1.5でなく2でもなく

Topcor-S 5cmF1.8
東京光学のレンズは、高性能の割になぜか人気はいまひとつのようで、比較的安く市場に出回っています。
トプコール-S 5cmF2などは、国産レンジファインダー用レンズ史上最高傑作と推す人も多いレンズですが、何しろ市場に潤沢なので、申し訳ないくらい価格が安値安定のようです。
東京光学のライカマウントレンズはレオタックス・カメラ用に供給されたので、標準50mmレンズのバリエーションがとても豊富で、同じ名称でも途中で光学系の設計変更をしているレンズが多くて、それらをすべて含めると東京光学のライカマウントレンズは21種類あるとカウントできると思います。

昨日と今日使用したレンズは、東京光学のトプコール-S 5cmF1.8です。
1959年発売の東京光学最後のライカマウントレンズで、レオタックスG専用に供給されましたが、レオタックスG発売前に製造元のレオタックスカメラが倒産してしまったため、少し話がややこしくなります。
債権回収のために仕掛のレオタックスGは組み立てられましたが、その数は500台ほどだったと言われています。
レオタックスGには、別にレオノン50mmF2を付けて売られたものもあり、トプコール-S 5cmF1.8付きは300本程度ではないかと聞いたことがあります。
300本しか製造されていないレンズならかなり希少ですが、探してみると数本見つかったので恐らく300本以上製造されたのでしょう。
ライカM3の対抗機種としてレオタックスGはフラッグシップ機になるはずだったので、東京光学へ相当数量発注していて、やはり債権者の手でレンズのみ売りさばかれたと考えた方が自然です。

先のトプコール-S 5cmF2と同じ4群6枚のダブルガウスですが、どのような設計変更があったのかは分かりません。
東京光学には戦後すぐにレオタックスへシムラー5cmF1.5を、その後改良されたトプコール5cmF1.5を供給していて、どちらもたいへん優秀なレンズですのでレオタックスGにも採用されるべきだったと思います。
なぜ、スペックダウンさせたF1.8を新設計までして採用するのかが分かりません。
このF1.8と後期型のF2は口径が違うはずなのに、同じ鏡胴を使用しているらしいのです。
国産ライカコピー機はすでに低価格競争の時代で、F1.5を付けてしまうと他社よりだいぶ高価になってしまうが、そのままF2では新設計のカメラで古いレンズかと評価されないので、東京光学に低コストでF2より明るいレンズの製造を依頼してできたのがこのF1.8なのではないかと想像します。

すでに一眼レフ時代のレンズですが、9cmF3.5が一眼レフ用にマウントされて製造され続けたのに対し、5cmのこのレンズはフランジバックが短く、レンジファインダー用のみだったはずです。
高性能の新しいレンズは、わたしにとって興味の対象外でしたが、今後、F2レンズとの比較などのために、思いのほか安く売られていたこともあって入手しました。
1950年代半ばになってズノーを筆頭にF1.1、F1.2クラスの超大口径レンズが各社から相次いで発売されても、そんな流行に背を向けてF2レンズの改良を続けた東京光学は誠実なメーカーとしてより評価しないといけないでしょう。

さて、本日の作例ですが、奈良公園の鹿を撮影してみました。
奈良には京都に近いこともあってかなりの外国人観光客が訪れていますが、鹿のような大きな動物が都市部の人間の生活圏に接するところで共生しているのは信じがたいらしく、しかも人々は鹿を神の化身として大切にしていると聞いてすばらしいと感動するのだそうです。
しかし、それだったら、インドのウシだって同じじゃないかと思うのですが、インドでは現地人から邪魔者扱いで、外国人も誰もすばらしいとは思っていないようです。
そんなことは露知らず、母鹿のおっぱいを無心に飲む子鹿のかわいらしさには、インド人も嫉妬するしかないのでしょう。
【Alpha7II/Topcor-S 5cmF1.8 F1.8】
スポンサーサイト
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Tokyo Opt. Topcor-S 5cmF1.8 | trackback(0) | comment(0) | 2016/07/21 Thu

財布に優しい旅

Topcor-S 5cmF1.8
ただいま失業中のため国民の義務を全うすべく就職活動しなければならないところですが、またしても別件の用事で関西に行くことになってしまいました。
立場上、飛行機や新幹線の利用は許されないと自覚していますが、今回も昼行バスに乗るつもりが、最安だと思っていたバスのさらに半額で行ける交通手段があると分かり利用することになりました。
青春18きっぷによる鈍行の列車旅です。
鈍行で神奈川から京都はかなり辛いだろうと思いましたが、乗り換えはあるものの乗車時間は高速バスと変わりません。
それならぜひチャレンジしてみようと、朝8時半、辻堂駅から熱海行きの各駅停車に乗って旅をスタートしました。

青春18きっぷは、1日列車乗り放題が5日セットで11,850円、1日当たり2,370円と割引率国内最強の乗車券です。
名前に反して年齢に関係なく利用できますが、新幹線はもちろん、特急、急行にも乗車できず、発売・利用期間に制限があります。
片道100キロくらいの日帰りを5回すればじゅうぶん元は取れますが、わたしのようにのんびり関東から関西まで行くのを数回やればかなりのメリットがあります。
時間はあるが金はない、という人の強い味方です。

わたしは、辻堂→熱海、熱海→興津、興津→浜松、浜松→豊橋、豊橋→大垣、大垣→米原、米原→京都と6回乗り換え、8時間近くかかりましたが、本来7,340円必要なところが、3分の1以下で済んでいるのでまったく文句はありません。
今日が青春18きっぷの使用可能な初日だったせいか、昼間の鈍行もがらがらとまでは空いてなく、わたし同様スーツケースで乗り込んでる人もちらほらと見られます。
途中から乗ってきた正規料金を払っている人が座れないこともあったので、申し訳なく感じたりもしました。
もっともそんなことはごく一部で、わたしの隣には人がいない時間の方が長いくらいでし。

同様の区間を高速バスで何回か利用していますが、所要時間があまり変わらないこともあって、疲労度合いもそれほど変わらない気がします。
バスはシートがかなりリクライニングしますし、カーテンで仕切れるようになっていてプライバシーを保て、大きな荷物は預けっぱなしにできますし、Wifiがあり充電も可能などメリットが多いので料金が少し高い程度なら高速バスを利用したいです。
ただ、各駅停車の旅情というのは確かにありますし、青春18きっぷの途中下車自由を利用して、由比で降りて名物のサクラエビのかき揚げ丼とか、浜松で降りてうな重とかをランチにしたりということも可能です。
次回は沿線を研究して、例えば近江八幡の古い町並みを見に寄ったりなど計画してみようと思います。

さて、本日の作例ですが、京都祇園祭の様子を見ることができました。
といっても、祇園祭は7月まるまる1ヶ月かけて行う巨大なお祭りで、有名な山鉾巡行は前祭と後祭の2回あり、今日はその合間の後祭のための山鉾を組み立てているところの見学をしたに過ぎません。
しかし、その手際は見事で、巡行を見るよりむしろ興味深かったりもします。
前祭の日も後祭の日も、京都市内はもちろん周辺の大阪や奈良方面まで宿がまったく取れなくなるというので、結果的に組み立てをオープンに見せてくれることをありがたく感じました。
後祭宵山を明日に控えて、山鉾建は急ピッチで進められているのが伝わります。
【Alpha7II/Topcor-S 5cmF1.8 F1.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Tokyo Opt. Topcor-S 5cmF1.8 | trackback(0) | comment(1) | 2016/07/20 Wed
| home |