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世界初を生んだ本陣

Serenar 50mmF1.5
不満の残るラーメンでお腹を満たした後、和歌山駅から単線の和歌山線に揺られて名手にやってきました。
名手は”めいしゅ”ではなく”なて”と読む紀の川市内の集落で、江戸時代には本陣が置かれ、明治に入ってからは鉄道が敷かれて柑橘類の集積地として栄えたそうです。
作例の建物は、大火で一度焼けた後、1718年になって建造された名手本陣の外観です。
本陣は大名や付き人の専用宿泊所ですが、宿場町の中心地にあったためか現存するものが全国で20軒あまりと少なく、それらも門だけが残っていて母屋は再現されたものなどあり、名手のように状態よく残っているのは珍しいと思われます。

本陣と言うと東海道五十三次のような主要街道の宿場町にあるようなイメージですが、名手は和歌山から奈良へ抜ける大和街道が通っていて、参勤交代に向かう紀州藩ご一行が和歌山を出て歩き続け1日かかって到着する地として本陣が設けられたのだそうで、もともとの宿場ということではないようです。
本陣の邸を提供したのは大庄屋の妹尾家という名家でしたが、1804年に世界初の全身麻酔手術を成功させた華岡青洲の妻・加恵はその妹尾家出身で、有吉佐和子により” 華岡青洲の妻”というタイトルで小説になり、のちに映画化、舞台化もされてよく知られるところになっているそうです。
トリカブトなどで作った麻酔の効果をみるための人体実験を買って出て、失明したとも言われています。

さて、再び和歌山線の王子行きに乗って奈良への帰途を目指します。
王子で関西線に乗り換えれば奈良に戻りますが、JR奈良駅から奈良町の宿は少し離れているので、高田で乗り換えて桜井線で京終に戻ることにし、高田の乗り換え時間40分でも近隣の古い町並みを見て歩こうと画策しました。
天気は好く、車窓から緑いっぱいの田園風景が広がっています。
ローカル単線らしく線路のすぐ両脇で稲穂が揺れていたり、武家屋敷のような立派な家や少し前までは茅葺だったと屋根の形で分かる農家など、ぼんやり見ていて飽きない風景が続きました。

列車が奈良県に入り五条駅を過ぎたあたりから、列車の進行がおかしな具合になってきました。
さっきまでこのあたりで豪雨があったそうで、この先徐行運転になるとのアナウンスです。
たまたま隣が日本語が聞き取れずきょとんとしている外国人ファミリーだったので、英語に訳して説明しました。
パリ郊外から日本旅行に来て、昨日は熊野神社に行き、今日は奈良を目指しているとのこと。
徐行運転ながらも進んでいたのにあと1駅で高田というところで止まってしまい、今度のアナウンスでは高田駅に下り列車が詰まっていて単線のためしばらく動けそうになく、1キロ先に近鉄新庄という駅があるのでそこまで歩いて近鉄に乗り換えてほしいと言われます。
高田の町並みを見る時間にヤキモキしていましたが、もうそれどころではありません。
ことの成り行き上、以上のことをフランス人ファミリーに説明したうえで、彼らを奈良まで無事送り届ける義務が発生しました。
彼らに何かあれば日本の評価を下げてしまい、日仏外交問題にもなりかねない重要なミッションです。

1日携帯を酷使したのでバッテリー切れで地図が見られず、近鉄新庄駅までの道順すら分からない状態でしたが、わたしはとても幸運でした。
列車を降りるときに声をかけた若者は鉄道関係の学校に通っていて、来春、近江鉄道に就職内定していた鉄ちゃんだったのです。
京都在住で和歌山線には初めて乗ったというのに関西の鉄道網は頭に入っていて、近鉄新庄-尺度-橿原神宮前-大和西大寺-近鉄奈良というルートをやさしく教えてくれながら、近鉄新庄駅に案内してくれました。
また、その長い道のりの間、やはり同じ和歌山線の列車に乗っていて、奈良を目指すという男性が横浜出身ということもあって、ずっと車内で話相手になってくれたうえ、本来、振替乗車が効かない青春18きっぷでも乗車できるよう駅員と交渉してくれました。
列車を突然降ろされるという危機に直面した我々が助け合いながらどうにか奈良に着いてフランス人ファミリーに感謝されたことが、東日本大地震のとき国民が冷静になって協力し合い困難を克服したと外国から賞賛されたことと少し似ているような気になりました。
【Alpha7II/Serenar 50mmF1.5 F1.5】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon Serenar 50mmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/08/31 Wed

ラーメンほ音楽だ

Serenar 50mmF1.5
和歌山駅の乗り換え時間の50分でランチをとることにしていました。
和歌山で食事といったらどんなものがあるのかよく分からず、ふつうに紀州ラーメンを食べることにします。
和歌山駅とラーメンで検索して出てきたいくつものラーメン屋さんの中から評価が高くて徒歩3分圏内の店が2つあったのでどちらかにしようと決めました。
1軒はとてもオーソドックスな紀州ラーメンで、もう1軒は紀州ラーメンに新風を巻き起こしたというような評価で、両者は同程度に人気があるようです。
初めての和歌山なので前者を選択しましたが、正直なところ好きではない味で、もう1軒の方にすべきだったかとがっかりして和歌山を後にすることになりました。

この失敗は奈良でも数回やりましたが、わたしが勝手に命名するラーメンは音楽のようなもの説をもって、理由を説明することができます。
つまり、一口にラーメンと言っても醤油、味噌、塩とベースの味が分かれて、さらに出汁が
豚骨、鶏、魚介とその合わせとに分かれていき、それぞれにあっさりから濃厚まで味が大幅に違うことで好みも分かれていきます。
音楽に例えれば、クラシック、ジャズ、歌謡曲その他あって、クラシックにも声楽、管弦楽、器楽などと分かれ、それぞれバロックや古典派から現代まであり、人それぞれ好みの音楽が存在します。
ラーメンは何でも好きという人や音楽は全ジャンル精通するという人もいますが、普通はブルックナーのシンフォニーが好きだという人に音楽好きならとアイアンメイデンのCDをプレゼントしても捨てられてしまうように、あっさり塩ラーメン好きにぎっとり濃厚豚骨が旨いと薦めてもしょっぱすぎると受け付けられないのは仕方ないことです。

わたしは神奈川県民なのでいわゆる横浜家系ラーメンを食べる機会が多く、それが自分のラーメンの基準になってしまっています。
鶏ガラも使っているそうですが豚骨醤油というのが味の基本で、塩では物足りなさ感が高く味噌は出汁の味が分からなくなるので好きでなく、魚介出汁は味が嫌いなので食べません。
音楽はクラシックが好きですが、学生時代はロックも聴いていたのでそのあたりは守備範囲ですが、12音技法以降の音楽はまったくダメだしへヴィメタルもわたしには騒音です。
音楽もラーメンも好きなのはごく一部で、何でもOKというわけにはいきません。

紀州ラーメンは豚骨醤油なのでストライクゾーンのはずでしたが、入った店は残念ながら魚介出汁も使われていて、完全に好みに合わない味に変質してしまっていました。
徳島では旨い豚骨醤油にありつけましたが、奈良では同じく魚介合わせで失敗、あるいは超濃厚豚骨というのでくどすぎてダメということもありました。
では、豚骨醤油で濃厚過ぎなければよいのかといえば、慣れ親しんだ味だけに味に納得いかないというところも多くあります。
先に横浜家系と言いましたが、これも店によって味が一様ではなく、まず修行した店に寄って系統が分かれますが、さらに店の特徴を出そうとして独自のアレンジをしているケースが多くそういうアレンジのほとんどはうまくいってないように思っています。
神奈川県内の横浜家系ラーメン店は30軒くらい食べていますが、ここは旨いと思えるのは数軒のみです。
実際には、お腹空かせて食べに行くのでいつもそれなりの満足感を得られるのですが、出先でラーメンを食べるということは期待感も高くその分がっかり度は高くなるということですね。

さて、本日の作例ですが、もう1枚黒江の古い町並みの写真を続けました。
昨日、たらいの中に花を飾ると書きましたが、調べてみるとやはり漆器づくりに欠かせない漆を攪拌するためのくろめ鉢という名の桶だそうで、長年使用されたくろめ鉢を景観づくり協議会とボランティアの皆さんで8戸の民家に設置したとのことです。
使われてきた道具はその土地の古民家と絶妙のハーモニーを奏でるものですね。
桶の内側の漆の黒が花を浮き立たせているのも素敵です。
また、左側の屏は道に平行ですが、右側の建物は幾分斜めになっていてのこぎり状の並びになっているのが分かります。
そのせいで路地がまっすぐにならずにアップダウンがあるように見えるようないびつな線を描いて、古民家の格子の垂直線とくろめ鉢の円とがつくる安定感に不思議な趣を与えています。
単に古いことに感動するのとは違う、町並みをじっくり見るおもしろさを教えてもらったような気がしました。
【Alpha7II/Serenar 50mmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon Serenar 50mmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/08/30 Tue

のこぎりとうるしの町

Serenar 50mmF1.5
来たときとは違う道だったので、時間も押してきてあせりつつ湯浅の駅に戻りました。
到着時に湯浅駅で下車したのはわたしも含めて3人だけで不安になりましたが、乗車時には10人ほどいてあまり意味もなく嬉しくなったりします。
今度は、和歌山駅の4つ手前の黒江駅で下車しましたが、今度も3人しか降りなくて、不安感がよみがえります。
黒江にも古い町並みがあるのですが、駅からは15分くらい離れているようです。
改札を出たところにあった地図を見ていたら、若い駅員さんがどこへ行くのかと心配してくれ、左側にしばらくずっと歩けば古い町並みですと教えてくれました。
戻ってきたときも暑かったでしょうとねぎらいの言葉を掛けてくれましたが、親切な方だというよりも、これが地方の駅員さんとしては当たり前の姿なのかも知れません。
ちょっとしたひと声でこの駅や町に親しみを感じたり好きになるということは往々にしてあることですが、この駅員さんも同じような体験をしてそれをきっかけに一言コミュニケーションを大切にするようになったのではと思いました。

黒江は漆器でたいへん有名で、加賀の山中漆器・輪島漆器、福島の会津漆器と並んで三大漆器と呼ばれる紀州漆器の本拠だということです。
古い町並みのエリアに入ると、住宅が漆器工房のようになった古民家も見られ、なかなか好い感じです。
湯浅で醤油を買いましたが、漆の器もいいなあと思いつつ、漆器は贅沢品だからと店に入るのは諦めて玄関越しに眺めるだけにしました。
旅をしていること自体が贅沢な行為ですから、旅先の買い物とかおみやげとかになるといつもブレーキがかかってくれて経済的には助かっています。

黒江は、湯浅と違い重要伝統的建造物群保存地区には指定されていません。
そのため、町並みの多くが建て替えで新しい家屋になってしまっているというか、県内で重要伝統的建造物群保存地区を検討した際にはすでに町並みのところどころが新しくなっていて選外になったというような気がします。
魅力がないわけではありませんが、やはり湯浅と比べると少々見劣りしますし、駅から遠く駐車場も設置してないこともあり訪れる人はずっと少なくなってしまうようです。

伝統の漆器と町並みをうまく組み合わせるなどして盛り上げられないものでしょうか。
和歌山市からは電車でも車でも10分少々のアクセスの良さです。
古民家カフェがありましたし、大きな造り酒屋も見えており、その向かいには古民具を展示した資料館があったようです。
古民家の軒には漆器の製造に使うたらいのような大きな木の入れ物に花を飾っているところが多く、なかなか好い雰囲気です。
まだこれらだけではインパクトとしてもう1つ2つ必要でしょうから、地場グルメでも漆器市でも追加したものでウェブサイトを開設するなりの周知をして人を集めてほしいです。
わたしは人混みが苦手ですが、ほとんど人を見ないというのもダメなわがままな町歩き好きで、黒江の町がこのまま埋もれてしまうのはもったいないと思わずいられません。

さて、本日の作例ですが、黒江の古い町並みの特徴を示しているのこぎり状の家並みです。
もっと好い名前がありそうなものですが一般にのこぎり状の家並みと呼ばれているのは、通常、家は道路と水平に建てられるところを、1軒1軒道路に斜め向きに平行に建っているため、上から見るとのこぎりの刃の形に見えるからです。
道路もギザギザなので、車が通りにくそうですね。
どうしてこんな家並みができたのかは諸説あってはっきりした答えは分からないそうですが、町の区画が平行四辺形だったからという説が有力とあり、それにしたって道に平行に建てればよさそうに思えるのでわたしにはこの説は理解不能です。
しかし、道路正面から見ると建物がみなこちら向きになるので、遠近法を無視した絵のような何とも不思議な町並みに見えるのがユニークです。
【Alpha7II/Serenar 50mmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon Serenar 50mmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/08/29 Mon

日本初醤油

Serenar 50mmF1.5
少し前に大阪に行ったとき、中之島から大阪駅方面に歩いてきて地下街に入ったところ、その名も湯浅という居酒屋さんを見つけました。
湯浅で水揚げして直送されてきた魚が食べられるとうたっていたので、古い町並みのある湯浅という地名は知っていましたが、港町でもあることと分かり俄然興味が湧きました。
お昼を食べたばかりだったのでそこには入りませんでしたが、今度大阪に行くときはランチでどんな魚が食べられるのか利用したいと思っています。

和歌山の帰りの電車で訳あって関西の方と話をする機会があったのですが、湯浅に古い町並みを見に行ったというと、あそこにそんな町があるんですか、釣りではよく行ったとこなのにと町並みの位置を聞かれましたが、歩いていて釣り船の表示を見たので、恐らく漁港からそう離れていないと思うと言うとますます意外だったようです。
意外と知られていないのですね。
作例の道路の右手はすぐ川でしたが、左側にも水が見えるので歩いているところは橋だったかも知れません。
水辺に立ち並ぶのは古い醤油醸造所の建物で、造られた醤油が水運を利用して大阪などで商われていたのが想像できます。。

建物は角長さんという醤油さんでしたが、この醸造所は1866年に建ったというので、ペッツバールレンズを使っていれば年代的にはちょうどよいと思っていたら、創業が1841年とのことでほとんどペッツバールレンズの歴史と合致する醤油屋さんです。
なんと、湯浅が日本の醤油の発祥地なのだそうです。
鎌倉時代の禅僧であった覚心が宋から径山寺味噌の製法を伝え、改良が加えられる中で湯浅の水と結びついて醤油ができたと言われています。
おみやげで買った手づくり醤油はびっくりするような美味しさで、日常使っている醤油とは別物の、調味料ではなく旨みソースともいうべき液体でした。

角長には醤油に関する資料館もありましたが、今回、見学は断念しました。
移動に時間がかかるのを分かっていながら、この後もう3ヶ所短時間のうちに見ようと、かなり無理ある計画を立てたために時間切れになってしまったからです。
和歌山方面の列車は30分に1本あるので1本遅らせてもよかったのですが、見残しておけばまた来たくなるだろうし、それも好いだろうと考えました。
醤油が美味しかったですし金山寺味噌も有名なので、今回行けなかった寺院や釣りなどと組み合わせて1泊で来れればと思います。

甚風呂の女性によれば、湯浅を訪れる外国人がここのところ増えているそうです。
特に台湾人が多いそうですが、台湾にも老街という古い町並みを愛好する人がいっぱいいるので、伝統建築と素朴な空気が味わえる湯浅の良さは口コミで広がったのでしょう。
大阪から余裕の日帰り圏ですが、南に白浜や梅干で有名なみなべもあり、1泊で訪れたいところです。
近隣も含めると温泉の宿が何軒かあるそうですが、保存地区には宿はないそうです。
そういえば徳島県の古民家宿でとても気に行ったのは日和佐でした。
日和佐と湯浅、響きが似ていますし町並みにも似た雰囲気を感じますので、ぜひ湯浅にも古民家の宿をつくっていただきたいものです。
【Alpha7II/Serenar 50mmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon Serenar 50mmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/08/28 Sun

人生初和歌山

Serenar 50mmF1.5
奈良滞在はすっかり長くなってしまい、そろそろ神奈川県の自宅に戻ることにしました。
その前にすっかり忘れかけていた残りの青春18きっぷを使いきらないといけません。
2枚あって1枚は自宅へ帰るときに使用予定なので、もう1枚を消費すべく日帰りの旅に出ることにします。
行先は少々悩みましたが、月初に徳島へ行ったときのように行き当たりばったりではなく、日帰りが無理なくでき、古い町並みの多い隣の和歌山県に行く計画を立てました。
目まぐるしい旅になりそうで、かなり早起きして出掛けます。

6:57奈良駅を出発し、天王寺乗り換えて通勤ラッシュと関空へ向かう旅行者でむせ返す快速に乗って和歌山着、さらに紀勢線に乗り換えて45分ほどで湯浅駅に到着しました。
湯浅は有田郡湯浅町なので、みかんも名産地なのかも知れませんが、広く古い町並みが残っていることで知られた歴史ある町です。
主要なエリアは国から重要伝統的建造物群保存地区の指定を受けているそうですが、遺跡のような保存ではなく住居はそのまま住まいとして生かされていて、町中には人通りがあって活気が感じられるところです。

駅から保存地区までは歩いて10分かからず便利ですが、駅前には観光案内はなく、やや分かりにくいので地図を用意した方が無難です。
前述のように人通りが少しあったので、わたしは行き方を聞いて向かいました。
駅を出てすぐのところに、普通の舗装路ながら熊野古道という表示を見つけて、ちょっと驚くと同時に湯浅が歴史的に重要な町であったのだろうと想像しました。
町中にある深専寺は、大仏建立に携わったことで知られ、近鉄奈良駅前に銅像が建っている行基さんの創建というので、奈良を出発して奈良ゆかりの地へやって来たようです。

町並みを楽しみながらあちこち歩き回って、細い路地の途中に甚風呂という施設を見つけました。
江戸時代からの歴史ある銭湯を生かしてリフォームした町の資料館です。
男女それぞれ7、8人も入ったらいっぱいになってしまいそうな懐かしい感じのかわいらしい銭湯はそのまま残し、住居スペースを古道具やカメラ、金庫、レジスターなどがぎっしり展示してあって興味深いです。
管理されている女性がとても気さくで、質問には何でも答えてくれますし、彼女の話を聞いていれば湯浅の町に誇りを持っているのが伝わります。
ふいごそっくりの道具があったのでこれを吹いてお風呂の火力を上げてたんでしょうねえと言うと、みなさんそのように間違われますと彼女が蛇腹のところをぎゅっとたたむと威勢のいい音がしました。
むかしの船で使われた汽笛とのことでした。

さて、本日の作例ですが、適当に歩いて撮ったのでどこそこと特定できませんが、湯浅の美しい町並みを切り取った1枚です。
建物の多くは町家のように見えましたが、ところどころの家にあるうだつが目立っていて、奈良町とは印象がだいぶ違いました。
港町であまりアップダウンがないからでしょう、地元の方は自転車に乗っている方が多かったです。
作例に人物を入れて絞り開放で撮るのが唯一の決まりであるこのブログですが、F1.5クラスになるとどこにピントを合わせて、自転車がどこに来たときに撮ればいいのか悩みます。
もたもたしていると自転車はあっという間に通り過ぎてしまうのでした。
【Alpha7II/Serenar 50mmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon Serenar 50mmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/08/27 Sat

屋台がないと子どもは来ないなあ

Serenar 50mmF1.5
奈良県、奈良市元興寺
【Alpha7II/Serenar 50mmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon Serenar 50mmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/08/27 Sat

やっぱりみんなコピーじゃなかった

Serenar 50mmF1.5
デッドコピーとかクローンと言われるレンズがあります。
戦前のニッコール5cmF2は、コンタックス用のゾナーを分解採寸し、同様な性能になるようガラスの種類をトライアルアンドエラーで当てはめて完成させたと言われており、当時のカメラ雑誌でも性能の良さに中身はツァイスのゾナーではないかと疑ったそうですので、それが本当であれば、デッドコピーないしはクローンレンズと思われていたということでしょう。
戦後は、ニッコール5cmF2は硝材の不足もあって何度か設計変更され、最終的には新種ガラスが採用され、デッドコピーとは到底言えない設計になっていると思います。

ニッコール5cmF1.5にも同様の歴史があるようですが、詳しいことは分かりませんし、戦前は商品化されませんでしたので、1949年に初めて発売されたものはやはりデッドコピーではなかったのではと想像しました。
それでは、1952年に発売されたセレナー50mmF1.5はどうだったのでしょう。
やはり情報はさっぱりありませんが、比較にぴったりの道具を入手していたことを思い出しました。
恐らくカーブ計と言われる球面の曲率を測るためのもので、昨年、スロベニアのリュブリャーナの骨董品屋でメガネ屋が使っていたものだと言って見せてくれたものを手に入れました。
ストップウォッチのような外観で、球面に計測部を押し当てると針が数値を指し示します。
凹レンズ-20~0、凸レンズ0~20まで計測でき、0は球でなく平面であることを意味します。
0に近いほどカーブはなだらかで、大きな球ということになりますが、この数値の単位が分かりません。
例えば5.0だと曲率はいくらとか分かればいいのですが計算法不明ですので、今回は比較のため数値をそのまま記載します。

せっかくですから家にある3群7枚のゾナータイプレンズ6本で、分解せずに計測できる前後玉の径と曲数を記録しました。
ざっと径±1mm、曲数0.1程度の誤差の可能性があることはご容赦ください。
➀Zeiss Sonnar 5cmF1.5 前玉径34.4mm、後玉径24.7mm、前玉曲数9.8、後玉曲数5.0
②Jupiter-3 50mmF1.5 前玉径34.2mm、後玉径24.5mm、前玉曲数9.8、後玉曲数5.0
③Schneider Xenon 5cmF1.5 前玉径35.3mm、後玉径26.4mm、前玉曲数10.1、後玉曲数4.1
④Nihon Kogaku Nikkor 5cmF1.5 前玉径34.2mm、後玉径25.2mm、前玉曲数9.4、後玉曲数4.4
⑤Canon Serenar 50mmF1.5 前玉径35.3mm、後玉径22.9mm、前玉曲数10.0、後玉曲数5.1
⑥Tanaka Kogaku Tanar 5cmF1.5 前玉径34.3mm、後玉径23.6mm、前玉曲数9.6、後玉曲数4.4

レンズ径を誤差の範囲とみなせば、ジュピター3がゾナーと同型のまま製造されたコピーレンズということの裏付けになっていると思います。
前後のレンズ径や局数=曲率の違いが撮影結果にどの程度影響するのかよく分かりませんが、少なくとも曲数が違えば分解採寸による同型のレンズではありません。
その意味で、少なくとも、クセノン、ニッコール、セレナー、タナーの各F1.5レンズはゾナーのデッドコピーやクローンではなく、お手本にしていたとしても改良が行われたと曲数が示しています。
クセノンを除けば、改良とは新種ガラスの採用のことでしょう。
しかし、日本光学が1950年にニッコール5cmF1.5、F1.4と同じ3群7枚のレンズを立て続けに投入した中で、1952年のセレナー50mmF1.5の発売にどのような意味があったのかは依然としてよく分かりません。
もとは日本光学からレンズ、マウント、ファインダーの供給を受けていましたが、1947年に光学ガラスが不足した際にニコンカメラ用を優先させた同社と関係が冷え込み、翌年には取引関係がなくなったことで、キヤノンが敵愾心からのこのレンズを発売したのだとしたら、その後の両社の関係を象徴するレンズとして面白いですね。

さて、本日の作例ですが、元興寺の地蔵会で開かれた邦楽の演奏です。
過去に関東のお祭りなどで邦楽合奏を何度か聴きましたが、いずれもお琴教室の発表会のような内容で、曲も童謡やアニメのアレンジものばかりでじっと何曲も聴くのは辛い内容でした。
初の本格邦楽を聴く機会でしたが、カメラマンたちが演奏が始まってもずっと写真撮影を止めません。
半野外のような演奏会場なので繊細な琴の音はレリーズ音の妨害でかき消されてしまいます。
そんな状況がしばらく続いて、集中が切れたわたしは音楽が聴く努力を諦めて、他人のカメラを呪いながら会場を立ち去りました。
演奏されている方はどういう気持ちだったのでしょうか。
【Alpha7II/Serenar 50mmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon Serenar 50mmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/08/26 Fri

R4Serenar

Serenar 50mmF1.5
誤解もあるかも知れませんので最初に書いておきますが、今回のセレナー50mmF1.5と6月にベトナムで使用したR-セレナー5cmF1.5はまったく違うレンズです。
前者は3群7枚のゾナータイプなのに対して、後者は4群6枚のガウスタイプと構成が異なっています。
先日購入したPeter Kitchingman氏の大著”CANON M39 RANGEFINDER LENS”ですら、50mmF1.5レンズの項で両者はいっしょに扱われ、ゾナー型のレンズ構成図のみが付されているので、R-セレナーもゾナータイプと間違われているケースがあるかも知れません。
表の中のレンズ構成は正しく書かれていたので好く読めば間違いませんが、R-セレナーはレントゲン撮影用であってオリジナルのM39レンズではないので、構成図付きで別項を立てて記載してもらいたいところです。

同著によれば、セレナー50mmF1.5は1952年10月の発売ですが、同年12月にセレナーという名称の使用を止めるとキヤノンからアナウンスがあり、以降のレンズ名称はキヤノン・レンズ(CANON LENS)となったそうです。
そのため、セレナー銘のレンズの製造期間は2ヶ月ほどとたいへん短く、わずかに700本強しか製造されませんでした。
キヤノン・レンズでは過渡期の微妙な刻印違いが4ヶ月ほどの間に約700、その後1957年までに16500本ほどが製造されました。
わたしはすでにキヤノン・レンズの方の50mmF1.5を持っていましたが、この項を読んだことでセレナー銘の方が欲しくなり、何ヶ月かオークションをチェックする中で、今回、安価にこの珍しいバージョンの方を手に入れられたのです。

2つのレンズは、刻印が違う以外まったく同じレンズです。
すでに持っているレンズを名前が違うからと19000円も出して買う神経を疑われそうですが、より初期の型で製造数が少ない希少なタイプで、コンディションの割に安いので買ったといえば、レンズに限らずコレクションをしている人は理解してくれることでしょう。
前述書の希少度をあらわす6段階のレートでは、今まで持っていたものがR6でレア度はありませんが、セレナー銘はR4とだいぶ希少度を増しています。
過渡期タイプはR3でさらに希少ですが、これが欲しいとは思ってないのでどうぞ安心してください。

このレンズの発売時期が1952年と遅いのは、わたしにとってたいへん意外でした。
キヤノンの標準レンズの中で唯一ゾナータイプが採用されていますが、その理由として終戦直後まで日本光学からレンズ供給を受けていたキヤノンはしばらくレンズ設計で試行錯誤があって、ようやく1951年のガウス型のセレナー50mmF1.8でオリジナリティと高性能を達成したと言われています。
50mmF1.5はそれ以前にコンタックス用ゾナーを丸写ししてつくったコピーレンズだと思っていました。
大好評でベストセラーになった50mmF1.8の翌年の発売と知ると、なぜ得意でないゾナータイプをその時期にと不思議でなりません。

さて、本日の作例ですが、元興寺の地蔵会の大法要がおこなわれた様子です。
これだけのお坊さんの読経は初めてでしたが、心奪われる迫力でした。
それにしても、沈みかけている夕日とはいえ、完全な逆光でコントラストを維持してゴーストも発生しないとは、64年前の国産レンズとは思えない性能です。
昨日の作例ではゾナータイプらしい色抜けの良さが際立っていて気に入りましたが、地面を見ると糸巻き型の歪曲があるようで気になりました。
そこで、あらためて先ほどテストしてみましたが、目視で分かるほどの歪曲はありませんでした。
やはり、優れたレンズだと確認できました。
【Alpha7II/Serenar 50mmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon Serenar 50mmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/08/25 Thu

名刹に襟を正す

Serenar 50mmF1.5
昨日、今日と元興寺で地蔵会が開かれたので、今夜、覗きに行ってきました。
元興寺は、西暦588年に蘇我馬子によって開基されたとする、たいへん歴史ある古刹です。
JRで奈良のキャンペーンをやっていましたが(関西限定?)、そのポスターに使われているのが元興寺で、大阪や京都の駅でなんども見ました。
他の有名寺院ではなく元興寺がポスターに採用されているというのは、東大寺や興福寺、唐招提寺、薬師寺と同じくらい観光誘致に効果があるということなのでしょうね。
その元興寺は、わたしが滞在している友人の宿の裏手にあって、3分も歩けば着いてしまうご近所でした。
そんな場所で商売している友人の偉大さを再認識しつつ、まだ明るいうちに出発しました。

今日のレンズは、Canon Serenar 50mmF1.5です。
つい先日オークションで落札して、奈良の宿宛に送ってもらいました。
もう1ヶ月近く友人の宿にいますが、レンズ1本でやって来たのに、中国で修理や改造に預けていたレンズを回収してきて、さらにオークションなどで数本のレンズを加えて、部屋の中の置き場に困って段ボールでレンズ収納ケースを作って対応しています。
その中には、F1.8、F2クラスのレンズがありましたが、ついにF1.5レンズが加わったことになります。

到着したレンズは、オークションの説明にあったように外観美品でレンズエレメントにもくもり、カビはなくわずかな拭きキズのみです。
言及されていませんでしたが、フォーカスリングがシルキータッチともいうべき絶妙の動きで、ヘリコイドグリスが60年以上も劣化しないことはあり得ないでしょうから、比較的最近になってオーバーホールされたのだろうと想像できます。
その際レンズがクリーニングされたのであればきれいなのは納得ですが、無理な研磨がなされていたり、素人の手になる作業とすればレンズに見えないダメージや組み上げ時の偏芯があるかも知れません。
それらは、撮影結果などで検証していく必要があります。

落札価格は19000円でした。
状態の説明が信じられそうだったので、20000円までなら出してもよいと判断して入札し、結果的にはそれより少々安く終了したというかたちです。
今までそれほど関心を持って来なかったので、国産ライカマウントレンズの相場ははっきり分かりませんが、状態の好いF1.5高速レンズが20000円しないとなると、ジュピター3を除けば最安で入手できたとは言えそうです。
特に、キヤノンの50mmF1.5の中では、Serenar銘のものは数が少ないので、わたしはそれ故欲しかったのですが、好い買い物ができたと思っています。

さて、本日の作例ですが、元興寺に到着するやいなや撮った1枚です。
入り口である東門から入る手前で本堂に向かった位置ですが、絶妙な場所に浴衣の男女がいるというラッキーなシチュエーションでした。
いつもでしたらカメラはバッグの中に入れていて、しばらく歩いてからそろそろ撮りますかと取り出すのですが、今日は宿からあまりに近くてカメラを裸で持っていったのでいきなり撮影できたという次第です。
この撮影結果を見る限り偏芯やその他のダメージを受けた痕跡はなさそうで、ひとまずホッとしました。
もうひとつラッキーだったのは、5時までだったら元興寺の拝観料は500円でしたが、そのわずか後に着いたことでタダだったことです。
この2つのことだけでも幸運な1日に感じられました。
【Alpha7II/Serenar 50mmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Canon Serenar 50mmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2016/08/24 Wed
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