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80年代的想法

M8/Lykemar3.5cmF3.5
時計修理職人・沈さんのことを補足的に書いておきます。
小さな修理店には仲間と愛娘のふたりも働いています。
いくら絶好のロケーションにある店とはいっても、3人がフルに稼働するほど客が来ることはまずないだろうと思われます。

沈さんは、娘に修理のノウハウを半年間叩きこみ、彼女がどうにかやって行けるようになるのを見届けてから、やおら手表二手店をオープンさせました。
手表とは中国語の時計のことで、二手はセカンドハンドの中国語訳ですから中古品の意味です。
つまり中古の時計屋を、修理店の1/3のスペースでやりだしたのでした。
なんでも深圳で最初に許可を受けた手表二手店だと自慢たっぷりです。

ただ、スタートしてまだ1ヶ月しか経っておらず、売り物は十数本きりありません。
それでもすでに何本か売り上げているそうで、これからどんどん拡大すると意気込んでいます。
ひいては、相場がずっと安い日本で買いたいが協力してくれと、本気かどうか分からないような笑いながらのお願いをします。
あれっ、 前にもこんな話があったような…?。

それでも、彼はもうばりばりと仕事をするつもりはないのだそうです。
四十代後半にして、もう引退して悠々自適の生活を考えているのです。
だから中古時計販売は趣味でやるようなものだということでした。
そういう発想なら、たまに友人をたくさん招いて、自慢を混えて話に花を咲かせたりするのが何よりの楽しみというのも分かるような気がしてきます。

香港の友だちで、小学校の先生をしているのですが、やはり30代半ばくらいで引退を考えている人がいました。
恩給がわずかながらもらえるし、武漢出身の奥さんの弟を使ってのんびり建築材料の卸でもやろうと計画しているようでした。
その後、彼にはずっと会っていなくてどうしているのか分かりませんが、どうも中国では、とりわけ広東省では、若いうちに懸命に働いて、早めにドロップアウトしてのんびり暮らすというライフスタイルがステイタスになっているように思います。

年取ってまであくせくはたらく必要はない、自分の蓄えがあって、子どもたちが面倒を見てくれればそれが一番と考えるのでしょう。
豊かでなくても家族に囲まれてのんびり生活するのが幸福だと思っているのだとすれば、中国人はいつでも金、金と言っているという認識を変えなくてはいけないかも知れません。

とはいえ、そういう考え方は、今後一気に消え去ることになるような気がします。
1980年代、万元戸という言葉があって、年収が1万元(たぶん当時のレートでも30万円程度でしょう)あるとすごいずこいともてはやされた時代がありました。
物価がたいへん安く定期預金の金利が20%もあったころで、200万円あれば一生遊んで暮らせると言われていたと本で読みました。

若いころ、そんな中で育った沈さんや香港の友だちのような世代は、早くにお金をためてさっさと引退というライフプランができだことでしょう。
ところが、いまの人たちは頑張れば、いくらでも金儲けできるという話を聞いて育ってきたのです。
若くして引退なんて誰が考えるでしょうか。
【M8/Lykemar 35mmF3.5 F3.5】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Kodak Lykemar 35nnF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/11/17 Thu

豪宴

M8/Lykemar3.5cmF3.5
昨日、時計を調整してもらいにいって懐しい知り合いにあった話しをしておきながら、大切なことを忘れていました。
もちろん時計は簡単に調整してもらい、日差4~5秒になったということです。
また、わたしの時計もクロコ型押しのなかなかに高級感あるバンドを付けてもらい大満足です。
前に利用して、腕は信頼できると思っていましたが、それが確信できました。

中国では時計の修理も革バンドも激安ですが、さすがにお金は受け取れないと言われた時はそういう訳にはいかないとこちらも突っぱねました。
どうしても受け取ろうとしないので、夜会う時にこちらで支払えばいいやと考え直しました。
ところが、その考えはたいへんあまかったと後で気付かされます。

友人と夕食を済ませて話をしていると、携帯が鳴ってその時計修理師・沈さんから、いまレストランで仲間内と飯を食っているのでただちに来るようにと呼び出されます。
住所を控えてタクシーに乗ると驚くべきマンションが林立する場所で降ろされました。
そこは、以前このブログに何度も登場した美女、王老師の家のまん前だったのです。
もっとも彼女は2年前に実家に帰ってしまい、すでにそこには住んでいませんでしたが。
沈さんの家は王老師のマンションの向かいのマンションに暮らしていたとは。

そのマンションの1階にレストランが数軒並んでいて、わたしは王老師と何度も食事をしたものですが、その中の広東料理の店で沈さんたちがテーブルを囲んでいました。
この日たまたま故郷の友人が集まり、時計修理の仲間と合流して久振りに飲み食いとなったとのことです。
自己紹介をすると7人ががやかやと話しだすのでが、ひとり湖南出身の人がいる以外はみな客家の広東人で、その湖南人も商売上理解できるようになった広東語がほとんどで、恐らく客家語混入、たまに普通話が出てくるといった具合で話に全然ついていけません。
みんな白酒で酔っているのか、かなり混沌としているところも多々見られました。

わたしだっていつまでも客観的に見ていられる訳ではありません。
誰かがグラスを持てばみんなグラスを満たして、乾杯が始まりますが、いくらエルマー5cmF3.5くらいの大きさのグラスでも、アルコール度数50度以上の酒を立て続けに飲めば慣れないわたしはすぐグロッキーです。
めったに食べない広東料理ですが、豪勢な海鮮料理は食事を済ませたばかりのわたしの胃にまだ美味しく感ずるものでした。

宴は長く続きましたが12時閉店ということで追い出され解散、となるはずがそのあと高価なマッサージへ行き、戻ってくるとみんなで沈さんが用意したホテルに泊まることになります。
わたしはホテルを別に取っていたのですが。
翌朝は、大ホールのようなレストランへ行きみんなで飲茶の朝飯を食べ、その後沈さんのマンションに移動して珍しいお茶を飲んで解散になりました。

海鮮料理、お酒、高価なマッサージ、ホテル、飲茶…、いくども支払いのチャンスはありましたが、これら全員分すべてを沈さんが払ってしまいました。
たぶん、これらの合計は中国人の平均月収を超えているのは間違いなく、あるいはその倍か3倍くらいいってたのではないかと想像されます。

旧友や外国人が来たということで見栄を張ってのことなのか、中国人の支払いとして当然のことなのか、払って当たり前くらいの高収入なのか、あるいはすべてが当てはまっているのか、とにかくとんでもない太っ腹です。
中国のバブルとはこういうものなのだということなのかも知れません。
日本でもそうだったように。
【M8/Lykemar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Kodak Lykemar 35nnF3.5 | trackback(0) | comment(1) | 2011/11/16 Wed

過了6年

M8/Lykemar3.5cmF3.5
この夏父にプレゼントした自動巻の時計が、早くも日差2分ほども進み出したと言います。
この時計、残念ながら国内正規品ではなく、並行品をかなり格安で購入したものでした。
恐らく修理不可と思い、買う前に精度は問題ないか確認して大丈夫と言われていたのに、やはりこんなことになってしまいがっくりです。

そこで思い出したのが、以前、何度か時計を修理や調整してもらった深圳の時計修理店でした。
自分の時計のバンドもポロポロで交換時期に来ていたので、久しぶりに訪れてみます。
そこは大きなショッピングセンターの小さな店舗で、彼がひとりきり仕切っていました。
長いこと行っていませんが、もう無くなっている可能性もあります。

しかし、彼はやはりそこにいました。
わたしが、近づくと、おおっと声をあげて手を差出します。
彼はわたしを覚えていたばかりか、6年振りだぞと言い、前回いつ、何しに来たかも覚えていると断言までするのでした。
当時、古い時計を何本も持っていて、調整やオーバーホールを何度もお願いしましたが、彼にとってわたしは唯一の常連客だったようですし、しかも外国人だったのですから何年経っても忘れることはなかったのでした。

何度もお世話になった人に久々に会えただけで感激ですが、彼がわたしを古い友人として遇してくれたことは感動を残すほどでした。
それに、驚くことに、小さな店は1.5倍ほどにスペースを拡大していて、なんともうふたり一諸に働いていました。
商売が絶好調だということがそれだけで分かります。

ひとりは、修理店ではたいへん珍しい若い女性でしたが、それは彼のお嬢さんだということでした。
弱冠二十歳の彼女は最近働き出したそうですが、わたしのバンドの交換など手つきはかなり堂に入っています。
カエルの子はカエルということでしょう。
それに親父のごついルックスから想像できないほど、なかなかの美人でした。

積もる話もあるし夕食でもどうかと誘われましたが、わたしに先客があることを告げると、ではその後飲まないかと言いますのでこれを快諾しました。
もともと親切な人で、お昼をご馳走になったことはありましたが、ここまで熱心に誘うのはわたしの再訪が本当に嬉しかったのでしょうか。
旧友として認められたのかも知れません。
わたしの方が感動するくらいで、夜の再会が待ち遠しくなりますが、ずいぶん長くなったので続きは明日とさせていただきます。

さて、作例写真ですが、企石村から次に訪れた径聯村の入り口の場面です。
宝石という美しい名前の町まで戻ってバスに乗り、橋頭という大きな町のバスターミナルに着きます。
またバスを探して乗り換えですが、今度は面倒になって待機していたバイタクに乗ってしまいました。
20元というのを粘って交渉して15元まで下げましたが、バスなら2元ですのでそれなりの贅沢です。
昨日、なるべく地元の人とコミュニケートするということを書きましたが、利用する交通機関もなるべくローカルの人と同様にするのがモットーなので、ズルをしたことになります。

径聯のどこに行きたいのとバイタクに問われて、よく分からずに古い家のあるところと答えたのですが、運転手はもっとわけが分からないと径聯付近に着いてからまごまごしているようでした。
そこで、あてずっぽうに、そこを右にとか、あっちの方だったっけとか言っているうちにこの光景が見えて、ここだと降ろしてもらいました。

企石村の古鎮はバスの運転手が知っている程度の知名度でしたが、径聯村の方はより地理に通じているはずのバイタクの運転手が分からないというのでかなり不安でした。
ともあれ、この掃除する親父さんの茶色い後姿を見て、これは何とかなるだろうと直感しました。
ただ、結果的にはあまり正しいとはいえない直感だったのですが。
【M8/Lykemar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Kodak Lykemar 35nnF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/11/15 Tue

我是日本人

M8/Lykemar3.5cmF3.5
深圳日帰り古鎮巡りでは、地元の人とのコミュニケーションを大切にしています。
未だ言葉はかなり怪しく、まともに会話できているレベルではありませんが、言葉は旅における最強のツールですのでせっかくの機会を活かさない手はありません。
話し好きな中国人のようになって、あちこちで声をかけるのが常です。
ただ、わたしは話すのではなく、聞き手になってインフォメーションやブログのネタを得たり、バカ話を続けたり
します。

発音のひどい中国語で話していると、だいたい香港人と間違われます。
香港人の中国語(この場合広東語ではなく普通話=北京語)がひどいのは有名なので、それは当然のことです。
自分から身分を明かすことは通常しませんが、何かの折に日本人とばれると、当たり前ですがかなりびっくりされます。
なんでこんなところに日本人が来るのか、しかもたったひとりで、となるわけです。

ところが、ここ江辺村では会う人会う人、それほど驚いてもらえません。
ちょっと不可解でしたが、それは帰りのタクシーで分かりました。
運転手がおまえは日本人だろうと言うのです。
逆にわたしの方が驚いてたずねると、東莞のこのあたりは日本企業がかなり進出していて工場がたくさんあるので、けっこう頻繁に日本人を乗せているのだそうです。
服装や雰囲気からすぐ日本人と分かったよと笑われました。

別に日本人だと判明してちやほやされたいという訳ではありませんが、言葉の未熟を理解してもらえますし、そこから話も発展するというメリットがあって、それはそれでいいことなのではと思っていました。
草の根外交の立場です。
しかし、そうはならないエリアがあるんだなあということをあらためて知りました。
いや、こんなところまで日本企業のみなさまご苦労様です、というべきですね。

さて、雑談などで時間をずいぶんとられましたので、そろそろもうひとつの村を目指して、江辺を発たなくてはいけません。
燕ちゃんを見送った道を今度はわたしがひとりバス通りに向かって歩いていきます。
途中、村の全景が見渡せるところがあって、ここで撮影したのが今日の作例になりました。
次の経聯村へは来た道を戻って宝石のバス停へ行きまた別のバスに乗ると、彼女が教えてくれていました。

その宝石に着いて昼食をとったのですが、やはりひとりの食事はちょっと寂しく、燕ちゃんを誘いたかったと後悔しました。
四川と広東料理の食堂で、回鍋肉と炒飯という地元の人はあまりとらないだろう組み合わせのオーダーです。
食堂のおばちゃんはわたしが日本人だと気付いたでしょうか
【M8/Lykemar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Kodak Lykemar 35nnF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/11/14 Mon

西光拍買

M8/Lykemar3.5cmF3.5
今回の中国行とは関係ありませんが、本日、中国パワーのものすごさを眼前にました。
ウェストリヒトのカメラオークションに、中国のライカM4コピーと言われる紅旗が出品されていたのですが、熾烈な争いがあって、なんと9000ユーロ、ではなかった90000ユーロで落札されました。
手数料を入れれば1千万円を越えてしまいます。
90mmF2と35mmF1.4にアタッシュケースも付いた完全フルセットだったとはいえ、こんなカメラにこれだけの額を投じるのは中国人以外考えられません。
落札された方にお近付きになって、ぜひとも3本のレンズの試写をさせていただきたいものです。

わたしは、知り合いがウィーンの会場に行くというので1本のレンズの落札をお願いしましたが、やはりこのレンズを欲しいというピッダーと一騎打ちになり予算を超えたところで手を引くかなくなりました。
相手はまだ余裕があったでしょうから完敗です。
長年探していたレンズですが、知り合いの目の前までありながら手の届かないところへと行ってしまいました。

eBayでも他のカメラショップでも、レンズの価格が高騰してしまって手が出ませんなどと嘆いていましたが、ウェストリヒトでもその傾向はまったく変わりません。
長い閲覧期間を設けて、全世界から参加可能なウェストリヒトの方が、よほど価格が上がってしまっているようです。
かつては、かなり安く落札されて、手数料と送料が高くてがっかりというパターンだったと言われるウェストリヒトが今や高値安定のプライスリーダーになってしまったということかも知れません。

かく言うわたしも、実は意に反して1点落札してしまうという失態を演じています。
しかもそれはレンズではなく、長年所有していながらまったく使用していないパルナック型ライカで、カメラが届いてもこのままでは使わない恐れがあります。
だからこれを機に、小型で使いまわしのいいパルナックにフィルムを詰めてスナップするようにしたいと考えています。

今回、ウェストリヒトに出品されていたライカの中で、エルマックス付きやルフトヴァッヘンなどの軍用モデルを別にしても、落札見込み価格はみな高く設定されていました。
そんな中で1台、2000番台とかなりの初期タイプにも関わらず安い見込み価格のライカⅠaがありました。
その値段なら落札しようとビッドしますが、結局、はるか高い価格まで上がって終了しました。
やっぱりそんなものかと思っていた矢先、今度は4000番台のⅡDに改造されたモデルが出てきて、これもどうせダメだろうと同じ価格まで入れたところ落札してしまったという経緯です。
オリジナルのままのIaより距離計が付いて便利になったⅡDの方がずっと不人気ということのようです。

支払いに余裕はないですが、1万番台のⅠaからⅢaに改造されたモデルを売ってどうにか工面したいと考えています。
スローガバナー付きでより便利なⅢaより、機能はシンプルでも4デジットで1920年代製造のⅡDにより魅力を感じます。
それは、先月スペインの帰路、ロンドンのカメラ店に寄った際、店主がやはり4デジットのⅠaを慈しむようにわたしに見せてくれたことも少なからず影響しています。
また、シリアル番号のないエルマーが付いているので、カメラと年代が同じであれば、これはゲルツ玉の旧エルマーということになりますので、レンズにも期待をかけています。


さて、今日の作例は、このレンズが逆光に弱いことを示したものです。
数カット撮りましたが、そのままのものよりいちおうハレ切りしたこの1枚の方が幾分太陽の影響からまぬがれています。
左の建物の上部にあった彫刻が素晴らしかったのですが、それよりも右手の家族の密集具合の方に大いに惹かれました。
3人プラス1匹が四角形に並んでいる配置がなんともユニークです。
その犬も、位置取りのよさが人間っぽく見えて、まるで携帯電話のCMの1シーンのように見えてきました。
【M8/Lykemar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Kodak Lykemar 35nnF3.5 | trackback(0) | comment(5) | 2011/11/12 Sat

不象ELMAR

M8/Lykemar3.5cmF3.5
今回はめずらしい広角レンズを入手したので、そのレンズを主体に撮影することにします。
旅にはF1.5レンズを同行させることをポリシーにしているので、50mmのネタが切れた今回は、8.5cmズマレックスをバッグに放り込みました。
標準は、キノプラズマートを久々に選択して、いつもの旅のスタイルの広角・標準・望遠の一式が決定しました。

さて、メインの広角ですが、銘板の表記は"35mm Kodak Wide-Angle Lykemar f/3.5"となっています。
コダックのレンズはシリアル番号が特定できることでよく知られていますが、EOで始まるそれは、戦後すぐの1946年製造ということを示しています。
しかし、分かったのはそれだけで、それ以外のことは一切不明です。
そもそもが"Lykemar"をなんと読むのかが分かりません。
リュケマー?、リケマー?、ライクマー?

アメリカ製のライカコピー機カードンの交換レンズとして作られたという説があるようです。
これも謎多きPam-Britar 105mmF4.5がやはりカードン用望遠という説があって、Ektar 47mmF2と3本で一式ということであれば確かにしっくりきます。
ただ、もちろんそんなセットで使われていたという記録はどこにもある訳ではないようです。

すると引っかかってくるのが、コダック・エクトラとの関係です。
エクトラの広角は、Ektar 35mmF3,3ですが、同じ設計のレンズではないかとの疑問が沸き起こります。
両者を比較するとやはり前玉径は約11mm対約14mmとEktar 35mmF3.3の方がだいぶ大きいですし、トリプレット系という共通点はありますが、構成も違っているようです。
Ektarは2-1-2の3群5枚で必死に探すと辛うじて前群に貼り合せ面が確認できますが、Lykemarにはそれが見つけられません。
後群がどうなのかが気になりますが、玉が小さすぎでわたしの視力では確認できませんでした。
少なくともトリプレットかテッサータイプであることは間違いないと思われますが。

後者ではないかと主張する説があります。
"Lykemar"とは"Like Elmar"の省略形ではないかとするものです。
確かに外観は似ていてエルマー・ライクですが、微妙に違えている面白さもあります。
例えば、日本のエルマーコピー系のレンズはフィルターやフード等がライツのA36を共用できますが、LykemarではA36がぎりぎり入らないという微妙なサイズに作られています。
また、絞り位置もユニークで、エルマーは50mmが1群目と2群目の間で、35mmは2群目と3群目の間にありますが、Lykemarはエルマー50mmと同じ位置に絞りがあります。
テッサーの特許逃れでエルマー50mmは絞り位置を変えたと言われていますが、Like Elnarであればその辺も真似たのかも知れません。

前玉の径もElmarの方が約1mm小さく、中群、後群の形状も少し違っているようです。
外観はかなり似ているものの、レンズ長はやはり少しばかり違っていて、Lykemarの方が2mm近く前玉位置が前に来ています。
何にせよ、戦勝国アメリカは敗戦国のコピーを作る訳にはいかず、Likeなものならシャレも効いていたし良かったというところなのかも知れません。
何一つ謎は解決できませんが、簡単に調べて分かるのはこんなところです。


作例ですが、この日は30度近くまで気温が上がってかなり暑く感じられたのですが、日影にいる地元の人にはちょうどいい気候だったのかも知れません。
軒先で伝統的手法による編み物をしていたおばあちゃんはいつのまにか居眠りしていました。
まさか、そんなことはないよねと近寄って確認すると、かすかに寝息が聞こえてきて安心しました。
【M8/Lykemar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Kodak Lykemar 35nnF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/11/11 Fri

石板路

M8/Lykemar3.5cmF3.5
燕ちゃんはもう行かなくてはと言いますが、わたしははるばる日本から来たのでもう少しここに残りたいと言って別れました。
この道をずっと真っ直ぐ行けばバス通りに着くからと最後まで心配てくれましたが、おっしゃるとおりの1本道なので心配してもらうほどのことではありません。
いつもひとりで歩いているわけですし。

むしろ、ひとりになったことで、わたの方が燕のようにすいすいと動き回り始めました。
江辺村は、700年の歴史を持つ村で、廃墟となった家が目立ちますし、新しく建て替えられた家も多いですが、それでも古建築が立派に残ったなかなかに魅力的な古村落です。
住民にとっても魅力のある土地らしく、小さな村落ながら人口は3千人近くあるとのことです。

いくら美しい村でも人が住んでいなければ、見ても楽しくありません。
遺跡は歴史を感じさせても、わたしにとっては虚構ですし、生活の場でなく研究家のためのものです。
あるいは精巧に再現された映画のセットと同等に思えてしまいます。
また、人の暮らす村であれば恩の字ですが、経済発展した広東省では他省から来たいわゆる外地人が家賃の安い家として住んでいるケースが多く、江辺村では本地人が住んでいるというたいへん嬉しいケースでした。

小さな古村落なので、20分ほど動きまわるとほとんどの道は歩いたことになってしまいます。
すると自分なりにお気に入りの場所が何か所か見つかるものです。
今日の作例の場所こそ、そんなうちの1箇所になります。
前方奥の新しい家が少し残念ですが、壁や瓦屋根が美しいですし、幅の狭い道がゆるやかな上り坂になって前方で右に折れているさまは、その先に何があるんだろうと言う期待感を呼び起こすように感じられます。

何より路面が長い石を並べてあるのがたいへん美しいです。
中国では石板路といって古鎮のマストアイテムのように珍重されています。
現代ならともかく、明清代は大きな石がたいへん貴重だったのみならず、インフラのない遠方の村へ運搬するだけでもたいへんなことで、石板路があるというだけでその村がかつて裕福だったと理解できるくらいなのです。

確証がないのであくまで推測ですが、摩耗具合の弱い石の多いこの小道は、後にかなり手が入った可能性が高そうです。
これまで見てきた古鎮の石板路は鏡面のようと言ったら大げさですが、見事なまでにつるつるになった石が並んでいるケースが多く、ここにもそんな石が散見できましたが、写真手前の石など新しいものにしか見えません。

しかし、だからと言って、この石板路を否定するものではありません。
住民に愛される石板路であれば、それはやがていつか他の古鎮のそれのように、美しく年代を刻むことでしょう。
この石板路が愛されていることは図らずも写真の天秤の女性が証明してくれました。
彼女は素足で歩いているではないですか!
【M8/Lykemar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Kodak Lykemar 35nnF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/11/10 Thu

淡紅色的燕

M8/Lykemar3.5cmF3.5
携帯置き忘れ騒動の遅れを取り戻すべく、あわてて企石鎮江辺村行きのバスを探してバスターミナルを歩きます。
そんなバスがあるのかどうかも分かりませんでしたが、運好くすぐに企石行きというバスがやって来ました。
エアコンこそ付いていませんが、大型バスよりひとまわり小さいだけの準大型といえるバスでした。
料金2元を運賃箱に入れようとしますが、紙幣がつっかえてうまく入りません。
すると運転手がのこぎりのような刃物で、札を押し込むのが面白い光景でした。

20分ほどで企石に到着しましたが、そこは町というより工業団地で、小さな工場がいくつも並んだ地域の路上が終点でした。
そこには別のバスが待っていて、休憩していた運転手に聞くと江辺村へはそのバスに乗って、宝石というバス停で別のバスに乗り換えるとのことでした。
小さな村に簡単に着けると思ってはいませんでしたが、バスに始発から終点まで乗ってさらにふたつ乗り換えとは、そこまで難関だったのかと嘆息せざるを得ません。

しかし、この日はやはり幸運だったようで、そのやり取りを聞いていた女性が、同じ方向に行くのでと乗り換えをアシストしてくれました。
そればかりか、今度はどこで降りるのか分からないところを運転手に聞いてくれ、バス停外の最寄りの交差点で停めてもらうお願いしてくれたのです。
そしてさらに、こんなところに古い村があったのなら見てみたいと、彼女は一緒に下車して案内するように付いて来てくれました。

彼女は、江西省から東莞まで働きに来て3年にもなると言う20歳代前半の小柄な女性です。
名前を聞くと、熊燕と答え、ふたつの動物が合わさった面白い名前でしょと自嘲気味に笑っています。
中国では熊という姓も、燕という名もこせく一般的ですが、なるほど姓名とも動物だと揶揄されたりするのかも知れません。
ただ、華奢な彼女は、どうみても熊という感じではなく、燕というのがしっくりきています。
話していると温和なのが分かる女性で、やはりわたしが迷子にならないよう気遣って案内してくれたようです。

これはお昼でもご馳走しないといけないなと思い、それとなくふってみます。
このあと彼氏と約束があるとのことで、2日連続でカップルに同行するのはイヤなので、お礼はあきらめました。
せめて記念に写真を撮らせてもらおうとしますが、これもあっさり断られました。
写真写りが悪いので、撮られるのが嫌いなのだそうです。

そういうわけでこっそり撮った彼女の後姿が本日の作例写真です。
逆光のフレアが残念ですが、江西省出身の親切なお嬢さんとの接点を示すただひとつの物的証明なのでいたし方ありません。
江辺村でいちばんの名建築、黄氏宗祠を村人に聞きながら見つけ出し、石板の道を勘で進んで南門まで案内ししてくれ、意外に優秀なガイドをしてくれたことも付記しておきます。
つばめさん、ありがとう。
【M8/Lykemar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Kodak Lykemar 35nnF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/11/09 Wed

手機丢了

M8/Lykemar3.5cmF3.5
翌日は、ひとり東莞に向かいました。
11月に入って涼しくなってきたので、撮影師の楊さんにお願いして深圳市内でスナップして歩きたいと考えていたのですが、残念ながら仕事と重なってしまったようで今回は会うことができませんでした。
ひとり市内をスナップするのもいいですが、しばらく中断していた深圳から日帰りできる古鎮巡りを復活させてみることにしました。

広東省の古鎮も、専門書や中国ポータルサイトの百度の検索などで調べたところはかなり行きつくした感があります。
深圳の隣の東莞にも古鎮があって、以前に訪問した南社という村は割と知られています。
再訪する手もありますが、ほとんど知られていない古鎮がふたつあることが分かり、それらにチャレンジしてみる決断をしました。
やはり初めて訪れる土地というのは、フレッシュな感覚を呼び覚ます魅力があるのは間違いありません。

まずは企石鎮江辺村を目指しますが、高速鉄道の東莞駅から10キロほどだということが分かりましたので、そのルートをとることにしました。
深圳駅では状況が変化していてそのことについて、備忘録的に記しておかないといけません。
事故でも話題になったように、中国では高鉄が一気に開通して、ダフ屋が横行したためチケットが入手難になるなどの事態が発生するに及んで、購入時に身分証の提示が求められるようになりました。
身分証(外国人はパスポート)の番号はその場で入力されて、チケットに印字することで転売を阻止しようという狙いです。

それはそれで好いことなのでしょうが、ひとりあたりの購入時間が増えて行列ができたり、混乱が生じたりしていました。
自販機の方はがらがらですが、パスポートは読まないので身分証を持つ中国人でないと利用できません。
仕方ないのでのろのろ進む列に並ぶしかないことになります。
そして自分の番になった時、列車の時間が気になって駅員の言うことを確かめずに購入してしまったところ、わたしの切符は10元程度高い1等席になっていました。

列車は切符売り場の混雑にもかかわらず空いていましたので、勝手に1等にされたのが腑に落ちませんでしたが、気付いたのが列車に乗り込んでからだったのでもう手遅れです。
少し広い座席で、行き先のチェックをしたり、電話をかけたりしているとわずか30分で東莞に着いてしまいました。
あわてて下車して、さあ、どのバスに乗ればいいんだろうと歩いていたところハッと思い出しました。
携帯電話を座席に置いて来てしまったのです。

中国で携帯を置いてくれば、戻ってくるのは絶望的です。
確か、日本、アメリカ、韓国以外のほとんどの国でSIMカードにお金をチャージすればそのまま使えるシステムなので、他人の携帯でも拾ったもの勝ちになるからです。
半ば以上諦めつつも、女性駅員に経緯を説明すると、まあ無理だろうという顔をしつつ終点の広州東駅で調べさせるから待っていてくれと言います。

30近くもへこみつつ待っていると駅員がやって来て、見つかったわよと笑っています。
なんでもそのまま座席にあったそうですが、その顔には、どう、中国も捨てたもんじゃないでしょ、という得意気な臭いがちらほらしているように感じられました。
あとでここまで届くから今日中に取りに来るようにとのことです。

考えてみると、たまたま1等に乗ったのが幸運だったのではないかと気付きました。
わたしの乗った列車は、東莞、石龍と途中停車しましたが、その間そこそこの乗り降りがあるので普通に2等だったら、誰かしらが座席の上の携帯に気付く可能性が高かったはずです。
しかし、1等は途中駅からの乗降はほとんどなく、乗客ももともとお金により余裕があるはずの人たちで、他人の安携帯なんかに手を出す必要がなかっただろうと想像つきます。

切符窓口が勝手に1等座席を売り付けたおかげで、携帯が戻って来た。
自分はなんと幸運なんだろうと、能天気にもそう考えたわけですが、この時30分以上のロスをしていますし、帰りも直行バスがあったにもかかわらず、東莞駅に携帯を取りに立ち寄らなければならなかったので、かなりの時間を浪費しました。
幸運だと喜ぶ以前に、自分の間抜けを反省すべきでした。
そういう発想に至らなかったことがすでに、携帯を紛失するべくして紛失したという結果を招いたのでしょう。
【M8/Lykemar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Kodak Lykemar 35nnF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/11/08 Tue
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