汽車和古玩

M8/Pentac 5cmF2.9
こんなにレンズを大量に持っていていったい何になるのだ、とはよく聞かれる質問ですし、自分でしばしば感じる疑問でもあります。
好きだからとか、研究しているからとか(実際には研究なんぞしておりません)、理屈を考えてみましたが、どうも説得力には乏しいようです。
レンズのことよりも、もっと撮影を勉強しなさい、人に見せられる写真を撮ることに専念すべき、という声がこれも内外から漏れ聞こえてきます。

さて先日、自動車のコレクターの方がテレビで紹介されているのを見ていて、あっ、これだと思いました。
わたしと比較することが滑稽なくらい、経済レベルも社会的地位もずっと高い方でしたが、車に注ぐ愛情そのものはわたしがレンズに見せるそれと同様のものがあると感じたのです。

車は、現行のものもあったかも知れませんが、ほとんどは過去に製造された名車と言えるものです。
そのフォルムや計器類など見ているだけでうっとりしておられましたし、何馬力あって排気量がどれたけというスペックも自慢ですが、実際に公道を運転するその走りこそがその車を愛する理由です。
それは、美しいレンズの外観に惚れ、焦点距離・F値・レンズ構成に強い関心を持ち、実際に撮影したさの描写にこそ真髄を感じる、レンズ趣味と瓜二つに思えました。

ガソリンが枯渇して完全EV化されるとクラシックカーはどうなるのかという疑問が、デジタル化によってフィルムがなくなるとオールドレンズはどうなつてしまうのかという問題によく似ています。
ヨーロッパモノがコレクションの中心で、中には日本にも良いモノがあるというのも共通しています。
現行品であれば、購入価格からどんどん値段が下がりますが、クラシックカーもオールドレンズも値段の上下はあるでしょうが、基本的には下がる一方ということはありません。

見て愉しく、調べるといろいろなことが分かってくる、それだけなら他の骨董趣味と同じであるが、本質は使うことにあるというのが車とレンズ趣味のアドバンテージだということです。
レンズは、1個1個が車より安いですし、場所を取りません。
1度撮影に行くと、何本ものレンズをとっかえひっかえ愉しむことができます。

よし、これを、今度聞かれた時の言い訳にすることにしましょう。

さて、先々週の熱海~清水~由井の撮影行の最終回ですが、由井には有名スポットがあったとの発見で終わりにしたいと思います。
展望台のようなところに定点カメラが据えられていて、ここで撮影している人が何人もいました。

誰もがそうするように、絞ってシャッターを遅くして車のライトを流してみます。
手すりに固定したので、1秒ほどでしたがブレてないと思ったのですが、ライトがぎざぎざになってしまっていますね。
それに左上の富士山が雲にかくれてはっきりしない状態です。

右側の東名高速は順調に流れていますが、わたしたちが帰り道に向かう国道1号バイパスは渋滞してしまっていました。
車は交通量が増えることで渋滞するが、レンズ蒐集も使わなければ渋滞といっしょということを教えてくれるかのようです。
【M8/Pentac 2inchF2.9 F12.5】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Pentac 2inchF2.9 | trackback(0) | comment(4) | 2011/03/01 Tue

上次看的西蔵人

M8/Pentac 2inchF2.9
もたもたしていてもう大分時間が押して来ました。
混雑する小町通りをさけて若宮大路から鎌倉駅を目指しましょう。

もう1週早ければ、参道の桜も残っていて通りの感じもかなり違っていたことと思います。
代わりに現れた女性ライダーが、一輪の花のようで、せっかくしまったM8をまた取り出して、本日最後の1枚を撮影します。
半逆光でしたが、すっかりハレ切りを忘れて、ローコントラストの写真にしてしまいました。

鎌倉に滞在したのは正味3時間弱、往復の時間もいれて4時間半というところです。
初日にも書きましたが、短時間でレンズテストできる場があるのはたいへんに幸福です。
しかも四季折々の表情が楽しめますから、あと2か月たてばアジサイを見に来れるのです。


このバイクの女性を撮りながら、ふと思い出したことがありました。
去年の7月、同じ場所に立った時、"国旗"を懸命にふっていたチベットの青年です。
たいへん話題になった聖火リレーのあと、オリンピック直前の真夏の暑い時期でした。
あれから1年近くが経とうとしていますが、事態はよくなるどころか、世間ではチベット問題を忘れかけてはいないでしょうか。
鎌倉へ来れる幸せを感じつつも、いつまでも幸せになれない彼らのことを思い出させるのも、その鎌倉なのだと気付かされました。
【M8/Pentac 2inchF2.9 F2.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Pentac 2inchF2.9 | trackback(0) | comment(2) | 2009/04/26 Sun

抱弟弟的肩膀

M8/Pentac 2inchF2.9
もう一枚海蔵寺からです。
表情いっぱいの姉弟がやって来ました。
どうやら、鐘をゴーンと突きたかったのですが、禁止と書いてあってがっかりしています。
仕方なしに鐘を見上げるのですが、ボクの方は、鐘が落ちてきて自分たちが閉じ込められるんじゃないかと不安になっているような顔つきです。

お姉チャンは、もう他人のカメラを意識する年頃なのでしょう。
しっかりカメラ視線で、わたしがシャッターを切るのを確認しているようでした。
何枚か撮られるのを待ってから弟に向って、ほら写真撮っている人の邪魔になっちゃうよ、行こう、そう言うや笑顔で駆けて行ってしまいます。
ありがとうの意味で手を振りましたが、笑顔で振り返してくれたのがよかったですね。
その瞬間こそ、写真に撮るべきだったですが。

さて、ペンタックについてですが、鐘の質感をよく再現してくれているのに感心します。
コントラストが低めで、シャドー部分の表現も良いです。
しかし、ご覧のとおりボケが周辺で暴れます。
お決まりの非点収差です。

もうひとつは、このレンズの抜けをよくした描写も見てみたくなります。
コーティングに少し気持ちが傾きかけます。
【M8/Pentac 2inchF2.9 F2.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Pentac 2inchF2.9 | trackback(0) | comment(4) | 2009/04/23 Thu

藍色再出来了

M8/Pentac 2inchF2.9
鎌倉散策は、小町通りから寿福寺、寿福寺から海蔵寺とやってきました。
この後、鶴岡八幡宮をまわって帰ります。
これらは、鎌倉に詳しい人ならご存知、拝観料のいらない、寺社仏閣の有名どころです。
別に拝観料の2、300円をケチる必要はまったくないのですが、短時間でまわるとなると何だか倹約精神が出てしまうようなのです。
本来は、こういうものを撮りたいという目的をもっていろいろな寺社をまわるべきと思うのですが。

海蔵寺は、花の寺として人気で、カメラを持った人やなぜか境内で読書する人などが絶えないところです。
かといって団体で乗りいれたりというところではないので、花を撮るのと同様にスナップにも最適です。
サクラを撮ろうとしていたところ、視界に入ってきた美少女を失礼しました。

さて、昨夜は長所のみ紹介したペンタックですが、残念ながら欠点もあげなくてはなりません。

最大の弱点は逆光に弱いことです。
いえ斜光でもそうですが、一気にコントラストが落ちてしまいます。
作例では、左手をレンズにかざしてハレ切りしたものです。
これを怠った1枚目はずっと白い写真になっています。
これは、ノンコートのオールドレンズにはよくあることです。

そして、もうひとつ弱点がこの写真に表れています。
見難くて恐縮ですが、Zunow で何度か見かけた色収差が、彼女の服の周囲に出ているのです。
ペンタックは、実は1920年代には登場したレンズで、F2.9というF値は当時としては異例の明るさです。
旧ガラスの時代に3群のトリプレットで、F2.9というのは無理があったということでしょう。
色消しは完全ではなかったようです。

しかし、デリケートなオールドレンズでは、撮影時の条件にはより気遣うべきでしょう。
レンズが本来持っている性能を最大限発揮できるよう、配慮しなくてはなりません。
繊細な女性を撮るときには繊細に、です。
【M8/Pentac 2inchF2.9 F2.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Pentac 2inchF2.9 | trackback(0) | comment(12) | 2009/04/22 Wed

比七好了很多

M8/Pentac 2inchF2.9
今回使用した Dallmeyer Pentac 2"F2.9 は、某オークションで比較的最近入手したものです。
売主は、ポーランドの…、のと言えば多くの方がピンと来るかもしれません。
そう、あの悪名高き出品者から落札したものです。

くもり玉を"Optic Mint-"と表記する、35mmレンズを50mmのヘリコイドに付けて"Rangefinder Coupled"、かなり高めの価格設定と、被害に合われた話は枚挙に暇がありません。

しかし、そんな評判がすっかり定着してしまったからか、近頃はすっかり売れ行きが鈍化しているようです。
人気のこの Dallmeyer も200ドル台での落札で済みました。
ただし、やはり距離計連動に難があって、修理に15000円ほど追加料金がかかってしまいました。

Dallmeyer のシリアル番号表のサイトが消滅してしまい、正確な製造年は不明ですが、恐らくは戦前のものと思われる真鍮にブラックペイントされたレンズです。
フィルター径が27mmとかなりの小型ですが、もとはシネ用のレンズだったと思われます。
ヘリコイドは、インダスターだかロシアモノがあてがわれています。

Pentac の名称は言うまでもなくペンタックスとは関係なく、5枚玉から来ているようです。
2-1-2と並んだヘリアー型のノンコートです。
7枚玉の Septac があまりに高名なので、単なる廉価版と評価されがちですが、意外に高性能だと分かりました。

例によってM崎さんに見てもらうと、球面収差が驚くほど補正されたレンズと分かりました。
いただいたコメントは、「開放からフレアなくコントラスト高い。解像力はたいへん高く、すぐれたレンズである」。
これだけベタ褒めのレンズも珍しいのですが、描写の方はいかがでしょうか。

まずシネ用と思われるレンズですが、M8サイズでは隅々まで乱れのない均一な画面が得られていることにまず気付きます。
それとモノクロ時代のレンズながら、赤の発色がたいへんに先鋭で美しいものです。
前後のボケの美しさも不満はまったくありません。

この作例を見る限り、M崎さんの判定とおりの完璧なレンズに思えます。
Septac の廉価版ではないどろこか、よほど優秀なレンズだということです。
【M8/Pentac 2inchF2.9 F2.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Pentac 2inchF2.9 | trackback(0) | comment(10) | 2009/04/21 Tue

再見茶色墙路

M8/Pentac 2inchF2.9
天気は上々、数時間の空きができた、試写したいレンズもある、こんな時に気軽にカメラを持って出掛けられるところがあるのは幸せなことです。
週末、そんな状況になって、鎌倉を駆け足で巡って来ました。

鎌倉駅を降りて、小町通りを北上します。
さすがに人手が多く、ゆったりしたい気分の今日はパスします。
八幡様に出る手前の小道を左手に曲がると、鎌倉的雰囲気いっぱいのこの通りに出ます。
小町通りの喧騒が嘘のような落着き具合です。

長い木塀に沿って新緑を楽しみながら歩きます。
ウグイスが甲高い声でさえずって、散歩する人を驚かせます。
こんなところもあるんだねえ、老夫婦の嬉しげな会話が聞こえてきます。
わたしにとって、駅からいちばん近い鎌倉です。

夕方用事があるので、2時間ほどで駅に戻るつもりです。
ゆっくり歩きながら地図を眺め、今日のコースをかんがえたりしました。
繰り返しになりますが、こんな散策ができるのはほんとうに幸せなことだと実感します。
【M8/Pentac 2inchF2.9 F2.9】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Dallmeyer Pentac 2inchF2.9 | trackback(0) | comment(6) | 2009/04/20 Mon
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