告別

M8/Elgeet 50mmF1.5
大鵬所城から東山寺へと歩きましたが、どうもいまひとつです。
大鵬の町に戻って、南澳に足を延ばすことも考えましたが、また来ることもあるでしょうし、欲張ってあちこち廻るのはがつがつし過ぎのように思えて、今回は深圳まで戻ることにしました。
前回、大鵬から深圳方面へのバスが混んでいて、なかなか乗れなかったイヤな記憶が尾を引いているということもあります。

決断が速かったのが功を奏したのか、すぐにやって来たバスにはぎりぎり乗ることができ幸運でした。
乗車するやすぐに睡魔が襲ってきて、あっという間に眠ってしまいました。
中心地まで1時間近くかかるので、満員の乗客の半数以上は寝ていたようです。

中心地のバス停で降りて東門へ出ると、たいへんな人通りの中でウェディングドレスの女の子が立っていたので撮影させてもらいます。
すごくきれいですねと、彼女のルックスを褒めたとも彼女の衣装のことを言ったともとれる言葉で撮影許可を求めると、いかにも嬉しそうにポーズしてくれました。
できれば、写真を差し上げるくらいしたいところですが、周囲の真っ黒なこんなものではがっかりさせてしまいそうで、そのまま立ち去ります。

その足で、順平さんのカメラ修理店まで行って、クリーニングを依頼していたレンズを受け取ります。
くもっていたシュナイダーの広角レンズですが、きれいになったようですので、これはゴールデンウィークの旅に持ち出すことにしましょう。
修理代は200元とのことで、2500円ほどです。
分解したうえで各エレメントの表面をクリーニングするのでかなりの手間のはずですが、もともと安いのにかなり値引いてもらった値段です。

順平さんからは、ニコンD800について質門が噴出したためすっかり遅くなってしまいました。
中国のカメラ価格はだいぶ安くなったものの、まだ国外で買った方が得のようで、よく日本のニュースでも来日した中国人が量販店で炊飯器やカメラを買っている姿を流しているとおりです。
順平さんの仲間たちの間では、日本で買うのと香港で買うのではどちらが安いのかが、問題になっているとのことでした。

もうこの時間になるとバスはかなり混雑します。
タクシーをつかまえようと歩いていて、閉店売りつくしセールをやっているのが目につきました。
売っているのはどうもクズのようなものですが、上から吊るされた文字に惹かれます。
「告別深圳 回家种田」
深圳に告別して 田舎へ帰って田んぼで働く」

夜になるとさらに周囲のブラックアウトが目立たなくなりますが、やはり、それを狙った不自然な写真にも思えてきます。
わたしも、日本へ帰って仕事しなくてはなりませんが、このレンズに告別するかはまだ未定です。
【M8/Cine Navitar 2inF1.5 F1.5】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Elgeet Cine Navitar 2inF1.5 | trackback(1) | comment(0) | 2012/04/29 Sun

19個鏡頭

M8/Elgeet 50mmF1.5
古いレンズに興味を持ちこれにはまると、キングスレークの「写真レンズの歴史」が座右の書になるというケースが多いのではと想像します。
彼の評価の高いレンズ、面白そうだと感じられるレンズを購入するようになります。
そうやってオールドレンズが一定本数集まると、誰もが一度はこう考えるはずです、キングスレークの本に出てくるレンズを網羅できないものか、と。

ところが、これはわたしの誤解だったようで、そんなことを考える人はあまりいないようです。
キングスレークの本を資料として愛読する人は多いと思われますが、さすがに座右の書とするのは大げさかも知れません。
そこに取りあげられたレンズを集めようとすること自体も、とても個人の手に負えることではないと考えられるでしょう。

確かに20年前であれば、情報ソースはたいへん限定的で、そのレンズが売られているかどうかを探すことすら不可能だったので歴史的レンズの蒐集は困難なことでした。
しかし、今やいながらにして世界中の販売元にアクセスでき、落札するなりオーダーのメールを出すなりしてからカード情報を入力して1週間も待てばレンズが向こうからやってくる時代になりました。
ましてやライカレンズのコレクションなどとは違って考えている人がほとんどいない分野ですので、これに挑戦してみるのも面白いと思えてなりません。

歴史的レンズの網羅化ということであれば、まずやるべきことは、キングスレークの本のレンズを一覧にすることです。
これは、だいぶ前から取りかかっていますが、途中ストップしたままになっています。
kinoplasmatさんが、すでに一覧化したものがあって、たいへんよく出来ているので(これも未完成とのことですが、一定の視点からは完成していると言える)、これよりも良いものをと考えるととても難かしくなってくるからです。

さて、kinoplasmatさんの一覧には38のレンズが並んでいて、写真用レンズということでは圏外と言える最初期までのレンズ3種を除く35のレンズを見てみたいと思います。
すでにブログの中で作例を上げているレンズは次の通りです。

1841年 ロス ダプレット
1857年 グラブ アプラナート
1866年 ダルマイヤー ペッツパール
1890年 ツァイス アナスティグマート(プロター)
1893年 テイラー・ホブソン トリプレット
1900年 フォクトレンダー ヘリアー
1900年 ウォーレンサック ベリート
1902年 ツァイス テッサー
1920年 テイラー・ホブソン オピック
1922年 マイヤー キノ・プラズマート
1923年 ライツ エルマー
1931年 ツァイス ゾナー

数えてみると12本あって、すでに1/3ほどを所有していたのでした。
また、次の5本はすでに入手済みで、ライカ・マウントへの改造待ちの状況です。

1866年 ダルマイヤー ラピッド・レクチリニア
1892年 ゲルツ ダブル・アナスティグマート(ダゴール)
1895年 ツァイス ブラナー
1899年 ツァイス ウナー
1918年 マイヤー プラズマート

合計17本ですから、ほぼ半数を手に入れたわけで、ここからあとどれだけのレンズを揃えることができるかが勝負です。

ペッツパールタイプのレンズは、このシネ・ナビターも含めて何本か使用しています。
また、シュナイダーのクセノンもアリフレックス用、アルパ用のものを使用済みです。

1840年 ペッツパール
1925年 シュナイダー クセノン

これでいよいよ19本は過半数です。
いよいよゴールが見えてくるかといえば、とんでもない話しで、残されたレンズはいずれも入手困難なものばかりです。
それでも、一覧にあるレンズは何年かかってもすべて入手し、この場に作例を紹介したいと思っています。
【M8/Cine Navitar 2inF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Elgeet Cine Navitar 2inF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/28 Sat

新建的寺廟

M8/Elgeet 50mmF1.5
周囲が真っ暗で、激しいタル型の歪曲収差があることはその場で見たM8の液晶でもよくわかりました。
ペッツパール固有の欠点には、像面湾曲がありますが、これはあまり目立たないようです。
歪曲は消せませんが、イメージサークルは絞ることで広げられるのではないかと考えました。

そこで、最小絞りのF16で撮ってみたのが今日の作例です。
もちろん絞ることでイメージサークルが拡大するはずはありませんが、周辺部の光をカットすることでケラレがなくなるなど多少の効果は期待できるのではと考えました。
F16まで絞ると完全に逆効果で、どういうことか小さな後玉を留めている金属枠が写ったように見えます。
周辺部はブラックではなく、鏡胴内部の色が写っているかのようです。
意外な結果に見えます。

レンズには、F1.5、F2、F2.8、F4、F5.6、F8、F11、F16の各値にクリックストップが付いているので全部の絞り値でテストしてみました。
結果だけ申し上げれば、中間近いF4でわずかに円が拡大したのですが、ほとんど周辺の黒い部分の大きさには変化はありませんでした。
やはり、以降は開放で撮ってトリミングするのが正解のようです。
次の機会があればの話しですが。


大鵬所城から1キロほど先に東山寺という寺院があると聞いたので、足を延ばしてみました。
市街地からかなりはずれにあるので、ひっそり佇む古刹をイメージしたて行ったのですが、まったく読みはあたりませんでした。
しかもかなりの大規模です。

その謂れを知る由もありませんが、大鵬所城が郊外のお出掛けスポットとして人気を博して来たので、便乗商法というかコバンザメ作戦というか、近くに立派なお寺があれば観光客がこぞって来るだろうと考えたのだと思われます。
とくに深圳を訪れるのはツアーがとても多いので、苔むす古刹よりも、新築でもぴかぴかな大規模寺院の方が受けるという発想があったのではと想像します。

比較的近くには、海がきれいで有名な南澳という海水浴場があり、もっと近くには原発もあります。
おそらく、大鵬所城、東山寺、南澳、原発の4つをまわる1日ツアー、海鮮ランチ付き、150元などと売り出すつもりでしょう。
広い中国では、自分の意思でどこへ行っていいか分からず、ツアーに参加する人が多いですし、実際、個人で行くよりはかなり安く回ることができるのです。
このツアーこそ、中国で最後に残った社会主義的な要素だと思います。
【M8/Cine Navitar 2inF16 F16】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Elgeet Cine Navitar 2inF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/27 Fri

多拉A夢鏡胴

M8/Elgeet 50mmF1.5
シネ・ナビターとは冴えない名前で、ナビターイムと唐突に叫ぶ緑ジャンパーの親父とか、成人してもドラえもんを頼るのび太を連想してしまいます。
製造元のエルジートというのも聞いたことがありません。
おそらくアメリカのメーカーのようですが、16mmや8mmのシネレンズを専門に製造していたようです。
ただ、もしかするとコダックと関連があるかも知れず、例えば、イスコがシュナイダーの設計したレンズを製造していたように、エルジートがコダックの依頼を受けてエクターなどのレンズを作っていた可能性があるかも知れず、この辺はまったく侮れません。

無名メーカーのように思いがちですが、実は、キングスレークの「写真レンズの歴史」にもエルジートはしっかり登場しています。
逆望遠レンズの章に、ゴールデン・ナビターF1.2というレンズが構成図付きで出ていますが、これは8mm用の7群9枚で、かつ非球面レンズまで使われたたいへん複雑なレンズです。
そして、同じ章にもう1本名前のみ出ているのが、わたしが使用したのと同名のシネ・ナビターです。

逆望遠の章ですから、いわゆるレトロ・フォーカス・レンズの中のひとつとして紹介されているということです。
では、わたしのレンズもレトロ・フォーカス型かと言えば一目瞭然で違うということが分かります。
前玉は小さく鏡胴が長い、蛍光灯を反射させると3群4枚です。
典型的なペッツパール型のレンズです。

では、名前やF1.5というスペックからしてもプロジェクター用レンズだろうと考えた方はたいへん鋭いですが、これは違います。
ヘリコイドも絞りも最初から付いている、Cマウントの撮影用レンズです。
ただ、いつものことですが、何というカメラのためのレンズかとか、製造年代はまったく不明です。
調べればある程度何か分かるかも知れませんが、昨日、申し上げたようにただ今落ち込んでいて、積極的に調べようという気力が湧かない状況です。

今日の作例では、イメージサークルの足りないブラックアウトレンズを使う常套手段として天地がかなり暗いところを撮影してみました。
確かに欠点が昨日よりは目立たなくなりましたが、そういう撮り方をする必要があるのかなとの疑問も感じないわけではありません。
もともと35mmフルサイズ用に作られたのではなく、16mmシネ用高速レンズなのでこうなるのは無理のないことです。

普段とおりに撮ればいいし、そのまま出すのが見苦しく思えるなら、上下左右をカットすればいいだけのことです。
トリミングするのはイヤだという風潮が根強いですし、わたしもそう思っていましたが、ある方の意見を聞いてそうではなかったと気付かされました。

それは、おおよそこういうことです。
もともと35mmフルサイズのライカで撮っていたわたしが、R-D1を、続いてM8を使って、フルサイズではケラレるシネレンズをぎりぎりカバーしたと喜んでいるのは、フルサイズで撮って周辺をトリミングしているのと同じ行為だというものです。
わたしは、まずR-D1というカメラがあって、それにフィットするフォーマットのレンズを見つけてきて撮影したているので、そんな認識はありませんでしたが、そういう経緯を無視すれば確かにその通りです。

フレーミングガどうこうということもありますが、例えばこのシネ・ナビターを使い75mm用の枠を見ながら撮って周辺の黒い部分が入らないように意識するとすれば、それはまったく自然な撮影行為といえるでしょう。
デジタルの恩恵でフォーマットが多用化した今では、トリミングという概念を考え改めなくてはいけないということです。
レンズのクセに制約を受けるのではなく、それがあるべき本来の姿を考えながら撮影することが、レンズわ自由に楽しむということだとわたしは思います。
【M8/Cine Navitar 2inF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Elgeet Cine Navitar 2inF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2012/04/26 Thu

鵬城飯館

M8/Elgeet 50mmF1.5
この1週間は、わたしにとって地獄としか言いようのない1週間でした。
ずっと無敵だったバルセロナが、手につかみかけていた国内リーグと欧州チャンピオンズリーグの2大タイトルをたった7日の間に立て続けに失ったのです。
19日 チャンピオンズリーグ準決勝1st leg.バルセロナ0-1チェルシー 
21日 スペインリーグ第35節 バルセロナ1-2レアル・マドリード
24日 チャンピオンズリーグ準決勝2nd leg.バルセロナ2-2チェルシー 

たかが、海の向こうのサッカーチームが負けたくらいで何を言ってるんだと批判もあるでしょうが、気力がなくなっていま抜け殻のようになっています。
数日はこんな状態が続くものと思われます。
多感な高校生が、思いを寄せる女の子が別の男とデートしているのを見てしまった、というほどのショックに例えられるでしょう。

落ち込むと言えば、レンズの関係でも失敗が相次いでいて、実はかなりへこんでいました。
2月には、満を持してマウント改造いただいたRUO Kino4.2cmF1.5が、ピントがどこにあるのか分からないような描写にがっくり。
3月には、安全策のはずだったCoral 4.5cmF1.5が、中央以外ぼけぼけなダメレンズと分かり失望。
そして4月には、美しいペッツパール中望遠のLerebours 85mmF3.5が周辺が激しく流れるばかりか、肝心の中心部にまでピント面が見当たらないという好いところのない写りに絶望。
そんな具合です。

連続して起こったショックが癒えないうちに、今回、中国に持参したレンズはさらなる追い打ちをかけて、わたしを更なるどん底にうち沈めようとします。
イメージサークルがM8のそれをも満たさず、作例のとおりのトンネルまたは鍵穴画像になってしまいました。
トリミングしようかとも思いましたが、ひとまず、今回は数枚そのまま出すことで、このレンズのフォーマットを理解いただくことにします。
次の機会では、トリミングしてブラックアウトしている部分は取り去ろうかと考えています。

大鵬所城の中のレストランで食事していると、自転車のツーリングに来た男女がやはりここで食事しようかと店の外観を品定めしたところをスナップしたものです。
女性は日焼け止めで顔が真っ白になっていて年齢が分からないのですが、男性は40歳代後半から50歳代前半というところでしょうか。
だとすると夫婦というよりも親子のように見えるのですが、いかがでしょうか。

それに女性がツーリングのスタイルをすると格好良く見えるのに、おっさんがきまっているだろというふうなツーリングのかっこうをすると間抜けにしか見えないのが不思議です。
万一、このふたりが走行中に交通事故にあって救急車を呼んでも、女性の方は賢明な処置のもとに大切に病院に運ばれるでしょうが、この男性の方は路上にそのまま放置されそうに見えるのですが、そんなことはないでしょうか。
いや、作例の男が特殊なだけかも知れません。
【M8/Cine Navitar 2inF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Elgeet Cine Navitar 2inF1.5 | trackback(1) | comment(0) | 2012/04/25 Wed
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