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法布雷加斯

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
最後は深圳の町中に戻って、バルセロナのユニフォームを購入しました。
とはいってもこれはレプリカですし、わたしはサッカーをしませんので、もっぱら飾りか大事なゲームの時に来てテレビの前で応援するためのものです。
以前はオーセンティックのものを買っていましたが、安いものでも1万円近くもして、年数回着用しかしないことを考慮してレプリカに切り替えました。

以前は、eBayで購入していましたが、モノは安いのに送料が30ドルとかで、安く釣って送料で設ける式のやり方に腹を立て、数年前から深圳の町中に見つけたサッカーショップで購入するようになりました。
この店も、以前は番号と名前が入ったユニフォームを店内に並べていましたが、やはり2~3年前にその場で背番号を圧着してくれる方式で効率をあげています。

しかし、深圳が香港に隣接しているという立地的条件のためか、イングランドの強豪チームは割合と豊富にあるのに対して、スペインリーグではヨーロッパの覇者バルセロナと言えども、メッシ、イニエスタ、シャビと今回お願いしたセスクしか選択肢はありませんでした。
先日スペイン代表入りしたチアゴ・アルカンタラはもちろん、ブスケツ、ペドロの代表定着組もありませんし、代表エースのビジャですら扱われていないのが現状です(去年はなぜかピケがあったので迷わず購入しました)。

バルセロナ移籍が毎年ささやかれながら、今季、やっとの思いで念願のバルサのユニフォームに袖を通したセスクですが、わたしはあっさりと彼のレプリカユニフォームを入手してしまいました。
しかし、彼はそれ以上にあっさりとバルセロナのサッカーに馴染んだのは意外でした。
ブレシーズンマッチでは出遅れているのではとの心配もあったのですが、レアル・マドリードとのスーペルコパでフィットし始め、リーガでは開幕戦から完全に溶け込んでいるように見えました。

アーセナルの先輩としては、フレブが怪我もあって失格の烙印を押され、あのアンリですらトップのポジションながらシステムとして機能するのに長い時間を要しました。
セスクは違う、若いころをずっとバルサで過ごしたのだからと皆言うかも知れません。
本当にそうなのでしょうか、もう何年もブランクがあります。
でも、そうだとすると、カンテラと言うクラブの若手育成システムはすばらしいの一言に尽きます。

今朝のオサスナとのホームゲームでは、セスクの球捌きのセンスが光りました。
黄金期のバルセロナでいちばん心配なのが、三十台に入って円熟を磨きつつ、今後は衰え始めるだろうシャビの後任の問題です。
ブスケツがいると思っていましたが、ここのところセンターパックで起用されるケースが多く、前目の中盤での経験を積ませるべきではと感じていました。
ところが、セスクがイニエスタと被ることなくシャビの役割をこなしてくれているので、後継者問題はなくなったも同然となってしまいました。

ただ、今朝のオサスナにはがっかりさせられました。
最終ラインまでがはっきりしたマンマークをせずに、局面局面でメッシ、ビシャ、セスクを完全にフリーにしてしまいました。
解消するのは嬉しいですが、せっかく朝5時にがんばって起きて、前半早々から緊張感を失うような試合を見せられるのは失望感が大きすぎます。
もっとクロスゲームでドキドキさせてもらいたいものです。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(3) | 2011/09/18 Sun

従Ernostar到Sonnar

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
ksmtさんがまた新しくエルノスターを入手したようです。
12.5cmf1.8とありましたので、めずらしい焦点距離ですし、スペックから分かるように前玉のかなり大きなレンズです。
10.5cmの同レンズとの比較作例がこのレンズのすばらしさを証明しています。

所有されているエルノスターは、10cmF2(×2本)、10.5cmF1.8、12.5cmF1.8、15cmF2,7と4種5本、他に作例として借用した8.5cmF1,8も出ています。
高価なエルノスターをこれだけ集められるというのは、写りがすばらしいということです。
また、元来がエルマノックスなどカメラに固着されていたレンズと言うことで、ウェブ上に作例の極めて少ないレンズのため、自らの手で見極めたいというksmtさんの研究心が発揮されています。

エルノスターの描写はたいへんすっきりと先鋭で、ksmtさんは、絞り開放での使用を前提とした設計ではないかと推定されています。
実際に、開放描写がたいへん魅力的で、逆に絞っても深度に変化が出るだけで描写が良くなっていくということはないようです。
レンズの性能もさることながら、エルノスターはレンズ設計史上でもたいへん重要な位置を占めていて、何としても手に入れたいレンズですが、未だ縁がありません。

エルノスターを弱冠23歳で開発したベルテレが、その12年後、エルノスターを改良して設計したのがゾナーです。
ゾナーは開放からたいへんシャープであること、ボケが乱れにくいことなどがエルノスターの系譜であることを証明していると思われます。
コンタックスの標準レンズでしたので、製造数は少なくありませんが、バックフォーカスが短かったため、広角に進展せず一眼レフが台頭してオリジナル設計のゾナーが消えていった点でも、エルノスターの運命に近いものを感じます。

さて、今回のゾナー5.8cmF1.5ですが、以前も言及したように、本当にツァイスのオリジナルレンズなのか、かなり胡散臭いところのあるレンズです。
ツァイスの資料に登場しませんし、コンタックス用のゾナー5cmF1.5などは工場まるごとソ連に接収されて、ZKとかジュピター銘のレンズとして製造されましたので、怪しさが付きまといます。
例えば、ソ連が外貨獲得のために製造したフェイクであるとか、イエナに残ったツァイスのスタッフが残った器材で作ったレンズだとか噂レベルの話がいくつかあるようです。

ゾナー5cmF1.5との比較ではっきりと言えるのは、5.8cmF1.5もゾナーの構成だということです。
蛍光灯の光を反射させると、両者はまったく同じ反射面ができますし、左右に振ると反射面はやはり同じ動きをします。
ガウスタイプはもちろん、ゾナーのF2と比較するとあきらかに違いますので、ゾナーF1.5独特のパターンと分かる訳です。
もうひとつは、焦点距離が両者で違うということです。
焦点距離が5.8cmかは確認していませんが、5cmと比べると若干画角が狭くなることは確認できます。

以上から、少なくともゾナーF1.5と同じ設計で、そのゾナーにはない画角の高性能のレンズであるということだけは分かります。
それ以上のことは、やはり不明のままですが、それでもこれだけ写るレンズは愉しく、来歴を想像する愉しみと合わせて二重の喜びが味わえるレンズとすればよいのではないかと思います。

葵涌最後の作例は、古建築で商売する四邑店の様子です。
店名の下には「農具、園芸精品、刀具、漁網、竹器、ロープ」と書かれていますので、さしずめ中国版ミニホームセンターと言えるでしょう。
立派な店構えに掘出物が眠っていそうな暗く奥行きある店内、龍眼を食べながらどつしり構える店番の奥さん。
どれもが、葵涌という土地を指し示してくれる魅力をいっぱいに湛えていました。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(4) | 2011/09/17 Sat

真棒衬衫

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
おととい、葵涌の不思議として、女子中学生が、皆、バケツを持って下校していると言いました。
じつは、もうひとつ不思議なことがありました。
自分はほんとうに頭がおかしくなってしまったんじゃないかと思い、いや、びつくりテレビか何かで村中みんなでわたしを嵌めようとしているのではないかと思ったほどです。

市場で野菜を売る人は多く、権利を持ってないのか単に場所が狭いからか、途中の道も市場の延長になっていました。
そこには陳列台もなにもないので、引いてきた大八車をそのままテーブルにして商いしています。
その背後が古建築でしたが、斜めに射す西日が柔らかい空気を生み出していました。
首尾よく自転車の青年が買い物しはじめると、中国ではまだまだ現役で活躍する天秤ばかりで1グラムだって損はしないわと真剣に計量しています。

そんな姿に釣られるのか、今度は別の青年が自転車で現れ、続けさまにバイクの兄ちゃんも近づいてきます。
つい今までは客なんてなかったのに、あっという間に盛況になってしまいました。
3人とも客は男性で、狭い路地なので他にはあまり走っていなかった2輪で乗り付けているのが面白いですね。
そういえば、大八車も2輪でした。

3人が取り囲むようにバランス良く配置されているのもおもしろいと思っていたら、はっとあることに気付きました。
3人は別々に来ていて互いに知り合いではなさそうでしたし、色がまったく違うので最初は気付きませんでした。
そう、3人ともポロシャツを着ていて、その背中には「SUPERB」の文字が主張しています。
3人ともスパーブシャツというのは、偶然の一致でしょうか。

そもそもスパーブってなんでしょう。
流行中のアイドルグループ、中国版AKBとかでしょうか。
何だか分からずに少し歩くと、なんとすれ違う人、前を行く人とスパーブシャツを着ている人がわんさかいます。
男性ばかりでなく女性もいっぱいで、女の子が5人並んでスパーブだったりというケースもありました。
よく見れば、市場周辺にいる人の6割くらいはみんなスパーブです。

さっきまで気付かなかったけど、みんなスパーブを来て歩いていたのかなあ、もしや、わたしをからかうために、みんなで同じシャツを着ているのではと、混乱した頭ではまともな判断もできなくなってしまいました。
冗談ではなく、この時のわたしはパニックに近い状態で、顔色が変わるくらい動揺していたと思います。
知らない町にやって来たら、歩いているのは自分以外人間ではなくゾンビだった、というのに近い感覚だったようです。
そのくらい、スパーブシャツの群れに呑み込まれてしまいました。

じつは、途中、舟でご馳走になったのと同じ龍眼を見つけて買っていたのですが、ゾンビに襲われて自分もスパーブシャツを着せられる前にと懸命にそこへ戻りました。
さきほど龍眼を取り分けてくれた女の子はスパーブシャツは来ておらず、あらあらそんなに慌ててどうしたのと声をかけてくれました。
わたしは他の人に聞かれないよう小さな声で、いったいなぜ、みんな同じスパーブシャツを着ているのだとたずねました。

そこで明かされたスパーブシャツの謎の答えは次のようなものでした。
あれは、近くにある大きな工場の制服よ。
いま、ちょうど5時を過ぎたから、仕事を終えた人たちが一斉に出てきたの。
毎日こんなよ。
…。

なんともつまらない回答で申し訳ありません。
しかし、わたしはそのとき本当に恐怖を感じていたのです。
外国の初めての町で、突然同じ服装の人ばかりに囲まれたら、誰もが同様の状況に追い込まれただろうと、わたしは確信します。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/16 Fri

市場裏面進出

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
葵涌老街を歩いてもコンビニやスーパーはありませんでしたが、予想外に大きな市場がありました。
ざっと歩いてみると、肉や魚、野菜、果物、干物、調味料と何でも揃っていて、庶民の台所そのものです。
しかも、魚はもとより、トリ類やウサギなどは生きたまま売られています。

トリ類と表現したのは、ニワトリのみならず種類が豊富だからで、恐らくガチョウ、アヒル、カモ等々十種類くらいは狭い籠でがやがややっていました。
それ以外の肉類はすでにわたしには何の肉なのか分かりません。
客家の多い土地なので、あるいは狗肉もあるかも知れず、ちょっと怖くなって退散します。

野菜も種類が豊富です。
キュウリ、ダイコン、ナスなど日本とそうそう変わらないものもあれば、だいぶ日本サイズより巨大なのがあって、こういうのは大味なんだろうなあと想像します。
中国でレストランに入って青菜と頼むと、常に5~10種類から選ばないといけません。
とてもじゃないですが、○○菜がどんな野菜なのかなんて覚えられたものではありません。

さて、やはり面白く感じられたのが魚介屋さんが集まる一角でした。
まず、エビや貝類を覗くとその多くが淡水魚でした。
埧光の海から10キロ程度しか離れていない、海から比較的近い土地にも関わらずです。
その淡水魚も見たことないのが何種類もいて、水族館のようでした。

作例は、ちょうどお客さんが魚を注文したところで、魚屋さんは生きたまま魚を渡すかと思えば、しっかり内臓を出して血抜きしていました。
大きなゴム手袋をしながら実に器用に魚をさばいていく様子はわざわざ見学するだけの価値ありです。

ただ、魚種が分かりません。
お腹がオレンジ色で平たいので、ピラニアを連想しましたが、そんなことはないでしょう。
日本ではタイの代用になっているテラピアでしょうか。
聞いてみましたが、中国語の魚種名を言われても何のことか分かるはずもありません。

捌き終えたおじさんに、何で写真なんか撮るんだいと聞かれたました。
日本にこんなサカナはいないし、あなたの包丁さばきが見事で思わず撮影しましたと答えると、えへへと、満更でもなさそうです。
この笑顔が田舎ならではの屈託のなさです。
ああ、しかし、美味しいかどうかを聴き忘れたことに、今、思い当りました。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(1) | comment(0) | 2011/09/15 Thu

拿水桶下課

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
葵涌は、このエリアの中心になる街だと思います。
たぶん面積はかなり広く、大きな工場と思われる広い土地もかなり見かけましたが、旧市街の方は老街などと書いてあって名前からも散歩意欲をそそられました。
ただ、古建築、古いだけの家、新しい家と混在で、美しい町並みと言うには程遠いかも知れません。

それでも歩いていて愉しいのは、そこかしこから生活の臭いがぷんぷんと漂ってくるような雰囲気に満ちているからです。
最初に撮ったおじいさんとはちょっと険悪になってしまいましたが、以降はなるべく感づかれないようにスナップして、ひとり悦に入ってしまいました。

作例では、話に盛り上がっている女子学生で、そのまま撮ってもばれなかったかも知れませんが、慎重にノーファインダーで自然な雰囲気を写したつもりです。
通過予測地点にピントを置いて、そのあたりで数枚シャッターを切りました。
背景を見ると、大きく左に傾いでしまっているのが恥ずかしいですが、女の子たちの姿はそれほど不自然でありません。
これはこれで動きがあるようで好いような気がします。

撮影法は、"胸だめ"です。
しばらく前の、Shasindbadさんの"レンズ千夜一夜"に、腰だめ撮影法について言及がありました。
腰だめという言葉が一般的用語なのか、Shasindbadさんの造語なのか聞きそびれていますが、この撮影法と理由の説明は簡潔にして実に的を射ていて、さすがと思いました。

その意識があったので、先週のクセノゴン35mmを使った時には、かなり腰だめを真似させていただきました。
このシーンでは、広角ではないので高さが胸位置でも不自然にはならないだろうと判断して、独自の胸だめで撮った次第です。
慣れの問題もありますが、わたしはノーファインダーではいつも胸位置でしたので、少し出っ張っている胸より、腹の下の腰位置の方が動作しにくいということがあったからです。
ただ、チェストレベルファインダーとは言わずウェストレベルなのですから、やはり腰位置が正解なのでしょうけど。

こんな感じのスナップを学生、子どもたち、おばさん、自転車等々何枚も撮りましたが、その中ではこの少女の表情が気に入りました。
そういえば、どういうわけか下校している中学生はみんなバックパックにバケツという出で立ちでした。
気になったので、訊ねてみたかったのですが、ついに聞かずじまいでした。
胸だめならぬ、胸に疑問を溜めたまま帰ってしまったのです。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/14 Wed

小房子的故事

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
埧光で知り合った王君と陽気な女の子たちとは、葵涌のバス停で別れました。
彼らについて深圳に戻って、飯でも食べながら中国の若者事情を聞いたりなどのアイディアも浮かびましたが、王君が電話番号をくれたのでまた次回会うことも可能です。
それよりも埧光からのバスが通った葵涌のひたびた感じの町並みが魅力的で、ここは素通りしないわけにはいかないと思いました。

とくに美しい町並みに感動したということではありません。
石造りの古民家が点在しているのは分かりましたが、それよりも、いかにも田舎の香りのするのんびり感と人出が多くて歩くのが愉しそうな雰囲気がわたしを誘いました。

お昼がまだだったので、まずは腹ごしらえです。
できれば土地の料理をと思いますが、なぜかそんな店が探せど見つかりません。
それどころか食事できる店が数軒しかありませんでした。
おそらく、どこかに食堂街のようなエリアがあったのかも知れませんが、もう3時を回っていてあまりもたもたもしていられませんので、餃子屋さんに入ってみました。

広東省では餃子はあまり食べませんので、北方から来た人の店のようです。
案の定店員が訛っていて(というよりこれが正統派中国語ですが)、ちょっと聞きとりづらいものがありました。
羊肉の水餃子を頼みましたが、味覚的には期待したほどではありませんでした。
水餃子独特のつるつるっとした食感がいまひとつです。
南方では、良質の小麦が入手困難だからでしょうか。
しかし、喉からからで飲んだハルビンビールは全身に沁みわたる美味さだったことは書き忘れるわけにはいきません。

散策開始すると、少し日が陰りはじめています。
それが清代の古建築の白い壁をピンクに染めて、またよい感じです。
まずはこの建物から撮影しましたが、作例のおじいさんはあまり友好的ではなく、話を聞くことができませんでした。
なんでこんな古い家を撮るんだ、もっと新しくてきれいな建物がいっぱいあるのにとぶつぶつ言っています。
若い人よりもおじいさんの方が被写体として魅力的ですよと応じましたが、通じたかどうか…。


まったく関係ない話になりますが、何度か予告したように、夏季休暇でスペイン行を計画しています。
来週出発予定ですので、前々回、前回とたぶん10年くらい前に行ったとき知り合ったバルセロナ郊外の村に住む人に電話してみました。
彼は英語堪能ですが、わたしの方が電話でしゃべる英語に自信なしです。
そもそも長期間連絡していなくて、はたしてわたしを覚えているか、いや、彼が実家にいるかだって分かりません。

ところが、聞き覚えのあるなつかしい彼の声が電話を通して聞こえてきました。
最初きょとんとしている風でしたが、わたしと認めると、飛び上がらんばかりに驚いている様子が伝わります。
事情を話すと、喜んでくれ、バルセロナまで迎えに行くと言ってくれました。
それならとわたしが提案したのが、いっしょにFCバルセロナの試合を観ようでした。
そうだねと盛り上がります。
こんなちょっとした会話で、スペイン行が一気に愉しみになって来ました。

ところで、彼はわたしと知ると、コンバンハと言い、電話を切る際にサヨナラと言いました。
母国語スペイン語はもちろん、カタルーニャ人なのでカタルーニャ語が本来の母語で、英語、ドイツ語、フランス語もできる語学に堪能な男です。
それで、前回会った時に話してくれたエピソードを思い出しました。

彼がアメリカをひとり旅したとき、若い日本人女性ふたり組と知り合いになり、しばらく道中を共にしたりしたそうです。
そのときスペイン語ができないと言っていた日本人の女の子たちが、スペイン語で小さな家という言葉を連発していたそうです。
彼はびっくりして、スペイン語がうまいんじゃないかと聞くと話がかみあわず、それは I am hungry.という意味の日本語だと言われたということでした。

彼女たちなんて言ったのと聞くと、お腹空いた、お腹空いたと言います。
それはきれいな日本語の発音です。
でも彼は、Una casita.と言ったのだとのこと。
ウナ・カシータとはカタカナで書くととてもお腹空いたを連想できませんが、これは発音がそっくりでした。
もし、スペイン人か中南米出身の知り合いがいたら、小さな家を指差しながら「お腹空いた」と言ってみてください。
たぶんですが、知り合いは、お前スペイン語できるのかとびつくりすることでしょう。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/13 Tue

中国的年軽世代

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
埧光はほんとうに小さな集落ですが、最初の古民家の並ぶ魅力的な通りから、滅茶苦茶に長い埠頭や海の神様を祀った祠を持つ風光明媚な海岸、何にもない草原と歩いて、最後に湿地エリアにやってきました。
じつは、埧光自体は広いエリアに小さな集落が点在していて、メインの集落は新しい建物が密集する大きな村でした。
わたしが訪れた集落は、たぶん埧光村○○鎮と続く名前があったのでしょうが、埧光の古い家があるところと言うとここを指すのでついに名前を知る機会はありませんでした。

その湿地は面積こそとれほど広くありませんが、自然を凝縮したようなまとまりを感じさせます。
何種類もの鳥を見ましたが、ブルーが美しいカワセミが唯一わたしの知る鳥でした。
さらにトンボが飛びまわりムツゴロウがあちこち這ったり潜ったりしています。
植物のことは分かりませんが、500年前の銀葉古樹から水生植物まで、箱庭のような空間を作り出していました。

そして湿地の水は、この湿地をゆっくりと通り抜けて海岸に注いでいるのですが、そのせせらぎが清涼感をともなって美しい水音を響かせているのです。
深圳という大都会にあって文字通りオアシスのような空間と言えます。

よい気分で歩いていると若い女性に観光で来たのですか、と声をかけられました。
そうですと答え、男性ひとり女性ふたりの3人組にあなたたちはと聞くと、彼らはここでボランティアの案内をしているのだと言います。
3人はまったく別々に埧光の環境を守るボランティアに登録し、1ヶ月に1回程度週末ここへ来て、この自然の素晴らしさを訪れた人に説明しているとのことでした。

中国ではもともと無料奉仕の概念が薄いですし、環境保全となるとさらに意識はない人たちばかりです。
しかし、近年になって豊かになるにつれ、若い人たちを中心にこういうボランティアなどが現れてきたようです。
なにしろ、中国人はゴミを川や海に投棄してしまいますから、多くの人は自然を巨大なゴミ箱と見做しているようなところがありますので、こういった運動が広がることを期待しないではありません。

残念ながら女性陣はぜんぜんだめでしたが、作例左の王君は福建省の大学を出たばかりで流暢な英語で会話がはずみました。
かれらが夢を持って頑張っていることが、会話から伝わります。

記念にと言うことで、3人並んで500年前の古樹をパックに写真を撮らせてもらいました。
段階露出と言うことで3枚撮らせてもらいましたが、作例はその3枚目です。
いちばんアンダーなものですが、せいぜい1枚か2枚撮ると思っていたところにもう1枚と言われて、えっまたという感じでいちばんリラックスしているみんなの表情がよかったので採用しました。
複数枚撮ると決まって最初の1枚が好いのですが、これはめずらしい例外となりました。

葵涌まで行くバスがもうすぐ来るのでいっしょに戻りませんかと声をかけてもらい、同意しました。
ほんとは、ここのレストランで魚介料理のランチと考えていたのですが、龍眼を食べ過ぎてお腹が空いていなかったので移動を決意しました。

歩いて大通りに行ってパスを待ちますが、なかなかやって来ません。
おかしいおかしいと電話で問い合わせると、2日前の9月1日からスケジュールが変更になったらしく、30分余分に待つことになりました。
暑さは堪えましたが、若い彼らとの愉しい会話の時間が増えたのは、けっして悪いことではありませんでした。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/12 Mon

在草原中心結婚

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
おとといと昨日見た長い埠頭の他に、十数メートルの短い堤防が2本並行してありました。
しかし、そこには舟は一艘もなく、代わりに若いカップルとカメラマンとその助手がいました。
拙ブログで何回か紹介したことのある、結婚写真を撮っているところだったのです。
埧光は、結婚写真のメッカだったのです。

海あり緑あり古民家の連なりありで、背景には事欠きません。
また、交通不便な田舎なので、わたしのような物好きを除くと野次馬がいなくて集中して撮影できるということもあるかも知れません。
もし、深圳の新婚さんの知り合いがいたら結婚写真を見せてもらうと、埧光で撮影したものが見つかるかも知れません。

それにしても、わたしなんか少し歩いただけでバケツの水を頭から被ったような大汗をかくほど高温超多湿状態で、燕尾服にウェディングドレスの格好でずっといれるのがすごすぎます。
男女ともかなりの厚化粧でしたがぜんぜん崩れていませんでした。

ところで、その堤防に立て札が立っていて、子どもは危ないので遊ばないようにとか書いてあるのかと思い、読んでみると思わずのけぞらんばかりに驚きました。
「この堤防で結婚写真を撮る場合、十元お支払いください…」
ここで結婚写真を撮ると120円払わなくてはいけないのだそうです。
なぜに有料、なぜにわずか120円、とても先ほど龍眼をくださった素朴な漁民が書いたものとは思えません。
ちなみに作例は、草原でポーズする別のカップルですが、彼らも120円支払いしたのでしょうか。

話は旅とは関係なくなりますが、今朝、FCバルセロナのリーガ第3節(第1節が中止になったため第2戦目)がありましたので報告しておきましょう。
レアル・ソシエダとのアウェイゲームでしたが、足元を救われるかっこうになりました。
昨年、2敗しかしなかったバルサの1敗はこのソシエダでしたが、またやられたかっこうです。

いえ、負けたわけではなく引き分けだったのですが、前半早々に2点を先制しながら後半ミスなどから追い付かれる負けに近い勝ち点1でした。
前週に代表戦があって今週はチャンピオンズリーグがありましたので、選手を入れ替えましたが、やはりシャビ、イニエスタが出場していない時間帯はリズムが作れなかったのが気になりますし、アレクシス・サンチェスが深いタックルを受けて病院へ直行したのも心配です。

このゲームは日本時間の朝5時から7時のあいだおこなわれましたが、続いて10時から同じくバルサに関連することがあって、わたしは午前中の予定をバルサに集中しなくてはならなくなりました。
かつてトヨタカップと言われたFIFAクラブワールドカップのチケット発売開始だったのです。
昨年度欧州覇者のバルサが来日し、クラブ世界一を目指す大会です。
見逃してはいけません。

インターネットと電話で受け付けるとあり、双方で必死のアクセスを試みましたが、これがまったく通じません。
電話はおなじみのたいへんかかりにくくなっておりますとのアナウンスを聞き続け、ネットもアクセスが集中していますというエラーメッセージにいきあたるばかりです。
必死で操作を繰り返しましたが、どうにもならないうちに刻々と時間ばかりが過ぎて、とうとう3時間が過ぎチケット入手は絶望的な状況でした。

しかし、奇跡は起こるものですね。
席種は4種類あって、もう3種は売り切れの表示が出て、もう数分で全席売り切れなのだろうと思った矢先、ネットがぱんぱんぱんとつながって、チケットが取れてしまったのです。
早朝に起きてはミスから失点して引き分け、チケットを撮ろうとすれば数時間がんばったけどむなしい結果と、無駄な1日を過ごしてしまったと考えていたところだけに感慨深いものがありました。

しかし、こういうチケット販売は取れた取れないにかかわらず1時間ほどですべて売り切れると思って、午後に予定を入れていたのが狂ってしまったという誤算はありました。
まさにバルサにささげた1日です。
決選の日は、12月18日とまだ3ヶ月も先ですが、バルサが再び世界を制覇する忘れがたい日になることを願ってやみません。
前回は、UAE開催だったためテレビ観戦でしたし、その前に横浜で決勝を戦った時は、苦杯を舐めています。
最高の感動に導くチケット入手、それがわたしにとっての9.11の10周年であり、3.11の半年後でした。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/11 Sun

龍眼的味道

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
埠頭の先端に行ってみたいのですが。
海岸でくつろいで雑談していた地元の漁師さんに声をかけると、ああいいよと許可が出ました。
海に落っこちないように気をつけてな、と付け加えるほど親切な人たちのようです。
いや、子どもやおばあちゃんがさっさと歩いていたので危険を想像できていませんでしたが、渡してある板がところどころ外れていたり、まともな板も踏むとかなり軋んだりで、なるほど注意する理由は理解できました。

岸からは舟が3艘係留されているように見えたのですが、想像していたより小さな舟が7~8艘も並んでいてちょっと驚きました。
ふたりが歩いていましたから無人でないことは分かっていましたが、かなりの人が舟に乗っていました。
話をする人たち、イワシを下ろしているいる人、ぼんやりする人、遊んでいる子どもたちと、総計20人くらいはいます。

しかし、よそ者のわたしを気にする人は誰もいません。
いきなり話しかけにくい雰囲気もあって、しばらく様子を観察したり写真を撮ったりしていました。
彼らの話している言葉は標準語である普通話でないのはもちろん、どうも広東語でもなさそうで、たぶん客家語ではないかと察せられました。
いずれにしても、何をしゃべっているのかさっぱり分かりません。

そのうちに、ひとりの女性からよかったら食べませんかと、果実の束を差し出されました。
龍眼です。
直径2センチ近い玉コロの皮を指でぺろんとめくると、中に白くみずみずしい果肉が入っています。
その白っぽい玉が、龍の眼のようだからとこの名前が付いたようです。
龍は縁起ものだから、栽培する人にとっても好いネーミングでした。
外観については、作例写真の女性の足元に実物がありますので、御覧になってみてください。

龍眼は、少しだけ甘いやわらかな食感がなかなかいけます。
ライチに似ていますが、ライチのような酸味はなく、より素朴でいくらでも食べられる味です。
近くの木から自分で取って来たそうで、龍眼は収穫期間が短く2週間ほどで終わってしまうというので、いいタイミングで来れて幸運でしたと礼を述べました。

舟の中に入ってもいいとのことだったので、船べりに腰掛けて生活のことなどをうかがいました。
皆さん、かなり長くこの土地に住んでいる客家だそうで、集落の人口も何十人かだろうとはっきりは分からないようです。
毎朝早くに近くの漁場に出て、午前中の内に戻ってきます。
魚は市場で売るとかではなく、仲買人(たぶん)や近くのレストラン、近所の人に卸すのだそうです。
今の時期は大きい魚が獲れると言って両手を50センチ以上広げていましたが、魚種が分かりません。
日本ならこの時期はイナダあたりでしょうが、さすがに外国で目にしていない魚種を特定するのは絶望的でした。

お礼を言って立ち去ろうとすると、よければもっと食べてと龍眼をまたひと束渡されました。
田舎の人が親切というのは、中国でも、深圳市内であっても世界共通の真理です。
たった今来た岸と舟をつなぐ板の道を、足元を気にしながら、龍眼をひとつひとつ頬張りつつ引き返しました。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/10 Sat

小小的嗎頭

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
埧光についてすぐにレンズをゾナーに交換しました。
台風はどうやら直撃せずに大きく反れて行ったようで、雨も朝から上がってしまいましたが、ものすごい湿度の高さで蒸すので、レンズがくもって昨日と同じような写真になってしまいそうで、それなら昨日とは違うレンズにしようと考えたからです。
慣れない広角から標準に変えた途端、自分自身も少し窮屈な所から出たような開放感がありました。

毎月のように中国へ渡航するたびに50mm(2inch)F1.5というスペックのレンズを連れていくのをライフワークのようにしていましたが、ついにネタは尽きました。
とは言っても焦点距離のレンジが若干狭まっただけなので、これは記録継続と言うことにします。

振り返ってみると、2年前の11月から、22本目のF1.5標準レンズの使用と言うことになります。
一覧にしてみます。

2009年11月 マイヤー・キノプラズマート
     12月 マイヤー・プリモプラン
2010年 1月 シュナイダー・クセノン
      2月 ツァイス・ゾナー
      3月 フトゥラ・フリロン
      4月 田中光学・タナー
      5月 ウォーレンサック・シネヴェロスティグマット      
      6月 ダルマイヤー・アナスティグマツト
      7月 日本光学・ニッコールSC
      8月 フォクトレンダー・ノクトン     
      9月 東京光学・シムラー
     10月 キヤノン・レンズ
     11月 ジュピター3
     12月 ライツ・クセノン
2011年 1月 アンジェニュー・S5
      2月 ツァイス・ゾナー(グラウ)
      3月 東京光学・トプコール
      4月 ウォーレンサック・ラプター
      6月 精機光学・セレナー
      7月 ゾルキー・ZK
      8月 ライツ・ズマリット

しかし、前述の通り、もう持ち玉はありません。
2本ほど調整をお願いしているレンズがあるので、状況を聴聞いてみたいと思いますが、たいへん厳しい状況です。
となると、広角や望遠も導入して、F1.5シリーズとして継続するしかなくなってきます。
あるいは新しいシリーズを考えなくてはなりません。

さて、作例は埧光の埠頭です。
風光明媚な入り組んだ入り江の中の穏やかな漁港だということが分かると思います。
そう言えば、到着してすぐにいかにも漁師という雰囲気のおじさんが、たらいに入れた小エビを民家に売り歩いているのを見ました。
人口500万とも800万とも言われる深圳にも、こんな鄙びたところがたくさんあるのが嬉しいですね。

ところで、ゾナー58mmF1.5ですが、わたしの持つF1.5標準レンズの中でもノンコーティングレンズのものではいちばんシャープな描写をします。
しかし、それはどうも中心部だけの話で、作例では橋げたが右へ行くほど怪しい描写になっていくのがはっきり見て取れます。
恐らくコマ収差が悪さをしているのでしょう。

これはF4まで絞ると問題ないレベルまで改善されます。
風景のような無限遠の撮影で開放で撮るようなことは普通ありませんので、こういう写真を平気で出すのはわたしのような素人の専売特許です。
でも、こうやってレンズの収差を見ることは、正しくないとかつまらないとか、そういう風には思いません。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
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Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(6) | 2011/09/09 Fri

周末郊外

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
明けて土曜日は、久しぶりにひとりで深圳郊外を歩いてみることにしました。
広東省の鄙びた村ばかりを紹介した本に出ていた埧(本当は土へんに貝)光という漁村です。
深圳市内と言っても東のはずれのため、バスを乗り継ぐと3時間以上かかりそうで、いままで行くチャンスがありませんでした。
しかし、今年になって深圳の中心から葵涌経由で大鵬方面へ行く急行バスがあるのを知って、これなら1時間そこそこで埧光に行けるぞと今回チャレンジしてみたわけです。

これなら慌てる必要はないと、朝ゆっくり9時ごろ宿を出てよく行く四川の麺屋で激辛牛肉麺の朝食をとってから出発しました。
まず急行バスは宿でネット検索してE11路という路線番号と確認し、始発の銀湖バスターミナルまで出なくても最寄りの児童公園で乗ればいいだろうと踏んで、バス停まで歩きました。
公園が道路と2面で接しているため迷いましたが、結果的にこの判断は正しくバス停に着いて5分ほどでE11がやってきました。

深圳のバス路線は通常3桁までの番号のみで記し、夜行バスはN○○○のように頭にNを付けて示します。
夜行ですからNはナイトの略だと思いますので、E11のEはエクスプレスの略だと想像できます。
ただ、お隣の香港では夜行バスは同様にNが着きますが、急行バスはXを付けます。
エクスプレスを略すとやはりEではなくXとするのが普通の感覚ですので、あるいはEには別の意味があるのかも知れません。

普通、路線バスは運転手の判断でもうこれ以上無理というところまで乗せますが、Eバスは座席数=定員=それ以上乗車させないという決まりがあるようです。
私が乗車したのは始発から4っつ目くらいのバス停でしたが、市内ではもう3つほどバス停があるにも関わらず、次のバス停で定員になり以降は通過してしまいます。
運が悪ければ始発で満員になって途中のバス停で待っている人はなかなか乗れないということも考えられます。

バスは少し走って高速道路に入りますので、深圳ではあたりまえの渋滞の影響もなくあっという間に乗り換え予定の葵涌汽車站に到着してしまいました。
たぶん50キロ以上あったと思うのですが、30分かかっていません。
E11の存在を知らなければ、海水浴場で有名な大梅沙などの観光地経由の鈍行バスで2時間近くかかるはずです。

あとは埧光行きのバスに乗り換えるだけですが、これがどこから乗るのかとんと分かりません。
葵涌汽車站は、葵涌バスターミナルという意味ですが、あきらかに名前負けしている田舎のバス停で、待合に貼られた時刻表には10本くらいの長距離バスの時間が記されているのみです。
仕方ないので、商店で水を買って、埧光行きのバスのことを訊ねました。
2時間に1本くらいしかないけど道路で待っていればそのうちくるよとの呑気な回答でした。
路上で客待ちしているバイクタクシーがいたので、あれだといくらかかるかなあと聞くと、たぶん20元だろうと言うことでした。
迷わずバイクタクシーを利用することにしました。

早速ドライバーに話しかけると埧光まで40元だと言います。
あきらかによそ者ですから、当然のように吹っかけられたわけです。
わたしが20元で行ってくれと頼みましたが、そんなに安くては行けないと、相手も強気の交渉です。
しばらくのやり取りで30元まで下がりましたが、それでも20元を譲らないと、運転手は怒ってしまい交渉決裂してしまいました。

実際に30元が相場なのかと思ったところ、その運転手の仲間が25元ならオレが行ってやると申し出て来ました。
ここで素直に受けるのも癪なので、20元でなくては行かないとわたしも勝負に出ます。
しかし、この運転手、先ほどのと違いいかにも人が好さそうで、本当は25元でないと行かないが、23元に下げるからと言うので、分かった22元でOKと返事し、運転手も仕方ない22元で行くよとエンジンを始動しました。
1元=12円を値切るあとあと考えれば、血も涙もないやり取りだったと恥ずかしくなりましたが、中国ではこのくらいのことをやっていかないとバンバンボラレてしまいます。

運転手によれば15キロ離れているとのことで、その距離を250円ほどなら安かったと言えます。
会話がうまく通じないところがあって、じつは、わたしは日本人だと告白すると、金を持っているくせになんてケチなんだと怒られると思いきや、初めて外国人を乗せたとむしろ上機嫌になってしまいました。
その後は15分の道のりをずっと会話しながら進みました。
いま、ガソリン代も上がってしまい、厳しいんだというような本音も聞かれ、到着時には彼の言い値の23元しっかり支払いしました。

なんでもない、移動のことをつらつらと書いてしまいましたが、わたしはちょっと調べたり、迷ったり、交渉したり、なんでもやり取りしたりと、そういうちっちゃなことが大好きです。
そこに旅を感じられるからです。
目的地がとてもすばらしく一刻も早く到着したいんだというなら煩わしいだけかも知れませんが、わたしの小さな旅では出発から到着までのすべてが平均した旅しているという行為そのものなのです。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
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Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(0) | 2011/09/08 Thu

藍色的瞳

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
あれっ、また法被姿の人たちが…。
昨日、これで佐原は最後ですと宣言した舌の根も乾かないうちに、もう1枚佐原からになってしまいます。
今週採用予定の写真が6枚あるつもりだったのですが、数え直したら5枚だと判明しました。
まったくいい加減で申し訳ありません。

それと、昨日の記事に対して、もっと良い写真が出ると期待していたという非常に手厳しいコメントをいただいたので、もう1枚追加したという側面もあります。
ともに行動した盟友ですので、ふつうに祭りのシーンでは、また批判されてしまいますので、毛色の違うセレクトをしないといけません。

選択した写真は、文字通り青い眼の美少女でしたが、その瞳は活気に溢れた屋台を引く人々の動きをじっと捉えて離れることはありません。


ここで使用したレンズは Sonnar ですが、当日使用したもう1本の Elmar 5cmF3.5 について、簡単に説明しておきます。
このエルマーは、シリアル番号のないニッケル鏡胴です。
製造年が気になりますが、正確なところまでは分かりません。
エルマーは、1924年に製造が始まっていますが、1928年くらいまではショット・ガラス仕様の旧エルマーといわれており、この辺の事情に詳しい同行メンバーに鑑定をお願いしましたが、残念ながら旧エルマーではないとの回答を得ました。

結論としては、1930~32年の製造になるものだろうとのことで、それでも約80年前のレンズということになりますから、やはりその性能は脅威と言えます。
ライツでは、エルマー50/3.5 を37年にわたって約378.000本も製造しています。
中では晩年の赤エルマーが性能の高いことで知られていますが、ニッケルタイプのこのエルマーもじゅうぶんに匹敵しうる、あるいは凌駕するだけの描写をしてくれます。

近い将来、くだんのメンバーにお願いして、旧エルマーを手に入れたいと考えています。
もちろん Elmax や Leitz Anastigmat なんてレンズが入手できればそれに越したことはありませんが、まず入手困難です。
まずは旧エルマーと今回のニッケルエルマー、それにコンタックスⅠ型用のテッサーの3者を比較してみたいものです。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
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Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(6) | 2009/10/20 Tue

肩膀上的児子

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
報告が遅れましたが、先月壊れたM8のシャッターは、ライカカメラAGによる正規の修理で無事復活を遂げました。

ライカカメラAGといえば、数日前の日経にびっくりする記事が出ていました。
二子玉川の高島屋内に今月直営店をオープンというものです。
なぜに二子玉川かと問えば、高級住宅地に隣接しているということでマーケティング的に判断したようなのですが、大丈夫なのか少々心配ではあります。
心配といえば、NさんがマンUカフェとの掛け持ちで入り浸って、M9お買い上げなんてことにならないか、これは真面目に大心配です。

そういうわけで、シャッター幕を交換していただき、復活したM8とともに佐原に滞在したのですが、意外な変更もありました。
これは、同行のC氏が鋭くも気付かれたのですが(というよりオーナーのわたしが気付かなかった方がどうかしていると書くべきですが)、シャッター音があきらかに変わっていました。
今まで問題にして来た"パコーン、パコーン"というおよそカメラらしくないシャッター音が、"パシーン、パシーン"としまりのある音になっていたのです。

当初は静音シャッターに変更されたかと色めきましたが、そうではないようです。
静音というほど静かではありませんし、あいかわらずスナップ向きでは音量です。
しかし、音の質のようなものはだいぶ改善されていて、ユーザーの立場からは実に心地よい響きに感じられます。

実は修理時に、静音シャッターユニットへの変更という選択肢もなくはなかったのですが、最高速の1/8000秒が犠牲になってしまうため、幕交換のみの希望を出していました。
F1クラスの超大口径レンズで威力を発揮するので、おいされとは捨てられない機能です。
それが若干とはいえ無償で改善されたということは、おまけを付けてもらったようなラッキー!的な喜びがありました。


さて、作例ですが、いきなりとんで競馬場でレースを見つめる人々みたいになってしまっています。
右側の人が競馬新聞を読んでいるように見えるのが、それを裏打ちしていますが、実はこれは佐原大祭の案内パンフレットで、人々は一心に屋台の練り歩くさまを見つめているところです。

昼を食べた後、急に晴れたにもかかわらず、しばらくすると雨がぱらぱらと来ました。
また少し辛抱していると雲の切れ目から急激に日が出て、見学者はそれをよけるのももどかしく屋台に見入っています。
ちいさな子どもまでも惹きつける祭りのいちばんの盛り上がりどころだからです。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
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Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(2) | 2009/10/17 Sat

真贋闘争

M8/Sonnar 5.8cmF1.5
Sonnar 5.8cmF1.5 は、まったく謎のレンズです。
ノンライツ仲間のツァイス研究家として有名なH氏も自身のサイトで書かれていますが、いくつかの不思議が存在します。
まず銘板ですが、"Sonnar"という記載はありますが、どこにも"Zeiss"の文字はありません。

ツァイスの正式な文献でも、5,8cm のゾナーが存在したという記録がありません。
有名なスモール氏の"ノンライツ・スクリューマウントレンズ"には、15本のみ製造された幻のレンズではとの記載があります。
しかし、わたしが1本所有していて、H氏は何と5本、聞けば佐原に同行したJ氏も2本持っているというので、周囲だけで製造された15本のうちの半分以上が集まっていることになります。
どう考えてもこれはおかしい。

研究が進んでいるツァイスのレンズで、製造の記録が残されていないのですから、やはりフェイクの可能性は否定できません。
一般的な Sonnar 5cmF1.5 には、これまた有名な Jupiter-3 5cmF1.5 というコピーというかゾナーを設計陣ごと移籍させたレンズがあります。
その過渡期には SK 5cmF1.5 なんて謎めいたヤツもあって、いずれも銘板以外は瓜二つのレンズが存在しています(研究家の目には刻印等の微妙な違いがあるらしいですが)。

ただ、5.8cmF1.5 というのがひっかかります。
フェイクであれば、同スペックの元になるレンズがあるはずですが、どうもそちらの方も存在が確認されていないのです。
レンズの玉も鏡胴も 5cmF1.5 とはひとまわり、ふたまわり大きいので、そのまま転用もできません。
焦点距離の正式な計測はしていませんが、5cmよりもけっこう画角が狭く、比較で言えば5.8cmというのは正しい表記と言っていいようです。

また、絞りを最小にして蛍光灯を当てて見ると、5cmF1.5 と構成は同じように見えます。
後群の構成は、貼り合わせトリプレットのゾナータイプのようで、少なくとも2群に分かれたダブルガウスでないことはあきらかです。

いったいどういう来歴のレンズか、まだ解答は出ていません。
所有者としては、ツァイス製と信じたいですし、そうであれば次のような推測ではいかがでしょうか。
コンタックス用レンズとしてとして製造したものの、5cm のファインダーより小さく写るのは天下のツァイスとしては量産は認めがたいとお蔵入りになります。
もったいないので、レンズユニットはレンズ設計ぐールプが持ち帰り、自分たちのカメラ用にマウントしてこっそり楽しもうと考えます。

そう彼らはコンタックス用レンズを設計・製造していながら、このカメラは使いにくいとプライベートではライカを愛用していて、まさに大好きなライカで自分たちのゾナーを使うという夢を期せずして実現したのでした。
ただ、いくら遊びとは言え、Zeiss 銘を入れるのはまずいので、レンズ名だけ入れとこう。
そうやって15本だけハンドメイドして仲間うちに配布したところ、わたしも、俺もの声がかかってもう100本ほど追加製造した。

当然、こんな他愛もない空想には何の裏付けもないわけですが、その可能性を巡って文献やらシリアル番号やらを追って行くのも楽しそうです。
まあ、真実がどうであれ、よく写る個性派レンズなので、なんにも気にやむ必要もありません。
【M8/Sonnar 5.8cmF1.5 F1.5】
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Zeiss Sonnar 5.8cmF1.5 | trackback(0) | comment(9) | 2009/10/16 Fri
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