以后不拍

M8/Aplanat 90mmF11
今夜は、おっぱままつりの最終回ですが、お約束のように登場のカーニバルダンサーになってしまいました。
プログラム上、リオのカーニバルという名前が使われていたパレードで、おっぱままつりの大トリでもあったので、わたしは大いに期待していました。
地球の反対側で開催される、大イベントを間近で見られ、不謹慎ながらその主役は露出の大きい服装で激しく踊るのですから。

数百メートルはあろうかという追浜銀座通りを踊りながら往復するというので、撮影チャンスは2回あります。
スタート地点を出発したカーニバルは間もなく目の前にというところで、大量のアマチュアカメラマン(?)もいっしょになだれ込んできました。
カーニバルの様子を見ることはできますが、彼らが目の前にいて撮影するにはたいへん厳しい状況です。
ひとことで言えば、邪魔でした。

まともに撮ることはできなかったので、折り返して戻ってくる時はゴール地点で待ちかまえてよい場所で撮影してやれと作戦を立てました。
けっこうな時間を経て、カーニバルは戻って来ます。
取り巻きカメラマンも先ほど同様ぞろぞろと付いてきています。

奴らはなんなんだ、まるで無料の水着撮影会とでも勘違いしてるんじゃないか、にやにやしていてみっともないし、そもそもカーニバルの意味がキリスト教の謝肉祭でわれわれもいっしょに踊ったりして祝わなければいけないのにそれすらしていない…。
などと腹を立てながら考えたのですが、あれっ、そのすべてが自分にだって当てはまるじゃないかと気付きました。
そう思った途端、気持ちがすぅーっと引くのが分かりました。

わたしは違うんだと抵抗しようともがきますが、もがけばもがくほど自分も所詮は同じ穴のムジナと思い知らされるばかりです。
音楽に合わせて手拍子でもしようとしますが、すでにそういう雰囲気でないと悟っているダンサーたちが踊りなんて止めています。
ただ、取り巻きを従えてだらだら歩いているだけ。
ときどきカメラ用でしょうか、踊っているようなポーズをとるのみです。

あるダンサーは、かまわずポロリと出してしまっているのもいました。
ハプニングというよりは出しっ放しで、何か意図があるのではと思わせる雰囲気です。
これではおっぱままつりならぬおっぱいまつりではないですか…。

これが日本式のカーニバルなんだよ、みんなといっしょに楽しめばいいじゃない、という声がどこからか聞こえてきそうです。
でも、楽しんでいるのは男だけ、沿道の女性は冷ややかに男たちを見ていることでしょうし、子どもたちまでもがあきれているように思えてなりません。
しかも、よりによって、そんなカーニバルを写した今日の作例が、グラブ・アプラナットいちばんのすばらしい描写になってしまいました。
【M8/Aplanat 90mmF11 F11】
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Grubb Aplanat 90mmF11 | trackback(0) | comment(0) | 2012/07/22 Sun

160年前的照片

M8/Aplanat 90mmF11
古写真についてはほとんど知識がありませんが、その分しばしば新しい発見があって、むそれがまた楽しませてくれます。
まず、ダゲレオタイプ、アンプロタイプの写真は、サイズがとても小さいということが分かりました。
1/6プレート、1/9プレートなどと表現されますが、前者は7×8センチ、後者に至っては5×6しかありません。
さすがに免許の写真よりは小さいですが、1/9プレートはパスポートのそれとどっこいどっこいというところでしょう。

このふたサイズが主流で、まれに1/4プレートと言うサイズが出ます。
8×11センチですが、これはクォータープレートといって、ようやく名刺よりもひとまわり大きい程度の大きさです。
それでも珍しいということもあって、相場がかなり上がってしまいます。
数が多くて小さすぎない1/6プレートが、購入するのでしたら狙い目だと言えると思います。

1/6プレートであれば値段は落ち着いているかと言えば、まったくそうではありません。
まず、コンディションの問題があって、銀板とも言われるダゲレオタイプではキズが付きやすく腐触しているものがけっこうありますし、ガラスのアンプロタイプは割れているものも時々見かけます。

写真のほとんどはポートレイトですが、これが風景写真になれば価格はぐんと上がりますし、ポートレイトでも被写体自体の魅力によって価格は千差万別です。
老人などは安く、美女が高くなるのはいたしかたないことでしょう。
そのためオークションのタイトルにBeautiful young ladyなどという表現がよく使われますが、実際に写真を見てみると野暮ったいおばさんだったということは日常茶飯です。

そして値段を決めるもうひとつの決定的要素は、写りの質ということになります。
シャープで解像がすばらしいものがもっぱら好まれるのは当然のことです。
ただ、ここで面白いのは、シャープ&高解像とうたっていながら、それは中心部だけで周辺は崩れているものが時々見られるということです。
写真の質ということではいまひとつということになりますが、レンズ趣味にとってはこれがけっこう楽しめるのです。
今日の作例のような少女のポートレイトと似たような写りのものもあって、このレンズで撮ったダゲレオタイプも見つかるんじゃないかという気にさえなってきました。

ダゲレオタイプもアンプロタイプも一般的なもので、100ドルくらいするのが普通です。
さすがに小さな写真に1万円も出すのはかなり抵抗があります。
50ドル以下だとコンディションに問題あるものがほとんどですが、どうしたことか、まずまずの状態でその程度にまでしか価格が上がらないものも稀にあって、そういったものを3枚ほど落札してみました。
いまのサービスサイズの3分の1、4分の1の小ささですが、凝縮された宝石のような輝きがありました。
これが、写真の原点の美しさというものでしょうか。
【M8/Aplanat 90mmF11 F11】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Grubb Aplanat 90mmF11 | trackback(0) | comment(2) | 2012/07/21 Sat

従反対方面看鏡頭

M8/Aplanat 90mmF11
6月9日にマクロ・プラズマートをオーダーしてから、かれこれおよそ40日、レンズを購入しない日が続いています。
とくに禁断症状も出ていませんし、何しろレンズは大量に保有しています。
あまり大きな声では言えませんが、未だ使っていないレンズが10本以上、改造待ちのレンズもやはり10本以上、防湿庫でスタンバイしています。

では、レンズ探しに費やされていた1日30分程度の時間はどうなったかと言うと、ちょっとだけ違う角度にシフトして続けられています。
見ているのはやはりオークションサイトですが、検索はレンズ関連ではなく写真史というか写真術史に関するものを眺めています。
これでは言い方が遠まわし過ぎるので、ずはりな言い方をすれば19世紀の写真を見ているのです。

より端的に言えば、1830年代後半から60年代くらいの、ダゲレオタイプ、アンプロタイプ、ティンタイプの写真です。
ダゲレオタイプは、最初の写真術としてよく知られていますが、1839年に発明された銅板に銀を塗って感光させる写真術です。
アンプロタイプは、それより12年ほど遅れて発明された、ガラスにヨードなどの溶液を塗って感光させる写真術です。
ティンタイプは、アンプロタイプより若干後に登場していますが、手法はアンプロタイプ同様で、ガラスの代わりに安価なブリキの板を使ったものです。

アンプロタイプの登場によってダゲレオタイプが駆逐されたかというとそういうことではなく、撮影機材がたいへん高価だったことなどや主に普及していたアメリカが広く広まるまでに時間がかかったため、両者は並行して使われていた時期が何年もあります。
一方でティンタイプは、安価な撮影を実現したため、それまで裕福な人しか縁のなかった写真を中流階層まで広げ、当然のごとくダゲレオタイプ、アンプロタイプを廃れさせてしまったのでした。

ですから、オークションで流通しているのは圧倒的にティンタイプが多く、市場価格も比較的安価です。
ダゲレオタイプ、アンプロタイプは希少で高価かといえば、それほどでもないというものも結構あります。
売りに出るものの95%以上は肖像写真かそれに類するもので、写真術が誕生してしばらくは芸術として認知されるに至らず、もっぱら写真館で用いられる商売道具にすぎなかったわけです。

といっても、当時の技術と知識の粋を集めたカメラとレンズが使われているのですから、撮影された写真だってたいへん興味深いものがあります。
1830年代から70年の間には、シュバリエの色消しレンズから始まって、ペッツパールやロスのダプレット、先週使ったグラブのアプラナット等々の各種レンズが登場しているので、どのレンズが使われたかなど想像するだけで楽しくなってしまいます。
PCディスプレイから何が分かるということもないかも知れませんが、歴史的レンズを逆方向から知る密かな愉しみに、ひとり悦に入っているのです。
【M8/Aplanat 90mmF11 F11】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Grubb Aplanat 90mmF11 | trackback(0) | comment(0) | 2012/07/20 Fri

感覚很恐怖

M8/Aplanat 90mmF11
わたしが子どもの頃にも、比較的近くで夏祭りがありました。
やはり祭りはとても楽しみで、今日はお祭りだという日にはわくわくした記憶がはっきり残っています。
しかし、そのわくわく感というのは、よく考えてみると本来の例大祭とは関係なく、人が集まる賑やかな雰囲気や何より年に一度の出店を巡る楽しみだけだったということに気付きます。
小さな子どもにとっての祭りはその程度のものだと断言してよいのではないでしょうか。

というのも、おっぱままつりではお神輿が十基以上出ていてうち一基は子ども神輿だったのですが、その子どもたちを見ていると誰ひとりとしてお祭りを楽しんでいるという雰囲気の子がいないのです。
なんでめちゃくちゃ暑いのにこんなことしなくちゃいけないの、早く遊びに行きたいよ、とまるで顔に書いてあるような一様な不満顔を見せつけられました。
まわりの父兄がわっしょい、わっしょいとはやし立てているのに口が動いている子どもは皆無です。
どうしても、おとなが子どもに対して神輿担ぎを強要しているように見えるのが気になりました。

参加している子たちがこんなであれば、見ている子どもたちはもっと辛いようです。
父親が神輿担いでいるので家族で応援に来ているのならまだいいのでしょうが、親に連れられて漫然と見る神輿は退屈で仕方ありません。
どこか連れてけとぐずる子、泣きだす子、あくび連発、そして多くが眠ってしまう。
作例のように、普段と違うかっこうで勇壮に駆け回るおとなを見て、恐怖におののく子まで出てくる始末です。

ksmtさんとは、いっしょに行動しつつも、適宜、別行動するなどしてそれぞれ勝手に祭りを見たり見なかったり
していました。
いっしょが半分、別々が半分というところでしょうか。
それでも意見が一致をみたのは、お祭りそのものよりそれを見ている観衆を見ている方がずっと面白いと思ったということでした。
例え祭りが退屈だったとしても、その周りには楽しみがいっぱい転がっているのです。
【M8/Aplanat 90mmF11 F11】
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Grubb Aplanat 90mmF11 | trackback(0) | comment(0) | 2012/07/19 Thu

白鬚

M8/Aplanat 90mmF11
ここ1ヶ月くらい新たにレンズを買っていません。
一般的にいえばごく普通のことなので、ここに書く必要はまったくないと思われます。
ただ、ここ数年というもの、1ヶ月以上レンズを買わなかったというのは記憶になく、あたかもマグロが泳ぎ続けないと呼吸出来なくなって死んでしまうように、ひたすらレンズを買い続けてきました。

なぜレンズを買わなかったかは他でもありません。
マクロ・プラズマートを購入したからです。
このレンズは、20万円近くもしたので、レンズどころかあらゆるものごとを節制せざるを得なくなっている現状があります。

金銭面は別にしても、マクロ・プラズマートはわたしにとってのメルクマールのような存在で、これが終着駅だといううことではありませんが、ひとつの目標を達成したことで自粛のブレーキがかかったということの方が理由としては強く存在しています。
6月にボーナスが出て、以前から欲しいと考えていた10万円強のレンズを購入する計画でしたが、マクロ・プラズマートを手に入れたことで、このレンズはあきらめました。

この機会に、レンズ比較などを計画できればとも思ったのですが、しばらくこの日記スタイルは変更できそうもありません。
それに、いつ歯止めが外れて、レンズ購入したくなるのか、その反動でまた一気にレンズが増えるのではとの不安も抱えています。

さて、今日の作例のお神輿ですが、収差レンズともトイレンズとも言うべきグラブ・アプラナットはハイライトがかなり滲んで独特の表現をします。
白装束が神々しいほどに滲んでいます。
失礼ながら中央の男性が仙人のように現実離れした姿に見えてしまうところに、アプラナットの本領が発揮されています。

色再現性もすこぶる悪いのが気になります。
赤がくすんだオレンジ色に転んで、金色から輝きは失なわれてしまいました。
ややアンダーになったり曇った場所で撮ると、こういう悪い悪戯が起こってしまうようです。
致命的なのは肌の色で、男性なら許されるでしょうが、女性を撮る場合は露出にそうとう気を遣わないと、濁った黒っぽい肌で再現されてしまいます。
そう、女性を撮るときはオーバー目にして肌を滲ませれば、ソフト効果が得られるはずですので、それはぜひ試すべきレンズなのです。
【M8/Aplanat 90mmF11 F11】
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Grubb Aplanat 90mmF11 | trackback(0) | comment(0) | 2012/07/18 Wed

気温太熱

M8/Aplanat 90mmF11
バルター研究を進めるksmtさんに対して、わたしも対抗できるようなレンズを持参するのがのぞましいと言えます。
新たな自慢レンズを披露できればいちばんいいですが、ksmtさんのレンズに合わせる手もあります。
バルターを持って行く手もあるし、アメリカ製ということでガンドラック・ウルトラスティグマットをぶつけるのも面白そうです。
写真レンズの歴史によれば、もともとメガネレンズを専門に製造していたボシュロムが他分野に手を広げるときに、まずは顕微鏡の製造にあたって協力したのがガンドラックだったとあるので、バルターの対抗馬のウルトラスティグマットというのは最高の組み合わせかも知れません。

しかし、わたしが持って行ったのは、バルターとはゆかりのまったくない、グラブ・アプラナットというレンズです。
3月に京都・奈良へ行ったときにメインに使ったレンズです。
この関西行ではフィルムケースを強引に鏡胴の中間に入れた簡易改造だったのですが、ヘリコイドに使っているエルマー9cm用のエクステンションチューブを入手できたので、見た目がだいぶ改善されたのでまた持ち出す気持ちになりました。

そのエクステンションチューブはOTQNOというライツのコード記号で約9mmの厚みがあります。
3枚入手できたので3つとも付けてみると前ピンになってしまい、2つで試すと後ピンでした。
この差はレンズヘッド部分のねじで調整できたので、その時点でグラブ・アプラナット第2バージョン閑静ということにしました。
ただ、関西行のときも書きましたが焦店距離は正確に90mmということではない可能性が高いので、ピントにどこかおかしなところがつきまとってしまうような気がします。

グラブ・アプラナットは、クラウンとフリントの貼り合わせ色消しレンズを用いることで、色収差、像面湾曲、球面収差を補正したレンズと言われています。
しかしコマ収差は激しく、像面湾曲も取り切れてないのか中心と周辺部でだいぶ焦店位置が違って見えます。
現時点で、正確な焦点距離不明で収差改善不完全な暫定的改造レンズ、ないしはトイレンズ扱いで今回はいこうと思っています。
この日の様子は近々アップされると思われるksmtドット・コムの方で確認いただければということで。

さて、今日の作例は、沖縄エイサーを笑顔で演じる皆さんです。
低い姿勢で撮影せざるを得なかったのですが、そのため曇っていたにも関わらず太陽の影響を受けてコントラストがどーんと下がってしまいました。
沖縄は暑いところですが、エイサーをやる時は長袖の正装でないといけないという決まりがあるのでしょうか。
暑苦しくなるのを笑顔でカバーしているように見えて、なんとも健気な印象を受けました。
【M8/Aplanat 90mmF11 F11】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Grubb Aplanat 90mmF11 | trackback(0) | comment(0) | 2012/07/17 Tue

緑髪観光大使

M8/Aplanat 90mmF11
コンタクトレンズで有名なボシュロムですが、かつて撮影用のレンズを製造していた時期があります。
当初はプロターやテッサーなどのツァイスパテントのレンズやペッツパールタイプのレンズなど、オリジナルといえるものはなかったようですが、1920年代以降は映画産業の台頭によって、シネ用レンズで全盛時代を迎えます。
その代表レンズであるバルターを入手したので、テストを兼ねて出掛けることにしました。

言い忘れましたが、入手したのはわたしではなくksmtさんです。
75mmと100mmのバルターを一度に購入したというのですが、安かったからと、75mmを2本、100mmを3本一度にまとめて買ったそうです。
1本ずつより、複数を同時に調べたほうが、そのレンズのことがよく分かるからだと聞きました。
さすがです。
こんな話しを聞けるだけでもksmtさんをお誘いしてよかったと思います。

海の日がハッピーマンディになって毎年3連休になりましたが、その影響もあるのか、この期間には各地でいろいろの催しが開かれます。
よりどりみどりの状況ですが、横須賀で開催のおっぱままつりに繰り出すことにしました。
適当に近場で、ふたりとも追浜には行ったことが無かったからです。
プログラムを見るとksmtさんのポートレイトレンズをテストする場もあると分かったのが決定打となりました。

さて、開会ですが、あまりによいポジショニングをしてしまったため、あいさつと来賓が目の前です。
緑髪のコスプレ観光大使が撮りたかったのですが、彼女は横向きで代わってコスプレの友だちがこちら向きになりました。
市内出身の目立ちたがり国会議員のの姿もあります。
親子であちこちのイベントやあいさつに顔を出し、得意の演説や時にはカラオケまで披露して名物というかあきれられている存在だったりすると、地元の方に聞きました。

伝統的な神輿の渡御があるかと思えば、沖縄エイサーやらリオのカーニバルやらまである横須賀らしいようならしくないようなおまつりの開幕です。
また、言い忘れていましたが、追浜と書いておいはまではなく、おっぱまと読みます。
それで、おっぱままつりなのですが、地元ではともかく、全国的にどの程度知られた読み方なのでしょうか。
【M8/Aplanat 90mmF11 F11】
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Grubb Aplanat 90mmF11 | trackback(0) | comment(0) | 2012/07/16 Mon

自己的是自己做

M8/Grubb 90mmF11
昨日でレンズのことは終わったはずですが、肝心なことを書き忘れていたのに気付きました。
このレンズ前にも書いたように刻印は、"Grubb Patent No. 245"となっているだけです。
むかしの多くのレンズがそうだったように焦点距離もF値も記載がないため、今まで書いてきた90mmF11というのは適当な数字だったのです。
売主の話では、だいたい90mmくらいだろうということは言っていましたので、それのみを信じて買いました。

そしてライカマウント化ですが、到着が京都行きの前々日だったためMSオプティカルに送っていては間に合いません。
そこでダメもとで、自ら改造に挑んだのでした。
と言ってもそんな技術も装備もないので、改造はほんとうにシンプルなものです。
まずは蛍光灯の灯りをレンズを通して手のひらに当て、おおよその焦点位置を見ます。
エルマー90mmより幾分長く、もしかすると100mmくらいあるかも知れませんし、主点の位置が後方にあるだけでやはり90mmかも知れません。

とにかく、レンズがキズだらけで格安購入しておいた黒塗りのエルマーに付けてみます。
驚くことにエルマーのレンズヘッドをはずしたところにグラブのレンズがぴったりと嵌まりました。
スクリュー径がいっしょだったのです。
これでそのままピントが合えば奇跡ですが、やはりさきほど見た通りもっと前面に出さなければピントは来ませんでした。
2センチ近いエクステンションチューブがあればばっちりですが、そんなものがksmtさんの家のように見つかる訳がありません。

何かスペーサーになるものはないかと考えたところ、意外にも身近なところにそれは見つかりました。
フィルムのケースです。
この径がレンズにぴったりで、あとは長さをカッターで調整すればよいだけです。2~3ミリずつ切って最短距離で撮ってみるという作業を数回繰り返すと、どうやら許容範囲というところまできました。
そのまま、無限にして撮ってみても、だいたい合焦しているように見えます。
たいへん暗いレンズなので深度幅が広く、それが幸いしたとも、正確性を分からなくしたとも言えそうです。
いちおう普通に撮れるようなので、それ以上は追及しないこととします。

フィルムケースは白ですし、レンズの内側も金ぴかのままだったので、内面反射防止処理を施さなければいけません。
これは艶消し黒のテープを丁寧に貼ることで簡単に解決しました。
撮り直すと、先ほどの真っ白な写真がウソのようにまともに写ってくれます。
作業開始から1時間もせず、ライカ距離計連動のグラブ・アプラナットはいちおうの完成を見ることができました。

そこで、焦点距離はそのままエルマーのヘリコイドが生きていることから90mmとし、F値はちゃんと写るエルマー90mmと交互に撮り比べて、F11のときほぼ同じ露出が得られたので、ここに晴れて90mmF11という暫定スペックを決定させていただきました。
計測し直してもらったら実はまったく違っていたということがあり得るということを、ご了承いただければと思います。

ksmtさんのホームメイドのレンズ改造はあまりに有名ですし、knpmさんもライカⅡDデジタルを自作してしまう技の持ち主です。
そんなふたりには到底及びませんが、時間がない中で幸運に恵まれて形にできたグラブ・アプラナットを贔屓してきた理由はご理解いただけるのではないかと思います。
エルマーベースなだけに、見た目もなかなか悪くはありません。
【M8/Aplanat 90mmF11 F11】
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Grubb Aplanat 90mmF11 | trackback(0) | comment(0) | 2012/03/19 Mon

井伊鏡頭

M8/Grubb 90mmF11
今日もまたグラブ・アプラナットの作例です。
6日連続でアップするなんてそんなに気に入ったのかと問われれば、ちょっと言葉は濁さざるを得ませんが、わたしとしては満更でもありません。
暗い望遠で写りも眠たいレンズというと普通はあまり使いたくなくなるでしょうが、なにしろ歴史的なレンズです。
一般的には5インチとか200mmとか長焦点の個体しかない中で、90mmという珍らしい焦点距離を見つけたのですからいろいろと使ってみたくなります。
たぶん距離計連動ライカでグラブ・アプラナットを使ったのは、世界初の試みでしょう。

暗い望遠は逆光ではフレアがかかり使いにくいことこの上ありません。
だから、日常の撮影だとなかなか撮影そのものが困難になりますので、京都、奈良に持って行く方が使用機会がずっと多く、これは結果的に正解だったとも思います。

また、これはあくまで推定ですが、わたしの個体は1858年製のようです。
わたしの持っている最古のレンズは、ダルマイヤーのペッツパール型レンズで、これはシリアル番号から1861年の製造だということがはっきりしています。
わずか3年ですが、オールデストレンズの座はグラブ・アプラナットの手に渡ったということになります。

気になる1858年がどんな年なのか簡単にみてみることにしましょう。
1858年と検索すると、ウィキペディアの1858年を見ることができ実に簡単です。
日本はまだ江戸時代、安政4年になります。
6月 井伊直弼が大老に就任
7月 日米修好通商条約調印
8月 第13代征夷大将軍徳川家定薨去
10月 安政の大獄による捕縛開始
11月 第14代征夷大将軍に徳川家茂が就任
また、この年、福澤諭吉が蘭学塾(後の慶應義塾)を創立しました。

世界を見てもそれほど知られた出来事はありませんが、カナダはまだ英国領だったとあります。
この年生まれた有名人もたくさん列挙されていますが、わたしが知っているのは、
ルドルフ・ディーゼル、発明家(+ 1913年)
ウジェーヌ・イザイ、指揮者・作曲家・ヴァイオリニスト(+ 1931年)
フェルナン・クノップフ、画家(+ 1921年)
セオドア・ルーズベルト、第26代アメリカ合衆国大統領(+ 1919年)
尾崎行雄、政治家(+ 1954年)
くらいで、ちょっと地味な印象です。

ちなみに明治元年は1868年ですので、まだ10年も先のことです。

さて、今日の作例は、長谷寺からですが、お坊さんが集まって来て仁王門から垂れ幕の設営を始めました。
長焦点レンズなのでじりじりと後ずさりしてフレーム内に収めます。
中央部の文字はきりっと捉えますが、両端のお坊さんたちはすっかり収差の中に埋もれるかっこうです(恐らくコマ)。
暗部は表現されませんし、白幕のハイライトも滲んでちょっと苦しそうですね。

ただ、そんなところに苦言を並べていてはこういうレンズを愉しめません。
おおらかに認める寛容な目で見てください。
なにしろ井伊直弼が大老になった年のレンズなのですから。
【M8/Aplanat 90mmF11 F11】
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Grubb Aplanat 90mmF11 | trackback(0) | comment(2) | 2012/03/18 Sun

晴天鏡頭

M8/Grubb 90mmF11
このブログでは、文末の【】の中にカメラ名、レンズ名と使用したF値を記しています。
【M8/Hektor 5cmF2.5 F2.5】という具合で、これは、ライカM8にヘクトール5cmF2.5を付けて、F2.5で撮ったことを示しています。
M8を入手してからはシャッター速度1/8000の恩恵を得て、どんな高速レンズでもほとんど開放で撮っていますので、【】内の2つあるF値も同じになっています。

今回のグラブ・アプラナットは、もちろんF1.1ではなくF11ですが、すべてそのF11開放で撮影しています。
理由は、もともと暗いから絞る必要がないからではなく、絞りが固定されているからです。
キングスレークの本にもこのレンズの構成図が出ていますが、レンズはゆるやかな曲率の前凹のメニスカス貼り合わせがある1群2枚で、その前方に絞りが置かれています。

まだ虹彩絞りが発明される前ですので今のような絞りが使われていないのは当然ですが、このレンズではワッシャーのようなかたちの真ん中に穴が開いた板が固定されているだけで、F値を動かせません。
ちなみに、このレンズの登場が1857年、ウォーターハウス絞りが開発されたのが1858年、虹彩絞りは同じ1958年にハリスンによって発明されましたが、一般化したのは同型のシャッターが出てくる1880年より後のことのようです。

さて、このレンズ、"Grubb Patent No. 245"とだけ手彫りで刻印されています。
シリアル番号だけ見るとかなり初期の製造のように思われますが、一方でキングスレークが40年にわたり数百本売られたと書いていますので、もっと後の製造かも知れずその辺がよく分かりませんでした。
しかし、あるレンズに関する掲示板にNo.1686を所有する方が恐らく1858/59年と書かれていて、わたしのレンズも同年と見ていいのかも知れません。
だとすれば、アプラナットの中でもかなり初期の製造ということになります。

アプラナットの表記がないので違うレンズではないかとの疑念もあります。
わたしはアプラナットであると信じています。
その理由は、このレンズの購入元がグラブ・アプラナットを扱ったことがあって、レンズを見て同じアプラナットだろうと言っていることがあります。
また、レンズ構成はアプラナットと同じで、グラブにはこの時期に他のレンズが知られていません。

キングスレークがコマ収差があることをはっきり書いていますが、このレンズの作例を見ると中央がまずまずシャープでも周辺はかなりコマの影響が出てしまっているのが見て取れます。
一方で取り除かれた湾曲と球面収差の影響はあまり感じられないことを考えると、やはり、このレンズをアプラナットと言っていいのではと思えます。

とは言っても、メニスカス1群のレンズでは性能に限界があるのもよく分かります。
晴天下ではレンズのコントラストが上がりシャープになったように見えますが、やはりコントラストは低く、拡大すると解像度が著しく低いことも分かりました。
どんより曇ったところで撮ると、おとといの京都の作例のように、超ローコントラストな絵になってしまいます。
晴天專用レンズと言えそうです。
【M8/Aplanat 90mmF11 F11】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Grubb Aplanat 90mmF11 | trackback(0) | comment(0) | 2012/03/17 Sat

油納豆?

M8/Grubb 90mmF11
関西遠征の2日目、当初はggrpさんたちが8×10などの大判カメラをお持ちいただいて、本格的な撮影を目の当たりにする予定でいました。
わたしはいつもと同じスタイルですが、せっかくの機会ですから面白いレンズを新たに入手して、自慢とともに見ていただきたいと考えていました。
ところが、なかなかライカマウントのレンズは高価になって買えない状況になっているのは何度も話をしたとおりです。

そこでggrpさんの大判に合わせるように、19世紀のバレルレンズを見つけ出しました。
かなり古いレンズで調べるとペッツパール型のようですし焦点距離が90mmとなっていたので、迷わず購入します。
写りは分かりませんが、珍品度で言えばかなり自慢できるレンズです。
勇んでMSオプティカルに送り、ライカマウント化の改造を依頼しました。
ところが、レンズをチェックした宮崎さんは、偏芯を見つけ、これを直すのにはかなり時間がかかると電話をくれたのです。
関西遠征には間に合わないとのことで、目論見は崩れ去りました。

新しいレンズは諦めざるを得ないと思っていた矢先、またオールドレンズが現れます。
しかもそれは、わたしがここ何年か探していたたいへん古いレンズです。
前のレンズよりずっと高かったのですが、これを逃すと次の機会はないものと思えとばかり、えいやと購入してしまいました。
イギリスの業者からで、遠征に間に合うかはかなり難しいと覚悟していたのですが、出発の前々日にはぎりぎりライカマウントになっていて、今回の自慢レンズにすることができました。

それが、グラブ・アプラナットです。
一般的にはまず聞いたこともないような名前ですが、キングスレークの本を座右の書にしているようなオールドレンズファンには案外知名度のあるレンズではないかと思っています。
このレンズの資料は今のところそのキングスレークの本だけですが、それによれば、写真用のレンズとしては最初期の重要レンズと位置付けられています。

まず、写真以前のカメラオブスキュラ用のレンズとして、1812年頃にはイギリスのウォラストンによるメニスカス一枚玉がしていました。
1839年に写真が発明されると、単玉では色収差が出てしまうこともあり、シュバリエが二枚貼り合わせの色消
しレンズを設計します。
ところがこの色消しレンズは、貼り合わせ面の曲率の強さのために像面が後ろに沿ってしまい、平面性のある単玉がいいのか色消しがいいのか、というレベルにとどまることになりました。

色消しで平面性を出す試みはいろいろと研究されたようですが、1857年のグラブのアプラナットはクラウンガラス+フリントガラスの組み合わせで貼り合わせする設計で球面収差を減らし、像面を平らにすることに成功しました。
ですから、レンズ発展史の風景レンズの分野においては、ウォラストン、シュバリエの次に出現し、色収差、像面湾曲、球面収差を一度に大幅改善したすごいレンズと位置付けられるのです。

もちろん人物用レンズとしては、すでに1841年にペッツパールが製造されていますから、グラブはそれより16年も遅れています。
それでも風景用レンズの大幅改良は、当時、たいへん歓迎された出来事だったようです。
キングスレークは、このレンズが約40年にわたり何百個と製造され、同様の構成のレンズが最近のソフトフォーカスレンズとして復活しており、有名なダルマイヤーのラピッドレクチニアもグラブのレンズを使って作ったのではと思われるなどなどと紹介することで、このレンズを讃えています。
【M8/Aplanat 90mmF11 F11】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Grubb Aplanat 90mmF11 | trackback(1) | comment(2) | 2012/03/16 Fri

旧鏡鑑定

M8/Grubb 90mmF11
2年前と同様、大阪のggrpさんとお会いすることができました。
夜は、ggrpさんの案内で市場の焼肉を楽しみました。
ただ、たいへん残念だったのは、もうおひとりTREXさん(そのままじゃないか!)が体調を崩されたそうで、今回はついぞお会いできませんでした。

ともあれ、ggrpさんの参加で一気にレンズ話が佳境を迎えることになります。
撮影の主力が大判に移行しているggrpさんですが、やはりノンライツを中心としたレアなオールドレンズの知識は群を抜いています。
このジャンルに縁のないksmtさんにはたいへん申し訳なかったのですが。

個人的には朗報もありました。
昨年手に入れたわたしとしては、旧エルマーと信じるレンズですが、その場でggrpさんに見ていただき、その可能性か高まったのです。
刻印が違い、一部パーツもオリジナルと異なっていましたのでお墨付きはもらえませんでしたが、他のチェックポイントはすべてクリアしたので、旧エルマーの可能性が高いということです。

とくに旧エルマーのフェイクに多いポイントは専用の器具でチェックいただいたので、出自から考えても、わたしの中では旧エルマーと勝手に確信しています。
それらのポイントについては、インターネット上で公開されているのを見たことがないもので、ggrpさんが独自に得られた希少な情報と考え、わたしの方から説明するようなことは一切控えさせていただくこと、ご了承ください。

さて、翌朝はそのggrpさんの案内で、奈良へ向かいました。
当初予報が悪く、京都へ向かう朝家を出るときには大雨で、新横浜駅ではみぞれ模様だったのですが、到着した京都では天気が持ち直し、そして奈良雲ひとつない快晴です。
我々関東から参加した誰かが雨男で、関西の誰かはそれに勝る晴れ男だということのようです。
3年振りに訪れた談山神社ですが、前回どんよりした天気だったのに対してこれだけの上天気だと、ずいぶんと違う印象になり、別の場所に来たかのように思われました。
【M8/Aplanat 90mmF11 F11】
Grubb Aplanat 90mmF11 | trackback(0) | comment(2) | 2012/03/15 Thu

再来鏡頭店

M8/Grubb 90mmF11
3時には、京都を後にしなければなりません。
最初、あんなにゆっくり歩いていたのに、終盤戦はすごい勢いで駆け抜けていきました。
なんともペース配分のヘタな集まりです。
いえ、仕事ならともかく、好きでやっていることは計算高く動いたり、ツアーのようにカチカチっと動くようなことがみんなイヤなのです。

ランチは、歩いている途中で見つけた生パスタの店でした。
それまで少しは自己紹介したり、おしゃべりも皆無ではありませんでしたが、お昼にテーブルに付いたときなんやかやと話が始まります。
食事中だけで話は尽きないので、コーヒーを飲み終わってもそれは継続するのですが、どうやらここは相当な人気店らしく隣は予約席のプレートがかかっていましたし、店外に空くのを待つ女性たちが何人もいる状態でもかまわず、話し込んでいました。
そんなの歩きながらすれば、時間を効率的に使えるのですから、1時間半もなんとも無駄なことをしていたわけです。

さて、ばたばたとタクシーに乗り込んで京都駅へ、それから新快速で大阪まで出ます。
2年前と同じくこの地のカメラ店を詣でるためです。
ksmtさんやわたしが鎌倉へ行くと、たいがいは円覚寺を訪れるように、関西へ行ったらこのカメラ店に行かないわけにはいけません。
ここの住職ではなかった、店主はすばらしい方で、行くたびにわたしを楽しい思いにさせてくれます。

いやいや、よく考えればわたしがここを訪れるのはまだ2回目でした。
にも関わらず、わたしはここでレンズを2本も買っています。
実は、厳密にはまだ買っておらず、というのは2本とも未完成のライカマウント改造レンズで、これ欲しいですと買おうとすると、では完成したらすぐ送りますと言っていただいているのに、2年経った今でも未だ完成には至っていません。
今回の訪問は予告されていたので、もしかしたらその場で手渡していただけるとの期待もあったのですが、空振りに終わりました。

普通ならがっかりしてしまうところですが、店主mtbrさんが満面の笑顔でまだなんですと恐縮されるのを聞くと、不思議と何だかまあいいかという気持ちになってしまいます。
もしかしたら、この店にわたしを再訪させようという作戦なのかも知れません。
いや、きっとそうでしょう。
まんまと騙されたフリをしつつ、またうかがうことにしましょう。

もうひとつ困ってしまうことがありました。
喉から手が出るほどほしいレンズが、ここにあったのです。
しかしあまりに高くて手が出ないレンズでまたがっくりですが、そのレンズが高価な理由はわたし自身にあったと知り、ますますがっくりと落ち込んでしまいました。
高価な理由、それは今書くことはできませんが、万一、そのレンズを入手できた暁には、ぜひともお伝えしたいと思います。
などと書いて、まだまだこのレンズには未練があるようです。
【M8/Aplanat 90mmF11 F11】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Grubb Aplanat 90mmF11 | trackback(0) | comment(0) | 2012/03/14 Wed

很漂亮呀

M8/Grubb 90mmF11
現地合流で同行いただいたおふたりは京都から1時間かからないところにお住まいだそうで、地元とは言えないかも知れませんが、ちょうど神奈川在住のわたしが、浅草とか築地に行くような感覚でしょうか。
hlgnさんも、ssbdさんも、フットワークの軽い方々のようで、週末には常にどこかへ出掛けられている、そんな印象のふたりです。

時間が限られていることもあって、おふたりには我々のガイドのようにならず、お好きなところへぐいぐい引っ張っていっていただけるのがいちばん好いと話しました。
それでもssbdさんは、どこか行きたいところはないのですかと聞きます。
ありません、ときっぱり答えるべきなのですが、梅の咲いているところ、祇園、と声があがってしまい、結局は我々の好みを優先したコースを歩くことになってしまったようです。
極め付きは昨日の錦市場で、わたしがいかにもまずはお土産という顔をしていたのか、まんまと漬物屋さんに連れて行かれました。

ところで、hlgnさんも、ssbdさんもきれいな町並み、花、女性にはそれほど関心を持っていないようですし、撮影スタイルはおふたりとも近接側で撮るのがメインです。
たとえば、ひとつの通りがあるとすれば、観光客を意識してきれいにつくろわれたところより、生活がそのまま残るような、つまりは観光客が通りませんというようなところをフィールドとしています。
そういうところに連れて行ってほしいという気持ちがあったのですが、我々への気遣いで、やはりオーソドックスなルートどりになるのはいたし方ないところでしょうか。

もうひとつの問題は、我々のスローな動きがssbdさんの予想を覆すものだったことです。
いつも、スナップに歩くと自分やhlgnさんが、いちばん遅くなって同行者がどんどん先に行くというのが常だというのに、我々の歩みはそれよりさらに遅く、彼らが進んで行くと我々はどんどん置いていかれるというテンポでした。
こんなことは初めてだとふたりして笑っているのが印象に残ります。

祇園では舞妓さんがいて、さっそくksmtさんが声をかけ撮影許可を得ます。
もちろん、本当の舞妓さんではなく、観光客が舞妓さんの化粧と着物で歩いているだけなので、hlgnさんは本物ではありませんよと耳打ちしてくれるのですが、我々が意に介せず3人がかりでモデル撮影会のように撮りまくるものですから、ふたりは笑いをとおり越してあきれているようでした。
関東から3人ものオールドレンズ蒐集家がやって来るぞ、どんな高貴な撮影をするのだろうとの大きな期待を、完全に裏切ってしまったことは誰の目にもあきらかだったでしょう。
【M8/Aplanat 90mmF11 F11】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Grubb Aplanat 90mmF11 | trackback(0) | comment(2) | 2012/03/13 Tue
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