下雪下脱粒

M8/Rokkor 28mmF2.8
ちょっと寄り過ぎてしまって分かりづらいですが、作例写真は、巴沙スタイルの素朴な脱穀風景です。
お嫁さんが梃子式のきねを一定のリズムで足踏みして、お婆さんがタイミングを見計らって稲を動かししています。
意外にテンポは速く、まだうす暗い中では、少々露出オーバーで撮影することできねの動きをぶらすことができるのに気付きます。
このスピードは、気を抜くとお婆さんが怪我しないか心配になるほどです。

誰でもできそうな作業に見えますが、意味の位置の微妙なずらしなど、この道○十年のお婆さんの技術があればこそなのでしょう。
お嫁さんの方は左手でひもを握っていて、最初これできねを操作しているのかと思いましたが、よく見るときねはあくまで足で動かしています。
上から下がったひもは、単なる吊革の役割を果たしているに過ぎないのでした。

他の家でも見られた村では平凡な風景と思われますが、わたしにとっては新鮮で、長らく見学させていただきました。
本当は、この米をどう研いで(たしか研がなかったような…?)、どう炊いて、どのように食べるかまで見届けたかったのですが、そこまでの時間はありません。
いつかは、お手伝いしつつ、すべての工程を見せてもらいたいものです。

別の家では、洗濯シーンを見ることができました。
極寒の中、桶に溜めた水を洗濯モノにかけて、なんと素足で踏んで行きます。
単に踏むのではなく、これも一定の細かいステップで時計回りに回転しながらくまなく足踏みしていっています。

少数民族の村でも川があれば、川辺で選択するのが一般的ですが、巴沙は高台にあって川がないので、このような洗濯スタイルになるようです。
足があかぎれしそうで、自分の足に痛みを感じるほどです。
洗濯ひとつとってこれだけの苦労をするのかと目頭が熱くなってきました。

そうやって散策しているうちに、細かな雨がいつの間にか雪に変わっていました。
どおりで寒いはずです。
1月2日でしたが、思わぬところで初雪を体験することになりました。
前日、あまりに寒いので雪が降るのではと宿の人などに聞いたりしたのですが、この辺はめったに雪は降らないし、降ったとしても年に1回あるかないかだとの返事でした。
そんなめったにない雪を体験するのですから、わたたしは雨男のみならず雪男でもあるのかも知れません。
それを痛感するのは、実はさらに後日のことなのですが。

そんな中で、実に億だったツールがあります。
革製の手袋です。
防寒用の分厚い手袋ではなく、むしろ薄っぺらな印象の手袋ですが、これを付けているといないでは雲泥の差があったはずです。
前月に山西を訪れた時、寒い中で手袋をいただいて無感覚になりかけていた手が甦った体験から、念のため持参した革手袋がここでも助けてくれたかっこうです。

この手袋は昨年オーダーしたもので、実質的に今回の旅がデビューになります。
手袋をするとライカのようなマニュアルカメラでは操作性が悪くなるので、使用しない人の方が多いのではと思います。
しかし、こんなのもあるよと友人に教えてもらったのがこの手袋で、キャッチコピーが"つけたまま文庫本が読める
手袋"です。

エチオピア産シープの革の特性であるしなやかさやほどよい伸びを利用して、手にぴったりとフィットする手袋をオーダーメイドしました。
まるで、手術用手袋のようなぴったり感で、なるほどこれであれば素手に準じる操作性を得られるので、ライカのシャッタースピードダイアルやレンズのフォーカスや絞りなどなんなく操作できます。
あえて言えば、前述のように薄い生地なので防寒にはなりませんが、それでもやはり素手よりはずっと好いです。
また、ぴったりということでは、装着にやや時間がかかりますし、破けるのではとの不安もありますが、革の質が抜群なのと縫製がしっかりしていて絶対に壊れないそうです。

冬場の撮影に必携のツールと言うことを再確認できた巴沙の雪でした。
もちろん撮影などの細かい指の動きがないのなら、もっと分厚い完全防寒の手袋を使えばいいのですが、このフィット感は何物にも代えがたいと実感しました。

ご関心の向きには一度ホームページを見ていただければと思います。
多摩センターのブロッサムという店で検索するとすぐに見つかります。
けっして安い買い物ではありませんが、これよりも高い手袋はいくらでもあるので、この使用感を体験すると割安感があるのではないかと思います。

それとオーダーメイドですので、自分だけの一品を所有できる喜びもあります。
カラーサンプルが豊富で、ステッチも含めて色選びに悩むほどです。
名前のタグも付けてくれるので、わたしは迷わず中将姫と入れてもらいました。
宣伝のようになってしまい恐縮ですが、カメラマン用の手袋がなくてと嘆いている方の話を聞いたこともあったので、ご自身で見て判断してもらえればと思い、当ブログでは珍しく紹介させていただいたことをご了承ください。
【M8/M-Rokkor 28mmF2.8 F2.8】
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thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Minolta M-Rokkor 28mmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2011/01/19 Wed

M-Rokkor的故事

M8/Rokkor 28mmF2.8
中国の改革開放以前、外国の文化が入って来ることは非常に稀だったようです。
映画では高倉健や山口百恵が高い人気だったと言いますし、瀬戸の花嫁とか北国の春は大ヒットしたと聞きました。
1970年代の話なので、これらを見たり聞いたりして青春を過ごした世代は、すでに還暦かそれに近い世代のはずです。

ところが、以前、20歳代の人たちとカラオケに行った時、何か日本の歌をとせがまれて北国の春をかけたとき(わたしは超音痴のためほとんど歌えず)、ほとんどの人が聞いたことのある曲だと言っていました。
意外にも広く深く、日本の歌謡曲が日中草の根外交に貢献していたのかも知れません。
アジア各地では、かつておしんが大ブームになって、どんな辺境でも日本人が旅行していると、おしん、おしんと声をかけられたという話も思い出しました。

また、瀬戸の花嫁と聞くとわたしが思い出すのは、段々畑とさよならするのよ~、幼い弟行くなと泣いた~、という一節です。
花嫁衣装またはウェディングドレスを来た美女が、なぜか段々畑のあぜ道をゆらゆら歩いていて、一回りくらい年の離れた鼻水垂らしたいがぐり頭のボウズがわんわん泣いている絵を想像して、なにか現実離れしたマンガのような世界に感じられたものです。

いつものとおり前置きがやや長くなりましたが、巴沙の段々畑にはそのような非現実ではなく、家族の数日間分または、市場で売って来るため分の野菜をかついだ野良着姿の女性と言うなまなましい現実があるだけでした。
昨晩からの霧雨で足もとがすっかりぬかるんでいて、滑ってばかりの上に靴をすっかり汚しながら、畑にやって来た旅行者に呆れているようにも思われます。
得意だったノーファインダーもピントで失敗していますし。

レンズは、M-ロッコール28mmF2.8という、CLE用にミノルタが設計した広角レンズです。
ライカのエルマリート28mmF2.8より高性能との評価が高まって、7~8年前の中古相場が10万円程度していた人気レンズです。
パンケーキに近いコンパクトな鏡胴でエルマリートの半分くらいの大きさというのも旅にはぴつたりです。
ライカを始めてからしばらくして購入して、M6との組み合わせで本当によく使ったものです。

しかし、この高性能広角レンズを頻繁に用いたことが、わたしにとっての命とりだったのかも知れません。
その後、個性的でおもしろい写りだと聞いたズミルックス35mmF1.4を手に入れてしまったことで、わたしはどんな時でもズミルックスを持ち出すようになってしまい、M-ロッコールの存在を忘れてしまいます。
毎度かっちり写るM-ロッコールに物足りなさを感じたのか、ズミルックス開放の不思議な淡く滲んだ描写にはまり、かっちり撮りたい時はズミルックスをF4に絞ればいいというユーティリティ的な使い方で満足するようになったのでした。

こんな発想は、全国的あるいは世界的な最近のトレンドにもなっているのか、驚いたことにズミルックスの価格相場が当時とそう変わっていないかむしろ上昇しているのに対して、かつてのスターだったM-ロッコールは4~5万円程度まで価格帯が暴落してしまっているようです。
だからという訳ではないですが、今回、実に久し振りにこのレンズを持ち出して、小型軽量のありがたみと、このレンズ独特の緑色の発色を楽しませてもらいました。

そもそもCLE自体がすごく好きなカメラで、CLEコンセプトのライカMマウントカメラを作って欲しいと何年も前から力説しています。
それが実現する暁には、M-ロッコール現代版も同時リリースして欲しいですね。
もちろん高性能レンズを再現する必要はまったくありません。
欲しいのは、F1.4ながらなるたけコンパクトで、開放では怪しく滲む、ズミルックスのリメークスタイルです。
いま、こんな企画が実現すれば、支持する人はかなりいると思うのですが、いかがなものでしょう。
【M8/M-Rokkor 28mmF2.8 F2.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Minolta M-Rokkor 28mmF2.8 | trackback(0) | comment(2) | 2011/01/18 Tue

草茉莉

R-D1/Minolta Rokkor 28mmF2.8

廃屋まわりのおしろいばな、なかなかいい取り合わせです。
最初、絞ってパンフォーカスで撮ったんですが、やはりわたしは開放・最短距離のこちらが好きです。
きれいにボケてます。
レンズは、コンパクトかつ軽量、散歩の友には最高でしょう。
ところでこのレンズ、よく小さなぶつぶつ(気泡)が発生すると言われています。
もしかしたら、写りと引き換えにリスクの大きい硝材が使われたりしているのでしょうか。


thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Minolta M-Rokkor 28mmF2.8 | trackback(0) | comment(4) | 2007/07/26 Thu

綾瀬之里

R-D1/Minolta Rokkor 28mmF2.8

今週の日曜は涼しく、目久尻散歩も少し距離を伸ばしてみました。
早川城山公園に車を停めて(なぜかここまで歩かない?)、10キロ近く川沿い北側中心に歩き回ります。
この辺りは、わたし個人は未踏破地域で新鮮さもあります。

早速発見。「綾瀬の里」の表示の前に、一町歩に満たない田んぼが広がっています。
ここが綾瀬の里たる、古い謂れなどがあるのでしょうか。
実際はこの背面にある介護施設の名称のようでもあったのですが、詳細は不明です。
減量目的が強まっているので高速度歩行を保ちつつの散歩です。
不明点は解決しないまま、「?」を頭上に保ちつつずんずん歩いていきました。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Minolta M-Rokkor 28mmF2.8 | trackback(0) | comment(8) | 2007/07/25 Wed

台風中心

R-D1/Minolta Rokkor 28mmF2.8

先週の台風の時の目久尻の様子です。
日記でありながら古い話で恐縮なんですが。
川は大きく水嵩を増して、空は2種類の荒々しい雲が互いにせめぎあっているかのようです。
台風最接近の頃と記憶していますが、なぜか風はそよとも吹かず、雨もピタリと止んだままでした。
そんな重々しい空気をも写したかったのですが、そこまでは伝わらないですね。
その後、台風は荒れ狂うということもなく、ゆっくりと通り過ぎて行ったようです。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Minolta M-Rokkor 28mmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2007/07/23 Mon

原材料

R-D1/Minolta Rokkor 28mmF2.8

土曜日曜と日中はけっこう暑かったです。
近所の畑でこんなものを見てしまうと、どうしても喉を潤したくなるのが人情でしょう。
先日会った栃木の知り合いの方は、米を作っていない時期は大麦で、収穫はキリンの栃木工場に出荷すると話していました。
ここのは、同じくキリンの鶴見あたりなのでしょうか?
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Minolta M-Rokkor 28mmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2007/05/22 Tue

滞銷商品

R-D1/Minolta Rokkor 28mmF2.8

元箱に入った貴重な貴重な新品同様のM-ロッコール28mmF2.8をお預かりしました。
自由にお使いください、などと言われてもかなり困ります。
いつもながらの近所の公園での試写と相成ります。
折りよく斜面につつじが咲いていて、さわやかな草原風のシチュエーションです。

聞いていた通りの解像力とヌケの良さです。
これで開放とは。
ボケも広角としては最高の部類ではないでしょうか。
一瞬にして「お気に入り」に登録です。
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真
Minolta M-Rokkor 28mmF2.8 | trackback(0) | comment(0) | 2007/05/21 Mon
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