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感謝他

M8/Perar 35mmF3.5
昨日に続いてMSオプティカルについて思うことを。

宮崎さんのレンズが世に出たのは、さまざまな偶然が重なった、歴史の幸運の産物だとわたしは考えています。
どんな偶然かと言えば、まずは時代です。
ちょうど宮崎さんが最初のレンズ、50mmF1.3を設計したちょうどそのころ、一部のレンズファンに大口径レンズ嗜好の流れが芽生えていました。
その後に起きる大口径ブームに先んじていたことになる、あるいは、ブームの火付けに一役買っていたことになると言えるかも知れません。

時代のことを考えると、もしライカの全盛のころであれば、胡散臭いレンズと相手にされなかったかも知れませんし、インターネットの登場前であれば話題にすらならなかったかった可能性が高いと思われます。
また、コシナによるフォクトレンダーやツァイスイコン機の製造により、レンジファインダーカメラユーザーのすそ野が広がったのも追い風になったと思います。
とにかくタイミングは、ここしかないという絶妙な時だったのではないでしょうか。

さらに、その背景になっているのは、宮崎さんが改造を手掛けたいくつかの大口径レンズがあったのだと思います。
すでに、アンジェニューとキヤノンのF0.95、ニコンのF1.1などをライカマウントに改造した経験があったはずですが、その際、レンズの構成や収差を調べたことで大口径レンズの理解が深まったはずです。
同時に、大口径レンズを求める人がかなりいて、彼らが近距離で撮ってボケ味も楽しんでいることを知ったことでしょう。

改造を手掛けたオールド大口径は性能に問題があり、ボケも美しいとはいえないものが多かったことから、もっと優れたものを自分で設計してやろうと考えたのではと想像できます。
図面段階では、F1クラスまで設計できていたと聞いていますが、性能とコスト、需要をはかりにかけてF1.3に抑えることでそれらのバランスが取れたレンズに仕上がったと言えます。
レンジファインダーカメラ最盛期にズノー、ニコン、キヤノン、フジ、コニカ等がF1.1~1.2の大口径を製造しましたし、F1.4~1.5のレンズは多数作られました。
その中間を埋めるF1.3は厳密にはズノーになくはありませんでしたが、かなり新鮮な印象があり好意的に受け入れられました。

また、研究され尽くされた感のあるガウスタイプではなく、ゾナータイプを突き詰めた独自性も評価を高めたポイントです。
ガウスタイプでは、過去のレンズの後塵を拝することになりますが、ゾナー5枚玉の大口径と言うのは恐らく類例がありません。
同時にゾナーでガラス枚数を減らしたことはコストダウンにも大きく貢献してくれました。

レンズは限定約200本製造されましたが、この数字も絶妙でした。
製造数は多いほどコストを吸収できますが、多過ぎては調整や発送が困難になりますし、そもそもそんなにたくさん熟れるのかリスクが高まります。
一定期間に工場から仕掛かり品が届いてそれを組み上げて調整後発送するための数量として、200本は実に的確だったようです。
販売価格も10万円をぎりぎり超すことなく、それでも売り切れば十分に資金を回収できます。
また、ユーザーの側でも、世界に限定200本のレンズを所有する悦びを得ることができました。

飛ぶようにという訳ではなかったようですが、少し時間を経てレンズは完売しました。
大口径ブームにミラーレスブームが加わった今では、欲しいという問合せが間断なく寄せられているそうです。
200本に限定したことによる、市場の枯渇感を生み、次の大口径レンズ設計の火種を残したと言えます。
いずれにしても、光学に対する豊かな知識、大口径レンズを多く見てきた経験、自ら組み上げて調整する技術、儲けようとしたりしないレンズに対する真摯な姿勢、夢を実現させんとするバイタリティ、それらすべてが備わっている人は世界中みても宮崎さんくらいなのではないでしょうか。

そのどれかひとつでも欠けていたら、MSオプティカルのレンズは世に出なかったかも知れません。
そんなことを考えながら、ペラーでの撮影を楽しみました。
あつあつの臭豆腐を味わいながら、宮崎さんのレンズを同時代に仕える喜びを感謝しながら。
【M8/Perar 35mmF3.5 F3.5】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
MS Optical Perar 35mmF3.5 | trackback(0) | comment(4) | 2012/01/13 Fri

拐杖的老人家

M8/Perar 35mmF3.5
甪直に着いてレンズはビオターからペラーに変更しました。
MSオプティカルの、いまのところ最新のレンズです。
わたしは、オールドレンズを集め、それを実際に使うこと楽しみにしているので、現行レンズはまったく持っていないのですが、MSオプティカルのレンズだけは例外にしています。

設計した宮崎さんをレンズの師と仰いでいるからというのがひとつの理由です。
そして、もうひとつ、宮崎さんのレンズ設計にはオールドレンズの研究が根底にあるからという大きな理由があります。
宮崎さん自身もおっしゃっていますが、改造依頼されたものを含めて多くのオールドレンズに接し、収差補正や硝材、ガラスの厚さ、曲率などをつぶさに調べた結果が少なからずレンズ設計に反映しているということです。
そんな話を聞いていてそのレンズに興味を抱かないはずなく、MSオプティカルのレンズは完成するやいなや最初のロットを送ってもらっていました。

最近よく思うのは、宮崎さんのレンズは、わたしたちが何気なく考えるよりも世界のレンズ史においてずっと重要な位置を占めるのではないかということです。
いまだかつて、個人がレンズを設計、発注、組立、調整、そして世界のユーザーに向けてディストリビュートまでしたなんてことがあったのでしょうか。

カメラの世界では、安原一式が受注前金製造のようなかたちで個人生産をした例がありますし、小規模メーカーがレンズを設計・販売した例も複数あります。
前者は、レンズについてはもともとあったものを転用していたはずですし、後者は、レンズメーカーに在籍していた人を雇用するかして設計させたものではなかったかと記憶しています。
もともと光学には関わっていたとは言え、写真用レンズ設計者でない人が、ひとりで設計から販売までやってのけてしまいかつ評価されているというのは最初で最後の出来事のように思うのですがいかがなものでしょうか。

さて、このペラー35mmF3.5は、売り文句どおりに色抜けがすごく良いので、派手な色が目立つシチュエーションを順光で撮ると現代レンズらしい写りになってしまい、高性能は理解できますがあまり面白くありません。
昨日や今日の作例のように、逆光などの悪条件下で撮ると、コントラストの高さより暗部の諧調が出たり、ハイライトが飛ばずにむしろ質感が強調されたりなどのオールドレンズのような味がよく出るように思います。
色抜けよりも、モノトーンに美点が隠れていたかと言うような。

また、トリプレットは立体的に描写するとよく聞きますが、この作例にもそんな気がするのは贔屓目というものでしょうか。
広角はあまり使わないので、構図とかに悩むことが多く、今日もこんなんでよいのだろうかと心配でした。
ところが、Shasindbadさんのレンズ千夜一夜の今日の写真が妙に似ていて、なんだか笑いがこみ上げてきました。
もちろん写真そのもののレベルは、Shasindbadさんのレベルにはとても及ばないのですが。
【M8/Perar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
MS Optical Perar 35mmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2012/01/12 Thu

香腸与魚干

M8/Perar 35mmF3.5
甪直は、日本ではほとんど知られていませんが、江南六大水郷のひとつとして中国ではわりと有名なようです。
甪の字は用事の用の上にちょろっと髭が生えたようですが、日本ではもちろん中国でもほとんど使われない文字のようです。
地元の人は、甪の字が訪れた人に覚えてもらえるということで気に入っているようです。

もともとは甫里という平凡な名前だったのですが、甪端という古代に村の守り神だった一角獣にちなんで改名されたのだそうです。
ちょうど水郷の村甪直には、南北と東西に3本ずつ河があったので、この甪の字は地形を表しているようだと、村人からも歓迎されたとも言われています。

さて、タクシーを降りるとそこが村の入り口なのですが、そこで中国語で門票と言うチケットを買わないといけません。
門票は78元もします。
これは1000円弱程度ですが、単に古い村に入るのに1000円というのは日本の感覚でも安くはありませんし、ましてや中国人にとっては4~5000円払っている感覚なのではと思います。
ただ、文字どおりの抜け道もあって、村はいろいろな所から入って行けますので、違うところから入れば門票を買う必要はありません。
そのかわり、門票がないと開放された大きな民家とか博物館などの見学ができないようになっています。

甪直に限らずですが、中国の有名な古鎮は、せっかくの古民家が並ぶ町並みのほとんどすべてがみやげ物屋になってしまっています。
せっかくの風情がぶち壊しですが、そういえば会津の大内宿もおんなじようなものなので、人が集まるところはどこも変わらないのかも知れません。
民家を動態保存するという意味でも止むを得ないということになりそうです。

日中は団体客も多く、騒々しいことこの上ないので、村はずれの観光客が行かないところを選んで歩きました。
昨日のおばあちゃんたちもそうですが、人々が中心エリアの喧騒など無関心のように緩い空気を生んでいるのが心地よいです。
それに、みやげ物屋をやっているのは、地方から来た外地人と呼ばれる人も多いので、買い物しながら地元の人とコミュニケーションとってるつもりが、相手はそんなこと全然興味ないなんてこともしばしばだったりです。

作例は、逆光で分かりづらいかも知れませんが、女性が腸詰や魚を干しているところです。
こんな姿をあちこちで正儀や甪直のあちこちで目にしましたので、この地方の冬の風物詩と言えるかも知れません。
ただ、風物詩というにはあまりに安直というかありがたみのないことに、電気コードを木と木の間に結んで針金とハンガーで吊っているのです。
洗濯物のようでした。

それでも美味そうなので売ってもらいたいくらいでしたが、残念ながら日本の動物検疫に引っ掛かるので断念せざるを得ません。
と書いて今思ったのですが、魚だったら問題なかったはずです。
伊豆の網代あたりで売っている干物とどう違うのか、食べ比べするチャンスをみすみす逸していたことにやっと気付きました。
【M8/Perar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
MS Optical Perar 35mmF3.5 | trackback(0) | comment(8) | 2012/01/11 Wed

的士司機

M8/Perar 35mmF3.5
正儀を11時くらいに出て、甪直を目指しました。
バスを乗り継いで行ってもいいですが、10キロほどしか離れていないことは確認済だったのでタクシーを使うことにします。
しかし、幹線通りまで出て待ちますが、車はビュンビュン通るもののタクシーは1台としてやって来ません。
あとで知ったのですが、このあたりでは町のど真ん中以外タクシーはなく、本来なら白タクを頼まないといけないのでした。

ところが幸運が訪れます。
たまたま町中から客を乗せたと思われるタクシーがやって来たので構わず手を上げると、運転手がそこで待っててくれこの客を届けてすぐ戻るからと大声で言ってくれました。
その客は恐らく正儀まで来たようで、タクシーはものの3分で戻って来ます。
甪直までの20分ほどの道のりで1度もタクシーは見かけなかったので、自分がいかに幸運だったかを噛みしめつつ到着しました。

そういえば、この運転手さんが実に好い人だったということを思い出しました。
タクシー待ちをしていたわたしを見て、たぶん日本人だろうと予感したのだと言います。
昆山は、上海郊外ということで、日系の工場が多くあるので、たまに日本人を乗せることがあるそうで、彼らが決まって礼儀正しかったことに関心していたのだそうです。

それで、本屋で日本語学習書を買ってきて必死に覚えたそうで、あいさつや自分が何歳とか、仕事は何ですかとか、簡単な言葉はかなりきれいな発音で話すことができました。
しかし、それが限界でそこからの会話まではまったく無理とのことです。
やはり本だけの語学の勉強ではとても会話するレベルにはなれないようです。
それで初めて中国語を少し話す日本人が乗ったのでいろいろと質問したり、昆山のことを説明してくれたりで、楽しい移動をすることができました。

わたしも最初は本で勉強して、少しして中国人留学生に教えてもらうというように中国語を勉強したので、この運転手さんの苦労や歯がゆさのようなものが分かるような気がします。
それに、この運転手さんのような、心優しい日本ファンの中国人はかなりいるようなのです。
今後はぜひいろいろな障害が取り払われて、こういう人たちとの交流が進むといいなあと思います。

さて、作例ですが、甪直の道端で日向ぼっこするおばあちゃんが好い感じだったので声をかけて1枚撮らせてもらったものです。
椅子まで持ちだしていますから、ここが冬場の日向ぼっこの定位置なのでしょう。
92歳とのことですが、言葉がしっかりしていてこちらのたどたどしい中国語をちゃんと聞き分けていました。
陽に当たることが、体に好く、ボケ防止になつているのかも知れません。

おばあちゃん単独撮影のつもりでしたが、隣のおじさんも自民党の石破氏にそっくりでいっしょに撮ってしまいました。
そういえばこの人たちもたいへん温和で物腰柔らかでした。
顔は似ていてもあんないやらしいしゃべり方はしません。
なんだか、今度はわたしが中国人に関心していますね。
【M8/Perar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
MS Optical Perar 35mmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2012/01/10 Tue

慢慢但遠遠

NEX-3/Perar 35mmF3.5
NEX-3用には社外品ですが各種マウントアダプターが用意されています。
わたしは、ライカM用を購入しましたが、Cマウント用も存在します。
しかし、わたしの考えている試みではCマウントは、使う予定はありません。

もともとCマウントだった18mmから35mmのレンズをライカマウントに改造してもらったものがありますので、これらは時々使用するつもりでいます。
ですが、マイクロフォーサーズが出たために価格高騰したCマウントレンズを、今から買ってNEX-3で使う意味はないと思っています。
ここまで、ライカ純正、ノンライツ、マウント改造モノと、ライカマウントのレンズを集めてきたのに、遅れて高いCマウントレンズに参入する意味はないということです。

わたしは、ライカマウント化が難しい、19世紀の歴史的レンズをNEX-3で使用したいと考えています。
もともとレンズを集めようとしたした際、参考にしたのがキングスレークの「写真レンズの歴史」という本でしたが、この魅力的な書を読めば読むほど、歴史を遡って古いレンズを使いたくなります。
昨年、幸運にもダルメヤーのペッツパールレンズで比較的焦点距離の短いものを発見して、ライカマウント化してもらい、その素晴らしい写りに感激しました。
これまた幸運なことに焦点距離10cmのロスのダプレットレンズを入手できたので、これはキヤノンレンズの鏡胴にくっ付けて楽しむことができました。

しかし、キングスレークの本には、それら以外にもテッサーやブラナーなど今日でも同じ構成が現役で使われている19世紀末のレンズ以前にまだまだ多くのレンズが登場しては忘れられていったことが記されています。
これらレンズのほとんどは、相当に古いうえに少量生産のため、探してもなかなか見つけることはできません。
それでも、ある程度の頻度で市場に現れますし、関心を持っている人が少ないためか価格は意外なほど安いのが常です。

と言っても古いレンズなら何でもいいという訳ではありません。
焦点距離が8インチ(だいたい200mm)以上のレンズは、この試みには適しません。
古いレンズにはラックアンドピニオンという焦点合わせ機構が付いているレンズもありますが実用的ではなく、当時のカメラのペローズでピント合わせしていたため、ヘリコイドの付いたレンズはまず皆無です。

わたしは、5~6インチのレンズはヘクトール13.5cmのヘリコイドを活用して、それ以下のレンズではエクステンションチューブとライツの複写用ヘリコイドを組み合わせて使うつもりですので、たぶん15cmくらいより長いレンズは対応できなくなります。
また、レンズ鏡胴の太さや重量などの問題もありますし、そんな長いレンズをNEX-3の液晶でピント合わせするなんて想像もしたくないので、やはり75mm~155mmを対象と限定します。

それらレンズを前述のヘリコイドやエクステンションチューブとつなぎ合わせて、液晶でピントを確認しつつ無限が出るようにしてあげればそれで良しになります。
ピント精度を図るための機器や高価な改造費を必要とせず、手持ちのパーツの組み合わせとテープ貼り付けでできてしまうのがミソです。
もともと安く入手したレンズですから、それ以上にコストをかけず、やはり安く購入したNEX-3と組み合わせて気軽に遊ぶというのがこの試みの趣旨です。

そうなると問題はレンズの入手なのですが、このアイディアを何となく考えてから、折に触れて見つけたレンズを買っていき、いま手許に10本ほど集まっています。
いずれも高価なものではないので、レンズの価値もたかが知れてはいますが、フォクトレンダー、ツァイス、ゲルツ、ダルメヤー、ロス、レイと錚々たるメンバーが集まって来ました。

昨日、いちばん焦点距離の短いダルメヤーのレクチリニアを試してみましたが、何とか問題なく撮影することができました。
もっとも、これは約85mmほどのレンズですのでエクステンションチューブ&ヘリコイドの取り付けや実際の撮影も比較的簡単でしたが、150mm級のレンズではこうはいかないだろうことは覚悟しています。

F値が暗く、本来が大判用のレンズをAPS-Cサイズで撮るという地味な試みですが、今後、撮れ次第歴史的レンズを紹介していこうと思っています。
レンズ史年表を作成するのを目標に。


さて、作例ですが、神楽を少し見学した後、やはりもう一度神輿の方を追いかけることにしました。
歩みが遅かったので追い付けるだろうと踏んだからです。
予想通り、神輿はまだ参道から出ていなくて、ちょうど流鏑馬を見ていたあたりにいました。

しかし、ご覧のような人垣で、神輿に接近するのは難しそうです。
早朝から栃木県に入って、りも、抜刀演武大会、流鏑馬、神輿、神楽とさまざまなものを見られて十分満足できました。
何より来年も来たいという気になったので、今日のところはこれで良しとするかと考えました。

そうでした。
わたしも、明日から遅い夏休みをもらって少し羽根を伸ばす予定です。
1週間ほど更新を休ませていただきますので、ご了承ください。
うまくいけば、その休みの様子で再スタートさせたいと考えています。
もちろん、NEX-3も持参します。
ただし、歴史的レンズは付けずに、Cマウント改造広角レンズで、あくまでM8のサブ機としてになりますが。
【NEX-3/Perar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
MS Optical Perar 35mmF3.5 | trackback(0) | comment(4) | 2010/09/24 Fri

太太神楽

NEX-3/Perar 35mmF3.5
お神輿が出陣したというのに、そのスタート地点で同時に神楽が行われていました。
動の神輿に静の神楽の対比はよいのですが、やはり神楽には落ち着いた環境が必要に思われます。
それに、ほとんどの人がお神輿について行ってしまって、神楽を見学する人はまばらです。
しっかりした神楽殿があるのに、これではもったいなさ過ぎます。

しかも、聞くとアメリカで公演をしてきたという実力ある神楽なのだそうです。
神楽は神に奉納されるものだから見学者がなくてもいいのかとも思いましたが、公演があるくらいならやはり多くの人にみてもらうべきなのでしょう。
時間を神輿とずらすかして、多くの人で盛り上げたいと感じるのは大きなお世話でしょうか。

今日の作例では、いちばんシャープな印象で色ヌケも良く見えたものを選んだつもりでしたが、首を捻らざるを得ない結果になりました。
倍率を上げてみると解像力はかなり高いのは間違いないのですが、今回の共通項としてねむい絵になってしまいました。

ここは、他のレンズとの比較も含めて、再々検証が必要のようです。
いきなりNEX-3のテストと同時作業というのがまずかったのかなと反省します。

そのNEX-3ですが、昨日も書いたようにシャッター音がかなり目立ちます。
この神楽では、レリーズ直後に前で見ていた方に睨まれる一幕がありました。
やかましいという程ではないのですが、集中して見ている人には気になる音なのだと思います。
とにかく、1日使って気付いたマイナス要素はこれだけです。
静音モードの搭載が差し当たって唯一の願いです。

NEX-3がどうにか目論見通りになりそうだと分かったので、休日の今日、ずっと思い描いていた新たな試みを始動させました。
マイクロフォーサーズが登場してシネレンズがもてはやされた時に気付いたアイディアですが、これまでライカがM10になってライブビューが搭載されれば実現できるのではと考えつつ、M10が出ても高くて買えないかなどと逡巡していました。

R-D1がライブビュー化されてR-D2になったなら何とか買えるかも知れないと考えたところの、NEX-3の登場でした。
画面サイズがAPS-Cと聞いて気付いたのが、これって距離計を省いたR-D2(わたしの勝手な空想のカメラです)の廉価版ではないかと言うことです。
試みについては、明日、記載してみたいと思います。
【NEX-3/Perar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
MS Optical Perar 35mmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2010/09/23 Thu

他的声音

NEX-3/Perar 35mmF3.5
お神輿が始まりませんねえと係の人に話しかけると、担ぎ手の気分が盛り上がらないとダメなのだとの返事です。
それでしたら、ぜひ盛り上がって来るまで待つことにいたしましょう。
この日もまだ30度超えの酷暑でしたので、かき氷を頬張りながらぼんやりします。
すると、お神輿スタート地点の前方に少女部隊がスタンバイしています。

どうやら彼女たちがお神輿を先導するようです。
ようやく神輿が動き始めると、彼女たちは一定ですが、すごくゆっくりしたリズムで進んでいきます。
分からないのは名前の書かれた提灯を持っていることです。
勉強不足で恐縮ですが、きっと何か意味があるのでしょう。

神輿じゃなくてわたしたちを撮っている人がいる! と緊張してしまっているようでちょっと残念です。
いや、あくびしてるくらいですから、逆に緊張感が消失している状態だったかも知れませんね。

作例写真は、またいちだんとコントラストが沈んでしまって、数十年前に撮ったネガを焼き直したかのような雰囲気です。
MSオプティカルの一作目50mmF1.3や二作目50/3.5は十分に現代的な写りでしたから、この違いがどういうことなのか気になって仕方ありません。
今後、三つのレンズを比較しなくてはならないでしょう。

NEX-3については、買うまで気付かず、家で梱包をほどいた時に衝撃を受けた問題について言及しなければなりません。
このカメラのシャッター音の大きさは、少しがっくりくるものがあります。
横走りの小さなシャッターが動き出すと、機械音とは違う電子的な響きが二重になって聞こえてきます。

これがパナソニックやオリンパスの「高級機」とは違う廉価カメラの響きなのでしょうか。
M8のサブ機という位置づけを考えていましたが、メーカーではスナップ用という意識はなかったのかも知れません。
価格差を考えれば致し方ないのかも知れません。

室内の撮影では要注意です。
しかし、おりでは問題なかったことは言うまでもありません。
【NEX-3/Perar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
MS Optical Perar 35mmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2010/09/22 Wed

人家都向不一様

NEX-3/Perar 35mmF3.5
撮影対象としては流鏑馬がメインでしたが、目的はレンズとカメラのテストということで、流鏑馬の写真は昨日限りにします。
係の方が、すぐにお神輿が始まりますと説明してたので、参道から神社に戻るとお囃子隊が早くも演奏を始めていました。
あわてて神輿の方に向かいますが、神輿はスタンバイしつつはあるものの、まだ担がれる様子はありません。

何だかひとりで忙しいですが、またお囃子のところに戻って撮らせてもらいました。
法被の女の子が可愛らしく、今までのおりの経験ではこういうシーンでもカメラマンがどどっと集まるところですが、どうしたことか誰も現れず、お囃子少女を独り占めしてしまいました。

車の中にも女の子たちがいて、ふつうおりで盛り上がっていそうなものなのに、なんだかアンニュイな空気が流れているのが、音楽とアンマッチでわたしにとっては面白みを増してくれました。
いつものりとは異質な感覚がこの後も付きまといます。

そんな空気を反映してか、作例写真は、顔がみんなばらばらな方向を向いていて、およそ統一感がありません。
全体がひとつになるおりとは違った、まったく異質なおり写真になりました。
しかし、課題のレンズとカメラについては示唆すべきポイントがあるので、以下に書き記しておくことにします。

レンズのことで言えば、ペラーはけっして逆光に強いとは言えないということが分かります。
太陽位置は左前方で入りこんでいるわけではありませんし、手前の人物の背中や頭に日が当っているだけなのですが、全体にコントラストがぐっと下がってしまいました。
戦前のノンコートレンズを思わせるものがあります。

これはカメラの液晶でも確認できましたので、ハレ切りを試みたのですが、残念ながら効果を出すことはできませんでした。
まるで戦前のノンコートレンズのようなデリケートさです。
ただ、逆光シーンでも、影響がでなかったカットはかなりあったので、どういうケースでフレアっぽくなるかは調べる必要があると思っています。

次はカメラボディですが、日中液晶を見ながらピント合わせが可能かという問題です。
昨日の作例のような日陰での撮影では、まったく問題ありませんでした。
短めなピント合わせでも、NEX-3にはMFアシストという機能が付いていて、ワンタッチで高倍率に拡大したモニターを見ながらピント合わせができますので、厳密なことを言わなければこれも難しい話ではありません。

太陽光下ではどうでしょうか。
同じくMFアシストを使うことで、広角レンズならどうにかなることは確認しました。
しかし、長いレンズとなると、白っぽくなった液晶モニターでははっきり見えません。
やはり左手でモニターに庇を作ってやる必要があり、右手でカメラをホールドしつつピントリングを動かさないといけなくなりますので、レンズの扱いやすさなどもポイントになってきそうです。

ちなみに当日は、トリプレット繋がりということで、エルマー90mmF4を持参して試しました。
まず、そのまま液晶を見たのではピントが分からないので、MFアシストを使いましたが、高倍率になるとぶれぶれで目標物をしっかりモニターに表示するのが難儀で、かつ左手フードを使うとブレ幅大きく、慣れるまでがかなりたいへんでした。
エルマーのピントリングは幅広で比較的マウント寄りにあるので扱いが楽でしたが、レンズによってはピント合わせに20秒とか30秒とかいうことにもなりかねないかと思いました。
完全順光であれば、自分の体を液晶フードにできるので、撮影位置を工夫するというのも重要になって来るかも知れません。

F3.5広角のペラーではどうにかなりましたが、大口径標準レンズでは苦戦するのは間違いなさそうです。
エルマー90mmでは予想通りたいへんでしたが、今後、こつこつと入手した150mm前後のレンズも試すつもりです。
少し不安になって来ました。
【NEX-3/Perar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
MS Optical Perar 35mmF3.5 | trackback(0) | comment(1) | 2010/09/21 Tue

流鏑馬神事

NEX-3/Perar 35mmF3.5
中村八幡宮のの参道を使っての流鏑馬が始まりました。
馬の乗りこさんは3人で、的も3箇所。
ざっと見て100メートルほどの距離を、馬で駆け抜けながら3つの的を弓で狙います。

地元の企業が的を提供するようで、いちいちスポンサー名を読み上げるのがローカルっぽいですが、提供者が多いほど流鏑馬の回数が多くなるのでそれにクレームを付けることはできません。
この日は乗りこさんひとりあたり5回くらいで流鏑馬神事が行われました。

的はすぐ近くですし大きいので、静止して弓矢を当てるのは難しいことではありません。
しかし、駆ける馬の上でバランスをとりながら両手を放し、真横に一瞬現れる的を正しく射抜くとなるとかなりの難易度と感じられます。

見るからに堂にいった乗りこさんがいて、ほとんど百発百中でしたが、近くで見ていた人の話では乗馬クラブのオーナーだそうで、なるほどクラブの威信をかけて的を外すわけにはいきません。
馬も自分の子どものようなものなのでしょう、ありふれた表現ですが、人馬一体という言い回しもぴったりきました。

奇しくもジオグラフィックさんが自身のブログ「空は見れど」の最新記事の中で流し撮りをとりあげられていましたが、わたしも馬を流し撮りしてみました。
真横ですと比較的撮りやすい流し撮りですが、この角度はカメラを動かしにくく、成功したのは数枚でした。
よく見ると矢が的を撃ち抜く瞬間でもあって、NEX-3の使いやすさを知る作例になりました。

NEX-3では、高速連写が可能なので、乗りこが弓を構えてからシャッターを切り続ければ、こんなカットも手中にできるという訳です。
レリーズのタイムラグを考えると、わたしのウデではライカでこのような写真を撮るのは無理です。
動きの速いものを撮るには、やはり便利なものなのだとあらためて気付かされました。

ただ、ライカを使い続けた立場では、違和感を感じないでもありません。
流し撮りは偶然の産物で、矢の瞬間をとらえたのもカメラのメカニズムによるものです。
自分が撮影したという気持ちには、なかなかなれませんでした。
馬上から弓を射るほどではないですが、カメラも修練がないとなかなか満足できるものではないと実感します。

ところで、乗馬クラブの生徒さんでしょうか、乗りこには若い男女もいました。
女性の方は、なかなかの腕前で、要所要所で的に的中させて拍手を受けましたが、男性の方が射れども射れども的をとらえず、観衆からため息が漏れます。
今度こそ、とスタートを切っても、やはり3発ともはずれで、またため息。

しかし、4回目のトライだったでしょうか、わたしたちの目の前の1番的をついに打ち抜くことに成功しました。
2番、3番はだめでしたが、心配だった青年が初めて的を射たということで、周囲で見ていた人はホッと安堵したのと同時に、最後までめげずに頑張った青年にやったねという共感が生まれたようです。
彼がまた馬とともに戻って来たとき、大きな拍手が巻き起こりました(実はわたしが最初にした)。
予期せぬ拍手に恐縮していた青年でしたが、きっと修練を重ねて、来年はより上達して戻って来ることでしょう。
【NEX-3/Perar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
MS Optical Perar 35mmF3.5 | trackback(0) | comment(2) | 2010/09/20 Mon

女性剣士

NEX-3/Perar 35mmF3.5
毎年9月、栃木県まで日帰りする用事があります。
車を飛ばして往復するのですが、用事自体は10分で終わってしまうので、ただ往復するだけではなんだかもったいない気がします。
そこで、近隣や道すがらどこかによって、撮影して帰って来ます。
3年前に始まった週間です。

2007年の結城~真壁~野田の周遊に始まって、08年は蔵の町栃木、09年は知られざる小京都の古河と探索してきました。
栃木県にはもっといいところがいっぱいあるだろうにと言われてしまいそうですが、帰りの運転を意識した選択であることは否めません。
とは言っても、上記の町は、いずれも歴史ある魅力的なところばかりでした。

さて、今年はどこへ行けばいいでしょう。
行き先で悩むのも、これはこれで楽しみのひとつだったりするのですが、今回は残念ながらあっさり決まってしまいました。
当日、中村八幡宮というところで例大と流鏑馬があることが分かったからで、特に流鏑馬はニュースでしか見たことがなかったので、これはぜひ出掛けてみなくてはと真岡行きが決定しました。

真岡と言えば、木綿が有名ですが、SLが走っていますし、焼き物で知られる益子がすぐ隣です。
りが地味だったとしても、少し車を走らせれば何かしら撮るものもあるでしょう。
実際には、おりが素晴らしく、他の候補地には一切出向きませんでした。

用事のついでに立ち寄るかたちの真岡ですが、重要な目的が2つありました。
ひとつは、昨日まで紹介したMSオプティカルの新作レンズ、ペラー35mmF3.5の作例が色転びしてしまっていたため、撮り直しをするということ。
もうひとつは、先週購入したソニーのNEX-3を使えるかテストすることです。

後者については、誤解を与えてしまいそうですが、NEX-3が使えるカメラかどうかテストするわけではなく、わたしがこのカメラを扱うことができるか自分をテストするということです。
実は、来週、遅い夏休みをもらっているので、自分がテストをパスできたらこれをサブ機として持参するつもりです。
いつも遠出する時はライカM8とモノクロを詰めたM6ないしはCLEを持って行っているのですが、旅の負担を減らすためサブ機の小型軽量化を目指す狙いがあります。
同時に、新しいものが苦手で、使い方がうまくいかずに悪戦苦闘する様子も機材のせいにしつつ、リポートしようと思います。

前書きがずいぶんと長くなってしまいました。
本日の作例です。

例大にあたって、奉納抜刀演武大会が催されていました。
真剣による演武というのも生では初めて見ましたが、多くのギャラリーがいる中ですごい集中力を発揮しているのが感じられます。
というのは、一度だけ切り損ねてしまうシーンを見ましたが、刀がゴザを巻いたような筒に食い込んで人ひとりの力では外すことができなくなっていました。
集中力がわずかでも緩むと刃は思うように働いてくれないのだということでしょう。

気温30度を超える暑い日差しの中で行われていました。
多くの観衆の前で披露しますので暑さと緊張で手のひらに汗をかけば、振り降ろした刀がすっぽ抜けてしまうのではと心配になります。
そこは、汗も出ないほどの集中があって、可能な技なのだと思われました。

十数名いた剣士のほとんどが、師範と思われるベテランばかりが登場した中で、ひときわ輝く美人がいました。
きれいなだけでなく腕前も相当なもので、見ている限り正確に刀を振っているのが分かります。
姿勢も美しく、立ち居振舞いがたいへん絵になります。
課題のピント合わせに気をとられ過ぎて、フレーミングを大失敗したのが悔やまれます。
もう一度撮り直すためだけにも、来年もこの例に訪れなくてはいけません。
【NEX-3/Perar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
MS Optical Perar 35mmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2010/09/19 Sun

獅子舞

M8/Perar 35mmF3.5
先日、久しぶりにMSオプティカルでレンズ改造してもらおうと電話しました。
いろいろと長話いになってしまったのですが、そう言えば新しいレンズを作ったのですが要りませんかと問われて、即もらいますと返事しました。
それから数日して届いたのがペラー35mmF3.5です。

新しいレンズを購入するのにこんな買い方をする人はいないと思います。
まず作例を見てみたいはずですが、ご紹介の作例は参考になるようなものが無く申し訳ありません。
NEX-3のテストを兼ねて、この連休で撮影する予定ですので、うまくいけば再掲させていただきます。

次は、レンズのスペックとデータでしょうか。
作例がしょぼい分、データは分かることを細かに記載したつもりです。
といっても、MTFチャートなどわたし自身がよく理解していませんし、それを文章化してもほとんど通じていないのでしょうけれど。

もうひとつあげなければいけないのが、レンズの外観です。
ここに掲載しないのは申し訳ありませんが、Camerapedia.org にMSオプティカルのページがあって、他のレンズとともにペラーも簡単に紹介があり、M6に付けられた姿を見ることができます。

http://www.camerapedia.org/wiki/MS_Optical_R&D

写真は沈胴状態で、撮影状態では7mmほど出っ張ることになります。
それでも、わたしがレンズキャップに例えたのには納得してもらえるだろうと確信します。


さて、最後の作例は、菅の獅子舞の本番です。
天狗1人と獅子3人が五穀豊穣や天下泰平を祈って長く激しい舞を見せてくれました。
驚くことに天狗も獅子もみな中学生が演じています。
18世紀には菅で行われていたという記録が残っている伝統行事を若い世代に託そうという、地域の思いが伝わります。
しかし、酷暑の中で重い面をかぶって力強い動きを続けましたので、途中、熱中症で倒れるなどのアクシデントがあったのには誰もが心配しました。

せまい菅薬師に非常に多くの人が集まって、カメラマンの人垣も三重、四重にもなっていました。
どうにもならないので、右手を目いっぱい高く延ばしてノーファインダー撮ってみました。
中国でのノーファインダーが役に立ったのか、フレーミング的には満足できますが、手ブレは防げませんでした。
ただ、舞の激しさにはフィットした写真かも知れません。
残念ながら直後にバッテリーが切れて、以降は地元のおじいちゃんの隣に腰かけさせてもらって、純粋に獅子舞を見学していました。
【M8/Perar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
MS Optical Perar 35mmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2010/09/18 Sat

曲線教的事情

M8/Perar 35mmF3.5
MSオプティカルでレンズのマウント改造を依頼すると、球面収差のテスト結果をチャート化して分析してくれます。
ペラーでも、当然、球面収差のテストがあり、完全補正になっていることが分かります。
曲線のふくらみも比較的小さいので、解像力の高さがうかがえます。
曲線をみる限りでは、F4からF5.6の間に解像力のピークがあるようですので、開放にこだわらないのであれば、このあたりの絞り値を選択すべきでしょう。

また、非点収差と像面歪曲のチャートもあり、こちらは見方がよく分からないので、宮崎さんの文章を転用します。

「非点収差(AST)は、-0.12mm内。
湾曲かつSM像は中間部で0.06mm分離し(トリプレットではたいへん良い値)、わずかな像質の悪化を起こしますが、F4.5~F5.6で急速に改善されます。
F8で最高性能が得られ、F11では回析による像質の低下が始まります。」

「像歪曲(DIST)は、ごく周辺で-0.4%タル型となりますが、マクロレンズ並みに良好です。」

さらに新作レンズということで、MTFチャートも記されています。
MTF曲線も、数値が1に近く、S線とM線が揃っているほどコントラストが良いと言われていますが、実際にどの程度のラインが優秀だったり、どういうカーブがいいのかなどまったく分かりません。
これも文章を引用するしかありません。

「像面湾曲により像面平坦化素質値を50mmトリプレット0.19を0.24に落とし、ワイドレンズの周辺像の向上にまわした。

非点収差のS像M像の不一致も残るが、画角によりSMを4回交差させ悪化を抑えた。

ミリ10本のMTFは90%を超え、コントラストの良いことを示している。
40本、100本のMTF55%、25%は解像力を表すもので、開放から十分なシャープさを示し、F4.5~5.6ではさらに向上し、MTF70%、10ν以下の理想的高解像となり、デジタルカメラでも満足できる。

画角φ12でM像がS像と比べて低いのは、わずかな内コマがあるためで、これもF4.5~5.6で消失する。
F4.5以上絞れば、コントラスト、特に解像力においても、ガウス型等最高性能レンズに劣らないレベルに達する。」

最後になりますが、ペラール35mmF3.5は、限定180本製造、オリジナルのフードとキャップが付いて44,000円です。
個人が限定手作業生産したライカ連動の広角レンズとしては、かなり安い価格設定になっていると言えます。
前にも書いたように、製造が始まったばかりの現在なら、好みのシリアル番号を指定するチャンスがあります。

さて、本日の作例ですが、川崎の菅で伝統的におこなわれる獅子舞の笛の子どもたちを狙ったものです。
今まさに祭が始まるという緊張した空気を写し撮ってくれています。
これまでの暗く渋いものでペラーにはマイナスイメージだったですが、これはシャープネス、コントラスト、発色がよく分かるのではないでしょうか。

光線の良さと適度なボケ量も手伝って、非常に立体的に表現されているようにも感じます。
宮崎さんは、F4.5~5.6を強調されていましたが、やはり開放で楽しめるレンズと言えるでしょう。
まったくもって関係ありませんが、この少年、某工房主によく似ていると思うのですが、そんなことを言っても誰も分からないか…。
【M8/Perar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
MS Optical Perar 35mmF3.5 | trackback(0) | comment(2) | 2010/09/17 Fri

在打掃中

M8/Perar 35mmF3.5
トリプレットは117年も前に発明された古いレンズです。
そのまま復活させたのでは、あまり面白みがありません。
MSオプティカルでは、研究の結果、独自の工夫を加えることで、トリプレットであってそれをはるかに凌駕するレンズにまで高めてしまいました。

1、3枚目の凸レンズをトリウム、ランタンを上回る超高屈折ガラスのタンタルを使用し、肉厚を通常のトリプレットの倍にすることで、高性能を実現したのだと言うことです。
タンタルはたいへん高価なためあまり写真用のレンズには採用されませんでしたが、ペラーのような小さな玉であればさほどコストはかかりません。
昨日記載したレンズの小型化は、携行性はもちろんのこと、2/3のレンズにタンタルを使うためにこそ真の目的があったということが分かりました。

そしてもうひとつトリプレットが採用された利点は色ヌケの良さです。
現代のレンズであれば6面全部にマルチコーティングを施すことは容易です。
この枚数の少なさと全面コートで97%とという驚異的な光の透過率を達成しています。

さて、本日の作例ですが、誤解しているかも知れないことをお断りして、色ヌケの部分を見たいと思います。
中央に白い石が敷き詰められた部分ですが、ここが大きく露出オーバーするかのように飛びかけています。
ここが白のヌケの良さを示しているのではないかと思われます。
自転車が走行する道路の白いラインも同様です。
これも、通常より露出オーバーしたように白が浮かび出ています。

あるいは、この写真では、レンズのボケの良さも表出していると言えると思います。
最短0.8メートルでの撮影ですが、手前の竹垣を見ると、実になだらかにボケて行っているのが分かりますし、全体にうるささや固さのないふんわりしたボケ具合です。

わたしは、トリオターや3枚玉のエルマーはシャープで素晴らしいと思いますが、どうしてもざわつき感のあるボケが好きになれませんでした。
それがトリプレット共通の特徴だと思っていたのですが、どうもそうではないようです。

ペラーのボケについてはMSオプティカルでは言及していませんでしたが、わたしが見る限り、鋭いシャープさが
ありながら、同時になだらかなボケも実現しているところが素晴らしいと感じます。
自転車や奥の人のシャツの赤がもっとくっきりでて欲しいという気がしますが、それはカメラ側の問題かも知れません。
とにかく、3メートル固定のノーファインダーなどでも活躍してくれるレンズだと確信しました。
【M8/Perar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
MS Optical Perar 35mmF3.5 | trackback(0) | comment(0) | 2010/09/16 Thu

那个鐘的回响

M8/Perar 35mmF3.5
MSオプティカル・ペラー35mmF3.5のレンズ構成は3群3枚のトリプレットです。
ペラーにトリプレットが採用されたことは、3つの意味があると思われます。

1つは、MSオプティカルは設計者の宮崎さんがひとりで運営する組織だということです。
大きなマーケットに乗らない少量生産のレンズを設計・販売するためにはいくつかの制約が課されます。
例えば、レンズの組み上げは自分で行いますので、枚数が少ない方が効率的です。
例えば、難しい設計のレンズにしてしまうと曲率の問題で、職人によるレンズ磨きのコストが跳ね上がってしまいます。
普通のファンが買えるレンズを設計するには、トリプレットは理想的だということです。

2つ目は、レンズの小型軽量化です。
昨日書いたように、ペラーは、レンズキャップ同然の文字通りペラッペラのレンズです。
スナップで使うライカの広角レンズは、小型軽量でなくてはならないという思想と、トリプレットの35mmのレンズ径がマッチしたのです。

最後は、宮崎さんが、トリプレットの不遇の歴史を覆したいという考えたということと関係ありそうです。
トリプレットという構成は、今では廉価なレンズの代名詞となってしまっています。
ツァイス・トリオター、ゲルツ・ハイパー、マイヤー・トリオプラン、アンジェニューX1…、トリプレットといって思い出すレンズはいくつかあります。
いずれも悪いレンズではないですが、トリプレット=廉価版のイメージを覆すものではありません。
唯一の例外が、エルマー90mmF4の短期間製造された3枚構成のレンズだけです。

しかし、トリプレットの登場は、レンズの歴史上画期的なことでした。
1893年、クックのデニス・テーラーによって発表されたトリプレットは、それまでにない発想で開発されています。
薄肉凸レンズと薄肉凹レンズを並べると、ペッツパール和がゼロになるという発表を行います。
つまり非点収差がなくなるということですが、テーラーは凸レンズを2枚に分割して間に凹レンズを入れて3枚構成とすることで、各収差を補正することを可能にしました。

当初、画角が狭かった点や、F7.7と暗かった点などは徐々に改善され、F4.5やF3.1などもテイラー・テイラー・ホブソン社から発売されています。
しかし、商業的にはあまり成功しなかったのではと想像されます。
テイラー・テイラー・ホブソンという創業したばかりの会社から販売されたということもありますが、何よりレンズ開発は19世紀後半の停滞期から解き放たれ多くのレンズが登場する時期でした。

トリプレットから発展したヘリアーは1900年に出ています。
さらに、トリプレット改良型のスピーディック、エルノスター、ゾナーと名玉が目白押しです。
トリプレットというシンプル過ぎる構成は、レンズ構成が発展していく中での下地のような役割を担っていたかのようです。

ツァイスには、トリプレットに前後して有名レンズが続けざまに出ます。
1890年のアナスティグマット(プロター)、1899年のウナー、そしてその両者を合わせたテッサーは1902年に発表されています。
1896年、当時は大きな発展をしなかったものの、現在でも標準レンズの王様と言えるブラナーが開発されます。

これら名レンズの中にトリプレットは埋もれてしまったのですが、もともとの発想は素晴らしいものだったのです。
MSオプティカルはその点に着目して、研究を重ねたうえで、テーラーが生きていれば目を瞠ったであろう類例のないトリプレットに行きついたと言うことのようです。

さてさて、今日の作例も何とも地味なものになってしまいました。
深大寺の鐘は響きがすごくいつまでも余韻が続いていましたが、ペラーの作例ではなかなか響くものが撮れず申し訳ありません。
【M8/Perar 35mmF3.5 F3.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
MS Optical Perar 35mmF3.5 | trackback(0) | comment(1) | 2010/09/15 Wed
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