おみくじの裏側

Ultron 50mmF2
今日は、もう1枚江ノ島の写真です。
直前に、日本を代表するレンズ研究家の方たちとウルトロンのことが話題になったので、自分でも使ってみようと持ち出していました。
祭りの様子をテレ・タナーで撮影してまわった後に、ウルトロンに付け替えて江ノ島をぐるっと1周してみることにしたのです。

10何年か前、MSオプティカルの宮崎さんと知り合い、プロミネント用のライカ距離計連動アダプターを開発したとの報を受け、当時はアメリカのカメラ店でレンズシャッターのカメラの価格が下がり切ったような時代で、ノクトン付きのプロミネントも1万円も出せば手に入りました。
レンズの描写はすばらしく、当時愛用していた同スペックのゾナー・コピーのジュピター50mmF1.5を凌ぐ鮮鋭さを感じ、わたしの中の最良レンズの座を勝ち取ります。
安いとは言えないアダプターの価格を半分にする方法を考えたといってその後買ったのがウルトロンで、ノクトンとアダプターを共有するからという言い訳ですが、理屈をこねては新しくレンズを買う悪い癖は、ウルトロンが最初だったかも。

しかし、そこは勉強不足ありありで、ノクトンもウルトロンも銘板部分が通常の黒に白文字ではなく、銀に黒文字の初期型というのがあって、今ではなかなか見つからないやや希少なレンズになっています。
初期玉はシアン系のコーティングで、以降のアンバー系のものと発色がだいぶ違うようですし、同時期に構成の異なるレクタフレックス用のノクトン、ウルトロンもあることもあり、以降のタイプとは若干の設計の違いあるかも知れません。
また、銘板がシルバーだと逆光時などに光を反射してフレアが出ると言われています。
それらのことを確認するためにも入手したかったのですが、すでにノクトンは銘板の色にかかわらず高価ですし、少々探した程度ではウルトロンの銀銘板もなかなか出てきません。
かつて、アメリカに潤沢に在庫していた時代にそのことを知っていればなと後悔しても手遅れでした。

話が反れましたが、ウルトロンの最初の撮影の結果では被写体が日向、背景が陰というものがあり、黒々としたボケが輪郭線を太く、色を汚く見せたため、なんとなくウルトロンにボケの汚いノクトンの廉価版レンズという思い込みに至らせました。
追い打ちをかけるように、宮崎さんのプロミネント用アダプターで無限が来なくなる問題が発生します。
当時、M6とR―D1で撮影していたわたしにM/Lアダプターをセットして連動を調整して納品してくれていたのに、わたしはそのM/Lアダプターを他のレンズでも共有して紛失させてしまいました。
他のアダプターを付けるとわずかに無限は来ず、連動も滅茶苦茶でした。
すぐに再調整してもらえばよかったのですが、そのころにはいろいろなレンズが集まっていてすっかり忘れてしまいました。
わたしにとっては、ノクトンは不遇のレンズで、ウルトロンは忘れられたレンズとなってしまっていたのです。

はい、本日の作例ですが、おみくじのお金を集める様子が、おもしろくて撮影しました。
直前に短パン履いたラフな格好の若い男の子のグループがみんなでおみくじを引いて自分たちの運勢をまじめに論評し合う中、逆に神聖ないで立ちの巫女さんが来て彼らを前に淡々と代金を回収していったのが妙だったのです。
そのカットにして彼らの運命が変わっては申し訳ないですし、背景が見えずボケが確認できないので、こちらの1枚にしました。
問題のボケは2線になることも固くなることもなく、とても素直でした。
そればかりか、このウルトロン、F2クラスの中ではもっとも優秀なレンズだったようです。
冒頭に書いたレンズ研究家のLさんが、とても分かりやすく解説してくれて納得しました。
【Alpha7II/Ultron 50mmF2 F2】
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Voigtlander Ultron 50mmF2 | trackback(0) | comment(0) | 2016/07/17 Sun

東南亜餐庁

R-D1/Voigtlandernultron 50mmF2(Prominent)

深圳の商業の中心エリア、東門はなんでもあって便利なところですが、いつも食事には困ります。
旨くて安い、ちょっと高級感があるクラスのレストランが存在しないのです。
必勝客と書くピザハットの行列を横目で見ながら、入った東南アジア風レストランも最悪でした。
日本在住の中国人はよく、日本の「中華料理」ほどひどいものはないと言いますが、中国人の作る他国料理も同様です。
間延びした時間だけが、東南アジア風でした。

ご機嫌斜めなカメラ目線です。
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Voigtlander Ultron 50mmF2 | trackback(0) | comment(6) | 2008/06/17 Tue

文物径~⑩祈神壇

R-D1/Voigtlandernultron 50mmF2(Prominent)

おっ、徠卡だ。
徠卡とはライカの漢語名で、わたしのR-D1にライカの赤丸シールが貼ってあるのを目ざとく見つけたおじいさんが、となりの親父さんに話しかけるのが聞こえました。
香港は台湾と並んでライカの人気が高いところで、ときどきそのライカの本物を持っている人を見かけます。
それに、ヨーロッパやアジアを旅していてライカを持っている人がいて、話しかけると香港人か台湾人の確率が高いです。

台湾人といえば、先日イギリスの珍しいレンズをオークションで落札したら、レンズ史を研究しているという台湾人から譲ってくれないかとメールが来てびっくりしました。

一方の中国本土では、ライカはまだまだ知られざる存在です。
ライカM8にズミクロンを新品で買えば70万円以上しますが、これは都会に住む中流中国人の年収に相当する額です。
インフレが激しく、まずは住居をと考えている彼らには、とてもライカをという余裕があるはずもありません。
しかし、その年収より高いライカという状況は、かつての日本でもあったはずで、やがて中国にもライカを持つ市民が現れてくるかもしれません。
それが証拠に、ニコンやキヤノンのデジタル一眼レフはけっこう普及しつつあります。

関係ない話に字数を費やしてしまいました。
ここは上璋園にある小さな祠です。
社壇と呼ばれる、神を象徴するシンプルな形状の建築物ですが、古民家の屋根の側面とそっくりなところが面白いです。
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Voigtlander Ultron 50mmF2 | trackback(0) | comment(8) | 2008/06/15 Sun

開平走法~⑫工作

R-D1/Voigtlandernultron 50mmF2(Prominent)

深圳に戻るバスは2時間半の道のりです。
そろそろ帰り支度を始めねばなりません。
雨足がたいへん強くなりましたが、この騎楼なら大丈夫。
最後にここを歩くことにしたのでした。

1階部分は、もともと商店だったところが多かったはずですが、ほとんどが門を閉ざしています。
もっぱら工場や倉庫などに転用されているようです。
2階以上はもちろん住居です。
建築当初の姿ではありませんが、100年前の騎楼が現役でがんばっている様子が体感できました。

大雨のフィルター越しでディテールが曖昧になったのが、騎楼の雰囲気を強調しています。
ウルトロンもハイライトにわずかの滲みを出して、演出に一役かっているようです。
軒先では、絵画的に描写された村人がジーンズを縫っています。
そういえば、最初に訪れた三門里では傘が作られていました
家にある中国製の傘やズボンは、こんな古鎮からやって来たものなのかもしれません。
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Voigtlander Ultron 50mmF2 | trackback(0) | comment(6) | 2008/06/13 Fri

開平走法~⑪后街

R-D1/Voigtlandernultron 50mmF2(Prominent)

前夜ご紹介した迫力いっぱいの騎楼ですが、もう1本ウラの通りにも同様のものが並んでいます。
前夜の騎楼が美しく整然としているのに、ウラ通りのそれは完全に市民生活の場と化していました。
昨年世界遺産に登録されるまでにユネスコのお偉いさんが来て、あれこれ見て廻ったことと思いますが、まさかそのウラにこんな光景が広がっていたなんて何とも痛快です。
わたしは、観光客に見せるために力技できれいにしてしまうよりも、ありのままに生活感漂う世界の方が楽しいので、アーケードが仕事場化している雰囲気と柱のへたれ方は気に入りました。
しかし、高齢者が苦しい生活をしているようにも見え、やれ世界遺産だ、団体観光客光臨だと言っても、市井のひとにはなんら恩恵ももたらさないのだなと、複雑な思いも感じないわけにはいきません。
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Voigtlander Ultron 50mmF2 | trackback(0) | comment(6) | 2008/06/12 Thu

開平走法~⑩騎楼

R-D1/Voigtlandernultron 50mmF2(Prominent)

最後、赤坎鎮によって帰途に就くことになりましたが、ここが今回の訪問地ではいちばん良かったかもしれません。
19世紀末になる騎楼が、現役で使われています。
騎楼とは、階下がアーケードのようになった建築様式で夏の暑さを和らげ、雨も凌いでくれます。

ただ、雨脚が激しくなってきました。
傘を片手の撮影を余儀なくされます。
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Voigtlander Ultron 50mmF2 | trackback(0) | comment(10) | 2008/06/11 Wed

開平走法~⑨看出

R-D1/Voigtlandernultron 50mmF2(Prominent)

東南アジアでよく見る植物ですが、ここ開平でも見つけました。
可愛らしい花ではなく、葉の方です。
触れるときゅっと左右から閉じるんです。

この植物、何と言うのでしょう。
日本にも存在するのでしょうか。
植物検疫の面倒がなければ、持って帰りたかった…。
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Voigtlander Ultron 50mmF2 | trackback(0) | comment(6) | 2008/06/10 Tue

開平走法~①導遊

R-D1/Voigtlandernultron 50mmF2(Prominent)

今月、また中国南部に行くことになり、またまた休みを利用して古鎮を訪ねてきました。
しかし、今回はかなり本格的です。
世界文化遺産に先ごろ登録された広東省開平。
噂にたがわぬすごいところでした。

世界遺産ということで、興味津々の王老師を携え乗り込みましたが、やはり退屈だったようでかなり不機嫌です。
大雨の追い打ちもあって、最初の訪問地、三門里に着くや帰りたがります。
通訳面やタクシーとの交渉では大いに活躍してくれましたが、不満も多く、やはりひとりで来るべきだったか…。
ただ、ハイライトが滲むウルトロンでは、何気なくシャッターを切った1枚でも、雰囲気を出すことに貢献してくれています。
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Voigtlander Ultron 50mmF2 | trackback(0) | comment(4) | 2008/06/02 Mon
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