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収差的疑問

M8/Verito 2inchF3.5
昨夜、Summimomuさんと別れて帰宅してから、PCに向かっていて、おやっと思うことがありました。
Sha-sindbadさんのブログ、レンズ千夜一夜を読むと、25mmのキノ・ブラズマートを使われていて、有名なグルグルボケが出ないことに疑問を呈していらっしゃいました。
  グルグルボケがどんなときに出て、どんなときに出ないか? これが分かりません。
と。

ちょうどその夜、Summimomuさんと話をしていたとき、彼はDallmeyer Kinematogaphというレンズを愛用していて、このレンズがぐるぐるボケがすごく出ることからその話題になりました。
彼は、昨日話したようにモデルを用いたピクトリアリスムの撮影をしていますが、その撮影に使うのはモーターワインダー付きのライカM6だそうです。
モデル撮影だと1枚1枚ゆっくりと撮り進めそうに思いますが、Summimomuさんは移り変わる表情の変化などを写し込むためにワインダーで連写するのだそうです。
そうやって撮った例えば20枚のうち2~3枚に他とは違うぐるぐるが出現したりするということでした。
つまり彼にもどんな時ぐるぐるが出て、どんな時に出ないのかは分からないということです。

ぐるぐるボケとは非点収差のひとつの現れ方で、画面周辺のボケがこの収差のために同心円状になるレンズと放射状になるレンズがあって、特に前者のボケ方はぐるぐるボケと呼ばれるようになります。
非点収差を簡単に説明すれば、点像は焦点面でも点にならなければいけないのに、レンズが球面であることから周辺部を通る光が、縦位置と横位置でズレをおこしてしまい点ではなく縦長か横長になってしまう収差です。
レンズ構成図は横から見たものが使われるためその感覚で考えると分からなくなりますが、上から見た場合の図を設定すれば端を通る光がそれぞれにずれるという感覚が分かるのではないかと思います。

レンズ史的に見ると、ツァイスが対称型のアナスティグマットという名のレンズを世に出したのが1890年で、以降のレンズではこれが基準となりますが、このアナスティグマットこそ非点収差のないレンズという意味ですから、ぐるぐるボケが出るレンズとはそれ以前の古い設計か基本的にフォーマットの問題ということになります。
しかし、ぐるぐるの代表レンズであるキノ・プラズマットでは非点収差が残ってもいいので、深い深度とそれにともなう立体感を優先したいという設計思想があってのことではないかと想像してしまいます。
そうでなければ、最初にアナスティグマットという名のレンズを設計したのとそれから30年以上も後にアナスティグマットでないレンズを設計した理由が分かりません。

さて、非点収差は、そのレンズが持つ固有の収差ですので、絞ることで改善しますが、開放で同距離のままでは常に画面上で同じ収差が出ています。
ただ、背景がのっぺりした壁ならそれとは収差には気付かないし、細かいものであれば収差が顕著に見て取れます。
そういうものと理解していたのですが、絞りと距離を変えずに連写してうち1割だけに特殊なぐるぐるボケが出るのだとすれば訳が分からなくなります。

唯一説明できるとすれば、完全に固定で撮影していたつもりが、ごくわずかに角度がズレたためにそうなったというしかありません。
機会があればその連続ネガをぜひ拝見したいものです。
収差の問題はわたしのような素人の手に負えるものではなく、冒頭のSha-sindbadさんの疑問はわたしの疑問ともなっています。
ベリートのは色収差と球面収差を組み合わせることで独特のソフト効果を出していると言われますが、やはりどこからどこまでが色収差によるものなのかが分からずに悶々としてしまうのです。
【M8/Verito 2inchF3.5 F3.5】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wollensak Verito 2inchF3.5 | trackback(0) | comment(7) | 2011/12/23 Fri

聖誕節礼物

M8/Verito 2inchF3.5
今夜、友人Summimomuさんと会って、ふたりだけのささやかな忘年会をして来ました。
Summimomuさんは、本当はSumimomuさんが正しいのですが、彼が愛用するSummiluxにちなんでわたしは勝手に最初のmをふたつ重ねています。
忘年会と言っても、Summimomuさんは基本的にアルコールを摂らないですし、わたしも帰りは車なのでお互い酒は抜きにして、レンズや写真を酒精代わりに話をすることで今年を締めくくることにしました。

一時撮影のペースが落ち込んでいたSummimomuさんですが、最近はかなり積極的にライフワークの撮影とプリントが充実してきているようです。
今回、入魂のプリントが上がったので早速見せていただいただけでなく、わたしに差し上げたいと持って来てくれたのでした。
嬉しいクリスマス・プレゼントになりました。

ポートフォリオに綴られた何枚かのプリントの中から、厚かましくも2枚頂戴しました。
いずれも、モデルがいて、その表情や仕草、背景、レンズの特徴が絶妙にバランスしています。
1枚1枚が力強く主張して、人生の重大な一場面を切り取ったかのように、あるいは彼がもうひとつのライフワークにしている映画のひとつのコマのようにも感じられました。
深圳で作った写真額があるので、マットを切ってもらって家に飾ろうと思っています。

彼は、自らを古典的ビクトリアリスムの流れの中にある写真を撮っていると称していました。
わたしにはそれが、具体的にはどういうことを意味するのか、否、そもそもピクトリアリスムという言葉事体の意味すらよく分かっりません。
ウィキペディアによれば、「空気遠近法を意識し、実際に肉眼に見えるように、近景にコントラストのはっきりしたものを置き、遠景を曖昧にする。地平線の位置などを厳密に合わせたうえで、表現のために風景写真に雲などを合成する。過剰な細部を省略して、表現したいモティーフや感情を表そうとする」とあります。
合成するという部分は関係なさそうですが、なるほど、彼の作品はずばりこれに当てはまっているのは間違いなさそうです。

しかし、よく考えてみれば、前段の「空気遠近法を意識し、実際に肉眼に見えるように、近景にコントラストのはっきりしたものを置き、遠景を曖昧にする」というところは、オールドレンズを愛好する仲間たちがよく利用する撮影手法そのものです。
数メートル先の彼写体を50mm前後のレンズで開放で撮れば、すぐにもそれに近いものになりますし、前ボケに必要なものを配したり、彼写体を光の明暗でコントラストのコントロールをしたり、背景のボケが面白くなるような状況設定したりとそれぞれに工夫をして、偶然も重なって効果的な写真を撮ることがよくあります。

まったく気付いていなかったのですが、これらは19世紀末に起こったピクトリアリスムの影響下にあったということだったのですね。
ピクトリアリスムは、のちにストレートフォトを提唱するグループから糾弾されたりもしたようですが、レンズを絞ってしっかり写す人たちがオールドレンズを開放で撮るのを批判するのによく似ているような気がします。
ピクトリアリスムの時代からちょうど1世紀経って、同じ現象が再現されたかのようです。
そんなことを気付かせてくれたのは、まぎれもなくSummimomuさんからのもうひとつのクリスマス・プレゼントでした。
【M8/Verito 2inchF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wollensak Verito 2inchF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/12/22 Thu

1月会上市

M8/Verito 2inchF3.5
ここのところずっと気にしていることがあります。
MSオプティカルの宮崎さんと、しばらく連絡をとっていないことに気付いたのです。
スーパーシックスを改造いただいたのが今年の4月で、恐らくそれ以来、改造依頼も電話もしていないようでした。

もういい加減レンズを所有し過ぎで、マウント改造依頼するものもなくなったのだろうと言われれば、確かにそういう面もあります。
それよりも、何度も書いているように、レンズ全体の価格相場がどーんと上がってしまって改造依頼のネタが入手できないというのが本当のところです。
ここ1ヶ月くらいは、血眼になってなにか宮崎さんにお渡しできるレンズはないかと探し続けていました。
そして、ついに1本これぞというヤツを手に入れることに成功します。
ごく普通のレンズですが、相場の半額以下だったので飛び付き、早速、宮崎さんへ送付しました。

宮崎さんへは電話でその旨伝えましたが、さすがにこうもご無沙汰すると、話したいことは山ほどあったようで、いろいろなことを教えていただきました。
話はとても興味深く、ふくらませれば1週間ブログを続けるだけのネタを提供いただいたことになります。
しかし、企業秘密の話もあったようですし、そうでなくても安易に公開するのは好ましいこととは言えません。
そこで、宮崎さんの設計した新作レンズを紹介することにしましょう。

宮崎さんのレンズは、
①MS-MODE-S 50mmF1.3
②APO QUALIA 50mmF3.5
③PERAR 35mmF3.5
の3本のライカマウントレンズがあります。

新作は、28mmF4になるそうです。
すでに設計は終わって、レンズガラスもオーダーされているそうです。
順調なら1月下旬から出荷できるでしょうということでしたので、その場で注文してしまいました。
恐らく約200本の限定になるようです。

どうせすぐには売れないのだろうから評判を聞いてから買うかというのも好いと思いますが、少々注意する必要がありそうです。
いま、宮崎さんのレンズは日本国内よりも欧米や中国などからの引き合いがずっと多いのだそうです。
前述のPerar 35mmF3.5はコンパクトでユニークなボディとトリプレットのシンプル構成ながら解像力・コントラストともたいへん高く、3枚構成らしい色抜けの良さも合わせ持つ点が人気を呼んだといいます。
当初の製造数を売り切り、その後トータルで約500本が製造されましたが、うち8割は海外に出荷されていったということです。
28mmではそれ以上の反響が予想されますので、製造数のほとんどが国内に出回らない可能性があるのです。

その海外Perarユーザーから、50mmF1.3が欲しいという声があちこちであがっているそうです。
すでに売り切れてしまった50mmF1.3は再発する気はなく、同じゾナータイプでF1.1まで明るく設計できたそうで、来年中には宮崎さんの超高速レンズを目にすることができそうです。

また、これはライカマウントではなく、ペンタックスq用になりますが、25mmF1.1レンズも1月にリリース予定でした。
これは、35mm換算で、132mmになってそれでF1.1という高速ポートレイトレンズとして楽しめるレンズだとの話でした。
あるいは、このレンズを試したくて、ペンタックスqを購入するなどという現象が起きるのかも知れません。

いつの間にか、マイノリティ世界とはいえ、MIYAZAKIブランドはワールドワイドに広がっていたようです。
日本の町工場クラスのモノ作り技術が世界で評価されているのと同じ状況にあるのかも知れません。
あるいは冒頭に書いたようにレンズ価格が上昇してしまったために、リーズナブルでアイディアの詰まった高性能レンズがブレークしたということかなと想像しています。
【M8/Verito 2inchF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wollensak Verito 2inchF3.5 | trackback(0) | comment(2) | 2011/12/21 Wed

這五天

M8/Verito 2inchF3.5
ここ数日、FCバルセロナが来日し、さらには世界一のクラブの栄冠に輝いたことで、すっかり舞い上がってしまいました。
日々の作例や散策の紹介を忘れたというか、書いている余裕を失っていました。
個人的な記録のブログですので、12月15日(木)の分から簡単に書いておこうと思います。

15日(木)。
その前の土曜に横浜へ行った時に何枚か撮影しましたが、日刊のブログを埋めるだけの数が撮れませんでした。
そこで、翌朝できるだけすぐ戻ってこれるようにと、江の島に出掛けました。
天気上々で朝からけっこうな人手で、のんびり写真を撮っている空気ではありません。
江島神社で結婚式のきれいな晴れ姿を撮りましたが、そのあたりは不採用にして、ずっと先の古い建物がそのままみやげ物屋で残っている懐しい感じを撮って折り返します。
ヘクトール5cmF2.5はコントラストが低い描写ですが、明暗くっきりの場ではきつくなり過ぎずわたしの好きな表現をしてくれます。
ただし、暗部の表現はいまいちかも知れません。

16日(金)。
江の島には、観光客が通らないわたしの大好きな古びた路地があります。
作例に「頂上方面はこちらから→」の看板がありますが、この道もなかなかよくて、この日は島の上の方から下ってここまで下りて来ました。
するといきなり、観光客の喧騒とは無縁の通りでは、地元のおばちゃんたちの高らかな笑いが響いていて、いい気分にさせてくれます。
姿勢から会話の内容が伝わるようです。
ただ、ヘクトールにはかなり厳しい条件で、色がまったく冴えなくなってしまいました。

17日(土)。
路地を西進していくと釣り具屋さんに雑貨屋さん、魚屋さんなんかが並んでいます。
ただ、観光とは縁のないところですから、扉が開けっぱなしだったりと、やはりずいぶんのんびりしたものです。
シャドウに露出を合わせると路面が白く飛んでしまいました。
とは言え、モノクロのような表現はけっこう気に入っています。

18日(日)。
江の島最後の1枚ですが、お気に入りの路地が江島神社の参道と混わる直前に、こんな素敵なところがあります。
そうとう古い蔵だと思いますが、金属の板で覆われていて、光線状態がベストだったためなんとも艶っぽく輝いています。
ヘクトールは、手前右側と左の電線あたりの光をうまくとらえていて、好い表現をするレンズだと再認識できま
した。
2,8センチのくもりが取れれば、ぜひ、2.8cmF6.3、7.3cmF1.9とこのレンズのヘクトール3兄弟を持ってぜひ散策してみたいと思います。

19日(月)。
初めて使ったテリート20cmF4.5ですが、ビゾフレックスではなく、TXBOOという専用ヘリコイドによる撮影です。
もちろん距離計に連動しませんが、ここでは無限遠しか使いませんのでヘリコイドでなくて好かったくらいです。
距離計連動するコムラー200mmF4.5という同スペックのレンズも持っていますが、テリートの方がより繊細で解像力も高いようです。
ただ、ここでは手ブレのため、ISO160がダメでISO1250にしていますので粒子が荒れているので単純に比較できませんが。
強い照明の影響がなく、発色もすばらしい評判とおりのライツの望遠の白眉です。
【M8/Verito 2inchF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wollensak Verito 2inchF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/12/20 Tue

年軽的時候

M8/Verito 2inchF3.5
ウォーレンサック・ベリートの最終回です。
レンズをお貸しくださった方がF4.5の描写がたいへん美しいとおっしゃっていたので、できればF4.5で女性ポートレイトで締めたかったのですが、ネタは尽きていました。
逆にこんな地味な路地写真になってしまい、非常に残念です。

この作例ではF3.5とF4.5の差を実感できるまでになっていませんが、中年になった主人公が生まれ育った下町の雰囲気を回想するシーンのような描写が気に入っています。
なにもきれいなお姉さんに固執するよりも、草野球の少年でも撮って、自分の幼少を思い出すよすがとした方がずっとよかったのではと思えてきます。

メニスカス2群が向かい合うかたちの対称型レンズのベリートはフランジバックが十分にあるので、一眼レフ用にマウント改造することも可能でした。
しかし、ソフトレンズのようにピントがどこにあるのか分かりにくいレンズを一眼レフのファインダーで合焦させるのは至難の業です。
そこに距離計連動でピント合わせするライカの利点が活きてきます。

作例のような逃げていく自転車もライカであれば、追っかけながらピント合わせ可能です。
ただし、この場合どうしてもピントを合わせたい自転車が中央に来てしまうのが避けられません。
いかにもな日の丸構図がかっこ悪いと言えば悪いので、そこはもう一歩熟達させて、ピント位置を若干先まわりさせることでフレーミングの調整などできるようにならないといけません。

レンズ趣味というのはよくしたもので、今回のようにカメラボディが共通であれば、レンズの貸し借りが可能です。
実際、正真正銘コレクターというタイプの人はけっして人に貸したりしないのかも知れませんが、どちらかというと皆さんどうぞ使ってみてくださいとおっしゃる方が多いように思います。
すばらしいレンズの描写を自分だけが独占するのは申し訳ない、ぜひ同好の士にも味わっていただきたいという仲間意識あってのことではないかと推測します。

仲間といってもけっして同じやり方をしている人はいないのが、この世界の面白いところでもあります。
わたしのように闇雲にレンズを蒐集したがる人間がいれば、必要なものを厳選して集める方もいます。
マウント改造すれば使えるのでと純正にこだわらない人がいれば、ライカマウントとして発売されていたことの意味を尊ぶ人もいます。
フィルムのみの人がいれば、デジタルでも構わないという人がいる。
こんなことをあげていくときりがなくなってきます。

こういう相反する人たちがそうでない人を批判しているかと言えば、けっしてそんなことはありません。
趣味の世界ですので、ほとんどの方が広い心で接していて、自分がやっていることがベストであると思っていたとしても、周囲の人のやっていることにも理解を示すことができます。
わたしはまだまだレンズ趣味の入口を入ったばかりのレベルで、この世界の多くを知るわけではありませんが、独特ともいえる紳士的な仲間意識というものがあるのだと感じられるようになりました。

どんなことでもそうですが、趣味でやっているものですから、まずは自分が愉しむことがいちばん大切です。
ここ1年間、トラブルにあったり、かなり不快な思いを耐えてきたりしましたが、ようやく払拭できた思いでいます。
広い意味で仲間と呼べる方々やこんな日記ブログでも見てくださる方に、感謝の気持ちでいっぱいです。
【M8/Verito 2inchF3.5 F4.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wollensak Verito 2inchF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/03/06 Sun

防火水槽的故事

M8/Verito 2inchF3.5
ksmtさんも、わたしもかなりの健脚で、歩き出せばそうとうの距離をものともしません。
この日も、亀戸駅を出発して、小村井、押上、浅草、東向島と歩きましたので、ざっと8キロくらいを平然と歩いています。
8キロ歩くこと自体はまったくたいしたことはありませんが、撮影が目的で、けっこう重量のある機材を持ってきているのに、あれよあれよでこんなに歩いてしまうのが、なかなかすごいなあと振り返ってみて感心します。

作例は、向島にある風情ある商店街のそばの井戸です。
カップルがポンプを汲み上げると、しばらくして水がさーっと出て歓声が上がりました。
説明プレートが付いていて歴史あるものだと分かりましたが、文章を読みませんでした。
たぶん木造住宅や商店がむかしから密集しているエリアなので、防火用のものと思います。

実はこのあたり、ちょうど1年前にも来ています。
当時たいへんお世話になっていた散策会の皆さんとご一緒したのですが、浅草からこのあたりに差し掛かった時、おもわず皆さんの顔がまぶたに浮かび、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
ともに行動していて心地よさを感じられるすばらしいメンバーの方々だったのですが、事情があってあいさつもせずに散策会を辞めてしまったからです。

この散策会以前に、わたしは別の写真クラブというかレンズ愛好会というか、かなり個性的な集まりに参加していました。
レンズ趣味というものはかなりマニアックなものだったりしますが、そんな知識にたけた方が多いこのクラブでは、いろいろと勉強させてもらっていました。

しかし、その中のメンバーからなぜか突然に激しい非難を受け、その非難はわたしの仲間にまで及んだものですから、その人とはいっしょにやっていけないと追い出しにかかりました。
ところが他のメンバーは、そんなことには無関心でむしろ擁護するような対応だったものですから、わたしの方で抜けることにしました。
愉しみでやっていることなので、不愉快なことがあれば改善に努力しますが、効果がなければ辞めてしまうしかないでしょう。

ちょうどそんな折に散策会の方から、よかったらいっしょにいかがですかと声をかけていただいたので、参加させていただいたのです。
散策会の皆さんは、若干歳が上でしたし、みなさん人格者で写真のことはもちろん、多方面で感心することが多く、毎月の例会が愉しみでした。

その矢先に前に所属していたクラブが合同の例会というかたちで参加してきました。
問題の人は参加していなかったので、かまわないかとも思いましたが、立場上、クラブを脱会したわたしがそこに参加し続けるのもおかしなことです。
また、一部に問題の人物を仲間だと擁護する人もいましたので、心情的にそんな中に付き合っていく気持ちにはなれませんでした。

世の中には、自分が受け入れない人を非難することで溜飲を下げるような人間がいることは承知しています。
それを本人や周囲に指摘したところで、どうにもならないことも分かりました。
無駄に労力は使いたくないので、わたしの方から離れてしまうしかありません。
かなり不快感を味わいましたので記憶から抹消したいですが、それも無理なのでなるべく忘れるようにしようと心がけるばかりです。

それによって、お世話になった方には非礼を働くことになりますので、お詫びして事情説明するほかありません。
これまでそれを怠ってきました。
向島を歩いて、それは避けることができないのだと、ようやく気付いた次第です。
【M8/Verito 2inchF3.5 F4.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wollensak Verito 2inchF3.5 | trackback(0) | comment(4) | 2011/03/05 Sat

Verito簡介

M8/Verito 2inchF3.5
ベリートはソフトフォーカスレンズという特殊分野ながら、ちゃんとキングスレークの本にも掲載されています。
第4章「初期の2枚玉レンズ」の項ですが、シュバリエのレンズ、ペッツパールのレンズに続くのがこの第4章で、レンズ設計はまだまだシンプルな構成だったところを示しているところです。

この章の白眉はゲルツのハイパーゴンで、レンズ発展の途上にあって唯一後に名を残したレンズと言えるでしょう。
また、わたしが昨年の小村井の梅まつりの時に使用したロスのダプレットも4枚ながら2群構成ということで、ここにカテゴライズされています。

シュタインハイルのペリスコープというレンズは、曲率の高くないメニスカスを左右対称に置いた2群2枚ですが、これを基本とした2群の対称型をペリスコピック型と呼んでいます。
歪曲収差やコマ収差、倍率色収差が自動的に補正されるというメリットがあるのがこの型ですが、一方でメニスカスを2枚並べただけでは、明るいレンズの設計は難しいようでペリスコープはF15でした。

このペリスコピック型を発展させてソフトフォーカスレンズにしたのがベリートとのことです。
絞りによってソフト効果の調節ができたとの記述がありますが、残念ながらどのような工夫があったのか、どんな構成になったのかは記載はありません。

そこで資料を探すことになるのですが、さすが人気レンズのベリートは簡単に見つかりました。
An Illustrated Guide to Antique and Classic Soft Focus Lenses Part 2英文ですがオールドレンズの記載が多い、"Antique and Classic Cameras"です。
"An Illustrated Guide to Antique and Classic Soft Focus Lenses Part 2"に"Wollensak Verito Lens"の項があります。

構成図を見ると、メニスカス単玉と両凹レンズ+両凸レンズを貼り合わせたメニスカスが対称に並んだ2群3枚でした。
なるほど形態はぺりスコピックです。
発売されていた当時の古いレンズ紹介記事が添付されていますが、それによれば、焦点距離は5インチから18インチとなっています(1つだけ9インチからとなつているものあり)。
また、F値も初期はF5、すぐにF4に変更となっています。
どこにも2インチもF3.5も記載がありません。

以下に少し抜粋させていただきましょう。

「だいたい1911年頃から始まったベリートは1950年頃までカタログに掲載されていた人気の高いレンズだった。
1912年まではF5だったが、1912/13年のカタログを見るとF4に若干の改良がなされたようだ。

1920年の写真雑誌にこのことが詳述されている。
『ハイスピードのF4になった新しいベリートは、それまでの最高のレンズベリートよりも良くしようと努めてできたレンズだ。
F4になったベリートのソフトネスは、以前のベリートのF6に匹敵する。
二線になったりハロやぼけぼけになることなく、グランドグラスに写るイメージそのままの描写を見せる新しいベリートは、他のソフトレンズたちとは一線を画している』

F4からF8まではさまざまなソフト効果が得られ、F11からはかりかりとシャープな像になっていきます。
像を変化させる性能、明るさ、ソフトからシャープまでの幅広さにおいて、もっとも高い支持を得たレンズと言えるでしょう」
(歯がゆい訳で申し訳ないです)

というわけで、今日の作例はF8のソフトとシャープの境目を狙ってみました。
解像力は低いのですが、なるほどシャープにはなりきらず、変にソフトが残ったような不思議な味わいがあります。
F3.5ではソフトすぎ、F8ではソフトの雰囲気が足りないというところで、この中間が気になってきますね。
【M8/Verito 2inchF3.5 F8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wollensak Verito 2inchF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/03/04 Fri

撮影会也不用緊

M8/Verito 2inchF3.5
亀戸天神から小村井の香取神社までは徒歩10分ほどです。
途中道が入り組んでいるので昨年はだいぶ迷いましたが、その教訓あって今年はストレートにやって来れました。
実は、香取神社は亀戸天神のすぐそばにもあって、去年はそこと勘違いしたために迷ったことを、歩きながら思い出しました。
ここも、スポーツの神様として、参拝する方は多いようで、採用には至りませんが少しスナップしていきます。

小村井の香取神社はどの程度知名度があるのでしょうか。
神奈川県民で、山手線より東側の地名がさっぱり分からないわたしには、小村井という名前を昨年初めて知りました。
ここが墨田区と言うのも去年知りましたが、墨田、江戸川、足立はどのように並んでいるのか未だ頭の中に入っていません。

知名度について問うたのは、この香取神社があまりにも小規模な神社だからです。
たしかに梅香園が併設されていたり神楽があったりしますが、たとえば面積でいえば、恐らく亀戸天神の4分の1か5分の1くらいしかなさそうです。
来訪者でいえば、面積比以上の大差があると想像されます。

きっと地域に根差しているという事実があるのだと思いますが、小規模な香取神社が梅まつりを開催し、その中ですみだ親善大使の撮影会をおこない、邦楽演奏会を催し、白酒や梅パンを販売し、本格的な野点まで見ることができるというのはすばらしいことだと感心します。
先週の熱海の梅園でも同程度の企画があったわけですが、規模がまったく違います。
非常にコンパクトにまとまった、手作り感のある、間近で体感できる梅まつりです。

ksmtさんには、そんな事情を説明して、ともすればしょぼい梅まつりに感じられてしまう危惧を感じつつも、それでよろしければ行ってみませんかとお誘いしました。
この点を実によく理解していただけ、ksmtさんにも愉しんでいただけたようで、先週の由井での失敗をカバーできたかなとホッとできました。

事情を察したksmtさんは、すみだ親善大使の撮影でも、的を射た撮影を敢行されたようです。
モデルだってお高くとまることのない身近な存在ですから、親善大使になった経緯を聞いたりとか、着物は成人式のときのものを引っ張り出して着ているとかということをおしゃべりしながらシャッターを切っています。

撮影会という名前から連想させる、カメラとレンズの放列的なイヤな雰囲気もありません。
もちろん熱心に撮りに来られる方もいるようですが、近所から遊びにやってきた風なアマチュアが何枚か撮っては退きするような友好的な撮影で、場所取りとか、どけじゃまだ的な我先にといったイヤな空気とも無縁です。

カメラを持った人がそれなりに多く集まりながら、けっして不快な思いをすることなき撮影会。
これが、小村井の梅まつりの雰囲気を雄弁に語っているように思います。
【M8/Verito 2inchF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wollensak Verito 2inchF3.5 | trackback(0) | comment(2) | 2011/03/03 Thu

不是我的鏡胴

M8/Verito 2inchF3.5
13日の日曜に続いて19日の土曜も、ksmtさんと同行の撮影行になりました。
前回、熱海のときのペンタックス67の220フィルムがまだ若干余っているということだったので、じゃあ翌週もポートレイトをやりましょうとなったわけです。
調べると、小村井・梅香園で梅まつりがあるので、亀戸駅に集合としました。
ここには去年も行っているので、少しあやふやな記憶を頼りに案内も買って出てみたいと思います。

作例は、梅香園のまえに訪れた亀戸天神ですが、ちょうど結婚式の撮影があってありがたく撮影させていただきます。
シャープなレンズでは顔がはっきり出てしまいますが、ソフトフォーカスレンズではよい具合にぼやかしてくれます。
しかし、ここも梅まつりの最中でかなりの人手だったのですが、この荘厳な雰囲気が野次馬を引きよせないところがすごいのですね。

いつもはレンズ紹介を出し惜しみして週の中盤以降に持ってくるようにしています。
今回は、実はお借りしたレンズですので、何か誤解があってもいけないので、初日から説明させていただきます。
レンズは有名なウォーレンサックのベリートですが、真鍮のレンズヘッドをエルマーのヘリコイドにマウントしてあります。

エクステンションチューブというかコネクターがレンズとヘリコイドをつないでいますが、細工がきれいでプロフェッショナルの改造かも知れません。
この部分は恐らくパルナックライカと同じグッタペルカが貼られています。
そういえば、ヘリコイドですが、ロシア製のエルマーコピーではなく、れっきとしたエルマー、しかもニッケルのものが使われています。

気合いが入った改造と分かりますが、それは、やはりレンズがベリートということが理由なのでしょう。
ベリートは、肖像写真用レンズとして昔から人気がありましたが、それは今も変わりません。
ところがベリートと言うと大判用かせいぜい中判用しかなく、焦点距離は、短くて7インチ、一般的には9、11、18インチとライカに転用できそうなものはほとんど見つかりません。
しかもF4と決まっていて、F3.5というのも他にはなさそうです。

このレンズを貸していただいた方は、すでにライカマウントに改造された状態で購入したとのことでした。
どういう経緯で、人の手を渡ってこの方の手許にやってきたのか分かりません。
ですが、このレンズヘッドを発見した誰かは、そのすばらしさに驚嘆し、ぜひライカで撮影できるようにしたいが、できうる限り最高の意匠をもってマウント改造するよう努めたことが想像できます。

自分ではけっして所有できない、ほんとうに希少なレンズです。
それでもお借りして、自分のカメラに取り付けたことで、レンズ発見者、レンズ改造者、レンズ所有者の喜びが指先に伝わって来たような気になれます。
いつもの、自分のレンズで撮影する愉しさとは違った、レンズを介して人と人が繋がったという愉しさを感じられた1日になりました。
【M8/Verito 2inchF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Wollensak Verito 2inchF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/03/02 Wed
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