没買化粧品

Ross 11.5cmF4
今回、銀座でという話を持ってきてくれたのがksmtさんの友人で、わたしとは初対面になるbuneさんでした。
buneさんは静岡在住で、用事があって東京に出る際、ksmtさんと会うのに銀座の打ち水を見に行きましょうと誘い、ksmtさんからわたしにも声をかけていただいたのです。
buneさんはハンサムな青年で、日本にもアメリカにも似た感じの俳優がいるのではと思わせる雰囲気でしたが、レンズに造詣が深いと聞いていたのになぜか首からはビデオカメラを提げています。
あれっと思い近くで見るとそれはビデオではなく、なんとハッセルブラッドH4D-40で、とんでもない思い違いをしていたことを恥じなければなりません。

中判カメラと言えば、打ち水を見終わった後、buneさんの案内でリコーイメージングスクエア銀座に行ってペンタックス645Zを試用させてもらいました。
こちらは、ペンタックスがなぜリコーにあるのかピンと来ない程度の知識なので、説明も暖簾に腕押しです。
実売価格が80万円のカメラなので、とても手が出るものではありませんが、ペッツバールのイメージサークルを活かす中判にもともと関心がない訳ではありません。
しかし、かつての645はロールフィルムを横に送る構造から縦位置の写真が撮れるので、人物撮影には都合が良いと思っていたのですが、ペンタックス645Zでは横位置になるということを知って少々がっかりしました。

そもそも中判は画質を追及するプロやハイアマチュア用の機材で、わたしはそもそもペッツバールを使いたいという時点で画質には関心がありません。
むしろ記録媒体の容量を考えるとむしろ画質は並み程度の方がいいくらいと考えますし、もちろん大きくプリントということは考えていません。
ペッツバールが本来持っているイメージサークルのギリギリに近いところで撮影したいから大きいフォーマットが必要なだけだという発想は、中判カメラの存在意義とははっきり相いれないと言えます。

カメラ本体価格を考えると中判デジタルはあきらめて、なるべく安い中古のフィルム用中判カメラを探してその分フィルムと現像やプリントにお金をかけるべきでしょう。
645Zはデジタルバックで中判撮影するよりはるかに安価で、性能が素晴らしく、今までのレンズ資産も活かせると中判ファンには夢のようなカメラなのだそうです。
ただ、目的がまったく違うわたしには、ただただ無縁のカメラというだけのことです。

さて、buneさんは心優しい方で、持参されていたアンジェニューの50mmF1.5をわたしが入手が叶わなかった幻のレンズになってしまいましたと話すと、よろしければと試写の機会を与えてくれました。
某化粧品会社の休憩室の話で、そこには有名な壁画があるので撮影することにしました。
ところがbuneさんは受付の女性が浴衣を着ているので撮らせてもらってはどうかと囁きます。
店内なので難しいかと思ったものの、そこはせっかくのS21をお借りしている状況なので意を決して受付女性にお願いしてみます。
1階にきれいどころがおりますのでそちらで写されてはいかがでしょうと説明するその優しい笑顔にわたしは心奪われ、いえ、あなたをぜひ写させてくださいとお願いしてどうにかS21唯一の作例をアップできることになりました。

4群6枚のオーソドックスなガウスタイプでF1,5というのはかなり無理な設計のはずで、ゾナーF1.5と同程度の性能を出すためには、前群ないしは後群に1枚両凸レンズを追加することで収差補正する必要があり、実際わたしの所有するガウスタイプのF1.5はすべてそのようなレンズ構成になっています。
唯一の例外は精機光学のR-セレナーで、もともと間接撮影専用に設計されたレンズのためシャープネスがずいぶんと劣り色の再現性も不自然です。
S21はもっとボケ玉なのではと想像していましたが、開放でのシャープネスはわたしには十分ですし、ボケがとても素直でボケ玉とか暴れ玉の表現とは言えないと思います。
いいレンズですね。

モデルになっていただいた女性には、レンズのことを軽く説明してなぜ撮影したいかを理解してもらおうと思いました。
わたしは、F1.5というスペックのレンズを集めていて、当然、S21はすぐにも手に入れるべきレンズでした。
以前は10万円以内でも見つけることができたのに、20万円くらいになってしまい、倍以上も出せるかとケチなことを言っていたらあっという間な価格が跳ね上がって今では50万から100万円もする幻のレンズになって手が出なくなってしまったのですが、友だちの友だちが所有していて、今だけ借りることができたので、唯一の写真を美しい女性にしたかったのです、と。
この写りを見て、またS21が欲しいという病気が再発するのを恐れましたが、幸いそれが起こらなかったのは、ただいま、ペッツバールに満足しているからだと確信しています。
【α7/Angenieux S21 50mmF1.5 F1.5】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Angenieux S21 50mmF1.5 | trackback(0) | comment(5) | 2014/08/09 Sat
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