは、彼の理解を超えていたのかも知れません。

暑い日でしたが、35度超えの猛暑日が続く東京から来てみると30度前後でそよ風の吹く、石塞はむしろ快適な環境でした。
汗は流れますが、気分もいいのであちこち歩き回れます。
人の姿を見れば、所構わずシャッターを切りました。

路地越しに向かい合って腰掛ける親子三代の姿は最高の被写体です。
しかし、ピントに問題ないはずのズミクロンなのに、合焦ははるか後ろにいってしまっています。
会話が伝わって来そうな三人の雰囲気を伝えたかったのですが、これではミスもいいところです。
言葉による批判でしたら、甘んじて受けたいと思います。
【Summicron 35mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Summicron 35mmF2 1st | trackback(0) | comment(2) | 2010/08/02 Mon
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