
広西壮族自治区最北の高定村があるのは香港から北北西に約700キロ、緯度にすると台北とだいたい同じくらいです。
恐らく波照間島などが辛うじてそれより南になるものの、日本よりはるかに南に位置しています。
数年前、ゴールデンウィークに桂林に行ったことがあり、連日35度を超える暑さだったことから同様の気候を覚悟していたのですが、ずっと曇っていたことと、かなり高度のある山間だったため、涼しくたいへん快適に行動することができました。
そういえば、これまでに滞在した貴州や湖南の村も日中はそれなりに暑くなるものの夕方からはけっこう涼しくなっていたので、夏場の中国はどこもかしこも暑いことを考えると、この地方を訪れるのは正解だと言えます。
ちなみに高定は冬場に数回は積雪があって、そうなると車で山道を走行するのは危険なのでお薦めできないと聞きました。
雪景色も魅力的でしょうが、行くなら夏場ですね。
朝の散歩は特に気持ちが好く、滞在中、シャワーを浴びることができなかったのですが、さわやかに歩きまわりました。
そういえば、高台の景色の好い場所で一服している男性にあいさつして雑談していたところ、その人は製茶業をやっている人で、民家を改造したような小さな工場に案内すると、いろいろなお茶を試飲させてくれました。
日本同様緑茶がメインなのかと思っていたのですが、同程度に紅茶も飲まれ、生産量は少ないものの野生茶というのもありました。
緑茶は、杭州などで有名な龍井茶と似てあまり渋みのないタイプで、紅茶も英国式とは違い砂糖やミルクを入れずともほのかな甘みが感じられるものです。
野生茶は文字通り周辺の山にもともと自生していた品種で、独特の強い甘みをともなった味がワイルドな印象です。
いずれも、食事時に飲むお茶と言うよりも、3時の休息とか食後のひとときとかに飲む嗜好品というべきものです。
そのせいか、残念ながら何人もの村人に聞きましたが、お茶を飲む週間がある人は皆無でした。
あくまで商品作物として町に出荷されるということのようです。
すごく美味と言うわけではありませんが、特徴的な味に魅力を感じて野生茶を売ってもらえないかお願いしてみました。
ちょぅど見本用の缶入りのものがあるとのことで譲ってもらいましたが、250グラムほどで200元ととんでもなく高価でした。
その男性は野生茶はたいへん希少なのでとても高くて申し訳ない、紅茶ならずっと安いのだがと恐縮しています。
結局、交通費や食事代、宿泊代を除くと、野生茶はこの旅でわたしが使った唯一の出費になりました。
その後、楊さんの家方面へ戻ると、また別の男性が笑いながら家へ来て下さいと話しかけてきました。
やはり狭い村のことですから、外から人が来れば目立ちますし、1泊したとなれば興味津々、さらにはそれが外国人と分かった日には噂になったりもするようです。
どうぞどうぞと部屋に招かれるや、またお酒をご馳走になります。
日本のどこから来たのかとか、どうしてこの村に来たのかとか質問責めです。
子どもが3人いましたがみんなシャイで、レンズを向けると逃げ出してしまいました。
あまり外から訪れる人もなく、たまに来てもそういう人にするのは恐かったりするのかも知れません。
日本人を見るのは初めてですかと聞くと、去年も来たのだと教えてくれました。
その人もひとりで来た男性で1ヶ月ほどもこの村に滞在していったといいます。
何かの研究に来たのでしょうか。
その方にお会いしてみたいものです。
のどかで平和な高定ですが、2年前に凄惨な事件があったことを知り胸を痛めました。
「広西・無差別殺人犯を村人30人で打ち殺す村の風習」。
小さな山村では、民族の問題があるため村内や近隣での婚姻があたりまえで、どうしても血が濃くなってしまうことは否めません。
そのためかどうか、各地の村で障害のある人をよく目にします。
解決の手立てはないものでしょうか。
【M8/W-Nikkor・C 35mmF1.8 F1.8】
thema:ライカ・マウント・レンズ genre:写真












