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又新又旧的

M8/Cinematograph 2inchF3.1
夕方になるとりはいちだんと盛り上がりをみせ始めました。
いちばん南側の小浦町の漁港のところから、ゆっくりと神社にの方向へ進み始めます。
山車はライトが点灯され、いよいよクライマックスに向かってムードも高まります。

この山車は最新仕様になっていて、例えば車のものと同様のハンドルが付いていて、動力こそ人力で引くもののコントロールは運転手が行います。
一見安易に思える部分ですが、いくら伝統行事でも公道を動かす山車は警察の許可が必要で、運転手も許可を得た人が酒を断って真剣に行います。
万一、建造物にぶつけて壊したり、人にあたって怪我させたりでもすれば、責任を問われることになるのです。

基礎部分は新しい設計でも、上部の壁にあたるところには美しい彫刻と彩色が施されたかなり古いものだと分かります。
刷新するにあたって、古く使えなくなった山車を博物館に仕舞いこむのではなく、なるべく採り入れようとしたことが分かります。
ご先祖さまも一緒に参加しているように感じられるでしょうし、外観としても動態保存をしていると言えます。

奏でられるお囃子も一気に盛り上がって来ているのが感ぜられます。
おとなも子どもも山車に乗って、町会の総力をあげて高みを目指すかのようです。

そのお囃子についても面白い話が伝わっています。
もともと伊豆に伝わるお囃子はひとつで、それが歴史を経て土着化するにつれて土地ごとにオリジナリティがあるものになっていったようなのだそうです。
はっきりそうだと言う証拠はないのですが、例えば川奈の3町、東町、小浦町、宮町のお囃子は、よく似ているものの違う曲で、少しずつ変容していることが分かるのだそうです。

現在では、万灯が行われているのは川奈だけですが、隣の富戸にも万灯そのものは残っていると聞きます。
あるいは、かつては伊豆一帯で同じ曲を奏で、同じ万灯のりが行われていて、それが時代を経るにつれて土地ごとのスタイルに変わり、唯一オリジナルのかたちで残ったのが川奈の万灯なのではという説もあるようです。

海岸に面した通りから、細い路地に入ると神社はもうすぐそこです。
歩みはゆっくりで、というよりはほとんど止まってしまいましたが、りそのものはピークを迎えているように感じます。

そのとき気付いたのですが、明るかった少し前まで何人もいたカメラマンたちは岐路についてしまったのかほとんど見られず、地元の人ばかりになってしまいました。
狭い路地に神輿と3基の山車と3つの万灯がいますし、地元の人だけでもかなりのひしめき具合です。
カメラを持ってうろうろするばかりのわたしも、気持ちが高ぶって来るのが分かりました。
【M8/Cinematograph 2inchF3.1 F3.1】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Cinematograph 2inchF3.1 | trackback(0) | comment(0) | 2010/10/30 Sat

浴衣与手甲

M8/Cinematograph 2inchF3.1
すっかり寝過ごしてしまいました。
川奈の美しい海岸を見ながら、りを見に戻ります。

川奈は伊東市の市街地から数キロ南に下ったところにあります。
ちょうど川奈の北のあたりから岩礁の海岸がはじまって、富戸、城ヶ崎、伊豆高原と断崖絶壁の岩場が続いています。
八幡野を過ぎると熱川、稲取に代表される温泉の町が点在してゆったり過ごすのにいいところです。
近くには桜で有名な河津があって、シーズンには春の訪れを感じに訪れる多くの観光客で賑わいます。
さらに南下すると下田市ですが、ここからはもう十数キロで最南端の石廊崎に達して、東伊豆は終わります。

温暖で風光明媚なうえに、海水浴、ダイビング、釣りと海のレジャーにはことかきません。
東京・神奈川からほど近く、軽くドライブに行くというのにもぴったりです。
さすがに土日は激しい渋滞に見舞われ、夏場の日曜日など、通常2時間半で着くところに8時間かかったなどの話は枚挙にいとまがありません。


さて、会場に戻ると山車のお囃子が子どもたちに替っていて、和やかながらもまた別の緊張感を作っています。
子どもたちの真剣な表情が素晴らしいですし、奏でる音楽も練習の成果を出しきっているという充実が感じられました。
父親や近所のお兄さんが真剣にお囃子に取り組んでいる姿を間近で見て育っているからでしょうし、神輿や万灯はちょっとでも気を抜けば大けがになるというのを知っているからでしょう、お囃子もきわめて真面目に取り組まれているようです。

着ているものにも注目です。
りでは、おとなも子どもも、浴衣を着用しています。
おとなは3つの町会ごとに色が決まっていますので、浴衣を見ればどこの町会かが一目瞭然になります。
こどもたちの浴衣はそれぞれに趣向を凝らしたものになります。

モヒカンのような髪型の少年がいたり、ちっちゃな子なのにずいぶんと渋い着物を着た男の子がいたりして異彩を放っていましたが、やはり浴衣は女の子の世界です。
色とりどりの浴衣姿が、りに華やかさを添えていました。
お母さんのお手製でしょうか、浴衣の生地をドレスのような衣装に仕立てた女の子が目立っていましたし、どの子もエクステンションを付けて髪型から派手に演出したりお化粧したりで、ファッションショーのような華やぎです。

子どもはみんな腕に手甲をしています。
手甲は、元来が武具だったり作業着の一部だったものですが、りにも装身具として使われるようです。
わたしは初めて見た気がしますが、浴衣の華やかさや可愛らしさをぐっと引き締めているように見えます。
なるほど、もともと武具だったことを考えれば納得ですし、手甲をすることでりを見に来ているのではなく、参加しているという意思表示にも見えてきます。

りの定番衣装だと思っていた法被は川奈ではまったく目にしませんでした。
理由を聞き忘れましたが、伝統を守っていることと関係があるのかも知れません。
これも定番の袢纏は、役員の方のみ許されているようです。


逆光に弱いシネマトグラフですが、やはりこの程度の日差しでもコントラストがかなり低下してしまいました。
線の太い緩い描写にも見えますが、その分力強さを持っていると言えそうです。
戦前のレンズらしい写りが、古い祭りの伝統を表現するのにふさわしく感じます。
伝統を頑なに守る祭りには、頑固なレンズで対抗するしかありません。
【M8/Cinematograph 2inchF3.1 F3.1】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Cinematograph 2inchF3.1 | trackback(0) | comment(6) | 2010/10/29 Fri

3片頭

M8/Cinematograph 2inchF3.1
早起きしたことと、緊張感の強いりに見学者の気持ちも高ぶったこと、それに午前中からお酒をいただいたことで、昼過ぎにはすっかり疲れてしまいました。
りは続いていましたが、夕方のハイライトに向けて、失礼して少し休ませていただくことにしました。

りの会場から、海岸の道に沿って歩いて行くと岩場の浜に出ます。
気温が高く汗ばむ陽気でしたが、このあたりでは潮風が心地よく、大きな岩に横になってしばし昼寝タイムにしました。
合わせてりの紹介も小休止して、レンズのことに言及します。

クックのシネマトグラフという謎めいた名前ですが、同じ名称のレンズはダルマイヤーにもあります。
焦点距離は両者ともに2インチですが、F値は前者がF3.1、後者がF1.9で、当然ながら構成の違う関連のないレンズです。
シネマトグラフは映画という意味ですが、もともとは1895年にルミエールが発明した映写機も兼ねた映画撮影機の名前です。
それがそのまま映画を意味するようになったのですが、その後登場する映画撮影装置もシネマトグラフと言う固有名詞が一般名詞化したようです。
1920~30年代以降は、アスカニアをはじめ、より進歩した撮影装置が登場していきますので、それらをすべてシネマトグラフと呼ぶよりも、個々の名前で呼ぶようになってきたのだと想像されます。
シネマトグラフと言う名前をレンズに付けたのは、撮影装置がそう呼ばれていた頃の専用レンズを意味していたのでしょうが、恐らくはスティルカメラ用とは違う映画撮影用の高級仕様というイメージを持たせたかったのに違いありません。

このレンズも、かなり古い35mm映画撮影装置に付いていたのを発見して購入したものです。
撮影装置の方は、木箱にシンプルな歯車で構成された手回しのもので名称すら分かりません。
しかし、レンズにはシリアル番号が入っているため、1920年前後の製造だと言うことが分かります。

レンズ構成は、3群3枚、つまりトリプレットということになります。
そう、これはクックのトリプレットと呼ばれる1893年にデニス・テーラーが設計したレンズの改良型です。
かなり以前から、このレンズを探していてついに入手しライカマウントに改造したものを、ついに登場させることができたのでした。

何度かこのブログに記しているように、35mm用レンズには大きな発展の流れがいくつかありますが、最大勢力をガウスタイプとするならば、もう一方の雄であるゾナータイプの原型こそがこのトリプレットなのです。
トリプレットは、改良によってスピーディック型やヘリアー型なども生み出しますが、本流ともいうべき幹は、エルノスター型を経てゾナー型へと引き継がれます。

わたしがライカを初めて最初に買った交換レンズは、ジュピター3というゾナー50mmF1.5のコピーレンズで、続いてそのゾナーを入手し、やがてエルノスター型のマクロスイターに心酔します。
その後エルノスターの原型とも言うべきウルトラスティグマットという幻と思われたレンズも手にすることができました。
しかし、どうしても手に入れたかったクックのトリプレットは探せど探せど見つかりません。

焦点距離の長いものならありそうなので、50mmは諦めて望遠で探すかと思っていたところ、偶然にも見つかったのがこのレンズでした。
スピードパンクロを始めとしてクックのレンズは人気があるものが多いのですが、このレンズはF3.1と暗いためか誰も見向きもしなかったようです。
かなり安価に入手することができました。

これで、トリプレット→ウルトラスティグマット→エルノスター→ゾナーという一連の発展史を揃えることができました。
購入の順序はまったく逆で、歴史を遡るように手許に来たのも何か因縁めいたものを感じます。

レンズは、当然ノンコートですし、単玉3枚の組み合わせは色消しになっていませんし、シネレンズということでのイメージサークルの問題など、写りはかなり厳しいことが予想されました。
しかし、いざ撮ってみると、かなりシャープですし、ボケもなかなか好く、周辺は崩れますが思ったほどひどくはありません。
独特の滲みは色収差に起因しているように感じますが、逆に色ヌケは抜群で、年代を考えると評価できるレンズです。

とは言っても、光線にはかなり神経を使います。
作例写真は、ハレ切りしてコントラストを上げた状態でようやくこの程度になるというものです。
その前のコマでは、ハレ切りなしのためにフレアが全面を覆い、コントラストに無頓着なわたしをしてがっかりさせる結果を見せていました。

戦前レンズは、日中かなり神経を使わないとどうにもならないことがしばしばです。
そのあたりの確認をしながら撮影できるのはデジタルの強みと言えます。
それでも、ほとんどの人は、当時のわたしの状態そのままの、眠たい描写にしか見えないのだろうとは自覚していますが。
【M8/Cinematograph 2inchF3.1 F3.1】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Cinematograph 2inchF3.1 | trackback(0) | comment(2) | 2010/10/28 Thu

只有8個人

M8/Cinematograph 2inchF3.1
愛称は川奈の万灯でも、本来の主役は神が乗っている神輿の方かも知れません。
8人で担がれる神輿は、力強くも軽快で、縦横無尽に動き回っていました。
担ぎ手の表情も自信に満ちて見えます。
やはりりの花形なのでしょう。

しばらく見ていると、表情はかなり厳しさを湛えていることに気付きました。
最初の印象のようにはやさしいことではないようです。
担ぎ手は途中交替するようでしたが、その時にひと仕事終えてやってきた青年の肩を一瞬見て驚いてしまいました。
内出血のように真っ赤になって、一部皮膚が破れて血も流れているようでした。

そのあと、自身も担がれたことがあるという年長の方に神輿について話を聞く機会がありました。
それは、わたしが想像したような生易しいものではありませんでした。

まず重量が見た目以上に重く、ひとりの肩にのしかかる重みは40キロになるそうです。
これより重い神輿はもちろんたくさんありますが、ほとんどが16人とかそれ以上で担ぎます。
仮に重量が倍でも担ぎ手も倍の人数がいれば、ひとりあたりの負担は同じになりますが、その人数の中で少し休んだりなどの調整が可能になります。

しかし、8人だけでは、ひとりが手を抜いた瞬間に神輿が傾きます。
左右どちらかに傾くと、傾いた側の負担はさらに大きくなってしまい、すぐに立て直さないと崩れてしまいます。
その意味でも手抜きは許されません。
たいへん重い負担ですが、みんなで支え合って、大切な神輿が崩れないように助け合わなくてはならないのです。

出血までしている人を見たので、なぜ肩を保護せずに担ぐのかと聞きました。
肩にはパツドを入れ、さらにタオルを巻いているのだが、それでもああなってしまう、それほどたいへんなのだと教わりました。
神輿は左右どちらかの肩でずつと支え続けなければならず、途中で左右を変えることはできません。
かと言って上述の通り手抜きもできず、どうしてもああなってしまうようです。

万灯めがけて神輿が何度も突進する場面が見られました。
それを万灯の持ち手たちが体で止めて押し返します。
激しい体のぶつかりあいですが、万灯側は神輿に対して、なんだその程度の力か、物足りないなもっと力いっぱい来ないか、などとはっぱをかけて神輿をあおります。
神輿は、恐らく限界近いところでぶつかっていっているはずですが、まだだめだと言われ、さらに力いっぱい万灯めがけて突進していかなければいけません。
まさに、8人の男の意地で神輿を動かし続けなければならなくなっているのです。

危険だってともないます。
紙をくわえながら担いでいる人がいて理由をたずねると、不慮の動きがあると舌を噛み切る可能性があるので、口を開けないようにしているためとのことでした。
また、気勢をあげながら回転するシーンがあって、ここでもあおられながら回転を徐々に早めたため、勢い余って前方のふたりがはじき飛ばされてしまいました。
しかし、それでも怪我はなく、また神輿も崩れることなく、立て直しに成功します。

他では見たことが無かった、勇壮な神輿ですが、作例写真のようにけっしてマッチョな男たちががっちりと担いでいるというわけではありません。
もともとは川奈の負けん気強い漁師さんたちが、意地を貼りあったりした伝統から生まれたスタイルのように思われました。
今では優しい顔立ちの青年たちが、体力のみならず、精神力をもって重い重い神輿を支えているのが圧巻でした。
【M8/Cinematograph 2inchF3.1 F3.1】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Cinematograph 2inchF3.1 | trackback(0) | comment(0) | 2010/10/27 Wed

伝統的祭祀

M8/Cinematograph 2inchF3.1
10月16日、伊豆の川奈へ行ってきました。
万灯という伝統的な祭りを見るためです。

ここのところ、中国と祭りの写真ばかりアップしているなと見られそうですが、実際、このふたつに特化してブログを続けてもいいかなと思い始めたりもしています。
祭りは見せモノのような、観光のためのような存在で、だからこそ写真も撮りやすくブログ更新に重宝していました。
しかし、奈良井の祭りを見た後、住民の家に少し招かれて家族の団欒を見た時に、祭りを見せモノと考えるのはどうかという気持ちになりました。

そんなとき、祭りについて一家言もった方と知り合いになります。
祭りについていろいろなことを教わりましたが、簡単には語りきれない多様さがあることも知りました。
元来が神事なので、観光を廃した祭りだって存在します。
川奈の万灯という祭りは、神事の伝統を強く守りながら、地域の特性も採り入れた見る価値ある祭りとの紹介をいただき、今回ひとり出掛けてきたわけです。

と、少し殊勝な書き出しですが、作例を見ても分かる通り、勉強本位に行動したわけでも、ましてや写真の質が向上している訳でもありません。
ただ、わずかに親交のある方がブログの中で、祭りについて書かれていたこともあって、漫然と祭りを見に行って不見識に写真を撮っているだけでは意味がないと考えるようになりました。
従来のままでは、どの祭りに行っても同じようなものしか撮れませんので、自身を叱咤するという意味はあります。

早朝から神事は始まりますが、見せ場は10時頃と夕方6時頃にあると聞いていましたので、10時前に到着して祭りの意味合いについて注意を払いながら見学しました。
祭りの名前になっている万灯は、まだ三島大社の脇に安置されていますが、大社の下には早くも三基の山車がスタンバイしています。

さっそく聞いてみると、川奈は海側から見て右から東町、宮町、小浦町と分かれていて、それぞれ競うように万灯と山車、お囃子を持っているのだそうです。
なるべくすべてを見ようと心掛けましたが、今回は多くを東町の方のアドバイスにお世話になったことをお伝えしておきます。

観光の祭りではないので、歓迎されると言う訳ではなく、かといって毛嫌いされることもなく、関心を持ってくれたのであればしっかりと教えて差し上げましょうというような対応をいただいたと感じます。
祭りに集中しなくてはならない中で、丁寧に接していただいたことに感謝の気持ちでずっといました。
しかし、子どもさんにはよそ者だと警戒されてしまったのか、当初は鋭い目で見られてしまいました。
【M8/Cinematograph 2inchF3.1 F3.1】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Cooke Cinematograph 2inchF3.1 | trackback(0) | comment(1) | 2010/10/25 Mon
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