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記憶中的少女

Opic 5cmF2
旅からまだ2ヶ月も経たないですし、それぞれの古鎮は気に入っていたはずなのに、訪れた村の名前が思い出せません。
地図で確認すると、ああそうです、昨日の村は最初に訪れた福宝で、今日の作例は塘河でした。
実を言うと、旅をしている最中も自分が滞在している村の名前を忘れるということがよくあります。
たまにある失敗は、目的地を目指してバスに乗っていて、車掌にどこで降りるのかと聞かれて、ううっと答えられないことです。
田舎のことなので、ちょっと待ってねと地図で確認してから○○ですと答えられれば問題ないですが、いまの北京でこんなことになったら不審人物でつかまってしまうかも知れません。

覚えられないのは人の名前でより顕著です。
地方を歩いていて現地の人と知り合うと珍しい外国人だとよく携帯番号の交換を求めらられることがありますし、若い女の子と知り合うチャンスがあればそのときはこちらからついつい番号を聞いてしまいます。
するとたちまちのうちにわたしの形態には非常に多くの名前が登録されることになります。
しかし、そんな名前が誰だったかを思い出すことは、まずはできません。
そもそも旅の一期一会で次に会う可能性はほとんどないのですから、初めから覚える意思はないということもあります。

しかし、中国では非常に同姓同名が多く、1字違いとなるとさらに多くなってきます。
コンタクトをとりたい肝心の名前がどちらか分からないといったケースがしばしばでてくるのです。
そこで考えたのが、登録する際に指名の跡に@を付けて地名を入れることでした。
例えば、ここ塘河で毛沢山という人と番号の交換をしたら、毛沢山@塘河と登録しておきます。
似たような名前の人と知り合っても地名で判別できますし、しばらく経ってから携帯をいじっているときにこの名前がでてくると塘河っていえば重慶のあそこだと思い出し、そういえばあのとき毛さんと親しくなったっけなどと連鎖的に思い出したりして、旅の記憶が紡ぎだされノスタルジックな気分になれたりなど期待できるでしょう。
これとて地名を見てそれがどこだか思い出せなければどうにもならないわけですが。

そんな名前や地名より記憶を呼び覚ますインパクトでは写真の方が、強いのは明らかでしょう。
とは言っても似たような古鎮を1週間も旅してまわると、それがどこだったか分からなくなるかも知れません。
そこに人物が絡むとより記憶は鮮明になるのではないでしょうか。
これも、名前@地名と同じパターンと言えると思いますが、写真では、このときの情景が連鎖的に思い出されるのです。

作例では、快活で色白の可愛らしい子と仲良くなり写真を撮らせてもらったのを思い出しました。
おばあちゃんにくっついてばかりでその場から動かないことにふと気づき、ちょっと不思議だと思っていたら、彼女の動作から恐らく背中に障害があってひとりでは立ち上がる動作ができないようだと分かりました。
その間笑顔が絶えない彼女に切ない気持ちといやすごくがんばっているんだなという感心で、おもわず彼女の手をぐっと握りしめたことが記憶によみがえりました。

その後、おじいちゃんと散歩に行くというので同行させてもらったのです。
写真を見ると、おじいちゃんと子どもが何やら会話しているのはいいとしても、顔が隠れたおばあちゃんや車いす、未来を示すような杖の老人など、配置がうまく整理できればとても好いスナップになったのではとも思われます。
ここでも思い出すのは、それが考え付かないほど彼女の笑顔がすばらしく感じ、それを見つめながらわたし自身がちょっとうるうると来ていたということです。
見る人にはダメな写真でも、撮影した人、旅した人には、とても強い印象を残したものというものがあるものです。
写真展には出せないものだとしても、私的なブログでなら思い入れたっぷりに掲載しても許してもらえるでしょう。
【M6/Opic 2inchF2 F2】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Anastigmat Series O 2inchF2 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/05 Tue

秋天3天假

Opic 5cmF2
せっかくの3連休でしが、あいにくの天気になってしまいました。
今日は午後から晴れるとの予報だったので、お昼を食べてから鎌倉に行こうと思って駅まで向かったのですが、どしゃ降りの雨にたたられてそのまま引き返しました。
その後も雨降りが続いたので無理して行かなくてよかったなあと思います。
写真を撮ることもできなかったので、今週は9月に重慶を訪れたときの作例でお茶を濁させていただきます。

今回の作例はライカM6にモノクロフイルムで撮ったものですが、6月に麗江で使ったORTHO25というフイルムがすごい表現をしたので、その続編を狙いました。
しかし失敗だったのは、麗江は日差しが強く天気にも恵まれた上に6月で日が長くて撮影機会が多かったのに対し、重慶はただでさえ雨の多い土地で旅の最後にちょっと晴れた以外はずっと雨か曇りでISO感度が低いフィルムでは辛いものがありました。

そもそもISO25は、ピーカン時にF1.4クラスのレンズで開放撮影するのに1/1000が使える感度なのですが、当然F2になれば1/500となり、どんよりした重慶の空の下では1/16、1/8が主体でこれならISO100のフィルムを使うべきだったと反省します。
1/8でもしっかりホールドすれば案外手ブレは避けることができますが、デジタルに慣れてしまうと、手ブレしなかったかどうかその場で確認できないのは不安を引き摺るものですし、撮影が慎重になってライカのスナップらしい軽快さが失われます。

作例でも、少女はどうにか止まっていてもらいましたが、子どもはなんだあいつはとばかりわたしの方に歩いて来てしまいブレてますし、少女が手にした帽子はあおいでいたのかかたちも歪んでいます。
1/16くらいでも被写体ブレしてしまうのですね。
そういえば、いま某オークションに出品されているダゲレオタイプの写真で4人が1枚に写っているものがありますが、お母さんがぴたりと動かずにいるのに対して、子どもたちは我慢できなかったのでしょうかなりブレてしまっています。
1840年代のダゲレオタイプの撮影はかなり高価だったからでしょうか、撮り直しはせずにそのままこの写真が残ったことが時代をよく表していると思います。

いずれにしても、動きのあるものをわざとスローで止めない撮り方をする以外、被写体ブレは失敗を意味しますので本来ならここでも使うべきではないと思います。
それでも作例に使わざるを得ないほどこれというものがありませんでしたし、逆に被写体ブレの作例が当時の状況をよく伝えるということで選択の理由になったのでした。
確かにライカを始めたころはISO400フィルム1種類だけで間に合わせていましたが、開放にこだわるようになって2種類以上のフィルムを持参していたことを思い出しました。
このことを事前に思い出さないくらい、デジタルの使用が長くなっているということなのですね。
【M6/Opic 2inchF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Anastigmat Series O 2inchF2 | trackback(0) | comment(0) | 2013/11/04 Mon

踢角球

M8/Opic 2inchF2
オピックのシリーズ最終回です。
昨日までは、以前の鎌倉散策の作例でしたが、今日は、同じ週に出掛けたJリーグ観戦の写真を上げました。
何年振りかでJリーグ観戦しましたが、エリア指定チケットでしたので、時に最上段で戦局を眺め、時に最前列で選手の息遣いを聞きして楽しむことができました。

おとといも書きましたが、MSオプティカルはこのキズ玉オピックを室内撮影専用にしてはどうかと提言されています。
スタジアムは、夜の闇という屋根に覆われた室内とも見なせるとすれば、これはそんな作例になっていると言えるでしょうか。
フレア感は否めませんが、シャープネスとボケの美しさは印象に残ります。

MSオプティカルから届いた同レンズのカルテを見てみます。

くもりとキズに関しては以下の記載があります。
「レンズ分解、全12面クリーニングするも、汚れは多少取れたが、くもり大きく残る。」
実際にレンズを見ると、なるほど1枚目と6枚目にくもりが出ています。
合わせて1枚目にはいわゆるクリーニングマークが全面にあって、影響を免れないことは一目瞭然です。
そのためでしょう、レンズ評価に対するコメントは控えられているようです。

干渉計によるテストは、若干の補正不足が見て取れますが、1920年設計で突然現れたF2レンズということを考えると驚異的なまでに球面収差が取り除かれていると言えそうです。
コメントにはこうあります。
「収差はスピードバンクロより少し劣るが良い。レンズくもりでコントラストが悪い。解像力は相当良い。」

昨日あえて触れなかったスピードバンクロは、オピックから11年後の1931年に同じリーが設計したレンズです。
シネ用レンズとしてたいへん好評を博したスピードバンクロは、その後も改良を続けられて長い期間製造されたレンズです。
そのシリーズⅡでは、例のレアアースが使われた高性能レンズで、MSオプティカルが比較しているのがこのタイプだと思われますので、比較相手が悪過ぎます。

また、初期のスピードバンクロは、実はオピックの銘判を違えただけではないのかとの説があります。
そのためにシリーズO(オピック)銘のレンズがほとんど見つからないのではとの裏付けもあるのです。
製造年とシリアル番号の不自然なクロスも認められていて、怪しさいっぱいです。
しかし、残念ながらこのあたりの詳しいことは分かっていないようです。

MSオプティカルの意見にも関わらず、このレンズは山崎光学のアドバイスを受けてみたいと考えています。
研磨を勧められれば、お願いすることになるでしょう。
ただし、それまでにはシリアル番号の近いスピードバンクロを比較のために入手しておきたいとも思っています。
【M8/Opic 2inchF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Anastigmat Series O 2inchF2 | trackback(0) | comment(1) | 2010/11/26 Fri

嚆矢鏡頭

M8/Opic 2inchF2
現代の標準レンズのほとんどがダブルガウスをもとにしたデザインを採用しています。
そのダブルガウスを最初に採用したのが、ルドルフが設計したブラナーです。
1896年のことで、同じくルドルフが設計したテッサーより6年も先んじています。

前々世紀末に登場して現在も主流のダブルガウスタイプですので、この間、改良がくわえられながらも脈々と作り続けられたように考えられますが、3度の挫折を経ていると考えられます。
1つは優秀だったブラナーも、1910年あたりを境に製版用が少量生産されるだけになってしまいました。
前述のテッサーの台頭が原因のようです。
(このへんのデータは、www.ksmt.comの日誌に詳しく書かれています)

ほぼ10年のブランクを経て登場したのが、テーラー・ホブスンのリーが設計したオピックでした。
ブラナーがF6.3からF3.5止まりだったのに対して、驚異的なF2を実現しています。
オピックは、ブラナーの対称性に対して1群目を大きく非対称にした点と、やはりブラナーがフリントガラスを使用していたのに対しより屈折率の高いクラウンガラスを採用した点が異なります。

1920年に登場したことを考えれば驚異的なレンズだったのですが、あえなく3年後に挫折を味わうことになります。
ベルテレが設計したエルノスターの登場です。
エルマノックスというカメラに標準装備されていたため、カメラともども評価が高く、オピックは過小評価されてしまったようです。

しかし、ここではダブルガウス型がすぐに盛り返しました。
2年後の1925年にはトロニエのクセノンが登場し、さらに2年後にメルテがビオターを設計します。

時代はダブルガウス花盛りのように見えますが、実はここにまた落とし穴がありました。
この時期に35mm判カメラが登場するのですが、ツァイスがコンタックス用にエルノスターを改良したF2とF1.5のゾナーを投じたのに対して、ライカはF2ズマールとF1.5クセノンの両ダブルガウスで対抗するものの、軍配はゾナーに上がってしまいます。

その後、ズミタール、ズミクロン、ズミルックスを次々と送り込んだライカは、やっとコンタックスとの競争に追い付きました。
同時に、その後のガウスタイプの発展にも寄与したと言えます。
やがてミラーを装着した一眼レフカメラが35mmカメラの主流になると、バックフォーカスを長くとれないゾナータイプは主役の座から転落してしまうのはよく知られているところです。
(以上はいつものとおりキングスレークの本からの転用です)

以上、天下のダブルガウス型も、紆余曲折を経ているということをメモ的に書きとめてみました。
少し穿った言い方をすれば、ブラナーが同設計でいながらほとんど発展なく途絶えたのに対し、オピックは基本形を後世にずっと伝えた現代レンズの嚆矢と言えるのではないかと思っています。
【M8/Opic 2inchF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Anastigmat Series O 2inchF2 | trackback(0) | comment(0) | 2010/11/25 Thu

我的決心

M8/Opic 2inchF2
キズだらけのオピックは、撮影結果が目に見えるようで、マウント改造の依頼でもぐずぐずと悩むことになります。
このあたりが自分のケチで情けないところなのですが、いくら歴史的レンズでも、ボロくて性能がフルに出ないようなコンディションのものを、新同品と同じ改造費を払っていたらなにか損した気分になるのではと臆病風が突然吹き始めて、哀れオヒックはしばらくレンズヘッドのままで机の上にじっと動かない日が続くことになりました。

そして、優柔不断なわたしにしばしば起こる自問自答が始まります。
どこか第三国で安く改造してもらおうか、とりあえず所有している喜びに浸っていられればそれでいいんじゃないの、いや入手した以上わたしにはこのレンズを使って結果を確認すべき義務がある…。
ときどき机の上に置かれて物言わぬオピックを見ると、いつも同じようなパターンの思考が繰り返されるばかりでした。

決着を打ってくれたのが、このレンズを教えてくれたksmtさんのオピックはどうなりましたかの一言でした。
そうだ、このレンズをどうにかしてやらねば、こんなプログを懲りずに毎日更新している間抜け度合いが色あせてしまうと感じられることでしょう。

そこで考えたのが、この状態でまずはライカマウント化して撮影結果を出し、その後研磨なりの修理をしてどう変わったかを見ることでオピック編を完結させる2段階のストーリーでした。
MSオプティカルに改造を依頼すると、即刻、正確な改造を施されて戻ってきました。
机の上に数ヶ月、MSには2日間、それぞれ滞在したという感じでした。

MSオプティカルには、しばらく使った後、研磨してもらうつもりだと話したのですが、これには待ったがかかったかたちになりました。
確かにキズの影響でフレアが激しく出ますが、例えば室内撮影専用にするとかソフトなポートレート用に使ってはどうかというものです。

なるほど、たいへん考えさせられる意見をいただきました。
レンズに習熟するMSオプティカルでは、レンズのガラス自体はいじってはいけないという信念があるのだと思います。
受け入れるべきだとは思っていますが、研磨後の描写がどうなるか確認してみたいという欲求も強くあります。
この点については一時保留ということにします。

作例は室内ではありませんが、鎌倉のハイキングコースは木々に覆われて室内のような空間をつくりだしています。
そして、MSオプティカルの意見のとおり、先鋭さと柔らかさの同居した期待通りの表現が得られました。
ただ、発色が悪いのはレンズの問題ではないと思われますので、念のため。

【M8/Opic 2inchF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Anastigmat Series O 2inchF2 | trackback(0) | comment(1) | 2010/11/24 Wed

不要即買

M8/Opic 2inchF2
4月にksmtさんと散策した時に、びっくりするようなことを教えてもらいました。
オピック2inchF2が売りに出ているというのです。
そう言いながら若干顔を曇らせていますので、ははーん、相当高い値が付いているのだなと察しましたが、そうではありませんでした。
あまりにもコンディションが悪いということなのでした。

そもそもがオピックは幻のレンズで、ksmtさんも探し求めています。
彼の専門は75mmから100mmの間ですが、それよりも長いオピックを3本も所有しています。
何しろ幻のレンズなので、多少焦点距離が専門領域から外れていてもとりあえずは入手しておく必要があるのです。
ところが、この2インチは状態が悪過ぎて自身は見送り、もしよろしければと2インチを特に好むわたしに振っていただいたという訳なのでした。

銀座の某店にあるというので、いてもたってもいられず、ひとりその足で見に行きました。
なるほどレンズは前玉に無数のキズがあって、くもりも出ています。
くもりだけなら落とせるかも知れませんが、このキズはどうにもなりません。
いくら幻のレンズと言っても、さすがに即決することはためらわれました。

わたしの中で自問自答が始まりました。
この状態では撮影結果は目に見えてる。
しかし、この機会を逃せば2度と2インチのオピックに巡り合うことはないだろう。
だが、こんな状態なのにけっこういい値段が付いているぞ…。

オピックの少し具体的な話は後日させていただくとして、まず書いておかねばならないのは、レンズのどこにもオピックの名称が書かれていないことです。
クックのいく種類かのレンズに見られる表記なのですが、一般名を書かずにシリーズなになにというように刻印されていて、その情報を持ち合わせていないとそれが何と言うレンズか分からないのです。

ただでさえ、よほどレンズに関心がある人でないと聞いたことすらないオピックですが、Series O という表記があるものがオピックだと知る人はもうほんの一握りになるでしょう。
もしかしたら、ksmtさんとわたしのふたりだけかも知れません。
わたしだって、このレンズをパッと見てもすぐにオピックだとは気付かないと思います。
運が良くて、この表記なんだっけ、あぁー、オピックだ!と気付く程度のものでしょう。

レンズは実は委託販売品でしたので、このお店の人もオピックだとは気付いていなかった、あるいははなからオピックなんて聞いたことすらなかったでしょう。
そしてたぶんオピックということを前面に出していないことから、委託に出した所有者も同様にオピックと知らなかったと見る方が自然です。

逡巡を繰り返したわたしは、購入に踏み切るためひとつの勝負に出ました。
委託ですから断られる可能性が高いですが、こんな状態にしては高すぎるので、もう少し値段を引いてくれれば買いたいと言ってみたのです。
すると、その熱心さが受けたのか、店で所有者に交渉してくれることになりました。
結果は明日。

翌日、電話してみると、数千円の値引きに成功したということでした。
一般の常識では、それでもまだかなり高いということになるかも知れません。
しかし、わたしにはそれで十分でした。
やはり、何としても欲しかったのですが、そのままに買ってしまうことはもうひとりのわたしに対して言い訳できない行為だったのです。
ですが、少しでも値段が下がったことで、ほら、ここまで頑張ったのだから、買わないわけにはいかないでしょう、うんそうだよなあ、との会話が成立して、もう満場一致で購入せざるを得なくなったという訳なのでした。
【M8/Opic 2inchF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Anastigmat Series O 2inchF2 | trackback(0) | comment(4) | 2010/11/23 Tue

拍買的恐怖

M8/Opic 2inchF2
これまでずっとレンズの主要供給源だったeBayですが、ここのところ、まったく雲の上の存在となってしまいました。
ビッドを入れども入れども、落札できません。
以前にもそういうことはしばしば起こっていますが、ここ半年くらいまったく落札できなくなって、そろそろレンズの神さまにもうやめなさいと言われているのかなと考えざるを得なくなって来ました。

ここ2年くらいでしょうか、新興国の台頭、つまりは中国・香港・台湾のレンズファンが一気に進出したようでeBayの秋を感じるようになっていました。
それでも、4回くらい欲しいものが出現すると1回くらいのペースでは落札できていたと思われます。
負けたときも、だいたい競り負けで次点となるケースがほとんどでした。
しかし、今では自分の想定するはるか上の価格帯で落札されています。
参加しようとするだけ時間の無駄になってしまいました。

わたしにとって恨んでも恨み切れないのは、新興勢力よりも、マイクロフォーサーズ機の登場です。
ご存知マイクロフォーサーズ+Cマウントアダプターのコンビが、ほぼ無価値だったシネレンズ達を高価格帯へ押し上げてしまいました。
引きずられるように、その周辺のレンズと言うレンズが軒並み価格高騰しています。

マイクロフォーサーズの登場が埋もれていたCマウントの名玉の再評価させたことはたいへん意義あることだと思います。
しかし、その価格の上がり方は異常でした。
100ドルでも誰も目もくれなかった○○25mmF1,4とか××1inchF1.5とかといったちっちゃなレンズが、いきなり500ドルだ1000ドルだと暴騰していくのを茫然と見送るしかありませんでした。

そもそもが安くて性能のいいレンズを救済したということで、マイクロフォーサーズの出現に拍手を送ったのです。
こんなに高くなったレンズを無理して買うのでは意味がないことに気付かないのかななどと呑気に考えましたが、カメラボディは爆発的なヒットをして、専門サイトやブログで煽るように紹介されたシネレンズ達は、そのパイを奪い合う形で価格がうなぎのぼりするのを指をくわえて見ているしかなかったのです。

これこそがオークションの面白さであって恐ろしさでもあるわけです。
店頭で1点売りするのであればバイヤーが値付けにも責任をもって相場が形成されたりもしますが、オークションではふたり以上のピッダーがいるだけでどちらか一方が倒れるまで打ちあい続けなければなりません。
打たれ弱い、つまりは経済力に劣る人間は退場を余儀なくされました。

この状況は副作用も引き起こしています。
かつて何度も利用した安い掘り出し物をしばしば提供してくれていたチェコのショップが、この状況で大儲けしてしまったのでしょう、強気の商売に方針転換してしまい、わたしなどはまったく手の出ない世界になってしまいました。
文句のひとつも言いたいですが、前述のとおり相場感は崩れてしまっていますので、これがわたしの相場だ高いと思うなら買うな、わたしにはいくらでも顧客がいるんだぞくらいの反論をしてきそうです。

いや、実はやはりこの出品者から何度も買い物している友人が、抗議したのだそうです。
しかし、その反応はやはりわたしたちの期待を裏切るものだったようです。
もうひとつ裏話をすると、この出品者は日本でも中古カメラ・レンズをしたいのだが日本の観光ピザを取るのに日本人のインビテーションレターが必要なのだと言ってわたしに依頼して来たことがありました。
彼が豹変する前だったのでわたしは快く応じて、来日の折には日本食でもご馳走しなくてはとまで考えていたのですが、その後儲けた彼は日本での仕入れになんて関心がなくなってしまったのかついにやって来ることはありませんでした。
さすがに恐縮して、50ドル分のレンズをプレゼントすると言って来ましたが、わたしは無視しました。

いずれにしても、現在のオールドレンズ、シネレンズを取り巻く環境はバブルの状況にあると思っています。
いつかそれははじけて、もともとの価格帯に戻るのではないかと。
しかし、少なくともそのXデイが来るのはまだまだ先のような気もします。
その日まで、静かに潜伏しているべきかなと考えている訳です。
【M8/Opic 2inchF2 F2】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Anastigmat Series O 2inchF2 | trackback(0) | comment(2) | 2010/11/22 Mon
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