タニさんやるじゃん

Hektor 7.3cmF1.9
今日は帰国の日で、航空機のスケジュールのため6時半にホテルを出ます。
前日の朝食がおいしかったのですが、残念ながら7時スタートなので今朝は食べることができません。
仕方ないので空港のラウンジの朝食で済まそうと思っていたのですが、チェックアウトのとき、マネージャーのタニさんがさりげなく包みを差し出しながら、朝食用意できなくて申し訳ないと詫びます。
中身はお弁当で、どうやらスタッフが少し早めに起きてわたしたちのために準備してくれたようです。
なんだか最後にきて胸が熱くなってしまいました。

古民家の宿というか、古い商館を改装した6部屋しかない小さなホテルでしたが、ここを選択してよかったと実感できました。
歩くとぎしぎし床が軋む木造の古い建物ですが、内装を極力古いままにして、風呂桶も木で作るなどこだわりが感じられました。
小さな食事つきクルーズやスタッフと食べる夕食、マッサージまで無料で、昨日の作例のバルコニーからの眺めと合わせて、飽きさせない工夫に満ちています。
たまたま出会った日本人のカップルが、このホテルに泊まってることをうらやましがり、予約がなかなか取れない人気ホテルだと教えてくれたのも納得でした。

前夜、旅行代理店で予約したタクシーで空港を目指しますが、支払い済みのバウチャーを見つめながら、6時半にちゃんと来てくれるのかが気になります。
タクシーを待っていた通りの少し先がにぎやかだったので、早朝からどうしたのだろうと見に行くと、なんとお葬式が行われていました。
仏式だったようでお坊さんの乗った車があり、葬送曲を演奏する楽隊の車、いかにも町の重鎮というべき方々の車、棺と号泣する親族を乗せた車などが次々と通っていきました。
そして最後は、少なからず故人と関係あった人たちでしょう、いかにもベトナムらしいことにかなりの数のバイクが花を手に手に最後尾からついて行くのでした。
そういえば、2日前ホイアンに向かうときに、道々、墓地があり、土葬なのでしょう、いわゆる土饅頭になっているのを見たことを思い出しました。
昨日のやじろべえさんのように、後世まで人が訪れるようなら故人としても幸せでしょう。

そんなことを考えていたら、タクシーは時間ぴったりにやってきました。
時間厳守かどうかは個人差があるのでしょうが、ベトナム人はしっかり時間を守るという印象が強まります。
空港までは40分ほどの道のりですが、少し早めに出ていて余裕があったので、車が海岸に出た時、昨日も見たのですが、あまりに遠くて写真では点になってしまったそれを再度撮るために停車してもらいました。
それとは一寸法師…、ではなくそう見えなくもないこの地方独特のお椀のような形の船に乗った漁師さんです。
早朝から海水浴する中国人ツーリストが邪魔でしたが、浜辺を歩く人をあえて入れて船を一寸法師に見せようとしてみました。

タクシーはダナン空港へ予定通りに着き、タニさんの用意してくれたサンドイッチにぱくつきました。
チェックイン、出国審査と済ましてラウンジに向かいましたが、なぜか空いていません。
どうしたんだろうと思っていると、しばらくして女性職員が現れて施錠を解き、ようやくラウンジ内に落ち着くことができました。
もしかしたら、さきほどのお葬式に出ていて遅れてしまったとか…。
地方空港にしては大きなラウンジでしたが、入り口の開閉から、軽食と飲み物の準備、利用者のラウンジ招待状のチェックまで若い女性ひとりでこなしているのが驚きでした。
東南アジアらしくなさを見せつけてくれていた今回の旅のベトナムでしたが、最後に来て、やっぱりここは東南アジアだと再認識させてもらった朝のできごとでした。
【Alpha7II/Hektor 7.3cmF1.9 F1.9】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 7,3cmF1.9 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/26 Sun

オクトーバーフェストin June

Hektor 7.3cmF1.9
明日からベトナムを旅します。
それで今日はお出かけせずに、同行する友人の仕事をちょっとだけお手伝いしたり、荷づくりしたりして早朝の出発に備えます。
去年の世界一周のときはかなりの苦痛を伴ったりしていたのであまり感じられなかった旅前夜のワクワク感が、小学生の遠足や運動会の前夜のようによみがえってきました。
わたしの場合、こういう感覚はいくつになってもなくならないようです。

仕事がはねた友人を誘って、前日たまたま通りかかってみつけた、オクトーバーフェスト奈良へ繰り出しました。
土曜の夕方で会場は大盛況、空いている席を見つけるのに10分以上歩き回りました。
ここのビールは、ドイツから空輸するとかなんとかとにかく高いです。
1杯の値段で居酒屋の生ビールが2杯、ベトナムのビールなら20杯飲めます。
前夜祭という前提がなければためらいますが、明日から20分の1の値段だと思えば今日の贅沢は許されるでしょう。

南ドイツの農婦風衣装の女の子たちがウエイトレスのように何人かいます。
そんなフロイラインたちはお願いすると写真を撮らせてくれるので、今日の作例はその中からと考えていたのですが、ビール片手に何気なく撮ったこの1枚の方が、表情の面白さ、美しき瞳の輝きでずっとよかったので、これを採用しました。
すぐ後ろを歩いていたお兄さんもなぜか後ろを向いてくれたのもラッキーでした。

この間何本も大口径レンズを使ってきましたが、それらはすべてガウスかゾナー、あるいはそれらの変形です。
ヘクトール7.3cmF1.9のような大口径を、すべて2枚貼り合わせとはいえ、トリブレットで達成しているというのは類例がないのではないかと思います。
しかし、それでビオターやゾナーと同等の性能が出ているかと言えば、まったく太刀打ちできないレベルなのが面白いところです。
当時のツァイスであれば、製品化はあり得なかったレンズです。

それでは、写りもダメかと言えば、たしかにピントに鮮鋭度がなくコントラストが低いですし、球面収差や非点収差、コマなどレンズ設計上の問題が画面全体を覆いつくしてっしまっています。
現在では認められない低性能レンズですが、被写界深度の深さ、ハイライトの微妙な滲み、暖色系の発色がつくる絵はヘクトール独特のもので、好きな人には堪らない描写です。
ヘクトール73cmF1.9は、1931年から約7200本が製造された、現存数の少ないレンズですが、市場ではそこそこ見かけることができます。
恐らく、買ってみたもののあまりに写らないと手放す人がかなりいるということなのでしょう。
それでも大切に使い続けているのは、この描写に惚れ込んだ、高性能なレンズだけが好いとは限らないと気づいた人々に違いありません。
【Alpha7II/Hektor 7.3cmF1.9 F1.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 7,3cmF1.9 | trackback(0) | comment(4) | 2016/06/18 Sat

南米を目指すというので

Hektor 7.3cmF1.9
先日、奈良に行ってきたばかりですが、立て続けにまた奈良に来ています。
来週、ベトナムを旅行することになって、関西空港からのフライトになるので、また、奈良で宿泊業を営む友人のところで図々しくお世話になることになったからです。
ちょうど奈良で音楽祭や神社の例祭などがあるようなので、すべて見てやろうと早めに奈良に向けて出発しました。

いつもなら、神奈川県の大和から日本の大和へ向かうバスに乗るところですが、今日はまず名古屋に寄ります。
名古屋在住の友人が仕事を辞めて南米を旅するというので、似たようなことをした先輩としてエールを送るためです。
首をかしげてしまったのは、いつもの東京発大阪行きのバスより、距離の短い東京発名古屋行きのバスの方がなぜか高く設定されていたことでした。
座席稼働率を上げるために月や曜日ごとに料金を細かく設定すると、こういうことが起きてしまうようですね。
同じJRのバスで、大阪便の方が3列シートで高級仕様なのですが…。

大雨の影響でバスが遅れましたが、名古屋の友人はにこやかに迎えてくれました。
あさって出発してペルー、ボリビア、コロンビア、アルゼンチンと回る2ヶ月の旅だと言います。
中部のボリビアから北部のコロンビア、南部のアルゼンチンの順番に旅するのは、わたしがコロンビアの治安はだいぶよくなったとか、物価が安くてねえちゃんは奇麗だとか余計なことをささやいて旅程変更させてしまったからのようです。
申し訳ないことをしてしまったなあと思います。

最近流行ってるという親子丼を食べて、名古屋らしい喫茶店でコーヒーをすするともう時間です。
わずか1時間半の滞在で名古屋を後にしました。
名古屋へは名鉄が乗り入れていて直行こそありませんが奈良行きには便利そうです。
しかし、ここでもわたしは安い高速バスで奈良を目指すのでした。

名古屋到着が遅れたことで、駅周辺でスナップする時間を失いましたが、奈良着は時間通りで奈良公園でも撮影に寄ろうかなと考えていました。
ところが幸運なことに、バスが横付けされた目と鼻の先で音楽イベントが開催されていて、本日の作例とすることができました。
持ち込みのビニールシートや折畳み椅子に掛ける人を含めて、聴衆の背中から音楽を楽しんでいる様子が伝わってくる光景でした。
【Alpha7II/Hektor 7.3cmF1.9 F1.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 7,3cmF1.9 | trackback(0) | comment(0) | 2016/06/13 Mon

多祝新城

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皇思楊村にやって来たのは、前回11月に訪れたときに知り合いになった女の子たちからまた来てと誘われたからです。
それ以外の理由はありません。
ただ、ここだけに来たのでは新鮮味がありませんので、前回行こうとして果たせなかった田坑村に寄ってから、意気揚々と皇思楊村に凱旋(?)したのでした。

ところどころ撮影しながら歩いていると、見つかりました、美蓉の暮らす雑貨屋です。
店番していたお母さんがわたしに気付いて大声で娘を呼び、出てきた美蓉もまたはす向かいに住む友だちの勝意を大声をあげながら呼びに行きました。
美蓉の家族も揃って出てきて雑貨店内に全員集合になりましたが、3ヶ月前とみな変わらず元気とあいさつをかわして、美蓉と勝意にうながされ散策に出掛けます。

彼女たちの通う中学校のそばに企業の研修施設があって、公園のようになっているので行きましょうと誘ってくれました。
皇思楊村の小学校は彼女たちの家のまん前にありますが、中学校は地区の中心の多祝まで歩かなくてはなりません。
ところがそこまで案外近くてゆっくり歩いて30分かからずに着いてしまいました。
30分かからずに中学へ登下校できれば、中国の田舎としては悪くないのではと思います。

公園は残念ながら立入禁止で、フェンス越しに眺めるばかりでした。
以前に来た時は花園のようになっていて色とりどりの花々がきれいだったとのことですが、城のような、というか日本でいえば地方のモーテルのような建て物の方が気になります。
これは、セキュリティ関連の会社となっていましたが、そんなところならもっと地味な建築物が似合いそうなものなのにどうしたことなのか気になりました。

がっかりのわたしたちでしたが、彼女たちが確かこっちに古い家があったからと奥へ奥へと案内してくれます。
前回会った時にわたしが古い家を見て歩いていると言ったことを気に留めてくれていたようです。
なるほど、建築的には魅力的とは言えませんが、いい感じに枯れたような古民家が並んでいる一帯にでてきました。
さらに歩いていって振り返ると、先ほどの企業施設の俗悪な建物が古民家の背景にこれ見よがしにそびえています。
一瞬のうちに思ったのが、あっ、これが中国だ、でした。
ごく一握りの富裕層が貧困層をあざ笑うように見下ろしている象徴に見えてなりません。
もちろん、ふたりにはそんなことおくびにも出しませんでしたが。

今日の作例は、まるで広角を使ったような、滲んでいることでいえばズミルックス35mmで撮ったような空間にみえますが、これもヘクトールの開放です。
やや望遠の7.3cmをF1.9で撮っているのになんでこんな表現になるのか、距離感のまるでない不思議世界です。
こう来ると次はポートレイトをと考えたくなりますが、残念ですがヘクトールは交換して明日から別のレンズになります。
【X-E1/Hektor 7.3cmF1.9 F1.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 7,3cmF1.9 | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/07 Thu

世界唯一的鏡頭

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ヘクトールにコピーレンズがあったと言えば誰もが驚くでしょう。
ヘクトール7.3cmF1.9は、1932年のレンズとしては驚異の大口径中望遠レンズですが、残存収差があまりに厳しく、当時でもあえてコピーレンズを設計する必要性があったかといえば疑問だからです。
ロシアの初期ライカ型カメラであるフェドのレンズにはライカのコピーレンズがラインアップされていて、ヘクトール28mm、エルマー50mm、ズマール50mm、マウンテンエルマー105mmなどが知られています。
それでもヘクトール7.3cmのコピーは存在しません。

ロシアではなく、意外にもアメリカにそのコピーレンズはありました。
Bausch & Lombs E.F. Anastigmat 3inchF2 というレンズです。
7.3cmではなく3インチ、F1.9ではなくF2とスペックは近いのに同じにしないところが思わせぶりですが、存在感のある鏡胴はヘクトールとよく似ているようでデザインを微妙に変えていて、全体にはコピーで内という主張があるようにも思えます。

そんなボシュロム・アナスティグマートは、わたしの生涯でただ1本を見ただけなのですが、たいへん幸運なことにその1本こそkinoplasmatさんが所有されている1本で、先日、実物まで拝見することができました。
ホームページで見ていたとおり迫力のあるボディで、ブラックペイントがほどよく剥がれて真鍮が露出する部分も含めて外観の美しさで秀でています。
ボシュロムの3インチではレイターというF2.3のライカマウントレンズがあって、これもたいへん希少なものですが、わたしは3回ほど見かけたことがあり、外観や希少度ではずっと劣ります。

写りはレイターの方がたぶんずっと優れているかも知れません。
アナスティグマートはやはりヘクトールコピーを噂されるだけの貫録を示していました。
M8で撮られた写真では気付かなかったのですが、今回、www.oldlens.com にアップされたM9の写真では周辺部があまりにすごいことになっているのに圧倒されます。
M8では優等生レンズにすら見えていたのに、隠れていた周辺が露見するととんでもない不良生徒だったことが発覚したのです。

非点収差による同心円のボケは今日の作例でも分かるようにヘクトールにも見られますが比較的小さなもので、ボシュロム・アナスティグマートではキノプラズマート2インチF1.5並みに激しくでていてこれが大きな特徴になっています。
また、ヘクトールはボシュロムより画面全体の均質性は高く、あるいはその分ボシュロムの方が中心のシャープさや立体感などで勝るのかも知れません。

どうもコピーレンズとか、ヘクトールの方向性を狙ったレンズではなく、キノプラズマートと同様にもともとシネ用として設計されたレンズをその描写に惚れ込んだ誰かがボシュロムにライカマウント版を誂えさせたのではと言った方が説得力があるような気がします。
もちろん、これだってなんら裏付けはありませんが…。
いずれにしても、こんな夢のようなレンズを発掘して世に問うてしまう、www.oldlens.com 恐るべし、です。

さて、今日の作例はボシュロムでなくヘクトールですが、最初顔を手で覆っていた少女が、意をけっしたかのようにポーズをとってくれたところを慎重にピント合わせしたものです。
ですからこれは顔にピントが合っていると断言できるくらいなのですが、やはりいくら見てもピントが合っていないように見えてなりません。
昨日と今日の作例で分かったことは、このブラックペイントヘクトールはX-E1の撮影に向かないレンズだということです。
たぶん、ボシュロムではそういうことはないかも知れませんが。
【X-E1/Hektor 7.3cmF1.9 F1.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 7,3cmF1.9 | trackback(0) | comment(0) | 2013/03/06 Wed

馬路修好了

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食堂前で乗ったバスに10分も揺られていると見覚えある景色が見えて来ました。
ちょっと早過ぎるような気がしましたが、皇思楊村入口の看板が出ているので間違いありません。
あわてて「下!」と大声を発してバスを停め、転げ落ちるように飛びおりました。

中国の小型パスは停車ボタンがないので声をかけるのですが、「下(シアーと発音)」と大声を出すのが普通でこれは「降りる」を意味します。
「停まってー」ではなく「降りるー」と言ってバスを停めるというのが、お願いするのではなく客であるわたしが降りるのだといわんばかりで、主張社会の中国らしいなと思えるところです。
ちなみに広東語では「落」となるのだそうで、香港では、降りるでも、下りるでもなく、バスを落ちると言います。

ところで前回、バスの始発である平山から皇思楊村まで1時間近くかかったような記憶があるので、平山~田坑近くの村が約20分、田坑近くの村~皇思楊村が約10分ということは、都合半分の所要時間になります。
ほぼ全面道路工事して一部未舗装路もあったのが、工事自体はまだ継続中のところもあったもののほとんどがきれいに開通していました。
遠かった皇思楊村は、だいぶ近くになった印象です。

バスを降りるや歩きながらレンズをヘクトールに取り替えました。
このヘクトールはオールブラック鏡胴のものですが、全体に甘くソフトな写りをする個体で、そういったソフトレンズをEVF(エレクトロニック・ビュー・ファインダー)でピント合わせできるか試したかったというのが、このレンズを持ち出した理由です。
わたしは一眼レフカメラを使った経験がほとんどないので、レンズがファインダー内のピント合わせに与える影響というものがさっぱり分かりません。
1本1本特徴の違うレンズを順次使うことでコツを掴んでいければいいと思います。

歩きているとさっそく前方に白髪の女性を発見しますが、遠方からでもフォトジェニックだと分かるくらいなので警戒されないよう近づいていきます。
7~8メートルまで寄って来たでしょうか、そっとカメラを構えますが、やはり通常のEVFではピントが合っているかいなかまったく判然としません。
そこですかさずMFアシストボタンを押してファインダー中央部を拡大します。
今までですと止まっているものならこれでどうにかピントが合わせられました。
ところが7.3cmと若干望遠になっただけで、アシスト部分のブレが激しくて思ったように女性に狙いが定まりません。

あれ、あれっとやっているうちに女性にバレて、ピントが合わないうちにレリーズしてしまったのが今日の作例です。
この画面で見ても、背後の壁か樹にピントが来ている後ピンなのか、女性の肩か手にピントがあるやや前ピンなのかもよく分かりません。
PCディスプレイで見てこれでは小さなEVFで分かるはずがありません。
かなりの研鑽を積まないとヘクトールで思った通りの絵を撮ることは難かしいということが、最初の1枚で理解できました。

ちょっと怖い顔で棒切れを持ったこの女性、不審者のわたしを叩こうとしているかと言えばそうではありません。
下部中央の草のかげで姿が隠れてしまっているニワトリを部屋に追い込んでいるところです。
奇声というかニワトリ語というかギアーッと叫びながら10羽近くいたニワトリたちを小屋に追い込んでいく様は見事で、本日最高の1毎になるはずでしたが、ピントは外れ、ニワトリは見えず、女性は不機嫌な顔と最悪の1枚に貶めてしまいました。
ヘクトール恐るべし、です。
【X-E1/Hektor 7.3cmF1.9 F1.9】
Leitz Hektor 7,3cmF1.9 | trackback(0) | comment(2) | 2013/03/05 Tue

第三個Hektor

M8/Hektor 7.3cmF1.9
鎌倉から戻りましたが、その途上、大船駅にて。
鎌倉の写真が1枚足りないかたちになりましたので、帰途、電車待ちしながらM8の液晶を見ていた時にいい感じだったので撮ったものです。
ヘクトールの開放では厳しいですが、ほぼ同距離と思われる別方向のものでピント合わせをして、速効で1枚シャッターを切りました。

広角なら問題はありませんが、明るい標準や望遠ではたいがい距離が外れるところ、たまたまぴったりきたようです。
露出はもう少しオーバーの方がよさそうなものですが、見た目はこんなものでしたし、アンダーなおかげで顔がはっきりしないので、採用の判断材料になりました。
本来ならこういう何気ない写真をどしどし取りあげたいのですが、肖像権の問題があって、勝手に判断基準を付けてクリアしたものを掲載したりしています。

ところで、わたしは鎌倉へ行く時はかなりの確率で、このヘクトールを持参しています。
ライツのレンズで何がいちばん好きかと考えると、1日中でも愉しく悩んでいられますが、半日くらい考えて5本に候補を絞れたとすれば、このレンズは絶対その中に入っているはずです。
ただ、やたら重たいですし、高価なので、そうそうあちこち持ち歩くわけにはいきませんので、近場に行くとなると持ち出したくなってくるのです。

この日使用したのは、通常のブラックペイントとクロームメッキの個体ですが、最愛のヘクトールはブラックペイントにニッケルメッキのもので、ガラスの状態も良く意外にシャープかつクリアな描写をしてくれます。
その古風な外観と、シャープかつクリアであってもやはり現在のレンズには作り得ない独特の描写の双方が鎌倉的と感じられるのも持ち出す理由です。
ひとりで撮影していて休憩するときは、おもむろにヘクトールを取り出して、鏡胴を眺めながらクロスで拭ったりするのも古都にいる安心感をともなう至福の時間です。

そういえば、ヘクトール研究の第一人者knpmさんと、ライカを持っていないのにヘクトールは所有しているksmtさんと、ヘクトールを持ち寄って比較検討するというきかくがるのですが、未だ実現していません。
お会いするたびに、次回はヘクトールの比較をやりましょうと言って盛り上がるだけでも、なかなかに愉しいことなのです。
【M8/Hektor 7.3cmF1.9 F1.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 7,3cmF1.9 | trackback(0) | comment(6) | 2011/09/04 Sun

他的鏡頭

M8/Hektor 7.3cmF1.9
ぼたもち寺のすぐ隣に八雲神社がありました。
ここでも復興祈願して、また少し先と表示されている安養院を目指しました。
この辺まで来るのは初めてです。
しかし、まだ5時前というのに安養院は閉まっていました。

夕刻になったのと、こちら側は観光客の流れがもともとないことから、これ以上先へ行くのはあきらめることにします。
材木座に向かって、まだまだ寺院が並んでいるのですが…。
といっても、また日があって撮影可能ですので、最後に、大定番の鶴岡八幡宮に行って締めくくりにすることにしました。

八幡さまで手を合わせると、この日は合計7箇所の寺院と神社で被災地の復興をお祈りしてきたことになります。
こんなことは何の役にも立たないかも知れないでしょうし、そんな労力があるならもっと役立つことをしなさいとお叱りを受けそうですが、まず写真を撮らなければいけないという状況があって、では鎌倉へ行くかと場所を決めて、それから鎌倉なら行く先々のお寺さんで復興祈願すればいいのではという順序で決めて実行してきたことですので、どうかご容赦ください。

すでに日は傾きかけていましたが、参拝者はまだまだかなりのものでした。
鎌倉へはレジャーで来たのかも知れませんが、こんな大災厄があって、誰もが神様に祈らなくてはという気持ちだったのではと察します。
個人的なお願いもあったでしょうが、やはり誰もが被災した方々のことを祈ったことでしょう。

さて、何かないかと散策していると、三脚上の不思議なカメラが目に留まりました。
近づくとボディは紅茶か何かの缶でできていて、手作り感がいっぱいです。
針穴写真です。
中判用のポラロイドパックを使っているようで、タイマーできっかり露光して気合いの入った、かつ何かわくわくするような撮影を楽しんでいるようです。

邪魔しては悪いと思いつつ声をかけました。
わたしはこういう手づくりの作業が楽しくてたまらないんです、という雰囲気を全身に湛えたような青年が面倒がらずに受け答えしてくれました。
それに、ポラロイドですので、その場で作品も見せてもらえます。
実に雰囲気のある絵が浮かび上がっていて、たくさんいるはずの参拝客は1分以上の露光で跡形もなくなっているのが、またあれっという感じで面白く思えます。

わたしも、本日の最後で面白いものを見せてもらえたという満足に浸れて、幸せ気分で帰路に着くことができました。
ヘクトール7.3cmF1.9は2枚貼り合わせが3群並んだ3群6枚のトリプレットですが、彼の使用レンズは、焦点距離は約35mmで、F値は聞き忘れ、レンズ構成は0群0枚ということになります。
【M8/Hektor 7.3cmF1.9 F1.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Leitz Hektor 7,3cmF1.9 | trackback(0) | comment(0) | 2011/04/03 Sun
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