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老人家与孫子

Sonnar 85mmF2
ここでバスを降りたのは正解だったようです。
飛び石を渡りきったところの建物と建物の間に木の門のようなものがあり、自然とそこを通らなくてはとの気持ちになるのですが、それからさらに少しばかり歩くと石垣と木の古建築がさっそく見えてきました。
道もアスファルトではなくしつかりとした石畳で、楠渓江近辺の典型的な古村落ということのようです。
楠渓江まで古村落を見る来るという人はけっして多くはないのかなと思いますが、数少ない古鎮ファンが楠渓江にやってきても芙蓉村、麗水街、蒼坡村と隣接する3つの古村落をセットで見てしまえば概ね十分で、わざわざ鶴盛まで足を延ばす人はほとんどいないということのようです。

訪れる人がなく生活に不便な古い家は、残念ですが住み人を失って朽ちていくか新しい家に建て替えられる運命が待っているようです。
恐らく20年前かせめて10年前に来ていれば、素朴で美しい村だったはずですが、今は新しい建築の間に古建築の一角があるという寂しいことになってしまっていました。

作例は、そんな村人たちの生活する様子の一端といえるものです。
農業しかない小さな村では、若者は職を求めて都会に出てしまいます。
この老人の息子夫婦であり、子供たちの両親である若い夫婦は温州に働きに行っています。
恐らく、彼らのためにと必死になって、夫婦は最低限の生活をしながら金を貯めようとしているでしょう。
娘たちにとって本当に必要なのはそのお金なのか、両親の愛情に見守られながら成長することなのか、わたしにはよく分からないですが。

しかし、仕事が順調でだいぶ金が貯まったからとその使い道になるのは、新しい家に建て替えることかも知れません。
両親の世代は自分たちが育ってきた伝統の木造家屋に愛着と誇りを感じているようですが、自分たちは周りが家を新築するのを指をくわえて見てきました。
中国全体が経済発展でどんどん新しくなっていく中で、自分たちだけが粗末な木の家に住み続けるなんて御免です。
そう考えて200年前の文化遺産のような家をあっさり壊そうとしても、誰にもそれを止める手立てはないでしょう。
老人が亡くなりこの子たちも嫁いでしまうであろう20年後には、残念ながらもうこの家は残っていない可能性が高いだろうと考えざるを得ません。

老人に温州から来たのかと問われ、日本からだと答えると腰を抜かさんばかりに驚いていたのが印象的でした。
言うまでもなく外国からここへ来る人なんてほぼ皆無なのは承知していましたが、車で1時間少々の温州から村を見学に来る人はゼロではないようです。
もうちょっと景色が良かったり温泉が出るとかということであれば、東洋のユダヤ人である温州のお金持ちが古民家を買い取って別荘にして保存するという手もあるかも知れないと思いました。

この村は、東臬(このような字に見えましたが実際は違うかも知れません)というそうで、20分ほど歩けばもうひとつ逢渓という古村落があり、そこからさらに30分で鶴盛の村に着けるということでした。
最初に考えていたとおり、途中の村を眺めながら鶴盛まで歩いてみることにしましょう。
【X-E1/Sonnar 85mmF2 F2】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 85mmF2(W.Germany) | trackback(0) | comment(0) | 2013/05/17 Fri

村境橋

Sonnar 85mmF2
昨日と話が前後してしまいますが、夜になってほとんどの観光客が立ち去った林坑は静寂に包まれて、願ってもないほどに熟睡できました。
林坑から岩頭に戻るバスは1日2本しかないと聞き、時間を尋ねると6時50分と11時と言います。
岩頭から1時間半かかる永嘉駅5時発の高速鉄道の切符を買ってあったので、11時のバスだと岩頭でお昼を食べて2時間ほど散策して終了ということになりそうです。
それはそれでのんびりてきてよいのですが、貧乏性のわたしはさらにもう2~3箇所をめぐるべく、5時半起きして6時50分のバスに乗り込みました。

1時間ほどで岩頭に戻ってきますが、手前の蒼坡村で降ろしてもらい、この村にある古建築を見て歩きました。
入場料が必要な蒼坡村ですが、前日岩頭村の麗水街で購入済です。
チケットを握りしめて村に向かったのですが、さすがに8時前とあってゲートは無人状態でがっかりです。
もっとがつかりだったのは村に朝食を摂れるところがなかったことで、地元の人に聞くとはずれに食事できるところがあるけどまだオープンしてないだろうから、門をどんどん叩いて開けてもらって麺でも作ってもらうといいとアドバイスをもらいました。
行ってみるとずいぶんと立派なレストランで、こんなところで時間外の麺をつくれと言う勇気はなく、すごすご退散するばかりでした。

結局、蒼坡村を早々に切り上げて岩頭に戻り麺をすすることにしました。
先日お話しした索麺はすでに2回食べていたので、たまたま見かけた温州麺店というところに入ったのですが、深圳で食べている麺とも違いの分からない、中国ではどこでもある麺でした。
特徴なく少しがっかりですが、そういう平凡な麺でも美味しいのが中国の庶民の味です。

まだ余裕の10時前でしたので、岩頭から30分ほどだという鶴盛とその周辺の村を歩いてみることにしました。
昨日、林坑に向かうときに小さなバスターミナルに鶴盛行きのミニバスが停まっていたので、時間等を確認しておいたのです。
今も鶴盛行きバスは停まっていて、出発時間を聞くとすぐ出ると言います。
しかし座席に腰かけて15分ほど経っても出発しません。
そうかと、いつ出ると聞いてすぐと答えたバスのパターンがあることを思い出しました。
時間を気にしないローカルばかりが乗るミニバスは、空気を運んでも仕方ありませんから、満員にならないと出発しないのです。
それで、時間がはっきりしないし、分からないなどと答えて降りられても困るので、すぐ出ると必ず回答するということのようです。

まだ座席が半分も埋まっていないと思えば、客は来るときは一斉に来るものらしく、一気に10人くらいが乗り込んだら運転手は、よっしゃとばかりにバスのエンジンをかけたのでホッとしました。
しかし、この手のバスはそのあともちょっとした儀式をおこなうことがしばしばあります。
せっかく満員になったというのにバスターミナルから商店街が切れる500メートルほどの距離を、オレも乗せてくれえとばかりやってくる乗客を期待して、自転車以下の超低速で走らせたのです。
そして運転手の思惑通りおばあさんが年齢からは信じられないくらいのスピードで駆けてきてバスに乗り込んできました。
この運転手はちんたら走行で、鶴盛までのおひとり様50円也を見事に稼ぎ出したということになります。

さて、鶴盛では帰りの時間から逆算して約4時間半の滞在時間が与えられており、事前情報では中心の鶴盛村の周辺に4つの小さな古村落があるとのことです。
頭の中では鶴盛の手前の古村落のところで下車して村を眺めながら鶴盛に向かうかたちで2つ3つを見て歩ければいいかなとの計算でしたが、古村落の名前までは覚えていなかったのでバスをどこで降りるかが問題でした。
バスの車掌というか料金徴収のおばさんがいるので、鶴盛の手前で鶴盛まで歩けるくらいの距離にある古村落まで行きたいと説明したのですが、おばさんはきょとんとしてわたしがどこで降りたいのか理解できないと怖い顔をしています。

逆に終点の鶴盛まで行ってから歩いて古村落を目指せば同じことですが、それだと途中からバスに乗るので通りかかるバスはすでに満員になっているはずですし、いつ来るか分からないバスを路上で待つ不安感を考えるといやだなと思いました。
心配なのはバスが完全に満員だと乗れないからとそのまま通過してしまうことがあることでした。
わたしは深圳などでこれを何度も経験しています。
バスの頻度は20分から30分に1本は出ていそうですが、1本乗れずだと最大1時間バスを待つことになり、しかもそのバスに乗れるという保証がないのです。

バスは川沿いの道を順調に走り、途中の村落でひとりふたりと客を降ろしていきました。
時計を見た限りではあと5分も走ると鶴盛に着くだろうと思われたタイミングで、横に座っていた若いお母さんとちびっこの娘が降りますと言ってバスを停止させようとしました。
そのとき、目に飛び込んできたのが、作例の橋(?)です。
川幅はゆうに100メートルほどもあるというのに、ただ石を一定間隔で並べただけの飛び石(?)だけが見え、それが唯一の村への道のようです。

きっとあの先に古村落があるに違いないと信じ込んで、わたしも下車してみることにしました。
石の向こうには5階建てくらいの普通の建物が並んでいるのが見えていましたが、その背後にきっと村があるように思えたのです。
先に降りた母娘でしたが、バスの中で寝ていたのでしょう歩くのを嫌がる娘とそれをなだめすかししていたので、わたしの方が先に革を渡ってしまいました。
川は浅いので危険はありませんが、石の並びは大人の歩幅くらいで、女の子はここを歩いて渡るのが怖かったのかも知れません。
振り返ると、母親が娘を抱え上げながらこちらに向かって進んで来るのが見えました。む
【X-E1/Sonnar 85mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 85mmF2(W.Germany) | trackback(0) | comment(0) | 2013/05/16 Thu

草苺的哥哥

Sonnar 85mmF2
関西のある個性派写真愛好家の方は自らの撮影手法をロボグラフィと名付け、そのスタイルを確立したブログを綴っています。
ロボグラフィと辞書を引いても出ていなかったので、ロボットのように自分の感情を消して正確に撮り進めることなのかと思っていたら、そうではなくて、路傍に人目につかずに存在する日陰者を撮る行為だと言われました。
人によっていろいろと解釈できる実に懐の深い言葉だと感心させられました。

そのロボグラフィから遅れること何年か、わたしはモノを撮ってもヘタクソでどうにもないないので、スナップの人物を撮ろうと決心しました。
ただ、今の世の中人物を撮るのは容易ではなく、ましてや顔がはっきり写ってしまうとブログに掲載するのはいろいろと問題になる時代でもあるので、後ろ向きとか点景とするとか別のものにピントを合わせたボケ像でごまかすとか、せっかく人物を撮る面白さを失うことになるばかりです。

そその欲求不満を晴らすのが中国での撮影で、彼の地でも人物撮影は必ずしも容易な訳ではないのですが、それを克服するために現地でボーッとしている人をこっそり撮るという手法を確立しました。
それをわたしはロボグラフィに対抗すべく、ボーットレイトと名付けてみたのですが、言葉の深みどころか面白くもなんともないのですっかり忘れ去っていました。
しかし、蒼坡村でボーッと1点を見つめる老婆を見つけて、久しぶりにこのつまらない言葉を思い出したという次第です。

さて、先にも書きましたが、今回の旅でメインで使用したのがこのゾナー85mmF2でした。
ビオゴン21mmF4.5、ゾナー5cmF1.5とツァイスレンズ3本という気合の籠ったラインアップで臨んだはずなのですが、いざ現地に着いてみるといずれもトラブルが発生してしまい、ゴロゴロとマウントが外れてしまうゾナー8.5cmF2が一応は無限遠から最短までピントが合ういちばんまともな状態だったことからメインレンズに格上げされたという経緯があります。

このゾナーは、戦前イエナのものとは違う、西ドイツ製コンタックス用の望遠レンズです。
戦前イエナにも85mmF2のゾナーはありますが構成が違っていて、戦前のものは3群5枚のテレゾナータイプだったのが、戦後西独型では3群7枚と50mmF1.5と同様の構成に転じています。
この3群7枚はコンパクトながらも高性能なイチゴのゾナーと同構成なのですから、写りが悪かろうはずはありません。
コーティングの効果もあって現代レンズに引けをとらない描写ですが、初出は1950年で最後のものも1950年代に出て、そのままコンタレックスの同スペックレンズに引き継がれています。

この3群7枚は、設計も戦後の西独だと思っていたのですが、戦前ないしは戦中のイエナにすでに登場していたようです。
ビオゴン35mmF2.8は、小型化した西独コンタックスへの装着の問題があったので東西でレンズ構成が異なっているのとは、事情が違うようです。
ゾナーでは、50mmF1.5、50mmF2、135mmF4の3種も東西で発売されていたレンズですが、レンズ構成はまったく同じと思われます。

しかし、ガラスや曲率を改善するなどの設計変更がまったく行われていないのかたいへん気になっています。
終戦時にロシアに接収されたツァイスの資料のうち、コンタックス用レンズのものが一部戻らず、設計しなおした可能性もあるのではと想像をたくましくしてもいます。
その調査のためには、両者のレンズを保有していないといけないと考え始めました。
イエナのものはビオター以外はだいたいそろっていますので、西独ものを手に入れようとしているのです。
今頃になって、ツァイスに関心を持ち始めるというのはあまりにも遅いですが、その分資料はいろいろとあるようで、それを探すのも楽しみですね。
【X-E1/Sonnar 85mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 85mmF2(W.Germany) | trackback(0) | comment(2) | 2013/05/15 Wed

岩坦索麺的故事

Sonnar 85mmF2
芙蓉村を散策してひとつ驚いたことがありました。
まだゴールデンウィークの最中だというのに、稲穂を干しているところがあったからです。
楠渓江近辺の気温はわたしが日本を出て来た時ととほとんど変わらないと感じましたし、冬場雪が少し降ることもあると言っていたので、気候的には東京とそうは違わないのだと思います。
それなのにもうコメがとれるのでしょうか。

ところが、林坑の翌朝訪れた蒼坡村へ向かう道すがらの借入風景を見て、稲ではなく小麦だということに気付きました。
麦ってこんなに早く収穫するのか不思議でしたが、大昔に何かで読んだ麦秋という言葉を思い出しました。
秋という言葉が入っているが、初夏を意味する季節のあいさつに使われていたと記憶しています。
やはり、小麦は初夏に収穫され、稲に見立てて麦秋という表現をするようです。
ただ、小麦は稲ほどには頭を垂れないようで、まるで稲が日本で小麦が中国だなと苦笑させてもらいました。

中国では、長江を境に北は小麦を南は米を主食にしています。
南に位置するこの地域で小麦畑が多くみられるのは理由があります。
このあたりでは、索麺という麺があってこの地方ではとてもよく食べられているのです。
饅頭や餃子も食べないではないので100%ではないのですが、小麦のほとんどは索麺の原料になっているようです。

ところで、長崎県の五島列島に五島うどんというたいへん美味しいうどんがあるそうです。
実は、この五島うどんのルーツは、楠渓江の村のひとつで、わたしが訪れた芙蓉村と林坑村の間にある岩坦で作られていた岩坦索麺であり、遣唐使によって伝えらたという説があるそうです。
遣唐使の時代ですので、日本の麺のルーツでもあるとも言われています。

ただ、この話はどうも眉唾です。
五島にも岩坦にも何も記録は残っておらず、岩坦以外にも楠渓江一帯どころか浙江省全体にも索麺はあるのに、どうやらNHKの調査で簡単に特定してしまったことが誤解のもとになっているようです。
こんなことになってしまった原因は、ひとつは日本と温州の深い結びつきがあるようですが、もうひとつは麺を木の枠に8の字にかけていく製法がそっくりだということがあるそうです。
ただ、索麺の索の字が木にかける製法を意味しているので、浙江省中で同様の作り方をすることもあって岩坦に結び付けることはできません。

索麺は、中国語の読み方でスゥオミェンですので、発音はほぼそうめんと同じと言えますので、五島うどんのみならず、日本のそうめんとのゆかりは間違いないようです。
実際、現地でいただいた索麺はそうめんのような細さと味でしたので、浙江のいずれかの索麺がそうめんの起源となったことは間違いなさそうです。
食べ方としては、ラーメンのような食べ方で、日本の夏のそうめんのようなつけ麺ではありませんでした。

以前関西を訪れたときにいただいた三輪素麺の方がずっとおいしかったというのがわたしの感想ですが、これについては芙蓉村の人の話で、一部の人がつくるもっと麺のうまい索麺もあると聞いたことを付記しておきます。
ただ、三輪素麺、揖保乃糸、五島うどんさらには讃岐うどんが日本では名物として君臨して実際に美味しいのに対して、浙江の索麺は名物と言うまでにはいたっていなくて、乾麺として各家庭で買い置いてあってお昼などにつくるインスタントラーメン的な位置づけにあるようにみえました。
そう知って少し残念に感じた反面、伝わって来た麺を発展させてより美味しいものにしてしまうという、日本ならではの好さを再認識もできて、誇らしい気持ちを感じたりもしたのでした。
【X-E1/Sonnar 85mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 85mmF2(W.Germany) | trackback(0) | comment(0) | 2013/05/14 Tue

大概二百年前的

Sonnar 85mmF2
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芙蓉村に向かうタクシーの運転手の話ですと、楠渓江の水はたいへんきれいで、そのまま飲むことができるくらいだとのことでした。
また、野生の動物がたいへん多く、いろんな動物を見ることができるだろうとも言っていました。
しかし、運転手の話が本当だとしても、それらは今回旅したあたりから相当に奥地まで入っていかなければならないだろうとすぐに気づきます。
川の水はきれいではありませんでしたし、野生動物が見られるような自然は見渡した限り近隣にはないようでした。

白タクの運転手からパンフレットをもらい、郊外に有名な自然公園のようなところが3つあることを知りました。
石桅岩景区、石門台景区、龍湾譚国家森林公園とそれぞれ立派な名前があって、清流や奇岩、瀑布、吊り橋、キャンプ、野生の猿などの写真が踊っています。
白タクは盛んにひとつでも行けと勧めますが、わたしにとってこれらは写真で見ることができれば十分です。
やはりこの地域のもうひとつの特徴といえる、古村落を見て歩くことに専念したいと思いました。

あらためて古村落の特徴をあげていくと、民家は木の家で瓦屋根の2階建てで高い石垣に囲まれており、その石垣と隣家の石垣の間は幅の狭い道ですべてが石畳になっています。
お金持ちだったと思われる家は四合院形式の中庭のあるタイプもありましたが、一般的には建物がコの字型になっていて、各辺に一世帯が住んでいるというパターンが多くみられました。
どのくらい古い家か聞いたところ、200年以上前から80年前などの答えが返ってきましたが、全体に言えば150年以上経過しているものがほとんどのようです。

建築様式の知識がないので専門家から違うと言われるかも知れませんが、このような古民家はこれまで多くの地域で見てきました。
むしろ特徴的なのは石垣の方ではないかと思います。
村自体が岩頭鎮という地域に属していてその名前から、岩が豊富で地元の木材と岩を利用して村を形成していった様子が想像されます。
中国の小さな村の多くはもともとひとつかふたつみっつの大家族から形成された親戚ばかりの村のため各戸がオープンなケースがほとんどなので、排他的とも思える石垣の塀には圧倒されるものを感じました。

しかし、あらためて現地での写真を見ると、古民家そのものや石垣そのものが写しているものはありますが、両者が同時に写っているものがないという事実に気付きます。
期待のビオゴンが不発だったことに加え、石垣が高すぎて全体を撮るのが困難だったことが原因でしょう。
それよりなにより、わたし自身が子供たちやじいちゃんばあちゃんぱかり撮っていて、村の様子を記録しようという意思が希薄なのが最大の問題なのですが。

そこで今日の作例は、子供は勉強に集中して顔を上げてくれず、左のお母さんは編み物か何かでそっぽを向いてしまっていて、ボツにしたピンぼけ写真を復活させることにしました。
何か理由があって石垣が上半分削り取られているような状態だったため、カメラの販促用カットモデルのように、石垣塀越しに古民家を見られる唯一の写真だったからです。
撮影位置が広場のようになっていたので、このようにだいぶ距離を置いて85mmレンズで撮影できた幸運な1枚でもありました。
【X-E1/Sonnar 85mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 85mmF2(W.Germany) | trackback(0) | comment(0) | 2013/05/10 Fri

喝着走露

Sonnar 85mmF2
今回は、レンズで大失敗してしまいました。
いつものように、広角、標準、望遠と3本のレンズを持参していたのですが、信じがたいことにその3本すべてに致命的と言える問題があることが、現地で使用してから分かったのです。
いつもいい加減な準備で旅をして忘れ物することはしばしばで、10年ほど前にはソウルを旅した時、旅行鞄を持っていくのを忘れたことがありました。
愛用していたM6やパスポートが入った小さなカメラバッグだけしか持たずに来てしまったことに成田で気付きましたが後の祭りで、この時は3日間でしたから現地で下着を調達するなどして特に問題なくそのまま旅を続けられました。

こんな調子ですから、カメラのバッテリーを忘れた、充電器を忘れた、携帯を忘れた、など小さなミスの経験に事欠きません。
実は、先月の中国ではカメラにSDカードが入っていなくて、たまたま見つけたスーパーで現地調達していたくらいです。
幸いこれまでに、パスポート、財布、カメラとレンズの3つだけは忘れたことはなく、それだけは自慢できるかと自負していました。
しかし、今回は買ったばかりのレンズ、しばらく使っていなかったアダプターの動作確認をせずのぶっつけ本番で、大失態を演じることになります。

まず、初日の紹興酒の写真を撮った21mmのビオゴンですが、ピントが2~3メートルくらいまでしかこない状態でした。
これはビオゴン購入時に付いていた非連動のコンタックス・ライカ・アダプターが何とも怪しいものだったので高さがややオーバーで無限遠が来ないのかも知れません。
芙蓉村のように石垣と古民家の組み合わせでは広角が活躍するはずでしたので、これは大いにがっかりでした。

標準レンズの問題については、今後、作例を何枚か出しますので、そのときにお話しさせていただくことにします。
望遠のこのゾナーもこちらは距離計連動タイプのコンタックス・ライカ・アダプターを介して付けているのですが、とんでもない問題があって、ずっと悩まされることになりました。
それは、このアダプターがどうももうひとつ付けているライカ・X-E1・アダプターと相性が悪かったようで、うまくロックされないのです。
ピント合わせにレンズを右に回そうとするとヘリコイドとともにロックされていないレンズ全体が回転してしまい、30°くらいも回すとポロッとはずれてしまうのです。

レンズマウント部分を左手の小指と薬指でカメラに固定しつつ、残りの3本の指を使ってフォーカスリングを回すという器用な技を使わなければならない状態です。
何かの拍子にレンズが外れて落ちてしまうかも知れず、常にそれを意識していなければいけないのも面倒でした。
それでも、まだ、持参した他の2本より状況はずっとよく、何よりこのレンズの性能が素晴らしいことに気付いて、85mmF2ゾナーはほとんど旅のメインレンズとして活躍してくれました。

明るい中望遠レンズは使っていて楽しく、そういうときにはいろんな被写体が飛び込んでくるものです。
その時も、おしゃれな服を着た女の子が、ペットボトルのジュースを飲みながら歩いてくるではありませんか。
カメラを向けると、普通は飲むのを止めてなに撮ってんだよと睨まれるか逃げられるかしそうなものですが、彼女は平然とこちらに向かって歩いてきました。
あるいは、わたしのレンズ扱いがぎこちなかったので、あれではわたしを撮ることはできまいと高をくくっていたのかも知れません。
彼女は、将来、大酒呑みになりそうな顔に見えないでしょうか。
【X-E1/Sonnar 85mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 85mmF2(W.Germany) | trackback(0) | comment(2) | 2013/05/09 Thu

路程到古村落

Sonnar 85mmF2
広い中国もここ数年の高速鉄道の開通で徐々に狭くなってきた感があります。
温州市にある楠渓江もその恩恵に預かっていて、停車する列車は少ないものの比較的近い永嘉駅があり、幸運なことに帰路はこのあたりから客を乗せて来た白タクが、帰りみちなので半額でいいとわたしを駅まで運んでもらい、たいへんスムーズに杭州まで戻れました。

しかし、広い以上に人口が多いということを忘れると痛い目にあいます。
杭州空港からまず紹興に立ち寄ったのは、紹興を短時間観光してから紹興駅に行って5時台の高速鉄道に乗り9時前に温州南駅に到着するという計画だったわけですが、空港リムジンバスが紹興駅に着いてすぐに切符を買いに走ったもののすでにその日の温州方面行の切符は売り切れだと断られてしまいました。
短時間の旅でその日のうちに着けないというのは、絶望的な失敗です。
いちおう翌日いちばんの切符はあるとのことでしたが、これだと温州到着が10時過ぎてしまい、楠渓江に着くのは午後になってしまうでしょう。

大きく落胆して紹興に1泊するしかないと駅に荷物を預けて歩き出そうとすると、長途汽車售票処という小さな窓口が目につきました。
駅にあって汽車とは分かりにくいですが中国語の汽車はご存じのとおり自動車のことで、この場合は長距離バスの切符売り場の意味です。
聞けば、17時50分初の温州行きがあって、座席に余裕があると言います。
どのくらいかかるかと聞くと4時間とのことで、だったら高速鉄道とそれほど変わりません。
これはラッキーとバスで行くことに決め、同時に5時までの約2時間を紹興観光に費やせることも決まりました。

温州へ向かうバスの中から、あらかじめ調べておいた芙蓉村にある古建築の民宿にその夜の予約の電話を入れました。
いまどこかと聞かれたので、まだ紹興を出たところでバスで温州に向かっていると説明すると、それなら○×という高速出口でバスを降ろしてもらえば村から近いので迎えに行くよとも言ってもらいます。
まさに災い転じて福、でした。

ところが、まだまだそう簡単にはものごとは運んでくれません。
いつもの広東では普通にやってくれる高速道路の途中下車を運転手は認めないの一点張りでどうにもなりません。
周囲の乗客からも、今日は温州市内に泊まって明日朝行った方が楽ですよと進められる始末です。
もう宿を予約してしまったのでと言うと、温州ではもうタクシーで行くしかないが、交渉をしてあげようと買って出てくれた青年がいます。
タクシーの運転手も最初は400元と言っていましたが、交渉のうまい青年の力もあってか280元で行ってもらえることになりました。
バスが高速出口付近でわたしを降ろせば、まったく不要な出費ですが、温州のバスターミナルから芙蓉までは、いま来た高速を戻って50キロ以上もあることを考えれば、物価の安い中国でもかなり安いと言えると思います。

タクシーの運転手と話していて分かったのですが、夜の10時過ぎで帰りはそのまま戻らなければいけないことを考えれば、400元でも安いくらいだそうです。
しかし、この人自体が温州市内と芙蓉の中間くらいのところに住んでいるため、芙蓉からの帰りはそれほど負担でないことから思いきって安くしたそうです。
また、外国人を乗せたのは初めてだそうで、ご機嫌で地元のことをいろいろと教えてくれたのは真っ暗で長い道のりを退屈せずに済み助かりました。
結局、楠渓江までの道のりは落胆したら喜んだりの繰り返しでしたが、総じて言えばそれほど悪いものではなかったようです。

さて、今日の作例は、お姉さんの不思議な仕事ぶり、です。
棒の先に計測器のようなものを括り付けて、各戸の電気メーターにあてがってはチェックするを繰り返していましたので、浙江電力(という会社があるかは知りませんが)の職員の方なのでしょう。
同時に料金徴収はしていなかったので、中国でも振込みなのかなあ、1か月どのくらいかかるのかなあと気になりました。
彼女にくっついて行けば村のすべての古建築をくまなく見ることができるかとも考えましたが、さすがにそれは実行しませんでした。
【X-E1/Sonnar 85mmF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 85mmF2(W.Germany) | trackback(0) | comment(0) | 2013/05/08 Wed

浙江的古村落

Sonnar 85mmF2
杭州から紹興を経て向かったのは同じ浙江省の楠渓江というエリアです。
楠渓江というのは温州市の北東部を流れる川で、清流として知られまた周辺の景観ともあいまって、自然を楽しめる地域として人気があるようです。
もうひとつは、このエリアには古村落があちこちに点在していて、独特の木の家を見ることができます。
もちろん、わたしの目的は自然ではなく古村落の方ですが、自然豊かなところなので景観の好いところに位置している村もあるようで、双方を楽しむことができるかも知れません。

候補地は他にもいくつかありました。
浙江省は古い町の多い省で、杭州から向かえる古鎮は非常に多いのです。
誰しも考えるのが江南水郷ですが、すでに有名どころはいくつか訪れていて新鮮味がないこと、せっかく4日間の滞在なのでなかなかいけないようなところまで足を延ばそうと考えてすぐ却下となりました。
かなり前から行きたいと考えていた安徽省の黄山付近の古村落群はかなり慎重に検討しました。
杭州から直通バスがあることを知っていたので具体的なスケジュールまで立ててみたりしたのですが、いかんせんバスが満席だったら距離が離れているだけにすべてが瓦解してしまいリスクが大きすぎます。

金華ハムで有名な金華周辺や海沿いの寧波周辺にも古鎮が集中しています。
特に前者には、諸葛孔明の子孫がつくって暮らしているという諸葛村はかなり魅力的なところです。
最終的にこの金華一帯と楠渓江でぎりぎりまで悩むことになります。
最終決断の理由は、食べ物にありました。
そのことについては、また別に記したいと思います。

今日の作例は、深夜に楠渓江に到着したので、その翌日早朝から散策を始めた芙蓉村での一コマです。
エリアの中心になる岩頭という町から1キロほどしか離れていない小さな村ですが、全体が古い建物ばかりで古鎮の風情を色濃く残しているすぱらしいところでした。
瓦屋根に木の建物が独立して建っているのですが、それらはみな石垣で囲われていて、木と石の織りなす美しさが際立っています。

道はどれも幅が狭いのですが、そのほとんどが石畳です。
石畳は美しい反面でちょっと歩きにくく、とくに走るのは危険なくらいです。
家の前や石垣沿いには作例のような長椅子タイプの腰掛がところどころあって、くつろいでいたりおしゃべりしていたりの場になっていました。
そこにいるのはほとんどが老人ですが、ここは高校生くらいに見える女の子がふたり、何やらひそひそ話をしています。
近くでレンズを向けたら逃げられてしまうかと思い、距離を置いてから井戸越しに撮影してみました。
真剣な表情で話し続ける彼女たちは、将来の進路について、あるいは恋愛について語り合っていたのでしょう、真正面から撮影しても気付く気配は無いかのようでした。
【X-E1/Sonnar 85mmF2 F2】
Zeiss Sonnar 85mmF2(W.Germany) | trackback(0) | comment(0) | 2013/05/07 Tue
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